JP2011087503A - 釣り竿 - Google Patents

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尚太郎 谷川
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Abstract

【課題】 伸縮式振出竿ではない通常の釣り竿と同様の竿調子を得ることができ、かつ、小径竿体の伸長操作を釣り場に応じて迅速に対応可能な伸縮式振出竿を提供する点にある。
【解決手段】元上4を元竿5に収納する収縮状態と、元上4を元竿5より引き出した伸長状態との何れの状態も保持可能な伸縮式振出竿を構成する。元竿5の竿元端部5Bの内部に、元上4の竿元端膨出部4Bの外周面を内嵌合させるとともに、元上4の竿先端部の大径膨出部4Aの外周面を元竿5の竿先端部5Aの内周面5aに保持させて収縮状態を現出し、元上4の竿元端膨出部4Bの外周面を元竿5の竿先端部5Aの内周面5aに接触させて伸長状態を現出する。元上4の竿元端膨出部4B及び竿先端部の大径膨出部4Aの剛性指数と元竿5の竿先端部5Aの剛性指数とを同一または略同一に設定してある。
【選択図】 図2

Description

本発明は、小径竿体を大径竿体内に収納する収縮状態と、前記小径竿体を前記大径竿体より引き出した伸長状態との何れの状態も保持可能な伸縮式振出竿に関する。
振出竿においては、小径竿体側の一番竿から大径竿体側の元竿までの複数本の竿体を連結して使用しているが、それらの各竿体における剛性指数の関係は次のようになっていた。なお、剛性指数とは、後記するように、縦弾性係数と断面二次モーメントを掛け合わせた数値であり、各竿体の曲げ強さ等を表すものである。
つまり、各竿体において、竿先端部と竿元端部との剛性指数は異なっているが、小径竿体の竿元端部の剛性指数は、大径竿体の竿先端部の剛性指数の約0.8倍に設定されている。
このような剛性指数の設定によって、竿調子を所定のものにできるとともに、小径竿体と大径竿体との繋がりにある程度の連続性を確保することができるので、例えば、魚が掛った場合に釣り竿全体が曲がりを生ずるが、その曲りの状態がコブのない滑らかな円弧状を呈することとなり、局部的な応力集中がなく、強度的にも安定して使用できる釣り竿となる(特許文献1)。
特開2009−65953号公報(段落番号〔0013〕、及び、図2)
振出竿を伸縮式のものに構成する場合には、上記したような剛性指数の設定とは異なっていた。伸縮式振出竿においては、主として大径竿体としての元竿と小径竿体としての元上を収縮,伸長させることによって機能させるものであったが、元竿と元上との剛性の繋がりについてはさして考慮が払われてなく元竿が元上より硬さの大きなものであればよいとの考え方によって、元上の竿元端部の剛性指数は、元竿の竿先端部の剛性指数の0.6〜0.7に達するものもあった。
そうすると、元竿と元上の剛性指数が大きく異なるために、魚が針掛かりした場合に、元上と元竿とが滑らかな円弧を描くことができず、伸縮式ではない竿と同様の竿調子が得られないので、釣り操作時に使い辛い面もあった。
また、伸縮式振出竿として使用する場合には、例えば囮鮎を泳がせながら対岸へ移動させようとする場合には元上を元竿より引き出して釣り竿の全長を長くすることによって、より遠くまで囮鮎を泳がせることができる。反対に、手前に囮鮎を引き寄せたい場合には元上を元竿内に収納して釣り竿の全体を短くすることによって、近くに寄せることができる。
このように、囮鮎を対岸遠くや近場、或いは、川底深い部分や浅い部分で泳がせる場合に、小径竿体を大径竿体から引き出したり、又は反対に収納したりする操作を頻繁に行うこともある。
その場合に、上記したように、小径竿体の剛性指数が大径竿体の剛性指数と大きく異なる場合には、小径竿体の曲り具合と大径竿体の曲り具合とが異なり、そのことが原因で小径竿体の引き出し操作、及び、収納操作に円滑さを欠くこととなって、野鮎の誘い操作等も旨く行なえないことがあった。
本発明の目的は、伸縮式振出竿ではない通常の釣り竿と同様の竿調子を得ることができるとともに、小径竿体の伸長操作を釣り場に応じて迅速に対応可能な伸縮式振出竿を提供する点にあり、かつ、魚が針掛かりして、釣り竿に負荷がかかり魚を取り込む等の際の釣り竿の曲りをスムースにして、結果として応力集中等を起こしにくくして、釣り竿の持つ強度を有効に発揮する点にある。
〔構成〕
請求項1に係る発明の特徴構成は、小径竿体を大径竿体内に収納する収縮状態と、前記小径竿体を前記大径竿体より引き出した伸長状態との何れの状態も保持可能な伸縮式振出竿であって、
前記大径竿体の竿元端部の内部に保持機構を設け、前記小径竿体の竿元端部の外周面を前記保持機構に保持させるとともに、前記小径竿体の竿先端部の外周面を前記大径竿体の竿先端部の内周面に保持させて、前記小径竿体を前記大径竿体内に収納する前記収縮状態を現出し、前記小径竿体の竿元端部の外周面を前記大径竿体の竿先端部の内周面に接触させて前記伸長状態を現出し、
前記小径竿体の竿先端部における剛性指数と前記大径竿体の竿先端部の剛性指数とを同一または略同一に設定するとともに、前記小径竿体の竿元端部と前記大径竿体の竿先端部の剛性指数とを同一または略同一に設定してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
〔作用〕
前記小径竿体の竿先端部における剛性指数と前記大径竿体の竿先端部の剛性指数とを同一または略同一に設定するとともに、前記小径竿体の竿元端部における剛性指数と前記大径竿体の竿先端部の剛性指数とを同一または略同一に設定してあるので、次のようなことが言える。
つまり、小径竿体を大径竿体より引き出して伸長状態で使用する場合には、小径竿体の竿元端部と大径竿体の竿先端部との剛性指数が同一または略同一(略0.8〜1.0)であるから、小径竿体の竿元端部と大径竿体の竿先端部との剛性指数が0.8位に設定されている伸縮式振出竿ではない通常の釣り竿と同様の剛性指数の繋がり具合を現出でき、竿調子も同様のものとできる。
しかも、魚が掛って釣り竿が曲がりを生ずる場合に、小径竿体と大径竿体とが略同じ曲率の曲りを呈することとなる。その為に、小径竿体を大径竿体から引き出す場合や収納する場合にも、引っ掛かりが少なく伸縮操作が円滑に行えることとなる。
〔効果〕
伸縮操作を要する小径竿体の竿先端部及び竿元端部の剛性指数と、小径竿体を収納保持する大径竿体の竿先端部の剛性指数を同一または略同一に設定する改良を施すことによって、伸縮式振出竿ではない通常の釣り竿と同様の竿捌きが可能となり、かつ、伸縮操作が容易で咄嗟の場合にも十分円滑な伸縮操作が可能な伸縮式振出竿を提供することができた。
〔構成〕
請求項2に係る発明の特徴構成は、小径竿体を大径竿体内に収納する収縮状態と、前記小径竿体を前記大径竿体より引き出した伸長状態との何れの状態も保持可能な伸縮式振出竿であって、
前記大径竿体の竿元端部の内部に保持機構を設け、前記小径竿体の竿元端部の外周面を前記保持機構に保持させるとともに、前記小径竿体における前記竿先端部と前記竿元端部との間に位置する竿中間部の外周面を前記大径竿体の竿先端部の内周面に保持させて、前記小径竿体を前記大径竿体内に収納する前記収縮状態を現出し、前記小径竿体の竿元端部の外周面を前記大径竿体の竿先端部の内周面に接触させて前記伸長状態を現出し、
前記小径竿体の竿中間部における剛性指数と前記大径竿体の竿先端部の剛性指数とを同一または略同一に設定するとともに、前記小径竿体の竿元端部と前記大径竿体の竿先端部の剛性指数とを同一または略同一に設定してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
〔作用効果〕
請求項1に係る発明においては、前記小径竿体の竿先端部における剛性指数と前記大径竿体の竿先端部の剛性指数とを同一または略同一に設定することとしたが、この請求項2に係る発明においては、前記小径竿体の竿中間部における剛性指数と前記大径竿体の竿先端部の剛性指数とを同一または略同一に設定するとともに、前記小径竿体の竿元端部と前記大径竿体の竿先端部の剛性指数とを同一または略同一に設定した。
このような構成によって、小径竿体を大径竿体より引き出して伸長状態で使用する場合には、小径竿体の竿元端部と大径竿体の竿先端部との剛性指数が略同一であるから、伸縮式振出竿ではない通常の釣り竿と同様の剛性指数の繋がり具合を現出でき、竿調子も同様のものとできる。
しかも、魚が掛って釣り竿が曲がりを生ずる場合に、小径竿体の竿中間部及び竿元端部と大径竿体の竿先端部とが同じ曲率の曲りを呈することとなる。その為に、小径竿体を大径竿体から引き出す場合や収納する場合にも、引っ掛かりが少なく伸縮操作が円滑に行えることとなる。
渓流竿(鮎用)を示す側面図である。 (a)元上を元竿内に収納した収縮状態を示す縦断側面図、(b)元上を元竿から引き出した状態を示す縦断側面図である。 元上の竿中間部に合わせ面を形成している渓流竿(鮎用)を示す側面図である。 (a)図3の元上を元竿内に収納した収縮状態を示す縦断側面図、(b)図3の元上を元竿から引き出した状態を示す縦断側面図である。
〔第1実施形態〕
渓流竿等として使用される釣り竿Aについて説明する。釣り竿Aは、図1に示すように、一番竿1、二番竿2、三番竿3、他の中竿、元上4、元竿5を備え、一番竿1にリリアン等の糸連結部材6を介して釣り糸aを括り付けてあり、元竿5の竿元端に尻栓8を備えて、構成されている。
尚、図示はしていないが、二番竿2から元竿5までの各竿体は次のように製作される。つまり、炭素繊維等の強化繊維を一方向に引き揃え、その引き揃え強化繊維群にエポキシ等の熱硬化性樹脂(又は熱可塑性樹脂)を含浸させて、プリプレグを形成する。このプリプレグを所定の形状に裁断したものをマンドレルに巻回し、複数層に形成したものを焼成し焼成後所定長に裁断して、仕上加工を施し竿体とする。
プリプレグを構成する強化繊維としては、炭素繊維以外にガラス繊維、アラミド繊維、アルミナ繊維等が使用でき、樹脂としては、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂やPV(E)等の熱可塑性樹脂が使用できる。
一番竿1は、二番竿2等とは異なり、次ぎのような構成を採っている。つまり、一番竿1は、中実棒状の竿体であり、強化繊維としては、炭素繊維等に比べて柔軟性の高いガラス繊維が使用される。
その製造方法は、ガラス繊維の束を形成し、この束状のガラス繊維群を、熱硬化性樹脂を収納したタンク内に浸漬して熱硬化性樹脂をそのガラス繊維群に含浸させ、熱硬化性樹脂を含浸させたガラス繊維群にダイスで絞りを加えて、所望の径に成型し、その後所定長さに細断して表面研磨を行って中実棒状の竿体を形成する。
釣り竿Aを伸縮式振出竿にする構成について説明する。伸縮式振出竿とは、振出竿を基本とした竿であり、小径竿体を大径竿体内に収納した状態においても、その収縮状態を保持する機構を備えた釣り竿Aをいう。ここでは、小径竿体として元上4を選定し、大径竿体として元竿5を選定して説明する。
図1及び図2に示すように、元上4の竿先端部に大径膨出部4Aを形成してある。大径膨出部4Aは、元上4を元竿5内に収納した収縮状態で、元竿5の竿先端部5Aの内周面5aに接触して、元上4が元竿5内に保持される際の保持機構の一部として機能する。
この大径膨出部4Aは、元上4をその元上4の全長に亘る長さのプリプレグシートを巻回した後に、竿先端部の対応する部分に元上4の全長より短い長さのプリプレグシートまたはプリプレグテープを複数層に亘って巻回し、焼成後研磨加工を施して形成されるものである。
元上4の竿元端部には、大径膨出部4Aと略同一外径を呈する竿元端膨出部4Bが形成してあり、元上4を元竿5内に収納した状態で、竿元端膨出部4Bが後記する元竿5の竿元端部に内嵌されるものとなる。
以上のような元上4側の構成に対して元竿5側においては、次のような構成が採られている。図2に示すように、保持機構として、元竿5の竿元端部5Bにゴム製または樹脂製の筒状ホルダー9が固着してある。筒状ホルダー9は、元竿5の竿元端部5Bに固着されているフランジ部9Aとそのフランジ部9Aから前方に延出されている内筒部9Bとで構成されている。
内筒部9Bの内周面で竿端部には雌ねじ部9bが形成されて、尻栓8を螺着すべく構成してある。尻栓8の竿先側には、座ゴム10が内装してあり、中竿及び一番竿1等を元竿5内に収納した際に、中竿等の竿尻端を受け止めその竿尻端を保護する役目を果たすものである。
図2に示すように、内筒部9Bの雌ねじ部9b形成部位より竿先側に内嵌合面9aが形成してあり、元上4の竿元端膨出部4Bを内嵌合すべく構成してある。
以上のような構成により、次のように釣り竿Aは使用される。
図2(b)に示すように、元上4を元竿5より引き出した状態では、元上4の竿元端膨出部4Bが元竿5の竿先端部5Aの内周面5aに圧接して、元上4を元竿5から引き出した伸長状態に保持可能である。このような伸長状態に保持する構成は、通常の振出竿と同様である。
図2(b)に示す伸長状態より、元上4を図2(a)に示すように元竿5内に収納すると、元上4の竿元端膨出部4Bが筒状ホルダー9の内嵌合面9aに内嵌するとともに、元上4の竿先端部に形成された大径膨出部4Aが元竿5の竿先端部5Aの内周面5aに接触して、元上4が収縮状態に保持される。
このように、釣り竿Aは、元上4が収縮状態においても保持可能な構成を採ることにより、伸縮式振出竿を形成している。
元上4と元竿5との剛性の繋がり具合について説明する。
ここに、剛性指数=縦弾性係数×断面二次モーメントで表される数値であり、断面二次モーメントと縦弾性係数を変更することによって、剛性指数を整えることが可能である。断面二次モーメントは、竿断面の形状に起因するものであり、竿の外径等を異なるものにすることによって、異ならせることができる。
縦弾性係数は、材質等に起因するものであり、各竿体においては、強化繊維の選定およびその重量割合等によって、剛性指数が決まるものである。
ただし、竿は、強化繊維と熱硬化性樹脂との混合体であるから、竿全体としての縦弾性係数は、強化繊維の引張弾性率と熱硬化性樹脂の引張弾性率とを総合して決まる。
そして、本発明においては、元上4の竿先端部及び竿元端部に対して、元竿5の竿先端部の、夫々の剛性指数を同一かまたは略同一の値に設定する。
つまり、元上4は、竿先端部と竿元端部とが同一か略同一の剛性指数を呈するので、その構造について説明する。
通常、竿体は竿先側から竿元側に掛けて半径(テーパ率)が3/1000mmの割合で大きくなる。したがって、プリプレグの厚み、マンドレルに巻回する回数(プライ数)、強化繊維の引張弾性率等が同じものであれば、竿元側の断面二次モーメントが大きくなり、剛性は大きくなる。剛性比は1.5倍位になるものである。
それに対して、本願発明は伸縮式振出竿を対象とするので、元竿に収納保持される元上においては、大径膨出部4Aと竿元端膨出部4Bの外径は元竿5の竿先端部5Aにおける内周面5aに内嵌合する為に同一または略同一である。そして、内径は竿先端部が小さく、竿元端部が大きいが、元上4では前述したものより小さく0.7〜1.5/1000mmである(ただし、元竿と元上の嵌合部分を除く)。
したがって、元上の竿先端部(又は中間部)と竿元端部の径の変化率は小さく剛性指数の差も小さい。しかし、なお元上の竿先端部(又は中間部)と竿元端部の剛性指数の差は大きい場合、竿先端部の大径膨出部4Aに比べて竿元端膨出部4Bにおけるプリプレグの厚みをやや薄くしたものを同じプライ数だけ巻回して構成したり、または、プリプレグの厚みを同じにしてプライ数を少なくする工夫を施して、断面二次モーメントを調整することによって、剛性指数を同一または略同一にする。
或いは、上記した断面二次モーメントによる調整とは別の工夫として縦弾性係数を変更して剛性指数を調整する手段を採用すべく、プリプレグを構成する強化繊維を、竿先端部の大径膨出部4Aにおいては高(中)引張弾性率の炭素繊維等を使用し、竿元端膨出部4Bにおいては、低引張弾性率の炭素繊維等を使用して形成することによって、剛性指数を同一または略同一に設定することができる。ここに、高引張弾性率としては30〜40TON/mm、低引張弾性率としては8〜10TON/mmの引張弾性率のものをさす。
または、強化繊維の引き揃え方向を竿軸線に対して傾斜する状態に巻回すると、強化繊維の引張力が、竿軸線に沿った方向ではその分力だけが機能するので、見掛け上引張力が小さくなったものとなる。そこで、竿元端膨出部4Bにおいては、強化繊維の引き揃え方向を竿軸線に対して傾斜する方向となるように、プリプレグを形成する。
以上のように、元上4において竿先端部と竿元端部での剛性指数を同一または略同一に設定することができる。
同様に、上記設定は、元上の竿先端部(又は中間部)と元竿の竿先端部の剛性指数の差を少なくする方法として、元竿の竿先端部に用いることもできる。
一方、元竿5の竿先端部5Aにおける剛性指数の設定は次のようにして行われる。つまり、元竿5の竿先端部5Aにおいては、元上4の竿先端部及び竿元端部より大径であるので、ここでも、前記したように、プリプレグとして厚みの薄いもの、または、プライ数を減らす、或いは、元上4のものよりも低い引張弾性率の強化繊維を使用する、強化繊維の引き揃え方向を竿軸線に対して傾斜させる等の方策を施して、元上4の竿先端部と竿元端部での剛性指数と同一または略同一に設定する。
以上のような構成によって、元上4の竿先端部における大径膨出部4Aと竿元端部4Bの剛性指数と、元竿5の竿先端部5Aの剛性指数が同一かまたは略同一に設定されて、竿調子が通常竿の竿調子に近いものとなり、竿捌きが容易になるとともに、元上4の元竿5に対する伸縮操作が円滑に行えるようになる。
〔第2実施形態〕
この第2実施形態においては、第1実施形態と異なる部分を主として説明する。
さらに、竿中間部に大径膨出部4Cを設けた具体的実施例について、図3及び図4に示すように、元上4における竿軸線方向における竿中間部に大径膨出部4Cを形成してある。大径膨出部4Cは、元上4を元竿5内に収納した収縮状態で、元竿5の竿先端部5Aの内周面5aに接触して、元上4が元竿5内に保持される際の保持機構の一部として機能する。
この大径膨出部4Cは、元上4をその元上4の全長に亘る長さのプリプレグシートを巻回した後に、竿中間部の対応する部分に元上4を構成する全長に亘る長さのプリプレグシートより短い長さのプリプレグシートまたはプリプレグテープを複数層に亘って巻回し、焼成後研磨加工を施して形成されるものである。
元上4の竿元端部には、大径膨出部4Cと略同一外径を呈する竿元端膨出部4Bが形成してあり、元上4を元竿5内に収納した状態で、竿元端膨出部4Bが後記する元竿5の竿元端部に内嵌されるものとなる。
以上のような元上4側の構成に対して元竿5の構成は、第1実施形態と同様であり、この第2実施形態における伸縮式振出竿の使用方法は次のようになる。
図4(b)に示すように、元上4を元竿5より引き出した状態では、元上4の竿元端膨出部4Bが元竿5の竿先端部5Aの内周面5aに圧接して、元上4を元竿5から引き出した伸長状態に保持可能である。このような伸長状態に保持する構成は、通常の振出竿と同様である。
図4(b)に示す伸長状態より、元上4を図4(a)に示すように元竿5内に収納すると、元上4の竿元端膨出部4Bが筒状ホルダー9の内嵌合面9aに内嵌するとともに、元上4の竿中間部に形成された大径膨出部4Cが元竿5の竿先端部5Aの内周面5aに接触して、元上4が収縮状態に保持される。
このように、釣り竿Aは、元上4が収縮状態においても保持可能な構成を採ることにより、伸縮式振出竿を形成している。
元上4と元竿5との剛性の繋がり具合について説明する。
そして、本発明においては、元上4の竿中間部及び竿元端部に対して、元竿5の竿先端部、との剛性指数を同一かまたは略同一の値に設定する。
剛性指数の設定方法は、第1実施形態に記載した通りである。
〔別実施形態〕
(1) 小径竿体として元上4を、大径竿体として元竿5を対応させて説明したが、小径竿体として元上々、大径竿体としては元上4を採用して、元上々を元上4に対して伸縮自在に構成して、伸縮式の竿を構成してもよい。つまり、小径竿体としては元上4より小径の竿体にも適用され、大径竿体としては元竿5より小径の竿体にも適用されるのである。
(2) 小径竿体を大径竿体内に収納するのに、大径竿体の竿元端部の内部に保持機構を設けているが、保持機構としては筒状ホルダー9以外に、大径竿体の竿元端部の内周面に竿軸線X方向に向かう内向き膨出部を一体で形成し、この内向き膨出部の内周面に小径竿体の竿元端部の外周面を保持する構成を採ってもよい。
(3) 元竿に設けた保持機構としては、元上4のみを保持する構成となっているが、元上以外に他の小径竿体を保持する多段式の保持面を形成したものであってもよい。
(4) 元上4の構造として、竿先端部及び竿中間部に大径膨出部4A,4Cを形成し、竿元端部に竿元端膨出部4Bを形成して、元竿5の竿先端部と竿元端部の保持機構に保持し易い構成を採っているが、大径膨出部4A,4C、及び、竿元端膨出部4Bは無くてもよい。この場合には元上4は単なる先細りテーパ管であるので、竿先端部と竿元端部とで外径が異なるが、殆ど、その外径差がゼロに近い状態に形成してもよい。これによって、元上4の竿先端部と竿元端部との剛性指数は、プリプレグの強化繊維を異なるものに調整することなく、同一または略同一に設定できる。
本発明は、鮎竿、渓流竿等のガイドを備えてない釣り竿だけでなく、磯竿等のガイド付き振出竿及び中通し竿を伸縮式振出竿に構成して適用してもよい。
4 元上(小径竿体)
4A,4C 大径膨出部
4B 竿元端膨出部
5 元竿(大径竿体)
5A 竿先端部
5B 竿元端部
5a 内周面

Claims (2)

  1. 小径竿体を大径竿体内に収納する収縮状態と、前記小径竿体を前記大径竿体より引き出した伸長状態との何れの状態も保持可能な伸縮式振出竿であって、
    前記大径竿体の竿元端部の内部に保持機構を設け、前記小径竿体の竿元端部の外周面を前記保持機構に保持させるとともに、前記小径竿体の竿先端部の外周面を前記大径竿体の竿先端部の内周面に保持させて、前記小径竿体を前記大径竿体内に収納する前記収縮状態を現出し、前記小径竿体の竿元端部の外周面を前記大径竿体の竿先端部の内周面に接触させて前記伸長状態を現出し、
    前記小径竿体の竿先端部における剛性指数と前記大径竿体の竿先端部の剛性指数とを同一または略同一に設定するとともに、前記小径竿体の竿元端部と前記大径竿体の竿先端部の剛性指数とを同一または略同一に設定してある伸縮式振出竿。
  2. 小径竿体を大径竿体内に収納する収縮状態と、前記小径竿体を前記大径竿体より引き出した伸長状態との何れの状態も保持可能な伸縮式振出竿であって、
    前記大径竿体の竿元端部の内部に保持機構を設け、前記小径竿体の竿元端部の外周面を前記保持機構に保持させるとともに、前記小径竿体における前記竿先端部と前記竿元端部との間に位置する竿中間部の外周面を前記大径竿体の竿先端部の内周面に保持させて、前記小径竿体を前記大径竿体内に収納する前記収縮状態を現出し、前記小径竿体の竿元端部の外周面を前記大径竿体の竿先端部の内周面に接触させて前記伸長状態を現出し、
    前記小径竿体の竿中間部における剛性指数と前記大径竿体の竿先端部の剛性指数とを同一または略同一に設定するとともに、前記小径竿体の竿元端部と前記大径竿体の竿先端部の剛性指数とを同一または略同一に設定してある伸縮式振出竿。
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