JP2011080036A - 光重合開始剤及び感光性組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、新規な光重合開始剤、これを含有する感光性組成物、及びその硬化物に関する。
感光性組成物は、オレフィン結合を有する重合性化合物に光重合開始剤を配合した形態で広く使用されており、フォトレジスト、光硬化型インキ、光硬化型塗料、光硬化型接着剤、光造形用感光性樹脂、感光性印刷版等の用途で実用化されている。感光性組成物は、水銀ランプ、キセノンランプ、レーザ等を光源として紫外光や可視光を照射すること(露光という)により重合反応を起こさせて硬化させることができるが、少ない露光量で効率よく硬化させることができる高感度な感光性組成物が望まれており、そのための高感度な光重合開始剤が必要とされている。
光重合開始剤としてはこれまでに数多くの化合物が提案されており、アセトフェノン化合物、ベンゾフェノン化合物、ベンゾインエーテル化合物、α−アミノアルキルフェノン化合物、チオキサントン化合物、有機過酸化物、ビイミダゾール化合物、チタノセン化合物、トリアジン化合物、アシルホスフィンオキシド化合物、キノン化合物、オキシムエステル化合物等が知られている。しかし、これらはいずれも十分な感度を有するものではなかった。
近年、カルバゾール骨格を有するオキシムエステル化合物が開示されており(下記特許文献1〜9)、従来の光重合開始剤を大きく上回る感度が報告されている。ところが、かかる光重合開始剤をもってしても、液晶ディスプレイのカラーフィルターの製造に用いられるフォトレジスト(ブラックレジスト、RGBレジスト)のような高性能を要求される用途に関しては、必ずしも満足な水準にまでは達していないという問題があった。
また、液晶ディスプレイのカラーフィルターの製造に用いられるフォトレジストの場合、製造工程で230℃程度の高温の焼成処理を受けることが一般的である。このとき、フォトレジスト中に残存する光重合開始剤が熱分解を起こし、発生した分解物が焼成炉を汚染してカラーフィルターの信頼性を損なう場合がある。そのため、そのような懸念を生じることのない、熱安定性に優れる光重合開始剤が望まれていた。
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、高感度かつ熱安定性に優れる光重合開始剤、及びそれを用いた感光性組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために検討した結果、本発明者等は、光重合開始剤としてのカルバゾール骨格を有するオキシムエステル化合物に特定の官能基を導入することで目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で示される光重合開始剤である。
(ただし、R1は置換基として少なくとも1つのニトロ基を有するアリール基を表し、また、R2は置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20の飽和または不飽和の一価の有機基であって、分岐構造や環構造を形成していてもよく、任意の位置にヘテロ原子が存在していてもよい。更に、Arはカルバゾール骨格を有した置換基であって、該カルバゾール骨格はニトロ基を有する。)
ここで、R2はメチル基であることが好ましい。また、本発明は、上記光重合開始剤、及びオレフィン結合を有する重合性化合物を含有する感光性組成物であり、更には当該感光性組成物を硬化した硬化物である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の光重合開始剤は、一般式(1)で示される構造を有する。ここで、オキシム部位のC=N二重結合にはE体及びZ体の幾何異性体が存在し得るが、本発明ではこれらを特に区別することなく扱う。したがって、一般式(1)、及び後述の式(2)〜(13)で示される構造は、これら幾何異性体の混合物またはそのうちのいずれか一つを表すものである。
本発明の光重合開始剤は、一般式(1)で示される構造を有する。ここで、オキシム部位のC=N二重結合にはE体及びZ体の幾何異性体が存在し得るが、本発明ではこれらを特に区別することなく扱う。したがって、一般式(1)、及び後述の式(2)〜(13)で示される構造は、これら幾何異性体の混合物またはそのうちのいずれか一つを表すものである。
ここで、R1は置換基として少なくとも1つのニトロ基を有するアリール基を示す。入手性の点で、R1は置換基として少なくとも1つのニトロ基を有するフェニル基であることが好ましく、例えば、2−ニトロフェニル基、3−ニトロフェニル基、4−ニトロフェニル基、2,4−ジニトロフェニル基、2,5−ジニトロフェニル基、2,6−ジニトロフェニル基、3,4−ジニトロフェニル基、3,5−ジニトロフェニル基、2,3,5−トリニトロフェニル基、2,4,6−トリニトロフェニル基等であることが有利である。また、上記の少なくとも1つのニトロ基を有するフェニル基のベンゼン環上の水素原子を、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)、ハロゲン化アルキル基(トリフルオロメチル基、クロロメチル基等)、シアノ基等で置換した誘導体も好ましく、例えば、2−ハロ−3−ニトロフェニル基(ハロはハロゲン原子の置換基を示す、以下同様)、2−ハロ−4−ニトロフェニル基、2−ハロ−5−ニトロフェニル基、2−ハロ−6−ニトロフェニル基、3−ハロ−2−ニトロフェニル基、3−ハロ−4−ニトロフェニル基、3−ハロ−5−ニトロフェニル基、5−ハロ−2−ニトロフェニル基、4−ハロ−2−ニトロフェニル基、4−ハロ−3−ニトロフェニル基、4−ハロ−3,5−ジニトロフェニル基、2−アルキル−3−ニトロフェニル基、2−アルキル−4−ニトロフェニル基、2−アルキル−5−ニトロフェニル基、2−アルキル−6−ニトロフェニル基、3−アルキル−2−ニトロフェニル基、3−アルキル−4−ニトロフェニル基、3−アルキル−5−ニトロフェニル基、5−アルキル−2−ニトロフェニル基、4−アルキル−2−ニトロフェニル基、4−アルキル−3−ニトロフェニル基、4−アルキル−3,5−ジニトロフェニル基、2−ニトロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル基、3−ニトロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−シアノ−2−ニトロフェニル基、3−シアノ−5−ニトロフェニル基等を用いることもできる。更に、R1は置換基として少なくとも1つのニトロ基を有する多環式アリール基、例えばナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等であってもよい。
一般式(1)及び(2)において、R2及びR3はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20の飽和または不飽和の一価の有機基を示し、分岐構造や環構造を形成していてもよく、任意の位置にヘテロ原子が存在していてもよい。R2及びR3の具体的な例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、イコシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ビニル基、アリル基、エチニル基、フェニル基、トリル基、メシチル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ベンジル基、2−フェニルエチル基、2−フェニルビニル基等の飽和または不飽和の一価の炭化水素基や、ピリジル基、ピペリジル基、ピペリジノ基、ピロリル基、ピロリジニル基、イミダゾリル基、イミダゾリジニル基、フリル基、テトラヒドロフリル基、チエニル基、テトラヒドロチエニル基、モルホリニル基、モルホリノ基、キノリル基等の飽和または不飽和の一価の複素環基等を挙げることができる。更に、上記の炭化水素基及び複素環基等の任意の位置に、置換基として、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、スルファニル基、カルボニル基、チオカルボニル基、カルボキシ基、チオカルボキシ基、ジチオカルボキシ基、ホルミル基、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホ基、アミノ基、イミノ基、シリル基、エーテル基、チオエーテル基、エステル基、チオエステル基、ジチオエステル基、アミド基、チオアミド基、ウレタン基、チオウレタン基等を導入した構造も挙げることができる。なお、R2及びR3にはメチル基のような炭素原子上の一価の有機基だけでなく、メトキシ基、メチルスルファニル基、ジメチルアミノ基のようなヘテロ原子上の一価の有機基も含まれる。R2及びR3は、目的とする光重合開始剤の分子量、感度、溶解度等に応じて適宜選定されればよいが、炭素原子数1〜20の飽和または不飽和の一価の炭化水素基であることが好ましく、更には、R2はメチル基であることが最も好ましく、R3はエチル基であることが最も好ましい。
本発明の光重合開始剤の製造方法は特に制限されないが、例えば以下の手順で実施することができる。まず、9H−カルバゾールの9位に求核置換反応等でR3を導入し、続いて6位を硝酸でニトロ化する。更にフリーデルクラフツアシル化反応で3位にR1COを導入し、ケトン体を得る。これをヒドロキシルアミンでオキシムに変換した後、R2COOHの酸ハロゲン化物または酸無水物でオキシムのエステル化を行って一般式(2)の光重合開始剤を得る。なお、ニトロ化とフリーデルクラフツアシル化の順序は入れ替えてもよい。
また、本発明の感光性組成物は、一般式(1)で示される光重合開始剤、及びオレフィン結合を有する重合性化合物を含有する。オレフィン結合を有する重合性化合物としては、従来感光性組成物に用いられている公知の化合物を特に制限なく使用することができるが、特にアクリル酸及びメタクリル酸(以下、両者をあわせて「(メタ)アクリル酸」等という)の誘導体が有利であり、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル誘導体や、ビスフェノールA型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールフルオレン型エポキシジ(メタ)アクリレート、フェノールノボラック型エポキシポリ(メタ)アクリレート、クレゾールノボラック型エポキシポリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エポキシエステル誘導体等を好ましく用いることができる。また、上記(メタ)アクリル酸誘導体と、構造中に(好ましくは複数の)イソシアネート基や酸無水物基等を有する化合物との反応生成物等も適している。更に、公知の樹脂類であるビニル樹脂(アクリル酸(共)重合体、メタクリル酸(共)重合体、マレイン酸(共)重合体、スチレン(共)重合体等)、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂等の主鎖または側鎖に、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合等により(メタ)アクリロイル基を導入した樹脂類等も用いることができる。なお、(メタ)アクリル酸誘導体以外では、マレイン酸誘導体、マレイミド誘導体、クロトン酸誘導体、イタコン酸誘導体、ケイヒ酸誘導体、ビニル誘導体、ビニルアルコール誘導体、ビニルケトン誘導体、ビニル芳香族誘導体等も挙げることができる。これらのオレフィン結合を有する重合性化合物は、更にエポキシ基等の熱反応性の官能基やカルボキシ基等のアルカリ溶解性の官能基等を有して、複合機能化されたものであってもよい。これらのオレフィン結合を有する重合性化合物は、単独で用いてもよく、複数を組み合わせて用いてもよい。
本発明の感光性組成物において、一般式(1)で示される光重合開始剤の配合割合は特に制限されないが、オレフィン結合を有する重合性化合物100重量部に対して光重合開始剤が0.1〜50重量部であることが好ましく、1〜20重量部であることがより好ましい。
本発明の感光性組成物は、必要に応じてその他の任意の成分を含んだものであってもよく、例えば着色材、フィラー、樹脂、添加剤、溶剤等を配合させることができる。ここで、着色材としては染料、有機顔料、無機顔料、カーボンブラック顔料等を、フィラーとしてはシリカ、タルク等を、樹脂としてはビニル樹脂(アクリル酸(共)重合体、メタクリル酸(共)重合体、マレイン酸(共)重合体、スチレン(共)重合体等)、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等を、添加剤としては硬化剤、架橋剤、分散剤、界面活性剤、シランカップリング剤、粘度調整剤、湿潤剤、消泡剤、酸化防止剤等を、溶剤としてはエステル系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、芳香族系溶剤、脂肪族系溶剤、アミン系溶剤、アミド系溶剤等を挙げることができる。これら任意の成分としては、公知の化合物を特に制限なく使用することができる。
また、本発明の感光性組成物には、一般式(1)で示される光重合開始剤に加えて、公知の光重合開始剤や色素増感剤等を併用することもできる。例えば、アセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール等のアセトフェノン化合物、ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4,4′−ビス(N,N−ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイン−tert−ブチルエーテル等のベンゾインエーテル化合物、2−メチル−1−[4−(メチルスルファニル)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−(N,N−ジメチルアミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン等のα−アミノアルキルフェノン化合物、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン化合物、3,3′,4,4′−テトラ(tert−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン等の有機過酸化物、2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニル−1,2−ビイミダゾール等のビイミダゾール化合物、ビス(η5−シクロペンタジエニル)ビス[2,6−ジフルオロ−3−(1−ピロリル)フェニル]チタン等のチタノセン化合物、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[3,4−(メチレンジオキシ)フェニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン等のトリアジン化合物、(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド化合物、カンファーキノン等のキノン化合物、1−[4−(フェニルスルファニル)フェニル]オクタン−1,2−ジオン=2−O−ベンゾイルオキシム、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)カルバゾール−3−イル]エタノン=O−アセチルオキシム等のオキシムエステル化合物等を特に制限なく使用することができる。
本発明の感光性組成物の硬化物を作製する方法としては公知の方法が利用でき、目的や用途に合わせた適切な基材や型へ感光性組成物を塗布または注入した後、露光により硬化が行われればよい。ここで、フォトマスク等を使用して選択的な露光を行い、更に現像を実施することで、画像形成、造形等の加工を行うこともできる。また、必要に応じて焼成等の処理を行ってもよい。
本発明の光重合開始剤は感度に優れ、少ない露光量で効率よく硬化させることができる高感度な感光性組成物を提供できることから、きわめて有用である。本発明の光重合開始剤は、紫外光及び可視光を効率的に吸収して励起状態になると、オキシムエステル結合を速やかに開裂させて活性の高いラジカル種を生成し、感光性組成物に含まれたオレフィン結合を有する重合性化合物を高速に重合反応させるものと考えられる。また、本発明の光重合開始剤は熱安定性に優れることから、液晶ディスプレイのカラーフィルターの製造に用いられるフォトレジストのように製造工程で230℃程度の高温の焼成処理を受ける場合でも、残存する光重合開始剤の分解物が発生してカラーフィルターの信頼性を損なうおそれがない。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
[実施例1]
<(9−エチル−6−ニトロカルバゾール−3−イル)(4−ニトロフェニル)メタノン=O−アセチルオキシム>(式(3)の光重合開始剤)
(光重合開始剤の合成)
以下4ステップの反応により上記光重合開始剤を合成した。反応は、ガラス製反応器を用いて常圧下実施した。
<(9−エチル−6−ニトロカルバゾール−3−イル)(4−ニトロフェニル)メタノン=O−アセチルオキシム>(式(3)の光重合開始剤)
(光重合開始剤の合成)
以下4ステップの反応により上記光重合開始剤を合成した。反応は、ガラス製反応器を用いて常圧下実施した。
ステップ1: ニトロメタンを溶媒として、9−エチルカルバゾール(東京化成工業社製)0.10モル、4−ニトロベンゾイルクロリド(東京化成工業社製)0.15モル、及び塩化アルミニウム0.15モルを0〜5℃で6時間反応させた。反応液を氷水に滴下して析出した固体を回収し、十分に洗浄して、(9−エチルカルバゾール−3−イル)(4−ニトロフェニル)メタノンの粗生成物0.07モル相当を得た。
ステップ2: 酢酸を溶媒として、ステップ1の生成物全量、及び硝酸0.14モルを80℃で6時間反応させた。反応液を氷水に滴下して析出した固体を回収し、十分に洗浄して、(9−エチル−6−ニトロカルバゾール−3−イル)(4−ニトロフェニル)メタノンの粗生成物0.06モル相当を得た。
ステップ3: テトラヒドロフランを溶媒として、ステップ2の生成物全量、及び塩酸ヒドロキシルアミン0.12モルを還流下24時間反応させた。冷却後、反応液を水に滴下して析出した固体を回収し、十分に洗浄して、(9−エチル−6−ニトロカルバゾール−3−イル)(4−ニトロフェニル)メタノン=オキシムの粗生成物0.05モル相当を得た。
ステップ4: ピリジンを溶媒として、ステップ3の生成物全量、及び無水酢酸0.10モルを80℃で6時間反応させた。冷却後、反応液を水に滴下して析出した固体を回収し、十分に洗浄して、(9−エチル−6−ニトロカルバゾール−3−イル)(4−ニトロフェニル)メタノン=O−アセチルオキシムの粗生成物0.04モル相当を得た。更にシリカゲルカラムで精製を行って、純品0.02モルを得た。得られた純品の化合物の同定を1H−NMR(CDCl3)で行ったところ、以下の結果を示した。
δ=8.94(s,1H)、8.47(d,1H)、8.43(d,2H)8.16(s,1H)、7.96(d,1H)、7.59(d,2H)、7.52(d,1H)、7.46(d,1H)、4.44(q,2H)、2.12(s,3H)、1.53(t,3H)
δ=8.94(s,1H)、8.47(d,1H)、8.43(d,2H)8.16(s,1H)、7.96(d,1H)、7.59(d,2H)、7.52(d,1H)、7.46(d,1H)、4.44(q,2H)、2.12(s,3H)、1.53(t,3H)
(感光性組成物の作製)
上記で得られた光重合開始剤0.4重量%、ビスフェノールフルオレン型エポキシジアクリレート構造を有するアルカリ現像型感光性樹脂(オレフィン結合を有する重合性化合物)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(新日鐵化学社製「V−259ME」、固形分濃度56.5重量%)5.2重量%、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(オレフィン結合を有する重合性化合物)1.0重量%、カーボンブラック顔料(着色材)をカチオン性高分子分散剤でプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに分散した分散液(カーボンブラック顔料濃度25.3重量%、固形分濃度31.6重量%)27.7重量%、シリコーン系界面活性剤(東レ・ダウコーニング社製「FZ−2122」)0.05重量%、3−(グリシジルオキシ)プロピルトリメトキシシラン(シランカップリング剤)0.05重量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(溶剤)22.2重量%、及びシクロヘキサノン(溶剤)43.4重量%の割合で配合を行い、感光性組成物を作製した。かかる感光性組成物は、固形分濃度13.2重量%、固形分中のカーボンブラック顔料濃度53.1重量%であり、液晶ディスプレイのカラーフィルターの製造に用いられるフォトレジスト(ブラックレジスト)として使用可能なものである。なお、ここで固形分とは、溶剤以外の成分をいう。
上記で得られた光重合開始剤0.4重量%、ビスフェノールフルオレン型エポキシジアクリレート構造を有するアルカリ現像型感光性樹脂(オレフィン結合を有する重合性化合物)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(新日鐵化学社製「V−259ME」、固形分濃度56.5重量%)5.2重量%、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(オレフィン結合を有する重合性化合物)1.0重量%、カーボンブラック顔料(着色材)をカチオン性高分子分散剤でプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに分散した分散液(カーボンブラック顔料濃度25.3重量%、固形分濃度31.6重量%)27.7重量%、シリコーン系界面活性剤(東レ・ダウコーニング社製「FZ−2122」)0.05重量%、3−(グリシジルオキシ)プロピルトリメトキシシラン(シランカップリング剤)0.05重量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(溶剤)22.2重量%、及びシクロヘキサノン(溶剤)43.4重量%の割合で配合を行い、感光性組成物を作製した。かかる感光性組成物は、固形分濃度13.2重量%、固形分中のカーボンブラック顔料濃度53.1重量%であり、液晶ディスプレイのカラーフィルターの製造に用いられるフォトレジスト(ブラックレジスト)として使用可能なものである。なお、ここで固形分とは、溶剤以外の成分をいう。
(感光性組成物の評価)
上記感光性組成物を無アルカリガラス基板にスピンコーターを用いて塗布し、80℃のホットプレートで1分間乾燥させて試験片を作成した。このとき、膜厚1.0μmの硬化膜が得られるように塗布条件(スピン回転数)を調節した。次に、透過率を0〜100%の間で段階的に変化させたフォトマスクを使用し、i線照度30mW/cm2の超高圧水銀ランプで100mJ/cm2の紫外線を照射して試験片に画像露光を行った。その後、試験片を26℃のアルカリ現像液(新日鐵化学社製「V−2401ID」の10倍希釈液)で1分間処理し、更に水洗して画像を現像させた。この画像は、光硬化に必要な露光量を読み取ることができるものである。最後に試験片を230℃の熱風オーブンで30分間焼成し、感光性組成物の硬化膜を得た。画像から判定された光硬化に必要な露光量は26mJ/cm2であった。また、硬化膜の光学濃度は4.5/μmであり、高い遮光性を有していた。
上記感光性組成物を無アルカリガラス基板にスピンコーターを用いて塗布し、80℃のホットプレートで1分間乾燥させて試験片を作成した。このとき、膜厚1.0μmの硬化膜が得られるように塗布条件(スピン回転数)を調節した。次に、透過率を0〜100%の間で段階的に変化させたフォトマスクを使用し、i線照度30mW/cm2の超高圧水銀ランプで100mJ/cm2の紫外線を照射して試験片に画像露光を行った。その後、試験片を26℃のアルカリ現像液(新日鐵化学社製「V−2401ID」の10倍希釈液)で1分間処理し、更に水洗して画像を現像させた。この画像は、光硬化に必要な露光量を読み取ることができるものである。最後に試験片を230℃の熱風オーブンで30分間焼成し、感光性組成物の硬化膜を得た。画像から判定された光硬化に必要な露光量は26mJ/cm2であった。また、硬化膜の光学濃度は4.5/μmであり、高い遮光性を有していた。
[実施例2]
<(9−ヘキシル−6−ニトロカルバゾール−3−イル)(4−ニトロフェニル)メタノン=O−アセチルオキシム>(式(4)の光重合開始剤)
実施例1と同様に合成を実施した。得られた純品の化合物の同定を1H−NMR(CDCl3)で行ったところ、以下の結果を示した。
δ=8.92(s,1H)、8.49(d,1H)、8.47(d,2H)、8.14(s,1H)、7.96(d,1H)、7.61(d,2H)、7.48(d,1H)、7.46(d,1H)、4.30(q,2H)、2.12(s,3H)、1.90−1.83(m,2H)、1.43−1.35(m,2H)、1.35−1.23(m,4H)、0.86(t,3H)
<(9−ヘキシル−6−ニトロカルバゾール−3−イル)(4−ニトロフェニル)メタノン=O−アセチルオキシム>(式(4)の光重合開始剤)
実施例1と同様に合成を実施した。得られた純品の化合物の同定を1H−NMR(CDCl3)で行ったところ、以下の結果を示した。
δ=8.92(s,1H)、8.49(d,1H)、8.47(d,2H)、8.14(s,1H)、7.96(d,1H)、7.61(d,2H)、7.48(d,1H)、7.46(d,1H)、4.30(q,2H)、2.12(s,3H)、1.90−1.83(m,2H)、1.43−1.35(m,2H)、1.35−1.23(m,4H)、0.86(t,3H)
また、実施例1と同様に感光性組成物を作製し評価を行ったところ、光硬化に必要な露光量は26mJ/cm2であった。
[実施例3]
<[9−(2−エチルヘキシル)−6−ニトロカルバゾール−3−イル](4−ニトロフェニル)メタノン=O−アセチルオキシム>(式(5)の光重合開始剤)
実施例1と同様に合成を実施した。得られた純品の化合物の同定を1H−NMR(CDCl3)で行ったところ、以下の結果を示した。
δ=8.93(s,1H)、8.46(d,2H)、8.41(d,1H)、8.15(s,1H)、7.95(d,1H)、7.60(d,2H)、7.48(d,1H)、7.45(d,1H)、4.17(q,2H)、2.16(s,3H)、2.07(m,1H)、1.45−1.30(m,4H)、1.30−1.26(m,4H)、0.92(t,3H)、0.86(t,3H)
<[9−(2−エチルヘキシル)−6−ニトロカルバゾール−3−イル](4−ニトロフェニル)メタノン=O−アセチルオキシム>(式(5)の光重合開始剤)
実施例1と同様に合成を実施した。得られた純品の化合物の同定を1H−NMR(CDCl3)で行ったところ、以下の結果を示した。
δ=8.93(s,1H)、8.46(d,2H)、8.41(d,1H)、8.15(s,1H)、7.95(d,1H)、7.60(d,2H)、7.48(d,1H)、7.45(d,1H)、4.17(q,2H)、2.16(s,3H)、2.07(m,1H)、1.45−1.30(m,4H)、1.30−1.26(m,4H)、0.92(t,3H)、0.86(t,3H)
また、実施例1と同様に感光性組成物を作製し評価を行ったところ、光硬化に必要な露光量は26mJ/cm2であった。
[実施例4]
<(9−エチル−6−ニトロカルバゾール−3−イル)(3−ニトロフェニル)メタノン=O−アセチルオキシム>(式(6)の光重合開始剤)
実施例1と同様に合成を実施した。得られた純品の化合物の同定を1H−NMR(CDCl3)で行ったところ、以下の結果を示した。
δ=8.94(s,1H)、8.59(s,1H)、8.54−8.50(m,2H)、8.47(d,1H)、8.43(d,1H)、8.16(s,1H)、7.96(d,1H)、7.52(d,1H)、7.46(d,1H)、4.42(q,2H)、2.15(s,3H)、1.51(t,3H)
<(9−エチル−6−ニトロカルバゾール−3−イル)(3−ニトロフェニル)メタノン=O−アセチルオキシム>(式(6)の光重合開始剤)
実施例1と同様に合成を実施した。得られた純品の化合物の同定を1H−NMR(CDCl3)で行ったところ、以下の結果を示した。
δ=8.94(s,1H)、8.59(s,1H)、8.54−8.50(m,2H)、8.47(d,1H)、8.43(d,1H)、8.16(s,1H)、7.96(d,1H)、7.52(d,1H)、7.46(d,1H)、4.42(q,2H)、2.15(s,3H)、1.51(t,3H)
また、実施例1と同様に感光性組成物を作製し評価を行ったところ、光硬化に必要な露光量は26mJ/cm2であった。
[実施例5]
<(9−エチル−6−ニトロカルバゾール−3−イル)(3,5−ジニトロフェニル)メタノン=O−アセチルオキシム>(式(7)の光重合開始剤)
実施例1と同様に合成を実施した。得られた純品の化合物の同定を1H−NMR(CDCl3)で行ったところ、以下の結果を示した。
δ=9.29(s,1H)、8.95(m,3H)、8.43(d,1H)、8.14(s,1H)、7.93(d,1H)、7.53(d,1H)、7.48(d,1H)、4.48(q,2H)、2.17(s,3H)、1.52(t,3H)
<(9−エチル−6−ニトロカルバゾール−3−イル)(3,5−ジニトロフェニル)メタノン=O−アセチルオキシム>(式(7)の光重合開始剤)
実施例1と同様に合成を実施した。得られた純品の化合物の同定を1H−NMR(CDCl3)で行ったところ、以下の結果を示した。
δ=9.29(s,1H)、8.95(m,3H)、8.43(d,1H)、8.14(s,1H)、7.93(d,1H)、7.53(d,1H)、7.48(d,1H)、4.48(q,2H)、2.17(s,3H)、1.52(t,3H)
また、実施例1と同様に感光性組成物を作製し評価を行ったところ、光硬化に必要な露光量は26mJ/cm2であった。
[比較例1]
実施例1の光重合開始剤を1−(9−エチル−6−ニトロカルバゾール−3−イル)エタノン=O−アセチルオキシム(下記式(14)で示される化合物)に変更し、その他は実施例1と同様にして感光性組成物を作製し評価を行った。その結果、光硬化に必要な露光量は30mJ/cm2であって、実施例と比較して感度が低いことが示された(硬化に必要な露光量が少ないほど高感度である)。
実施例1の光重合開始剤を1−(9−エチル−6−ニトロカルバゾール−3−イル)エタノン=O−アセチルオキシム(下記式(14)で示される化合物)に変更し、その他は実施例1と同様にして感光性組成物を作製し評価を行った。その結果、光硬化に必要な露光量は30mJ/cm2であって、実施例と比較して感度が低いことが示された(硬化に必要な露光量が少ないほど高感度である)。
[比較例2]
実施例1の光重合開始剤を(9−エチル−6−ニトロカルバゾール−3−イル)フェニルメタノン=O−アセチルオキシム(下記式(15)で示される化合物)に変更し、その他は実施例1と同様にして感光性組成物を作製し評価を行った。その結果、光硬化に必要な露光量は37mJ/cm2であって、実施例と比較して感度が低いことが示された。
実施例1の光重合開始剤を(9−エチル−6−ニトロカルバゾール−3−イル)フェニルメタノン=O−アセチルオキシム(下記式(15)で示される化合物)に変更し、その他は実施例1と同様にして感光性組成物を作製し評価を行った。その結果、光硬化に必要な露光量は37mJ/cm2であって、実施例と比較して感度が低いことが示された。
[比較例3]
実施例1の光重合開始剤を(9−エチルカルバゾール−3−イル)(4−ニトロフェニル)メタノン=O−アセチルオキシム(下記式(16)で示される化合物)に変更し、その他は実施例1と同様にして感光性組成物を作製し評価を行った。その結果、100mJ/cm2までの露光量では全く光硬化させることができず、実施例と比較して感度が低いことが示された。
実施例1の光重合開始剤を(9−エチルカルバゾール−3−イル)(4−ニトロフェニル)メタノン=O−アセチルオキシム(下記式(16)で示される化合物)に変更し、その他は実施例1と同様にして感光性組成物を作製し評価を行った。その結果、100mJ/cm2までの露光量では全く光硬化させることができず、実施例と比較して感度が低いことが示された。
[比較例4]
実施例1の光重合開始剤を1−(9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)カルバゾール−3−イル)エタノン=O−アセチルオキシム(下記式(17)で示される化合物、BASF社製「イルガキュアOXE02」)に変更し、その他は実施例1と同様にして感光性組成物を作製し評価を行った。その結果、光硬化に必要な露光量は67mJ/cm2であって、実施例と比較して感度が低いことが示された。
実施例1の光重合開始剤を1−(9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)カルバゾール−3−イル)エタノン=O−アセチルオキシム(下記式(17)で示される化合物、BASF社製「イルガキュアOXE02」)に変更し、その他は実施例1と同様にして感光性組成物を作製し評価を行った。その結果、光硬化に必要な露光量は67mJ/cm2であって、実施例と比較して感度が低いことが示された。
(熱安定性の評価)
上記実施例1、4、5の光重合開始剤、及び比較例1、4の光重合開始剤の熱安定性を、それぞれ示差走査熱量測定により評価した。結果を表1に示す。実施例の光重合開始剤の分解開始点はいずれも230℃を超えており、熱安定性に優れることが示された。一方、比較例の光重合開始剤の分解開始点は230℃に達しておらず、熱安定性は不十分であった。
上記実施例1、4、5の光重合開始剤、及び比較例1、4の光重合開始剤の熱安定性を、それぞれ示差走査熱量測定により評価した。結果を表1に示す。実施例の光重合開始剤の分解開始点はいずれも230℃を超えており、熱安定性に優れることが示された。一方、比較例の光重合開始剤の分解開始点は230℃に達しておらず、熱安定性は不十分であった。
本発明の光重合開始剤は、高感度かつ熱安定性に優れることから、フォトレジスト、光硬化型インキ、光硬化型塗料、光硬化型接着剤、光造形用感光性樹脂、感光性印刷版等に適して用いることができる。特に、液晶ディスプレイのカラーフィルターの製造に用いられるフォトレジスト(ブラックレジスト、RGBレジスト)のように、高性能を要求される用途に最適である。
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