JP2011084513A - アリル化合物の製造方法 - Google Patents

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【課題】グリセリン化合物を原料として収率良くアリル化合物を製造する方法を提供する。
【解決手段】ハロゲン化合物と下記一般式(1)で表されるグリセリン化合物とを反応させるアリル化合物の製造方法。
Figure 2011084513

(式中、R1〜R3は各々独立に、水素原子、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、−COR4基、又は特定の置換基で置換された全炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基を表す。R4は、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、又は特定の置換基で置換された全炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明はアリル化合物の製造方法に関し、詳しくは、グリセリン化合物を原料とするアリル化合物の製造方法に関する。
アリル化合物は重合性の二重結合を有するモノマーであり、ポリマー合成における重合、共重合の基剤として用いられる重要な化学原料である。また、医薬品、グリシドール、エピクロロヒドリン等の原料としても用いられる重要な化学基剤である。アリル化合物の具体例としては、アリルアルコール、アリルアミン、ハロゲン化アリル、アリルエーテル、アクロレイン、アリルアセテート等が挙げられる。
アリルアルコールの製造方法としては、プロピレンオキシドの異性化やプロピレンの直接酸化等が工業的に行われている。しかし、原料であるプロピレンオキシドやプロピレンは石油化学原料であり、植物資源等の再生可能原料からの合成方法の確立が望まれる。このような観点から、主に植物資源より得られるグリセリンからアリルアルコールを製造することが考えられている。
グリセリンからアリルアルコールを合成した例として、例えば特許文献1及び非特許文献1には、グリセリンとギ酸とを反応させてアリルアルコールを合成する方法が開示されている。しかし、この方法は、グリセリンと等モル量のギ酸が消費されてしまうため、生産効率が低い。
また、例えば非特許文献2には、シクロペンタジエニルトリオキソレニウム錯体(CpReO3)固体触媒を用いてグリセリンとトリフェニルホスフィン(PPh3)とを反応させてアリルアルコールを合成する方法が開示されている。しかし、この方法は、グリセリンと等モル量のPPh3がトリフェニルホスフェート(O=PPh3)として消費されてしまうため、生産効率が低い。
また、例えば特許文献2には、モリブデン、鉄、バナジウムのうち少なくとも1種の元素を含有する固体触媒を用いてグリセリンからアリルアルコール合成する方法が開示されており、非特許文献3には、固体酸触媒を用いたアクロレイン合成時の副生成物としてアリルアルコールが生成することが開示されている。しかし、これらの方法は、アリルアルコールの収率及び選択性が低い。
国際公開第2008/092115号 特開2008−162907号公報
「Organic Syntheses」,Vol.1,p.1921(1941) 「Journal of American Chemical Society」,Vol.118,Iss.39,p.9448−9449(1996) 「Catalysis Letters」,Vol.127,No.3−4,p.419−428(2009)
本発明の課題は、グリセリン化合物を原料として収率良くアリル化合物を製造する方法を提供することにある。
本発明者は、グリセリン化合物からアリル化合物を製造するにあたり、ハロゲン化合物とグリセリン化合物とを反応させることで、高価な金属触媒を用いることなく低コストで収率良くアリル化合物を製造することができることを見出した。
すなわち、本発明は、ハロゲン化合物と下記一般式(1)で表されるグリセリン化合物とを反応させるアリル化合物の製造方法を提供する。
Figure 2011084513
(式中、R1、R2及びR3は各々独立に、水素原子、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、−COR4基、又は水酸基及び/もしくはカルボキシ基で置換された全炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基を表す。R4は、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、又は水酸基及び/もしくはカルボキシ基で置換された全炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基を表す。)
本発明によれば、再生可能原料であるグリセリン化合物を原料として、高価な金属触媒を用いることなく、低コストで収率良くアリル化合物を製造することができる。
[グリセリン化合物]
本発明に用いられるグリセリン化合物は、前記一般式(1)で表される構造を有する。前記一般式(1)において、R1、R2及びR3は各々独立に、水素原子、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、−COR4基、又は水酸基及び/もしくはカルボキシ基で置換された全炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基を表す。R4は、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、又は水酸基及び/もしくはカルボキシ基で置換された全炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基を表す。
炭素数1〜20の直鎖アルキル基の具体例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル等が挙げられる。炭素数1〜20の分岐アルキル基の具体例としては、イソプロピル、メチルプロピル、エチルプロピル、ジメチルプロピル、メチルブチル、プロピルブチル、ジメチルブチル、トリメチルブチル、メチルペンチル、エチルペンチル、ジメチルペンチル、メチルヘキシル、エチルヘキシル、メチルノニル、ジメチルオクチル等が挙げられる。
炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状のアルケニル基の具体例としては、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、オクテニル、ノネニル、イソプロペニル、メチルプロペニル、メチルブテニル、メチルペンテニル、エチルプロペニル、エチルブテニル、ジメチルプロペニル、ジメチルブテニル、メチルヘキセニル、エチルヘキセニル、メチルノネニル、ジメチルオクテニル等が挙げられる。
水酸基で置換された全炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状のアルキル基の具体例としては、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシペンチル、ヒドロキシヘキシル、ヒドロキシオクチル、ヒドロキシデシル、ヒドロキシドデシル、ヒドロキシテトラデシル、ヒドロキシヘキサデシル、ヒドロキシオクタデシル、ヒドロキシイコシル、ヒドロキシイソプロピル、ヒドロキシメチルプロピル、ヒドロキシメチルブチル、ヒドロキシエチルプロピル、ヒドロキシメチルペンチル、ヒドロキシメチルヘキシル、ヒドロキシエチルヘキシル、ヒドロキシメチルノニル、ヒドロキシジメチルオクチル、ヒドロキシテトラメチルオクチル等が挙げられる。
水酸基で置換された全炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状のアルケニル基の具体例としては、ヒドロキシエテニル、ヒドロキシプロペニル、ヒドロキシブテニル、ヒドロキシペンテニル、ヒドロキシヘキセニル、ヒドロキシオクテニル、ヒドロキシデセニル、ヒドロキシドデセニル、ヒドロキシテトラデセニル、ヒドロキシヘキサデセニル、ヒドロキシオクタデセニル、ヒドロキシイコセニル、ヒドロキシイソプロペニル、ヒドロキシメチルプロペニル、ヒドロキシメチルブテニル、ヒドロキシメチルペンテニル、ヒドロキシエチルプロペニル、ヒドロキシエチルブテニル、ヒドロキシメチルペンテニル等が挙げられる。
カルボキシ基で置換された全炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状のアルキル基の具体例としては、カルボキシメチル、カルボキシエチル、カルボキシプロピル、カルボキシブチル、カルボキシペンチル、カルボキシヘキシル、カルボキシオクチル、カルボキシデシル、カルボキシドデシル、カルボキシテトラデシル、カルボキシヘキサデシル、カルボキシオクタデシル、カルボキシイソプロピル、カルボキシメチルプロピル、カルボキシメチルブチル、カルボキシエチルプロピル、カルボキシメチルペンチル、カルボキシメチルヘキシル、カルボキシエチルヘキシル、カルボキシメチルノニル、カルボキシジメチルオクチル、カルボキシテトラメチルオクチル等が挙げられる。
カルボキシ基で置換された全炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状のアルケニル基の具体例としては、カルボキシエテニル、カルボキシプロペニル、カルボキシブテニル、カルボキシペンテニル、カルボキシヘキセニル、カルボキシオクテニル、カルボキシデセニル、カルボキシドデセニル、カルボキシテトラデセニル、カルボキシヘキサデセニル、カルボキシオクタデセニル、カルボキシイソプロペニル、カルボキシメチルプロペニル、カルボキシメチルブテニル、カルボキシメチルペンテニル、カルボキシエチルプロペニル、カルボキシエチルブテニル、カルボキシメチルペンテニル等が挙げられる。
前記の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基の全炭素数は、反応性の観点から、1〜10が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が更に好ましい。
前記一般式(1)で表されるグリセリン化合物としては、グリセリン、グリセリンエーテル化合物及びグリセリンエステル化合物等が該当する。グリセリンエーテル化合物の具体例としては、1,2,3−トリメトキシプロパン、1,2,3−トリエトキシプロパン、1,2,3−トリプロポキシプロパン、1,2,3−トリブトキシプロパン、1,2,3−トリペントキシプロパン、1,2−ジメトキシプロパン、1,3−ジメトキシプロパン、1−メトキシプロパン、2−メトキシプロパン、1,2,3−トリ(モノカルボキシペントキシ)プロパン、1,2,3−トリ(モノヒドロキシペントキシ)プロパン等が挙げられる。グリセリンエステル化合物の具体例としては、グリセリントリアセテート、グリセリントリプロピオネート、グリセリントリブチレート、グリセリントリペンチレート、グリセリンジアセテート、グリセリンモノアセテート、グリセリントリ(モノヒドロキシ)ペンチレート等が挙げられる。
グリセリンエーテル化合物及びグリセリンエステル化合物は、グリセリンと反応溶媒及び/もしくはハロゲン化合物との反応生成物として、又は当該反応生成物とグリセリンとの反応生成物として得ることができる。前記一般式(1)で表されるグリセリン化合物は、グリセリンエーテル化合物及びグリセリンエステル化合物以外の反応生成物であってもよい。
前記一般式(1)で表されるグリセリン化合物としては、グリセリン又はグリセリンエステル化合物が好ましく、グリセリンが最も好ましい。本発明において、前記グリセリン化合物は、単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
[ハロゲン化合物]
本発明に用いられるハロゲン化合物の具体例としては、金属ハライド、ハロゲン化水素、アルキルハライド等が挙げられる。
金属ハライドとしては、好ましくは周期表の第1〜12族金属のハロゲン化物が挙げられるが、この中でも、コスト面から、アルカリ金属ハライド、アルカリ土類金属ハライドがより好ましい。
アルカリ金属ハライドの具体例としては、ヨウ化リチウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化セシウム等のヨウ化物、臭化リチウム、臭化カリウム、臭化ナトリウム、臭化セシウム等の臭化物等が挙げられる。また、アルカリ土類金属ハライドの具体例としては、ヨウ化マグネシウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化バリウム等のヨウ化物、臭化マグネシウム、臭化カルシウム、臭化バリウム等の臭化物等が挙げられる。ハロゲン化水素の具体例としては、ヨウ化水素、臭化水素等が挙げられる。
アルキルハライドとしては、好ましくは炭素数1〜10のアルキルハライド、より好ましくは炭素数1〜4のアルキルハライドが挙げられる。
アルキルハライドの具体例としては、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化プロピル等のヨウ化アルキル、これらのヨウ化アルキルに対応する臭化物(臭化メチル、臭化プロピル等の臭化アルキル)や塩化物(塩化メチル等の塩化アルキル)が挙げられる。
ハロゲン化合物は、単独で又は二種以上を組み合わせて使用できる。
ハロゲン化合物としては、金属ヨウ化物、ヨウ化水素及びヨウ化アルキルが好ましく、中でも、ヨウ化アルキルがさらに好ましい。反応性の観点から、ヨウ化メチルが特に好ましい。
反応系におけるハロゲン化合物の添加量は、反応性の観点から、液相系全体に対して、好ましくは0.001〜50質量%、より好ましくは0.01〜40質量%、更に好ましくは0.03〜30質量%程度である。
ハロゲン化合物の使用量は、反応性の観点から、反応基質であるグリセリン化合物1モルに対して、0.001〜1.0モルが好ましく、0.005〜0.5モルがより好ましい。
[アリル化合物の製造]
本発明の方法では、前記ハロゲン化合物と前記一般式(1)で表されるグリセリン化合物とを反応させることによりアリル化合物を製造する。
反応温度は、反応効率の観点から、30〜300℃が好ましく、100〜250℃がより好ましく、150〜230℃が更に好ましい。また、反応時間は、反応効率の観点から、0.5分〜20時間が好ましく、1〜15時間がより好ましく、2〜10時間が更に好ましい。
反応は、溶媒の存在下又は非存在下で行ってもよい。反応溶媒としては、反応性や、分離又は精製効率を低下させない限り特に制限されず、種々の溶媒を使用することができる。触媒の安定性の観点から、酸性溶媒または中性溶媒を用いることが好ましい。基質及び生成物の溶解性の観点から極性溶媒が好ましく、中でもカルボン酸が好ましい。好ましいカルボン酸として、炭素数2〜10のモノカルボン酸又はジカルボン酸がより好ましく、炭素数2〜6のモノカルボン酸が更に好ましい。例えば、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、グルタル酸等を用いることができ、特に酢酸が好ましい。
[反応生成物]
本発明の方法により製造されるアリル化合物の具体例としては、原料としてグリセリン、溶媒として酢酸、ハロゲン化合物としてヨウ化物を用いた場合には、アリルアルコール、アリルアセテート、及びヨウ化アリルからなる群から選ばれる少なくとも一種が挙げられる。アリルアセテート及びヨウ化アリルは加水分解することで容易にアリルアルコールに変換することが可能である。したがって、反応終了後に加水分解を行うことで、混合物からアリルアルコールを選択的に取り出すこともできる。
実施例1
120mlチタン製オートクレーブに、ヨウ化メチル(MeI、東京化成工業(株)製)0.31g(2.2mmol)、グリセリン(商品名:精製グリセリン、花王(株)製)1.5g(16.3mmol)、酢酸2.92g(49.0mmol)を加えた。その後、容器内を窒素でオートクレーブ内を5回置換し、更に、室温下、0.35MPaに加圧した。600rpmで攪拌しながら190℃まで昇温し、昇温後3時間反応を行った。反応終了後、オートクレーブを冷却した。
反応液中の低沸点化合物の分析は、カラムとしてDB−FFAP(商品名、アジレント・テクノロジー(株)製)もしくはTC−FFAP(商品名、ジーエルサイエンス(株)製)を用いてガスクロマトグラフ分析装置HP6890GC(商品名、HewLett Packard社製)により行った(温度範囲40℃〜230℃)。反応液中の高沸点化合物の分析は、反応終了液をTMS化(トリメチルシリル化)処理し、内部標準としてジドデシルエーテルを使用し、カラムとしてUltra ALLOY(商品名、フロンティアラボ(株)製)を用いてガスクロマトグラフ分析装置HP6890GC(商品名、HewLett Packard社製)により行った(温度範囲40℃〜350℃)。また、ガス成分の分析は、カラムとしてMS5A及びPPQ(いずれも商品名、Varian社製)を用いて高速・小型ガス分析計CP4900マイクロGC(商品名、Varian社製)により行った。
グリセリンはアセチル化物(モノアセチン、ジアセチン、トリアセチン)となっており、定量が困難なため、生成した化合物の全モル量を転化物とみなし、転化率及び選択性を算出した。
その結果、グリセリンの転化率は17モル%であり、アリル化合物が約38モル%の選択性で得られた(アリルアルコール:7.9モル%、ヨウ化アリル及びアリルアセテートの合計:30.3モル%)。
実施例2
反応時間を5時間にしたこと以外は実施例1と同様にして反応を行い、分析を行った。
その結果、グリセリンの転化率は57モル%であり、アリル化合物が約46モル%の選択性で得られた(アリルアルコール:9.3モル%、ヨウ化アリル及びアリルアセテートの合計:36.3モル%)。
上記の結果より、ヨウ化メチル1モルあたりの生成物のモル数すなわちターンオーバー数(Turn Over Number;TON)を算出したところ1.9であった。比較例1の結果も考慮し、TONが1を超えるものは触媒活性を示すことを意味する。したがって、ヨウ化メチルが触媒となり反応が進行していることがわかった。
比較例1
ヨウ化メチルを使用しなかったこと以外は実施例1と同様にして反応を行い、分析を行った。その結果、反応は全く進行しなかった。
本発明の方法によれば、再生可能資源であるグリセリン化合物を原料として用い、アリル化合物を効率よく製造することができる。本発明の方法で得られたアリル化合物は、ポリマー合成における重合及び共重合の原料や、医薬品、グリシドール、エピクロロヒドリン等の原料として有用である。

Claims (3)

  1. ハロゲン化合物と下記一般式(1)で表されるグリセリン化合物とを反応させるアリル化合物の製造方法。
    Figure 2011084513
    (式中、R1、R2及びR3は各々独立に、水素原子、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、−COR4基、又は水酸基及び/もしくはカルボキシ基で置換された全炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基を表す。R4は、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、又は水酸基及び/もしくはカルボキシ基で置換された全炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基を表す。)
  2. 前記ハロゲン化合物がヨウ化物である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記アリル化合物が、アリルアルコール、アリルアセテート、及びヨウ化アリルからなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項1又は2に記載の製造方法。
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