JP2011083495A - 電子血圧計 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電子血圧計1は、筒状に形成され一端部と他端部がリング状の保持部材17F、17Gにより保持され、空気袋14を覆う内布カバー17Cとを有する腕帯部2と、筒体である本体ケース11の第1開口部11Pに着脱可能に装着され、内布カバー17Cの一端部の保持部材17Fを固定するリング状の第1キャップ400と、本体ケース11の第2開口部11Rに着脱可能に装着され、内布カバー17Cの他端部の保持部材17Gを固定するリング状の第2キャップ500とを具備する。
【選択図】図5
Description
このタイプの血圧計で測定上問題となるのが、腕帯部の腕への装着の仕方である。腕帯部内の空気袋の位置が上腕に対して適当でない場合や、上腕に対して巻き付け強さが適当でない場合に、腕帯部の空気袋の圧迫が上腕に正しく行われず、血圧が高く測定される場合がある。近年、これを解決するために、筒状の腕帯部に腕を挿入するだけで、自動的に腕帯部の空気袋を腕の正しい位置に配置し、正しい巻き付け強さにて血圧測定を行うことができるようにした血圧計本体と腕帯部を一体とした電子血圧計(以降、アームインタイプと呼ぶ)が開発されている(特許文献1を参照)。
そこで、このような擬似高血圧症の発生という不都合に対応するために、血圧計本体から腕帯部が分離できて、血圧計本体の設置場所が測定者から離れていても、測定者が座位にて背を伸ばした状態で腹圧の掛からない測定をすることが可能なタイプ(以降、スル−インタイプと呼ぶ)の電子血圧計が開発されている。このスルーインタイプの電子血圧計では、腕帯部内の空気袋に上腕を挿入して、その空気袋内に2つのポンプを用いて空気を供給し、そして空気の供給を停止してバルブを緩めながらマイクロフォンを用いて血管の脈波をマイクロフォンで取って最高血圧と最低血圧を検出している。
従って、空気袋が上腕に直接触れないようにすることと、上腕を空気袋内に挿入したり引き出す際に上腕の移動につられて空気袋が移動しないようするために、本体ケース内には空気袋を覆う内布カバーを配置する。
しかし、上腕が移動してもこの内布カバーは本体ケース内においてはずれてしまわないように確実に固定する必要がある。また、内布カバーの交換が容易にできることが望ましい。
そこで、上記課題を解消するために、本発明は、内布カバーを本体ケース内に確実に固定でき、内布カバーの交換が容易にできる電子血圧計を提供することを目的とする。
上記構成によれば、前記各保持部材が、前記内布カバーの前記第1キャップと第2キャップをそれぞれ固定できるので、内布カバーを本体ケース内に確実に固定でき、内布カバーの交換が容易にできる。
上記構成によれば、第1キャップを回転するだけで第1キャップと筒体は簡単に固定できるとともに、第2キャップを回転するだけで第2キャップと筒体も簡単に固定できる。
上記構成によれば、第1キャップと筒体は凸部と凹部により簡単にしかも確実に固定できるとともに、第2キャップと筒体も凸部と凹部により簡単に固定できる。
上記構成によれば、血圧計本体から腕帯部を離して使用できるので、測定者は座位にて背を伸ばして腹圧の掛からない状態で測定できる。
図1は、本発明の電子血圧計の好ましい実施形態を前側から示す斜視図であり、図2は、この電子血圧計を後側から示す斜視図である。図3(A)は、電子血圧計の腕帯部と血圧計本体を分離した状態を示す斜視図であり、図3(B)は、腕帯部に測定者の上腕を挿入した状態を示す斜視図である。
図1〜図3に示す電子血圧計1は、自動電子血圧計ともいい、血圧計本体10から腕帯部2を分離でき、血圧計本体10の設置場所が測定者から離れていても、測定者は座位にて背を伸ばして腹圧の掛からない状態で測定が可能なタイプ(以下では、スル−インタイプと呼ぶ。)の電子血圧計である。この電子血圧計1は、血圧測定方式の一例としてリバロッチ・コロトコフ法が用いられ、コロトコフ音(K音)を検出して血圧測定を行う装置である。図1〜図3に示すように、電子血圧計1は、腕帯部2と、血圧計本体10を備える。腕帯部2と血圧計本体10は別体であり、図3に示すように腕帯部2が血圧計本体10に固定できるとともに、腕帯部2が血圧計本体10から分離可能に形成されている。
図1に示すように、血圧計本体10は、ケーシング30と表示部31を有している。ケーシング30は、例えばプラスチック製の薄型の内部空間を有する部材であり、傾斜した上面部32と、前端面部33と後端面部34と、側面部35,36と、底面部42を有している。
図1に示すように、ケーシング30の上面部32には、傾斜した表示部31が配置されており、測定者が表示部31の表示内容を容易に確認できるようになっている。ケーシング30には、測定開始操作部の一例としての開始/停止ボタン37と、メモリ呼び出し・時刻・アラーム設定ボタン38と、モード選択ボタン39と、窪み部分40が設けられている。測定者が開始/停止ボタン37を押すことで、血圧測定操作の開始あるいは停止をするためのボタンである。
図3の窪み部分40と前端面部33の間には、表示部31がX方向に沿って配置されている。この表示部31は、例えば液晶表示装置を用いることができ、一例として図1に示すように、表示部31は、最高血圧値、最低血圧値、脈拍数、脈圧、測定動作中の表示マーク、電池交換の表示マーク等の各種の測定値等を表示することができる。
図4は、腕帯部2の構造例を示す斜視図である。図5は、腕帯部2の内部構造例を示す断面図である。
図3(B)に示すように、腕帯部2は、血圧測定時に測定者の上腕Tを挿入して圧迫するために、図1と図2に示すように上腕Tに差し込むことが可能な両端部が切れた略円筒状構造(筒体)を有している。これにより、この腕帯部2は、通常の腕帯部と異なり測定者の上腕Tに対して巻き付ける必要が無く、左右のいずれの上腕Tへの挿入が可能で、測定者は容易に血圧測定ができる。
図4と図5に示す本体ケース11は、例えばプラスチックにより形成され略円筒状構造を有しており、第1開口部11Pと第2開口部11Rを有している。図1に示すように、本体ケース11は、D1方向に向かって先細りになるように形成され、第1開口部11Pの直径L1は第2開口部11Rの直径L2よりも大きい。例えば、L1は138mm〜142mm、L2は126mm〜130mmが好ましく、本体ケース11の厚みは、2〜3mmが好ましい。この寸法は、測定者の上腕挿入に適した寸法であり、本体ケース11は、およそ9割以上の一般の測定者の血圧測定に適合した形状となっている。また、本体ケース11は、第2開口部11R側に例えばほぼ扇型の把持部11Hを有している。
例えば、図5に示す左腕の上腕TをD1方向に挿入孔77に対して挿入し、あるいは逆方向に上腕Tを外す動作は、右手でこの把持部11Hを持って行うことができる。また、右腕の上腕TをD1方向に挿入穴77に挿入し、あるいは逆方向に上腕Tを外す動作は、左手でこの把持部11Hを持って行うことができる。これにより、測定者は左右いずれの上腕Tに対しても、腕帯部2の装着動作あるいは取り外し動作を容易に行うことができる。
図4と図5に示すように、本体ケース11の第1開口部11Pの第1周囲部分349には、リング状の第1キャップ400が着脱可能に取り付けられている。同様にして、本体ケース11の第2開口部11Rの第2周囲部分350には、リング状の第2キャップ500が着脱可能に取り付けられている。第1キャップ400の直径は第2キャップ500の直径に比べて大きい。図4に示すように、第1キャップ400は円形の穴401を有するリング状部材であり、第2キャップ500は円形の穴501を有するリング状部材である。
さらに好ましくは、このマグネット40Mがプレート部材210を磁気的に吸着する力は、例えば血圧計本体10の重量を超えるように設定することができる。これにより、測定者が電子血圧計1を運ぶ際に、測定者が血圧計本体10を持たずに腕帯部2だけを持ち上げてしまった場合に、腕帯部2から血圧計本体10だけが不用意に落下することを防止できる。
図5に示すように、第1キャップ400は、本体ケース11の第1開口部11Pの第1周囲部分349に対して着脱可能に固定することで、内布カバー17Cのリング部材17Fが本体ケース11内で移動しないようにリング部材17Fを保持することができる。同様にして、第2キャップ500は、本体ケース11の第2開口部11Rの第2周囲部分350に対して着脱可能に固定することで、内布カバー17Cのリング部材17Gが本体ケース11内で移動しないようにリング部材17Gを保持することができる。これにより、内布カバー17C内に測定者の上腕をD1方向に挿入し、しかもD1方向とは逆のD2方向に引き抜いても、内布カバー17Cのリング部材17F、17Gは、本体ケース11内で移動しないようになっている。従って、内布カバー17は空気袋14を常に被覆した状態を維持できる。
また、使用した内布カバー17Cを洗濯したり、使用した内布カバー17Cと新しい内布カバーに交換するために、内布カバー17Cは、本体ケース11内から取り外せることが望ましい。そこで、内布カバー17Cを本体ケース11内から取り出す際には、第1キャップ400を第1開口部11Pの第1周囲部分349から取り外し、第2キャップ500を第2開口部11Rの第2周囲部分350から取り外すことで、内布カバー17Cは本体ケース11内から簡単に取り外すことができる。
ここで、上述した第1キャップ400と第2キャップ500の詳しい構造例を説明する。
最初に、図12〜図15を参照して、第2キャップ500の取り付け構造について説明する。
図12は、本体ケース11の第2開口部11R側を示す斜視図であり、図12(A)には、第2開口部11Rの第2周囲部分350に対して第2キャップ500が着脱可能に取り付けられている状態を示し、図12(B)には、第2周囲部分350から第2キャップ500が取り外された状態を示している。ただし、図12(B)では、理解し易いようにするために、第2キャップ500のガイド部材530が破線で図示されている。
図13(A)は、第2開口部11Rの第2周囲部分350の形状を示し、図13(B)は、第2キャップ500の形状を示している。
図12(B)と図13(A)に示すように、第2周囲部分350の内周面には、例えば3つの円弧状のガイド部分511が同じ角度をおいて、中心CLに向けて突出して形成されている。3つのガイド部分511の内側には、それぞれ嵌め合い用の凹部520が形成されている。3つのガイド部分511の間には、第2周囲部分350に沿って隙間513がそれぞれ形成されている。
一方、図13(B)に示すように、リング状の第2キャップ500は、円形の穴501を有し、3つの円弧状のガイド部分530が同じ角度をおいて、中心CLに向けて突出して形成されている。3つのガイド部分530の外側には、それぞれ嵌め合い用の凸部550が形成されている。各凸部550は、図13(A)に示す凹部520に嵌め込むようになっている。図13(B)に示す第2キャップ500を図13(A)に示す第2周囲部分350に対して装着する際には、3つのガイド部分530は、図13(A)に示す隙間513に挿入できるようになっている。
図14は、図13(B)に示す第2キャップ500を図13(A)に示す第2周囲部分350に対して装着した状態を示す図である。図15は、第2周囲部分350の内周面の円弧状のガイド部分511と、第2キャップ500のガイド部分530を代表して示している。
図15(A)では、第2キャップ500のガイド部分530が、第2周囲部分350の隙間513に位置されているが、ガイド部分530の凸部550はガイド部分511の凹部520には嵌め込まれていない状態を示している。
図15(B)では、測定者が第2キャップ500を、図14においてG1方向(時計方向)に回転することで、ガイド部分530の外面側がガイド部分511の内面側に摺動しながら案内されて、ガイド部分530の凸部550がガイド部分511の凹部520に嵌め込まれた状態を示している。これにより、第2キャップ500は、第2周囲部分350に対して、中心CL方向に沿って押し付けられながら、簡単にしかも確実に着脱可能に固定できる。
第2キャップ500を第2周囲部分350から取り外す場合には、測定者が第2キャップ500を図14に示すG2方向(反時計方向)に回転することで、ガイド部分530の外面側はガイド部分511の内面側に摺動しながらガイドされて、ガイド部分530の凸部550をガイド部分511の凹部520から外してガイド部分530を隙間513に位置させることができる。これにより、第2キャップ500と第2周囲部分350との係合状態を解除できるので、第2キャップ500は第2周囲部分350から簡単に外すことができる。
図15に示すように、3つの固定部560が第2周囲部分350の内側において同じ角度をおいて形成されている。図4に示す内布カバー17Cのリング部材17Gは、図15(A)に示すように、第2キャップ500のガイド部分530と第2周囲部分350の固定部560との間に挟み込むことで固定できる。これにより、測定者が第2キャップ500を第2周囲部分350に対して回転して固定することで、内布カバー17Cのリング部材17Gを第2周囲部分350の内側に固定できる。
次に、図16〜図18を参照して、第1キャップ400の取り付け構造について説明する。
図16(A)は、第1周囲部分340の形状を示し、図16(B)は、第1キャップ400の形状を示している。
図16(A)と図17に示すように、第1周囲部分349の内周面には、例えば3つの円弧状のガイド部分411が同じ角度をおいて、中心CLに向けて突出して形成されている。3つのガイド部分411の内側には、それぞれ嵌め合い用の凹部420が形成されている。3つのガイド部分411の間には、第1周囲部分340に沿って隙間413が形成されている。
一方、図16(B)に示すように、リング状の第1キャップ400は、円形の穴401を有し、3つの円弧状のガイド部分430が同じ角度をおいて、中心CLに向けて突出して形成されている。3つのガイド部分430の外面側には、それぞれ嵌め合い用の凸部440が形成されている。各凸部440は、図16(A)に示す凹部420に嵌め込むようになっている。図16(B)に示す第1キャップ400を図16(A)に示す第1周囲部分340に対して装着する際には、3つのガイド部分430は、図16(A)に示す隙間413に挿入できるようになっている。
図17は、図16(B)に示す第1キャップ400を図16(A)に示す第1周囲部分340に対して装着した状態を示す図である。図18は、第1周囲部分340の内周面の円弧状のガイド部分411と、第1キャップ400のガイド部分430を代表して示している。
図18(A)では、第1キャップ400のガイド部分430が、第1周囲部分349の隙間413に位置されているが、ガイド部分430の凸部440はガイド部分411の凹部420には嵌め込まれていない状態を示している。図18(B)では、第1キャップ400が図18においてG1方向(時計方向)に回転されて、ガイド部分430の外面側がガイド部分411の内面側に摺動しながら案内されて、ガイド部分430の凸部440がガイド部分411の凹部420に嵌め込まれた状態を示している。これにより、第2キャップ400は第2周囲部分340に対して、中心CL方向に沿って押し付けられながら、簡単にしかも確実に着脱可能に固定できる。
第1キャップ400を第1周囲部分349から取り外す場合には、測定者が第1キャップ400を図14に示すG2方向(反時計方向)に回転することで、ガイド部分430の外面側はガイド部分411の内面側に摺動しながらガイドされて、ガイド部分430の凸部440をガイド部分411の凹部420から外してガイド部分430を隙間413に位置させることができる。これにより、第1キャップ400と第1周囲部分349との係合状態を解除できるので、第1キャップ400は第1周囲部分349から簡単に外すことができる。
図18に示すように、3つの固定部460が第1周囲部分340の内側において同じ角度をおいて形成されている。図4に示す内布カバー17Cのリング部材17Fは、第1キャップ400のガイド部分430と固定部460との間に挟み込むことで固定できる。これにより、測定者が第1キャップ400を第1周囲部分340に対して回転して固定することで、内布カバー17Cのリング部材17Fを第1周囲部分340の内側に固定できる。
図6(A)と図6(B)に示すように、ユニットUTは4つに折り曲げてほぼ正方形断面の開口部Gを形成することができる。ユニットUTは4つの折り曲げ部分200を有していることにより、図6(C)に示すように簡単に折りたたむことができる構造である。
図7(A)は、空気袋14とマイクロフォンMを示す斜視図であり、図7(B)は、空気袋14と外布16と内布カバー17Cと、マイクロフォンMを示す図である。図7に示すように、2つのマイクロフォンMが空気袋14に取り付けられ、2つのマイクロフォンMは互いに向かい合っている。
図8は、空気袋14を形成するためのシート例を示している。
図8に示すシートSWは、ほぼ長方形状の例えば透明のプラスチックシートであり、伸縮性を備えていない例えばほぼ長方形状のプラスチック製のシート、一例としてポリウレタンシートにより形成されている。このシートSWは、フィルタ付き接続管220、コードフック221、4つの折れ線部分222、接合部分223,224、2つのマイクロフォン保持部225を有している。
接続管220は、図1に示すチューブ4の端部を接続する。コードフック221は、図1に示す有線3とチューブ4を掛ける。接合部分223,224は熱圧着により空気袋14を形成する。マイクロフォン保持部225はそれぞれマイクロフォンMを保持できる。シートSWは4つの折れ線部分222の部分で折り曲げることにより、図7に示す形状の空気袋14を形成できる。
図9(A)に示すように、シートSWは、折り曲げ線226,227で折り曲げて,図9(B)に示すように接合部分223,224を接合する。そして、図9(C)に示すように、4つの折れ線部分222で折り曲げることで空気袋14が完成する。この空気袋14は、4つの側面部231,232,233,234を備える。
なお、図8(B)に示すように、この空気袋14内には、間隔をおいて3つのスペーサ240が配置されている。このスペーサ240は、弾性変形可能な直方体形状の部材であり、例えばプラスチックスポンジ等である。これにより、スペーサ240が配置されていることで、空気袋14が必要以上につぶれてしまうのを防止できる。
また、図8(B)と図10に示すように、空気袋14の幅Wは、好ましくは12cm以上である。空気袋14の内側が測定者の被測定面HMに対して少なくとも8cm以上当接していないと正しい血圧測定ができないので、8cm以上接しているためには、空気袋14の幅Wは12cm以上必要である。
図11に示す電子血圧計1の回路ブロックを説明する。電子血圧計1の回路ブロックを示している。電子血圧計1の回路ブロックの破線で示すように、血圧計本体10は、コロトコフ音(K音)検出システム50と、加圧システム51と、排気システム52と、圧力検出システム53と、電源システム54と、音声システム55と、制御システム56を有する。
図11に示す圧力検出システム53は、配管部63と、圧力センサ64と、チューブ4を有している。圧力センサ64は、アンプ65(ここではアンプ65は、フィルタ、積分A/D部も含んでいる)を介して制御システム56に電気的に接続されている。
第1ポンプ44と第2ポンプ45は、圧力検出システム53の配管部63を通じて腕帯部2の空気袋14内に接続されている。
電子血圧計1では、腕帯部2内を第1ポンプ44と第2ポンプ45で加圧した後、微速度で排気して減圧しつつ圧力センサ64を用いて腕帯部2の空気袋内の圧力を検出すると同時に、マイクロフォンMを用いてコロトコフ音(K音)を検出する。そして、電子血圧計1は、K音信号と、このK音信号の発生ポイントと消滅ポイントを検出することで、最高血圧値と最低血圧値を算出して、算出した最高血圧値と最低血圧値を表示部31に表示できる。
血圧測定プログラムでは、例えば通常モードM1、最高血圧モードM2、最低血圧モードM3を有する。以下に、これらのモードを順番に説明する。
(通常モードM1)
図1に示す腕帯部2の本体ケース11のプレート部材210は、すでに説明したように本体ケース11の軸方向に沿って長くなるように形成されており、腕帯部2は、このプレート部材210を用いて、血圧計本体10のマグネット40Mにより血圧計本体10の窪み部分40において磁気的に吸着して結合されている。図3に示すように、測定者は、この腕帯部2を血圧計本体10の窪み部分40から、マグネット40Mの磁気的吸引力に抗して持ち上げることで、腕帯部2を血圧計本体10の窪み部分40から容易に外すことができる。このように、測定者が血圧測定をする際には、腕帯部2を血圧計本体10から簡単に取り外すことができる。これにより、血圧計本体10の設置場所が測定者から離れていても、測定者は座位にて背を伸ばして腹圧の掛からない状態で容易に血圧測定ができる。
図1に示すように、腕帯部2を血圧計本体10の窪み部分40に載置された場合に、開始/停止ボタン37は腕帯部2の下側に位置しており、測定者が腕帯部2を血圧計本体10の窪み部分40から持ち上げて外さないと、開始/停止ボタン37が外部に露出しないようになっている。これにより、測定者は、腕帯部2を持ち上げて上腕Tを通して測定しようとする状態になってから、開始/停止ボタン37を押すことができるので、測定しない時に不用意に開始/停止ボタン37を押してしまうといったことが無くなる。
そして、腕帯部2内を少しずつ減圧(例えば2〜5mmHg/秒)していき、最高血圧値と最低血圧値を検出する。最高血圧値と最低血圧値を図1の表示部31に表示して、ポンプ44,45と排気バルブ46を作動して腕帯部2内の空気袋14を急排気する。このように、最高血圧値と最低血圧値を表示部31に表示できた時点で、腕帯部2内の空気袋14を急排気することで、測定者の上腕に対する圧迫を即座に解消できるので、測定者への負担を軽減できる。
また、測定者は把持部11Hを把持しながら例えば右の上腕を開口部11Pから開口部11Rにかけて挿入する。測定者が図1に示すモード選択ボタン39を押して最高血圧モードM2を選択した場合には、測定者は図1の開始/停止ボタン37を押して血圧測定を開始する。図1の第1ポンプ44と第2ポンプ45が全速力で空気袋14を昇圧して、2つのマイクロフォンMが、測定者の血流音を検知して脈が消滅するまで全速力で腕帯部2内の空気袋14を昇圧する。制御システム56が脈の消失を判断したら腕帯部2内の空気袋14の昇圧を停止する。
また、測定者は把持部11Hを把持しながら例えば右の上腕を開口部11Pから開口部11Rにかけて挿入する。その後、測定者が図1に示すモード選択ボタン39を押して最低血圧モードM3を選択した場合には、測定者は図1の開始/停止ボタン37を押して血圧測定を開始する。少しずつ昇圧(例えば2〜5mmHg/秒)していき、図1のスピーカ43が腕帯部2内の空気袋14を昇圧時のカフ値毎に、例えば10mmHg毎に圧力値を音声アナウンスし、最低血圧値を検出する。その後、脈が消失したら昇圧を停止して、図3のスピーカ43が最低血圧値を音声によるガイドでアナウンスをするとともに、第1ポンプ44と第2ポンプ45と排気バルブ46を作動して腕帯部2内の空気袋14を急排気する。
第1開口部11P側に対して第1キャップ400を着脱可能に装着する構造と、第1と第2開口部11Rに対して第1キャップ500を着脱可能に装着する構造は、同じであるが、これに限らず第1キャップと第2キャップを着脱可能に装着するための構造は変えても良い。
上述した本発明の実施形態では、電子血圧計は、血圧測定方式としてリバロッチ・コロトコフ法が用いられ、コロトコフ音(K音)を検出して血圧測定を行うようになっているが、圧脈波(オシロメトリック法)等の他の血圧測定方式を採用しても良い。
Claims (4)
- 第1開口部と該第1開口部の反対側に第2開口部を有する硬質の筒体と、
該筒体内に配置され、測定者の上腕を挿入して血管を加圧するための空気袋と、
筒状に形成され一端部と他端部がリング状の保持部材により保持され、前記空気袋を覆う内布カバーとを有する腕帯部を有し、
さらに、前記筒体の前記第1開口部に着脱可能に装着され、前記内布カバーの一端部の前記保持部材を固定するリング状の第1キャップと、
前記筒体の前記第2開口部に着脱可能に装着され、前記内布カバーの他端部の前記保持部材を固定するリング状の第2キャップと、
を具備することを特徴とする電子血圧計。 - 前記第1キャップと前記筒体にはそれぞれガイド部分が形成され、前記第1キャップを回転することで前記第1キャップの前記ガイド部分と前記筒体の前記ガイド部分を嵌め合わせて前記第1キャップを前記筒体に対して着脱可能に固定し、前記第2キャップと前記筒体にはそれぞれガイド部分が形成され、前記第2キャップを回転することで前記第2キャップの前記ガイド部分と前記筒体の前記ガイド部分を嵌め合わせて前記第2キャップを前記筒体に対して着脱可能に固定する構成とされたことを特徴とする請求項1に記載の電子血圧計。
- 前記第1キャップの前記ガイド部分と前記筒体の前記ガイド部分の一方に形成された凸部と、前記凸部を嵌め込むために前記第1キャップの前記ガイド部分と前記筒体の前記ガイド部分の他方に形成された凹部とを有し、前記第2キャップの前記ガイド部分と前記筒体の前記ガイド部分の一方に形成された凸部と、前記凸部を嵌め込むために前記第2キャップの前記ガイド部分と前記筒体の前記ガイド部分の他方に形成された凹部とを有することを特徴とする請求項2に記載の電子血圧計。
- 前記空気袋を保持する硬質の筒体を有する腕帯部と、前記空気袋に空気を送るポンプとを有する血圧計本体と、を有し、前記腕帯部と前記血圧計本体とは別体に形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の電子血圧計。
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