JP2011084603A - 帯電防止性プロピレン系樹脂組成物 - Google Patents

帯電防止性プロピレン系樹脂組成物 Download PDF

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隆行 小野木
Yoshiaki Aso
善昭 麻生
Sunao Nagai
永井  直
Shiro Nakatsuka
史朗 中塚
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Abstract

【課題】低添加量で熱可塑性樹脂に十分な帯電防止能を付与する共重合体を含有しており、かつ物性低下の抑制された樹脂組成物および当該樹脂組成物を使用して成形した成形品を提供する。
【解決手段】
下記一般式(1)で表される共重合体(B)とポリプロピレンおよびポリエチレンとからなる樹脂組成物。
(式中、Aは炭素数2〜20のオレフィンの重合した基、R1及びR2は、水素原子あるいは炭素数1〜18のアルキル基でありかつ少なくともどちらか一方は水素原子であり、X1およびX2は、ポリアルキレングリコール構造を含んでなる同一または相異なる基を表す。)
【化1】
Figure 2011084603


【選択図】なし

Description

本発明は、伸びの改良されたポリオレフィン用帯電防止剤を含む樹脂組成物およびその成形体に関するものである。
ポリオレフィンに練りこんで帯電防止効果をもたらす帯電防止剤としては、大別して低分子型のもの、高分子型のものに分けられる。このうち、低分子型は、効果の安定性に問題があり、好ましくない場合がある。
これに対し、高分子型のポリオレフィン用帯電防止剤としては、ブロックポリマーなどが知られているが、必要添加量が多く、樹脂物性等に与える影響が好ましいものではなかった(特許文献1)。また、特にポリプロピレンに添加した際に引張伸びなどの樹脂物性に、改善の余地があった(特許文献2)。
特開2001−278985号公報 特開2009−24151号公報
本発明の課題は、プロピレン系樹脂に少量添加することで帯電防止効果を発現する、ポリプロピレンの物性低下を抑制する樹脂組成物および成形体を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、上記の課題を解決する手段を見出し、本発明の完成に至った。すなわち
(1)ポリプロピレン60重量部〜99重量部および85モル%以上のエチレンを構成単位として含むポリエチレン1重量部〜40重量部(ただし、ポリプロピレンとポリエチレンとの合計を100重量部とする)に対し、下記一般式(1)で表される共重合体(B)を0.1〜20重量部を含んでなる樹脂組成物(C)。
Figure 2011084603
(式中、Aは炭素数2〜20のオレフィンの重合した基、R1及びR2は、水素原子あるいは炭素数1〜18のアルキル基でありかつ少なくともどちらか一方は水素原子であり、X1およびX2は、同一または異なり、直鎖または分岐のポリアルキレングリコール基を表す。)
(2)前記一般式(1)で表される共重合体(B)において、X1およびX2が、同一または異なり、一般式(2)
Figure 2011084603
(式中、Eは酸素原子または硫黄原子を表し、X3はポリアルキレングリコール基、
または下記一般式(3)
Figure 2011084603
(式中、R3はm+1価の炭化水素基を表し、Gは同一または異なり、-OX4、-NX5X6(X4〜X6はポリアルキレングリコール基を表す)で表される基を表し、mはGの結合数であり1〜10の整数を表す)で表される基を表す)
または、一般式(4)
Figure 2011084603
(式中、X7,X8は同一または異なり、ポリアルキレングリコール基または上記一般式(3)で表される基を表す)である樹脂組成物(C)。
(3)一般式(1)で表される共重合体(B)において、X1またはX2のどちらか一方が下記一般式(5)
Figure 2011084603
(式中、X9、X10は同一または異なり、それぞれポリアルキレングリコール基を表し、Q1、Q2は同一または異なり、それぞれ2価のアルキレン基を表す)である樹脂組成物(C)。
(4)一般式(1)で表される共重合体(B)において、X1、X2の少なくともいずれか一方が、一般式(6)
Figure 2011084603
(式中、X11はポリアルキレングリコール基を表す)である樹脂組成物(C)。
(5)一般式(1)で表される共重合体(B)の成形体コア部における面積平均分散粒径が1μm以下であり、スキン部での分散相のアスペクト比が5以上であることを特徴とする前記いずれかに記載の樹脂組成物(C)を成形してなる成形体。
本発明により、帯電防止効果を有する樹脂組成物および成形体を提供する。
以下、本発明について説明する。
<共重合体(B)>
本発明において共重合体(B)は、下記一般式(1)で表される。
Figure 2011084603
(式中、Aは炭素数2〜20のオレフィンの重合した基、R1及びR2は、水素原子あるいは炭素数1〜18のアルキル基でありかつ少なくともどちらか一方は水素原子であり、X1およびX2は、同一または異なり、直鎖または分岐のポリアルキレングリコール基を表す。)
一般式(1)のAを構成する炭素数2〜20のオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセンなどのα-オレフィンが挙げられ、重合体としては、これらのオレフィンの単独重合体又は共重合体あるいは、特性を損なわない範囲で他の重合性の不飽和化合物と共重合したものであっても良い。これらのオレフィンの中でも特にエチレン、プロピレン、1-ブテンが好ましい。
Aで表される基の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと略す)により測定された数平均分子量(Mn)は、好ましくは400〜10000であり、より好ましくは500〜5000である。ここで本発明におけるAで表される基の分子量は、特に断りがない限りポリエチレン換算の値である。
一般式(1)においてAで表される基の、GPCにより測定された重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比、すなわち分子量分布(Mw/Mn)は、特に制限はなく、1.0〜数十のものがあるが、物性の均一性などの点で4.0以下のもの、特に3.0以下のものが好ましい。
GPCによる、Aで表される基の数平均分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)は、例えば、ミリポア社製GPC-150を用い以下の条件の下で測定できる。
分離カラム:TSK GNH HT(カラムサイズ:直径7.5mm,長さ:300mm)
カラム温度:140℃
移動相:オルトジクロルベンゼン(和光純薬社製)
酸化防止剤:ブチルヒドロキシトルエン(武田薬品工業社製)0.025重量%
移動速度:1.0ml/分
試料濃度:0.1重量%
試料注入量:500マイクロリットル
検出器:示差屈折計。
なお、Aで表される基の分子量は、後述の、一方の末端に不飽和基を有するポリオレフィンの分子量を測定し、末端の分子量相当を差し引くことで測定できる。
R1,R2としては、Aを構成するオレフィンの2重結合に結合した置換基である水素または炭素数1〜18の炭化水素基であり、好ましくは水素、メチル基、エチル基、プロピル基などである。
一般式(1)において、X1,X2は同一または異なり、直鎖または分岐のポリアルキレングリコール基を表し、分子量がそれぞれ好ましくは50〜10000であり、特に好ましくは100〜5000である。ここで、X1、X2の分子量は特に断りのない限り絶対分子量を示す。分子量がこの範囲より小さいと帯電防止効果が低く、この範囲より大きいと界面での剥離を生じ機械物性が低下したり、帯電防止性が低下したりする。
分岐アルキレングリコール基の分岐態様は、多価の炭価水素基あるいは窒素原子を介した分岐等である。例えば、主骨格の他に2つ以上の窒素原子または酸素原子または硫黄原子に結合した炭化水素基による分岐や、主骨格の他に2つのアルキレン基と結合した窒素原子による分岐等が挙げられる。
一般式(1)で表される共重合体(B)の数平均分子量は、好ましくは500〜30000であり、より好ましくは800〜15000である。特に樹脂組成物(C)を射出成形体として成形する場合には、成形体のスキン層で末端分岐型重合体の分散相が帯状に配向することにより帯電防止性が向上する。したがって、共重合体(B)の数平均分子量は小さいほうが好ましく、特に好ましくは500〜5000、さらに好ましくは800〜3000である。
その数平均分子量は、Aで表される基と、X1およびX2、R1,R2およびC2H分の数平均/絶対分子量の総和で表される。
一般式(1)で表される共重合体(B)において、X1およびX2の好ましい例としては、それぞれ同一または異なり、一般式(2)
Figure 2011084603
(式中、Eは酸素原子または硫黄原子を表し、X3はポリアルキレングリコール基、または下記一般式(3)
Figure 2011084603
(式中、R3はm+1価の炭化水素基を表し、Gは同一または異なり、-OX4、-NX5X6(X4〜X6はポリアルキレングリコール基を表す)で表される基を表し、mはGの結合数であり1〜10の整数を表す)で表される基を表す)
または、一般式(4)
Figure 2011084603
(式中、X7,X8は同一または異なり、ポリアルキレングリコール基または上記一般式(3)で表される基を表す)で表される基である。
一般式(3)において、R3で表される基としては、炭素数1〜20のm+1価の炭化水素基であり、mは1〜10であるが、1〜6が好ましく、1〜2が特に好ましい。
一般式(1)で表される共重合体(B)の好ましい例としては、一般式(1)中、X1、X2のどちらか一方が、一般式(4)で表される基である共重合体(B)が挙げられる。さらに好ましい例としては、X1、X2のどちらか一方が一般式(4)で表され、他方が、一般式(2)で表される基である共重合体(B)が挙げられる。
一般式(1)で表される共重合体(B)の別の好ましい例としては、一般式(1)中、X1およびX2の一方が、一般式(2)で表される基であり、更に好ましくはX1およびX2の両方が一般式(2)で表される基である共重合体(B)が挙げられる。
一般式(4)で表されるX1およびX2のさらに好ましい構造としては、一般式(5)
Figure 2011084603
(式中、X9、X10は同一または異なり、ポリアルキレングリコール基を表し、Q1、Q2は同一または異なり、それぞれ2価の炭化水素基を表す)で表される基である。
一般式(5)においてQ1,Q2で表される2価の炭化水素基は、炭素数2〜20の炭化水素基であり、置換基を有していてもいなくてもよく、例えば、エチレン基、メチルエチレン基、エチルエチレン基、ジメチルエチレン基、フェニルエチレン基、クロロメチルエチレン基、ブロモメチルエチレン基、メトキシメチルエチレン基、アリールオキシメチルエチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、シクロヘキシレン基等が挙げられる。好ましいアルキレン基としては、炭化水素系のアルキレン基であり、特に好ましくは、エチレン基、メチルエチレン基であり、さらに好ましくは、エチレン基である。Q1,Q2は1種類のアルキレン基でもよく2種以上のアルキレン基が混在していてもよい。
一般式(2)で表されるX1およびX2のさらに好ましい構造としては、一般式(6)
Figure 2011084603
(式中、X11はポリアルキレングリコール基を表す)で表される基である。
X3〜X11で表されるポリアルキレングリコール基とは、アルキレンオキシドを付加重合することによって得られる基である。X3〜X11で表されるポリアルキレングリコール基を構成するアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、メチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。これらの中で、好ましくは、プロピレンオキシド、エチレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシドである。より好ましくはプロピレンオキシド、及びエチレンオキシドであり、特に好ましくは、エチレンオキシドである。X3〜X11で表されるポリアルキレングリコール基としては、これらのアルキレンオキシドの単独重合により得られる基でもよいし、もしくは2種以上の共重合により得られる基でもよい。好ましいポリアルキレングリコール基の例としては、ポリエチレングリコール基、ポリプロピレングリコール基、またはポリエチレンオキシドとポリプロピレンオキシドの共重合により得られる基であり、特に好ましい基としては、ポリエチレングリコール基である。
本発明の重合体は、次の方法によって製造することができる。
最初に、目的とする重合体中、一般式(1)で示されるAの構造に対応するポリマーとして、一般式(7)
Figure 2011084603
(式中、Aは、炭素数2〜20のオレフィンの重合した基、R1及びR2は、水素原子あるいは炭素数1〜18のアルキル基でありかつ少なくともどちらか一方は水素原子を表す。)で示される、片末端に二重結合を有するポリオレフィンを製造する。
このポリオレフィンは、以下の方法によって製造することができる。
(1)特開2000−239312号公報、特開2001−2731号公報、特開2003−73412号公報などに示されているようなサリチルアルドイミン配位子を有する遷移金属化合物を重合触媒として用いる重合方法。
(2)チタン化合物と有機アルミニウム化合物とからなるチタン系触媒を用いる重合方法。
(3)バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなるバナジウム系触媒を用いる重合方法。
(4)ジルコノセンなどのメタロセン化合物と有機アルミニウムオキシ化合物(アルミノキサン)とからなるチーグラー型触媒を用いる重合方法。
上記(1)〜(4)の方法の中でも、特に(1)の方法によれば、上記ポリオレフィンを収率よく製造することができる。(1)の方法では、上記サリチルアルドイミン配位子を有する遷移金属化合物の存在下で、前述したオレフィンを重合または共重合することで上記片方の末端に二重結合を有するポリオレフィンを製造することができる。
(1)の方法によるオレフィンの重合は、溶解重合、懸濁重合などの液相重合法または気相重合法のいずれによっても実施できる。詳細な条件などは既に公知であり上記特許文献を参照することができる。
(1)の方法によって得られるポリオレフィンの分子量は、重合系に水素を存在させるか、重合温度を変化させるか、または使用する触媒の種類を変えることによって調節することができる。
次に、上記ポリオレフィンをエポキシ化して、すなわち上記ポリオレフィンの末端の二重結合を酸化して、一般式(8)で示される末端にエポキシ基を含有する重合体を得る。
Figure 2011084603
(式中、A、R1及びR2は前述の通り。)
かかるエポキシ化方法は特に限定されるものではないが、以下の方法を例示することができる。
(1)過ギ酸、過酢酸、過安息香酸などの過酸による酸化
(2)チタノシリケートおよび過酸化水素による酸化
(3)メチルトリオキソレニウム等のレニウム酸化物触媒と過酸化水素による酸化
(4)マンガンポルフィリンまたは鉄ポルフィリン等のポルフィリン錯体触媒と過酸化水素または次亜塩素酸塩による酸化
(5)マンガンSalen等のSalen錯体と過酸化水素または次亜塩素酸塩による酸化
(6)マンガン−トリアザシクロノナン(TACN)錯体等のTACN錯体と過酸化水素による酸化
(7)タングステン化合物などのVI族遷移金属触媒と相間移動触媒存在下、過酸化水素による酸化
上記(1)〜(7)の方法の中でも、活性面で特に(1)および(7)の方法が好ましい。
また、例えばMw400〜600程度の低分子量の末端エポキシ基含有重合体はVIKOLOXTM(登録商標、Arkema社製)を用いることができる。
上記方法で得られた一般式(8)で表される末端エポキシ基含有重合体に種々の反応試剤を反応させることにより、一般式(9)で表されるようにポリマー末端のα、β位に様々な置換基Y1、Y2が導入された重合体(重合体(I))を得ることが出来る。
Figure 2011084603
(式中、A、R1,R2は前述の通り。Y1、Y2は同一または異なり水酸基、アミノ基、または下記一般式(10a)〜(10c)を表す)
Figure 2011084603
Figure 2011084603
Figure 2011084603
(式中、Eは酸素原子または硫黄原子を表し、R3はm+1価の炭化水素基を表し、Tは同一または異なり水酸基、アミノ基を表し、mはTの結合数を表し、1〜10の整数を表す)
例えば、一般式(8)で表される末端エポキシ基含有重合体を加水分解することにより、一般式(9)においてY1、Y2が両方とも水酸基である重合体が得られ、アンモニアを反応させることによりY1、Y2の一方がアミノ基、他方が水酸基の重合体が得られる。
また、末端エポキシ基含有重合体と一般式(11a)で示される反応試剤Aを反応させることにより、一般式(9)においてY1、Y2の一方が一般式(10a)に示される基で他方が水酸基の重合体が得られる。
Figure 2011084603
(式中、E、R3、T、mは前述の通りである。)
また、末端エポキシ基含有重合体と一般式(11b)、(11c)で示される反応試剤Bを反応させることにより、一般式(9)においてY1、Y2の一方が一般式(10b)または(10c)に示される基で他方が水酸基の重合体が得られる。
Figure 2011084603
Figure 2011084603
(式中、R3、T、mは前述の通りである。)
一般式(11a)で示される反応試剤Aとしては、グリセリン、ペンタエリスリトール、ブタントリオール、ジペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール、ジヒドロキシベンゼン、トリヒドロキシベンゼン等を挙げることができる。
一般式(11b)、(11c)で示される反応試剤Bとしては、エタノールアミン、ジエタノールアミン、アミノフェノール、ヘキサメチレンイミン、エチレンジアミン、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ジエチレントリアミン、N-(アミノエチル)プロパンジアミン、イミノビスプロピルアミン、スペルミジン、スペルミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン等を挙げることができる。
エポキシ体とアルコール類、アミン類との付加反応は周知であり、通常の方法により容易に反応が可能である。
一般式(1)で表される共重合体(B)は一般式(9)で示される重合体(I)を原料として、アルキレンオキシドを付加重合することにより製造することができる。アルキレンオキシドとしては、プロピレンオキシド、エチレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、メチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。これらは2種以上併用してもよい。これらの中で、好ましくは、プロピレンオキシド、エチレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシドである。より好ましくはプロピレンオキシド、及びエチレンオキシドである。
触媒、重合条件などについては、公知のアルキレンオキシドの開環重合方法を利用することができ、例えば、大津隆行著,「改訂高分子合成の化学」,株式会社化学同人,1971年1月,p.172−180には、種々の単量体を重合してポリオールを得る例が開示されている。開環重合に用いられる触媒としては、上記文献に開示されたように、カチオン重合向けにAlCl3、SbCl5、BF3、FeCl3のようなルイス酸、アニオン重合向けにアルカリ金属の水酸化物またはアルコキシド、アミン類、フォスファゼン触媒、配位アニオン重合向けにアルカリ土類金属の酸化物、炭酸塩、アルコキシドあるいは、Al、Zn、Feなどのアルコキシドを用いることができる。ここで、フォスファゼン触媒としては、例えば、特開平10−77289号公報に開示された化合物、具体的には市販のテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)フォスフォラニリデンアミノ]フォスフォニウムクロリドのアニオンをアルカリ金属のアルコキシドを用いてアルコキシアニオンとしたものなどが利用できる。
反応溶媒を使用する場合は、重合体(I)、アルキレンオキシドに対して不活性なものが使用でき、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジオキサン等のエーテル類、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素などが挙げられる。
触媒の使用量はホスファゼン触媒以外については原料の重合体(I)の1モルに対して、0.05〜5モルが好ましく、より好ましくは0.1〜3モルの範囲である。ホスファゼン触媒の使用量は、重合速度、経済性等の点から、重合体(I)の1モルに対して1×10−4〜5×10−1モルが好ましく、より好ましくは5×10−4〜1×10−1モルである。
反応温度は通常25〜180℃、好ましくは50〜150℃とし、反応時間は使用する触媒の量、反応温度、オレフィン類の反応性等の反応条件により変わるが、通常数分〜50時間である。
一般式(1)で表される共重合体(B)の数平均分子量は、一般式(9)で示される重合体(I)の数平均分子量と、重合に用いる重合体(I)の重量、重合させるアルキレンオキシドの重量から計算することができる。
<樹脂組成物(C)>
以下に本発明で示す樹脂組成物(C)について詳述する。
本発明で使用するポリプロピレンとは、重合体構成単位としてプロピレン単位が少なくとも51モル%以上含有されるポリオレフィンを意味する。ポリプロピレンは、公知の方法で製造されたものを用いることができ、例えば高立体規則性触媒を用いてスラリー重合、気相重合あるいは液相塊状重合により製造されるもので重合方法としてはバッチ重合、連続重合のどちらの方法も採用することができる。
本発明に係るポリプロピレンとしては、プロピレンを構成単位として少なくとも51モル%以上、好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは80%以上含むものであり、他の構成成分としてはα−オレフィンとしては、エチレンまたは炭素数4〜20のα−オレフィン、具体的には1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセンなどがあげられる。これらは1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
ポリプロピレンの立体規則性は目的に応じて選択することができる。具体的には、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、アタクチックポリプロピレンなどが例示される。特に立体規則性の高いアイソタクチックポリプロピレンが耐熱性や剛性の観点から好ましい。また、その目的に応じてホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレンなど種々の単独もしくは共重合ポリプロピレンを使用することができる。
ポリプロピレンは、MFR(ASTM D−1238、230℃、2.16kg荷重)が0.5〜100g/10分であり、1〜50g/10分が好ましく、1〜20g/10分がさらに好ましい。
本発明で使用するポリエチレンとは、重合体構成単位としてエチレン単位が少なくとも85モル%以上含有されるポリオレフィンを意味する。ポリエチレンは、ポリプロピレンと同様の公知の方法で製造されたものを用いることができる。
本発明に係るポリエチレンとしては、エチレンを構成単位として少なくとも85モル%以上、好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは93モル%以上含むものである。エチレンの量がこれより少ないと引張伸びなどの機械物性は改善されるものの、表面固有抵抗値が著しく増加し、帯電防止性が低下する。エチレンの他の構成成分としてはα−オレフィンとしては、炭素数3〜20のα−オレフィン、具体的には1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセンなどがあげられる。これらは1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
ポリエチレンは、MFR(ASTM D−1238、190℃、2.16kg荷重)が0.01〜100g/10分であり、0.1〜20g/10分が好ましく、0.5〜10g/10分がさらに好ましい。
本発明における樹脂組成物(C)は、成形性と機械物性の両立の観点からそのメルトフローレート(ASTMD−1238、230℃、荷重2.16kg)が1〜70g/10分、好ましくは1〜30g/10分である。また、曲げ弾性率(ASTMD−790)が1000〜2800MPaであることが好ましい。
本発明における樹脂組成物(C)に配合する共重合体(B)の量は、要求される性能に応じて変えることができるが、十分な帯電防止性および機械的強度を持たせるために、ポリプロピレンとポリエチレンの合計量を100重量部として、共重合体(B)の添加量は、0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部、より好ましくは1〜5.0重量部である。添加量が多すぎると引張伸びなどの物性が低下し、添加量が少なすぎると帯電防止性が発現しない。
上記の樹脂組成物(C)には、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の塩、界面活性剤、及び他の高分子帯電防止剤(本発明の重合体による帯電防止剤以外の高分子帯電防止剤)からなる群から選ばれる少なくとも1種が含まれてもよい。これらの成分によれば、上記樹脂組成物(C)の帯電防止性をさらに向上させることができる。
アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の塩としては炭素数1〜20のモノカルボン酸またはジカルボン酸(例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、コハク酸等)、炭素数1〜20のスルホン酸(例えばメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等)、チオシアン酸などの有機酸のアルカリ金属、アルカリ土類金属と塩、ハロゲン化水素酸(例えば塩酸、臭化水素酸等)、臭化水素酸、過塩素酸、硫酸、リン酸などの無機酸の塩が好ましく例示できる。これらの中でも好ましいのは、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等のハライド、酢酸カリウム等の酢酸塩、及び過塩素酸カリウム等の過塩素酸塩である。
上記樹脂組成物(C)中におけるアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の塩の含有量は、プロピレン系樹脂組成物(C)に対して通常0.001〜3重量%、好ましくは0.01〜2重量%である。
界面活性剤としては、非イオン性、アニオン性、カチオン性または両性の界面活性剤を使用することができる。非イオン性界面活性剤としては、高級アルコールエチレンオキシド付加物、脂肪酸エチレンオキシド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキシド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキシド付加物等のポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤;ポリエチレンオキシド、グリセリンの脂肪酸エステル、ペンタエリスリットの脂肪酸エステル、ソルビット若しくはソルビタンの脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミンの脂肪族アミド等の多価アルコール型非イオン界面活性剤などが挙げられ、アニオン性界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸のアルカリ金属塩等のカルボン酸塩;高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルキルエーテル硫酸エステル塩等の硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩等のスルホン酸塩;高級アルコールリン酸エステル塩等のリン酸エステル塩などが挙げられ、カチオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩などが挙げられる。両性界面活性剤としては、高級アルキルアミノプロピオン酸塩等のアミノ酸型両性界面活性剤、高級アルキルジメチルベタイン、高級アルキルジヒドロキシエチルベタイン等のベタイン型両性界面活性剤などが挙げられ、これらは単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。
上記界面活性剤の中でも、アニオン性界面活性剤が好ましく、特に、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩等のスルホン酸塩が好ましい。
上記樹脂組成物(C)中における界面活性剤の含有量は、樹脂組成物(C)に対して通常0.001〜5重量%、好ましくは0.01〜3重量%である。
他の高分子帯電防止剤としては、例えば、公知のポリエーテルエステルアミド等の高分子型帯電防止剤を使用することができ、公知のポリエーテルエステルアミドとしては、例えば特開平7−10989号公報に記載のビスフェノールAのポリオキシアルキレン付加物からなるポリエーテルエステルアミドが挙げられる。
他の高分子帯電防止剤としては、ポリオレフィンブロックと親水性ポリマーブロックの結合単位が2から50の繰り返し構造を有するブロックポリマーを使用することができ、例えばUS6552131公報記載のブロックポリマーを挙げることができる。
上記樹脂組成物(C)中における他の高分子帯電防止剤の含有量は、樹脂組成物(C)に対して通常0〜40重量%、好ましくは5〜20重量%である。
また、上記樹脂組成物(C)中には、相溶化剤が含まれてもよい。相溶化剤によれば、本発明の重合体と他の熱可塑性樹脂との相溶性を向上させることができる。かかる相溶化剤としては、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、ヒドロキシル基及びポリオキシアルキレン基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基(極性基)を有する変性ビニル重合体、例えば特開平3−258850号公報に記載の重合体や、特開平6−345927号に記載のスルホニル基を有する変性ビニル重合体、あるいはポリオレフィン部分と芳香族ビニル重合体部分とを有するブロック重合体などが挙げられる。
樹脂組成物(C)には、本発明の目的を損ねない範囲で種々の無機充填剤を添加することができる。無機充填剤の例としては、タルク、クレー、炭酸カルシウム、マイカ、けい酸塩類、炭酸塩類、ガラス繊維などがあげられる。これらの中で特にタルクが好ましい。タルクとしてはまた、レーザー解析法で測定した平均粒径が1〜10μm、好ましくは2〜6μmのものが望ましい。無機充填剤は1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。
本発明の樹脂組成物(C)には、着色用カーボンブラックや酸化チタン等の着色剤を併合使用することができる。その他、必要に応じて、耐熱安定剤、帯電防止剤、耐候安定剤、耐光安定剤、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、軟化剤、分散剤、滑剤、顔料、染料、ガラス繊維、炭素繊維、可塑剤、離型剤、難燃剤、抗菌剤等などの添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
本発明における樹脂組成物(C)の製造には、ポリプロピレン、ポリエチレン、共重合体(B)、その他の無機充填剤・添加剤をどのような順序で混合しても良い。またその混合には、バンバリーミキサー、単軸押出機、二軸押出機等などの混合装置を用いて溶融混練する方法が好ましいが、これらの混合法に限るものではない。
混合に際しては、共重合体(B)を高濃度に含有するマスターバッチを予め形成しておいてもよい。その際、マスターバッチ中の共重合体(B)の濃度は、共重合体(B)と他の熱可塑性樹脂の合計重量に基づいて、10〜80重量%程度が望ましい。
上記樹脂組成物(C)を成形してなる成形体は、優れた帯電防止性を有するとともに、良好な塗装性及び印刷性を有する。樹脂組成物(C)の成形方法としては、射出成形、圧縮成形、カレンダー成形、スラッシュ成形、回転成形、押出成形、ブロー成形、フィルム成形(キャスト法、テンター法、インフレーション法等)などが挙げられ、目的に応じて任意の方法で成形できるが、特に射出成形体が好ましい。
上記樹脂組成物(C)を成形してなる成形体は、共重合体(B)の成形体コア部での面積平均分散粒径が1μm以下であり、スキン部での分散相のアスペクト比が5以上であることが好ましい。ここで成形体コア部とは成形体の中央付近を示し、スキン部とは成形体表面から20μmまでの部分を示す。コア部での分散粒径がこれよりも大きいと引張伸びなどの物性が低下し、スキン部でのアスペクト比がこれよりも小さいと前述したように表面での配向性が低下する結果、帯電防止性が低下する。
上記成形体を塗装する方法としては、例えばエアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、静電スプレー塗装、浸漬塗装、ローラー塗装、刷毛塗り等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。塗料としては、例えば、ポリエステルメラミン樹脂塗料、エポキシメラミン樹脂塗料、アクリルメラミン樹脂塗料、アクリルウレタン樹脂塗料等のプラスチックの塗装に一般に用いられる塗料を使用することができる。塗装膜厚は、目的に応じて適宜選択することができるが、通常10〜50μm(乾燥膜厚)である。
また、上記成形体に印刷する方法としては、一般的にプラスチックの印刷に用いられている印刷法であれば、いずれであってもよく、例えば、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷等が挙げられる。これらの印刷におけるインキとしては、プラスチックの印刷に通常用いられるものが使用できる。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
なお、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)はGPCを用い、本文中に記載した方法で測定した。また、融点(Tm)はDSCを用い、測定して得られたピークトップ温度を採用した。
1H-NMRについては、測定サンプル管中で重合体を、ロック溶媒と溶媒を兼ねた重水素化-1,1,2,2-テトラクロロエタンに完全に溶解させた後、120℃において測定した。ケミカルシフトは、重水素化-1,1,2,2-テトラクロロエタンのピークを5.92ppmとして、他のピークのケミカルシフト値を決定した。
表面固有抵抗測定は、23±2℃、50±5%RHに状態調節後、JIS−K6911に準じて行った。
共重合体(B)の分散相の分散粒径およびアスペクト比は透過型電子顕微鏡にて成形品のスキン層もしくはコア層エッヂビューを20個以上の粒子が観察可能な倍率で観察した。分散相の分散粒径は観察粒子の面積平均値を、アスペクト比は観察粒子の数平均値を採用した。
(合成例1)
特開2006−131870号公報の合成例2に従って、Mw=2058、Mn=1118、Mw/Mn=1.84(GPC)の末端エポキシ基含有エチレン重合体(E−1)を合成し、原料として用いた。

1H-NMR : δ(C2D2Cl4) 0.88(t, 3H, J = 6.92 Hz), 1.18 - 1.66 (m), 2.38 (dd,1H, J = 2.64, 5.28 Hz), 2.66 (dd, 1H, J = 4.29, 5.28 Hz) 2.80-2.87 (m, 1H)融点(Tm) 121℃

1000mLフラスコに、末端エポキシ基含有エチレン重合体(E−1) 84 g(Mn 1118として75mmol)、ジエタノールアミン39.4g (375mmol)、トルエン150g を仕込み、150℃にて4時間撹拌した。その後、冷却しながらアセトンを加え、反応生成物を析出させ、固体をろ取した。得られた固体をアセトン水溶液で1回、更にアセトンで3回撹拌洗浄した後、固体をろ取した。その後、室温にて減圧下乾燥させることにより、重合体(I−1)(Mn=1223、一般式(9)においてA:エチレンの重合により形成される基(Mn=1075)、R1=R2=水素原子、Y1、Y2の一方が水酸基、他方がビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ基)を得た。

1H-NMR : δ(C2D2Cl4) 0.88 (t, 3H, J = 6.6 Hz), 0.95-1.92 (m), 2.38-2.85 (m,6H), 3.54-3.71 (m, 5H)融点 (Tm) 121℃

窒素導入管、温度計、冷却管、撹拌装置を備えた500mLフラスコに、重合体(I−1)20.0g、トルエン100gを仕込み、撹拌しながら125℃のオイルバスで加熱し、固体を完全に溶解した。90℃まで冷却後、予め5.0gの水に溶解した323mgの85%KOHをフラスコに加え、還流条件で2時間混合した。その後、フラスコ内温度を120℃まで徐々に上げながら、水及びトルエンを留去した。さらに、フラスコ内にわずかな窒素を供給しながらフラスコ内を減圧とし、さらに内温を150℃まで昇温後、4時間保ち、フラスコ内の水及びトルエンをさらに留去した。室温まで冷却後、フラスコ内で凝固した固体を砕き、取り出した。

加熱装置、撹拌装置、温度計、圧力計、安全弁を備えたステンレス製1.5L加圧反応器に、得られた固体のうち18.0g及び脱水トルエン200gを仕込み、気相を窒素に置換した後、撹拌しながら130℃まで昇温した。30分後、エチレンオキシド18.0gを加え、さらに5時間、130℃で保った後、室温まで冷却し、反応物を得た。得られた反応物より溶媒を乾燥して除き、共重合体(B−1)(Mn=2446、一般式(1)においてA:エチレンの重合により形成される基(Mn=1075)、R1=R2=水素原子、X1、X2の一方が一般式(6)で示される基(X11=ポリエチレングリコール基)、他方が一般式(5)で示される基(Q1=Q2=エチレン基、X9=X10=ポリエチレングリコール基))を得た。

1H-NMR : δ(C2D2Cl4) 0.88(3H, t, J= 6.8 Hz), 1.06 - 1.50 (m), 2.80 - 3.20(m), 3.33 - 3.72 (m)
融点(Tm) 116℃
[実施例1]
東洋精機製作所製ラボプラストミルにて、温度140℃、回転数30rpm、混練時間5分の条件で、合成例1を必要回数繰り返して得た共重合体(B−1)100重量部に酢酸カリウム3重量部を加え、共重合体組成物(B’−1)を得た。
ポリプロピレン(株式会社プライムポリマー製ホモポリプロピレンJ106G(MFR(230℃ 2.16kg荷重)7.5、引張破壊伸び217%、表面固有抵抗値7.2×10^16))94.7重量部、ポリエチレン(株式会社プライムポリマー製リニアーローデンシティポリエチレンSP0540(コモノマーの共重合量6.3%、ポリエチレン換算の重量平均分子量6.4万、分子量分布2.1、MFR(190℃、2.16kg荷重)4.2、引張破壊伸び430%)5.3重量部、上記の共重合体組成物(B’−1)5.3重量部をドライブレンドし、東芝機械製TEM-26SS二軸押出機(L/D=60)にてシリンダー温度200℃で溶融混練し、樹脂組成物(C−1)を得た。得られた樹脂組成物(C−1)を用いて、日精樹脂工業株式会社製NEX-30射出成形機にてシリンダー温度200℃で試験片を成形した。得られた成形片のコア部分断面をTEM観察し画像解析をしたところ、共重合体(B−1)の分散相の面積平均分散粒径は0.3μmであり、スキン部断面をTEM観察し画像解析をしたところ、共重合体(B−1)の分散相のアスペクト比は12であった。また、引張試験片の引張伸びは86%、表面固有抵抗値を測定したところ、1.9×10^11Ωであった。引張伸び、帯電防止性ともに優れた結果となった。
[比較例1]
ポリプロピレン(株式会社プライムポリマー製ホモポリプロピレンJ106G)を94.7重量部、エチレン・ブテンランダムコポリマー(三井化学株式会社製タフマーA0550、エチレンの共重合量83モル%、MFR(230℃、2.16kg荷重)2.7、引張破壊伸び500%以上)5.3重量部、実施例1に記載の共重合体組成物(B’−1)5.3重量部を使用した以外は実施例1と同様な方法で溶融混練・成形を行った。得られた試験片の引張伸びは93%、表面固有抵抗値を測定したところ、3.8×10^14Ωであった。引張伸びは高いものの、帯電防止性が低い結果となった。
[比較例2]
ポリプロピレン(株式会社プライムポリマー製ホモポリプロピレンJ106G)を100重量部、実施例1に記載の共重合体組成物(B’−1)5.3重量部を使用した以外は実施例1と同様な方法で溶融混練・成形を行った。TEM観察し画像解析をしたところ、コア部での共重合体(B−1)の分散相の面積平均分散粒径は0.3μmであり、スキン部断面をTEM観察し画像解析をしたところ、共重合体(B−1)の分散相のアスペクト比は24であった。得られた試験片の引張伸びは19%、表面固有抵抗値を測定したところ、1.4×10^11Ωであった。帯電防止性を示しているものの、引張伸びが著しく低い値となった。
[実施例2]
ポリプロピレンとして株式会社プライムポリマー製ブロックポリプロピレンJ715M(MFR(230℃、2.16kg荷重)5.5、引張破壊伸び270%、表面固有抵抗値1.6×10^17)を使用した以外は、実施例1と同様な方法で溶融混練・成形を行った。得られた成形片のコア部分断面をTEM観察し画像解析をしたところ、コア部での共重合体(B)の分散相の面積平均分散粒径は0.3μmであり、スキン部断面をTEM観察し画像解析をしたところ、共重合体(B)の分散相のアスペクト比は8.3であった。得られた試験片の引張破壊伸びは157%、表面固有抵抗値は8.0×10^12であった。
[比較例3]
ポリプロピレン(株式会社プライムポリマー製ブロックポリプロピレンJ715M)を100重量部、実施例1に記載の共重合体組成物(B’−1)5.3重量部を使用した以外は実施例2と同様な方法で溶融混練・成形を行った。得られた成形片のコア部分断面をTEM観察し画像解析をしたところ、共重合体(B−1)の分散相の面積平均分散粒径は0.3μmであり、スキン部断面をTEM観察し画像解析をしたところ、共重合体(B−1)の分散相のアスペクト比は7.6であった。得られた試験片の引張破壊伸びは94%、表面固有抵抗値は8.8×10^12であった。
実施例と比較例とを比較すれば明らかなように、ポリプロピレンおよびポリエチレン、共重合体(B)を含む樹脂組成物(C)は改善された表面固有抵抗値を保ったまま改善された引張破壊伸びを有する。

Claims (5)

  1. ポリプロピレン60重量部〜99重量部および85モル%以上のエチレンを構成単位として含むポリエチレン1重量部〜40重量部(ただし、ポリプロピレンとポリエチレンとの合計を100重量部とする)に対し、下記一般式(1)で表される共重合体(B)を0.1〜20重量部を含んでなる樹脂組成物(C)。
    Figure 2011084603


    (式中、Aは炭素数2〜20のオレフィンの重合した基、R1及びR2は、水素原子あるいは炭素数1〜18のアルキル基でありかつ少なくともどちらか一方は水素原子であり、X1およびX2は、同一または異なり、直鎖または分岐のポリアルキレングリコール基を表す。)
  2. 一般式(1)で表される共重合体(B)において、X1およびX2が、同一または異なり、一般式(2)
    Figure 2011084603


    (式中、Eは酸素原子または硫黄原子を表し、X3はポリアルキレングリコール基、
    または下記一般式(3)
    Figure 2011084603


    (式中、R3はm+1価の炭化水素基を表し、Gは同一または異なり、-OX4、-NX5X6(X4〜X6はポリアルキレングリコール基を表す)で表される基を表し、mはGの結合数であり1〜10の整数を表す)で表される基を表す)
    または、一般式(4)
    Figure 2011084603


    (式中、X7,X8は同一または異なり、ポリアルキレングリコール基または上記一般式(3)で表される基を表す)である請求項1記載の樹脂組成物(C)。
  3. 一般式(1)で表される共重合体(B)において、X1またはX2のどちらか一方が下記一般式(5)
    Figure 2011084603

    (式中、X9、X10は同一または異なり、それぞれポリアルキレングリコール基を表し、Q1、Q2は同一または異なり、それぞれ2価のアルキレン基を表す)である請求項1記載の樹脂組成物(C)。
  4. 一般式(1)で表される共重合体(B)において、X1、X2の少なくともいずれか一方が、一般式(6)
    Figure 2011084603


    (式中、X11はポリアルキレングリコール基を表す)である請求項1記載の樹脂組成物(C)。
  5. 一般式(1)で表される共重合体(B)の成形体コア部における面積平均分散粒径が1μm以下であり、スキン部での分散相のアスペクト比が5以上であることを特徴とする請求項1乃至4に記載の樹脂組成物(C)を成形してなる成形体。
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