JP2011088607A - 作業車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】DPFを内装したマフラーからの熱によるエンジンルーム内の高温化を抑制し各部品等の熱害による不具合発生の防止。
【解決手段】排ガス内の粒状化物質を除去するDPFを内装したマフラー12をエンジンルーム13内に接続配置するディーゼルエンジンを搭載した作業車両において、ディーゼルエンジンのヘッドカバー14上部に組み付けた遮熱板15の上面に、冷却ファン16からの冷却風をマフラー12側へ誘導する風向誘導板17を設けたことを特徴とする作業車両の構成とする。また、ディーゼルエンジンを格納するエンジンルーム18を覆うボンネットサイドカバー19の適宜位置に、排熱用ファン20を設けたことを特徴とする作業車両の構成とする。
【選択図】図3
【解決手段】排ガス内の粒状化物質を除去するDPFを内装したマフラー12をエンジンルーム13内に接続配置するディーゼルエンジンを搭載した作業車両において、ディーゼルエンジンのヘッドカバー14上部に組み付けた遮熱板15の上面に、冷却ファン16からの冷却風をマフラー12側へ誘導する風向誘導板17を設けたことを特徴とする作業車両の構成とする。また、ディーゼルエンジンを格納するエンジンルーム18を覆うボンネットサイドカバー19の適宜位置に、排熱用ファン20を設けたことを特徴とする作業車両の構成とする。
【選択図】図3
Description
この発明は、ディーゼルエンジンを搭載した作業車両に関する。特に、エンジンの排気ガス後処理装置に関し、排気ガスの後処理装置としてDPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)を有するディーゼルエンジンにおいて、エンジンルーム内におけるDPF内装のマフラーの冷却を行うもの等の分野に属する。
近年、環境問題の高まりや健康に関する影響が懸念されていることから、自動車及び各種作業車・船舶・発電機等のディーゼルエンジンから排出される排気ガス中の粒子状物質としてのパティキュレート(以下PMという)を除去する装置の開発が進められている。
また、一部地域においては具体的に規制強化が実施されていることもあり、それらへの対応が急務となっている。これらに対応するための技術的な方法としては、エンジン側にて燃料の噴射時期や混合比等の対策によりPMの排出防止を行う方法と排気系の後処理で対応する方法とがある。排気系の後処理で対応する方法としては、例えばディーゼルエンジン等の排気装置にPM除去装置としてDPFを取り付ける技術が既に公知となっている。
従来、油圧ショベルはオペレータ室としてのキャブやエンジン等を含む旋回可能なボデーと、走行手段として一対の履帯を備えた下部走行体と、ボデーの前側に設けられていてバケットやアーム等を有する作業部材とを備えており、ボデーの後部にはカウンタウェイトが設けられている。
エンジンを収容したエンジンルームはエンジンフードによって開閉可能に覆われていると共に、カウンタウェイトはエンジンルーム側の側面及び上面とを切り欠いた断面略L字形状に形成された凹部内に、ディーゼルエンジン用の排気ガス後処理装置がマフラーに内装して収容されており、このマフラーはエンジンの排気口に排気管を介して接続されている。
このように、エンジン本体と排気ガス後処理装置を内装したマフラーとを、エンジンフードにより一体的に覆うエンジンルームを有した建設機械が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、前記の如く、エンジンフードにより一体的に覆われたエンジンルーム内に、エンジン本体とDPFを内装したマフラーとを配設しているものにおいては、DPFを内装したマフラーからの熱によりエンジンルーム内が高温となり、該ルーム内における重要な各部品等の温度が上昇して熱害による不具合発生の恐れがある。
このため本発明は、DPFを内装したマフラーからの熱によるエンジンルーム内の高温化を抑制し、重要な各部品等の熱害による不具合発生を防止しようとするものである。
請求項1の発明は、排ガス内の粒状化物質を除去するDPFを内装したマフラー(12)をエンジンルーム(13)内に接続配置するディーゼルエンジンを搭載した作業車両において、ディーゼルエンジンのヘッドカバー(14)上部に組み付けた遮熱板(15)の上面に、冷却ファン(16)からの冷却風をマフラー(12)側へ誘導する風向誘導板(17)を設けたことを特徴とする作業車両の構成とする。
このような構成により、ディーゼルエンジンにおけるヘッドカバー(14)の上部に、遮熱用として組み付けた遮熱板(15)の上面に設けた風向誘導板(17)によって、DPFを内装したマフラー(12)部に冷却ファン(16)からの冷却風が十分に当るよう誘導してマフラー(12)部の冷却を行うことができる。
請求項2の発明は、前記ディーゼルエンジンを格納するエンジンルーム(18)を覆うボンネットサイドカバー(19)の適宜位置に、排熱用ファン(20)を設けたことを特徴とする請求項1に記載の作業車両の構成とする。
このような構成により、エンジンを格納するエンジンルーム(18)内の高温の熱を、ボンネットサイドカバー(19)の適宜位置に設けた排熱用ファン(20)により強制的にエンジンルーム(18)外へ排出を行うことができる。
請求項1の発明では、上記作用の如く、ヘッドカバー(14)上部に組み付けた遮熱板(15)の上面に設けた風向誘導板(17)によって、DPFを内装したマフラー(12)部に冷却ファン(16)の冷却風が十分に当るよう誘導することができるから、従来、エンジン上部に配置されたマフラー(12)部に冷却風が十分に当らないため、エンジンルーム(13)内が高温となり重要な各部品等が熱害により不具合発生の要因となっていたものを、風向誘導板(17)によってマフラー(12)部の冷却効果を向上させることが可能となり、熱害による不具合発生を抑制することができる。
請求項2の発明では、請求項1の効果に加えて以下の効果を奏する。即ち、上記作用の如く、エンジンを格納するエンジンルーム(18)内の高温の熱を、ボンネットサイドカバー(19)の適宜位置に設けた排熱用ファン(20)により強制的にエンジンルーム(18)外へ排出することができるから、従来、DPFを手動再生した後にエンジンを停止させるとエンジンルーム(18)内がDPFの熱によって高温状態となり、電装品や樹脂部品等が熱害により不具合発生の要因となっていたものを、排熱用ファン(20)によってエンジンルーム(18)内の冷却効果を向上させることが可能となり、熱害による不具合発生を抑制することができるようになる。
DPFを内装したマフラー12をエンジンルーム13内に接続配置するディーゼルエンジンにおいて、エンジンのヘッドカバー14上部に組み付けた遮熱板15の上面に、冷却ファン16からの冷却風をマフラー12側へ誘導する風向誘導板17を設ける。また、農作業車としてのトラクタにおいて、エンジンを格納するエンジンルーム18を覆うボンネットサイドカバー19の一面又は左右両面の適宜位置に排熱用ファン20を設ける。
以下に、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
コモンレール式ディーゼルエンジンEついて、図1のシステム図によりその概要を示す如く、コモンレール式(蓄圧式燃料噴射方式)とは、各気筒への燃料噴射を要求圧力に調整して供給するコモンレール1(蓄圧室)を介して行うものである。
コモンレール式ディーゼルエンジンEついて、図1のシステム図によりその概要を示す如く、コモンレール式(蓄圧式燃料噴射方式)とは、各気筒への燃料噴射を要求圧力に調整して供給するコモンレール1(蓄圧室)を介して行うものである。
燃料タンク3内の燃料は吸入通路により燃料フィルタ7を介して該エンジンEで駆動される高圧ポンプ4に吸入され、この高圧ポンプ4によって加圧された高圧燃料は吐出通路8によりコモンレール1に導かれ蓄えられる。
該コモンレール1内の高圧燃料は各高圧燃料供給通路9により気筒5数分インジェクター6に供給され、ECU100からの指令に基づき、各気筒5毎にインジェクター6が開弁作動して、高圧燃料が該エンジンEの各燃焼室内に噴射供給され、各インジェクター6での余剰燃料(リターン燃料)は各燃料戻し管10により共通の燃料戻し通路10aへ導かれ、この燃料戻し通路10aによって燃料タンク3へ戻される。
また、コモンレール1内の燃料圧力(コモンレール圧)を制御するため高圧ポンプ4に圧力制御弁11が設けられており、この圧力制御弁11はECU100からのデューティ信号によって、高圧ポンプ4から燃料タンク3への余剰燃料の燃料戻し通路10aの流路面積を調整するものであり、これによりコモンレール1側への燃料吐出量を調整してコモンレール圧を制御することができる。
具体的には、エンジン運転条件に応じて目標コモンレール圧を設定し、レール圧センサ2により検出されるコモンレール圧が目標コモンレール圧と一致するよう、圧力制御弁11を介してコモンレール圧をフィードバック制御する。
農作業機に搭載したコモンレール式ディーゼルエンジンEのECU100は、図2に示す如く、回転数と出力トルクの関係において、回転数の変動で出力も変動するドループ制御と、負荷が変動しても回転数が一定で出力を負荷に応じて変更するアイソクロナス制御と、アイソクロナス制御が負荷限界近くになると回転数を上昇させ出力を上げる重負荷制御とによる三種類の制御モードを設定している。
ドループ制御は走行モード(A)として、農作業を行わず移動走行する場合に使用するものであり、例えば、ブレーキを掛けて走行速度を減速したり停止したりすると、この走行負荷の増大に伴ってエンジン回転数が低下するため走行速度の減速や停止を安全に行うことができる。
アイソクロナス制御は通常作業モード(B)として、通常の農作業を行う場合に使用するものであり、例えば、トラクターであれば耕耘作業時に耕地が固く耕耘刃に抵抗が掛かるとき、コンバインであれば収穫作業時に収穫物が多く負荷が増大したときでも、出力が変動して回転数を維持するものでオペレータが楽に操縦できる。
重負荷制御は重作業モード(C)として、特に、負荷限界近くで農作業を行う場合に使用するものであり、例えば、トラクターで耕耘作業を行っている際に、特に、固い耕地に遭遇してもエンジン出力が通常の限界を越えて増大するので作業を中断するようなことがない。
従来、ディーゼルエンジンでは、メイン噴射に先立って少量の燃料をパルス的に噴射するパイロット噴射を行うことにより、着火遅れを短縮してディーゼルエンジン特有の、所謂ノック音を低減することが知られている。
このパイロット噴射は、メイン噴射の前に1回乃至2回に固定して行われるものであったが、前記コモンレール1のシステムを用いることで、エンジンの状況に応じてパイロット噴射の状態を変化させ、騒音の低減や不完全燃焼による白煙又は黒煙の発生を抑制できる。
図3及び図4に示す如く、エンジンルーム13内に配置した前記コモンレール式ディーゼルエンジンEにおいて、排気側に連結した排気管21に、DPFを内装したマフラー12をエンジン本体上部の直近位置で且つエンジン軸心に対し直角方向に配置して接続させる。
ヘッドカバー14の上部には、図5に示す如く、エンジン部品の特にインジェクター(図示なし)の遮熱を行う帯状で片側の端縁を折り曲げた遮熱板15を組み付けると共に、この遮熱板15の上面適宜位置に、冷却ファン16からの冷却風をマフラー12側へ誘導可能とする帯状幅で適宜角度と長さを有した風向誘導板17を取り付けて構成させる。なお、22はシリンダブロック、23はシリンダヘッド、24はオイルパン、25はギヤケース、26はフライホイールを示す。
このような構成により、排気側から排出される排気ガスはマフラー12へ流れDPFにより排気ガス中のPM捕集が行われ、このPM捕集によりPMが堆積したときは適時再生処理を行わせるが、このDPFによる再生処理時にはマフラー12の温度が上がりエンジンルーム13内の温度が上昇しインジェクター等重要な各部品が熱害により不具合発生の要因となっていたものを、ヘッドカバー14上部に組み付けた遮熱板15の上面に設けた風向誘導板17によって、マフラー12部に冷却ファン16の冷却風が十分に当るよう誘導することができるから、風向誘導板17によるマフラー12部の冷却効果の向上が可能となり、熱害による不具合発生を抑制することができる
また、図6(a),(b)に示す如く、農作業車としてのトラクタにおいて、エンジンを格納するエンジンルーム18を覆うボンネット27の、ボンネットサイドカバー19の一面又は左右両面の適宜位置に(特にDPFを内装するマフラー近傍位置)、エンジンルーム18内の熱を強制的に外部へ排出する排熱用ファン20を設けて構成させる。なお、28は前輪、29は後輪、30はキャビンを示す。
また、図6(a),(b)に示す如く、農作業車としてのトラクタにおいて、エンジンを格納するエンジンルーム18を覆うボンネット27の、ボンネットサイドカバー19の一面又は左右両面の適宜位置に(特にDPFを内装するマフラー近傍位置)、エンジンルーム18内の熱を強制的に外部へ排出する排熱用ファン20を設けて構成させる。なお、28は前輪、29は後輪、30はキャビンを示す。
このような構成により、エンジンを格納するエンジンルーム18内が、DPFを手動再生した後にエンジンを停止させるとDPFの熱によって高温状態となるため、このエンジンルーム18内の高温状態を、ボンネットサイドカバー19の一面又は左右両面の適宜位置に設けた排熱用ファン20による強制的なエンジンルーム18外への排熱作用により、エンジンルーム18内の冷却効果を向上させることが可能となり、電装品や樹脂部品等の熱害による不具合発生を抑制することができる。
また、従来、インジェクシヨンノズルの温度上昇を防止するための遮熱板は設けられているが、この遮熱板の中を流れる冷却ファンからの冷却風の方向は気筒の前方側から後方側へ自然に流れるままであり、気筒の後方側は十分に冷却風が当らないという難点があった。
このため、図7及び図8に示す如く、車両の車台31上に搭載されたディーゼルエンジンFにおいて、エンジン本体上部の直近位置で且つエンジン軸心方向にDPFを内装したマフラー32を配置し、ヘッドカバー(図示なし)の上部に、図9(a),(b)に示す如く、インジェクシヨンノズル33の遮熱を行う帯状で片側の端縁を折り曲げた遮熱板34を組み付けると共に、この遮熱板34の内部に、冷却ファン35からの冷却風を各インジェクシヨンノズル33側へ各々誘導可能とする傾斜姿勢で、遮熱板34の折り曲げ深さと同一幅とした風向誘導板36を各インジェクシヨンノズル33の対応位置に各々取り付けて構成させる。
このような構成により、マフラー32のインジェクシヨンノズル33に対する高熱影響を極力抑えるために、遮熱板34内を通過する冷却ファン35からの冷却風が、各々最適位置に配置された風向誘導板36によって各インジェクシヨンノズル33に効率良く当ると共に、各インジェクシヨンノズル33を冷却した風はマフラー32や排気マニホールド(図示なし)側へ流れることにより、マフラー32から発生する熱の影響を防ぐことができる。
なお、前記図9に示す如き、遮熱板34と風向誘導板36との組合せに対し、図10(a),(b)に示す如く、冷却風の取り込みを大きくできるよう後方側に対し前方側を広くして各インジェクシヨンノズル33に十分な風量が当る形状の遮熱板37とすることにより、マフラー32等の輻射熱の影響を受けることなく冷却効果を向上させることができる。
また、従来、作業機等の車両にエンジンを搭載するときに、レイアウトの都合により、DPFを内装したマフラーをエンジン本体上部の直近位置で且つエンジン軸心に対し直角方向に配置しているものが好ましく、これにより、前記図3に示す如く、マフラー外周面入口側から排出ガスを取り入れ、後処理された排出ガスをマフラー外周面出口側から排出する構成とした場合、DPF内の流れに曲がりができるので均一な流れが形成できなくなり、後処理の効果が低下する難点があった。
このため、図11(a),(b)に示す如く、DOC38a(酸化触媒)とDPF38bを内装したマフラー38において、マフラー38外周面の入口側38cから排出ガスを取り入れ、後処理された排出ガスをDPF38bの軸線上でマフラー38後面に配置したテールパイプ38dから排出させることにより、排出ガスのマフラー38内での流れが直線状となるので流れが均一化され、後処理の効率が向上する。なお、マフラー38がエンジン軸心に対し直角方向に位置しているためテールパイプ38dの配置による車両外方への排気が容易となる。
また、従来、マフラーをエンジン本体に固定するため帯状のクランプバンドを用いているが、このクランプバンドの位置決めガイドがないため固定が不十分となる難点があった。
このため、図12(a),(b)及び図13に示す如く、マフラー39のフランジ部39aを接合するため、締め付けボルトvの両側に用いた平座金wの一部を各々フランジ部39aの外径端面から突出させ、この突出部xによりマフラー39固定用のクランプバンド40を挟んでフランジ部39aの外径から外れないよう位置決めガイドすることができるから、組立て時等においてマフラー39の固定をクランプバンド40により容易に行うことができる。
また、エンジンからの排気ガスの排出量を調節制御する排気バルブを使用しない場合、低負荷域の排気温度が下がり過ぎてDPFの連続再生性が低下してしまうという難点があった。
このため、図14(a),(b)は、マフラー41の出口側に設けた排気バルブ42の閉鎖状態と開放状態を示しているものであり、DOCの活性温度を保つことによりDOCが活性化され、PMが燃焼してDPFの連続再生が可能となる。このことから、図15の線図に示す如く、排気温度が高温レベルにおいては、トラクタではロータリ作業状態Tr,コンバインでは刈取り作業状態Crを示しているものであるが、どちらも車両旋回状態tや走行状態rでは、排気バルブ42が開放状態のときは排気温度が触媒活性反応温度y以下まで低下するため、このとき排気バルブ42を絞ってトラクタやコンバインの排気温度の低い(負荷率の低い)領域を昇温zさせることにより、強制再生処理の頻度の低減やポスト噴射におけるダイリューションへの懸念が改善される。
また、図16(a),(b)に示す如く、エンジンの排気ガス経路にDPF43を配設し、その下流側に切替バルブ44を設け、この切替バルブ44の下流側を二方向に分岐しその一方側にサイレンサー45を設けると共に、DPF43の前後にはDPF43の前後差圧を検出する差圧センサ46を配置し、この差圧センサ46と切替バルブ44をECU47に通信可能に接続して構成させる。
このような構成により、DPF43にPMが堆積していない状態、つまりDPF43の差圧が小さい場合は、図16(a)に示す如く、ECU47により切替バルブ44をサイレンサー45側へ切り替えて排気ガスを流し、DPF43にPMが堆積した状態、つまりDPF43の差圧が大きい場合は、図16(b)に示す如く、ECU47により切替バルブ44をサイレンサー45の無い側へ切り替えて排気ガスを流すことにより、DPF43にPMが堆積していない状態においても排気騒音を低減することが可能となるため、安定した静寂性を保つことができる。
また、従来、トラクタに搭載したディーゼルエンジンにおけるDPFの手動再生時の排気温度上昇は、アクセル開度と噴射パターンの変更のみで行われるのが常套手段であった。
そのため、DPF手動再生時における排気温度の上昇について、図17に示す如く、コモンレール式ディーゼルエンジン48に接続したDPF49と、ハイブリッドシステムHとして、該エンジン48から駆動分割器50に接続し、駆動分割器50により分割された一方側を駆動モーター51を経て作業機52と走行部53とに接続すると共に、他方側を発電モーター54に接続し、この発電モーター54と駆動モーター51とをバッテリー55によって接続して構成させる。
このような構成により、DPF49の手動再生時において、発電モーター54により発電を行うことにより、発電モーター54の駆動トルクによって停車時の無負荷運転にもかかわらず、排気温度が上昇してDPF49の手動再生温度(DOCの活性温度)に容易に到達することができるから、発電とDPF手動再生の両立が可能となると共に、再生時間の短縮、手動再生時の燃費向上及びトータル燃費の向上、騒音低減及び排気ガスの浄化を行うことができる。
なお、従来では、DPF49の手動再生(強制)実施中はエンジンからの動力がOFFされ車両を停止させるのが一般的であるため、作業が一時中断し作業効率が低下するという不具合があったが、このとき、前記図17に示す如く、バッテリー55からの送電により駆動モーター51を駆動させて車両走行を可能とすることができるから、圃場から圃場への移動時等を利用して手動再生を実施することで、手動再生のために作業が中断することがなく作業効率の向上を図ることができる。
また、アフターやリタード等の噴射制御,吸排気制御等によって、排気ガス温度を目標値まで上昇させる技術が知られているが、噴射制御等による排気ガス温度の上昇技術は、排気熱としてアフターやリタード等の昇温供給燃料が捨てられエネルギーロスが発生するものであった。
このため、再生モード時において、目標排気ガス温度と実排気ガス温度との差分により、前記図17に示す如く、エンジン動力(燃料噴射量)によってバッテリー55を充電させる電流量を調整する制御を実施することで、エンジン動力を増加減させ排気温度を調整可能に構成させるものにおいて、再生モード時期の状態により、始めの段階では走行部のみ,中間段階では走行部と作業機,最終段階では走行部と作業機と螺旋等と、バッテリー55をアシストする部位を段階的に多く選択して、再生モード時のバッテリー55の充電空容量の確保と、再生モードまでの期間を少しでも延ばすことができるから、排気温度調整のためのエンジン動力がバッテリー55に充電(回生)されエネルギーが有効利用できると共に、アフターやリタード等の噴射制御と併用することで、昇温に要する時間等を短縮,微調整することができる。
トラクターやコンバイン等の農作業機を始め一般車両にも利用することができる。
1 コモンレール
E コモンレール式ディーゼルエンジン
12 マフラー
13 エンジンルーム
14 ヘッドカバー
15 遮熱板
16 冷却ファン
17 風向誘導板
18 エンジンルーム
19 ボンネットサイドカバー
20 排熱用ファン
E コモンレール式ディーゼルエンジン
12 マフラー
13 エンジンルーム
14 ヘッドカバー
15 遮熱板
16 冷却ファン
17 風向誘導板
18 エンジンルーム
19 ボンネットサイドカバー
20 排熱用ファン
Claims (2)
- 排ガス内の粒状化物質を除去するDPFを内装したマフラー(12)をエンジンルーム(13)内に接続配置するディーゼルエンジンを搭載した作業車両において、ディーゼルエンジンのヘッドカバー(14)上部に組み付けた遮熱板(15)の上面に、冷却ファン(16)からの冷却風をマフラー(12)側へ誘導する風向誘導板(17)を設けたことを特徴とする作業車両。
- 前記ディーゼルエンジンを格納するエンジンルーム(18)を覆うボンネットサイドカバー(19)の適宜位置に、排熱用ファン(20)を設けたことを特徴とする請求項1に記載の作業車両。
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