JP2011004606A - 容器詰飲料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】長期間保存しても外観変化の少ない容器詰飲料の製造方法を提供すること。
【解決手段】非重合体カテキン類及びでんぷんを含有する容器詰飲料の製造方法であって、下記の工程(1)及び(2);
(1)非重合体カテキン類濃度が0.05〜0.6質量%、でんぷん濃度が0.008〜0.12質量%となるように、茶抽出物と穀物抽出物を混合する工程、
(2)ヒドロキシカルボン酸を、飲料総量に対して0.008〜0.09質量%の範囲になるように添加する工程
を含む、容器詰飲料の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、非重合体カテキン類及びでんぷんを含有する容器詰茶飲料の製造方法に関する。
消費者の嗜好の多様化や健康志向の高揚により容器詰飲料の需要が拡大し、多種多様の商品が上市されている。中でも、複数種の茶原料から得られた容器詰飲料は、単一の茶原料では得られない様々な香味を有しており、しかも非重合体カテキン類などの生体の生理学的機能等に影響を与える成分を容易に摂取することが可能であることから、注目されている。
このような容器詰飲料は、非重合体カテキン類及びでんぷんを含んでおり、例えば、麦類や玄米等の穀物と、緑茶葉を順次抽出用水に投入して抽出し容器に充填するか、あるいは個別に製造された、緑茶抽出物と穀物抽出物とを混合して容器に充填するなどの方法により製造することが可能である(特許文献1)。
特開2003−310160号公報
しかしながら、非重合体カテキン類及びでんぷんを含有する容器詰飲料においては、非重合体カテキン類を高濃度で含有する場合、長期保存時に濁りが発生して外観変化が顕著になり、外観上の商品価値が損なわれるという問題が生ずることが判明した。
本発明者らは、非重合体カテキン類及びでんぷんを含有する容器詰飲料の長期保存時における濁りの原因を究明すべく検討したところ、非重合体カテキン類濃度及びでんぷん濃度を一定範囲に制御し、次いでヒドロキシカルボン酸を一定量添加することで、長期保存時における外観安定性が格段に向上し、しかも風味がより一層良好になることを見出した。
すなわち、本発明は、非重合体カテキン類及びでんぷんを含有する容器詰飲料の製造方法であって、下記の工程(1)及び(2);
(1)非重合体カテキン類濃度が0.05〜0.6質量%、でんぷん濃度が0.008〜0.12質量%となるように、茶抽出物と穀物抽出物を混合する工程、
(2)ヒドロキシカルボン酸を、飲料総量に対して0.008〜0.09質量%の範囲になるように添加する工程
を含む、容器詰飲料の製造方法を提供することにある。
本発明はまた、非重合体カテキン類及びでんぷんを含有する容器詰飲料の濁り防止方法であって、下記の工程(1)及び(2);
(1)非重合体カテキン類濃度が0.05〜0.6質量%、でんぷん濃度が0.008〜0.12質量%となるように、茶抽出物と穀物抽出物を混合する工程、
(2)ヒドロキシカルボン酸を、飲料総量に対して0.008〜0.09質量%の範囲になるように添加する工程
を含む、濁り防止方法を提供することにある。
本発明によれば、高濃度の非重合体カテキン類と、でんぷんを含有するにも拘らず、長期間保存したとしても外観変化の少ない容器詰飲料を簡便に製造することができる。また、長期保存時における濁りを有効に防止できるだけでなく、香味豊かで嗜好性に優れるため、商品価値の高い容器詰飲料を提供することができる。
本発明の容器詰飲料の製造方法は、上記工程(1)及び(2)を含むことを特徴とするものである。以下、各工程について詳細に説明する。
〔工程(1)〕
本発明に係る工程(1)は、非重合体カテキン類濃度が0.05〜0.6質量%、でんぷん濃度が0.008〜0.12質量%となるように、茶抽出物と穀物抽出物を混合する工程である。これにより、茶及び穀物由来の香味成分が配合されて嗜好性が高められるとともに、非重合体カテキン類による生理効果を期待できる。
茶抽出物としては、茶抽出液、その濃縮物及びそれらの精製物から選ばれる少なくとも1種を使用することができる。
ここで、茶抽出液とは、茶から熱水又は水溶性有機溶媒を用いてニーダー抽出やカラム抽出等により抽出したものであって、濃縮や精製操作が行われていないものをいう。なお、水溶性有機溶媒として、例えば、エタノール等のアルコールを使用することができる。
抽出に使用する茶としては、例えば、Camellia属、例えば、C.var.sinensis(やぶきた種を含む)、C.var.assamica及びそれらの雑種から選択される茶樹が好適に使用される。その加工方法により、不発酵茶、半発酵茶、発酵茶に大別することができる。不発酵茶としては、例えば、茎茶、棒茶、芽茶、番茶、碾茶、釜入り茶等の緑茶が例示される。また、半発酵茶としては、例えば、鉄観音、色種、黄金桂、武夷岩茶等の烏龍茶が例示される。更に、発酵茶としては、ダージリン、アッサム、スリランカ等の紅茶が例示される。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、茶抽出液の濃縮物とは、茶から熱水又は水溶性有機溶媒により抽出した抽出液から溶媒を一部除去して非重合体カテキン類濃度を高めたものをいい、例えば、特開昭59−219384号公報、特開平4−20589号公報、特開平5−260907号公報、特開平5−306279号公報等に記載の方法により調製することができる。茶抽出液の濃縮物として市販品を使用してもよく、例えば、三井農林(株)の「ポリフェノン」、伊藤園(株)の「テアフラン」、太陽化学(株)の「サンフェノン」等の緑茶抽出液の濃縮物が例示される。茶抽出液の濃縮物の形態としては、固体、水溶液、スラリー状等の種々のものが例示される。
更に、茶抽出液又はその濃縮物(以下、「茶抽出液等」という)の精製物は、例えば、下記(i)〜(iv)のいずれかの方法、あるいは2以上の組み合わせにより得ることができる。
(i)茶抽出液等を水、又は水と水溶性有機溶媒(例えば、エタノール)との混合物(以下、「有機溶媒水溶液」という)に懸濁して生じた沈殿を除去した後、溶媒を留去する方法。
(ii)茶抽出液等をタンナーゼ処理し、更に活性炭、酸性白土及び活性白土から選択される少なくとも1種の吸着剤と接触させる方法(例えば、特開2007−282568号公報)。
(iii)茶抽出液等を合成吸着剤に吸着させた後、該合成吸着剤に有機溶媒水溶液を接触させて非重合体カテキン類を脱離させる方法(例えば、特開2006−160656号公報)。
(iv)茶抽出液等を合成吸着剤に吸着させた後、該合成吸着剤に有機溶媒水溶液又は塩基性水溶液(例えば、水酸化ナトリウム水溶液)を接触させて非重合体カテキン類を脱離させ、次いで得られた脱離液を活性炭と接触させる方法(例えば、特開2008−079609号公報)。
なお、上記(iii)及び(iv)の方法においても、合成吸着剤に吸着すべき茶抽出液等として、タンナーゼ処理したものを使用してもよい。ここで、「タンナーゼ処理」とは、茶抽出液を、タンナーゼ活性を有する酵素と接触させることをいい、例えば、特開2004−321105号公報に記載の方法を採用することができる。
本工程で使用する茶抽出物としては、苦味及び渋味の抑制の観点から、茶抽出液等の精製物が好ましい。茶抽出液等の精製物として、緑茶、半発酵茶又は発酵茶に由来する精製物があるが、中でも、非重合体カテキン類濃度の観点から、緑茶抽出液又はその濃縮物の精製物が好適である。
緑茶抽出液又はその濃縮物の精製物としては、固形分中に非重合体カテキン類を40質量%以上、更に60質量%以上、より更に65質量%以上、特に70質量%以上含有するものが好ましい。なお、固形分中の非重合体カテキン類濃度の上限は、98質量%、更に95質量%、特に90質量%であることが好ましい。ここで、「非重合体カテキン類」とは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート及びガロカテキンガレート等の非エピ体カテキン類と、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート及びエピガロカテキンガレート等のエピ体カテキン類を併せての総称であり、非重合体カテキン類の濃度は上記8種の合計量に基づいて定義される。
また、本工程で使用する穀物抽出物は、穀物を水又は熱水で抽出することにより得ることができる。抽出方法としては、茶抽出液と同様の方法を採用することができるが、抽出効率の点から、カラム抽出が好ましい。
抽出に使用する穀物としては、でんぷん質を主体とし、かつ食用可能な植物の種子であれば特に限定されるものではないが、風味の観点から、イネ科植物、マメ科植物及びタデ科植物から選択される少なくとも1種が好適である。イネ科植物としては、例えば、大麦、ハト麦等の麦類、玄米等の米類、キビ、 アワ、ヒエ、トウモロコシ等の雑穀類が例示される。また、マメ科植物としては、例えば、大豆、黒大豆、インゲン豆、小豆、ソラマメ、エンドウ豆等の豆類が例示される。更に、タデ科植物としては、例えば、ソバ、ダッタンソバ等のソバ類が例示される。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。なお、2種以上の穀物を併用する場合、その割合は目的に応じて適宜選択することが可能である。中でも、香味の観点から、麦類、米類、雑穀類、豆類が好適であり、特に大麦、ハト麦、玄米、トウモロコシ、大豆が好適である。
また、抽出に使用する穀物は、焙煎したものでも、α化処理したものでも、発芽させたものであってもよい。更に、穀物は、粉砕装置により粉砕したものであってもよい。
焙煎条件は穀物の種類により適宜選択することができるが、例えば、焙煎温度は好ましくは180〜350℃、特に好ましくは200〜300℃であり、焙煎時間は好ましくは10〜120分、特に好ましくは15〜60分である。なお、焙煎には、回転式焙煎機等の公知の装置を使用することができる。
本工程においては、茶抽出物と穀物抽出物との混合割合を調整して非重合体カテキン類濃度及びでんぷん濃度を一定範囲に制御するが、茶抽出物と穀物抽出物との混合順序は特に限定されず、順次又は同時に混合することができる。
非重合体カテキン類濃度は0.05〜0.6質量%であるが、濁り抑制及び非重合体カテキン類による生理効果発現の観点から、非重合体カテキン類濃度の下限は0.06質量%、更に0.08質量%、特に0.1質量%であることが好ましい。他方、上限は、風味の観点から、0.5質量%、更に0.4質量%、特に0.2質量%であることが好ましい。
また、でんぷん濃度は0.008〜0.12質量%であるが、風味の観点から、でんぷん濃度の下限は0.009質量%、更に0.01質量%、特に0.02質量%であることが好ましい。他方、上限は、濁り抑制の観点から、0.1質量%、更に0.08質量%、特に0.06質量%であることが好ましい。
〔工程(2)〕
本発明に係る工程(2)は、ヒドロキシカルボン酸を飲料総量に対して0.008〜0.09質量%の範囲になるように添加する工程である。これにより、長期間保存したとしても濁りが発生し難い容器詰飲料とすることができる。
ヒドロキシカルボン酸としては、炭素数3〜6のものが好ましく、例えば、アスコルビン酸、エリソルビン酸、乳酸、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、リンゴ酸が例示される。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。中でも、濁り抑制、風味の観点から、アスコルビン酸が好適である。なお、従来の容器詰飲料においては、pH調整や酸化防止を目的として、ヒドロキシカルボン酸の塩(例えば、金属塩)を添加することがあるが、これら塩では長期保存時の濁りを防止することが困難である(比較例参照)。
ヒドロキシカルボン酸の添加量は飲料総量に対して0.008〜0.09質量%であるが、添加量の下限は0.009質量%、更に0.01質量%、特に0.015質量%であることが好ましく、他方上限は0.08質量%、更に0.07質量%、特に0.06質量%であることが好ましい。添加量が上記範囲内であると、濁り防止効果を十分発現することが可能であり、また風味もより一層良好になる。
なお、工程(1)及び(2)の順序は特に限定されないが、工程(1)、(2)の順に行うことが好ましい。
〔工程(3)〕
本発明においては、上記工程(1)及び(2)終了後に、工程(3)として飲料のpHを5〜6.5に調整する工程を有することができる。これにより、濁りがより確実に抑制され、しかも風味がより一層良好になる。
飲料のpHは25℃で5〜6.5であるが、濁り抑制及び風味の観点から、下限は5.5、特に5.8であることが好ましく、他方上限は6.4、特に6,2であることが好ましい。
pH調整には、pH調整剤を使用することができる。pH調整剤としては、例えば、炭酸塩等の無機塩類が例示される。炭酸塩としては、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、炭酸水素カルシウム、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩が例示される。中でも、pH調整のしやすさ、濁り抑制の観点から、アルカリ金属の炭酸塩が好ましく、炭酸水素アルカリ金属塩がより好ましく、炭酸水素ナトリウムが特に好ましい。なお、pH調整剤の添加量は、その種類に応じて所望のpHになるように適宜決定することが可能である。
本発明においては、工程(1)〜(3)のうちのいずれか、あるいは工程(1)〜(3)の終了後において、香料、エステル類、無機酸類、無機酸塩類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、甘味料、酸味料、果汁エキス類、野菜エキス類、花蜜エキス類、品質安定剤等の添加剤を単独で又は2種以上組み合わせて添加してもよい。なお、これら添加剤の配合量は、添加剤の種類により適宜決定することが可能である。
容器詰飲料の種類としては、茶系飲料、非茶系飲料が例示される。茶系飲料としては、例えば、ブレンド茶(混合茶)飲料が例示される。また、非茶系飲料としては、例えば、エンハンスドウォーター、スポーツドリンク、ニアウォーター、栄養サポートドリンク等の機能性飲料が例示される。ここで、機能性飲料とは保健機能食品をいい、この保健機能食品には日本国が定める特定保健用食品及び栄養機能食品などが包含される。なお、飲料の形態は、流動性でも、半流動性であってもよい。
上記工程終了後、得られた飲料をそのまま容器に充填しても、また必要により希釈又は濃縮して容器に充填してもよい。容器としては、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合化した紙容器、瓶等の通常の包装容器が例示される。
また、容器に充填後においては、例えば、金属缶のような容器に充填後、加熱殺菌できる場合にあっては適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた殺菌条件で殺菌することができる。一方、PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、あらかじめ上記と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器などで高温短時間殺菌後、一定の温度迄冷却して容器に充填する等の方法を採用できる。また、無菌下で、飲料が充填された容器に別の成分を配合してもよい。さらに、酸性下で加熱殺菌後、無菌下でpHを中性に戻すことや、中性下で加熱殺菌後、無菌下でpHを酸性に戻すなどの操作も可能である。
このようにして、長期間保存したとしても濁りが発生し難く、かつ風味の良好な容器詰飲料を簡便に製造することができる。また、本発明の容器詰飲料の濁り防止方法は、上記製造方法と同様の工程(1)及び(2)を含むことで、ブレンド茶飲料の濁り防止に特に有効である。
(1)非重合体カテキン類の測定
各容器詰飲料をフィルター(0.45μm)で濾過し、高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP、島津製作所製)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム(L−カラムTM ODS、4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法により分析した。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有する蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有するアセトニトリル溶液とし、試料注入量は20μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。
(2)でんぷんの測定
各容器詰飲料から50%エタノールで低分子糖を抽出洗浄し加熱糊化してグルコアミラーゼ処理しブドウ糖量を測定した後、下記式よりでんぷん量を求めた。
でんぷん量(g/100g)=ブドウ糖量(g/100g)×0.9
(3)濁りの評価
パネラー4名が製造直後の各容器詰飲料の外観を目視にて観察し下記の基準で評価した後、協議により最終スコアを決定した。また、各容器詰飲料を55℃で14日間保存し、保存後の外観についても同様に評価した。
評点4:濁りがない。
3:極僅かに濁っているが、飲料として問題がない。
2:濁っている。
1:非常に濁っている。
(4)官能評価
パネラー4名が各容器詰飲料を試飲して下記の基準により風味を評価した。その後、協議により最終スコアを決定した。
評点4:異味異臭がなく、風味が良好である。
3:極僅かに異味異臭を感じるが、風味を損なうほどではない。
2:異味異臭を感じ、風味が不十分である。
1:異味異臭が非常に強く、飲用できない。
(5)総合評価
パネラー4名よる上記濁り評価(製造直後及び保存後を含む)及び官能評価の評点に基づいて、下記の基準により総合評価した。
A:濁り評価の評点が全て3点以上であり、かつ官能評価の評点が4点である。
B:濁り評価の評点が全て3点以上であり、かつ官能評価の評点が3点である。
C:濁り評価又は官能評価の評点が2点以下である。
製造例1
穀物抽出物
細かく粉砕したハト麦(丸紅食品製)14質量部、焙煎大麦(丸紅食品製)28質量部、α化大麦(丸紅食品製)42質量部、発芽玄米(丸紅食品製)42質量部、焙煎とうもろこし7質量部、粉砕焙煎大豆7質量部をカラム型抽出機に投入し、更に90℃のイオン交換水196質量部を投入して10分間保持した。その後、90℃のイオン交換水を、カラム型抽出機上部から連続的にスプレーノズルを用いて流量0.02L/分で投入し、同時にカラム型抽出機下部より穀物抽出物を抜き出した。得られた穀物抽出物を25℃以下に氷温水浴にて冷却した後、2号ろ紙にてろ過して穀物抽出物852質量部を得た。この穀物抽出物のBrixは、1.64であった。
製造例2
緑茶抽出物の精製物
緑茶葉(ケニア産、大葉種)3kgに88℃の熱水45kgを添加し、60分間攪拌してバッチ抽出した。次いで、100メッシュ金網で粗ろ過後、抽出液中の微粉を除去するために遠心分離操作を行い、緑茶抽出液36.8kg(pH5.3)を得た。
次いで、「緑茶抽出液」を温度15〜25℃に保持し、タンナーゼ(キッコーマン社製、タンナーゼKT-05、5000U/g)を緑茶抽出液に対して43ppmとなる濃度で添加し、55分間保持し、90℃に反応液を加熱して、2分間保持し酵素を失活させ、反応を止めた(pH5.2)。次いで、70℃、6.7kpaの条件下で、減圧濃縮によりBrix濃度20%まで濃縮処理を行い、更に噴霧乾燥して「緑茶抽出液の濃縮物」1.0kgを得た。
次いで、「緑茶抽出液の濃縮物」85gを、イオン交換水8415gに25℃で30分間攪拌溶解した(タンナーゼ処理液)。ステンレスカラム1(内径110mm×高さ230mm、容積2185mL)に合成吸着剤SP−70(三菱化学(株)製)を2048mL充填した。次に、このタンナーゼ処理液(4倍容量対合成吸着剤)をSV=1(h-1)でカラム1に通液し透過液は廃棄した。次いで、SV=1(h-1)で2048mL(1倍容量対合成吸着剤)の水で洗浄した。水洗後、50質量%エタノール水溶液をSV=1(h-1)で4096mL(2倍容量対合成吸着剤)を通液し、「樹脂処理品1」4014g(pH4.58)を得た。
次いで、ステンレスカラム2(内径22mm×高さ145mm、容積55.1mL)に粒状活性炭(太閤SGP、フタムラ化学(株)製)を8.5g充填した。「樹脂処理品1」1000gをSV=1(h-1)でカラム2に通液し(活性炭の量は「緑茶抽出液の濃縮物」の質量に対して0.4倍)、さらに凍結乾燥して「緑茶抽出液の精製物」を得た。
この「緑茶抽出液の精製物」は、非重合体カテキン類濃度=77.6質量%、非重合体カテキン類中のガレート体率=26.1質量%、固形分中の非重合体カテキン類濃度=78質量%、カフェイン/非重合体カテキン類の質量比=0.003であった。
実施例1〜5
上記製造例で得られた穀物抽出物及び緑茶抽出液の精製物と、環状オリゴ糖を表1に示す割合で混合し、次いでこれに表1に示す割合のアスコルビン酸を添加して攪拌した後、表1に示す割合の重曹を添加して飲料のpHを調整した。次いで、得られた飲料を超高温短時間殺菌(UHT殺菌)した後、PETボトルに充填して容器詰飲料を得た。得られた容器詰飲料の組成、分析値、評価結果を併せて表1に示す。
比較例1
アスコルビン酸をアスコルビン酸ナトリウムに換えたこと以外は、実施例1と同様の操作にて容器詰飲料を得た。得られた容器詰飲料の組成、分析値、評価結果を併せて表1に示す。
比較例2〜5
アスコルビン酸の配合量又はでんぷんの含有量を表1に示す割合に換えたこと以外は、
実施例1と同様の操作にて容器詰飲料を得た。得られた容器詰飲料の組成、分析値、評価結果を併せて表1に示す。
Figure 2011004606
表1から、茶抽出物及び穀物抽出物を混合して非重合体カテキン類及びでんぷんの各濃度を所定範囲内に調整し、次いでヒドロキシカルボン酸を一定量添加することで、長期間保存したとしても外観変化が少なく、しかも風味の良好な容器詰飲料が得られることが確認された。

Claims (7)

  1. 非重合体カテキン類及びでんぷんを含有する容器詰飲料の製造方法であって、
    下記の工程(1)及び(2);
    (1)非重合体カテキン類濃度が0.05〜0.6質量%、でんぷん濃度が0.008〜0.12質量%となるように、茶抽出物と穀物抽出物を混合する工程、
    (2)ヒドロキシカルボン酸を、飲料総量に対して0.008〜0.09質量%の範囲になるように添加する工程
    を含む、容器詰飲料の製造方法。
  2. 更に飲料のpHを5〜6.5に調整する工程を含む、請求項1記載の製造方法。
  3. 前記ヒドロキシカルボン酸がアスコルビン酸である、請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 前記穀物抽出物がイネ科植物、マメ科植物及びタデ科植物から選択される少なくとも1種の穀物から得られたものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記茶抽出物が緑茶抽出液又はその濃縮物の精製物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 当該容器詰飲料が容器詰茶系飲料である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 非重合体カテキン類及びでんぷんを含有する容器詰飲料の濁り防止方法であって、
    下記の工程(1)及び(2);
    (1)非重合体カテキン類濃度が0.05〜0.6質量%、でんぷん濃度が0.008〜0.12質量%となるように、茶抽出物と穀物抽出物を混合する工程、
    (2)ヒドロキシカルボン酸を、飲料総量に対して0.008〜0.09質量%の範囲になるように添加する工程
    を含む、濁り防止方法。
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