JP2011078290A - 電力変換装置および太陽光発電システム - Google Patents

電力変換装置および太陽光発電システム Download PDF

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Abstract

【課題】薄膜太陽電池の電極剥離を防止できる非絶縁型の電力変換装置およびそれを用いた太陽光発電システムを提供する。
【解決手段】太陽電池1の負極の電位を基準として、正側および負側の電圧を有する二直流電源を生成するDC/DCコンバータ4と、該DC/DCコンバータ4からの直流電力を、前記二直流電源の基準電位を基準として交流電力に変換するインバータ5とを具備し、インバータ5のスイッチングによって二直流電源の基準電位が変動するのを抑制し、これによって、薄膜太陽電池1の負極の電位が変動するのを抑制して、薄膜太陽電池1の電極剥離を防止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、直流電力を交流電力に変換する電力変換装置およびそれを用いた太陽光発電システムに関し、更に詳しくは、商用電力系統に連系するのに好適な電力変換装置および太陽光発電システムに関する。
近年、地球環境保護の観点から環境への影響の少ない太陽電池、燃料電池等による分散型電源システムの開発が盛んに進められている。このような分散型電源システムでは、太陽電池等によって発電した直流電力を、DC/DCコンバータおよびインバータ等を備える電力変換装置としてのパワーコンディショナによって商用周波数の交流電力に変換し、商用電力系統と連系して負荷に供給するとともに、余剰電力を商用電力系統に逆潮流することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
太陽光発電システムに用いるパワーコンディショナは、一般には、太陽電池で発電した直流電力を、後記するインバータの入力電圧である直流電圧に適した直流電圧に変換するDC/DCコンバータと、DC/DCコンバータの直流電力を交流電力に変換するインバータと、系統連系のための保護装置とを備えている。
そして、かかるパワーコンディショナには、絶縁トランスによって直流部と交流部とを電気的に絶縁した絶縁型と、絶縁トランスを用いない非絶縁型とがある。
図8に、非絶縁型のパワーコンディショナを備えた太陽光発電システムの構成例を示す。
このパワーコンディショナ36は、商用の交流電源37と連系運転するようになっており、太陽電池38からの直流電力を昇圧するDC/DCコンバータ39と、このDC/DCコンバータ39からの直流電力を交流電力に変換して商用の交流電源37に連系するインバータ40と、インバータ40からの交流電力の高調波を除去するフィルタ回路41とを備えている。
DC/DCコンバータ39は、インダクタ42、IGBTなどのスイッチング素子43およびダイオード44からなる昇圧チョッパ回路と、平滑コンデンサ45とを備えている。
インバータ40は、ダイオード50〜53それぞれが逆並列に接続された4つのIGBT等のスイッチング素子46〜49によって構成されている。
このパワーコンディショナ36では、DC/DCコンバータ39からの直流電力を、インバータ40内のスイッチング素子46〜49のスイッチングにより、商用電力系統に同期した交流電力に変換して出力する。
パワーコンディショナ36は、こうして変換した交流電力を、リアクトル54,55およびコンデンサ56からなるフィルタ回路41を介して図示しない負荷に供給したり、あるいは、系統側に逆潮流したりする。
特開2001−161032号公報
太陽光発電システムにおいて使用される太陽電池は、変換効率に優れる結晶系太陽電池が主流となっていた。
そして、近年の太陽光発電システムでは、この結晶系太陽電池に代わって、原材料のシリコンの使用量の大幅な削減ができる一方で、太陽光受光面積の大面積化が可能であるうえ、生産工程も単純で製造コストが安価に済むという薄膜太陽電池が使用されてきている。
しかしながら、上記薄膜太陽電池の場合、上記結晶系太陽電池と比較して上記有利性がある一方で、次のような問題がある。
太陽電池では、通常、太陽電池モジュールのフレームが接地され、このフレームに近接したカバーガラスの電位は、フレームと同電位、すなわち、略0Vとなるが、太陽電池の正極が、カバーガラスの電位よりも低くなると、カバーガラス中のNaイオンが、正極側に溶け出して正極の電極膜が剥離してしまう。
図8に示される非絶縁型のパワーコンディショナの場合、太陽電池38の負極側を接地した状態で図示しているが、このような接地状態で、交流電源37の中性点を接地してインバータ40をスイッチング動作させて、システムを運転した場合には、太陽電池38の負極側電位、したがって、正極側の電位も接地点電位に対して変動し、正極の電位がカバーガラスの電位よりも低くなって、電極膜が剥離してしまう場合がある。
このような電極電位の変動による電極膜の剥離を防止するには、直流部である太陽電池38側と、交流部である交流電源37側との間に絶縁トランスを介在させて、両者間を電気的に絶縁した絶縁型のパワーコンディショナを用いればよい。
しかしながら、絶縁型のパワーコンディショナは、絶縁トランスを必要とするために、非絶縁型のパワーコンディショナに比べて、製造コストが高くなるとともに、サイズの大型重量化を来たすという課題がある。
本発明は、上述のような課題に鑑みて為されたものであって、薄膜太陽電池の電極膜の剥離を防止できる非絶縁型の電力変換装置およびそれを用いた太陽光発電システムを提供することを目的とする。
本発明では、上記目的を達成するために、次のように構成している。
本発明の電力変換装置は、負側または正側の一方の電極が接地された薄膜太陽電池からの直流電力を交流電力に変換する非絶縁型の電力変換装置であって、薄膜太陽電池の直流電力をスイッチングして互いに直列接続された少なくとも2つの第1、第2コンデンサに充電すると共に、前記両第1、第2コンデンサを二直流電源としてその直列接続中点を、薄膜太陽電池の接地側の前記一方の電極、および、交流電源の接地点または接地相に接続するDC/DCコンバータと、
該DC/DCコンバータの二直流電源を構成する前記両第1、第2コンデンサそれぞれから出力される直流電圧をそれぞれ交流電圧に変換して出力するインバータとを具備している。
本発明の電力変換装置によると、DC/DCコンバータでは、薄膜太陽電池の接地側電極の電位を基準として、第1、第2コンデンサからなる二直流電源を生成し、インバータでは、二直流電源の接続中点の電位である交流電源の接地点または接地相を基準とした交流電力に変換するので、インバータのスイッチングによって、薄膜太陽電池の電極電位が変動するのを抑制することができ、これによって、薄膜太陽電池の正極の電位が、カバーガラスの電位よりも低くなって、Naイオンが正極側に溶け出して電極膜が剥離するのを防止することができる。
本発明の電力変換装置の好ましい実施態様では、前記インバータが、前記DC/DCコンバータからの直流電圧を、前記両コンデンサの直列接続中点の電位を基準電位とした交流電圧に変換するものである。
この実施態様によると、インバータのスイッチングによって両コンデンサの直列接続中点の電位が変動するのを抑制して、薄膜太陽電池の電極電位が変動するのを抑制することができる。
本発明の電力変換装置の一つの実施態様では、前記インバータが、3レベルインバータである。
この実施態様によると、インバータは、正電圧、ゼロ電圧、負電圧の3レベルの電圧を出力するので、2レベルの電圧を出力するインバータに比べて、電圧リップルが少なくなる。
本発明の電力変換装置の他の実施態様では、前記薄膜太陽電池からの直流電力を、商用電源に系統連系した交流電力に変換するものであって、前記商用電源が、一方が接地された単相2線式電源、中性点が接地された単相3線式電源、一つの相が接地された三相3線式電源、または、中性点が接地された三相4線式電源のいずれかである。
この実施態様によると、単相2線式、単相3線式、三相3線式、三相4線式の各種商用電源に連系することができる。
本発明の太陽光発電システムは、薄膜太陽電池と、本発明に係る電力変換装置とを具備している。
本発明の太陽光発電システムによると、薄膜太陽電池の電極電位が変動して電極膜の剥離が生じるのを防止することができる。
本発明によれば、薄膜太陽電池の接地側電極の電位を基準として、二直流電源を生成し、二直流電源の接続中点の電位である交流電源の接地点または接地相を基準とした交流電力に変換するので、インバータのスイッチングによって、薄膜太陽電池の電極電位が変動するのを抑制することができ、これによって、薄膜太陽電池の正極の電位が、カバーガラスの電位よりも低くなって、Naイオンが正極側に溶け出して電極膜が剥離するのを防止することができる。
本発明の一つの実施の形態に係るパワーコンディショナを備える太陽光発電システムの概略構成図である。 本発明の他の実施形態の図1に対応する概略構成図である。 本発明の更に他の実施形態の図1に対応する概略構成図である。 本発明の他の実施形態の図1に対応する概略構成図である。 本発明の他の実施形態の図1に対応する概略構成図である。 本発明の更に他の実施形態の図1に対応する概略構成図である。 本発明の他の実施形態の図1に対応する概略構成図である。 従来例の概略構成図である。
以下、図面によって本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の一つの実施形態に係る電力変換装置を備える太陽光発電システムの概略構成図である。
この実施形態の太陽光発電システムは、太陽電池1と、この太陽電池1からの直流電力を、交流電力に変換して商用電源系統である単相二線式の交流電源2に連系する電力変換装置としてのパワーコンディショナ3とを備えている。
この実施形態のパワーコンディショナ3は、太陽電池1の直流電力から二直流電源を生成する非絶縁型のDC/DCコンバータ4と、このDC/DCコンバータ4からの直流電力を、二直流電源の基準電位に対して単相の交流電力に変換して商用の交流電源2に連系するインバータ5と、インバータ5からの交流電力の高調波を除去するフィルタ回路6と、各部の電圧等を計測してDC/DCコンバータ4およびインバータ5のスイッチング制御等を行う制御回路23とを備えている。
太陽電池1は、アモルファスシリコンなどからなる薄膜太陽電池であり、その負極側が接地されている。
DC/DCコンバータ4は、第1インダクタ7a、IGBTなどの第1スイッチング素子8a、第1ダイオード9aおよび第1平滑コンデンサ10aからなるブーストコンバータと、第2インダクタ7b、第2スイッチング素子8b、第2ダイオード9bおよび第2平滑コンデンサ10bからなるバックブーストコンバータとを備えている。
両平滑コンデンサ10a,10bの直列接続中点Aは、太陽電池1の接地側である負極に接続され、この太陽電池1の負極の電位を基準として、ブーストコンバータによって正側の直流電源を、バックブーストコンバータによって負側の直流電源をそれぞれ生成する。
インバータ5は、3レベルインバータであり、直列接続されたIGBTなどの4つのスイッチング素子11〜14と、個々のスイッチング素子11〜14に逆並列に接続されたダイオード15〜18と、上下2つずつのスイッチング素子11,12;13,14それぞれの接続中点B1,B2と二直流電源である前記両平滑コンデンサ10a,10bの接続中点Aとを接続する二つのダイオード19,20とを備えている。両平滑コンデンサ10a,10bの接続中点Aは、商用の交流電源2の一方に接続されるとともに、接地される。スイッチング素子12,13の接続中点をB0とする。
二直流電源を構成する2つの平滑コンデンサ10a,10bそれぞれの両端間電圧をそれぞれ「E」とすると、インバータ5の4つのスイッチング素子11〜14のうち隣接する2つのスイッチング素子11,12;12,13;13,14の組み合わせにおいて該任意1つの組み合わせ内の両スイッチング素子のみを同時に共に導通状態、例えば、上2つのスイッチング素子11,12のみが同時に共に導通してスイッチング素子12,13の接続中点B0の電位が「E」に、真ん中2つのスイッチング素子12,13のみが同時に共に導通して同接続中点B0の電位が「0」に、下2つのスイッチング素子13,14のみが同時に共に導通して同接続中点B0の電位が「−E」になって、それぞれ出力される。すなわち、「+E(正電圧)」、「0(ゼロ電圧)」、「−E(負電圧)」の3レベルの電圧を出力する。
このインバータ5によって変換されスイッチング素子12,13の接続中点B0に現れる交流電力は、リアクトル21とコンデンサ22とからなるフィルタ回路6により高調波を除去されて系統電源2に印加される。
以上のように上記実施形態では、DC/Cコンバータ4により太陽電池1の負極側電位を基準電位として正負の二直流電源を生成し、インバータ5により、上記生成した二直流電源の基準電位すなわち、両平滑コンデンサ10a,10の接続中点Aに対して正負の交流電源を生成すると共に、当該両平滑コンデンサ10a,10の接続中点Aを系統電源2の接地側に接続した構成としたので、太陽電池1の負極側が接地されていてもインバータ5のスイッチング素子15〜18のスイッチングによって、太陽電池1の負極側電位が変動するようなことがなくなる結果、薄膜太陽電池1の正極の電位が、カバーガラスの電位よりも低くなって、Naイオンが正極側に溶け出して電極膜が剥離するのを防止することができる。
また、インバータ5は、3レベルインバータであるので、電圧が、上述のように3つのレベルで変化するので、2つのレベルで変化するインバータに比べて、電圧リップルが少なくなってインダクタンスを小さくすることができる。
(実施形態2)
図2は、本発明の他の実施形態に係る電力変換装置を備える太陽光発電システムの概略構成図であり、図1に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
上述の実施形態では、単相2線式の交流電源2に適用したのに対して、この実施形態では、単相3線式の交流電源2に適用したものである。
この実施形態の太陽光発電システムは、直流電力源としての太陽電池1と、この太陽電池1からの直流電力を、交流電力に変換して商用電源系統である単相3線式の交流電源2に連系する電力変換装置としてのパワーコンディショナ3−1とを備えている。
太陽電池1は、薄膜太陽電池であって、その負極側が接地されており、単相3線式の交流電源2の中性点が接地されている。
この実施形態のパワーコンディショナ3−1は、太陽電池1の直流電力から二直流電源を生成する非絶縁型のDC/DCコンバータ4と、このDC/DCコンバータ4からの直流電力を、二直流電源の基準電位に対して単相の交流電力に変換して商用の交流電源2に連系するインバータ5−1と、インバータ5−1からの交流電力の高調波を除去するフィルタ回路6−1と、各部の電圧等を計測してDC/DCコンバータ4およびインバータ5−1のスイッチング制御等を行う制御回路23−1とを備えている。
インバータ5−1は、3レベルインバータであり、各相それぞれは、直列接続されたIGBTなどの4つのスイッチング素子111〜141,112〜142と、個々のスイッチング素子111〜141,112〜142に逆並列に接続されたダイオード151〜181,152〜182と、上下2つずつのスイッチング素子111,121,112,122;131,141,132,142の接続点とDC/DCコンバータ4の両平滑コンデンサ10a,10bの中点とを接続する二つのダイオード191,201,192,202とを備えている。
インバータ5−1によって変換された交流電力の高調波を除去するフィルタ回路6−1は、各相に対応するリアクトル211,212とコンデンサ221,222とからなる。
そして二直流電源を構成する2つの平滑コンデンサ10a,10bの接続中点は、上述の実施の形態と同様に、太陽電池1の負極に接続されるとともに、フィルタ回路6−1のコンデンサ221,222の接続中点に接続されている。
その他の構成は、上述の実施形態1と同様である。
この実施形態においても、太陽電池1の負極側の電位を基準電位として、DC/Cコンバータ4では、正側と負側の電圧をもつ二直流電源を生成し、インバータ5−1では、生成した二直流電源の基準電位に対して交流電源を生成するので、インバータ5−1のスイッチング素子111〜141,112〜142のスイッチングによって太陽電池1の負極側の電位が変動することがなく、これによって、薄膜太陽電池1の正極の電位が、カバーガラスの電位よりも低くなって、Naイオンが正極側に溶け出して電極膜が剥離するのを防止することができる。
また、インバータ5−1は、3レベルインバータであるので、2レベルのインバータに比べて、電圧リップルが少なくなってインダクタンスを小さくすることができる。
(実施形態3)
図3は、本発明の他の実施形態に係る電力変換装置を備える太陽光発電システムの概略構成図であり、図1に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
上述の各実施形態では、単相の交流電源2に適用したのに対して、この実施形態では、三相3線V相接地式の交流電源24に適用したものである。
この実施形態の太陽光発電システムは、直流電力源としての太陽電池1と、この太陽電池1からの直流電力を、交流電力に変換して商用電源系統である三相の交流電源24に連系する電力変換装置としてのパワーコンディショナ3−2とを備えている。
この実施形態のパワーコンディショナ3−2は、太陽電池1の直流電力から二直流電源を生成する非絶縁型のDC/DCコンバータ4と、このDC/DCコンバータ4からの直流電力を、二直流電源の基準電位に対して三相の交流電力に変換して商用の三相交流電源24に連系するインバータ5−2と、インバータ5−2からの交流電力の高調波を除去するフィルタ回路6−2と、各部の電圧等を計測してDC/DCコンバータ4およびインバータ5−2のスイッチング制御等を行う制御回路23−2とを備えている。
インバータ5−2は、3レベルインバータであり、U相、W相のそれぞれは、直列接続されたIGBTなどの4つのスイッチング素子11u〜14u,11w〜14wと、個々のスイッチング素子11u〜14u,11w〜14wに逆並列に接続されたダイオード15u〜18u,15w〜18wと、上下2つずつのスイッチング素子11u,12u,11w,12w;13u,14u,13w,14wの接続点とDC/DCコンバータ4の両平滑コンデンサ10a,10bの中点とを接続する二つのダイオード19u,20u,19w,20wとを備えている。また、DC/DCコンバータ4の両平滑コンデンサ10a,10bの接続中点は、太陽電池1の負極に接続され、この接続中点に接続されたV相は、接地される。
インバータ5−2によって変換された交流電力の高調波を除去するフィルタ回路6−2は、U相、W相に対応するリアクトル21u,21vとコンデンサ22w,22wとからなる。
その他の構成は、上述の実施形態1と同様である。
この実施形態においても、太陽電池1の負極を基準電位として、DC/Cコンバータ4では、正側と負側の電圧をもつ二直流電源を生成し、インバータ5−2では、生成した二直流電源の基準電位に対して交流電源を生成するので、インバータ5−2のスイッチング素子15u〜18u,15w〜18wのスイッチングによって太陽電池1の負極側の電位が変動することがなく、これによって、薄膜太陽電池1の電極膜が剥離を防止することができる。
また、インバータ5−2は、3レベルインバータであるので、2レベルのインバータに比べて、電圧リップルが少なくなってインダクタンスを小さくすることができる。
この実施形態では、V相接地の三相3線式の交流電源に適用したけれども、本発明の他の実施形態として、中性点が接地された三相4線式の交流電源に適用してもよい。
(実施形態4)
図4は、本発明の他の実施形態に係る電力変換装置を備える太陽光発電システムの概略構成図であり、図2に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
この実施形態では、単相3線式の交流電源2に適用したものである。
この実施形態の太陽光発電システムは、直流電力源としての太陽電池1と、この太陽電池1からの直流電力を、交流電力に変換して商用電源系統である単相の交流電源2に連系する電力変換装置としてのパワーコンディショナ3−3とを備えている。
太陽電池1は、薄膜太陽電池であって、その負極側が接地されており、単相3線式の交流電源2の中性点が接地されている。
この実施形態のパワーコンディショナ3−3は、太陽電池1の直流電力から二直流電源を生成する非絶縁型のDC/DCコンバータ4と、このDC/DCコンバータ4からの直流電力を、二直流電源の基準電位に対して単相の交流電力に変換して商用の単相交流電源2に連系するインバータ5−3と、インバータ5−3からの交流電力の高調波を除去するフィルタ回路6−3と、各部の電圧等を計測してDC/DCコンバータ4およびインバータ5−3のスイッチング制御等を行う制御回路23−3とを備えている。
上述の各実施形態のインバータは、3レベルインバータであったのに対して、この実施形態のインバータ5−3は、上述の図8の従来例と同様の2レベルインバータであり、フルブリッジ構成された4個のスイッチング素子29〜32と、各スイッチング素子29〜32に逆並列に接続されたダイオード25〜28とを備えている。
インバータ5−3によって変換された交流電力の高調波を除去するフィルタ回路6−3は、リアクトル21とコンデンサ22とからなる。
その他の構成は、上述の実施形態2と同様である。
この実施形態においても、太陽電池1の負極を基準電位として、DC/Cコンバータ4では、正側と負側の電圧をもつ二直流電源を生成し、インバータ5−3では、生成した二直流電源の基準電位に対して交流電源を生成するので、インバータ5−3のスイッチング素子29〜32のスイッチングによって太陽電池1の負極側の電位が変動することがなく、これによって、薄膜太陽電池1の電極膜の剥離を防止することができる。
(その他の実施形態)
上述の各実施形態では、太陽電池1の負極側を接地したけれども、本発明の他の実施形態として、例えば、図5に示すように、太陽電池1の正極側を接地してもよい。
薄膜太陽電池1の電圧が高い場合には、例えば、図6の負極接地の場合、あるいは、図7の正極接地の場合に示すように、一方のブースト回路を省略し、各平滑コンデンサ10a,10bの電圧が等しくなるように制御してもよい。
本発明は、薄膜太陽電池からの直流電力を変換する電力変換装置として有用である。
1 太陽電池
2 単相交流電源
3,3−1,3−2,3−3 パワーコンディショナ
4 DC/DCコンバータ
5,5−1,5−2,5−3 インバータ
24 三相交流電源

Claims (5)

  1. 負側または正側の一方の電極が接地された薄膜太陽電池からの直流電力を交流電力に変換する非絶縁型の電力変換装置であって、
    薄膜太陽電池の直流電力をスイッチングして互いに直列接続された少なくとも2つの第1、第2コンデンサに充電すると共に、前記両第1、第2コンデンサを二直流電源としてその直列接続中点を、薄膜太陽電池の接地側の前記一方の電極、および、交流電源の接地点または接地相に接続するDC/DCコンバータと、
    該DC/DCコンバータの二直流電源を構成する前記両第1、第2コンデンサそれぞれから出力される直流電圧をそれぞれ交流電圧に変換して出力するインバータと、
    を具備したことを特徴とする電力変換装置。
  2. 前記インバータが、前記DC/DCコンバータからの直流電圧を、前記両コンデンサの直列接続中点電位を基準電位とした交流電圧に変換する、ことを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記インバータが、3レベルインバータである請求項1または2に記載の電力変換装置。
  4. 前記薄膜太陽電池からの直流電力を、商用電源に系統連系した交流電力に変換するものであって、
    前記商用電源が、一方が接地された単相2線式電源、中性点が接地された単相3線式電源、一つの相が接地された三相3線式電源、または、中性点が接地された三相4線式電源のいずれかである請求項1ないし3のいずれかに記載の電力変換装置。
  5. 薄膜太陽電池と、前記請求項1ないし4のいずれかに記載の電力変換装置と、を具備することを特徴とする太陽光発電システム。
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