JP2011088606A - 車両の可動ルーフ構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】シンプルな構造でありながら操作性の向上と、使い勝手の向上と、を両立し、かつ、ルーフ部材の開放位置を選択可能とすることにより、乗員の快適性向上を図る車両の可動ルーフ構造を提供する。
【解決手段】ルーフ部材ROを、少なくとも1つがボード状のハードルーフ部材で形成され複数に分割されたサブルーフ部材4,5を連結して形成し、ルーフ部材ROの一部4を開放して保持する一部開放モードをもつオープンルーフ機構53を備えたことを特徴とする。
【選択図】図8

Description

この発明は、車室上方のルーフ部材を開閉可能と成したオープンカーのような車両の可動ルーフ構造に関する。
従来、上述例の車両の可動ルーフ構造としては、特許文献1、2に開示された構造がある。
すなわち、上記特許文献1、2の何れにおいても、ルーフ部材をフロントルーフパネルと、ミドルルーフパネルと、バックウインドウとに3分割し、また、これら各要素を折り畳んで格納室に格納した際の見栄え確保を図る目的で、デッキカバーを別途設けると共に、フロントルーフパネル、ミドルルーフパネル、バックウインドウをリンク機構で連結し、さらに、これら各要素を電動操作するために、駆動源としての駆動モータおよび該モータの回転をリンク機構に伝達するための歯車機構を備えたものである。
このように複数に分割されたルーフ部材(フロントルーフパネル、ミドルルーフパネル、バックウインドウ参照)を電動にて開閉操作すべく構成すると、構造が複雑で、部品点数が多いうえ、駆動モータおよび歯車機構が必須となる関係上、重量が大となり、またコスト高になるうえ、使い勝手が悪いという問題点があった。加えて、上記特許文献1、2の何れにおいても上記ルーフ部材の一部を開放(部分開放)して保持するという技術思想については全く開示されておらず、その示唆もない。
特開2007−261405号公報 特開2007−261412号公報
そこで、この発明は、ルーフ部材を、少なくとも1つがボード状のハードルーフ部材で形成され複数に分割されたサブルーフ部材を連結して形成し、該ルーフ部材の一部を開放して保持する一部開放モードをもつオープンルーフ機構を備えることで、シンプルな構造でありながら操作性の向上と、使い勝手の向上と、を両立することができ、しかも、ルーフ部材の開放位置を選択可能とすることにより、乗員の快適性向上を図ることができる車両の可動ルーフ構造の提供を目的とする。
この発明による車両の可動ルーフ構造は、車室上方のルーフ部材を開閉可能とした車両の可動ルーフ構造であって、上記ルーフ部材を、少なくとも1つがボード状のハードルーフ部材で形成され複数に分割されたサブルーフ部材を連結して形成し、上記ルーフ部材の一部を開放して保持する一部開放モードをもつオープンルーフ機構を備えたものである。
上記構成によれば、ルーフ部材を少なくとも1つがボード状のハードルーフ部材で形成され複数に分割されたサブルーフ部材を連結して形成したので、シンプルな構造でありながら操作性の向上と、使い勝手の向上と、を両立することができる。
しかも、ルーフ部材の一部を開放して保持する一部開放モードをもったオープンルーフ機構を備えたので、ルーフ部材の開放位置を選択可能とすることができ、乗員の快適性向上を図ることができる。
因に、上記ルーフ部材は、全閉位置と、一部開放位置と、全開位置とを得ることができる。
この発明の一実施態様においては、上記ルーフ部材の開放方向への開放操作と、閉鎖方向への閉鎖操作との少なくとも一方または両方で手動による手動操作を許容するオープンルーフ機構を備えたものである。
上記構成によれば、ルーフ部材の開放操作と閉鎖操作との一方または両方を手動操作にて行なうことができるので、電動構造のものと比較して、構造がシンプルかつ軽量なオープンルーフ機構となり、操作性の向上、使い勝手の向上、操作力の低減を達成することができる。
この発明の一実施態様においては、上記オープンルーフ機構は、上記ルーフ部材の開閉操作の途中で該ルーフ部材の移動を停止可能とするように構成されたものである。
上記構成によれば、ルーフ部材の開閉操作の途中で、該ルーフ部材の移動を停止可能と成したので、乗員の快適性がさらに向上する。
この発明の一実施態様においては、上記ルーフ部材の開閉操作の途中で該ルーフ部材を任意の位置で停止可能に構成されたものである。
上記構成によれば、ルーフ部材の開閉操作の途中で、該ルーフ部材を任意の位置で停止するように構成したので、乗員の好みに応じて外気導入量の調整および明るさの調整が可能となる。
この発明の一実施態様においては、上記ルーフ部材の少なくとも一部を上下方向に可動させて開放可能な開放機構を備えたものである。
上記構成によれば、上記開放機構により、ルーフ部材の少なくとも一部を上下方向に可動させて開放することができるので、車室の換気性能の向上を図ることができる。
この発明の一実施態様においては、上記サブルーフ部材の1つが前後方向に移動可能に支持されたものである。
上記構成によれば、サブルーフ部材の1つが前後方向に移動可能に支持されたので、このサブルーフの移動時に一部開放モードを確保することができ、外気導入または車室の換気と、明るさ調整との両立を図ることができる。
この発明の一実施態様においては、上記ルーフ部材は、硬質のハードルーフ部材と、可撓性のあるフレキシブル部材と、を連結して形成されたものである。
上記構成によれば、ルーフ部材をハードルーフ部材とフレキシブル部材とで構成したので、一部開放モードの確保を図りつつ、全体をハードルーフ部材で構成するものと比較して、ルーフ部材の軽量化を図ることができる。
この発明の一実施態様においては、上記ルーフ部材が、2つのサブルーフ部材を連結して形成されたものである。
上記構成によれば、ルーフ部材を2分割構造と成したので、一部開放モードの確保を図りつつ、ルーフ部材の構造およびオープンルーフ機構の構造を共に、より一層シンプルかつ軽量に構成することができ、併せて、収納スペースのシンプル化をも達成することができる。
この発明によれば、ルーフ部材を、少なくとも1つがボード状のハードルーフ部材で形成され複数に分割されたサブルーフ部材を連結して形成し、該ルーフ部材の一部を開放して保持する一部開放モードをもつオープンルーフ機構を備えたので、シンプルな構造でありながら操作性の向上と、使い勝手の向上と、を両立することができ、しかも、ルーフ部材の開放位置を選択可能とすることにより、乗員の快適性向上を図ることができる効果がある。
本発明の車両の可動ルーフ構造を示す側面図 図1の要部平面図 ロール保護部材の配設構造を示す正面図 車両右側の後輪ホイールハウスおよびホイールハウスレインフォースメントの周辺構造を示す斜視図 各ガセットの分解斜視図 図3の部分拡大断面図 ルーフ・クローズ時の側面図 ルーフ部材の一部開放モードを示す側面図 ルーフのポップアップ時の側面図 ルーフ・オープン時の側面図 図10のD−D線に沿う部分正面図 車両の可動ルーフ構造を示す概略斜視図 図9のE−E線に沿う部分拡大正面図 車両の可動ルーフ構造の他の実施例を示すルーフ全閉時の側面図 図14の要部拡大側面図 ルーフ部材の一部開放モードを示す側面図 ルーフのポップアップ時の側面図 ルーフ・オープン時の側面図 車両の可動ルーフ構造のさらに他の実施例を示す側面図 ルーフのポップアップ時の側面図 ルーフ・オープン時の側面図 図19の部分拡大側面図 図22のG−G線に沿う部分正面図 前部ルーフの一部開放モード状態を示す側面図 前部ルーフの開度をさらに大きくした一部開放モード状態の側面図
シンプルな構造でありながら、操作性の向上と、使い勝手の向上と、を両立することができ、しかも、ルーフ部材の開放位置を選択可能とすることで、乗員の快適性向上を図るという目的を、車室上方のルーフ部材を開閉可能とした車両の可動ルーフ構造において、上記ルーフ部材を、少なくとも1つがボード状のハードルーフ部材で形成され複数に分割されたサブルーフ部材を連結して形成し、上記ルーフ部材の一部を開放して保持する一部開放モードをもつオープンルーフ機構を備えるという構成にて実現した。
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は車両としてのオープンカーの可動ルーフ構造を示し、側面図で示す図1において、このオープンカーは、車幅方向に延びて車室1前部のフロントウインドウ2の上辺を支持する強度部材であるフロントヘッダ3と、このフロントヘッダ3の後方に連なって車室1上部を形成するルーフ部材ROとが設けられており、該ルーフ部材ROは複数に分割されたサブルーフ部材としての前部ルーフ4と後部ルーフ5とに2分割されている。
上述の前後の各ルーフ4,5は開閉可能に支持されている。なお、図1においては、前後の各ルーフ4,5を閉成(クローズ)した状態を実線で示し、ルーフ部材ROの一部を開放して保持する一部開放モードを仮想線Aで示し、各ルーフ4,5の開閉中途状態(ポップアップ状態)を仮想線Bで示し、各ルーフ4,5を開放(オープン)し、後述するルーフ格納空間10に格納する状態を仮想線Cで図示している。
ここで、上述のフロントヘッダ3は、フロントヘッダアウタ3aとフロントヘッダインナ3bとを接合して、車幅方向に延びるヘッダ閉断面s1を備えた強度部材であって、このフロントヘッダ3の左右両端部は、閉断面構造のフロントピラー(図示せず)を介してヒンジピラーに連結されている。また、該フロントピラーおよびヒンジピラーは何れも閉断面構造の車体剛性部材である。
一方、車室1の底面を構成するフロアパネル6Aを設け、このフロアパネル6Aの後部には、斜め後方かつ上方に立上がるキックアップ部6Bを介して、リヤフロア6C(フロアパネルの一部)をほぼ水平に連設している。
このリヤフロア6Cの後部における車幅方向中間部には下方に凹設されたスペアタイヤパン6Dを一体形成すると共に、該リヤフロア6Cの後端部には、上下方向に延びるリヤエンドパネル7を一体的に取付け、このリヤエンドパネル7の上部車外側には車幅方向に延びるリヤエンドメンバ8を接合し、該リヤエンドメンバ8とリヤエンドパネル7との間には、車幅方向に延びるリヤエンド閉断面s2を形成して、後部車体剛性の向上を図っている。
また、上述のリヤフロア6Cの前後方向中間部には、車室1の後端を仕切るリヤバルクヘッド9を取付けている。このリヤバルクヘッド9は上下方向に延びるように設けられており、該リヤバルクヘッド9の前側をルーフ格納空間10に設定している。詳しくは、次に述べる乗員用シート14とリヤバルクヘッド9との間に、ルーフ部材ROが開放した時、該ルーフ部材ROを格納するルーフ格納空間10が設けられたものであり、さらに、リヤバルクヘッド9の後側を荷室つまりトランクルーム11に設定している。
このトランクルーム11の上部は、トランクリッド12により開閉可能に覆われている。
また、上述のルーフ格納空間10は、車室1の後方に設けられており、図1に仮想線で示すように、開放時の後部ルーフ5を収納する収納部である。
ここで、上述のリヤバルクヘッド9は、その下端に前方に折曲げ形成された接合片9aを一体形成すると共に、その上端にも前方に屈曲形成された屈曲部9bを形成し、リヤバルクヘッド9の上部は該屈曲部9bを含む、コ字状部9cに形成されており、リヤバルクヘッド9それ自体の剛性向上を図るように構成している。
ところで、上述のフロアパネル6Aには、前後方向に離間した複数のシートブラケット13,13(または、クロスメンバ)を介して、乗員が着座するシート14(乗員用シート)を設けている。このシート14はシートクッション14Cと、ヘッドレスト部14Hが一体に形成されたシートバック14Bとを備えている。なお、この車両はドライバーズシートとパッセンジャーズシートとを備えた2人乗り用に構成されている。
ここで、上述のフロントヘッダ3は、車室1内に配設された該シート14の前方にて車幅方向に延び、車室1前部のフロントウインドウ2の上辺を支持する強度部材である。
また、上述のキックアップ部6Bの背面と、リヤフロア6Cの前部下面との間には、車幅方向に延びるクロスメンバ15を取付け、これら各要素6B,6C,15間には、車幅方向に延びる閉断面s3を形成して、下部車体剛性の向上を図っている。
さらに、リヤフロア6Cの前後方向中間部の下面には、車幅方向に延びるリヤクロスメンバ16を取付け、リヤフロア6Cとリヤクロスメンバ16との間には、車幅方向に延びる閉断面s4を形成して、下部車体剛性の向上を図り、また、該リヤクロスメンバ16の下部に図示しないサブフレームを取付けるように構成している。
上述のリヤバルクヘッド9上部のコ字状部9cには、該コ字状部9cを後方から覆うようにリヤデッキメンバ17を接合固定して、リヤバルクヘッド9とリヤデッキメンバ17との間には、車幅方向に延びるリヤデッキ閉断面s5を形成して、車体リヤデッキ部18の剛性向上を図るように構成している。ここで、上述のリヤデッキメンバ17は前方が開放した横向きU字状またはV字状の断面を有するように形成されている。
つまり、車体のリヤデッキ部18には強度部材で車幅方向に延びるリヤデッキメンバ17が設けられたものである。
図2は図1の要部平面図であって、上述のリヤデッキメンバ17は図2に示すように、車幅方向に延びると共に、その車幅方向両端部は車両の前方側に回り込んで回込み部17R,17Rが一体形成されており、これら左右の各回込み部17R,17Rの上部には、ロール保護部材19,19(ロールバーに相当する部材)が取付けられている。該ロール保護部材19は、図6にも示すように、内部中空の剛性部材にて構成されており、前後両部のルーフ4,5をオープン状態に開放(図10参照)し、かつ車両が転倒した際には、該ロール保護部材19とフロントヘッダ3とで車両を支持して、乗員の安全性を確保するように構成している。
このため、ロール保護部材19の上端とフロントヘッダ3の上端とを結んだ線LINが、車室1内の乗員(仮想線参照)を保護可能になるよう該ロール保護部材19の高さが設定されている(図10参照)。
具体的には、図10に示すように、ロール保護部材19の上端とフロントヘッダ3の上端とを車両の前後方向に結んだ線LINが、車室1内のシート14におけるシートバック14Bの上端(ヘッドレスト部14Hの上端)よりも高くなるように該ロール保護部材19の高さが設定されている。
しかも、該ロール保護部材19は上述のルーフ格納空間10の後方において車幅方向に離間して複数(図2の実施例では2個)配設されると共に、これらの各ロール保護部材19,19はリヤデッキメンバ17に対応して、その回込み部17R,17Rに取付けられている。
図2において、フロアパネル6Aの車幅方向中央部には、車室1内に突出して、車両の前後方向に延びるトンネル部6Eが一体に形成されている。また、フロアパネル6Aの左右両サイドには閉断面構造のサイドシル20,20が一体的に接合固定されている。
このサイドシル20は、サイドシルインナとサイドシルアウタとを接合固定して、車両の前後方向に延びる車体剛性部材であって、サイドシルインナと、サイドシルアウタとの間には、車両の前後方向に延びるサイドシル閉断面が形成されている。
また、リヤフロア6Cの左右両サイド下部には、車両の前後方向に延びる強度部材としてのリヤサイドフレーム21,21が接合固定されており、リヤフロア6Cとリヤサイドフレーム21との間には、車両の前後方向に延びるリヤサイド閉断面s6(図3参照)が形成されており、該リヤサイドフレーム21により、下部車体剛性の向上を図っている。
図2に示すように、上述のリヤサイドフレーム21の車幅方向外側には、左右の後輪ホイールハウス22,22が設けられている。これら左右の各後輪ホイールハウス22,22は、ホイールハウスアウタ23とホイールハウスインナ24とを接合して構成されている。
図1、図2に示すように、上述のロール保護部材27は、車室1後方の後輪ホイールハウス22上方のリヤデッキ部18に配設されており、該ロール保護部材19は上述の後輪ホイールハウス22に対応した位置に配設されている。
また、上述の後輪ホイールハウス22には、該後輪ホイールハウス22を補強するホイールハウスレインフォースメント25が設けられており、このホイールハウスレインフォースメント25と対応した位置に上述のロール保護部材19が配設されているので、図3、図4を参照して、ホイールハウスレインフォースメント25およびその周辺の構造について詳述する。
図3に示すように、後輪26を囲む後輪ホイールハウス22は、ホイールハウスインナ24とホイールハウスアウタ23とを接合することにより形成され、後輪ホイールハウス22の外側部分は、リヤクオータパネルインナ27とホイールハウスアウタ23との間に延びるリヤフェンダレインフォースメント28と、その外側に位置するリヤフェンダ29とで構成されている。
また、図3に示すように、リヤサイドフレーム21の車両外方には、リヤサスペンション機構のダンパSDを支持するサスペンションハウジング30が形成されている。
このサスペンションハウジング30は、そのスカート部に、該スカート部の外周を取り囲むように平面視略円弧状のサスペンションハウジングガセット31が接合され、サスペンションハウジングガセット31は上方に延びており、ホイールハウスインナ24に接合されている。
また、サスペンションハウジングガセット31は、図4に示すように、前後に離間した一対のパッケージジャンクション32,33に接合され、さらに、これら前後のパッケージジャンクション32と33との間には、上下に延びるサスペンションハウジングレインフォースメント34が配置されて、このサスペンションハウジングレインフォースメント34は、前後のパッケージジャンクション32と33に接合されている。
これらの要素は、サスペンション支持構造体を構成するものであり、前後のパッケージジャンクション32,33は、その下端縁に沿って接合フランジ32aを有し、これら接合フランジ32aを介して、前後のパッケージジャンクション32,33は、ホイールハウスインナ24および車体側壁としてのリヤクオータパネルインナ27の車内側面に接合されている。また、前後のパッケージジャンクション32と33との間に配置された上記サスペンションハウジングレインフォースメント34は、前後のパッケージジャンクション32,33に接合されている。
また、図4に示すように、前後のパッケージジャンクション32と33との間には、その上下方向中間部に、ジャンクションロアメンバ35が配置され、このジャンクションロアメンバ35はリヤバルクヘッド9に接合されている。
図3に示すように、サスペンションハウジングレインフォースメント34の上端縁には、前後のパッケージジャンクション32と33との間に位置するジャンクションアッパメンバ36が配置され、このジャンクションアッパメンバ36は、サスペンションハウジングレインフォースメント34、パッケージジャンクション32,33、リヤクオータパネルインナ27に、それぞれ接合されている。ジャンクションアッパメンバ36は開口36aを有し、この開口36aを介して、ベルトリトラクタ(図示せず)からショルダベルト(図示せず)が車室内に引き出される。
さらに、車体側壁を構成するホイールハウスインナ24およびリヤクオータパネルインナ27の車体内方側に位置するサスペンションハウジングレインフォースメント34は、その下端がホイールハウスインナ24に接合されており、また、上端が、水平方向に延びるジャンクションアッパメンバ36の車体内方部に接合されており、そして、このジャンクションアッパメンバ36の車幅方向外側の端部は、リヤクオータパネルインナ27に接合されて、これらの各要素36,27,24,34間に閉断面s7が形成されている。
そして、上述のパッケージジャンクション32,33、サスペンションハウジングレインフォースメント34、ジャンクションロアメンバ35およびジャンクションアッパメンバ36の各要素により、後輪ホイールハウス22を補強する上述のホイールハウスレインフォースメント25を構成している。
図3に示すように、リヤバルクヘッド9の上部の屈曲部9bは、ホイールハウスレインフォースメント25を構成するジャンクションアッパメンバ36に接合固定されている。また、該リヤバルクヘッド9のコ字状部9cには、アンカレインフォースメント37が上下方向に向けて取付けられている。
一方、後輪26に連結されたダンパSDは、リヤサスペンション機構を構成するもので、このダンパSDを含むリヤサスペンション機構としては、図示しないアッパアーム、ロアアーム、ナックルなどを含む、マルチリンク式のサスペンション構造を採用してもよい。
上述のダンパSDは、図3に示すように、円筒状のダンパサポート38と、このダンパサポート38の下端に接合されたアッパスプリングシート39と、その下方に位置するロアスプリングシート40とを有し、上下のスプリングシート39と40との間にはコイルスプリングsp1が配設されている。
また、サスペンションハウジングレインフォースメント34には、サスペンションハウジング30から上方に突出するダンパサポート38を支持するガセット部材として、第1ガセット41、第2ガセット42、第3ガセット43を設けている。
図5を参照して、これらの各ガセット41,42,43の構成について説明する。
図5に示すように、上述の第1ガセット41は上下に水平板状部41a,41bを有する断面コ字状の部材であって、これら上下の水平板状部41a,41bの中間にはダンパサポート38の逃し部41c,41dが形成されると共に、各水平板状部41a,41bにはサスペンションハウジングレインフォースメント34に接合される複数のフランジ部41eが一体形成されている。
また、第1ガセット41のルーフ格納空間10と対向する部分には、その車体前後方向に取付け面41f,41fが一体的に形成され、これら前後の取付け面41f,41f間に凹部41gが形成されると共に、取付け面41f,41fの背面側にはナットn1,n1が予め溶接固定されている。この第1ガセット41は図3に示すようにサスペンションハウジングレインフォースメント34に取付けられている。
第2ガセット42は、図5、図3に示すように、第1ガセット41から上方に延びて、ジャンクションロアメンバ35を介して、リヤバルクヘッド9およびリヤデッキメンバ17に結合されるもので、この上下方向に延びる第2ガセット42は、図5に示すようにガセット主板42aと、このガセット主板42aのダンパサポート38と対応する部分に形成されてルーフ格納空間10側に膨出する膨出部42bと、この膨出部42bの下部に設けられた凹部42cと、上述のガセット主板42aの上部から上方に向けて一体的に折曲げ形成されたフランジ部42d…を備え、上述の凹部42cの車体前後方向に離間する取付け面42e,42eには、ボルト挿通孔44,44が形成されている。
上述の第3ガセット43は、第2ガセット42のルーフ格納空間10側に配設されるもので、この第3ガセット43は、図5に示すように、車体前後方向中間部43aに対して前部43bおよび後部43cが若干上方かつ車幅方向外方に位置する略V字状に形成されている。また、第3ガセット43の中間部43aには、2つのボルト挿通孔45,45が形成されると共に、前部43bおよび後部43cには、それぞれ1つのボルト挿通孔46,46が形成されている。
図3に示すように、上述の第1ガセット41および第2ガセット42は予め車体に溶接され、第3ガセット43はダンパSDを取り付けた後に、ボルトb1,b1をナットn1,n1に締結することで、各ガセット41,42に固定され、またボルトb2,b2を用いてダンパサポート38のブラケット47に固定される。
そして、図3に示すように、後輪ホイールハウス22の上部には、後輪26に連結されたダンパSDの上端が支持され、第1〜第3の各ガセット41,42,43およびサスペンションハウジングレインフォースメント34から成るダンパ支持部48に対応した位置に上述のロール保護部材19を配設したものである。
図6は、図3の部分拡大断面図であって、ロール保護部材19はフランジ部19aとテーパコーン部19bとを備え、その内部が中空状に形成されている。また、ジャンクションアッパメンバ36の下面およびリヤバルクヘッド9上部の屈曲部9b下面に予め複数のナットn2を溶接固定し、これら複数のナットn2に対して上方からボルトb3を締付けることで、ロール保護部材19をリヤデッキ部18に取付けたものである。
ここで、上述のボルトb3、ナットn2の上下の関係は、逆に成してもよい。すなわち、ジャンクションアッパメンバ36およびリヤバルクヘッド9から上方に向けてウエルドボルトを固定し、このウエルドボルトに対して上方から締付ける袋ナットにより、ロール保護部材19をリヤデッキ部18に取付けるように構成してもよい。
ところで、図1、図2、図4に示すように、左右のリヤクオータパネルインナ27,27間には、車幅方向に延びる閉断面構造のバー49を横架し、このバー49には格納状態の前部ルーフ4の前端下部をロックするラッチ50を取付けている。そして、フロアパネル6A上に設けたコンソールボックス51側のレバー52の操作により、ワイヤw1を介してラッチ50をアンロック操作するように構成している。
次に、図7〜図13を参照して、車両の可動ルーフ構造について詳述する。
図7はルーフ閉成(クローズ)時の側面図、図8はルーフ部材ROの一部を開放して保持する一部開放モードの状態を示す側面図、図9はルーフ開閉中途時の側面図、図10はルーフ開成(オープン)時の側面図、図11は図10のD−D線に沿う部分断面図、図12は可動ルーフ構造を示す概略斜視図、図13は図9のE−E線に沿って示すロック機構の断面図である。
上述のルーフ部材ROは2分割されたサブルーフ部材としての前部ルーフ4と後部ルーフ5とを連結して構成されている。この実施例1では、前部ルーフ4と後部ルーフ5との両方がボード状のハードルーフ部材により形成されると共に、ルーフ部材ROの図7から図10への開放方向の開放操作と、図10から図7への閉鎖方向の閉鎖操作との両方で、手動による手動操作を許容するオープンルーフ機構53を備えている。
このオープンルーフ機構53は、図8に示すように、上述のルーフ部材ROの一部を開放して保持する一部開放モードをもっている。
また、この実施例1では、図10に示すように、ルーフ部材ROの開放時に、上述の後部ルーフ5がルーフ格納空間10内に格納され、前部ルーフ4が後部ルーフ5の上方に位置して上述のルーフ格納空間10を略水平に覆うように構成されている。
このため、上述のオープンルーフ機構53は、一方のリンクL1と、他方のリンクL2と、サブリンクL3とを備えており、図12に示すように、一方のリンクL1の基部は支軸54およびブラケット55を介して車体側のリヤクオータパネルインナ27(図4参照)に回動可能に支持されており、このリンクL1の遊端部は、後部ルーフ5下面のブラケット56に対してピン57連結されている。
また、他方のリンクL2は、後部ルーフ5の前側下面に固定されており、図7に示すように、該リンクL2は後部ルーフ5から前部ルーフ4側に延びる延長部L2aを備え、この延長部L2aには車両の略前後方向に延びる長孔58が形成されている。
さらに、前部ルーフ4の後側下面には、ブラケット59を介して上述のサブリンクL3をピン60連結すると共に、該サブリンクL3の後部には上述の長孔58内に挿通されるピン61を設けている。
加えて、該ピン61の近傍下部においてサブリンクL3には突片L3aを一体形成すると共に、前部ルーフ4の中間部下面にブラケット62を介して設けたロッド63の後端と上述の突片L3aとをワイヤw2で連結して、開放機構としてのチルトアップ機構64を構成している。
ここで、上述のロッド63は、側面視門形状のブラケット62内において該ロッド63にスプリングリテーナ63aを一体的に設けており、ブラケット62の前片とスプリングリテーナ63aとの間にはスプリングsp2を張架している。
また、上述のロッド63の前部は図8に示すようにループ状の把持部63bに形成される一方、ルーフアフタパネルとルーフインナパネルとから成る前部ルーフ4において、ルーフインナパネルの所定部には上記把持部63bを係止する凹状の係止部65が形成されている。
そして、図7に示すルーフ部材ROの全閉状態から、スプリングsp2の付勢力に抗してロッド63を、車両前方側へ引っ張った後に、該ロッド63を90度回転させて、その把持部63bを係止部65に係止させると、図8に示すようにサブリンクL3のピン61がリンクL2の長孔58に沿って前方へ移動し、サブリンクL3が起立状態となるので、前部ルーフ4の後部が上方向に可動して開放される。
つまり、上述のチルトアップ機構64は、ルーフ部材ROの少なくとも一部としての前部ルーフ4を、上下方向に可動させて開放可能と成した機構(開放機構)である。
なお、上述のブラケット59とサブリンクL3との間には、該サブリンクL3を常時図7の状態に復帰させるリターンスプリング(図示せず)が設けられている。
図12に示すように、上述のチルトアップ機構64を含むと共に、各リンクL1,L2,L3から成るオープンルーフ機構53は、ルーフ部材ROの車室側両サイド部に左右一対設けられるが、図面では車両右側のオープンルーフ機構53のみを図示している。
図10のD−D線に沿う部分断面図を図11に示すように、一方のリンクL1の基部における支軸54には、スプリングsp3を巻回し、このスプリングsp3の一端をブラケット55の係止孔55aに係入する一方、スプリングsp3の他端を該リンクL1に当接して、図10に示す格納状態の後部ルーフ5に対し、該後部ルーフ5をルーフクローズ方向にバネ付勢している。つまり、上述のスプリングsp3はルーフ部材ROの閉鎖方向への手動操作の操作力をアシストするアシスト機構である。
このように、格納状態のルーフ部材ROに対して、閉鎖方向への付勢力が作用しているので、アウタパネルとインナパネルとから成る前部ルーフ4において、そのインナパネルの前側下部には、ルーフ部材ROの格納時において、前述のラッチ50に係合するストライカ66が設けられている。
そして、図10に示すルーフ部材ROの格納時において、該ストライカ66をバー49側に設けたラッチ50に係合させることで、前部ルーフ4と後部ルーフ5との格納状態を保持すべく構成している。
図10に示すルーフ部材ROにおいて、コンソールボックス51(図1参照)側のレバー52をアンロック操作し、ワイヤw1を介してラッチ50によるストライカ66の係合を解徐すると、図10の格納位置のルーフ部材ROはスプリングsp3の付勢力により図9に示す位置まで上昇(ポップアップ)し、同図に示すように前部ルーフ4は乗員による手動閉操作が実行しやすくなる所定高さ位置まで上昇する。
図13は図9のE−E線に沿う部分断面図であって、サブリンクL3と、前部ルーフ4の後側下部における門形状のブラケット59との間のロック機構67を示し、サブリンクL3には、図9のサブリンク位置に対応して凹部68が形成され、ブラケット59側には、図13に示すように、筒状のハウジング69のネジ孔に対して締結されるボルトb4により、スプリングsp4で付勢されて上記凹部68に圧入される球状のロック部材70が設けられている。
このため、図9に示すルーフ部材ROのポップアップ位置においては、凹部68にロック部材70が圧入して、その位置を保持するものである。
このような、ロック機構67は、前部ルーフ4のポップアップ位置としての図9のE−E線に沿う各要素L3,59間のみならず、図8にポイントp1で示すルーフROの閉鎖位置状態下における各要素L1,56間、その他の位置保持が必要な箇所に設けられている。
なお、図12において、71はルーフ部材ROをフロントヘッダ3に着脱可能に取付けるためのトップロック、72はバックウインドである。さらに、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印INは車両内方を示し、矢印OUTは車両外方を示し、矢印UPは車両上方を示す。
図示実施例は上記の如く構成するものにして、以下作用を説明する。
図7に示すクローズ状態のルーフ部材ROを図10に示すように開放(オープン)する場合、まず、トップロック71(図12参照)によるルーフ部材ROのロックを解除した後に、乗員が手動にて前部ルーフ4を後方に移動させると、この後方移動力がリンクL3,L2、後部ルーフ5を介してリンクL1に伝達されるので、このリンクL1は支軸54を支点として、図示の時計方向に回動し、後部ルーフ5は図7の状態から図9に示すように、後方へ移動する。
図9に示す開閉中途状態から前部ルーフ4をさらに後方へ移動させると、この後方移動力がリンクL3,L2、後部ルーフ5を介してリンクL1に伝達されるので、このリンクL1は支軸54を支点として、図示の時計方向にさらに回動し、後部ルーフ5は図9の略起立状態から図10に示すように反転状態となり、前部ルーフ4は反転した後部ルーフ5の上方に後方移動して、該前部ルーフ4でルーフ格納空間10を略水平に覆い、この場合、前部ルーフ4のストライカ66が車体側のラッチ50で係合される。
逆に、図10に示す格納状態のルーフ部材ROを、図7に示すように閉鎖(クローズ)する場合、コンソールボックス51側のレバー52(図1参照)をアンロック操作すると、ワイヤw1を介してラッチ50によるストライカ66の係合が解徐され、ルーフ部材ROはスプリングsp3(図11参照)の付勢力を受けて図9に示すポップアップ位置まで上昇し、この位置がロック機構67(図13参照)で保持される。
図10で示した前部ルーフ4の位置に対して、図9のポップアップ位置は乗員が操作しやすい高さ位置となるので、図9に示す前部ルーフ4を閉鎖方向へ手動操作すると、ルーフ部材ROは図7に示す閉鎖状態となる。
一方、図7に示すルーフ部材ROの全閉状態から、スプリングsp2の付勢力に抗してロッド63を、車両前方側へ引っ張った後に、該ロッド63を90度回動させて、その把持部63bを係止部65に係止させると、図8に示すように、サブリンクL3のピン61がリンクL2の長孔58に沿って前方へ移動し、サブリンクL3が起立状態となるので、前部ルーフ4は、トップロック71(図12参照)で係止されたその前部を支点として該前部ルーフ4の後部が上方向にチルトアップして開放される。要するに、チルトアップ機構64を含むオープンルーフ機構53は、ルーフ部材ROの開閉操作の途中で該ルーフ部材ROの移動を停止可能とするように構成されており、この実施例1では前部ルーフ4の後部が上方に半開状態となった一部開放モード(図8参照)で停止可能になるように構成されたものである。
このように、図1〜図13で示した実施例1の車両の可動ルーフ構造は、車室1上方のルーフ部材ROを開閉可能とした車両の可動ルーフ構造であって、上記ルーフ部材ROを、少なくとも1つがボード状のハードルーフ部材で形成され複数に分割されたサブルーフ部材(前部ルーフ4、後部ルーフ5参照)を連結して形成し、上記ルーフ部材ROの一部(この実施例では、前部ルーフ4)を開放して保持する一部開放モード(図8参照)をもつオープンルーフ機構53を備えたものである(図7、図8参照)。
この構成によれば、ルーフ部材ROを少なくとも1つがボード状のハードルーフ部材で形成され複数に分割されたサブルーフ部材(前部ルーフ4、後部ルーフ5参照)を連結して形成したので、シンプルな構造でありながら操作性の向上と、使い勝手の向上と、を両立することができる。
しかも、ルーフ部材ROの一部を開放して保持する一部開放モード(図8参照)をもったオープンルーフ機構53を備えたので、ルーフ部材ROの開放位置を選択可能とすることができ、乗員の快適性向上を図ることができる。
因に、上記ルーフ部材ROは、全閉位置(図7参照)と、一部開放位置(図8参照)と、全開位置(図10参照)とを得ることができる。
また、上記ルーフ部材ROの開放方向への開放操作と、閉鎖方向への閉鎖操作との少なくとも一方または両方(この実施例では両方)で手動による手動操作を許容するオープンルーフ機構53を備えたものである(図7、図10参照)。
この構成によれば、ルーフ部材ROの開放操作と閉鎖操作との一方または両方を手動操作にて行なうことができるので、電動構造のものと比較して、構造がシンプルかつ軽量なオープンルーフ機構53となり、操作性の向上、使い勝手の向上、操作力の低減を達成することができる。
さらに、上記オープンルーフ機構53は、上記ルーフ部材ROの開閉操作の途中で該ルーフ部材ROの移動を図8の状態で停止可能とするように構成されたものである(図8参照)。
この構成によれば、ルーフ部材ROの開閉操作の途中で、該ルーフ部材ROの移動を停止可能と成したので、乗員の快適性がさらに向上する。
しかも、上記ルーフ部材ROの少なくとも一部(この実施例では、前部ルーフ4)を上下方向に可動させて開放可能な開放機構(チルトアップ機構64参照)を備えたものである(図8参照)。
この構成によれば、上記開放機構(チルトアップ機構64)により、ルーフ部材ROの少なくとも一部(前部ルーフ4参照)を上下方向に可動させて開放することができるので、車室1の換気性能の向上を図ることができる。
また、上記ルーフ部材ROが、2つのサブルーフ部材(前部ルーフ4、後部ルーフ5参照)を連結して形成されたものである(図7参照)。
この構成によれば、ルーフ部材ROを2分割構造と成したので、一部開放モード(図8参照)の確保を図りつつ、ルーフ部材ROの構造およびオープンルーフ機構53の構造を共に、より一層シンプルかつ軽量に構成することができ、併せて、収納スペース(ルーフ格納空間10のスペース参照)のシンプル化をも達成することができる。
図14〜図18は車両の可動ルーフ構造の他の実施例を示し、図14はルーフ閉成(クローズ)時の側面図、図15は図14の要部拡大側面図、図16はルーフ部材ROの一部を開放して保持する一部開放モードの状態を示す側面図、図17はルーフ開閉中途時(ポップアップ時)の側面図、図18はルーフ開成8(オープン)時の側面図である。なお、図14〜図18において前図と同一の部分には同一符号を付している。
この実施例2においても、ルーフ部材ROをボード状のハードルーフ部材で形成された前部ルーフ4と後部ルーフ5とに2分割し、これら両ルーフ4,5を連結してルーフ部材ROを構成すると共に、ルーフ部材ROの一部としての前部ルーフ4を開放して保持する一部開放モード(図16参照)をもつオープンルーフ機構53を備えている。
先の実施例1においては、前部ルーフ4を上下方向に可動させて開放可能なチルトアップ機構64(開放機構)を備えたが、この実施例2においては、サブルーフ部材の1つとしての前部ルーフ4が車両の前後方向に移動可能に支持されており、この前部ルーフ4を全閉状態から車両後方に移動させた時、図16に示すように、該前部ルーフ4の後側が後部ルーフ5の前側下部に位置して、一部開放モード(いわゆる半開モード)を得るように構成している。
このため、実施例2においては、図14、図15に示すように、後部ルーフ5側のリンクL2における延長部L2aには、前部ルーフ4の前後方向への移動を許容する鉤状の長孔73を設ける一方、前部ルーフ4の後側下面に設けられたブラケット59を正面視逆L字状に形成し、このブラケット59をリンクL2の車幅方向内側に対応するように配置し、かつ該ブラケット59に設けたピン60を上述の鉤状の長孔73に貫通させている。
また、上述のリンクL2の延長部L2aにおける車幅方向外側には、ピン60を位置X,Yを介してストロークエンドの位置Zまで移動させた後に、前部ルーフ4を元の全閉位置に戻す時、ストロークエンドの位置Zから位置Yを介して元位置Xにピン60を、復帰させる目的で、板バネ74(付勢手段)を設けている。
この板バネ74は、鉤状の長孔73から車幅方向外側へ突出したピン60を、常時、図15の実線位置Xに付勢する付勢手段である。
さらに、前部ルーフ4の下側中間部には、図14に示すように、ブラケット75を介して正面視凹形状のグリップ76を取付けている。このグリップ76は常時前部ルーフ4の下面に沿設する方向へバネ付勢されており、グリップ76の使用時には、付勢力に抗して図14の仮想線位置αに回動させるものである。
図14はルーフ部材ROの全閉状態を示し、この状態から図16に示す一部開放モード(いわゆる半開モード)を得るには、まず、トップロック71(図12参照)を外し、次にグリップ76を図14の実線位置から同図の仮想線位置αへ回動させる。
次に、上記グリップ76を把持して前部ルーフ4およびピン60を、図15の矢印a方向に下動させた後に、矢印b方向へ後方移動させると、ピン60が鉤状の長孔73に沿って元位置Xから中間位置Yを経てストロークエンドの位置Zまで移動するので、前部ルーフ4の後部が後部ルーフ5の前側下方に潜り込むように移動して、図16に示す一部開放モード、いわゆる半開モードを確保することができる。
一方、図16に示す一部開放モードの前部ルーフ4を図14の全閉状態に戻す時、ピン60は上述と逆の方向に移動し、ストロークエンドの位置Zからピン60が中間位置Yに移動した時、板バネ74は仮想線位置βに変位し、ピン60の前方への移動に伴って板バネ74の付勢力にてピン60を元位置Xへ復帰させることができる。
このため、ルーフ部材ROの全閉時において図14、図15に示すように、前部ルーフ4の後端と、後部ルーフ5の前端との間に段差が生ずることがなく、デザイン性、シール性の確保および向上を図ることができる。
なお、この実施例2においても、図11で示したアシスト機構としてのスプリングsp3を用いると共に、図13で示したロック機構67と同様のロック機構を適所に用いている。
このように、図14〜図18で示した実施例2においては、上記サブルーフ部材の1つ(前部ルーフ4参照)が前後方向に移動可能に支持されたものである(図14〜図16参照)。
この構成によれば、サブルーフ部材の1つ(前部ルーフ4参照)が前後方向に移動可能に支持されたので、このサブルーフ(前部ルーフ4)の移動時に一部開放モード(図16参照)を確保することができ、外気導入または車室1の換気と、明るさ調整との両立を図ることができる。
図14〜図18で示した実施例2においても、その他の構成、作用、効果については、先の実施例1とほぼ同様であるから、図14〜図18において、前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
図19〜図25は車両の可動ルーフ構造のさらに他の実施例を示すものである。
図19はルーフ部材閉鎖時の側面図、図20はルーフ部材のポップアップ時の側面図、図21はルーフ部材開放時の側面図、図22は図19の要部拡大側面図、図23は図22のG−G線に沿う部分矢視図、図24は前部ルーフの一部開放モード状態を示す側面図、図25は前部ルーフの開度をさらに大きくした一部開放モード状態の側面図であって、前図と同一の部分には同一符号を付している。
先の実施例1および実施例2においては、前部ルーフ4と後部ルーフ5との両方をボード状のハードルーフ部材(硬質部材)で形成したが、図19〜図25で示すこの実施例3においては、後部ルーフ5を硬質のハードルーフ部材で形成する一方、前部ルーフ4は可撓性のあるフレキシブルルーフ部材で形成し、所謂ソフトルーフと成したものであり、ルーフ部材ROはこれら前後のルーフ4,5を、リンクL2およびピン60を用いて連結して形成している。
前部ルーフ4を可撓性と成すために、図22に拡大図で示すように、該前部ルーフ4は、板部材をアーチ状に湾曲形成して構成したフロントフォーミング部材77と、パイプ部材をアーチ状に湾曲形成して構成したミドルフォーミング部材78と、板部材をアーチ状に湾曲形成して構成したリヤフォーミング部材79と、これらの各フォーミング部材77,78,79間に張架された布製の幌部材80とを備えている。
この幌部材80の開閉を可能とする目的で、前部ルーフ4の下部において左右両サイド(但し、図面では右サイドのみ図示)には、車両の前後方向に伸縮可能なレール機構81を設けている。
このレール機構81は、図22、図23に示すように、フロントレールR1と、ミドルレールR2と、リヤレールR3とを有し、リヤレールR3がミドルレールR2を前後スライド可能に保持し、ミドルレールR2がフロントレールR1を前後スライド可能に保持している。
フロントレールR1の前部には取付け片R1aが一体形成されており、この取付け片R1aがフロントフォーミング部材77の湾曲下部に固定されている。
ミドルレールR2の前後方向中間部には取付け片R2aが一体形成されており、この取付け片R2aがミドルフォーミング部材78の湾曲下部に固定されている。
リヤレールR3の後部には取付け片R3aが一体形成されており、この取付け片R3aがリヤフォーミング部材79の湾曲下部に固定されている。
上述のレール機構81は、前部ルーフ4の下部において左右一対設けられるが、図面では右側のレール機構81のみを図示している。
ここで、上述のリヤレールR3は固定レールであり、他の2つのレールR2,R1は可動レールである。このため、可撓性のあるフレキシブル部材で構成された前部ルーフ4は、乗員の手動操作により図24に示す一部開放モード状態、または、図24の状態よりも開度が大きい図25に示す一部開放モード状態などの任意の位置に部分開放することができる。
すなわち、上述のルーフ部材ROの開閉操作の途中で該ルーフ部材RO、なかんずくフレキシブル部材により構成された前部ルーフ4を、任意の位置で停止可能に構成したものである。
一方、前述のストライカ66は、図22、図24、図25に示すように、フロントフォーミング部材77の下部にブラケット82を介して取付けられている。
なお、この実施例3においても、実施例1、2と同様に図11で示したスプリングsp3(アシスト機構)を用いると共に、図13で示したロック機構67と同様のロック機構を適所に用いている。
このように、図19〜図25で示した実施例3においては、上記ルーフ部材ROの開閉操作の途中で該ルーフ部材ROを任意の位置で停止可能に構成されたものである(図24、図25参照)。
この構成によれば、ルーフ部材ROの開閉操作の途中で、該ルーフ部材ROを任意の位置で停止するように構成したので、乗員の好みに応じて外気導入量の調整および明るさの調整が可能となる。
しかも、上記ルーフ部材ROは、硬質のハードルーフ部材(後部ルーフ5参照)と、可撓性のあるフレキシブル部材(前部ルーフ4参照)と、を連結して形成されたものである(図19参照)。
この構成によれば、ルーフ部材ROをハードルーフ部材(後部ルーフ5)とフレキシブル部材(幌部材80を備えた前部ルーフ4参照)とで構成したので、一部開放モード(図24、図25参照)の確保を図りつつ、全体をハードルーフ部材で構成するものと比較して、ルーフ部材ROの軽量化を図ることができる。
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明のサブルーフ部材は、実施例の前部ルーフ4、後部ルーフ5に対応し、
以下同様に、
開放機構は、チルトアップ機構64に対応し、
硬質のハードルーフ部材は、後部ルーフ5に対応し、
可撓性のあるフレキシブル部材は、幌部材80を備えた前部ルーフ4に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
例えば、実施例1、実施例2の前部ルーフ4を、外光の導入が可能な半透明の合成樹脂で構成して、該前部ルーフ4を採用手段に設定し、車室1内の乗員の快適性向上を図ってもよく、実施例3の幌部材80をホワイトキャンバスで構成して、該前部ルーフ4を外光の導入が可能な採用手段に設定して、車室1内の乗員の快適性向上を図るように成してもよい。
RO…ルーフ部材
1…車室
4…前部ルーフ(サブルーフ部材)
5…後部ルーフ(サブルーフ部材)
53…オープンルーフ機構
64…チルトアップ機構(開放機構)

Claims (8)

  1. 車室上方のルーフ部材を開閉可能とした車両の可動ルーフ構造であって、
    上記ルーフ部材を、少なくとも1つがボード状のハードルーフ部材で形成され複数に分割されたサブルーフ部材を連結して形成し、
    上記ルーフ部材の一部を開放して保持する一部開放モードをもつオープンルーフ機構を備えた車両の可動ルーフ構造。
  2. 上記ルーフ部材の開放方向への開放操作と、閉鎖方向への閉鎖操作との少なくとも一方または両方で手動による手動操作を許容するオープンルーフ機構を備えた
    請求項1記載の車両の可動ルーフ構造。
  3. 上記オープンルーフ機構は、上記ルーフ部材の開閉操作の途中で該ルーフ部材の移動を停止可能とするように構成された
    請求項1または2記載の車両の可動ルーフ構造。
  4. 上記ルーフ部材の開閉操作の途中で該ルーフ部材を任意の位置で停止可能に構成された
    請求項3記載の車両の可動ルーフ構造。
  5. 上記ルーフ部材の少なくとも一部を上下方向に可動させて開放可能な開放機構を備えた
    請求項1記載の車両の可動ルーフ構造。
  6. 上記サブルーフ部材の1つが前後方向に移動可能に支持された
    請求項1記載の車両の可動ルーフ構造。
  7. 上記ルーフ部材は、硬質のハードルーフ部材と、可撓性のあるフレキシブル部材と、を連結して形成された
    請求項1〜6の何れか1に記載の車両の可動ルーフ構造。
  8. 上記ルーフ部材が、2つのサブルーフ部材を連結して形成された
    請求項1〜7の何れか1に記載の車両の可動ルーフ構造。
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