JP2007187436A - クリーンユニット、連結クリーンユニット、クリーンユニットの運転方法およびクリーン作業室 - Google Patents
クリーンユニット、連結クリーンユニット、クリーンユニットの運転方法およびクリーン作業室 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】クリーンな環境に維持する循環型フィルターを有し、クリーンな環境に維持することができるクリーンユニットにおいて、循環型フィルターが、ろ材が互いに異なるか、またはろ材の孔径が互いに異なる複数のアクティブ塵埃フィルターを直列および/または並列に設けたものを少なくとも一部に含むようにする。
【選択図】図1
Description
また、箱状ケーシングの一面に吹出口を、他面のうち少なくとも二面に格別の吸込口を形成し、それらを吸込口から取り入れた気体を前記吹出口から吐き出させるファン、および、前記吹出口から吐き出させる気体を浄化するフィルターを前記ケーシングに内装し、前記吸込口のそれぞれを選択的に閉じるための蓋に対する固定具を設けた気体浄化ユニットが提案されている(特許文献5参照。)
また、クリーンモジュールを多数個連結してクリーン空間を形成した、クリーントンネルと称するものが提案されている(特許文献7参照。)。これは、クリーンモジュール間に分割板を挿入することにより最小限の外部開放にとどめ、クリーン環境の破壊を最小にとどめようとする工夫である。
また、複数のクリーンベンチユニットを連結手段によって気密的に連結し、各クリーンベンチユニット内の作業空間を連結してクリーンルーム環境を備えた気密通路を長さ方向に調整可能に形成したクリーンベンチモジュールシステムが提案されている(特許文献8参照。)
また、モジュールにより構成されるマルチチェンバー装置が提案されている(特許文献9参照。)
また、上記の特許文献1、2、6、7、8には、クリーンな環境を維持したまま複数のプロセスを行うために、複数のクリーンユニットを連結することが提案されているが、いずれもクリーンユニットを左右方向に連結する単一直線状の配置しか取ることができなかった。このため、トータルな一連のプロセスに必要な数のクリーンユニットを連結しようとすると、その方向に長い設置スペースが必要であり、このクリーンユニットシステムを収容する建物の長さもそれに応じて大きくならざるを得なかった。
また、トータルな一連のプロセスにおいて最上流のプロセスから最下流のプロセスに至る間には、例えば、レジスト塗布、マスク合わせ、露光、現像、エッチングなどのプロセスが、間に他のプロセスを挟んで繰り返し現れることが多い。このような場合に、これらのプロセスを行うクリーンユニットを何個も上記の単一直線状配置で連結するのでは、クリーンユニットシステムを構成するクリーンユニットの数が膨大になり、かえってクリーンルームを用意した方が、同じ製造装置の使い回しができるため有利であるということになってしまい、巨大設備投資の呪縛から逃れられない。
また、防塵フィルターとして用いられるHEPAフィルターやULPA(ultra low penetration air)フィルターは、フィルター部が直接外気に接するタイプのものしか存在しなかったが、本発明者らが独自に行った実験により得た知見によれば、フィルター部が直接外気に接することが清浄度のさらなる向上を妨げている一因であることが分かった。
そこで、この発明が解決しようとする課題は、以上のような状況に鑑み、従来のように大掛かりで小回りが効かず、巨大な設備投資や固定資産負担が必要な巨大なクリーンルームを用いることなく、極めて簡単な構成でクラス1またはそれ以上の極めて高い清浄度のクリーンな環境を容易に得ることができ、また、一直線状にしか連結できない従来のクリーンユニットの持つ空間利用効率の悪さを解決し、トータルのパフォーマンスを投資的にも作業効率的にも部屋の面積有効利用的にも最大化することができ、目的に応じたトータルな一連のプロセスフローに対応してプロセスを高いフレキシビリティーを持って低コストで簡便に実行することができる連結クリーンユニットおよびこれに用いて好適なクリーンユニットを提供することである。
そして、この発明が解決しようとする最終課題は、従来全く別々の建物や部屋で行われていたナノテクノロジー、バイオテクノロジー、植物工場などの各分野の技術を一つの融合プラットフォーム上で統合的に一体処理することができる環境を提供することである。
上記課題およびその他の課題は、添付図面を参照した本明細書の以下の記述により明らかとなるであろう。
循環型フィルターを有し、クリーンな環境に維持することができるクリーンユニットであって、
上記循環型フィルターが、ろ材が互いに異なるか、またはろ材の孔径が互いに異なる複数のアクティブ塵埃フィルターを直列および/または並列に設けたものを少なくとも一部に含むことを特徴とするものである。
このように、ろ材が互いに異なるか、またはろ材の孔径が互いに異なる複数のアクティブ塵埃フィルターを直列および/または並列に設けることは、本発明者らの知る限り、これまで何ら提案されていない。
クリーンな環境に維持することができるクリーンユニットが複数連結された連結クリーンユニットにおいて、
少なくとも一つのクリーンユニットが、
循環型フィルターを有し、クリーンな環境に維持することができるクリーンユニットであって、上記循環型フィルターが、ろ材が互いに異なるか、またはろ材の孔径が互いに異なる複数のアクティブ塵埃フィルターを直列および/または並列に設けたものを少なくとも一部に含むものであることを特徴とするものである。
循環型フィルターを有し、クリーンな環境に維持することができるクリーンユニットであって、
上記循環型フィルターが、少なくともその一部に、除去可能なダスト微粒子の最小径が第1の粒径である第1のアクティブ塵埃フィルターと除去可能なダスト微粒子の最小径が上記第1の粒径より小さい第2の粒径である第2のアクティブ塵埃フィルターとを有し、
上記第1のアクティブ塵埃フィルターと上記第2のアクティブ塵埃フィルターとが上記クリーンユニットに対して並列に設けられており、
上記第1のアクティブ塵埃フィルターと上記第2のアクティブ塵埃フィルターとが切り替え可能に構成されていることを特徴とするものである。
ここで、第1のアクティブ塵埃フィルターは、例えば、ガラス繊維をろ材に用いたHEPAフィルターであり、第2のアクティブ塵埃フィルターは、例えば、ポリテトラフルオロエチレンをろ材に用いたULPAフィルターであるが、これらに限定されるものではない。例えば、第1のアクティブ塵埃フィルターおよび第2のアクティブ塵埃フィルターのろ材として同一のものを用い、第2のアクティブ塵埃フィルターのろ材の孔径(メッシュの孔径)を第2のアクティブ塵埃フィルターのろ材の孔径より小さくしてもよい。
循環型フィルターを有し、クリーンな環境に維持することができるクリーンユニットの運転方法であって、
上記循環型フィルターが、少なくともその一部に、除去可能なダスト微粒子の最小径が第1の粒径である第1のアクティブ塵埃フィルターと除去可能なダスト微粒子の最小径が上記第1の粒径より小さい第2の粒径である第2のアクティブ塵埃フィルターとを有し、
上記第1のアクティブ塵埃フィルターと上記第2のアクティブ塵埃フィルターとが上記クリーンユニットに対して並列に設けられており、
上記第1のアクティブ塵埃フィルターと上記第2のアクティブ塵埃フィルターとが切り替え可能に構成されており、
上記第1のアクティブ塵埃フィルターにより上記第1の粒径以上のダスト微粒子を除去した後、上記第1のアクティブ塵埃フィルターから上記第2のアクティブ塵埃フィルターに切り替えて上記第2の粒径以上のダスト微粒子を除去するようにしたことを特徴とするものである。
好適には、第1のアクティブ塵埃フィルターおよび第2のアクティブ塵埃フィルターによりダスト微粒子を除去した後、作業室内に希ガスや窒素ガス等の不活性ガスを導入して空気を置換するようにする。こうすることで、作業室内の環境を高清浄度でしかも非酸素雰囲気にすることができる。
クリーンな環境に維持することができるクリーンユニットが複数連結された連結クリーンユニットにおいて、
少なくとも一つのクリーンユニットが、
循環型フィルターを有し、クリーンな環境に維持することができるクリーンユニットであって、上記循環型フィルターが、少なくともその一部に、除去可能なダスト微粒子の最小径が第1の粒径である第1のアクティブ塵埃フィルターと除去可能なダスト微粒子の最小径が上記第1の粒径より小さい第2の粒径である第2のアクティブ塵埃フィルターとを有し、
上記第1のアクティブ塵埃フィルターと上記第2のアクティブ塵埃フィルターとが上記クリーンユニットに対して並列に設けられており、
上記第1のアクティブ塵埃フィルターと上記第2のアクティブ塵埃フィルターとが切り替え可能に構成されていることを特徴とするものである。
循環型フィルターを有し、クリーンな環境に維持することができるクリーンユニットであって、
上記循環型フィルターのアクティブ塵埃フィルターの上下にゲートバルブが設けられていることを特徴とするものである。
循環型フィルターを有し、クリーンな環境に維持することができるクリーンユニットの運転方法であって、
上記循環型フィルターのアクティブ塵埃フィルターの上下にゲートバルブを設け、
上記アクティブ塵埃フィルターによりダスト微粒子を除去した後、上記ゲートバルブを閉めるようにしたことを特徴とするものである。
このようにアクティブ塵埃フィルターの上下(あるいは入口および出口)にゲートバルブを設けることは、本発明者らの知る限り、これまで何ら提案されていない。
好適には、アクティブ塵埃フィルターによりダスト微粒子を除去した後、作業室内に不活性ガスを導入して空気を置換するようにする。
クリーンな環境に維持することができるクリーンユニットが複数連結された連結クリーンユニットにおいて、
少なくとも一つのクリーンユニットが、
循環型フィルターを有し、クリーンな環境に維持することができるクリーンユニットであって、上記循環型フィルターのアクティブ塵埃フィルターの上下にゲートバルブが設けられていることを特徴とするものである。
第6〜第8の発明においては、好適には、アクティブ塵埃フィルターによりダスト微粒子を除去した後、これらのゲートバルブを閉めるようにする。この場合、アクティブ防塵フィルターによりダスト微粒子を除去した後、作業室内に不活性ガスを導入して空気を
置換するようにしてもよい。
エア循環機構を有する、クリーンな環境に維持することができる非真空のクリーン作業室であって、その内部における粒径0.01μm以上のダスト微粒子の総数が1個未満であることを特徴とするものである。
好適には、粒径0.01μm以上のダスト微粒子の総数が0.1個未満である。
ここで、クリーン作業室の内部における粒径0.01μm以上のダスト微粒子の総数を1個未満とすることができることは、これまで報告されておらず、本発明者らが初めて達成したものである。
第1〜第9の発明において、循環型フィルターまたはエア循環機構は、典型的には、アクティブ防塵フィルターと循環ダクトとにより構成される。
クリーンユニットまたはクリーン作業室は、非真空でよいため、板状のハードな部材により構成するほか、風船あるいはバルーン状のソフトな材料を用いて構成してもよい。
クリーンユニットまたはクリーン作業室の内壁からの発塵を抑えるために、例えば、この内壁の全部または一部にポリテトラフルオロエチレンのコーティングを施すようにしてもよい。
連結を行う場合、作業室の後部、上部および下部のうちの少なくとも一つならびに少なくとも一方の側部にそれぞれ連結部が設けられる。作業室の連結部を後部、上部、下部および二つの側部のどこに設けるかは、クリーンユニットを二次元的(平面的)または三次元的(立体的)にどのように配置するかに応じて適宜決められる。例えば、連結クリーンユニットを水平面内に配置する場合、連結の自由度を大きくし、連結クリーンユニットのフレキシビリティーを高めるためには、好適には、連結部は、作業室の後部および両側部にそれぞれ設けられる。この場合、一つのクリーンユニットに対し、後部および両側部に合計三つのクリーンユニットを連結することが可能である。また、クリーンユニットを鉛直面内に配置する場合、連結の自由度を大きくし、連結クリーンユニットのフレキシビリティーを高めるためには、好適には、連結部は、作業室の上部または下部および両側部にそれぞれ設けられる。この場合、一つのクリーンユニットに対し、上部または下部および両側部に合計三つのクリーンユニットを連結することが可能である。連結部は、例えば、作業室の壁に設けられた開口部とこの開口部を開閉可能に設けられた遮断板とを有する。この遮断板は、開閉可能である限り、基本的にはどのようなものであってもよいが、典型的には、引き戸や扉などである。この遮断板の開閉は、手動で行ってもよいし、光センサーなどのセンサーを作業室内部に取り付けるとともに、遮断板の開閉機構を設け、オペレーターの手や試料が遮断板に近づいた時に自動的に開閉するようにしてもよい。また、作業室にベルトコンベアーなどの搬送機構を設け、入り口と出口との間でこの搬送機構により試料を搬送する場合には、試料が搬送機構により出口付近まで搬送された時、これをセンサーにより検知して遮断板を開閉機構により開閉するようにしてもよい。遮断板または作業室の壁面にパッキンなどのシール部材を設けて遮断時の気密性を高めるようにしてもよい。
また、クリーンユニットの作業室の内部環境は様々な方式で制御することができる。この内部環境の制御手段は、例えば、温度制御装置、湿度制御装置、気体成分制御装置、吸着装置、除害装置、特定波長照明器、密閉/開球環境選択機構などである。内部環境は、例えばコンピュータにより制御することができる。
例えば、超LSIに代表される半導体素子などの高機能素子の製造には、材料投入から始まり、膜形成、UV(紫外線)あるいはEUV(極紫外線)を用いたフォトリソグラフィーや電子線リソグラフィーなどのリソグラフィー、エッチング、熱処理などの様々なプロセスを経て製品アウトプットに至る一貫プロセスが必要である。この製造プロセスは従来、高度に管理された巨大なクリーンルームの中に配置された成膜装置、リソグラフィー装置、エッチング装置、熱処理装置などの大型、高価かつ高度に精密な製造装置間で基板を受け渡すことで実現されてきた。したがって、従来の高機能素子の製造は、広大な敷地に巨大な建物を建設することが必要であるばかりでなく、各種の製造装置を生産する装置産業に立脚している。また、同様な問題は、上記製造装置をバイオ技術や食品加工に関連する装置に置き換えれば、そのままバイオクリーンリーム、食品加工のクリーンルームについても生じている。このような理由により、一般に、ナノテクベンチャーやバイオベンチャーなど製造業ベンチャーは、ITベンチャーに比べ、固定資産など設備投資が重くのしかかり、損益分岐点が上昇してしまい、企業化の成功確率は高くなかった。これは一般に、基礎研究と産業化との間に横たわる「デス・バレー(death valley)」として深く憂慮されてきた。すなわち、従来の高機能素子を製造する産業においては、IT、特にソフトウエア産業と比べて設備投資や固定資産維持の負担が大きく、ナノテクノロジーを主業務とする製造業ベンチャーがなかなか興り難い状況にあると言える。ナノテクノロジーがその本来の可能性を開花させるには、LSIのムーアの法則などに代表される、素子の微細化の進展には巨大精密インフラおよび装置が必要である、とのパラダイムからの脱却を図る必要がある。
このような既存の技術が有する課題は、この発明によるクリーンユニット、連結クリーンユニットあるいはクリーン作業室を用いることにより、ソフトウエアベンチャー並に固定資産の維持の負担が低いハードウエアべンチャーを興すことを可能にする安価で小回りが効き、クリーンルームを必要としない小規模の製造装置あるいはミニファブシステムを容易に構築することができるようになることで、解決することができる。
図1はこの発明の第1の実施形態によるクリーンユニットの正面図、図2AおよびBはこのクリーンユニットの上面図および側面図(アクティブ防塵フィルター45a、45bの図示は省略)である。
図1および図2に示すように、このクリーンユニットは六面体形状の箱状の作業室41を有する。この作業室41の両側面は互いに平行、上面および底面も互いに平行、両側面と上面、底面、前面および背面とは互いに直角であるが、前面は背面に対して非平行でその上部が背面に近づく向きに所定の角度、例えば70〜80°だけ傾斜しているが、これに限定されるものではない。作業室41の前面は取り外し可能になっており、前面を取り外した状態でその中にプロセス装置や観察装置などの必要な装置を入れることができるようになっている。
作業室41の大きさはその中に必要なプロセス装置などを収容することができ、かつ、オペレーターが手作業用グローブ44に両手を入れて作業室41内で必要な作業を行うことができる大きさに選ばれる。作業室41の寸法の具体例を挙げると、奥行きa=50〜70cm、幅b=70〜90cm、高さh=50〜100cmであるが、これに限定されるものではない。また、作業室41を構成する材料としては、好適には、外部から内部を見ることができるようにするため、透明材料、例えばアクリル樹脂板が用いられるが、これに限定されるものではない。機械的補強のため、このアクリル樹脂板を金属枠に取り付けるようにしてもよい。
アクティブ防塵フィルター45a、45bの両者を作動させると、作業室41内のエアは循環ダクト47を通ってアクティブ防塵フィルター45aに入り、粒径が大きいダスト微粒子が除去される。次に、こうして粒径が大きいダスト微粒子が除去されたエアがアクティブ防塵フィルター45aから出てきてアクティブ防塵フィルター45bに入り、より粒径が小さいダスト微粒子の除去が除去されて清浄化が行われる。
図5はこのクリーンユニットを示す。図5に示すように、このクリーンユニットにおいては、作業室41の上面に送風動力を有する二つのアクティブ防塵フィルター45a、45bが並列に取り付けられ、さらにこれらのアクティブ防塵フィルター45a、45bと作業室41とを連結するように循環ダクト47が取り付けられており、作業室41の内部を例えばクラス0.0001ないしクラス0.1程度の高清浄環境に維持することができるようになっている。アクティブ防塵フィルター45a、45bは、除去可能なダスト微粒子の最小径が互いに異なり、アクティブ防塵フィルター45aに比べてアクティブ防塵フィルター45bの方が除去可能なダスト微粒子の最小径が小さい。アクティブ防塵フィルター45aとしては、例えば、ガラス繊維をろ材に用いたHEPAフィルターを用い、アクティブ防塵フィルター45bとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレンをろ材に用いたULPAフィルターを用いる。循環ダクト47は切り替えバルブ49を介して二つの分岐部47a、47bに分岐しており、分岐部47aがアクティブ防塵フィルター45aと接続され、分岐部47bがアクティブ防塵フィルター45bと接続されている。このクと接続されている。
このクリーンユニットのその他の構成は、第1の実施形態によるクリーンユニットと同様である。
まず、切り替えバルブ49の操作により循環ダクト47と分岐部47aとを繋げ、循環ダクト47と分岐部47bとを互いに遮断した状態でアクティブ防塵フィルター45aを作動させて清浄化を行う。こうして清浄化を行って清浄度が一定レベルに達した時点で切り替えバルブ49を切り替えて循環ダクト47と分岐部47bとを繋げ、循環ダクト47と分岐部47aとを互いに遮断した状態でアクティブ防塵フィルター45bを作動させて清浄化を行う。
図6はこのクリーンユニットを示す。図6に示すように、このクリーンユニットにおいては、作業室41に送風動力を有するアクティブ防塵フィルター45および循環ダクト47が取り付けられており、作業室41の内部を例えばクラス0.01ないしクラス1程度の高清浄環境に維持することができるようになっている。この場合、アクティブ防塵フィルター45の上下に、互いに独立して開閉可能なゲートバルブ50a、50bが取り付けられている。そして、ゲートバルブ50aを介してアクティブ防塵フィルター45が作業室41の上面に取り付けられ、ゲートバルブ50bを介して循環ダクト47がアクティブ防塵フィルター45と接続されている。ゲートバルブ50a、50bはあらかじめアクティブ防塵フィルター45と一体に設けられていてもよいし、そうでなくてもよい。
このクリーンユニットのその他の構成は、例えば、第1の実施形態のクリーンユニットと同様である。
まず、ゲートバルブ50a、50bを何れも開いた状態でアクティブ防塵フィルター45を作動させて清浄化を行う。こうして作業室41の清浄度が所期のレベルに到達したらゲートバルブ50a、50bを何れも閉めてアクティブ防塵フィルター45と作業室41との間を遮断し、その後アクティブ防塵フィルター45の運転を停止する。こうすることで、停止時のアクティブ防塵フィルター45からダスト微粒子が脱離して作業室41に逆流することによる汚染を防止することができる。
以上のように、この第3の実施形態によれば、アクティブ防塵フィルター45の運転停止後の作業室41の逆汚染を有効に防止することができ、完全に消費エネルギーゼロの状態で作業室41の高清浄度を維持することができる。
図8はこのクリーンユニットを示す。図8に示すように、このクリーンユニットにおいては、第4の実施形態によるクリーンユニットと同様な構成に加えて、作業室41にガス供給管Pを介してガスボンベBが接続されている。ガスボンベBには、希ガスや窒素ガスなどの不活性ガスが詰められている。図示は省略するが、ガス供給管Pの途中には外部から開閉を制御可能なバルブが設けられており、このバルブを開いたときにガスボンベBから不活性ガスを作業室41に導入することができるようになっている。ただし、作業室41への不活性ガスの供給は、ガスボンベBを用いず、他の方法により行うようにしてもよい。また、作業室41にはリークバルブVが設けられており、このリークバルブVを開くことにより作業室41を大気に開放することができるようになっている。
まず、ゲートバルブ50a、50bを何れも開いた状態でアクティブ防塵フィルター45を作動させて清浄化を行う。こうして作業室41の清浄度が所期のレベルに到達したらゲートバルブ50a、50bを何れも閉めてアクティブ防塵フィルター45と作業室41との間を遮断し、その後アクティブ防塵フィルター45の運転を停止する。次に、ガス供給管Pの途中に設けられたバルブを開くと同時にリークバルブVを開き、ガスボンベBから不活性ガスを作業室41に導入してリークバルブVから内部の空気を外部に押し出す。こうして、作業室41の内部の空気が不活性ガスにより置換される。
この第4の実施形態によれば、アクティブ防塵フィルター45の運転停止後の作業室41の逆汚染を有効に防止することができるだけでなく、作業室41の内部の空気を不活性ガスにより置換することで非酸素雰囲気にすることができるため、作業室41を高清浄度でしかも非酸素雰囲気に維持することができる。このため、塗布などの各種の方法による半導体薄膜等の成長やその他の各種のプロセスをダスト微粒子による汚染や酸素による酸化を防止しながら実行することができる。
図9は第1〜第4の実施形態によるクリーンユニットの一種または二種以上のものを複数連結した連結クリーンユニットを示す。図9に示すように、この連結クリーンユニットにおいては、三方向接続可能なクリーンユニット121〜128がトランスファーボックス129を介して連結されている。この場合、クリーンユニット122〜127はループ状配置で連結されている。
まず、この太陽電池の構成について説明する。
図10A、BおよびCはこの太陽電池を示す。ここで、図10Aは表面図、図10Bは裏面図、図10Cは側面図である。図10A、BおよびCに示すように、この太陽電池は、アノード電極1151とカソード電極1152とが、間にp型半導体層とn型半導体層とからなるpn接合1153をはさんで渦巻き状に形成されたもので、全体として薄い円板の形状を有する。これらのp型半導体層およびn型半導体層は無機半導体でも有機半導体でもよい。符号1155はカソード電極1152の取り出し電極を示す。
まず、ローラに、例えば所定幅の薄い平坦なテープ状の樹脂製ベースフィルムを巻き付けておき、この樹脂製ベースフィルムの一方の面に、必要に応じて塗布や蒸着などによりバンドギャップが互いに異なる複数種類のn型半導体層を形成し、次に同様にして複数種類のp型半導体層を形成し、次に同様にしてアノード電極用の金属を形成してアノード電極1151−1〜1151−nを形成し、次に同様にして絶縁材料を形成して絶縁膜1193を形成した後、同様にしてカソード電極用の金属を形成してカソード電極1152を形成した後、この積層膜付き樹脂製ベースフィルムをローラ状の取り出し電極1155で巻き取っていく。
塗布や蒸着などによって形成される上記の各層が渦巻き状に形成される際に樹脂製ベースフィルムが巻き込まれないようにするため、巻き込まれる直前にこの樹脂製ベースフィルムの裏面に高温に加熱されたローラを押し付けたり、この裏面に光を照射したりすることにより樹脂製ベースフィルムを剥離する。
この第6の実施形態によれば、例えば従来のアモルファスSi太陽電池では太陽光スペクトルのうち光子エネルギーが1.12eVより小さい波長の光は利用することができないのに対し、Egk領域の設計により、太陽光スペクトルの全部または主要部の光を光電変換に利用することができ、光電変換効率が極めて高い太陽電池を高い歩留まりで製造することができる。
例えば、上述の実施形態において挙げた数値、材料、形状、配置などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じて、これらと異なる数値、材料、形状、配置などを用いてもよい。
Claims (12)
- 循環型フィルターを有し、クリーンな環境に維持することができるクリーンユニットであって、
上記循環型フィルターが、ろ材が互いに異なるか、またはろ材の孔径が互いに異なる複数のアクティブ塵埃フィルターを直列および/または並列に設けたものを少なくとも一部に含むことを特徴とするクリーンユニット。 - 上記循環型フィルターが、ガラス繊維をろ材に用いたアクティブ塵埃フィルターとポリテトラフルオロエチレンをろ材に用いたアクティブ塵埃フィルターとを直列に設けたものを含むことを特徴とする請求項1記載のクリーンユニット。
- クリーンな環境に維持することができるクリーンユニットが複数連結された連結クリーンユニットにおいて、
少なくとも一つのクリーンユニットが、
循環型フィルターを有し、クリーンな環境に維持することができるクリーンユニットであって、上記循環型フィルターが、ろ材が互いに異なるか、またはろ材の孔径が互いに異なる複数のアクティブ塵埃フィルターを直列および/または並列に設けたものを少なくとも一部に含むものであることを特徴とする連結クリーンユニット。 - 循環型フィルターを有し、クリーンな環境に維持することができるクリーンユニットであって、
上記循環型フィルターが、少なくともその一部に、除去可能なダスト微粒子の最小径が第1の粒径である第1のアクティブ塵埃フィルターと除去可能なダスト微粒子の最小径が上記第1の粒径より小さい第2の粒径である第2のアクティブ塵埃フィルターとを有し、
上記第1のアクティブ塵埃フィルターと上記第2のアクティブ塵埃フィルターとが上記クリーンユニットに対して並列に設けられており、
上記第1のアクティブ塵埃フィルターと上記第2のアクティブ塵埃フィルターとが切り替え可能に構成されていることを特徴とするクリーンユニット。 - 上記第1のアクティブ塵埃フィルターはガラス繊維をろ材に用いたHEPAフィルターであり、上記第2のアクティブ塵埃フィルターはポリテトラフルオロエチレンをろ材に用いたULPAフィルターであることを特徴とする請求項4記載のクリーンユニット。
- クリーンな環境に維持することができるクリーンユニットが複数連結された連結クリーンユニットにおいて、
少なくとも一つのクリーンユニットが、
循環型フィルターを有し、クリーンな環境に維持することができるクリーンユニットであって、上記循環型フィルターが、少なくともその一部に、除去可能なダスト微粒子の最小径が第1の粒径である第1のアクティブ塵埃フィルターと除去可能なダスト微粒子の最小径が上記第1の粒径より小さい第2の粒径である第2のアクティブ塵埃フィルターとを有し、
上記第1のアクティブ塵埃フィルターと上記第2のアクティブ塵埃フィルターとが上記クリーンユニットに対して並列に設けられており、
上記第1のアクティブ塵埃フィルターと上記第2のアクティブ塵埃フィルターとが切り替え可能に構成されているものであることを特徴とする連結クリーンユニット。 - 循環型フィルターを有し、クリーンな環境に維持することができるクリーンユニットであって、
上記循環型フィルターのアクティブ塵埃フィルターの上下にゲートバルブが設けられていることを特徴とするクリーンユニット。 - 循環型フィルターを有し、クリーンな環境に維持することができるクリーンユニットの運転方法であって、
上記循環型フィルターのアクティブ塵埃フィルターの上下にゲートバルブを設け、
上記アクティブ塵埃フィルターによりダスト微粒子を除去した後、上記ゲートバルブを閉めるようにしたことを特徴とするクリーンユニットの運転方法。 - 上記アクティブ塵埃フィルターによりダスト微粒子を除去した後、作業室内に不活性ガスを導入して空気を置換するようにしたことを特徴とする請求項8記載のクリーンユニットの運転方法。
- クリーンな環境に維持することができるクリーンユニットが複数連結された連結クリーンユニットにおいて、
少なくとも一つのクリーンユニットが、
循環型フィルターを有し、クリーンな環境に維持することができるクリーンユニットであって、上記循環型フィルターのアクティブ塵埃フィルターの上下にゲートバルブが設けられていることを特徴とする連結クリーンユニット。 - エア循環機構を有する、クリーンな環境に維持することができる非真空のクリーン作業室であって、その内部における粒径0.01μm以上のダスト微粒子の総数が1個未満であることを特徴とするクリーン作業室。
- 上記粒径0.01μm以上のダスト微粒子の総数が0.1個未満であることを特徴とする請求項11記載のクリーン作業室。
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