JP2011088264A - ダイヤモンド切削工具及びその製造方法 - Google Patents
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- Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
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Abstract
【解決手段】ダイヤモンド単相の多結晶ダイヤモンドを切れ刃とする切削工具を製造する方法であって、ダイヤモンド単相の多結晶ダイヤモンドの切れ刃の外形をレーザ加工により形状作製した後、前記切れ刃を形成するすくい面及び逃げ面の仕上げ加工を金属バインダを含むダイヤモンド焼結体を研削盤として用いる研削加工により行なう工程を含み、前記ダイヤモンド焼結体からなる研削盤は、工具を作成する加工機上で回転軸との垂直度と平坦度を出す成形加工をダイヤモンド電鋳工具を電極として用いる放電加工により行った後、更に当該ダイヤモンド電鋳工具を用いて、ダイヤモンドスラリを研削液として用いる湿式研削と乾式研削とを併せて行い面粗さを調節した研削盤であることを特徴とする多結晶ダイヤモンド切削工具の加工方法。
【選択図】図5
Description
これを解決する為に近年バインダや焼結助剤を含まないバインダレス多結晶ダイヤモンドが開発され、本用途への適用が検討されている(特許文献1)。
特許文献1では、従来の多結晶ダイヤでは得られない高い刃先精度を持つ工具を作成し、アルミ合金やカーボンの切削に於いて精密切削に適用することができ、単結晶ダイヤバイトよりも高い耐摩耗性が確認された。
しかしながら、耐欠損性については当初期待された十分な効果が得られず、超硬合金やセラミックスなどの硬質脆性材料の加工は困難であった(非特許文献1)。
すなわち、本発明は以下に記載する通りのダイヤモンド切削工具及びその製造方法に係るものである。
(2)前記のダイヤモンド焼結体からなる研削盤の回転軸に対する垂直度が1/1000°以下かつ平坦度が20nm/mm以下であることを特徴とする(1)に記載の多結晶ダイヤモンド切削工具の製造方法。
(3)前記研削盤として使用するダイヤモンド燒結体の面粗さ(Rz:最大高さ粗さ)が30nm以下であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の多結晶ダイヤモンド切削工具の製造方法。
(4)前記ダイヤモンド単相の多結晶ダイヤモンドは、グラファイトを超高圧高温下で焼結助剤や触媒の添加無しに直接的にダイヤモンドに変換された多結晶ダイヤモンド焼結体であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の多結晶ダイヤモンド切削工具の製造方法。
(5)(1)〜(3)のいずれかに記載の方法によって製造したことを特徴とする多結晶ダイヤモンド切削工具。
(6)刃先のチッピングが50nm以下であることを特徴とする(5)に記載の多結晶ダイヤモンド切削工具。
(7)前記切れ刃を形成する逃げ面及びすくい面の被削材及び切り子が接触する領域の面粗さ(Rz:最大高さ粗さ)が10nm未満であることを特徴とする(5)又は(6)に記載の多結晶ダイヤモンド切削工具。
また、本発明の多結晶ダイヤモンド切削工具は刃先稜線のチッピング及び面粗さ(Rz:最大高さ粗さ)が非常に小さいため切削抵抗が低く、耐欠損性が高いため、従来の切削工具では加工できなかった硬質材料の切削が可能となる。
ダイヤモンドは硬質脆性材料であるため、工具とした場合に刃先稜線にチッピングが存在すると、微小チッピングであっても切削時にチッピング部に応力が集中して微小欠損が生じ、欠損や巨視的な摩耗の進行起点となってしまう。ダイヤモンド単相の多結晶体ではチッピングを起点とした欠損が伝播してしまい、従来の研磨技術では材質本来の高い耐欠損性を生かすことができなかった。
硬質材料を切削する際には工具逃げ面及びすくい面の面粗さは切削抵抗に緊密に関係する。面粗さが10nmよりも大きいと切削抵抗が増し、硬質材料の切削面の性状が劣り、精密仕上げとならない。
予め、台金及びシャンクに接合した状態とした多結晶ダイヤモンドを作製する工具の粗形状にレーザ加工により形状を整え、超精密立型マシニングセンタの主軸にセットし、φ20mm程度に切断して金属シャンクに接合した研削盤として使用する金属バインダで焼結させたダイヤモンド多結晶体を超精密立型マシニングセンタ内に旋回軸、X軸、Y軸、θ軸を組み合わせた4軸ステージを設けてセットし、2000〜3000rpmで高速回転させて工具逃げ面及びすくい面に押し当てて研磨する。
<工具形状>
マイクロボールエンドミルの形状とした。
<工具材質>
高純度グラファイトを15GPa−2300℃にて直接変換焼結させた多結晶ダイヤモンドを用いた。この多結晶ダイヤモンドはCu−Kα線による粉末X線回折法によりダイヤモンド単相であることを確認した。
<工具の刃先形状>
図1に示す通りの形状とした。
(粗形状加工−レーザ粗形状加工)
粗形状加工をレーザ加工によって行った。
レーザとしては、波長が1061nm、周波数が80KHz、出力が6Wのパルスファイバーレーザを使用した。
図2に示した装置を用いて、Y軸と工具軸とを一致させた後、自転運動している工具に対してレーザ光をX−Y平面内で円弧と直線の軌跡に沿って走査させ、多結晶ダイヤモンドに対する刃先の輪郭加工を行った。Y軸方向に切り込みを与えた後、レーザ光を同じ軌跡に沿って往復運動させるといった方式で輪郭加工を繰り返して行い、工具の先端を半径が40μmの半球状に成形した。
輪郭加工時にはファイバーレーザを10倍の対物レンズで集光させて2〜5mm/minの速度で走査させ、ミリング加工時には×20倍の対物レンズを集光させて20mm/minの速度で走査させた。
工具刃先を研削加工するための研削盤には、直径が15mmで焼結前のダイヤンモンドの一次粒子径が1μmの焼結ダイヤモンドを使用した。
焼結ダイヤモンド製研削盤を成形する方法を図6に示す。
ツルーアの面ぶれを除去するため、メッシュサイズが#600のダイヤモンド電鋳工具を陰極に、ツルーアを陽極にそれぞれ接続して、放電エネルギー5μJ、1000pF、100Vとして機上放電を行った。
そこで、ツルーアの砥石作用面を平坦化するため、陰極に使用したメッシュサイズが#600のダイヤモンド電着工具を用いてツルーアに対する湿式研削及び、乾式研削を行なった。湿式研削時には、サイズが0−1/2μmと0−1/5μmのダイヤモンドスラリを研削液として使用する。湿式研削を行った後、乾式研削を行った。
このようにして成形した研削盤のマシニングセンタ主軸に対する平坦度、垂直度、及び面粗さ(Rz)を測定した結果を以下に示す。
平坦度 : 20nm/mm
垂直度 : 1/1000°
面粗さ : 20nm
工具は真鍮製の芯ぶれ防止治具を介してブラシレスモータ、ブラシレスモータはくさび角が5度のスペーサとX−Yテーブルを介して回転テーブルに取付けた。
Y−Z平面内で5度傾斜したツルーアをY軸の回りに公転運動させることにより、円弧状の切れ刃に対する刃直角逃げ角が5度の第1逃げ面を仕上げ成形した。すくい面や第2逃げ面の成形時には、図5に示した装置からくさび状のスペーサを取外し、工具を装着しているマシニングセンタ主軸の自転角と研削盤の公転角を制御することにより、これらの面を研削加工した。
すくい面や第2逃げ面の成形時には、図5に示した装置からくさび状のスペーサを除去し、工具を装着しているマシニングセンタ主軸の自転角θzと研削盤の公転角θxを制御することにより、これらの面を研削加工した。
(工具精度評価)
このようにして得られた多結晶ダイヤモンド製の工具(マイクロボールエンドミル)の形状精度を高倍率のSEM観察し、エッジの欠損サイズを確認した。また、すくい面の面粗さをSPM(走査型プローブ顕微鏡)にて測定した。
(切削性能評価)
作製した工具の性能を硬さが13.5GPaHvの超硬合金に対する断続切削により評価した。被削材の超硬合金は立て型マシニングセンタのテーブルに対して45度傾斜させて保持し、半径方向切込み量切を0.5μm、送り速度を0.5μm/rev、ならびに横送り量を1μm、実切削距離を1mに設定した。
切削後の工具刃先を高倍率SEM観察し、刃先欠損状況を確認、加工後の被削材表面状態は、SPMにより評価した。
評価結果を表1に示す。
Claims (7)
- ダイヤモンド単相の多結晶ダイヤモンドを切れ刃とする切削工具を製造する方法であって、
ダイヤモンド単相の多結晶ダイヤモンドの切れ刃の外形をレーザ加工により形状作製した後、前記切れ刃を形成するすくい面及び逃げ面の仕上げ加工を金属バインダを含むダイヤモンド焼結体を研削盤として用いる研削加工により行なう工程を含み、
前記ダイヤモンド焼結体からなる研削盤は、前記仕上加工を行う加工機上で回転軸との垂直度と平坦度を出す成形加工をダイヤモンド電鋳工具を電極として用いる放電加工により行った後、更に当該ダイヤモンド電鋳工具を用いて、ダイヤモンドスラリを研削液として用いる湿式研削と乾式研削とを併せて行い面粗さを調節した研削盤である
ことを特徴とする多結晶ダイヤモンド切削工具の加工方法。 - 前記のダイヤモンド焼結体からなる研削盤の回転軸に対する垂直度が1/1000°以下かつ平坦度が20nm/mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の多結晶ダイヤモンド切削工具の製造方法。
- 前記研削盤として使用するダイヤモンド燒結体の面粗さ(Rz:最大高さ粗さ)が30nm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の多結晶ダイヤモンド切削工具の製造方法。
- 前記ダイヤモンド単相の多結晶ダイヤモンドは、グラファイトを超高圧高温下で焼結助剤や触媒の添加無しに直接的にダイヤモンドに変換された多結晶ダイヤモンド焼結体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の多結晶ダイヤモンド切削工具の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の方法によって製造したことを特徴とする多結晶ダイヤモンド切削工具。
- 刃先のチッピングが50nm以下であることを特徴とする請求項5に記載の多結晶ダイヤモンド切削工具。
- 前記切れ刃を形成する逃げ面及びすくい面の被削材及び切り子が接触する領域の面粗さ(Rz:最大高さ粗さ)が10nm未満であることを特徴とする請求項5又は6に記載の多結晶ダイヤモンド切削工具。
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