JP2011080708A - 熱交換器およびその熱交換器を備えた物品貯蔵装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷凍空調機器等に用いられる熱交換器に関し、高性能で、かつ除霜効率の高い冷却器を提供する。
【解決手段】多数平行に並べられ、その間を気流が流動するプレートフィン3と、プレートフィン3に略直角に挿通され、内部を流体が流動する冷媒管2とから構成され、冷媒管2は、気流に対して千鳥状に配設され、プレートフィン3は、冷媒管2に対して列ごとに分断された完全独立フィンチューブ型熱交換器において、プレートフィン3に、冷媒管2の貫通部を囲う複数の切起し3hを設け、さらに、プレートフィン3における気流と直角に交差するフィン端縁3dを、略波形状としたものである。これにより、熱交換器1の高性能化をはかり、また、除霜を効率良く行うことが可能となる。
【選択図】図1
【解決手段】多数平行に並べられ、その間を気流が流動するプレートフィン3と、プレートフィン3に略直角に挿通され、内部を流体が流動する冷媒管2とから構成され、冷媒管2は、気流に対して千鳥状に配設され、プレートフィン3は、冷媒管2に対して列ごとに分断された完全独立フィンチューブ型熱交換器において、プレートフィン3に、冷媒管2の貫通部を囲う複数の切起し3hを設け、さらに、プレートフィン3における気流と直角に交差するフィン端縁3dを、略波形状としたものである。これにより、熱交換器1の高性能化をはかり、また、除霜を効率良く行うことが可能となる。
【選択図】図1
Description
本発明は、完全独立フィンチューブ型の熱交換器、およびその熱交換器を具備した冷蔵庫等の物品貯蔵装置に関するものである。
近年、地球資源の有効活用、家庭用電化製品における消費電力量の抑制等の観点から、冷凍機器に用いられる熱交換器においては、小型化かつ高効率化や耐着霜性能の向上、さらには除霜効率の向上、あるいは耐埃性の向上等がより一層求められている。
一般的に、冷蔵庫等には、境界層前縁効果によって高い熱交換性能を達成し易いことから、列ごとに分断された一枚のプレートフィンに、一本もしくは二本の冷媒管を貫通した所謂完全独立フィンチューブ型の熱交換器が採用されている(例えば、特許文献1参照)。
また、同様に境界層前縁効果が期待できる構成の所謂スパイラルフィンチューブ型の熱交換器も知られている(例えば、特許文献2参照)。
図7は、上記特許文献1に記載される完全独立フィンチューブ型熱交換器の斜視図である。
同図の如く、完全独立フィンチューブ型の熱交換器51は、列ごとに分断されたプレートフィン52に、一本の冷媒管53を貫通させ、その冷媒管53を蛇行上に曲げ加工した構成となっている。
したがって、矢印方向の気流と交差するプレートフィン52の端縁面積が多いことから、境界層前縁効果が大きく、熱交換器51の性能を向上することができる。
図8は、上記特許文献2に記載されるスパイラルフィンチューブ型熱交換器の正面図である。
同図の如く、スパイラルフィンチューブ型の熱交換器61は、一般的に冷媒管62に帯状のフィン63を旋回しながら巻きつけ、その後冷媒管62を蛇行状に曲げ加工した構成となっている。
したがって、冷媒管62に巻きつけられたフィン63は、冷媒管62の軸方向から見ると小径の円形となり、加えて冷媒管62の曲げ径も小さくできることから、コンパクトかつフレシキブルな形状に形成することができ、省スペースの設置が可能となる。
また、冷媒管62に巻きつけるフィン63が円形となるため、列または段方向において隣り合うフィン63の隙間を十分に確保することができ、塵埃の堆積をし難くして耐埃性に優れた構成とすることもできる。
しかしながら、上記従来の完全独立型フィンチューブ型の熱交換器51は、プレートフィン52が矩形であることに伴って、周縁における冷媒管53からの距離が一様ではない構成となっている。
その結果、この熱交換器51を冷却器として用いた場合、境界層前縁効果によりフィン端面(端縁部)に多く着霜が生じるため、適宜除霜運転が伴う。
その除霜運転は、除霜ヒータ等によって冷媒管53を加熱し、冷媒管53からの伝熱効果および冷媒管53内の冷媒の対流効果(以下、この対流効果を、サーモサイフォン効果と称す)によってプレートフィン52を加熱し、着霜を溶融する動作であるが、上述の如くプレートフィン52の冷媒管53を中心とする周縁距離が一様でないため、溶融斑が生じ易く、再度冷却運転を行った場合に、冷却能力が発揮できず、消費電力量が多くなるものであった。
また、除霜時間を延長することにより、上述の除霜を確実に行うことはできるが、当然除霜ヒータの運転が長くなることに伴い、冷凍機器の消費電力量が上がり、また、冷却運転の中断時間が長くなり、被冷却物の温度が上昇して貯蔵物品の品質を損なう可能性が生じるという課題を有していた。
さらに、上記従来のスパイラルフィンチューブ型の熱交換器61は、フィン63の端縁が冷媒管62に近く、かつフィン63の端縁と冷媒管62との距離が略一定であることから、冷媒管63からの伝熱効果、およびサーモサイフォン効果による除霜効果は高いものの、列方向および段方向に隣り合うフィン63の間隔が広いことに起因して、冷媒管63を中心に異常に着霜することが多く、また、フィン表面積が、フィンチューブ型熱交換器と比べて小さいため、高性能化が困難ということから、冷却器に適さないという課題を有していた。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、冷却器として使用した場合の熱交換性能の向上と除霜性能の向上をはかり、冷凍機器の消費電力量を大幅に低減できる熱交換器を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明の熱交換器は、完全独立フィンチューブ型の熱交換器において、冷媒管を気流に対して千鳥状に配設し、さらに、プレートフィンにおける前記冷媒管の貫通部周辺に、前記冷媒管を囲む複数の切起しを設け、さらに、前記プレートフィンにおける気流と交差するフィン端縁を、前記気流と略直角に交差する線を基軸に気流方向において距離が異なる略波形状としたものである。
これによって、フィンの境界層前縁効果と気流の乱流促進をはかり、空気側熱伝達率を向上することができる。したがって、熱交換器の性能を向上し、この熱交換器を搭載した冷凍機器の消費電力量を低減することができる。
さらに、前記冷媒管を囲む複数の切起し部により、冷媒管の近くを流れる気流を、前記冷媒管の後部に形成される気流の止水域へ回り込ませることができる。その結果、前記冷媒管と気流との熱交換が促進され、熱交換(冷却)能力を増大させることができる。
また、冷媒管からの伝熱効果、およびサーモサイフォン効果による除霜性能(特性)を向上することが可能となり、除霜時の冷凍機器の消費電力量を低減することができる。
本発明の熱交換器は、冷媒管を気流に対して千鳥状に配設するとともに、プレートフィンにおける冷媒管貫通部に切起しを形成し、気流の乱流促進をはかることによって、空気側総括熱伝達率を向上させ、また、プレートフィンの端縁を、略波形状とすることにより、境界層前縁効果を生じる面積を大きくし、熱交換器の性能を向上することができる。
また、本発明の物品貯蔵装置は、前記熱交換器を蒸発器として搭載したことにより、冷却能力の向上と除霜性能の向上を可能にし、消費電力量を低減することができる。
請求項1に記載の発明は、多数平行に並べられ、その間を気流が通過するプレートフィンと、前記プレートフィンを略直角に貫通し、かつ内部を流体が流動する冷媒管を具備し、前記冷媒管は、気流に対して千鳥状に配設され、前記プレートフィンは、前記冷媒管に対して列ごとに分断された構成の完全独立フィンチューブ型の熱交換器において、前記プレートフィンにおける前記冷媒管の貫通部周辺に、前記冷媒管を囲む複数の切起しを設け、さらに、前記プレートフィンにおける気流と交差するフィン端縁を、前記気流と略直角に交差する線を基軸に気流方向において距離が異なる略波形状としたものである。
かかる構成とすることにより、冷媒管の千鳥配置に伴って熱交換器を流れる気流を乱し、その乱流効果と端縁を略波形状に形成したプレートフィンの境界層前縁効果により、熱交換性能を向上することができる。
さらに、前記冷媒管を囲む複数の切起し部により、冷媒管の近くを流れる気流を、前記冷媒管の後部に形成される気流の止水域へ回り込ませ、前記冷媒管と気流との熱交換を促進して熱交換(冷却)能力を増大させることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記切起しを、気流の通過方向に対して所定の角度で交差するように形成したものである。
かかることにより、前記切起しによる気流の抵抗を抑制しつつ該気流を止水域へ回り込ませることができ、切起しの形成に伴う通風抵抗の増加を抑制することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記冷媒管と前記プレートフィン端縁間の距離を略一定としたものである。
かかることにより、前記冷媒管の熱や、その内部を流れる冷媒の熱を前記プレートフィンの周縁へ略一様に伝達することができ、熱伝達の斑を抑制することができる。その結果
、この熱交換器を冷却器として使用した場合の除霜時において、加熱された冷媒管の熱、およびその冷媒管内を流れる冷媒のサーモサイフォン効果の熱を、プレートフィンの周端縁へ略一様に伝達することができ、その結果、効率的に除霜ができ、除霜時間の短縮化をはかることができる。
、この熱交換器を冷却器として使用した場合の除霜時において、加熱された冷媒管の熱、およびその冷媒管内を流れる冷媒のサーモサイフォン効果の熱を、プレートフィンの周端縁へ略一様に伝達することができ、その結果、効率的に除霜ができ、除霜時間の短縮化をはかることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明において、前記プレートフィンを、気流方向に複数配置し、該プレートフィンの略波形状を形成する凹部端縁に、後段の該プレートフィンの略波形状を形成する凸部端縁を突合せて配置したものである。
かかることにより、気流方向におけるプレートフィンの間隔を合理的に確保することができ、熱交換器をコンパクトに構成することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の発明において、前記プレートフィンに、前記冷媒管から該プレートフィンの端縁への熱伝導を遮る貫通孔を設けたものである。
かかることにより、前記貫通孔がプレートフィンの熱伝導を部分的に遮断するとともに、熱交換器の着霜状態においてバイパス風路を形成することができる。その結果、耐着霜性能を向上し、また除霜回数を減少させることができる。したがって、この熱交換器を搭載した機器の消費電力量を低減することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記貫通孔が気流方向において上端側と下端側交互に位置する如く前記プレートフィンを配置したものである。
かかることにより、前記バイパス風路が熱交換器の上下端にバランスよく形成され、前記耐着霜性能を改善することができ、連続冷却運転時間を延長することができる。
請求項7に記載の発明は、断熱空間で形成される物品貯蔵室と、圧縮機、凝縮器、減圧装置、蒸発器を、配管を介して環状に連結した冷凍サイクルと、前記蒸発器による冷却気流を前記物品貯蔵室内に送り込む送風機を具備した貯蔵装置において、前記蒸発器を、請求項1から6のいずれか一項に記載の熱交換器とした物品貯蔵装置である。
かかることにより、除霜回数を少なくして安定した熱交換作用を得ることができ、効率のよい冷却運転を行うことができる。これに伴い、消費電力量を抑制した物品貯蔵装置を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における完全独立フィンチューブ型熱交換器の斜視図である。図2は、同実施の形態1における熱交換器の図1のA−A線による断面図である。図3は、同実施の形態1における熱交換器を構成するプレートフィンの拡大図である。図4は、同実施の形態1における熱交換器を構成するプレートフィンの図3のB−B線による断面図である。図5は、同実施の形態1における熱交換器を構成するプレートフィンの図3のC−C線による断面図である。
図1は、本発明の実施の形態1における完全独立フィンチューブ型熱交換器の斜視図である。図2は、同実施の形態1における熱交換器の図1のA−A線による断面図である。図3は、同実施の形態1における熱交換器を構成するプレートフィンの拡大図である。図4は、同実施の形態1における熱交換器を構成するプレートフィンの図3のB−B線による断面図である。図5は、同実施の形態1における熱交換器を構成するプレートフィンの図3のC−C線による断面図である。
図1乃至図5において、完全独立フィンチューブ型の熱交換器1は、熱伝導率の高いアルミニウムや銅を素材とする冷媒管2と、同様の材料からなる多数のプレートフィン3に
よって構成されている。
よって構成されている。
プレートフィン3は、同一形状、同一大きさのもので、矢印Xで示す気流方向(列方向)に分断されて配置されている。このプレートフィン3には、冷媒管2が貫通する孔3aと、この孔3aの周囲で軸方向に突出するフィンカラー部3b(図4)と、孔13aを中心とする円弧状の貫通孔3cが設けられている。
貫通孔3cは、孔3aが図3に示す如く、プレートフィン3の若干下方寄りの偏った位置に設けられていることに伴い、冷媒管2から最も距離を有する側に形成され、冷媒管2からの熱伝導を遮るもので、スリット状、あるいはルーバー状であってもよい。
さらに、プレートフィン3は、気流方向に対して略直角関係にある縁3dが略波形(以下、波形と称す)に形成されている。
この波形は、孔3aを中心とする複数の円3eを基調とした形状であるため、矢印Xで示す気流と略直角に交差する線Lを基軸に、気流方向における距離a1、a2が円弧を描きながら異なる形状となっている。したがって、縁3dには、線Lに最も近い距離a1の凸部端縁3fと、線Lから最も離れた距離a2の凹部端縁3gを交互に有し、また各孔3aの中心Oから縁3dの輪郭までの距離rは、(各円3eが交わる部分を除いては)略一定の寸法となっている。
さらに、プレートフィン3における気流方向の分断配置は、該プレートフィン3を上下交互に反転させ、縁3dにおける凸部端縁3fに、隣のプレートフィン3における縁3dの凹部端縁3gを所定の距離を介して突合せるように配置した構成となっている。
その結果、気流方向における冷媒管2の配置関係は、気流方向に連続して重ならない千鳥状の配置となり、貫通孔3cも気流方向において上下交互に位置した配置となっている。さらに、前述の凸部端縁3fと凹部端縁3gの突合せ配置により、気流方向における寸法を小さくし、熱交換器1のコンパクト化をはかっている。
また、プレートフィン3における冷媒管2の貫通部の周辺には、冷媒管2を所定の間隔を介して囲む複数の切起し3hを設けている。この切起し3hは、気流方向において上流側が広がり方向に、下流側が狭まり方向にそれぞれ形成されており、気流の通過方向に対して所定の角度で該気流と交差する。
その結果、特に下流側に位置する切起し3hは、冷媒管2で分断された気流を集束し、冷媒管2の後部(下流)に形成される気流の止水域αへ回り込ませる作用を行う。
なお、切起し3hの形状は、気流が略均等に冷媒管2の後部へ回り込むように、気流方向において冷媒管2を前後および上下から挟む如く配置することが望ましいが、気流の流速が早く、空気抵抗が増加する等の場合は、前後あるいは上下の片側のみ(前側のみ、後側のみ、上側のみ、下側のみ)の配置構成としてもよい。また、プレートフィン3の面積に余裕があれば、切起し3hを数列の配置構成とすることができる。
上記構成からなる熱交換器1の組み立ては、周知の工程手順で組み立てることができるため、説明を省略する。
次に、以上のように構成された熱交換器1を、冷却器として使用した場合について説明する。
まず、冷却運転により気流は、矢印Xで示す方向に流れ、プレートフィン3と接触して熱交換が始まる。このとき、プレートフィン3の縁3dは、凸部端縁3fと凹部端縁3gが交互に連続する波形状に形成されているため、従来の縁が直線的なプレートフィンに比べて気流との接触部(面積)が多く形成されていることから、境界層前縁効果が大きくなり、熱交換作用が促進されて冷却能力を増大させることができる。
また、冷媒管2に当たる気流は、図2の矢印Yに示す如く円形断面をもつ冷媒管2にて分断され、流れが乱される。そして、冷媒管2を通過した後、再び合流する流れとなることから、冷媒管2の気流の当たる反対面である冷媒管後部には気流の止水域αが形成される。
さらに、冷媒管2の近傍で、かつプレートフィン3の表面近くを通過する気流は、図2の破線矢印Zで示す如く、プレートフィン3の表面に突出して形成した切起し3hに衝突し、乱流となって冷媒管2の後部の止水域αに回り込む。したがって、冷媒管2による気流の分断と、切起し3hに伴う乱流により、気流は、止水域αへ多く回り込むことができ、その結果、冷媒管2との熱交換が促進され、冷却能力を増大させることができる。
さらに、本実施の形態1においては、冷媒管2が気流に対して千鳥状に配設されていることから、前述の分断された気流が風下の冷媒管2に当たり、同様に止水域αを形成するため、さらに効率の良い熱交換が可能となる。
次に、冷却運転時が継続されると熱交換器1の全体に着霜が生じ、特に冷媒管2の周縁および気流が当たるプレートフィン3のフィン端部、すなわち波形状の縁3dに多く着霜する。
しかしながら、本実施の形態1においては、プレートフィン3における冷媒管2から最も距離を有する側に貫通孔3cを形成しているため、この貫通孔3cの熱遮断作用によってプレートフィン3における冷媒管2から遠方にある部分は熱交換が少なく、着霜し難くなっている。
その結果、冷媒管2や冷媒管2近傍の波形状の縁3dが着霜し、プレートフィン3間の風路が目詰まりした場合でも、貫通孔3cよりも遠方にある部分が、着霜量が少ないことに起因してパイパス風路となり、着霜時の性能劣化を抑制することができ、耐着霜性能(特性)を改善して除霜回数を少なくすることができる。
特に、貫通孔3cが気流方向において上下交互に位置していることに伴い、前述のバイパス回路は、熱交換器1の上下にバランスよく形成されるため、偏った着霜に伴う除霜運転の早期化を抑制することが期待できる。
また、貫通孔3cの幅(熱伝導方向)の寸法(面積)を小さくした場合、高い初期冷却性能が得られる反面、耐着霜性能(特性)が低く、また、逆に貫通孔3cの幅(面積)を大きくすると、初期冷却性能が低い反面、良好な耐着霜性能(特性)を得ることができる。
かかることは、貫通孔3cにおいて、円弧の長さ、あるいは冷媒管2からの距離を変えることによっても近似した特性が得られる。
したがって、貫通孔3cの大きさ(幅・長さ)や位置を調節、設定することにより、着霜時に形成されるバイパス風路の状態をコントロールすることができることから、搭載する機器に適合した熱交換器を構成することができ、冷凍機器の運転効率の改善を可能にし
て消費電力量の低減化をはかることができる。
て消費電力量の低減化をはかることができる。
また、さらに着霜が進み、除霜ヒータ等(図示せず)によって、冷媒管2やプレートフィン3を加熱し、霜を溶融する場合についても、その加熱に伴う熱伝導、サーモサイフォン効果(冷媒の対流効果)、および加熱された気流の対流等によって各部の除霜が行われる。
なお、除霜ヒータから遠方になるにしたがい、熱交換器の熱升(熱容量)が大きいこと、また霜の潜熱が大きくなること、および除霜初期は対流がほとんどないということから、サーモサイフォン作用が占める除霜効果は大きい。
さらに、着霜した波形状の縁3dは、除霜ヒータによって暖められた冷媒管2や、その内部を流れる加熱された冷媒によるサーモサイフォン効果によって、熱が冷媒管2からプレートフィン3の波形状の縁3dへと伝わっていくが、このとき本実施の形態1においては、プレートフィン3における冷媒管2から縁3dまでの距離rを略一様としているため、波形状の縁3dを略一様に加熱することができ、縁3dにおける除霜を一様に行って除霜斑を抑制することができる。したがって効率的に除霜を行うことができ、除霜時間の短縮が期待できる。
なお、プレートフィン3における縁3dの波形状は、冷媒管2からの距離を略一様として除霜斑を少なくする点では、円を基調とする形状が望ましいが、フィンプレス金型の都合やプレートフィン3の強度等によっては、三角形、あるいは多角形で形成される直線的な波形としてもよい。
以上のように本実施の形態1における完全独立フィンチューブ型の熱交換器は、高性能化を可能にし、かつ効果的な除霜を効率良く行うことができるものである。
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2における物品貯蔵装置の構成を示す模式図である。なお、ここでは、蒸発器(冷却器)を実施の形態1の熱交換器1として説明する。
図6は、本発明の実施の形態2における物品貯蔵装置の構成を示す模式図である。なお、ここでは、蒸発器(冷却器)を実施の形態1の熱交換器1として説明する。
図6において、貯蔵装置本体21は、内部に、前面が開口し、断熱材によって囲われた第一貯蔵室22aと第二貯蔵室22bを具備し、前面に、第一貯蔵室22aおよび第二貯蔵室22bに対応して前記開口を開閉する断熱性を有する第一扉23aおよび第二扉23bを具備している。
また、第一貯蔵室22aと第二貯蔵室22bは、連絡通路24a、24bを介して連通している。
さらに、貯蔵装置本体21の内部には、圧縮機25、凝縮器26、減圧装置27、熱交換器(蒸発器)1を配管により環状に連結した冷凍サイクルが設けられており、熱交換器1は、第一貯蔵室22aに配置されている。また、第一貯蔵室22aには、熱交換器1で冷却された冷気を、矢印aで示す如く積極的に第一貯蔵室22a内を循環させる送風機28が設けられている。第二貯蔵室22bは、矢印bで示す如く連絡通路24a、24bを介して流入した第一貯蔵室22aの一部の冷気の循環によって冷却される。
したがって、貯蔵装置21は、実施の形態1で説明したように、熱交換器1を、着霜が生じても部分的に着霜の生じ難い構成としているため、直ちに除霜運転に入ることを抑制し、除霜回数の少ない冷却運転を行い、効率のよい冷却運転を行うことができる。
また、プレートフィンに形成した切起し3hによる乱流作用により、冷却性能を向上し、これに加えて除霜回数の少ない冷却運転が得られることに伴い、消費電力量を抑制した物品貯蔵装置を得ることができる。
以上のように、本発明にかかるフィンチューブ型の熱交換器は、小型化および高性能化が可能であり、除霜効率を向上させて省エネをはかることができるもので、冷蔵庫、自販機などの冷凍機器に広く適用できる。
1 熱交換器
2 冷媒管
3 プレートフィン
3c 貫通孔
3d 縁
3f 凸部端縁
3g 凹部端縁
3h 切起し
21 貯蔵装置本体
22a 第一貯蔵室
22b 第二貯蔵室
23a 第一扉
23b 第二扉
25 圧縮機
26 凝縮器
27 減圧装置
28 送風機
2 冷媒管
3 プレートフィン
3c 貫通孔
3d 縁
3f 凸部端縁
3g 凹部端縁
3h 切起し
21 貯蔵装置本体
22a 第一貯蔵室
22b 第二貯蔵室
23a 第一扉
23b 第二扉
25 圧縮機
26 凝縮器
27 減圧装置
28 送風機
Claims (7)
- 多数平行に並べられ、その間を気流が通過するプレートフィンと、前記プレートフィンを略直角に貫通し、かつ内部を流体が流動する冷媒管を具備し、前記冷媒管は、気流に対して千鳥状に配設され、前記プレートフィンは、前記冷媒管に対して列ごとに分断された構成の完全独立フィンチューブ型の熱交換器において、前記プレートフィンにおける前記冷媒管の貫通部周辺に、前記冷媒管を囲む複数の切起しを設け、さらに、前記プレートフィンにおける気流と交差するフィン端縁を、前記気流と略直角に交差する線を基軸に気流方向において距離が異なる略波形状とした熱交換器。
- 前記切起しを、気流の通過方向に対して所定の角度で交差するように形成した請求項1に記載の熱交換器。
- 前記冷媒管と前記プレートフィン端縁間の距離を略一定とした請求項1または2に記載の熱交換器。
- 前記プレートフィンを、気流方向に複数配置し、該プレートフィンの略波形状を形成する凹部端縁に、後段の該プレートフィンの略波形状を形成する凸部端縁を突合せて配置した請求項1から3のいずれか一項に記載の熱交換器。
- 前記プレートフィンに、前記冷媒管から該プレートフィンの端縁への熱伝導を遮る貫通孔を設けた請求項1から4のいずれか一項に記載の熱交換器。
- 前記貫通孔が気流方向において上端側と下端側交互に位置する如く前記プレートフィンを配置した請求項5に記載の熱交換器。
- 断熱空間で形成される物品貯蔵室と、圧縮機、凝縮器、減圧装置、蒸発器を、配管を介して環状に連結した冷凍サイクルと、前記蒸発器による冷却気流を前記物品貯蔵室内に送り込む送風機を具備した貯蔵装置において、前記蒸発器を、請求項1から6のいずれか一項に記載の熱交換器とした物品貯蔵装置。
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---|---|---|---|---|
KR101211584B1 (ko) * | 2011-06-30 | 2012-12-12 | (주)씨케이정공 | 열교환 장치 |
KR101346742B1 (ko) | 2011-12-30 | 2014-01-02 | 이근형 | 열교환기 |
JP2014159884A (ja) * | 2013-02-19 | 2014-09-04 | Showa Denko Kk | 蒸発器 |
CN108413804A (zh) * | 2018-05-10 | 2018-08-17 | 宁波市哈雷换热设备有限公司 | 一种翅片及具有该翅片的全预混冷凝式换热装置 |
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2009
- 2009-10-08 JP JP2009234051A patent/JP2011080708A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101211584B1 (ko) * | 2011-06-30 | 2012-12-12 | (주)씨케이정공 | 열교환 장치 |
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