JP6954702B1 - 感染症予防装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】空気感染および飛沫感染による感染症を予防することができる感染症予防装置を提供する。【解決手段】空気を吸引する吸気口25を有する吸気部20と、吸気部20から吸引された空気を通過させながら熱処理する熱処理部40と、熱処理部40で熱処理された空気を冷却する冷却部60と、冷却部60で冷却された空気を使用者に供給する供給口35を有する供給部30と、吸気部20から供給部30まで空気を通過させるように空気を送る送気装置70と、制御部80と、を備え、熱処理部40は、空気を加熱する加熱部50と、加熱部50によって加熱された空気をさらに加熱および/または保温しながら冷却部60に向けて送る送気処理部55と、を有し、制御部80は、空気に含まれる病原体を消毒または不活化させるための処理温度と処理時間を含む熱処理条件を満たすように、熱処理部40および送気装置70の駆動を制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、空気感染および飛沫感染による感染症を予防する感染症予防装置に関する。
細菌やウイルスなどの病原体に感染した感染者が呼吸、会話、咳、くしゃみなどをすると、病原体が多く含まれた飛沫が感染者の周囲に飛散することが知られている。この飛沫が飛び散る範囲は、粒子の大きさと室内の気流によっては数メートルに達することもある。また、飛沫が乾燥してできる病原体の芯(飛沫核)は、粒子が小さいため、床面にすぐに沈着せずに数時間以上室内を漂う可能性がある。
このような病原体が含まれた飛沫や飛沫核を別の人が吸い込むと、吸い込んだ人も病原体に感染することとなる。飛沫や飛沫核に含まれた病原体を吸い込むことによって感染する感染経路を空気感染や飛沫感染という(例えば、特許文献1参照)。
感染者がマスクを装着することは、空気感染や飛沫感染による感染リスク低減に効果があるとされている。しかしながら、マスクは口および鼻を覆うものであるため、飲食時等にはマスクを外したり、息苦しさを感じてマスクを外す場合があるなど、マスクを常時装着することは困難である。このため、マスクだけで感染リスクを低減させることは難しい。
室内の換気を行って飛沫や飛沫核を室外に排出することも、感染リスク低減に一定の効果があるとされている。しかしながら、窓開け換気を行う場合でも、外気の風向・風速、窓の形状によって換気量が異なることや、部屋の使用目的や季節等によっては十分な窓開け換気を行うことが難しい場合がある。
空気清浄機を室内に設置して、フィルターで飛沫や飛沫核を除去することも空気感染や飛沫感染予防に有効であるとされている。しかしながら、フィルターによって粒子捕集効率は異なっており、病原体の種類によっては効果が小さい場合がある。また、フィルターは消耗品であり、フィルター交換等のメンテナンスが必要となる。
抗ウイルス剤などの消毒薬や、オゾン、紫外線等を用いて病原体を消毒することも考えられる(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、抗ウイルス剤等のなかには生体に対する毒性を有するものもあり、特に室内や車内などの閉鎖空間でのこれらの使用は困難である。
特開2011−015618
一方、熱を利用することによる病原体の消毒または不活化は、例えば医療用器具の消毒などに利用されている。熱を利用した病原体の消毒または不活化は、消毒薬のように生体に対する毒性がなく、空気清浄機のようにフィルター交換等のメンテナンスが不要であるなどの利点がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、マスクのように口や鼻を覆うことなく飲食時等にも使用することができ、空気清浄機のようにフィルター交換等のメンテナンスが不要であり、消毒薬等のように生体に対して悪影響を及ぼすことなく、空気中の飛沫核や飛沫に含まれる細菌やウイルス等の病原体を消毒または不活化させることができ、これによって空気感染および飛沫感染による感染症を予防することができる、感染症予防装置を提供することを目的とする。
本発明の感染症予防装置は、
空気を吸引する吸気口を有する吸気部と、
前記吸気部から吸引された空気を通過させながら熱処理する熱処理部と、
前記熱処理部で熱処理された空気を冷却する冷却部と、
前記冷却部で冷却された空気を使用者に供給する供給口を有する供給部と、
前記吸気部から前記供給部まで空気を通過させるように空気を送る送気装置と、
前記熱処理部および前記送気装置の駆動を制御する制御部と、
を備え、
前記熱処理部は、
空気を加熱する加熱部と、
前記加熱部によって加熱された空気をさらに加熱および/または保温しながら前記冷却部に向けて送る送気処理部と、
を有し、
前記制御部は、空気に含まれる病原体を消毒または不活化させるための処理温度と処理時間を含む熱処理条件を満たすように、前記熱処理部および前記送気装置の駆動を制御する。
本発明の感染症予防装置によれば、マスクのように口や鼻を覆うことなく飲食時等にも使用することができ、空気清浄機のようにフィルター交換等のメンテナンスが不要であり、消毒薬のように生体に対して悪影響を及ぼすことなく、空気中の飛沫核や飛沫に含まれる細菌やウイルス等の病原体を消毒または不活化させることができ、空気感染および飛沫感染による感染症を予防することができる。
図1は、本発明の実施形態1に係る感染症予防装置を使用者が使用している状態を示す側面図である。 図2は、本発明の実施形態1に係る感染症予防装置を使用者が使用している状態を示す正面図である。 図3は、感染症予防装置の変形例を示す図である。 図4は、感染症予防装置の変形例を示す図である。 図5は、感染症予防装置の概略構成を示す図である。 図6は、装置本体の内部構造を示す図である。 図7は、熱処理制御システムの構成を示す概略図である。 図8は、使用者の活動レベルと呼吸率の関係を示す図である。 図9は、熱処理モード判定基準データに記録された使用者の活動レベル(カテゴリー)と熱処理モードについての関係を示す表である。 図10は、熱処理モード制御データに記録された熱処理モードと処理温度、処理時間、および空気供給量についての関係を示す表である。 図11は、本発明の実施形態2に係る感染症予防装置の使用状態を示す図である。 図12は、本発明の実施形態3に係る感染症予防装置の概略構成を示す図である。
本発明の一実施形態にかかる感染症予防装置は、
空気を吸引する吸気口を有する吸気部と、
前記吸気部から吸引された空気を通過させながら熱処理する熱処理部と、
前記熱処理部で熱処理された空気を冷却する冷却部と、
前記冷却部で冷却された空気を使用者に供給する供給口を有する供給部と、
前記吸気部から前記供給部まで空気を通過させるように空気を送る送気装置と、
前記熱処理部および前記送気装置の駆動を制御する制御部と、
を備え、
前記熱処理部は、
空気を加熱する加熱部と、
前記加熱部によって加熱された空気をさらに加熱および/または保温しながら前記冷却部に向けて送る送気処理部と、
を有し、
前記制御部は、空気に含まれる病原体を消毒または不活化させるための処理温度と処理時間を含む熱処理条件を満たすように、前記熱処理部および前記送気装置の駆動を制御する(第1の構成)。
上記構成によれば、吸気部で吸引された空気は、熱処理部を通過しながら所定の熱処理条件で熱処理されることにより、空気中の飛沫核や飛沫に含まれる細菌やウイルス等の病原体が消毒または不活化される。そして、熱処理部で熱処理された空気は、冷却部で冷却された後、供給部から使用者に供給される。
このため、マスクのように口や鼻を覆うことなく飲食時等にも使用することができ、空気清浄機のようにフィルター交換等のメンテナンスが不要であり、消毒薬のように生体に対して悪影響を及ぼすことなく、空気中の飛沫核や飛沫に含まれる細菌やウイルス等の病原体を消毒または不活化させることができ、空気感染および飛沫感染による感染症を予防することができる。
上記第1の構成において、
前記制御部は、
処理温度と処理時間の組み合わせを含む、複数の熱処理条件を記憶する熱処理条件記憶部と、
前記熱処理条件記憶部に記憶された複数の熱処理条件のうち、選択された熱処理条件を満たすように前記熱処理部および前記送気装置の駆動を制御する駆動制御部と、
を有してもよい(第2の構成)。
上記構成によれば、制御部は、選択された熱処理条件を満たすように前記熱処理部および前記送気装置の駆動を制御する。
このため、処理温度が比較的低く、処理時間が比較的長い熱処理条件が選択された場合、消費エネルギーを抑制しながら熱処理済みの空気を供給することができる。
また、処理温度が比較的高く、処理時間が比較的短い熱処理条件が選択された場合、熱処理に要する時間を短縮して、熱処理済みの空気の供給量を増大させることができる。
上記第2の構成において、
使用者の活動レベルに関する情報である活動情報を取得する活動情報取得部をさらに有し、
前記熱処理条件記憶部は、熱処理条件と空気供給量の組み合わせを含む複数の熱処理モードを記憶し、
前記制御部は、前記活動情報取得部によって取得された活動情報に基づいて、前記熱処理条件記憶部に記憶された複数の熱処理モードのうち、使用者の活動レベルに応じた空気供給量となる熱処理モードを選択する、熱処理モード判定部をさらに有し、
前記駆動制御部は、
前記熱処理モード判定部によって選択された熱処理モードが実行されるように前記熱処理部および前記送気装置の駆動を制御してもよい(第3の構成)。
上記構成によれば、制御部は、使用者の活動レベルに関する活動情報を取得し、使用者の活動レベルに応じた空気供給量となる熱処理モードを実行するように熱処理部および送気装置の駆動を制御する。
このため、使用者の活動レベルに応じて空気供給量を変更させることができる。
これにより、使用者の活動レベルが低く、必要な空気供給量が比較的少ない場合は、熱処理部を通過させる空気流量を少なくすることができるため、処理温度が比較的低く処理時間が比較的長い熱処理条件を選択して消費エネルギーを抑制することができる。
また、使用者の活動レベルが高く、必要な空気供給量が比較的多い場合は、熱処理部を通過させる空気流量を多くする必要があるため、処理温度が比較的高く処理時間が比較的短い熱処理条件を選択して空気流量を多くすることができる。
上記第1から第3の構成において、
前記送気処理部は、複数の曲折部が設けられていてもよい(第4の構成)。
上記構成によれば、送気処理部は、複数の曲折部が設けられているため、送気処理部内を通過する空気は撹拌されながら温度が均等になるように熱処理が行われる。
このため、空気に含まれる細菌やウイルス等をムラなく確実に消毒または不活化することができる。
上記第1から第4のいずれかの構成において、
前記冷却部は、前記熱処理部から送気された空気を放熱させながら前記供給部に向けて送気してもよい(第5の構成)。
上記構成によれば、冷却部は、熱処理部で加熱された空気を放熱させながら供給部に向けて送気する。
このため、熱処理された空気を冷却部で効率的に放熱冷却させることができ、冷却した熱処理済みの空気を供給部から使用者に向けて供給することができる。
上記第1から第5のいずれかの構成において、
前記加熱部および前記送気処理部を収容するとともに、使用者によって携帯可能となるように構成されている筐体と、
使用者の頭部付近に装着され、前記吸気部および/または前記供給部を使用者の顔面付近に支持する支持部と、
をさらに備えてもよい(第6の構成)。
上記構成によれば、使用者は筐体を携帯することができ、吸気部および/または供給部は、使用者の頭部付近に装着される支持部によって支持されている。
このため、使用者は安静にしている状態だけでなく、歩行や作業等を行いながら感染症予防装置を使用することができ、空気感染および飛沫感染による感染症を予防しながら、様々な活動を行うことができる。
上記第1から第5のいずれかの構成において、
前記加熱部および前記送気処理部は、使用者が内部に入ることが可能な閉鎖空間の内部または外部に設置されており、
前記吸気部は、前記閉鎖空間内の内部または外部の空気を吸引し、
前記供給部は、前記閉鎖空間内に、前記熱処理部および前記冷却部で処理された空気を供給してもよい(第7の構成)。
上記構成によれば、吸気部は、閉鎖空間の内部または外部の空気を吸引し、供給部は、閉鎖空間内に熱処理部および冷却部で処理された空気を供給する。
このため、細菌やウイルス等の病原体を消毒または不活化させた熱処理済みの空気を閉鎖空間内に供給することができ、閉鎖空間内における空気感染および飛沫感染による感染症を予防することができる。
[実施形態1]
以下、図面を参照し、本発明の実施形態1に係る感染症予防装置100を詳しく説明する。図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。なお、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。また、各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
[全体構成]
まず、感染症予防装置100の全体構成について説明する。図1は、本発明の実施形態1に係る感染症予防装置100を使用者300が使用している状態を示す側面図である。図2は、感染症予防装置100を使用者300が使用している状態を示す正面図である。
図1および図2に示すように、感染症予防装置100は、装置本体10、吸気部20、および供給部30を備えており、使用者300が携帯して使用できるように構成されている。装置本体10は、使用者300が背負うことが可能な大きさであり、吸気部20および供給部30は、使用者300の頭部310付近に配置されている。
吸気部20からは、使用者300の顔面320付近の空気が吸引される。吸引された空気は装置本体10に送られる。装置本体10では、送られた空気が所定の熱処理条件のもとで熱処理される。空気を熱処理することにより、空気中の飛沫核や飛沫に含まれる細菌やウイルス等の病原体を消毒または不活化させることができる。熱処理済みの空気は冷却された後、供給部30に送られ、使用者300の顔面320付近に供給される。使用者300の口や鼻付近の外気(熱処理済みでない空気)が熱処理済みの空気に換気されることにより、使用者300は呼吸の際に外気をほとんど吸わずに熱処理済みの空気を吸うことができる。このため、空気感染および飛沫感染による感染リスクを低減させることができる。なお、使用者300の口や鼻付近の外気が全て熱処理済みの空気に換気されなくてもよく、使用者300の口や鼻付近に熱処理済みの空気を供給し、使用者300が呼吸の際に吸う外気の量を減少させることにより、空気感染および飛沫感染による感染リスクを低減させることができる。
装置本体10の筐体11には、両肩に掛けるベルト13が設けられており、使用者300は装置本体10を背負いながら感染症予防装置100を使用することができる。このため、使用者300は安静にしている状態だけでなく、歩行や作業等を行いながら感染症予防装置100を使用することができ、空気感染および飛沫感染による感染症を予防しながら、様々な活動を行うことができる。なお、携帯手段は、使用者300が背負う手段に限定されず、例えば肩掛け鞄のように肩に掛けたり、手荷物として手で携行してもよい。また自動車や車イスなど使用者300とともに移動する移動体に搭載するようにしてもよい。
吸気部20は、捕集部21および吸気管23を有している。吸気管23は、装置本体10から使用者300の顔面320に向けて延びている。捕集部21は、吸気管23の端部に設けられている。捕集部21には吸気口25が設けられており、使用者300の口および鼻付近の空気が吸引される。捕集部21から吸引された空気は、吸気管23を介して装置本体10に送られる。
供給部30は、送出部31および供給管33を有している。供給管33は、装置本体10から使用者300の顔面320に向けて延びており、支持部15によって支持されている。送出部31は、供給管33の端部に設けられている。送出部31には供給口35が設けられており、装置本体10で熱処理および冷却された空気が供給口35から使用者300の口および鼻付近に供給される。
供給部30を支持する支持部15は、ヘッドフォン型であり、ハウジング16およびヘッドバンド17を有している。一対のハウジング16は、使用者300の側頭部に配置される。ヘッドバンド17は、一対のハウジング16を連結する部材であり、一対のハウジング16を使用者300の頭部310に軽く押し付けて頭部310に固定させる部材である。供給管33は、ハウジング16に支持されている。
図3は、感染症予防装置の変形例を示す図である。図3aは支持部15Aの正面図であり、図3bは支持部15Aの背面図である。図3aおよび図3bに示すように、この変形例では、支持部15Aが供給部30Aの一部を構成している。支持部15Aは、ハウジング16R、16L、およびヘッドバンド17Aを有している。ハウジング16R、16Lおよびヘッドバンド17Aは中空であり、内部で連通している。装置本体10から延びる供給管33Aは、一方のハウジング16Rに連結されている。ハウジング16Rには、送出部31Aが設けられており、送出部31Aの先端部には空気を供給する第1供給口351が設けられている。また、ヘッドバンド17Aには、複数の第2供給口352が設けられている。
ハウジング16Rには、図示しない切り替え弁が設けられており、切り替え弁を操作することにより、装置本体10で熱処理された空気を第1供給口351と第2供給口352のいずれかから供給できるように切り換えることができる。切り替え弁を操作することにより、第1供給口351と第2供給口352の両方から供給できるようにしてもよい。
第1供給口351からの空気は、主に使用者300の口および鼻付近に向けて供給される。第2供給口352からの空気は、例えば使用者300の顔面320の前面に広がるように供給させることができる。
図4は、感染症予防装置の別の変形例を示す図である。図4に示すように、この変形例では、吸引部20Bは支持部15Bに支持されるとともに、支持部15Bが供給部30Bの一部を構成している。支持部15Bは、使用者300の首の後ろから掛けられるように略U字状の形状を有している。支持部15Bの内部は中空になっている。
装置本体10から延びる吸気管23Bは、支持部15Bに支持されながら使用者300の顔面320に向けて延びている。吸気管23Bの端部には、捕集部21Bが設けられており、捕集部21Bの吸気口25Bから、使用者300の口および鼻付近の空気が吸引される。捕集部21Bから吸引された空気は、吸気管23Bを介して装置本体10に送られる。
装置本体10から延びる供給管33Bは、支持部15Bに連結されている。支持部15Bには、複数の供給口35Bが設けられている。装置本体10で熱処理された空気は、複数の供給口35Bから使用者300の顔面320の前面に広がるように供給される。
[各部の構成]
次に感染症予防装置100の各部の構成について説明する。図5は、感染症予防装置100の概略構成を示す図である。図5に示すように、感染症予防装置100は、装置本体10、吸気部20、供給部30、および活動情報取得部110を備えている。装置本体10は、筐体11、熱処理部40、冷却部60、送気装置70、制御部80および電源装置90を備えている。
筐体11は、熱処理部40、送気装置70、制御部80、電源装置90を内部に収容している。冷却部60は、筐体11の外部に配置されている。活動情報取得部110は、装置本体10とは別に使用者300に装着されてもよいが、筐体11の内部または外部に設けられていてもよい。
吸気部20は、図1、図2を参照して説明したように、使用者300の頭部310付近に設置されて、その周囲から空気を吸引する部分である。吸気部20は、捕集部21、吸気管23、および吸気口25を有している。空気は、送気装置70による吸引力によって吸気口25から吸引され、吸気管23を介して熱処理部40に送られる。
熱処理部40は、吸気部20から吸引された空気を通過させながら熱処理する部分である。熱処理は、空気に含まれる病原体を消毒または不活化させるための処理温度と処理時間を含む熱処理条件に基づいて行われる。熱処理条件は、病原体の種類によって異なるが、例えばある種のウイルスについては、70℃・5分間、あるいは100℃・2分間の熱処理によって感染性を不活化させることができるとされている。このような熱処理条件に基づいて空気を熱処理することにより、空気に含まれる病原体を消毒または不活化させることができる。熱処理条件のうち、70℃や100℃などの温度条件を処理温度とし、5分間や2分間などの時間条件を処理時間とする。
なお、70℃・5分間、あるいは100℃・2分間という熱処理条件は一例であり、この処理温度と処理時間の組み合わせに限定されないが、一般的に熱処理条件は、処理温度が高いほど処理時間を短くすることができる。また、70℃・5分間の熱処理条件に対して、70℃で10分間の熱処理を行う場合のように、処理時間を長くすることについては熱処理の効果の上では問題はない。
熱処理部40は、加熱部50および送気処理部55を有している。加熱部50は吸気部20から吸引された空気を加熱する部分である。加熱部50は、例えば通電により抵抗加熱されるコイルや金属板を備えており、加熱されたコイルや金属板に空気を接触させて加熱する。加熱部50により、空気は予め設定された熱処理条件の処理温度まで加熱される。加熱部50は、1箇所に設けてもよく、複数箇所に分散させて空気の温度を徐々に上昇させるようにしてもよい。また、送気処理部55の内部に加熱部50を設けてもよい。
送気処理部55は、加熱部50によって加熱された空気を保温しながら下流の冷却部60に向けて時間を掛けて送ることにより、空気に対する熱処理を行う部分である。送気処理部55は、空気を通過させながら熱処理を行うため、空気を通過させるのに要する時間が熱処理条件の処理時間以上となるように設定されている。具体的には、送気処理部55の空気流路の容積は、単位時間あたりの空気流量と、空気を通過させるのに要する時間(処理時間)との関係から設定することができる。
例えば、熱処理条件を70℃・5分間とし、毎分2L(リットル)以上の空気を使用者300に供給するには、送気処理部55の容積は10L以上に設定する必要がある。また、熱処理条件を100℃・2分間とし、毎分10L以上の空気を使用者300に供給するには、送気処理部55の容積は20L以上に設定する必要がある。
反対に、送気処理部55の容積を20Lとした場合、熱処理条件の処理温度を70℃とし、毎分2Lの空気を使用者300に供給するには、空気が送気処理部55を通過するのに要する時間は10分間となって、70℃・5分間の熱処理条件を満たすことができる。このため、例えば送気処理部55の容積を20Lとすれば、熱処理条件の70℃・5分間を満たしながら毎分2Lの空気を使用者300に供給することが可能であるとともに、熱処理条件の100℃・2分間を満たしながら毎分10Lの空気を使用者300に供給することも可能である。
送気処理部55は、複数の曲折部56が設けられており、空気の流路を複数個所で屈曲させて蛇行するように構成されている。これにより、送気処理部55内を通過する空気は撹拌されながら温度が均等になるように熱処理が行われる。このため、空気に含まれる細菌やウイルス等をムラなく確実に消毒または不活化することができる。
なお、送気処理部55は、加熱部50によって加熱された空気を保温して送るだけでなく、空気流路の途中にも加熱部50を設けて、空気を加熱しながら送るようにしてもよい。
本実施形態の送気処理部55は、中空の処理体57の内部空間を仕切り板58で仕切ることによって空気の流路が蛇行するように構成されているが、管状の部材を蛇行するように折り曲げることによって送気処理部55を構成してもよい。
冷却部60は、熱処理部40で熱処理された空気を冷却する熱交換器である。本実施形態では、冷却部60は熱処理部40から送気された空気を放熱させながら供給部30に向けて送気する。冷却部60は、例えば金属管を屈曲させて構成することができる。また、冷却部60を複数の管で構成し、各管に放熱フィンを設けて冷却効率を向上させるようにしてもよい。
なお、冷却手段は、自然冷却に限定されず、ファンやクーラーによる強制冷却手段を用いてもよい。また冷却部60の冷却効率を向上させるため、冷却部60は筐体11の外部に配置することが好ましい。
供給部30は、図1、図2を参照して説明したように、使用者300の頭部310付近に設置されて、熱処理後に冷却部60で冷却された空気を使用者300に供給する部分である。供給部30は、送出部31、供給管33、および供給口35を有している。空気は、送気装置70によって送気され、供給口35から外部に送出される。
送気装置70は、吸気部20から熱処理部40および冷却部60を介して、供給部30まで空気を送出させる装置である。送気装置70として、例えばファンを用いることができるが、これに限定されない。図5では送気装置70を吸気管23の途中に1箇所設けているが、配置位置や配置数は限定されない。例えば、供給管33の途中にも送気装置70を配置してもよい。さらに空気流量の調整は、送気装置70の出力を調整することで行ってもよく、バルブなどを設けて空気流量を調整するようにしてもよい。
送気装置70は、一定の流量で送気するだけでなく、脈動あるいは間欠的に送気するものでもよい。例えば、送気装置に設けた空気室に空気を吸い込む行程と、空気室から空気を吐き出す行程を繰り返して間欠的に送気してもよい。このように脈動あるいは間欠的に送気して熱処理済みの空気を使用者300に供給することにより、使用者300の頭部310付近に供給する空気の流速を変化させることができ、頭部310付近の外気を撹拌しながら換気することができる。
制御部80は、空気に含まれる病原体を消毒または不活化させるための熱処理条件を満たして空気を熱処理するように、熱処理部40および送気装置70の駆動を制御する。また、制御部80は、活動情報取得部110で取得された、使用者300の活動レベルに関する活動情報に基づいて、熱処理条件を変えて熱処理したり、空気供給量を変えるように熱処理部40および送気装置70の駆動を制御する。制御部80の構成については後に詳細に説明する。
電源装置90は、熱処理部40、送気装置70および制御部80を駆動させる電力を供給する。
活動情報取得部110は、使用者300の活動レベルに関する情報である活動情報を取得する。使用者300の活動レベルは、横臥や座った姿勢の状態や、立った状態や歩いている状態など、使用者300の活動状態のことである。本実施形態では、使用者300の活動レベルを6段階のカテゴリーに分けるものとする。
図8に示すように、使用者300の活動レベルが異なると、単位時間あたりに呼吸する空気量(呼吸量)も変化する。本実施形態に係る感染症予防装置100は、活動情報取得部110で取得した活動情報に基づいて、使用者300の活動レベルが低く呼吸量が少ない状態では自動的に空気供給量を少なくし、使用者300の活動レベルが高く呼吸量が多い状態では空気供給量を自動的に多くするように構成されている。
活動情報取得部110が取得する活動情報は、使用者300の活動レベルを6段階のカテゴリーのうち、どのカテゴリーに属するかを判定するための情報である。活動情報は、例えば、使用者300の単位時間あたりの呼吸回数、心拍数、体温などの生体情報や、使用者300の位置情報などが含まれる。これらの情報は、使用者300が装着可能な呼吸センサ、心拍センサ、体温センサ、GNSS(Global Navigation Satellite System)センサなどによって取得することができる。活動情報取得部110の各種センサが検出した検出信号は、制御部80に入力される。
図6は、装置本体10の内部構造を示す図である。図6に示すように、筐体11の内部には、熱処理部40(加熱部50、送気処理部55)、送気装置70、制御部80、および電源装置90が収容されている。冷却部60は、筐体11の外部に配置されている。筐体11は、使用者300が背負って携帯できるように構成されている。このため、吸気管23および供給管33は、使用者300の頭部310に近い筐体11の上部に設けられている。また、加熱部50は筐体11の上部に設けられ、送気処理部55は加熱部50の下方に配置されている。このため、冷却部60は、筐体11の下部において送気処理部55に連結され、筐体11の下部から側部を通って上部に向けて配置させることが可能となり、冷却部60の長さを長くして冷却能力を高めることができる。
[熱処理制御システム]
図7は、熱処理制御システム200の構成を示す概略図である。熱処理制御システム200は、感染症予防装置100の運転を制御するシステムである。図7では、熱処理制御システム200のうち、熱処理における加熱温度および加熱時間と、使用者300に供給する空気供給量を制御するための構成を示している。熱処理制御システム200は、活動情報取得部110、制御部80、熱処理部40(加熱部50、送気処理部55)、および送気装置70を備えている。
活動情報取得部110は、呼吸センサおよび心拍センサを有している。呼吸センサおよび心拍センサからの検出信号は、制御部80に入力される。制御部80は、呼吸センサおよび心拍センサからの検出信号に基づいて呼吸数および心拍数を算出し、それに基づいて使用者300の活動レベルに応じた空気供給量となるように熱処理部40(加熱部50、送気処理部55)、および送気装置70の駆動を制御する。
制御部80には、熱処理部40および送気装置70が接続されている。制御部80は、熱処理部40を構成する加熱部50および送気処理部55を制御するとともに、送気装置70を制御することにより、空気を熱処理する処理温度および処理時間や、使用者300に供給する空気供給量を制御する。
制御部80は、熱処理条件記憶部81、熱処理モード判定部83、および駆動制御部85を備えている。
熱処理条件記憶部81は、熱処理部40および送気装置70の動作に関するデータを記憶している。熱処理条件記憶部81には、熱処理モード判定基準データDE1、および熱処理モード制御データDE2が保存されている。
熱処理モード判定基準データDE1には、使用者300の活動情報に基づいて、使用者300の活動レベルを判定するための判定基準と、活動レベルに応じた熱処理モードを判定するための判定基準が記録されている(図9参照)。
熱処理モード制御データDE2には、熱処理条件(処理温度、処理時間)と、空気供給量とを組み合わせた複数の熱処理モードが記憶されている。また、熱処理モード制御データDE2には、判定された熱処理モードに対応した熱処理条件を満たすように熱処理部40および送気装置70の駆動を制御するためのデータも記録されている(図10参照)。
熱処理モード判定部83は、熱処理条件記憶部81に記憶されている熱処理モード判定基準データDE1を参照し、活動情報から算出された使用者300の呼吸数および心拍数に基づいて、使用者300の活動レベル(図8の6段階のカテゴリー)を判定し、その活動レベルに応じた空気供給量および熱処理条件となる熱処理モードを選択する。
ここで、図8の6段階のカテゴリーについて説明する。図8は、使用者300の活動レベルと呼吸率の関係を示す図であり、放射線医学総合研究所 ラドン濃度測定・線量評価委員会(1998)による「行動別日本人の呼吸率と生活時間」から引用したものである。図8に示すように、カテゴリー1(I)(睡眠と安らかな横臥)からカテゴリー6(VI)速やかな歩行)まで活動レベルが上がるに従って呼吸率(1時間あたりの空気量)が増大する。このとき、使用者300の活動レベルが上がるに従って、使用者300の呼吸数および心拍数も増大する。この関係により、熱処理モード判定部83は、活動情報から算出された使用者300の呼吸数および心拍数に基づいて、使用者300の活動レベル(図8の6段階のカテゴリー)を判定し、その活動レベルに応じた空気供給量および熱処理条件となる熱処理モードを熱処理モード判定基準データDE1(図9)に基づいて選択する。
図7に戻って、駆動制御部85は、熱処理条件記憶部81に記憶されている熱処理モード制御データDE2を参照し、熱処理モード判定部83で選択された熱処理モードで空気の熱処理が行われるように、熱処理部40および送気装置70の駆動を制御する。
図9は、熱処理モード判定基準データDE1に記録された使用者300の活動レベル(カテゴリー)と熱処理モードについての関係を示す表である。図9では、活動情報取得部110が取得する活動情報(呼吸回数、心拍数、体温などの生体情報)から判定される使用者300の活動レベル(図8の6段階のカテゴリー)と、それに対応する熱処理モードとの関係が示されている。
活動情報取得部110が取得する活動情報により、使用者300の活動レベルが図8のカテゴリー1(I)またはカテゴリー2(II)と判定された場合は、対応する熱処理モードは「弱」と判定される。同様に、使用者300の活動レベルが図8のカテゴリー3(III)またはカテゴリー4(IV)と判定された場合は、対応する熱処理モードは「中」と判定され、使用者300の活動レベルが図8のカテゴリー5(V)またはカテゴリー6(VI)と判定された場合は、対応する熱処理モードは「強」と判定される。
図10は、熱処理モード制御データDE2に記録された熱処理モードと処理温度、処理時間、および空気供給量についての関係を示す表である。
図10に示すように、熱処理モード「弱」に対応する熱処理条件(処理温度・処理時間)は、70℃・5分であり、空気供給量は「小」である。空気供給量が「小」とされているのは、熱処理モード「弱」は、使用者300の活動レベルのカテゴリー1(I)またはカテゴリー2(II)に対応しており、供給する空気量が少なくてもよいためである。また、空気供給量が「小」であれば熱処理部40(加熱部50および送気処理部55)で時間を掛けて熱処理できるため、使用電力が比較的少ない熱処理条件(70℃・5分)で空気を熱処理することとしている。
熱処理モード「中」に対応する熱処理条件(処理温度・処理時間)は、100℃・2分であり、空気供給量は「中」である。空気供給量が「中」とされているのは、熱処理モード「中」は、使用者300の活動レベルのカテゴリー3(III)またはカテゴリー4(IV)に対応しており、供給する空気量は、熱処理モード「弱」よりも多くする必要があるためである。また、空気供給量が「中」になると熱処理部40(加熱部50および送気処理部55)において短い時間で熱処理を行う必要があるため、処理時間が比較的短い熱処理条件(100℃・2分)で空気を熱処理することとしている。
熱処理モード「強」に対応する熱処理条件(処理温度・処理時間)は、100℃・2分であり、空気供給量は「強」である。空気供給量が「大」とされているのは、熱処理モード「強」は、使用者300の活動レベルのカテゴリー5(V)またはカテゴリー6(VI)に対応しており、供給する空気量は、熱処理モード「中」よりも多くする必要があるためである。また、空気供給量が「大」になると熱処理部40(加熱部50および送気処理部55)において短い時間で熱処理を行う必要があるため、処理時間が比較的短い熱処理条件(100℃・2分)で空気を熱処理することとしている。
[実施形態1の効果]
以上説明した実施形態1に係る感染症予防装置100によれば、吸気部20で吸引された空気は、熱処理部40を通過しながら所定の熱処理条件で熱処理されることにより、空気中の飛沫核や飛沫に含まれる細菌やウイルス等の病原体が消毒または不活化される。そして、熱処理部40で熱処理された空気は、冷却部で冷却された後、供給部30から使用者300に供給される。
このため、マスクのように口や鼻を覆うことなく飲食時等にも使用することができ、空気清浄機のようにフィルター交換等のメンテナンスが不要であり、消毒薬のように生体に対して悪影響を及ぼすことなく、空気中の飛沫核や飛沫に含まれる細菌やウイルス等の病原体を消毒または不活化させることができ、空気感染および飛沫感染による感染症を予防することができる。
また、制御部80は、使用者300の活動レベルに関する活動情報を取得し、使用者300の活動レベルに応じた空気供給量となる熱処理条件を満たすように熱処理部40および送気装置70の駆動を制御する。このため、使用者300の活動レベルに応じて空気供給量を変更させることができる。
これにより、使用者300の活動レベルが低く、必要な空気供給量が比較的少ない場合は、熱処理部40を通過させる空気流量を少なくすることができるため、処理温度が比較的低く処理時間が比較的長い熱処理条件を選択して消費エネルギーを抑制することができる。
また、使用者300の活動レベルが高く、必要な空気供給量が比較的多い場合は、熱処理部40を通過させる空気流量を多くする必要があるため、処理温度が比較的高く処理時間が比較的短い熱処理条件を選択して空気流量を多くすることができる。
[実施形態2]
次に、実施形態2に係る感染症予防装置100Aについて説明する。図11は、本発明の実施形態2に係る感染症予防装置100Aの使用状態を示す図である。実施形態2では、感染症予防装置100Aは閉鎖空間400内に熱処理された空気を供給する点で実施形態1の感染症予防装置100と異なっている。以下では、実施形態1の感染症予防装置100と異なる点について説明する。
図11では、閉鎖空間400内に使用者300が入っており、感染症予防装置100Aで熱処理された空気が閉鎖空間400内の使用者300に供給されている状態が示されている。感染症予防装置100Aは、装置本体410、吸気部420、および供給部430を備えている。
感染症予防装置100Aは、床面などに据え置いて使用するように構成されている。装置本体410および吸気部420は、閉鎖空間400の外に配置されており、供給部430は、閉鎖空間400内の使用者300の頭部310付近に配置されている。吸気部420は、閉鎖空間400の外の空気を吸引し、供給部430は、装置本体410で熱処理された空気を閉鎖空間400内に供給する。
なお、本実施形態では、供給部430は、横臥する使用者300付近に空気を供給することとしたが、それに限定されない。例えば室内のイスなどに供給部430を設けてもよい。
本実施形態では、装置本体410を閉鎖空間400の外に配置したが、装置本体410を閉鎖空間400の内部に配置してもよい。例えば、閉鎖空間400を自動車の車内とした場合、自動車内に装置本体410を設置してもよい。また、吸気部420も閉鎖空間400の外ではなく、閉鎖空間400の内部に設置してもよい。例えば、閉鎖空間400をタクシーの車内とした場合、装置本体410、吸気部420、および供給部430をタクシー内に設置し、供給部430を客室内の区画パネルに設置し、乗客や乗務員に熱処理済みの空気を供給してもよい。
装置本体410を駆動する電源装置は、内蔵する電源装置であってもよいが、外部の商用電源を用いてもよい。
[実施形態2の効果]
以上説明した実施形態2に係る感染症予防装置100Aによれば、吸気部420は、閉鎖空間400の内部または外部の空気を吸引し、供給部430は、閉鎖空間400内に熱処理部および冷却部で処理された空気を供給する。
このため、細菌やウイルス等の病原体を消毒または不活化させた熱処理済みの空気を閉鎖空間400内に供給することができ、閉鎖空間400内における空気感染および飛沫感染による感染症を予防することができる。
[実施形態3]
次に、実施形態3に係る感染症予防装置100Bについて説明する。図12は、本発明の実施形態3に係る感染症予防装置100Bの概略構成を示す図である。実施形態3では、送気装置70Bが間欠的に送気して熱処理済みの空気を使用者300に供給する点で実施形態1の感染症予防装置100と異なっている。以下では、実施形態1の感染症予防装置100と異なる点について説明する。
図12に示すように、感染症予防装置100Bは、装置本体10B、吸気部20、供給部30、および活動情報取得部110を備えている。装置本体10は、筐体11B、熱処理部40、冷却部60、送気装置70B、制御部80および電源装置90を備えている。
送気装置70Bは、送気装置本体71、仕切部72、および仕切駆動部73を有している。送気装置本体71の内部には空気室74が形成されている。空気室74は、仕切部72によって第1空気室741と第2空気室742に区画されている。仕切部72は、空気室74の内部おいて往復動可能に配置されており、仕切駆動部73は、仕切部72を空気室74の内部おいて往復動させる。第1空気室741および第2空気室742は、仕切駆動部73によって仕切部72が空気室74内で往復動されることにより、容積が変化するように構成されている。
第1空気室741には、第1通気部751および第2通気部752が設けられている。第2空気室742には、第3通気部753および第4通気部754が設けられている。第1通気部751は、吸気部20に接続されており、第2通気部752は、熱処理部40の加熱部50に接続されている。第3通気部753は、熱処理部40の送気処理部55に接続されており、第4通気部754は、冷却部60に接続されている。
第1通気部751、第2通気部752、第3通気部753、および第4通気部754には、それぞれ逆止弁761、762、763、764が設けられている。逆止弁761は、第1空気室741内への吸気を許容し、第1空気室741外への排気を制限する。逆止弁762は、第1空気室741外への排気を許容し、第1空気室741内への吸気を制限する。逆止弁763は、第2空気室742内への吸気を許容し、第2空気室742外への排気を制限する。逆止弁764は、第2空気室742外への排気を許容し、第2空気室742内への吸気を制限する。
このため、仕切部72を図示右方に移動させ、第1空気室741の容積を増大させて第1空気室741内に吸気する状態では、吸気部20から吸気された外気が第1通気部751を介して第1空気室741内に供給される。
一方、仕切部72を図示左方に移動させ、第1空気室741の容積を減少させて第1空気室741内から排気する状態では、第1空気室741内の空気が第2通気部752を介して加熱部50に供給される。
また、仕切部72を図示右方に移動させ、第1空気室741の容積を増大させている状態では、第2空気室742の容積を減少させて第2空気室742内から排気する状態となるため、第2空気室742内の空気が第4通気部754を介して冷却部60に供給される。
一方、仕切部72を図示左方に移動させ、第1空気室741の容積を減少させている状態では、第2空気室742の容積が増大して第2空気室742内に吸気する状態となるため、熱処理部40で熱処理された空気が第3通気部753を介して第2空気室742内に供給される。
このように仕切部72を空気室74内で往復動させることにより、第1空気室741および第2空気室742に空気を吸い込む行程と、空気を吐き出す行程を交互に繰り返し行うこととなる。これにより、熱処理済みの空気を使用者300に間欠的に供給することとなり、使用者300の頭部310付近に供給する空気の流速を変化させることができ、頭部310付近の外気を効率よく換気することができる。
[変形例]
本発明に係る感染症予防装置は、上記説明した本実施形態に限定されない。例えば、実施形態1の感染症予防装置100では、使用者300の活動レベルに応じて運転モードが自動的に切り替わる構成としたが、使用者300が手動で運電モードを選択できるようにしてもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施形態を適宜変形して実施することが可能である。
100 感染症予防装置
20 吸気部
25 吸気口
30 供給部
35 供給口
40 熱処理部
50 加熱部
55 送気処理部
60 冷却部
70 送気装置
80 制御部

Claims (6)

  1. 使用者からの呼気を含む顔面付近の空気を吸引するように、使用者の顔面付近に配置された吸気口を有する吸気部と、
    前記吸気部から吸引された空気を通過させながら熱処理する熱処理部と、
    前記熱処理部で熱処理された空気を冷却する冷却部と、
    前記冷却部で冷却された空気を使用者の口および鼻付近に供給するように、使用者の顔面付近に配置された供給口を有する供給部と、
    前記吸気部から前記供給部まで空気を通過させるように空気を送る送気装置と、
    を備え、
    前記熱処理部は、
    空気を加熱する加熱部と、
    前記加熱部によって加熱された空気をさらに加熱および/または保温しながら前記冷却部に向けて送る送気処理部と、
    を有し、
    前記熱処理部による熱処理は、空気に含まれる病原体を消毒または不活化させるための処理温度と処理時間を含む熱処理条件に基づいて行われる、
    感染症予防装置。
  2. 空気に含まれる病原体を消毒または不活化させるための処理温度と処理時間を含む熱処理条件を満たすように、前記熱処理部および前記送気装置の駆動を制御する制御部をさらに含み、
    前記制御部は、
    処理温度と処理時間の組み合わせを含む、複数の熱処理条件を記憶する熱処理条件記憶部と、
    前記熱処理条件記憶部に記憶された複数の熱処理条件のうち、選択された熱処理条件を満たすように前記熱処理部および前記送気装置の駆動を制御する駆動制御部と、
    を有する、
    請求項1に記載の感染症予防装置。
  3. 使用者の活動レベルに関する情報である活動情報を取得する活動情報取得部をさらに有し、
    前記熱処理条件記憶部は、熱処理条件と空気供給量の組み合わせを含む複数の熱処理モードを記憶し、
    前記制御部は、前記活動情報取得部によって取得された活動情報に基づいて、前記熱処理条件記憶部に記憶された複数の熱処理モードのうち、使用者の活動レベルに応じた空気供給量となる熱処理モードを選択する、熱処理モード判定部をさらに有し、
    前記駆動制御部は、
    前記熱処理モード判定部によって選択された熱処理モードが実行されるように前記熱処理部および前記送気装置の駆動を制御する、
    請求項2に記載の感染症予防装置。
  4. 前記送気処理部は、複数の曲折部が設けられている、
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の感染症予防装置。
  5. 前記冷却部は、前記熱処理部から送気された空気を放熱させながら前記供給部に向けて送気する、
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の感染症予防装置。
  6. 前記加熱部および前記送気処理部を収容するとともに、使用者によって携帯可能となるように構成されている筐体と、
    使用者の頭部付近に装着され、前記吸気部および/または前記供給部を使用者の顔面付近に支持する支持部と、
    をさらに備える、
    請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の感染症予防装置。
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