JP2011052561A - 作業車両 - Google Patents

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健一 坪田
Masaaki Suga
公明 菅
Toru Shinomiya
徹 四之宮
Susumu Ueda
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Abstract

【課題】ディーゼルパティキュレートフィルタと酸化触媒をエンジンに取り付けた場合、エンジンルーム内にコンパクトに収納する。また、過給器付のエンジンの場合において、酸化触媒の活性状態の保持、及びディーゼルパティキュレートフィルタ内に粒状化物質が付着するのを抑制する。
【解決手段】ディーゼルエンジンEのシリンダー5から排出される排気ガス中の粒状化物質PMを捕集するディーゼルパティキュレートフィルタ46bと、排気ガス中の未燃燃料を燃焼させる酸化触媒46aを設けるディーゼルエンジンEを備えた作業車両において、過給器TBの直近下流側に順に前記酸化触媒46aとディーゼルパティキュレートフィルタ46bを設けると共に、過給器TBと酸化触媒46a及びディーゼルパティキュレートフィルタ46bを略一直線上に配置するように構成したことを特徴とする作業車両の構成とする。
【選択図】図6

Description

この発明は、ディーゼルパティキュレートフィルタを設けているディーゼルエンジンを備えた作業車両に関する。
ディーゼルパティキュレートフィルタと酸化触媒を、上下方向に重ねて構成する技術がある(例えば、特許文献1参照。)。
特開2009−167806号公報
前述のような技術では、ディーゼルパティキュレートフィルタと酸化触媒をエンジンに取り付けた場合、エンジンルーム内にコンパクトに収納する技術が開示されておらず、また、過給器付のエンジンの場合において、酸化触媒の活性状態の保持、及びディーゼルパティキュレートフィルタ内に粒状化物質が付着するのを抑制する技術が開示されていない。
本発明の課題は、前述のような不具合を解消するディーゼルエンジンを提供することである。
本発明の上記課題は次の構成によって達成される。
すなわち、請求項1記載の発明では、ディーゼルエンジン(E)のシリンダー(5)から排出される排気ガス中の粒状化物質(PM)を捕集するディーゼルパティキュレートフィルタ(46b)と、排気ガス中の未燃燃料を燃焼させる酸化触媒(46a)を設けるディーゼルエンジン(E)を備えた作業車両において、過給器(TB)の直近下流側に順に前記酸化触媒(46a)とディーゼルパティキュレートフィルタ(46b)を設けると共に、過給器(TB)と酸化触媒(46a)及びディーゼルパティキュレートフィルタ(46b)を略一直線上に配置するように構成したことを特徴とする作業車両としたものである。
燃焼した排気ガスはディーゼルエンジンのシリンダー(5)から出ていくが、この途中で排気ガス中の未燃燃料は、酸化触媒(46a)で処理される。その後、排気ガスに含まれるPMは、ディーゼルパティキュレートフィルタ(46b)で捕集される。
請求項2記載の発明では、前記過給器(TB)と酸化触媒(46a)及びディーゼルパティキュレートフィルタ(46b)は、少なくとも排気マニホールド(65)と同じ高さ位置、又は排気マニホールド(65)よりも上方に配置するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の作業車両としたものである。
本発明は上述のごとく構成したので、請求項1記載の発明においては、過給器(TB)を通過後の排気ガスは、高温状態で酸化触媒(46a)及びディーゼルパティキュレートフィルタ(46b)を通過していくので、酸化触媒(46a)の活性状態を保持でき、ディーゼルパティキュレートフィルタ(46b)内に粒状化物質(PM)が堆積するのを抑制できるようになる。
請求項2記載の発明においては、請求項1の効果に加え、過給器(TB)と酸化触媒(46a)及びディーゼルパティキュレートフィルタ(46b)を有するディーゼルエンジンを、エンジンルーム内にコンパクトに配置可能となる。
蓄圧式燃料噴射装置の全体構成図 制御モードによるエンジン回転数と出力トルクの関係を示す線図 トラクタの左側面図 トラクタの平面図 吸気系と排気系の模式図 (a)エンジンの左側面図 (b)エンジンの背面図 DOCの断面図 (a)エンジンの左側面図 (b)エンジンの正面図 エンジンの正面図 (a)後処理装置の断面図 (b)後処理装置の背面図 後処理装置の一部の断面図 (a)後処理装置の一部の左側面の断面図 (b)後処理装置の一部の平面の断面図 (c)従来の後処理装置の一部の左側面の断面図 エンジンの一部の模式図 トラクタの左側面図 (a)トラクタの正面図 (b)トラクタの左側面図
本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は、蓄圧式燃料噴射装置の全体構成図である。蓄圧式燃料噴射装置は、例えば、多気筒ディーゼル機関に適用されるものであるが、ガソリン機関でもよい。そして、蓄圧式燃料噴射装置は、噴射圧力に相当する高圧燃料を蓄圧するコモンレール1と、このコモンレール1に取り付けられる圧力センサ2と、燃料タンク3より汲み上げた燃料を加圧してコモンレール1に圧送する高圧ポンプ4と、コモンレール1に蓄圧された高圧燃料をエンジンEのシリンダー5内に噴射する燃料噴射ノズル6と、前記高圧ポンプ4と燃料噴射ノズル6等の動作を制御する制御装置(ECU)等から構成される。ECUとは、エンジンコントロールユニットの略称である。ECU100には本機側のCPU200が接続しており、互いに情報交換をしている。
このように、コモンレール1は、エンジンEの各シリンダー5へ燃料を噴射するものであり、燃料供給を要求された圧力とするものである。
前記燃料タンク3内の燃料は吸入通路により燃料フィルタ7を介してエンジンEで駆動される高圧ポンプ4に吸入され、この高圧ポンプ4によって加圧された高圧燃料は吐出通路8によりコモンレール1に導かれて蓄えられる。
コモンレール1内の高圧燃料は各高圧燃料供給通路9により気筒数分の燃料噴射ノズル6に供給され、ECU100からの指令に基づき、各シリンダーに燃料噴射ノズル6が作動して、高圧燃料がエンジンEの各シルンダー5室内に噴射供給され、各燃料噴射ノズル6での余剰燃料(リターン燃料)は各リターン通路10により共通のリターン通路10へ導かれ、このリターン通路10によって燃料タンク3へ戻される。
また、コモンレール1内の燃料圧力(コモンレール圧)を制御するため高圧ポンプ4に圧力制御弁11が設けられており、この圧力制御弁11はECU100からのデューティ信号によって、高圧ポンプ4から燃料タンク3への余剰燃料のリターン通路10の流路面積を調整するものであり、これによりコモンレール1側への燃料吐出量を調整してコモンレール圧を制御することができる。
具体的には、エンジン運転条件に応じて目標コモンレール圧を設定し、レール圧力センサ2により検出されるコモンレール圧が目標コモンレール圧と一致するよう、圧力制御弁11を介してコモンレール圧をフィードバック制御する構成としている。
作業車(農作業機)におけるコモンレール1を有するディーゼルエンジンEのECU100は、図2に示すように、回転数と出力トルクの関係において走行モードAと通常作業モードB及び重作業モードCの三種類の制御モードを有する構成としている。
走行モードAは、エンジン回転数の変動で出力も変動するドループ制御である。農作業を行わず移動走行する場合に使用するものである。例えば、ブレーキを掛けて走行速度を減速したり停止したりすると、この走行負荷の増大に伴ってエンジン回転数が低下するため走行速度の減速や停止を安全に行うことができるものである。
通常作業モードBは、負荷が変動してもエンジン回転数が一定で出力を負荷に応じて変更するアイソクロナス制御である。通常の農作業を行う場合に使用するものである。例えば、トラクターであれば耕耘作業時に耕地が固く耕耘刃に抵抗が掛かるときであり、コンバインであれば収穫作業時に収穫物が多く負荷が増大したときでも、出力が変動して回転数を維持するときである。
重作業モードCは、通常作業モードBと同様に負荷が変動してもエンジン回転数一定で出力を負荷に応じて変更するアイソクロナス制御に加え、負荷限界近くになると回転数を上昇させて出力を上げる重負荷制御を加えた制御である。特に、負荷限界近くで農作業を行う場合に使用するものである。例えば、トラクターで耕耘作業を行っている際に、特に、固い耕地に遭遇してもエンジン出力が通常の限界を越えて増大するので作業を中断することがなく、効率の良い作業が可能となる。
これらの作業モードA,B,Cは、各作業モードA,B,Cを切り替え可能な作業モード切替スイッチの操作、又は農作業車(トラクター、コンバイン、田植機等)の走行変速レバーの変速操作、又は作業クラッチ(トラクターであればロータリであり、コンバインであれば刈取部、脱穀部である)の入り切り操作等によって切り替わるように構成する。
ディーゼルエンジンEでは、メイン噴射に先立って少量の燃料をパルス的に噴射するパイロット噴射を行うことにより、着火遅れを短縮してディーゼルエンジンE特有のノック音を低減し、騒音を低減することが可能な構成としている。
このパイロット噴射は、メイン噴射の前に1回又は2回に限定して行われるものであったが、前記コモンレール1の蓄圧式燃料噴射装置を用いることで、エンジンEの状況に応じてパイロット噴射の状態を変化させ、騒音の低減や不完全燃焼による白煙又は黒煙の発生を抑制できるようになる。また、メイン噴射に先立って少量の燃料をパルス的に噴射するパイロット噴射を行うことにより、排ガス中の窒素酸化物の量が減少するようになる。
図3は、前述のようなコモンレール1を有するディーゼルエンジンを搭載したトラクターの側面図を示し、図4はその平面図を示している。平面図においては、図3に示すキャビン14を省いた状態を示している。
トラクターは、機体の前後部に前輪12、12と後輪13、13を備え、機体の前部に搭載したエンジンEの回転動力をトランスミッションケースT内の変速装置によって適宜減速して、これら前輪12、12と後輪13、13に伝えるように構成している。
機体中央であってキャビン14内のハンドルポスト15にはステアリングハンドル16が支持され、その後方にはシート17が設けられている。ステアリングハンドル16の下方には、機体の進行方向を前後方向に切り換える前後進レバー18が設けられている。この前後進レバー18を前側に移動させると機体は前進し、後方へ移動させると後進する構成である。
また、ハンドルポスト15を挟んで前後進レバー18の反対側にはエンジン回転数を調節するアクセルレバー25が設けられ、またステップフロア19の右コーナー部には、同様にエンジン回転数を調節するアクセルペダル23と、左右の後輪13、13にブレーキを作動させる左右のブレーキペダル24L、24Rが設けられている。ステップフロア19の左コーナー部にはクラッチペダル20が設けられている構成である。
また、主変速レバー26はシート17の左前方部にあり、低速、中速、高速及び中立のいずれかの位置を選択できる副変速レバー27はその後方にあり、さらにその右側にPTO変速レバー28を設けている。さらに、シート17の右側には作業機21(ロータリ等)の高さを設定するポジションレバー29と圃場の耕耘深さを自動的に設定する自動耕深レバー30、これらのレバーの後に作業機21の右上げスイッチ31と右下げスイッチ32が配置され、さらにその後に作業機21の自動水平スイッチ33とバックアップスイッチ34が配置されている。バックアップスイッチ34は、機体が後進時において、作業機21を自動的に上昇させるものである。作業機21は、機体の後方にリンク22で連結されている構成である。トラクターは作業機21を駆動させて機体を走行させることで、圃場内の耕耘等の作業を行なうものである。21aは作業機21を昇降する油圧シリンダーである。
図5はエンジンのシリンダー5内への吸気と排気の模式図であり、4サイクルのディーゼルエンジンの実施例である。過給器TBの吸気タービン36により過給された空気は、エアクリーナー35から吸気タービン36、インタークーラー37を通過して吸気マニホールド38からシリンダー5内へ送られる構成である。39は吸気バルブであり、40はピストンである。48はカムでありロッカーアーム49を介して吸排気バルブ39、41を開閉させるものである。
シリンダー5内で燃焼した排ガスは、排気バルブ41から排気マニホールド42を通過した後、過給器TBの排気タービン45で過給器TBを駆動して排出される構成である。
このディーゼルエンジンは、排気ガスの一部を吸気側に混入させるためのEGR(排気再循環装置)回路44を有している。EGR回路で排気ガスの一部を吸気側に混入させることで酸素量(O2)を減らして、窒素酸化物Noxの発生を低減させるように構成している。ただし、EGR率が上昇しすぎると、逆に酸素量が少なくなって不完全燃焼になるので、燃焼状態によりEGR率を調節する必要がある。この調節は、EGRバルブ43にて行う。EGR回路44は、後述する後処理装置46下流側の排気管55と過給器TBの吸気タービン36上流側の吸入管56との間を接続している。また、EGR回路44の途中にはEGRクーラ57を設ける構成としている。このEGRバルブ43の開閉具合でシリンダー5内への排気ガスの還元量が変化する。
排気タービン45を通過後の排気ガスは、後処理装置46を通過してマフラー50から大気中に排出される。後処理装置46は、酸化触媒(DOC)46aとディーゼルパティキュレートフィルター(DPF)46bとから構成されている。
酸化触媒(DOC)は不燃物室を燃焼させるものであり、ディーゼルパティキュレートフィルター(DPF)は粒状化物室(PM)を捕集するためのものである。前記EGRバルブ43と絞り弁47については、ECU100により制御される構成である。後処理装置46はディーゼルパティキュレートフィルター(DPF)46bのみで構成してもよい、酸化触媒(DOC)46aを設けると不燃物質が燃焼するので、よりクリーンな排気ガスとなる。
DPF46bは、排気ガスの温度が低い状態(低負荷)が長時間続くと、PMが溜まってきて能力の低下が懸念される。そこで、後処理装置46の下手側に絞り弁47を設け、この絞り弁47を絞るとDPF46b内の圧力が高く保持されるので温度も高くなる。これにより、高い温度の影響により、DPF46bの再生が可能となる。即ち、高い温度の排気ガスがDPF46bを通過すると、DPF46b内に存在しているPMが焼き飛ばされることでDPF46bが再生される。
DPF46bを再生させるためのDPF再生運転としては、EGRバルブ43と絞り弁47の両方を絞る。そして、燃料噴射タイミングのリタード(遅角)と合わせてDPF46b内のガス温度を上昇させ、DPF46bが再生に入るようにする。これにより、燃料のアフター噴射(排気ガス温度を上昇させるため)が不要となったり、アフター噴射の回数を減らすことができるようになるので、燃料消費量を抑制できて環境にもよい。
このようなDPF再生運転を行うための条件としては、後処理装置46の上手側に圧力センサ52を設けておいて、この圧力センサ52の値が所定値以上になるとDPF46b内にPMが蓄積して抵抗となっている状態なので、DPF再生運転を行うようにする。
また、DPF再生運転に入った状態が長時間続くと、過熱状態となってしまいDPF46bが損傷してしまう。そこで、後処理装置46の下手側に温度センサ53を設け、この温度センサ53の値が所定値を超えるとDPF再生運転を止めて通常運転に戻るようにする。
通常の運転は、EGRバルブ43と絞り弁47を同時に制御してEGR量を適宜コントロールするようにする。特に、絞り弁47を有することで、DPF46b内のガス温度を高く保持することができるようになる。
前述のような構成としたことで、吸気スロットルが不要となる。即ち、過給器付き機関では吸気側圧力が高いので、EGRガス量を確保するために排気絞り弁または吸気スロットルを設け、EGRバルブと連動した制御が必要となるが、このようなシステムが不要となる。
また、DPF46b下流の排気ガスを取り出すために、過給器TBの汚れに伴う性能劣化を生じることを防止できるようになる。そして、EGRガスはEGRクーラ57で冷却されるため、NOx低減に対して効果が大きくなる。そして、EGRガスを負圧である過給器TBの上流側に還元することで、排気絞り弁、吸気絞り弁を不要としてもよい。
前述したように、DPFの再生運転を行なうDPF強制再生モードにおいては、排気絞り弁47を絞り、ON−OFF制御によってEGRバルブ43を全閉とするように構成する。したがって、排気ガスの還元が行なわれないのでNOが増加し、このNOが酸化触媒(DOC)46aによってNO2に転換され、DPF46bの再生が促進されるようになる。
また、DPF46bの強制再生中において、エンジン回転がローアイドルに移行した場合は、前記EGRバルブ43を全開とする。DPF46bの下流側には温度センサ53を設けているので、この温度センサ53による検出値が所定値以上に上昇したことも条件に加えるようにしてもよい。
図6(a)はディーゼルエンジンの左側面図であり、(b)はその背面図を示している。図3のトラクタの左側面図に搭載した場合、冷却ファン70側が機体の前進方向である。
DOC46aとDPF46bは別体構成であり、それぞれ収納ケース63,64内に収納されている構成である。DOC収納ケース63は、排気マニホールド65や過給器TBに対してボルト等で締め付けて固定する構成である。
DOC収納ケース63とDPF収納ケース64の間はフランジとボルトで固定している。DPFケース64の多端側は、排気管55を支持するケース66と接続しており、フランジとボルトで接続している構成である。そして、DPFケース64と排気管支持ケース66との間をコの字プレート67で挟み込んでおり、コの字プレート67に対してプレート61を固着しており、このプレート61をエンジンの背面部に固定する構成としている。DOC46aとDPF46bは別体構成であるので、軽量コンパクトとなり、搭載性が向上するようになる。
この場合、過給器TB、DOC46a及びDPF46bについては、一直線上にレイアウトしており、しかもDOC46aを過給器TBの直近に配置しているので、DOC46a内を流れる排気ガス温度の低下を防止できて、触媒性能低下を防止できるようになる。
前記DOC収納ケース63は、排気マニホールド65と一体の鋳物、アルミダイキャストで構成している。DOC46aの外周はマット68で覆い、この状態で両端が開放された筒69に差し込んでおり、さらに、筒69をDOC収納ケース63に挿入する構成としている。これにより、DOC46aの支持が容易となり、しかも、機関仕様に合わせてサイズ、貴金属担持量の設定が容易となり、廉価な構成となる。
図6(b)に示しているように、排気管55はトラクタの機体右側方向に伸びているので、ボンネットの右側から排気ガスを排出してもよいし、また、排気管55を屈曲延長して、キャビン14の上方まで伸ばすように構成してもよい。また、図示はしないが、排気管55を排気管支持ケース66から直接上方に向かって伸ばし、ボンネットの上方から排気するように構成してもよい。
図8は、DOC46aとDPF46bを搭載する場合の別構成である。DOC46aは低圧損基材(触媒担体)で小径長尺の構成とし、触媒担体は壁厚の小さいメタルハニカムとする。そして、DOC46aは排気マニホールド65に近接配置しており、過給器TBの上流側に配置する構成とする。
DPF46bは過給器TBの下流側配置としており、エンジンルーム内の幅内に収納している。そして、DPF46bは、エンジンクランク軸方向に対して直交する方向であって、エンジン上部に配置している。これにより、従来からトラクタに搭載しているエンジンルーム内の構成を変更することなく、DOC46aとDPF46bをエンジンルーム内に収納可能となる。また、DOC46aは過給器TBの上流側の排気ガス温度が高い位置に配置されているので、触媒機能の低下を防止できるようになる。
図9については、DPF46bの下流側に該DPF46bの外径と略同じ第二DOC46cを設ける構成である。これにより、触媒機能が向上するようになる。また、図示はしないが、図5で説明したEGRクーラ57をDOC46aの下方に略平行状態で配置する構成とする。これにより、DOC46aの下方空間部を有効利用できて、エンジン全体をコンパクトにすることが可能となる。
図10は後処理装置46(DOC46aやDPF46b)を覆う収納ケース63,64の固定方法である。収納ケース63,64の外周にフランジ71を構成してボルトナット72で固定する。そして、エンジンや機体側の固定側基台73に支柱74を立設して構成し、前記フランジ71の外周に固定用バンド75を巻き介して、この固定用バンド75を支柱74に係合させる構成とする。これにより、後処理装置46等の歪みの影響を少なくできるようになる。
図11は前記収納ケース63,64の外周に温度センサーや圧力センサーを取り付ける場合の断面図である。センサーはセンサーボス76内に収納されているので、このセンサーボス76を収納ケース63,64の表面に固着する。この場合、センサーボス76を全周溶接で取り付けると、ガストーチ77のアプローチのために、フランジ71とセンサーボス76との間隔Sが長くなってしまう。そこで、センサーボス76をスポット溶接で取り付けるように構成する。これにより、フランジ71とセンサーボス76との間隔Sが短くなり、コンパクトに構成可能となる。
図12は後処理装置46上流側において、後処理装置46に接続する排管78の構成を示している。排管78は、後処理装置46前部の引継ぎケース79の一部を切り欠いて排管78を溶接する構成とする。図12(c)は従来の構成であるが、S1に対してS2が短く構成可能となる。即ち、後処理装置46の全長が短くコンパクトになる。
図13は過給器TB周辺の模式図であるが、DPF46bを再生する場合の排気ガスは、過給器TBを通過させないように構成する。このため、切替バルブ80を構成している。これにより、排気ガス温度の低下を防止できるので、DPF46bの再生が効率良く可能となる。
また、図示はしないが、過給器TBのウエストゲートを電磁ソレノイドで駆動する構成とし、通常はインテークマニホールドに設置されたブーストセンサにより、インテークマニホールド内の圧力が設定値に達した場合、ECU100の指示でウエストゲートを開けてタービンハウジングから排気を逃がす構成とする。そして、DPF46bの再生時は、ウエストゲートを開けて、コンプレッサー駆動による排気温度低下を防止する構成とする。これにより、排気がコンプレッサーを回す仕事が減り、その分排気ガス温度の低下を防止できるようになる。
図14はトラクタのボンネット上に後処理装置(DOC46a,DPF46b)を配置する場合の構成例である。図示のごとく、過給器TBから前方に配置しているDOC46a内に排気ガスが送り込まれるが、この排気ガスはDOC46a内で180度ユーターンして後方に向かう構成とする。そして、DOC46aよりは前方に出ていないDPF46bに排気ガスが送り込まれる構成とする。実際は、DPF46bはDOC46aの後方配置となる。これにより、後処理装置46がボンネット上を前方に長くならないので、運転者の視界を狭くするのを防止できるようになる。
図15に示しているように、トラクタの左右側のボンネット後部下方であって、さらに、キャビン14とオーバーラップするようにDPF46bとDOC46aを配置する構成とする。右側がDPF46bであってもDOC46aであってもよい。このように、エンジンルーム外に配置することで、エンジンルーム内の配線類や補機類の温度上昇を防止できるようになる。また、キャビン14とオーバーラップするように後側に移動しているので、キャビン14内の運転者から前輪12を目視可能となり、作業への悪影響を防止できるようになる。
また、図示はしないが、DPF46bを再生する際において、トラクタを停車させ、作業機を地面側に押し付けるように油圧を掛ける構成とする。これにより、油圧シリンダに負荷が掛かることで、エンジンのハイドロポンプが仕事をし、排気温度が上昇する。そして、DOC46aが素早く活性温度に到達して再生時間が短縮され、燃費も改善するようになる。
なお、前記した各実施例は、理解を容易にするために、個別または混在させて図示、あるいは説明しているが、これらは夫々種々組合せ可能であり、これらの説明順序・表現等によって、構成・作用等が限定されるものではなく、また、相乗効果を奏する場合も勿論存在する。
トラクターやコンバイン等の農作業機を始め一般車両にも利用可能である。
E ディーゼルエンジン
TB 過給器
PM 粒状化物質
5 ディーゼルエンジンのシリンダー
46a 酸化触媒(DOC)
46b ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)
65 排気マニホールド

Claims (2)

  1. ディーゼルエンジン(E)のシリンダー(5)から排出される排気ガス中の粒状化物質(PM)を捕集するディーゼルパティキュレートフィルタ(46b)と、排気ガス中の未燃燃料を燃焼させる酸化触媒(46a)を設けるディーゼルエンジン(E)を備えた作業車両において、過給器(TB)の直近下流側に順に前記酸化触媒(46a)とディーゼルパティキュレートフィルタ(46b)を設けると共に、過給器(TB)と酸化触媒(46a)及びディーゼルパティキュレートフィルタ(46b)を略一直線上に配置するように構成したことを特徴とする作業車両。
  2. 前記過給器(TB)と酸化触媒(46a)及びディーゼルパティキュレートフィルタ(46b)は、少なくとも排気マニホールド(65)と同じ高さ位置、又は排気マニホールド(65)よりも上方に配置するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の作業車両。
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