JP4919346B2 - 伸縮式振出竿 - Google Patents
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つまり、具体的には、最内層として炭素繊維等に熱可塑性樹脂を含浸させたプリプレグテープを巻回して構成する。最内層の上に、PAN系炭素繊維に熱硬化性樹脂を含浸させた第1PAN系層を形成する。第1PAN系層の上に、ピッチ系炭素繊維に熱硬化性樹脂を含浸させた第1ピッチ系層を形成する。第1ピッチ系層の上に、PAN系炭素繊維に熱硬化性樹脂を含浸させた第2PAN系層を形成する。炭素繊維等に熱可塑性樹脂を含浸させたプリプレグテープを巻回して最外層を構成する(特許文献1参照)。
つまり、釣り竿に要求される機能又は性状として、魚信が感知しやすく、かつ、魚を釣上げる際には十分な柔軟性を発揮して、魚の横走り等に容易に堪え得て釣り糸の切断を未然に防止することができることが挙げられる。
しかし、上記構成においては、同一の剛性に設定してあるので、剛性を高くして魚信を感知しやすくすると、柔軟性に欠ける面があり、反対に、剛性を低くすれば、柔軟性は高まり魚の横走り等に容易に堪え釣り糸の切断等を未然に回避し得るものとできるが、魚信の感知性に劣る面があり、両機能または性状を満たす釣り竿を提示できてなかった。
請求項1に係る発明の特徴構成は、小径竿体としての穂先竿とその穂先竿より大径側に位置する大径竿体とを備え、それらにリールを装着するリールシートとリールから繰り出された釣り糸を誘導する釣り糸ガイドとを備えている釣り竿であって、
前記穂先竿を前記大径竿体に収納した収納状態においてもその状態を保持する保持機構を備え、
前記保持機構を、前記穂先竿に第1外周側合わせ部と、前記第1外周側合わせ部より竿尻側に位置する第2外周側合わせ部とを設けるとともに、前記大径竿体に第1内周側合わせ部と、前記第1内周側合わせ部より竿尻側に位置する第2内周側合わせ部とを設け、前記穂先竿の第1外周側合わせ部を前記大径竿体の第1内周側合わせ部に合わせ、かつ、前記穂先竿の第2外周側合わせ部を前記大径竿体の第2内周側合わせ部に合わせることによって、前記収納状態を現出すべく構成し、
前記大径竿体にリールシートを装着するとともに、前記穂先竿の前記第1外周側合わせ部より竿先側に位置する竿先側部分に釣り糸ガイドを装着し、前記竿先側部分を、弾性率の高い強化繊維を使用したプリプレグシートを巻回して高剛性なものに構成してあるのに対して、前記竿尻側部分を、弾性率の低い強化繊維を使用したプリプレグシートを巻回して低剛性なものに構成し、前記竿先側部分と前記竿尻側部分との接続部位に、竿の軸線方向に沿った長さの短いプリプレグテープを巻回して大径膨出部を形成して前記第1外周側合わせ部を形成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
上記課題を解決する手段の一つとして、穂先竿と大径竿体とを伸縮自在に構成するとともに収縮状態でも保持可能な保持機構を設けた。このために、収縮状態でも大径竿体の竿先側に表出している竿先側部分に釣り糸ガイドを設けることとした。二つ目の手段としては、穂先竿を、釣り糸ガイドを備えた竿先側部分と竿先側部分より竿尻側に位置する竿尻側部分とを異なる性状のものに構成した。つまり、竿先側部分を竿尻側部分より剛性の大きなものとした。
したがって、釣り竿の状態としては、穂先竿のうち竿尻側部分に比べて剛性の高い竿先側部分と大径竿体とが釣り竿として機能することとなる。穂先竿の竿先側部分に比べて剛性の低い竿尻側部分は大径竿体内に収縮されて、大径竿体と一体となって機能するところから、剛性の低い竿尻側部分を表出させる場合に比べて魚信の感知が容易になる。
リールを取り付けた大径竿体の竿先側の直前位置に位置する例えば元上には、魚が針掛かりした場合には、大きな荷重が作用することが鋭意研究の結果、良く知られている。
以上のような構成を採るところから、仕掛けを垂らして魚の当りを待つ間は、穂先竿の竿尻側部分を大径竿体内に収縮させて、魚信を捉え易い状態にする。魚が掛かった場合には、穂先竿を伸長状態に切り換え、穂先竿の竿尻側部分で魚の引きに堪え、糸切れ等の不都合を回避する。
穂先竿の外周面に釣り糸ガイドを取付けている外付け釣り糸ガイドの釣り竿であっても、伸縮式の振出竿に構成し、かつ、穂先竿の比較的剛性の低い部分を剛性の高い部分より竿尻側に配置する改善を施すことによって、相反する機能である、魚信が感知しやすく、かつ、魚を釣上げる際には十分な柔軟性を発揮して、魚の横走り等に容易に堪え釣り糸の切断等を未然に防止し得る伸縮式振出竿を提示することができた。
前記穂先竿を前記大径竿体に収納した収納状態においてもその状態を保持する保持機構を備え、
前記保持機構を、前記穂先竿に第1外周側合わせ部と、前記第1外周側合わせ部より竿尻側に位置する第2外周側合わせ部とを設けるとともに、前記大径竿体に第1内周側合わせ部と、前記第1内周側合わせ部より竿尻側に位置する第2内周側合わせ部とを設け、前記穂先竿の第1外周側合わせ部を前記大径竿体の第1内周側合わせ部に合わせ、かつ、前記穂先竿の第2外周側合わせ部を前記大径竿体の第2内周側合わせ部に合わせることによって、前記収納状態を現出すべく構成し、
前記大径竿体にリールシートを装着するとともに、前記穂先竿の前記第1外周側合わせ部より竿先側に位置する竿先側部分に釣り糸ガイドを装着し、前記竿先側部分を、中実棒状を呈して弾性率の高い高剛性なものに構成してあるのに対して、前記竿尻側部分を、筒状を呈して弾性率の低い低剛性なものに構成し、前記竿先側部分と前記竿尻側部分との接続部位に、竿の軸線方向に沿った長さの短いプリプレグテープを巻回して大径膨出部を形成し前記第1外周側合わせ部を形成してある点にある。
小径竿体としての穂先竿とその穂先竿より大径側に位置する大径竿体とを備え、それらにリールを装着するリールシートとリールから繰り出された釣り糸を誘導する釣り糸ガイドとを備えている釣り竿であって、
前記穂先竿を前記大径竿体に収納した収納状態においてもその状態を保持する保持機構を備え、
前記保持機構を、前記穂先竿に第1外周側合わせ部と、前記第1外周側合わせ部より竿尻側に位置する第2外周側合わせ部とを設けるとともに、前記大径竿体に第1内周側合わせ部と、前記第1内周側合わせ部より竿尻側に位置する第2内周側合わせ部とを設け、前記穂先竿の第1外周側合わせ部を前記大径竿体の第1内周側合わせ部に合わせ、かつ、前記穂先竿の第2外周側合わせ部を前記大径竿体の第2内周側合わせ部に合わせることによって、前記収納状態を現出すべく構成し、
前記大径竿体にリールシートを装着するとともに、前記穂先竿の前記第1外周側合わせ部より竿先側に位置する竿先側部分に釣り糸ガイドを装着し、前記竿先側部分を、金属芯材の周りにプリプレグ層を巻回して弾性率の高い高剛性なものに構成してあるのに対して、前記竿尻側部分を、プリプレグ層を巻回して筒状を呈する弾性率の低い低剛性なものに構成し、前記竿先側部分と前記竿尻側部分との接続部位に、竿の軸線方向に沿った長さの短いプリプレグテープを巻回して大径膨出部を形成し前記第1外周側合わせ部を形成してある点にある。
竿先側部分1aには、釣り糸aを誘導する釣り糸ガイド6が複数個並設してある。
まず、竿先側部分1aについて説明する。図示してはいないが、炭素繊維等の強化繊維を引き揃え、その引き揃えた強化繊維群にエポキシ等の熱硬化性樹脂を含浸させてプリプレグシートを作成し、プリプレグシートから所定形状に裁断したシートパターンをマンドレルに巻回し、マンドレルとともに巻回したプリプレグを焼成し、焼成後マンドレルを脱芯し、焼成プリプレグ筒を所定長さに裁断した後に、外周面及び第2外周側合わせ部1B、第1外周側合わせ部1Aに対する仕上げ研磨加工を行う。
このように、ガラス繊維を強化繊維として使用しているので、柔軟性に富み、曲がり易い構成となっている。
尚、プリプレグテープや補強プリプレグテープを巻回した前記接続部位は、外径が大きくなった膨出部に形成してあり、この膨出部分に研磨加工を施して所定の外径寸法となるように調整し、前記したように第1外周側合わせ部1Aとなる。
元竿2も穂先竿1の竿先側部分1aと同一の製作方法を採っており、炭素繊維を強化繊維としたプリプレグによって製作される。
図2に示すように、元竿2の竿尻側端部に第2内周側合わせ部としての嵌合保持体3を設けてあり、嵌合保持体3の内部に穂先竿1の竿尻端を受け止める座ゴム7を設けてある。以下、嵌合保持体3を説明する。
図2に示すように、本体部3Aの内周面で、突起部3bの竿尻側に雄ネジ3dが形成してあり、雄ネジ3dに尻栓5を螺着するように構成してある。
図1(イ)、及び、図2(イ)に示すように、穂先竿1に形成した第1外周側合わせ部1Aを元竿2の第1内周側合わせ部2Aに合わせ、かつ、穂先竿1の第2外周側合わせ部2Bを元竿2に装着した嵌合保持体3の突起部3bの内周面に合わせることによって、収納状態を現出すべく構成してある。
一方、図1(ロ)、及び、図2(ロ)に示すように、穂先竿1を引き出して、穂先竿1の第2外周側合わせ部1Bを元竿2の第1内周側合わせ部2Aに合わせることによって、穂先竿1の伸長状態を維持できる。
以上のように、穂先竿1の第1外周側合わせ部1Aと第2外周側合わせ部1B、及び、元竿2の第1内周側合わせ部2Aと第2外周側合わせ部としての嵌合保持体3とで、穂先竿1を元竿2に収納した収納状態においてもその状態を保持する保持機構Pを構成する。
1を伸長作動させて、魚の取り込みに掛かる。図2(ハ)に示すように、魚の引きが強く作用する場合には、穂先竿1における柔軟性の高い竿尻側部分1bが曲がりを生じて、穂先竿1の折損や釣り糸aが切られるのを阻止する。
(1)小径竿体の竿先側部分1aを竿尻側部分1bより高剛性のものにする構成として、前記実施例においては、竿先側部分1aの強化繊維を炭素繊維とし、竿尻側部分1bの強化繊維をガラス繊維とするものを採用した。ここでは、例えば、繊維としては同じものを採用し、繊維の量を異なるものとしてもよい。つまり、竿先側部分1aの繊維量を多くして剛性を高くする方法を採ってもよい。
これと反対で、元竿2の第1内周側合わせ部2Aとしては、元竿2の内周面をそのまま利用する形態になっているが、第2内周側合わせ部と同様に、嵌合保持体を嵌着する構成を取ってもよい。
(5)大径竿体と小径竿体との組み合わせとしては、元竿2と穂先竿1以外に、元竿2と元上、あるいは、中竿同士の間にも適用できる。
1A 第1外周側合わせ部
1B 第2外周側合わせ部
1a 竿先側部分
1b 竿尻側部分
2 元竿(大径竿体)
2A 第1内周側合わせ部
3 第2内周側合わせ部
4 板状リールシート(リールシート)
6 釣り糸ガイド
P 保持機構
R リール
a 釣り糸
Claims (3)
- 小径竿体としての穂先竿とその穂先竿より大径側に位置する大径竿体とを備え、それらにリールを装着するリールシートとリールから繰り出された釣り糸を誘導する釣り糸ガイドとを備えている釣り竿であって、
前記穂先竿を前記大径竿体に収納した収納状態においてもその状態を保持する保持機構を備え、
前記保持機構を、前記穂先竿に第1外周側合わせ部と、前記第1外周側合わせ部より竿尻側に位置する第2外周側合わせ部とを設けるとともに、前記大径竿体に第1内周側合わせ部と、前記第1内周側合わせ部より竿尻側に位置する第2内周側合わせ部とを設け、前記穂先竿の第1外周側合わせ部を前記大径竿体の第1内周側合わせ部に合わせ、かつ、前記穂先竿の第2外周側合わせ部を前記大径竿体の第2内周側合わせ部に合わせることによって、前記収納状態を現出すべく構成し、
前記大径竿体にリールシートを装着するとともに、前記穂先竿の前記第1外周側合わせ部より竿先側に位置する竿先側部分に釣り糸ガイドを装着し、前記竿先側部分を、弾性率の高い強化繊維を使用したプリプレグシートを巻回して高剛性なものに構成してあるのに対して、前記竿尻側部分を、弾性率の低い強化繊維を使用したプリプレグシートを巻回して低剛性なものに構成し、前記竿先側部分と前記竿尻側部分との接続部位に、竿の軸線方向に沿った長さの短いプリプレグテープを巻回して大径膨出部を形成して前記第1外周側合わせ部を形成してある伸縮式振出竿。 - 小径竿体としての穂先竿とその穂先竿より大径側に位置する大径竿体とを備え、それらにリールを装着するリールシートとリールから繰り出された釣り糸を誘導する釣り糸ガイドとを備えている釣り竿であって、
前記穂先竿を前記大径竿体に収納した収納状態においてもその状態を保持する保持機構を備え、
前記保持機構を、前記穂先竿に第1外周側合わせ部と、前記第1外周側合わせ部より竿尻側に位置する第2外周側合わせ部とを設けるとともに、前記大径竿体に第1内周側合わせ部と、前記第1内周側合わせ部より竿尻側に位置する第2内周側合わせ部とを設け、前記穂先竿の第1外周側合わせ部を前記大径竿体の第1内周側合わせ部に合わせ、かつ、前記穂先竿の第2外周側合わせ部を前記大径竿体の第2内周側合わせ部に合わせることによって、前記収納状態を現出すべく構成し、
前記大径竿体にリールシートを装着するとともに、前記穂先竿の前記第1外周側合わせ部より竿先側に位置する竿先側部分に釣り糸ガイドを装着し、前記竿先側部分を、中実棒状を呈して弾性率の高い高剛性なものに構成してあるのに対して、前記竿尻側部分を、筒状を呈して弾性率の低い低剛性なものに構成し、前記竿先側部分と前記竿尻側部分との接続部位に、竿の軸線方向に沿った長さの短いプリプレグテープを巻回して大径膨出部を形成し前記第1外周側合わせ部を形成してある伸縮式振出竿。 - 小径竿体としての穂先竿とその穂先竿より大径側に位置する大径竿体とを備え、それらにリールを装着するリールシートとリールから繰り出された釣り糸を誘導する釣り糸ガイドとを備えている釣り竿であって、
前記穂先竿を前記大径竿体に収納した収納状態においてもその状態を保持する保持機構を備え、
前記保持機構を、前記穂先竿に第1外周側合わせ部と、前記第1外周側合わせ部より竿尻側に位置する第2外周側合わせ部とを設けるとともに、前記大径竿体に第1内周側合わせ部と、前記第1内周側合わせ部より竿尻側に位置する第2内周側合わせ部とを設け、前記穂先竿の第1外周側合わせ部を前記大径竿体の第1内周側合わせ部に合わせ、かつ、前記穂先竿の第2外周側合わせ部を前記大径竿体の第2内周側合わせ部に合わせることによって、前記収納状態を現出すべく構成し、
前記大径竿体にリールシートを装着するとともに、前記穂先竿の前記第1外周側合わせ部より竿先側に位置する竿先側部分に釣り糸ガイドを装着し、前記竿先側部分を、金属芯材の周りにプリプレグ層を巻回して弾性率の高い高剛性なものに構成してあるのに対して、前記竿尻側部分を、プリプレグ層を巻回して筒状を呈する弾性率の低い低剛性なものに構成し、前記竿先側部分と前記竿尻側部分との接続部位に、竿の軸線方向に沿った長さの短いプリプレグテープを巻回して大径膨出部を形成し前記第1外周側合わせ部を形成してある伸縮式振出竿。
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