JP2011085920A - 透明電極付き基板とその製造方法及び透明電極配線パターン付き基板 - Google Patents

透明電極付き基板とその製造方法及び透明電極配線パターン付き基板 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な方法で作製できる透明電極付き基板及びその製造方法の提供。
【解決手段】(1)電極パターンに対応した凸状の構造体が形成された透明基板上に、酸化物からなる透明導電膜で形成された電極を有し、構造体上の透明導電膜の膜厚が、構造体に挟まれた透明基板上及び構造体の側壁に形成された透明導電膜の膜厚よりも厚い透明電極付き基板。
(2)前記構造体が透明基板と同じ材質で形成されており、その高さが100〜800nmである(1)に記載の透明電極付き基板。
(3)前記構造体が、相変化材料層とその上に積層された誘電体材料層からなり、構造体の、電極パターンの長手方向と直交する方向の断面形状が逆テーパー形状である(1)に記載の透明電極付き基板。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶ディスプレイ等に用いられる透明電極付き基板とその製造方法、及び、該透明電極付き基板を利用した透明電極配線パターン付き基板に関する。
特許文献1には、レーザビームで配線パターンを直接描画し、レーザビームの照射部と非照射部の化学的エッチング容易性の差を利用して電極パターンを形成する方法が開示されているが、化学的エッチングがウエットプロセスであるため、フォトリソグラフィ技術で課題となっていた電極表面及び基板表面上の汚染が発生しやすいという問題は解決されていない。また、このようなフォトリソグラフィ技術を用いた電極パターン形成方法は、工程が複雑で歩留りが悪く、そのためコストダウンが困難であるという問題がある。
特許文献2には、透明導電膜(ITO膜)の平均ドメイン径を小さくし非晶質化することで、低いパワーのレーザビームによりITOを蒸発させる方法が開示されているが、ビーム径が大きいために配線の微細化が困難である。また、高パワーの光源が必要となるため装置コストがかさむという問題がある。
本発明は、簡単な方法で作製できる透明電極付き基板とその製造方法、及び、該透明電極付き基板を利用した透明電極配線パターン付き基板の提供を目的とする。
上記課題は、次の1)〜8)の発明によって解決される。
1) 電極パターンに対応した凸状の構造体が形成された透明基板上に、酸化物からなる透明導電膜で形成された電極を有し、該構造体上の透明導電膜の膜厚が、該構造体に挟まれた透明基板上及び該構造体の側壁に形成された透明導電膜の膜厚よりも厚いことを特徴とする透明電極付き基板。
2) 前記構造体が透明基板と同じ材質で形成されており、その高さが100〜800nmであることを特徴とする1)に記載の透明電極付き基板。
3) 前記構造体が、相変化材料層とその上に積層された誘電体材料層からなり、該構造体の、電極パターンの長手方向と直交する方向の断面形状が逆テーパー形状であることを特徴とする1)に記載の透明電極付き基板。
4) 前記構造体と透明基板との境界部に透明導電膜が形成されていないことを特徴とする3)に記載の透明電極付き基板。
5) 透明導電膜が、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズのいずれかを主成分とすることを特徴とする1)〜4)のいずれかに記載の透明電極付き基板。
6) 次の(a)〜(d)の工程からなることを特徴とする透明基板上に透明電極パターンが形成された透明電極付き基板の製造方法。
(a)透明基板上に相変化材料層と誘電体材料層とからなるレジスト層を形成する工程
(b)レジスト層上に電極パターンに対応したパターンをレーザビームで照射し、潜像を形成する工程
(c)現像処理によりレーザビーム非照射部を溶解し、相変化材料及び誘電体材料からなり、電極パターンの長手方向と直交する方向の断面形状が逆テーパー形状である凸状の構造体を透明基板上に形成する工程
(d)透明基板上のレーザビーム未照射部の相変化材料層を除去する工程
(e)透明基板上に透明導電膜を形成する工程
7) 透明電極配線パターンと該パターン間の電極パターン化領域(ギャップ)を有する透明電極配線パターン付き基板であって、前記電極パターン化領域が1)〜5)のいずれかに記載の透明電極付き基板からなり、凸状の構造体を利用した複数の透明電極パターンと隙間領域が交互に形成されていることを特徴とする透明電極配線パターン付き基板。
8) 前記構造体上に形成された透明電極パターンの水平方向の抵抗値をX、隙間領域の垂直方向の抵抗値をY、前記電極パターン化領域の構造体の本数をN、所望の累積する抵抗値をZとして、(Y/X)×N≧Zであることを特徴とする7)に記載の透明電極配線パターン付き基板。
本発明によれば、簡単な方法で作製できる透明電極付き基板とその製造方法、及び、該透明電極付き基板を利用した透明電極配線パターン付き基板を提供できる。
本発明の透明電極付き基板の一例を示す図。(1)斜視図、(2)断面図。 本発明の透明電極付き基板の他の例の断面図。 本発明の透明電極付き基板を作製するための工程フローを示す図。 石英基板上に石英からなるライン状の凸状の構造体を形成し、その上に透明導電膜を製膜したときの電子顕微鏡写真を示す図。 凸状の構造体の、電極パターンの長手方向と直交する方向の断面形状が逆テーパー形状である、本発明の透明電極付き基板を作製するための工程フローを示す図。 凸状の構造体に対して直交方向の抵抗値と平行方向の抵抗値の比(抵抗比)と、凸状の構造体の高さHとの関係を示す図。 一般的な液晶表示素子の外観を示す図。 図7(a)の液晶表示素子の作製に用いられる透明電極配線パターン付き基板を示す図。(x方向の透明電極配線パターン付き基板) 図7(a)の液晶表示素子の作製に用いられる透明電極配線パターン付き基板を示す図。(y方向の透明電極配線パターン付き基板) 本発明の透明電極配線パターン付き基板の一例の部分拡大斜視図。 本発明の透明電極配線パターン付き基板の一例の部分拡大断面図。
以下、上記本発明について詳しく説明する。
図1(1)に、本発明の透明電極付き基板の斜視図を示す。
基板は透明な材料からなり、電極パターンに対応する凸状の構造体(以下、単に構造体ということもある)が形成されている。基板材料としては、石英、ソーダライムガラス、無アルカリガラスや、ポリカーボネート等の樹脂を用いることができる。なお、本発明でいう「透明」とは、電極付き基板としての機能が発揮される程度の透明性を有することを意味し、通常の場合、透過率で70%程度以上である。
上記基板上に透明導電膜をスパッタ法、蒸着法等の真空製膜法で形成すると、構造体に挟まれた基板上、及び構造体の側壁では、構造体があるために透明導電膜が付着しにくくなり、図1(2)の断面図に示すように、これらの部分の透明導電膜の膜厚(t2)と、構造体上の透明導電膜の膜厚(t1)との間に差が生じる。そして、この膜厚差によって構造体に対して平行方向の抵抗値と直交方向の抵抗値との間に差が生じる。抵抗値の差は構造体の高さ(H)に依存するため、構造体の高さが高いほど抵抗値に差がつく。しかし構造体付き基板を熱インプリント法や光インプリント法等を用いて複製したり、ドライエッチングにより加工することを考慮すると、単一の構造体の高さは100〜800nmが好ましい。なお、前記膜厚差は主に構造体の高さに依存して自動的に生じるため特に限定されないが、高さが前記範囲にある場合、100〜200nm程度になる。
また、構造体を基板と同じ材質で形成すれば、構造体付き基板を容易に大量に複製することができるので好ましい。
上記透明導電膜を形成した基板では、構造体上の透明導電膜の抵抗値に対して構造体間の透明導電膜の抵抗値が高くなる。したがって、工程が複雑なフォトリソグラフィ技術を用いたり、技術的に問題のあるレーザビームによる直接描画を行うことなく、簡単な方法で、透明電極パターンが形成された基板を作製できる。
透明導電膜の材料としては、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズのいずれかを主成分とする材料が好ましく、これらが導電膜全体の60重量%以上であることが好ましい。
具体的には、酸化スズをドープした酸化インジウム(ITO)、酸化アルミニウムをドープした酸化亜鉛(AZO)、フッ素をドープした酸化スズ(FTO)等が挙げられる。
上記材料を用いることにより、光学特性や電気特性が良好な透明導電膜を真空製膜法で容易に形成することができる。
透明導電膜の膜厚は、抵抗値、透過率の観点から50〜300nmが好ましい。
図2に、本発明の透明電極付き基板の他の例の断面図を示す。
図1の場合と異なり、構造体が、相変化材料層とその上に積層された誘電体材料層で形成されており、その電極パターンの長手方向と直交する方向の断面形状は、構造体の上部の幅が下部よりも広い逆テーパー形状であることが特徴である。この構造体の作製方法は実施例2で説明する。
上記逆テーパー形状の構造体が形成された基板上に、スパッタ法、蒸着法等で透明導電膜を形成すると、構造体の側壁面及び構造体と基板との境界が構造体上部の陰になるため、境界領域には透明導電膜が形成されない。その結果、構造体上の透明導電膜と構造体間の透明導電膜とが絶縁される。したがって、構造体間が確実に絶縁された電極パターン付き基板を容易に作製できる。
図7(a)〜図7(c)に、一般的な液晶表示素子と、これに用いる透明電極配線パターン付き基板を示す。図7(a)に示す液晶表示素子は、図7(b)、図7(c)に示すようなx方向又はy方向に群をなす透明電極配線パターンを形成した透明基板を上下に貼り合わせて作製される。透明電極配線パターン間は電極をエッチングにより除去して形成されたギャップである。このギャップには複数の透明電極パターンとその隙間である隙間領域が交互に形成されている。(透明電極パターンと隙間領域の詳細は図示せず)。ギャップは本来、透明電極配線パターン間を電気的に高抵抗状態にして絶縁する目的で形成されており、透明導電膜はあってもなくてもよい。即ち、エッチングにより透明導電膜を完全に除去しなくてもよい。図7(a)において、x方向及びy方向の透明電極配線パターンのクロスする部分が画素として駆動される。
これに対し、本発明の透明電極配線パターン付き基板は、図8(a)及び図8(b)に一例を示すように、隣り合う透明電極配線パターン部間に形成された、複数の透明電極パターンと隙間領域が交互に形成された電極パターン化領域(ギャップ)として、前記構造体を有する透明電極付き基板を利用する。図8(a)は拡大斜視図、図8(b)は拡大断面図である。
上記透明電極配線パターン付き基板は、例えば、透明電極配線パターン部となる平坦な領域がライン状に形成され、該ライン状の平坦な領域の間に、これと平行な構造体による微細な段差がライン状に形成された透明基板を用意し、この透明基板全面に透明導電膜を成膜すればよい。これにより、段差エッジにおいて透明導電膜に段切れが生じ、結果的に複数の透明電極パターンと隙間領域が交互に形成された電極パターン化領域(ギャップ)が形成され、電気的な高抵抗状態が得られる。
すなわち、透明導電膜を成膜した後に、従来のようなギャップを形成するためのフォトレジスト形成→フォトマスク露光→現像→エッチングからなる一連のフォトリソグラフィ工程を全く行わないで、透明電極配線パターンを形成することができる。
したがって、本発明によれば、簡単な方法で透明電極配線パターン付き基板を作製することができ、大幅なプロセスの短縮によるコストダウンを実現できる。
本発明の透明電極配線パターン付き基板における、透明電極配線パターン部と電極パターン化領域(ギャップ)の好ましい態様例としては、後述する実施例3の図6に示した、単一のパターンの場合、構造体の高さHが400〜600nmで、透明電極パターンの水平方向の抵抗値と隙間領域の垂直方向の抵抗値の比(抵抗比)が、1E+04オーダーである透明電極付き基板を利用するものが挙げられる。この水準の抵抗比であれば、透明電極配線パターン付き基板のギャップとして機能する。
即ち、透明電極配線パターンのギャップの抵抗値は、基本的に大きな値が求められる。例えば透明電極配線パターンは、電圧駆動型の電気泳動表示素子や液晶表示素子と、電流駆動型の有機EL表示素子では、必要とされる抵抗比が異なり、電圧駆動型はリーク電流の影響が少ないため、比較的小さな抵抗比(1E+03オーダー)でも許容される。
より具体的には、例えば一般的なA5サイズ程度でVGAクラスの液晶表示素子の場合、透明導電膜のシート抵抗は約15Ω/□以下とする必要がある。このとき、水平方向の透明電極配線パターン部を300μm幅で200mm程度のパターン長のような代表例とすると、ライン抵抗は約10kΩになり、印加した駆動電圧の降下による表示ムラが許容される下限の抵抗値となる。
これに対して、ギャップの抵抗値は、理想的には単一の構造体の高さ800nmに相当する1E+05オーダーとなる数百MΩ以上の絶縁状態が望ましいが、例えば上記のような液晶表示素子に用いた場合を考えると、印加した駆動電圧のクロストークによる表示劣化が許容されるのは約10MΩ以上であり、透明電極パターンの水平方向の抵抗値と隙間領域の垂直方向の抵抗値の比(抵抗比)で1E+03程度のパターン間抵抗値に相当する。図6によれば、このような所望の抵抗比(1E+03)が得られる単一のパターンからなる構造体の高さHは約300nmである。
透明電極配線パターン付き基板の作製に用いる前記構造体を有する基板は、成型転写により作製することが望ましい。したがって、成形転写により溝付き基板を作製する光ディスク媒体の場合と同様に、構造体の高さと電極パターン幅の比であるアスペクトは1以下が望ましく、更に成型転写が容易な深さ(構造体の高さ)として、100〜200nmが望ましい。代表的な値としては、構造体上の電極パターンピッチが400nm、構造体の高さが150nmでアスペクト0.38程度である。
前記構造体を有する基板を用いて透明電極配線パターン付き基板を作製した場合、後述する図6の場合には、構造体の高さ150nmにおける抵抗比は1E+02程度であるため、透明電極配線パターンのギャップに必要十分な1E+03以上の抵抗値を得るには、構造体による凸状構造と平行な電極パターンの本数が、(1E+03)/(1E+02)=10本以上必要となる。
図8(a)、図8(b)における電極パターン化領域(ギャップ)の電極パターンの本数(N)を10本とした場合、電極パターン化領域として400nm×10本=4μmの幅の領域が必要となる。前述した、水平方向の透明電極配線パターン部の幅が300μmである液晶表示素子の代表例に適用すると、透明電極配線パターン部の幅に比べてギャップを十分小さく設計でき、画素の開口率が約97%と高く良好な表示が可能となる。
なお、前述のように単一のパターンにより抵抗比1E+03を得ることができる構造体の高さは約300nmであり、ドライエッチングを用いれば対応する深い構造体を形成できるが、非常にコストの高い基板となってしまう。
本発明の透明電極配線パターン付き基板においては、透明基板のサイズや透明電極配線パターンの幅、ピッチ、ギャップ、長さなどに応じて、構造体の本数を変更することにより、透明電極配線パターン間のギャップの高抵抗化の程度を自由に変えられるので、フォトリソグラフィを用いることなく、かつ、簡易な複製によって低コストで多種多様な透明電極配線パターン付き基板を作製することができる。
例えば、前記ギャップを構成する構造体上に形成された透明電極パターンの水平方向の抵抗値をX、隙間領域の垂直方向の抵抗値をY、前記電極パターン化領域の構造体の本数をN、所望の累積する抵抗値をZとして、(Y/X)×N≧Zとなるように設計することにより、各種の表示素子に適用可能な透明電極配線パターン付き基板を得ることができる。すなわち、まず前記ギャップを構成する構造体の加工方法(任意)に応じた所望の構造体の高さHを決定する。次に、抵抗比Y/Xのグラフから所望の高さHに対応する単一(1本当り)の抵抗比Y/X値を読み取る。次に、表示素子の種類に応じて透明電極配線パターンのライン抵抗値Xと、電極パターン化領域の所望の累積する絶縁抵抗値Zを設定する。次に、構造体の本数NをZ/(Y/X)によって算出する。なお、実際の設計値においては、十分大きな絶縁抵抗値を確保するため、算出された本数Nのマージン分を加算しておくことが望ましく、≧Zとなるようにしている。このように、表示素子の設計パラメータから、所望の累積する抵抗値Zに対して、本数Nの算出結果を合致させ十分大きなZ値を用いることにより、容易に透明電極配線パターン付き基板を設計することが可能となる。
以下、実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1
図3に本発明の透明電極付き基板を作製するための工程フローを示す。
(1)製膜工程
洗浄した石英基板上に、光吸収層となる相変化材料AgInSbTeを膜厚が12nmになるようにDCスパッタリング法で形成した後、この上にパターン形成層となる誘電体材料ZnS−SiOを膜厚が75nmになるようにRFスパッタリング法で形成して、レジスト層を形成する。相変化材料AgInSbTeの組成比は、Agが0.2〜1.5原子%、Inが3〜6原子%、Sbが60〜80原子%、Teが20〜30原子%であることが好ましく、本実施例では、Ag:In:Sb:Te=0.5:5:70.5:24とした。誘電体材料ZnS−SiOのZnSとSiOの組成比は、ZnSが60〜90モル%であることが好ましく、特に80モル%前後のときに逆テーパー形状のテーパー角が大きくなるので好ましい。本実施例では80モル%とした。
(2)描画工程
(1)で作製した基板上に、NA0.65の対物レンズで集光した波長650nmのレーザビームを照射し、電極パターンに対応する潜像を形成する。レーザビームの集光点付近のパワーは1〜4mW、走査速度は1〜4m/sとするが、レーザパワー及び走査速度は構造体の幅、誘電体材料層の膜厚によって変える。本実施例ではレーザパワー3mW、走査速度は4m/sとした。
レーザビーム照射によって光吸収層で熱が発生し、その熱によってパターン形成層が熱変質し、潜像が形成される。レーザビームの非照射部、すなわち、パターン形成層の熱変質していない部分は、次の現像工程においてエッチング液により除去され、レーザビーム照射部が構造体として基板上に形成される。
(3)現像工程
潜像を形成した基板をフッ酸水溶液に浸漬した後、水洗すると、レーザビームが照射されなかった部分がフッ酸水溶液で除去され、基板上にレーザ照射に応じたZnS−SiO層及びAgInSbTe層からなる凸部が形成される。このとき、凸部の、電極パターンの長手方向と直交する方向の断面形状は逆テーパー形状になる。
現在のところ、断面形状が逆テーパーになる理由は良く判っていないが、レーザビーム照射によるパターン形成層内の温度分布が、光吸収層との界面側が高温となるガウス分布になっているため、光吸収層との界面側が狭く、パターン形成層表面側が広い逆テーパー形状になると考えている。
(4)光吸収層除去工程
Arイオンスパッタエッチングによりレーザビーム未照射部の光吸収層を除去し、レーザ光未照射部の基板表面を石英にする。
(5)石英エッチング工程
パターン形成層及び光吸収層でできた配線パターンをマスクにして、反応性イオンエッチング(RIE)により石英基板をエッチングする。電極パターンの高さ(エッチングの深さ)は、エッチング時間で制御できる。本実施例では、エッチングガスとしてCHFを用い、RF100Wで18分エッチングを行い、高さ500nmの電極パターンを形成した。
(6)光吸収層及びパターン形成層除去工程
パターン形成層を塩酸水溶液によりエッチングし、次いで光吸収層を水酸化ナトリウム水溶液で除去した後、十分な水洗を行うことにより、構造体が石英基板上に形成される。
(7)透明導電膜形成工程
(6)で得られた基板上に、透明導電膜をスパッタ法や蒸着法で形成する。ステップカバレージ、製膜速度の観点からはスパッタ法が好ましい。透明導電膜の材料としてはITO、AZO、SnO等を用いる。本実施例ではスパッタ法によりITOを製膜した。
本実施例における透明導電膜の膜厚は、構造体上で150nm、構造体に挟まれた基板上で20nmであった。
本実施例では、石英基板上に透明導電膜を形成する場合の工程について説明したが、石英基板をモールドとして利用し、このモールドから複数の樹脂基板を複製すれば、基板ごとにパターンを描画する必要がないため生産性が向上する。この場合、転写した樹脂基板は石英基板と凹凸が反転した形状になるから、これを考慮して石英基板をパターニングする。
また、石英基板から公知技術を用いてNiモールド(Niスタンパ)を作製し、Niモールドから樹脂基板に配線パターンを転写して透明基板を作製すれば、更に生産コストを削減できる。
図4に、石英基板上に石英からなるライン状の構造体を形成し、その上に透明導電膜であるITOを膜厚150nm製膜したときの電子顕微鏡写真を示す。構造体の高さは約500nmである。構造体間の基板上及び構造体の側壁の膜厚に比べて、構造体上の膜厚が厚くなっていることが分かる。この基板において、構造体と平行する方向の抵抗値に対して、構造体と直行する方向の抵抗値は約10倍高くなっていた。この基板は透明電極付き基板として使用できることを確認した。
実施例2
図5に、構造体の、電極パターンの長手方向と直交する方向の断面形状が逆テーパー形状である、本発明の透明電極付き基板を作製するための工程フローを示す。
(1)〜(4)の工程については、誘電体材料層(ZnS−SiO)の膜厚を、設定した構造体の高さに合わせて変更する点以外は、実施例1の場合と同様である。
本実施例では誘電体材料層の膜厚を500nmとした。なお、(3)現像工程で形成される逆テーパー形状の凸部は、本実施例ではそのまま構造体となる。
(5)透明導電膜形成工程では、構造体が形成された基板上に、透明導電膜としてITOをスパッタ法で形成し、構造体上部の陰になっている構造体の側壁面及び構造体と基板との境界にITOが形成されていない透明電極付き基板を作製した。
本実施例における透明導電膜の膜厚は、構造体上で150nm、構造体に挟まれた基板上で20nmであった。
実施例3
構造体の高さを変えた点以外は、実施例1と同様にして透明電極付き基板を作製した。
図6は、これらの透明電極付き基板について、構造体に対して直交方向の抵抗値と平行方向の抵抗値との抵抗比が、構造体の高さHによってどのように変化するかを調べた結果である。なお、構造体の断面形状はほぼ矩形である。
図から、構造体の高さが高くなるほど抵抗比は大きくなることが分かる。しかし、構造体を有する透明電極付き基板を熱インプリント法や光インプリント法などで複製することを考慮すると、単一のパターンからなる構造体の高さは300〜800nmが好ましく、抵抗比が1E+04オーダーになる400〜600nmがより好ましい。
実施例4
本実施例の液晶表示素子は、透明導電膜のシート抵抗を約15Ω/□とし、水平方向の透明電極配線パターン部を300μm幅で200mm程度のパターン長とすることにより、ライン抵抗を約10kΩとし、印加した駆動電圧の降下による表示ムラが許容される抵抗値としている。
上記液晶表示素子を、図8(a)、図8(b)に示す透明電極配線パターン付き基板を用いて作製した。その際、隣り合う透明電極配線パターン部間に形成された、複数の透明電極パターンと隙間領域が交互に形成された電極パターン化領域(ギャップ)として、本発明の凸状の構造体を有する透明電極付き基板を利用した。
上記透明電極配線パターン付き基板は、透明電極配線パターン部となる平坦な領域がライン状に形成され、該ライン状の平坦な領域の間に、これと平行な構造体による微細な段差がライン状に形成された透明基板を用意し、この透明基板全面に透明導電膜を成膜している。これにより、段差エッジにおいて透明導電膜に段切れが生じ、結果的に複数の透明電極パターンと隙間領域が交互に形成された電極パターン化領域(ギャップ)が形成され、電気的な高抵抗状態が得られる。
なお、電極パターン化領域(ギャップ)の抵抗値は、理想的には数十MΩ以上の絶縁状態が望ましいが、液晶表示素子に用いた場合には、印加した駆動電圧のクロストークによる表示劣化が許容されるのは約10MΩ以上であり、透明電極パターンの水平方向の抵抗値と隙間領域の垂直方向の抵抗値の比(抵抗比)で1E+03程度のパターン間抵抗値に相当する。図6によれば、このような所望の抵抗比(1E+03)が得られる単一のパターンからなる構造体の高さHは約300nmである。
本実施例においては、透明電極配線パターン付き基板の作製に用いる前記構造体を有する基板は、成型転写により作製している。このとき、成形転写により溝付き基板を作製する光ディスク媒体の場合と同様に、構造体の高さと電極パターン幅の比であるアスペクトは、成型転写が容易な深さ(構造体の高さ)として、100〜200nmの範囲となるように、構造体上の透明電極パターンピッチが400nm、構造体の高さが150nmでアスペクト0.38程度である。
次に、前記構造体を有する基板を用いて透明電極配線パターン付き基板を作製した場合、後述する図6の場合には、構造体の高さが150nmにおける抵抗比は1E+02程度であるため、透明電極配線パターンのギャップに必要十分な1E+03以上の抵抗値Zを得るには、構造体による凸状構造と平行な透明電極パターンの本数が、(1E+03)/(1E+02)=10本以上となる。
そこで、図8(a)、図8(b)における電極パターン化領域(ギャップ)の電極パターンの本数(N)を10本として、電極パターン化領域の幅を400nm×10本=4μmとした。前述した、水平方向の透明電極配線パターン部の幅が300μmである液晶表示素子に適用すると、透明電極配線パターン部の幅に比べてギャップを十分小さく設計でき、画素の開口率が約97%と高く良好な表示が可能となった。
なお、前述のように単一のパターンにより抵抗比1E+03を得ることができる構造体の高さは約300nmであり、ドライエッチングを用いれば深い構造体を形成できるが、非常にコストの高い基板となってしまう。これに対し、本実施例では生産性の高い成型基板に透明導電膜をスパッタ法により成膜するだけで、フォトリソグラフィによるエッチングを行うことなく低コストで透明電極配線パターン付き基板を作製することができた。
特開平4−64123号公報 国際公開06/068204号パンフレット

Claims (8)

  1. 電極パターンに対応した凸状の構造体が形成された透明基板上に、酸化物からなる透明導電膜で形成された電極を有し、構造体上の透明導電膜の膜厚が、構造体に挟まれた透明基板上及び構造体の側壁に形成された透明導電膜の膜厚よりも厚いことを特徴とする透明電極付き基板。
  2. 前記構造体が透明基板と同じ材質で形成されており、その高さが100〜800nmであることを特徴とする請求項1に記載の透明電極付き基板。
  3. 前記構造体が、相変化材料層とその上に積層された誘電体材料層からなり、構造体の、電極パターンの長手方向と直交する方向の断面形状が逆テーパー形状であることを特徴とする請求項1に記載の透明電極付き基板。
  4. 前記構造体と透明基板との境界部に透明導電膜が形成されていないことを特徴とする請求項3に記載の透明電極付き基板。
  5. 透明導電膜が、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズのいずれかを主成分とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の透明電極付き基板。
  6. 次の(a)〜(d)の工程からなることを特徴とする透明基板上に透明電極パターンが形成された透明電極付き基板の製造方法。
    (a)透明基板上に相変化材料層と誘電体材料層とからなるレジスト層を形成する工程
    (b)レジスト層上に電極パターンに対応したパターンをレーザビームで照射し、潜像を形成する工程
    (c)現像処理によりレーザビーム非照射部を溶解し、相変化材料及び誘電体材料からなり、電極パターンの長手方向と直交する方向の断面形状が逆テーパー形状である凸状の構造体を透明基板上に形成する工程
    (d)透明基板上のレーザビーム未照射部の相変化材料層を除去する工程
    (e)透明基板上に透明導電膜を形成する工程
  7. 透明電極配線パターンと該パターン間の電極パターン化領域(ギャップ)を有する透明電極配線パターン付き基板であって、前記電極パターン化領域が請求項1〜5のいずれかに記載の透明電極付き基板からなり、凸状の構造体を利用した複数の透明電極パターンと隙間領域が交互に形成されていることを特徴とする透明電極配線パターン付き基板。
  8. 前記構造体上に形成された透明電極パターンの水平方向の抵抗値をX、隙間領域の垂直方向の抵抗値をY、前記電極パターン化領域の構造体の本数をN、所望の累積する抵抗値をZとして、(Y/X)×N≧Zであることを特徴とする請求項7に記載の透明電極配線パターン付き基板。
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