JP2010276206A - 熱交換器および物品貯蔵装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷媒チューブをプレートフィンに挿入する際のフィンカラー部と冷媒チューブの密着力低下による熱交換能力の低下を防止し、高性能な熱交換器を提供する。
【解決手段】プレートフィン2に設けた挿入孔4の任意の部分に切り込み8を施すことにより、冷媒チューブ3をプレートフィンの挿入孔4に挿入する際の冷媒チューブ3の引っ掛かりに伴うプレートフィン4のしなりを緩和する。これにより、フィンカラー7の変形を防止し、フィンカラー7と冷媒チューブ3の密着力低下による熱交換能力低下を防止し、高性能な熱交換器を提供する。
【選択図】図4
【解決手段】プレートフィン2に設けた挿入孔4の任意の部分に切り込み8を施すことにより、冷媒チューブ3をプレートフィンの挿入孔4に挿入する際の冷媒チューブ3の引っ掛かりに伴うプレートフィン4のしなりを緩和する。これにより、フィンカラー7の変形を防止し、フィンカラー7と冷媒チューブ3の密着力低下による熱交換能力低下を防止し、高性能な熱交換器を提供する。
【選択図】図4
Description
本発明は、冷凍サイクル等に使用される熱交換器と、かかる熱交換器を具備した冷蔵庫等の物品貯蔵装置に関するものである。
冷凍空調機器に用いられる熱交換器の冷媒漏れは、冷凍空調機器自体の機能を喪失してしまうことから、熱交換器の冷媒漏れの低減が大きな課題である。また、地球温暖化対策として冷媒のノンフロン化が加速する中で、代替冷媒の大きな候補の可燃性であるHC(炭化水素)冷媒においては、製品安全の面からも熱交換器の冷媒漏れの防止は必要不可欠である。
かかる構成の熱交換器において、冷媒漏れの発生箇所は主に配管の接合部分であり、かかる点から、冷媒回路を一本の連続した冷媒チューブで構成した接合部を有しない熱交換器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
図9は、このような従来の熱交換器を示す斜視図、図10は、その熱交換器における要部の断面図である。
図9、図10に示すように、熱交換器51は、周縁の一部にフィンカラー57を有する長孔状の冷媒チューブ挿入孔54(図10)を複数設けた一群のプレートフィン52と、同様に複数の冷媒チューブ挿入孔56を設けた一対の側板55を有している。
そして、熱交換器51の組立ては、まず、一群のプレートフィン52と、その一群のプレートフィン52を挟んで側板55を配置する。次に、この状態において、段方向および列方向に複数の湾曲箇所を有し、蛇行状に加工された冷媒チューブ53を、その配置された側板55と、一群のプレートフィン52の冷媒チューブ挿入孔54、56に貫通させ、そして、冷媒チューブ53が側板55、および一群のプレートフィン52を貫通した状態で冷媒チューブ53内に液圧等を加える等して冷媒チューブ53の径を拡大(拡管)する。
これにより、冷媒チューブ53と、側板55、および一群のプレートフィン52を密着固定し、組立てを完了する。
しかしながら、上記従来の熱交換器51は、その組立てにおいて、一群のプレートフィン52の冷媒チューブ挿入孔54に冷媒チューブ53を挿入する際、図10に示すように、冷媒チューブ53の先端部分が、プレートフィン2の冷媒チューブ挿入孔54に引っ掛かり、プレートフィン52が撓んでフィンカラー57が冷媒チューブ53から離れる方向に反り返ることがあった。
かかる反り返り(変形)が生じると、フィンカラー57と冷媒チューブ53の間に隙間ができ、両者間の熱伝導が低下して熱交換能力の低下の要因となる課題を有していた。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、冷媒チューブ挿入時におけるフィンカラー部の変形を回避することで、熱交換能力の低下を防止し、さらには熱交換能力の安定化をはかり、高性能な熱交換器を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、かかる熱交換器を搭載することにより、物品貯蔵温度を安定して維持することができる物品貯蔵装置を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために本発明の熱交換器は、直管部および曲管部が連続して蛇行状に形成された冷媒チューブと、前記冷媒チューブが貫通する挿入孔を複数有し、かつ相互に間隔をおいて配置された多数のプレートフィンを備え、前記挿入孔を、矩形部と、前記矩形部の両端に前記矩形部の短辺より長い直径の円弧部を設けた形状とし、さらに前記円弧部に前記冷媒チューブと当接するフィンカラー部を設け、また、前記矩形部における長辺の任意の部分に、切り込みを施したものである。
これにより、熱交換器の組立て時において、複数の挿入孔を設けたプレートフィンに冷媒チューブを挿入する際に、冷媒チューブの先端部分が、プレートフィンの挿入孔に引っ掛かる場合においても、前記切り込み部分を境に挿入孔の辺が撓み、あるいは変形することにより、その応力に伴うフィンカラー部の変形を回避することができる。
すなわち、前記フィンカラー部の変形を回避することにより、前記冷媒チューブの拡管後における前記フィンカラー部と冷媒チューブの密着性を維持し、冷媒チューブとプレートフィンの熱交換作用の低下を防止することができる。したがって、製造工程における不具合に起因して熱交換能力が低下することがなく、高性能な熱交換器を得ることができる。
また、本発明の物品貯蔵装置は、物品貯蔵空間内へ供給する所定温度の熱交換気流の熱交換を、上記熱交換器によって行なうようにしたもので、安定した熱交換作用を得ることができ、熱交換作用の損失を少なくし、物品貯蔵温度を安定して維持することができる。
本発明は、熱交換器の組立て時において、プレートフィンに設けた挿入孔へ冷媒チューブを挿入する際に、前記挿入孔に設けたフィンカラー部と冷媒チューブ間の密着性の低下を抑制するものである。その結果、製造工程における不具合により、熱交換能力が低下することを抑制し、高性能な熱交換器を得ることができる。
また、本発明の物品貯蔵装置は、貯蔵空間へ供給する所定温度の気流を、上記熱交換器と熱交換させることにより、熱交換作用の損失を少なくして熱交換効率の安定化をはかり、消費エネルギーを抑制することができるものである。
請求項1に記載の発明は、直管部および曲管部が連続して蛇行状に形成された冷媒チューブと、前記曲管部が挿入されることにより前記冷媒チューブが貫通する挿入孔を複数有し、かつ相互に間隔をおいて配置された多数のプレートフィンを備え、前記挿入孔を、矩形部と、前記矩形部の両端に前記矩形部の短辺より長い直径の円弧部を設けた形状とし、さらに前記円弧部の周囲に起立し、かつ前記冷媒チューブと当接するフィンカラー部を設け、さらに前記矩形部における長辺の任意の部分に、切り込みを設けたものである。
かかる構成とすることにより、熱交換器の組み立て時において、プレートフィンの挿入孔に冷媒チューブを挿入する際、前記曲管部分あるいは直管部分が、プレートフィンの挿入孔に引っ掛かり、挿入孔の矩形部に応力が作用しても、前記切り込みを境に前記矩形部の長辺部が撓み、フィンカラー部への応力の伝達(変形)が緩和された状態で前記冷媒チューブの貫通を可能にする。
その結果、前記フィンカラー部の変形を回避することができ、前記冷媒チューブの拡管後におけるフィンカラー部と冷媒チューブの密着状態を確保して熱交換能力の低下を防止することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の熱交換器において、前記矩形部の長辺周縁部分に、前記切り込みから前記フィンカラー部の間に亘り所定の角度で起立する切り起こしを設けたものである。
かかる構成とすることにより、プレートフィンの挿入孔における矩形部の長辺間隔に広がりを設けることができる。その結果、熱交換器の組立て時における前記冷媒チューブとプレートフィンの挿入孔との引っ掛かりの可能性を少なくすることができ、これに伴い前記冷媒チューブは、円滑にプレートフィンの挿入孔を貫通することができる。したがって、前記冷媒チューブの挿入孔での引っ掛かりに伴うフィンカラー部の変形を抑制することができる。
また、前記冷媒チューブの挿入孔での引っ掛かりが生じる場合は、前記切り起こしとの引っ掛かりであるため、引っ掛かりに伴う応力が、フィンカラー部へ影響しないように切り起こしが撓む。
その結果、前記フィンカラー部の変形を回避することができ、前記冷媒チューブの拡管後におけるフィンカラー部と冷媒チューブの良好な密着状態を確保することができる。
また、前記切り起こしは、所定の角度で起立状態にあるため、この切り起こし部分により、境界層前縁効果が促進され、熱交換能力の向上をはかることができる。さらに、前記切り起こしは、フィンの一部を形成しているため、切り落とし等に伴うフィン表面積の減少がなく、熱交換能力の低下要因を解消した構成を得ることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の熱交換器において、前記切り起こしの起立
方向を、前記フィンカラー部と同じ方向とし、前記冷媒チューブの曲管部を、前記フィンカラー部の突出方向側へ移動させながら前記挿入孔に貫通させたものである。
方向を、前記フィンカラー部と同じ方向とし、前記冷媒チューブの曲管部を、前記フィンカラー部の突出方向側へ移動させながら前記挿入孔に貫通させたものである。
かかることにより、冷媒チューブと切り起こしの引っ掛かりが生じた場合、前記切り起こしが、前記冷媒チューブの挿入方向と同じ方向の起立方向へさらに撓むため、前記引っ掛かりの応力緩和がより確実となり、フィンカラー部の変形抑制をより確実とすることができる。
また、前記フィンカラー部と切り起こしが同一面側に位置するため、切り起こしの金型加工形成を、前記フィンカラー部の金型加工と同じ方向の動きで行なうことができ、プレートフィンの送り出し(移動)を単純な動きにして合理的に形成することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の熱交換器において、前記冷媒チューブの曲管部を前記フィンカラー部側から前記挿入孔に貫通させたものである。
かかる構成とすることにより、熱交換器の組立て時において、プレートフィンの挿入孔に冷媒チューブが引っ掛かり、挿入孔の矩形部、あるいは切り起こしに応力が作用しても、前記切り込みを境に前記矩形部の長辺部、あるいは切り起こしが撓み、前記冷媒チューブの貫通を可能にする。また、前述の引っ掛かりに伴い、フィンカラー部は、その先端側が冷媒チューブに近づく方向に撓むため、前記冷媒チューブの拡管後におけるフィンカラー部と冷媒チューブの密着状態を確保し、熱交換器の性能を維持することができる。
請求項5に記載の発明は、断熱空間で形成される物品貯蔵室と、圧縮機、凝縮器、減圧装置、蒸発器を、配管を介して環状に連結した冷凍サイクルと、前記蒸発器による冷却気流を前記物品貯蔵室内に送り込む送風機を具備した貯蔵装置において、前記蒸発器を、請求項1から4のいずれか一項に記載の熱交換器とした物品貯蔵装置である。
かかることにより、熱交換能力が安定し、効率のよい冷却運転を行うことができる。これに伴い、消費電力を抑制した物品貯蔵装置を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における熱交換器の斜視図である。図2は、同実施の形態1における熱交換器を構成するプレートフィンの平面図である。図3は、同実施の形態1における熱交換器を構成するプレートフィンの要部を拡大した平面図である。図4は、同実施の形態1における熱交換器を構成する冷媒チューブのプレートフィンへの挿入状態を示す要部斜視図である。
図1は、本発明の実施の形態1における熱交換器の斜視図である。図2は、同実施の形態1における熱交換器を構成するプレートフィンの平面図である。図3は、同実施の形態1における熱交換器を構成するプレートフィンの要部を拡大した平面図である。図4は、同実施の形態1における熱交換器を構成する冷媒チューブのプレートフィンへの挿入状態を示す要部斜視図である。
図1において、熱交換器1は、直管部3aおよび曲管部3bが連続し、蛇行状に曲げ加工して形成した冷媒チューブ3と、冷媒チューブ3が貫通する長穴状の挿入孔4を複数個有し、その挿入孔4を規則的に配置した一群のプレートフィン2と、一群のプレートフィン2を挟むように配置された側板11を備えている。なお、側板11は、熱交換器1の形態によっては、用いられない場合もある。
冷媒チューブ3には、一般に銅管あるいはアルミニウム管が用いられ、また、プレートフィン2には、薄いアルミニウム板が用いられる。
図2に示すように、プレートフィン2の挿入孔4は、短辺5aと長辺5bで形成される
矩形部5と、矩形部5の両端に矩形部5の短辺5aより長い直径の円弧部6を有し、また、円弧部6の周縁には、一方向に起立したフィンカラー7を備え、さらに矩形部5における長辺5bの周縁の略中央部分に所定深さの切り込み8を施している。
矩形部5と、矩形部5の両端に矩形部5の短辺5aより長い直径の円弧部6を有し、また、円弧部6の周縁には、一方向に起立したフィンカラー7を備え、さらに矩形部5における長辺5bの周縁の略中央部分に所定深さの切り込み8を施している。
これらは、プレートフィン2の金型、プレス加工時において一連の加工工程で形成することができる。
さらに、側板11においても、プレートフィン2の挿入孔4と同様の形状をした挿入孔12が設けられている。
また、冷媒チューブ3において、プレートフィン2の挿入孔4への挿入端となる曲管部3bの先端には、挿入孔4への挿入を容易とするために金型加工等により扁平部3cが形成されている。
上記構成において、熱交換器1の組み立て(冷媒チューブ3とプレートフィン2の密着固定)は、図4に示す如く、一群のプレートフィン2を、フィンカラー7を同一方向にして所定間隔ごとに配置し、フィンカラー7の反起立方向から冷媒チューブ3における曲管部3bの扁平部3cをプレートフィン2の挿入孔4へ挿入する。
そして、側板11を、その挿入孔12を冷媒チューブ3が貫通するように配置し、その状態で、冷媒チューブ3内に液圧等を加えて冷媒チューブ3の拡管を行ない、冷媒チューブ3と、一群のプレートフィン2および側板11の密着を行なう。これによって熱交換器1の組み立てが終了する。
なお、必要に応じて側板11を予め一群のプレートフィン2の両側に配置し、冷媒チューブ3をそれぞれの挿入孔4、12へ挿入する一連の作業で組み立てを行なうこともできる。
上述の組み立てにおいて、プレートフィン2および側板11に形成したそれぞれの挿入孔4、12の寸法は、冷媒チューブ3の拡管の度合いの関係から、冷媒チューブ3の径寸法および曲げ加工寸法とほとんど同じ程度に設定されており、また、冷媒チューブ3の曲げ加工公差もあって、冷媒チューブ3を挿入孔4に挿入する際、あるいは挿入している際に、冷媒チューブ3の曲管部3b、あるいは直管部3aが挿入孔4の矩形部5の長辺5bに引っかかる場合がある。
かかる場合は、矩形部5の長辺5bに、所定深さの切り込み8を設けているため、前述の引っ掛かりに伴って矩形部5に応力が作用しても、切り込み8を境に長辺5bが撓み、冷媒チューブ3の貫通を可能にするとともに、フィンカラー7へ伝達される応力を緩和する。
このように、冷媒チューブ3の引っ掛かりが生じても、切り込み8を境とする矩形部5の撓みによって、また、引っ掛かり状態で冷媒チューブ3の挿入を続けても、切り込み8を境とする矩形部が塑性変形することにより、フィンカラー7と冷媒チューブ3の当接状態は、設定された状態が維持され、冷媒チューブ3の拡管後におけるフィンカラー7との密着を良好な状態に維持することができる。その結果、冷媒チューブ3とフィンカラー7の密着不良に伴う熱伝導の低下が抑制でき、熱交換器1の熱交換性能の低下を抑制し、品質を維持することができる。
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2における熱交換器を構成するプレートフィンの要部斜視
図である。図6は、同実施の形態2における熱交換器を構成する冷媒チューブのプレートフィンへの挿入状態を示す要部斜視図である。本実施の形態2においては、先の実施の形態1と相違する内容を主体に説明し、先の実施の形態1と同様の構成要件については、同一の符号を付して説明する。また、熱交換器の全体構成については、先の実施の形態1の図1を援用する。
図5は、本発明の実施の形態2における熱交換器を構成するプレートフィンの要部斜視
図である。図6は、同実施の形態2における熱交換器を構成する冷媒チューブのプレートフィンへの挿入状態を示す要部斜視図である。本実施の形態2においては、先の実施の形態1と相違する内容を主体に説明し、先の実施の形態1と同様の構成要件については、同一の符号を付して説明する。また、熱交換器の全体構成については、先の実施の形態1の図1を援用する。
先の実施の形態1においては、冷媒チューブ3の挿入孔4への挿入工程において、冷媒チューブ3の引っ掛かりが生じると、切り込み8を境に挿入孔4の矩形部5が撓むことにより、フィンカラー7がその応力の影響を受けないように構成したが、本実施の形態2においては、図5に示すように、予め切り込み8を境にして、挿入孔4における矩形部5の長辺5bに所定角度(例えば、10°程度)でフィンカラー7と同じ方向に起立する切り起こし9を形成した構成が先の実施の形態1と相違する。
上記構成において、熱交換器1の組み立て(冷媒チューブ3とプレートフィン2の密着固定)は、図6に示す如く、一群のプレートフィン2を、フィンカラー7を同一方向にして所定間隔ごとに配置し、フィンカラー7の反起立方向から冷媒チューブ3における曲管部3bの扁平部3cをプレートフィン2の挿入孔4へ挿入する。
そして、側板11を、その挿入孔12を冷媒チューブ3が貫通するように配置し、その状態で、冷媒チューブ3内に液圧等を加えて冷媒チューブ3の拡管を行ない、冷媒チューブ3と、一群のプレートフィン2および側板11の密着を行なう。これによって熱交換器1の組み立てが終了する。
なお、必要に応じて側板11を予め一群のプレートフィン2の両側に配置し、冷媒チューブ3をそれぞれの挿入孔4、12へ挿入して組み立てを行なうこともできる。
ここで、本実施の形態2においては、上述の如く、予め切り込み8を境にして、挿入孔4における矩形部5の長辺5bに、所定角度でフィンカラー7と同じ方向に起立する切り起こし9を形成し、冷媒チューブ3を挿入孔4に挿入する際、あるいは挿入している際に、冷媒チューブ3の曲管部3b、あるいは直管部3aが挿入孔4の切り起こし9に引っかかる可能性を低くしている。
したがって、冷媒チューブ3と切り起こし9の引っ掛かりが生じた場合、切り起こし9が、冷媒チューブ3の挿入方向と同じ方向の起立方向へさらに撓むため、引っ掛かりの応力緩和がより確実となり、フィンカラー7の変形抑制をより確実とすることができる。
このように、冷媒チューブ3の引っ掛かりが生じても、切り起こし9の撓みによって、また、引っ掛かり状態で冷媒チューブ3の挿入を続けても、切り起こし9が塑性変形することにより、フィンカラー7と冷媒チューブ3の当接状態は、設定された状態が維持され、冷媒チューブ3の拡管後におけるフィンカラー7との密着を良好な状態に維持することができる。その結果、冷媒チューブ3とフィンカラー7の密着不良に伴う熱伝導の低下が抑制でき、熱交換器1の熱交換性能の低下を抑制し、品質を維持することができる。
また、切り起こし9を形成することにより、図5の矢印で示す気流に対しての境界層前縁効果が促進され、熱交換能力の向上をはかることができる。さらに、切り起こし9を形成する部分がプ、レートフィン2の一部として残るため、伝熱面積が増加し、熱交換能力の向上をはかることができる。
(実施の形態3)
図7は、本発明の実施の形態3の熱交換器を構成する冷媒チューブのプレートフィンへ
の挿入状態を示す要部斜視図である。本実施の形態3においては、先の実施の形態1、2と相違する内容を主体に説明し、先の実施の形態1、2と同様の構成要件については、同一の符号を付して説明する。また、熱交換器の構成は、実施の形態1の構成を基調とし、実施の形態1の熱交換器の全体構成およびプレートフィンの構成については、先の実施の形態1の図1、図2、図3を援用する。
図7は、本発明の実施の形態3の熱交換器を構成する冷媒チューブのプレートフィンへ
の挿入状態を示す要部斜視図である。本実施の形態3においては、先の実施の形態1、2と相違する内容を主体に説明し、先の実施の形態1、2と同様の構成要件については、同一の符号を付して説明する。また、熱交換器の構成は、実施の形態1の構成を基調とし、実施の形態1の熱交換器の全体構成およびプレートフィンの構成については、先の実施の形態1の図1、図2、図3を援用する。
先の実施の形態1、2においては、冷媒チューブ3の挿入孔4への挿入工程において、フィンカラー7の反起立方向から冷媒チューブ3における曲管部3bの扁平部3cをプレートフィン2の挿入孔4へ挿入する構成としたが、本実施の形態3においては、図7に示す如くフィンカラー7の起立側から冷媒チューブ3を挿入する構成としている。
上記構成において、熱交換器1の組み立て(冷媒チューブ3とプレートフィン2の密着固定)は、図7に示す如く、一群のプレートフィン2を、フィンカラー7を同一方向にして所定間隔ごとに配置し、フィンカラー7の起立方向から冷媒チューブ3における曲管部3bの扁平部3cをプレートフィン2の挿入孔4へ挿入する。
そして、側板11を、その挿入孔12を冷媒チューブ3が貫通するように配置し、その状態で、冷媒チューブ3内に液圧等を加えて冷媒チューブ3の拡管を行ない、冷媒チューブ3と、一群のプレートフィン2および側板11の密着を行なう。これによって熱交換器1の組み立てが終了する。
なお、必要に応じて側板11を予め一群のプレートフィン2の両側に配置し、冷媒チューブ3をそれぞれの挿入孔4、12へ挿入して組み立てを行なうこともできる。
上述の組み立てにおいて、実施の形態1で説明したプレートフィン2および側板11に形成したそれぞれの挿入孔4、12の寸法、および冷媒チューブ3の曲げ加工公差等に起因して冷媒チューブ3の挿入孔4への挿入の際、あるいは挿入している際に、冷媒チューブ3の曲管部3b、あるいは直管部3aが挿入孔4の矩形部5の長辺5bに引っかかる場合がある。
かかる場合は、実施の形態1と同様に、切り込み8を境とする長辺5bの撓み等によって冷媒チューブ3の貫通を可能にするとともに、フィンカラー7へ伝達される応力を緩和する。
しかも、冷媒チューブ3をフィンカラー7の起立方向から挿入するため、上述の引っ掛かりが発生した場合は、フィンカラー7の先端側が冷媒チューブ3に近づく方向に撓み、さらに引っ掛かり状態で冷媒チューブ3の挿入を続けても、フィンカラー7の先端が冷媒チューブ3に当接するようにプレートフィン2の挿入孔4が切り込み8を境に塑性変形する。その結果、冷媒チューブ3の拡管後におけるフィンカラー7と冷媒チューブ3の密着状態を確保し、熱交換器の性能を維持することができる。
このように、冷媒チューブ3の引っ掛かりが生じても、冷媒チューブ3とフィンカラー7の密着不良に伴う熱伝導の低下が抑制でき、熱交換器1の熱交換性能の低下を抑制し、品質の安定化をはかることができる。
また、実施の形態2に示すプレートフィン2の構成であっても同様の作用効果が期待できる。
(実施の形態4)
図8は、本発明の実施の形態4における物品貯蔵装置の構成を示す模式図である。なお
、ここでは、蒸発器(冷却器)を実施の形態1の熱交換器とし、実施の形態1の構成要件と同様の構成要件には同一の符号を付して説明する。
図8は、本発明の実施の形態4における物品貯蔵装置の構成を示す模式図である。なお
、ここでは、蒸発器(冷却器)を実施の形態1の熱交換器とし、実施の形態1の構成要件と同様の構成要件には同一の符号を付して説明する。
図8において、貯蔵装置本体41は、内部に、前面が開口し、断熱材によって囲われた第一貯蔵室42aと第二貯蔵室42bを具備し、前面に、第一貯蔵室42aおよび第二貯蔵室42bに対応して前記開口を開閉する断熱性を有する第一扉43aおよび第二扉43bを具備している。
また、第一貯蔵室42aと第二貯蔵室42bは、連絡通路44a、44bを介して連通している。
さらに、貯蔵装置本体41の内部には、圧縮機45、凝縮器46、減圧装置47、熱交換器(蒸発器)1を配管により環状に連結した冷凍サイクルが設けられており、熱交換器1は、第一貯蔵室42aに配置されている。また、第一貯蔵室42aには、熱交換器1で冷却された冷気を、矢印aで示す如く積極的に第一貯蔵室42a内を循環させる送風機48が設けられている。第二貯蔵室42bは、矢印bで示す如く連絡通路44a、44bを介して流入した第一貯蔵室42aの一部の冷気の循環によって冷却される。
したがって、熱交換器1は、実施の形態1で説明したように、組み立て時において、プレートフィン2のフィンカラー7と冷媒チューブ3の密着を確実なものとして熱交換損失の少ない構成としているため、熱交換能力が高く、効率のよい冷却運転を行うことができる。これに伴い、消費電力を抑制した物品貯蔵装置を得ることができる。
以上のように本発明は、製造歩留まりがよく、かつ高性能な熱交換器である。したがって、冷蔵庫、自動販売機等の流体を冷媒とする熱交換機器の他に、ラジエター等の如く水等の液体を流体とする熱交換機器を具備する産業機器分野に亘って広く適用することができる。
1 熱交換器
2 プレートフィン
3 冷媒チューブ
3a 直管部
3b 曲管部
3c 扁平部
4 挿入孔
5 矩形部
5a 短辺
5b 長辺
6 円弧部
7 フィンカラー
8 切り込み
9 切り起こし
41 貯蔵装置本体
42a 第一貯蔵室
42b 第二貯蔵室
45 圧縮機
46 凝縮器
47 減圧装置
48 送風機
2 プレートフィン
3 冷媒チューブ
3a 直管部
3b 曲管部
3c 扁平部
4 挿入孔
5 矩形部
5a 短辺
5b 長辺
6 円弧部
7 フィンカラー
8 切り込み
9 切り起こし
41 貯蔵装置本体
42a 第一貯蔵室
42b 第二貯蔵室
45 圧縮機
46 凝縮器
47 減圧装置
48 送風機
Claims (5)
- 直管部および曲管部が連続して蛇行状に形成された冷媒チューブと、前記曲管部が挿入されることにより前記冷媒チューブが貫通する挿入孔を複数有し、かつ相互に間隔をおいて配置された多数のプレートフィンを備え、前記挿入孔を、矩形部と、前記矩形部の両端に前記矩形部の短辺より長い直径の円弧部を設けた形状とし、さらに前記円弧部の周囲に起立し、かつ前記冷媒チューブと当接するフィンカラー部を設け、さらに前記矩形部における長辺の任意の部分に、切り込みを設けた熱交換器。
- 前記矩形部の長辺周縁部分に、前記切り込みから前記フィンカラー部の間に亘り所定の角度で起立する切り起こしを設けた請求項1に記載の熱交換器。
- 前記切り起こしの起立方向を、前記フィンカラー部と同じ方向とし、前記冷媒チューブの曲管部を、前記フィンカラー部の突出方向側へ移動させながら前記挿入孔に貫通させた請求項2に記載の熱交換器。
- 前記冷媒チューブの曲管部を前記フィンカラー部側から前記挿入孔に貫通させた請求項1または2に記載の熱交換器。
- 断熱空間で形成される物品貯蔵室と、圧縮機、凝縮器、減圧装置、蒸発器を、配管を介して環状に連結した冷凍サイクルと、前記蒸発器による冷却気流を前記物品貯蔵室内に送り込む送風機を具備した貯蔵装置において、前記蒸発器を、請求項1から4のいずれか一項に記載の熱交換器とした物品貯蔵装置。
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JP2009126080A JP2010276206A (ja) | 2009-05-26 | 2009-05-26 | 熱交換器および物品貯蔵装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102679795A (zh) * | 2012-05-30 | 2012-09-19 | 中冶南方(武汉)威仕工业炉有限公司 | 一种用于翅片管换热器的锯齿形管板 |
CN109732010A (zh) * | 2019-01-25 | 2019-05-10 | 江苏通盛换热器有限公司 | 一种铝衬板与铜管翅片的连接结构 |
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2009
- 2009-05-26 JP JP2009126080A patent/JP2010276206A/ja active Pending
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