JP2011087526A - 容器詰飲料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】次の成分(A)、(B)及び(C);
(A)非重合体カテキン類:0.05〜0.6質量%、
(B)でんぷん、及び
(C)甘草、桑の葉及びコンブから選択される少なくとも1種の植物の抽出物
を含み、当該容器詰飲料100g当たりの成分(B)の含有量が10mg以上である、容器詰飲料。
【選択図】なし
Description
したがって、本発明の課題は、でんぷんと高濃度の非重合体カテキン類を含有し、かつ苦味の抑制された容器詰飲料を提供することにある。
(A)非重合体カテキン類:0.05〜0.6質量%、
(B)でんぷん、及び
(C)甘草、桑の葉及びコンブから選択される少なくとも1種の植物の抽出物
を含み、
当該容器詰飲料100g当たりの成分(B)の含有量が10mg以上である、
容器詰飲料を提供することにある。
また、上記「茶抽出液の濃縮物」とは、不発酵茶、半発酵茶及び発酵茶から選択される茶樹から熱水又は水溶性有機溶媒により抽出された溶液の水分の一部を除去して非重合体カテキン類濃度を高めたものであり、例えば、特開昭59−219384号公報、特開平4−20589号公報、特開平5−260907号公報、特開平5−306279号公報等に記載の方法により調製することができる。その形態としては、固体、水溶液、スラリー状等の種々のものが挙げられる。緑茶抽出液の濃縮物として、三井農林(株)の「ポリフェノン」、伊藤園(株)の「テアフラン」、太陽化学(株)の「サンフェノン」などの市販品を使用してもよい。
(i)上記「茶抽出液又はその濃縮物」(以下、「茶抽出液等」という)を水、又は水と水溶性有機溶媒(例えば、エタノール)との混合物(以下、「有機溶媒水溶液」という)に懸濁して生じた沈殿を除去する方法。
(ii)茶抽出液等をタンナーゼ処理し、更に活性炭、酸性白土及び活性白土から選択される少なくとも1種の吸着剤と接触させる方法(例えば、特開2007−282568号公報)。
(iii)茶抽出液等を合成吸着剤に吸着させた後、該合成吸着剤に有機溶媒水溶液を接触させて非重合体カテキン類を脱離させる方法(例えば、特開2006−160656号公報)。
(iv)茶抽出液等を合成吸着剤に吸着させた後、該合成吸着剤に有機溶媒水溶液又は塩基性水溶液(例えば、水酸化ナトリウム水溶液)を接触させて非重合体カテキン類を脱離させ、次いで得られた脱離液を活性炭と接触させる方法(例えば、特開2008−079609号公報)。
穀物抽出物は、穀物を水又は熱水で抽出することにより得ることができる。抽出方法としては、上記茶抽出物と同様の方法を採用できる。
本発明で使用する穀物としては、でんぷん質を主体とし、かつ食用可能な植物の種子であれば特に限定されるものではないが、風味の観点から、イネ科植物、マメ科植物及びタデ科植物から選択される少なくとも1種の穀物が好ましい。イネ科植物としては、例えば、大麦、ハト麦等の麦類、玄米等の米類、キビ、アワ、ヒエ、トウモロコシ等の雑穀類が挙げられる。また、マメ科植物としては、例えば、大豆、黒大豆、インゲン、小豆等のインゲン連、ソラマメ、エンドウ等のソラマメ連などの豆類が挙げられる。更に、タデ科植物としては、例えば、ソバ、ダッタンソバ等のソバ類が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。なお、2種以上を併用する場合、その配合割合は目的に応じて適宜選択することができる。中でも、香味の観点から、麦類、米類、雑穀類及び豆類から選択される少なくとも1種が好ましく、特に大麦、ハト麦、玄米、トウモロコシ、大豆が好ましい。
焙煎条件は穀物の種類により適宜選択することができるが、例えば、焙煎温度が好ましくは180〜350℃、特に好ましくは200〜300℃であり、焙煎時間は好ましくは10〜120分、特に好ましくは10〜120分である。なお、焙煎には、回転式焙煎機等の公知の装置を使用することができる。
ここで、甘草は、マメ科カンゾウ属(Glycyrrihiza)の植物であり、古くから生薬として知られている。甘草としては、例えば、東北甘草、西北甘草、新疆甘草、モンゴル産甘草、ロシア産甘草、アフガニスタン産甘草が例示され、その種類は特に限定されない。本発明においては、甘草の根、根茎、葉、茎のいずれの部位も原料として使用することができるが、特に根、根茎が好ましい。
また、桑はクワ科クワ属の植物であり、甘草と同様に生薬として知られている。桑としては、ヤマクワ(Morus bombycis Koidz.)、カラクワ(Morus alba L.)、チョウセンクワ(Morus mongolika Schneid.)が例示され、特に限定されることなく使用できる。本発明においては、桑の葉を使用するが、葉身だけでなく葉柄を含んでもよい。
コンブは、コンブ科の海藻であり、コンブとしては、例えば、マコンブ(Laminaria japonica)、アラメ(Eisenia bicyclis)、サガラメ(Eisenia arborea)、ツルアラメ(Ecklonia stlonifera)、クロメ(Ecklonia kurome)、カジメ(Ecklonia cava)が例示され、その種類は特に限定されない。本発明においては、コンブの葉状体(葉コンブ)、葉柄(根コンブ)、仮根のいずれの部位も原料として使用することができるが、特に葉状体が好ましい。
これらの植物原料は、直火焙煎などの公知の装置を使用して焙煎しても、焙煎しなくてもよい。また、バッチ式、連続式、気流式などによる殺菌を行ったものを使用してもよい。
試料をフィルター(0.45μm)で濾過し、高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP、島津製作所製)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム(L−カラムTM ODS、4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法により分析した。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有する蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有するアセトニトリル溶液とし、試料注入量は20μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。
試料1mLを50%エタノール水溶液100mLに添加して、再沈殿させ、低分子糖を除去し、続けて、その沈殿物質を加熱して糊化させ、グルコアミラーゼ処理して、ブドウ糖量を測定した後、下記式よりでんぷん量を求めた。
でんぷん量(g/100g)=ブドウ糖量(g/100g)×0.9
苦味の評価
各容器詰飲料について、4名の専門パネラーが下記表1記載の苦味標準溶液濃度を指標とする苦味低減レベルを官能試験し、その後パネラー4名のスコアの平均値を求めた。なお、表1に示す苦味強度は数値が大きいほど、苦味が強くなることを意味する。
緑茶抽出液の精製物
緑茶抽出液にタンナーゼ処理(タンナーゼ濃度0.8%;反応温度20℃、反応液のBrix濃度20)を行い、スプレードライ法により噴霧乾燥させた。得られたパウダーをエタノールと水の混合溶媒(エタノール:水=60:40)で非重合体カテキン類を抽出した後、混合液に対して8質量部の活性炭を添加して処理し、水分量を調整して緑茶抽出液の精製物を得た。緑茶抽出液の精製物は、非重合体カテキン類濃度が15.5質量%、非重合体カテキン類中のガレート体率が52質量%であった。
穀物抽出物
はと麦(焙煎品)10g、大麦(焙煎品)50g、玄米(焙煎品)30g、トウモロコシ(焙煎品)5g及び大豆(焙煎品)5gをドリップ抽出機に投入して90℃、2.2kgのイオン交換水で抽出し、冷却後2号ろ紙にてろ過してBrix濃度0.94の穀物抽出物2kgを得た。
甘草抽出物
0.205gの甘草(殺菌品)を、90℃のイオン交換水4.1gにて10分連続攪拌して抽出し、冷却後2号ろ紙にてろ過してBrix濃度1.39の甘草抽出物3.46gを得た。
桑の葉抽出物
0.203gの桑の葉(焙煎品)を、90℃のイオン交換水4.06gにて10分連続攪拌して抽出し、冷却後2号ろ紙にてろ過してBrix濃度1.51の桑の葉抽出物3.31gを得た。
昆布抽出物
0.128gのコンブ(焙煎品)を、90℃のイオン交換水2.56gにて10分連続攪拌して抽出し、冷却後2号ろ紙にてろ過してBrix濃度2.5のコンブ抽出物2.0gを得た。
明日葉抽出物
0.145gの明日葉の葉(焙煎品)を、90℃のイオン交換水2.9gにて10分連続攪拌して抽出し、冷却後2号ろ紙にてろ過してBrix濃度2.05の明日葉抽出物2.45gを得た。
霊芝抽出物
0.729gの霊芝(焙煎品)を、14.6gの90℃イオン交換水にて10分連続攪拌して抽出し、冷却後2号ろ紙にてろ過してBrix濃度0.43の霊芝抽出物11.7gを得た。
熊笹抽出物
0.695gの熊笹(焙煎品)を、13.9gの90℃イオン交換水にて10分連続攪拌して抽出し、冷却後2号ろ紙にてろ過してBrix濃度0.43の熊笹抽出物11.6gを得た。
製造例1で得た緑茶抽出液の精製物8.6g、製造例2で得た穀物抽出物266g、製造例3と同様の方法で得た甘草抽出物34.6g、酸化防止剤0.5g、環状オリゴ糖5g、10質量%重曹水溶液(pH6となる量)をイオン交換水に添加し全量を1,000gとして茶飲料を得た。この茶飲料をUHT殺菌しPETボトルに充填して容器詰飲料を得た。得られた容器詰飲料について成分分析及び官能試験を行った。その結果を表1に示す。
甘草抽出物に換えて、製造例4と同様の方法で得た桑の葉抽出物15.1gを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により容器詰飲料を得た。得られた容器詰飲料について成分分析及び官能試験を行った。その結果を表1に示す。
甘草抽出物に換えて、製造例5と同様の方法で得たコンブ抽出物20gを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により容器詰飲料を得た。得られた容器詰飲料について成分分析及び官能試験を行った。その結果を表1に示す。
甘草抽出物を配合しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法により容器詰飲料を得た。得られた容器詰飲料について成分分析及び官能試験を行った。その結果を表1に示す。
甘草抽出物に換えて、製造例6と同様の方法で得た明日葉抽出物24.5gを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により容器詰飲料を得た。得られた容器詰飲料について成分分析及び官能試験を行った。その結果を表1に示す。
甘草抽出物に換えて、製造例7と同様の方法で得た霊芝抽出物117gを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により容器詰飲料を得た。得られた容器詰飲料について成分分析及び官能試験を行った。その結果を表1に示す。
甘草抽出物に換えて、製造例8と同様の方法で得た熊笹抽出物116gを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により容器詰飲料を得た。得られた容器詰飲料について成分分析及び官能試験を行った。その結果を表1に示す。
穀物抽出物の配合量を変更したこと以外は、比較例1と同様の方法により容器詰飲料を得た。得られた容器詰飲料について成分分析及び官能試験を行った。その結果を表1に示す。
Claims (5)
- 次の成分(A)、(B)及び(C);
(A)非重合体カテキン類:0.05〜0.6質量%、
(B)でんぷん、及び
(C)甘草、桑の葉及びコンブから選択される少なくとも1種の植物の抽出物
を含み、
当該容器詰飲料100g当たりの成分(B)の含有量が10mg以上である、
容器詰飲料。 - 成分(A)と、成分(B)との質量比[(A)/(B)]が1〜60である、請求項1記載の容器詰飲料。
- 成分(A)と、成分(C)の固形分との質量比[(A)/(C)]が0.1〜60である、請求項1又は2記載の容器詰飲料。
- 成分(B)がイネ科植物、マメ科植物及びタデ科植物から選択される少なくとも1種の穀物に由来する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の容器詰飲料。
- 非重合体カテキン類中のガレート体率が10〜60質量%である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の容器詰飲料。
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