JP2011077939A - 固体撮像装置及びそれを備えるカメラ - Google Patents

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Abstract

【課題】水平方向に隣接する同色の信号電荷の加算数が異なる複数の出力モードを両立し、少ない転送回数で信号電荷を転送できる固体撮像装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る固体撮像装置は、行列状に配置された複数の光電変換部3の列ごとに設けられ、生成された信号電荷を垂直方向に転送する垂直転送部1と、信号電荷を水平方向に転送する水平転送部2と、垂直転送部1と前記水平転送部2との間に設けられた第1転送部及び第2転送部とを備え、第1転送部は、複数の光電変換部3の水平方向において同色で直近のm(mは2以上の整数)個の信号電荷を混合するために、複数の垂直転送部1から第2転送部に信号電荷を選択的に保持および転送し、第2転送部は、複数の光電変換部3の水平方向において同色で直近のn(nはn>mを満たす整数)個の信号電荷を混合するために、第1転送部から水平転送部2に信号電荷を選択的に保持および転送する。
【選択図】図1

Description

本発明は固体撮像装置に関し、特にデジタルスチルカメラ向けCCDにおいて、水平方向に隣接する同色の信号電荷の加算数が異なる複数の出力モードを実現する構造に関する。
デジタルスチルカメラ用の固体撮像装置として、CCD(Charge Coupled Device)を用いたカメラでは、近年10M以上の画素数を持つCCDが主流であり、各画素で光電変換された信号電荷を加算することなく全画素独立読み出しし、静止画として取り出す撮像モード(以下通常モード)に加え、液晶モニター表示や動画記録のための動画モードや、静止画における高感度モードが必要な機能となっている。
動画モードや高感度モードでは、一般に複数の画素から得られる信号電荷が撮像装置内で加算される。信号電荷が加算されることで、感度出力を大きく出来、また出力する信号数を減らすことで高フレームレートの動画が実現できる。
動画モードでは、静止画で出力される画素数(例えば10M)から30フレーム/秒のVGA(Video Graphics Array)出力(640×480)やHD(High Definition)フォーマットに対応した720p出力(1280×720)などが実現されている。動画モードで出力されるフォーマットは、静止画で出力される画素数に比べ、1/10近くに圧縮する必要があり、加算される信号電荷も多くなる。
一方、高感度モードは、主に静止画で用いられ、フレームレートが通常モードよりも高いため、連写時に有効であるが、画素加算数が多すぎるとフレームレートが高くなる反面、解像度が劣化する問題もある。実際連写時に動画出力並の30枚/秒のフレームレートは通常用途では必要ではなく、使用する場合はメカニカルシャッタの連写スピードが追いつかないため、メカニカルシャッタをオープン状態で使用することになる。しかしながら、CCDを用いたカメラではスミアを抑制する必要があることから、メカニカルシャッタを使用するのが一般的である。よって、連写性能はメカニカルシャッタで決定されるため、高感度モードでは一眼レフカメラで実用化されている8枚/秒程度の連写機能があれば十分と思われる。
固体撮像装置内において、垂直方向の信号電荷の加算は垂直転送部内あるいは水平転送部内、水平方向の信号電荷の加算は水平転送部内で加算される。垂直転送部での信号電荷の加算については、ムービー用の補色フィルタを用いたインターレースCCDでは一般的であるが、デジタルスチルカメラ用では隣接する同色間で信号を加算する。垂直方向の画素加算については、光電変換部から垂直転送部への読み出しを行う垂直転送電極を複数設け、駆動タイミングを工夫することで、垂直転送部内で可能であるが、水平方向の画素加算については、垂直転送部から水平転送部の間に、信号電荷の転送を選択的に制御する機能が必要である。
図13は、従来の固体撮像装置の概略図を示すものである。図13に示す固体撮像装置100は、垂直転送部1、水平転送部2、光電変換部3、画素繰り返し部5及び転送制御部6を備える。転送制御部6については、後述するが複数の従来例が存在する。
以上のように構成された固体撮像装置100についてその動作を説明する。転送制御部6としては、まず特許文献1を用いる。特許文献1では、転送制御部6を、カラーコーディングの繰り返し画素数単位に設けており、これはベイヤー配列の場合2である。
転送制御部6は、2列ごとの繰り返し画素数おきに、垂直転送部1から水平転送部2への信号電荷の転送を選択的に阻止する。具体的には、転送制御部6は、転送阻止時にローレベルの電圧が与えられるホールド電極25(VφHold)と、所定の直流電圧によってバイアスされるストレージ電極26(VStrage)とを有している。
図14に従来の固体撮像装置の構成を示すレイアウト図、図15にポテンシャル図、図16にタイミングチャートを示す。
図16のラインシフト期間において、ストレージ電極26とホールド電極25とを有さない列の信号電荷が水平転送部2に転送され、ストレージ電極26を有する列では、DC直流バイアスが印加されるストレージ電極26と、ローレベルの電圧が印加されるホールド電極25とにより、信号電荷がストレージ電極26下の垂直転送部1で保持される。先に水平転送部2に転送された信号電荷を2列分(2ビット)水平転送した後に、ホールド電極25をミドルレベルとし転送阻止を解除、その後ホールド電極25をローレベルとし水平転送部2に信号電荷を転送し、水平2画素加算を実現する。
図16に示すように、これを水平ブランキング期間で2回繰り返すことで、水平2画素加算された2ライン分の信号が水平転送部2に形成される。
また構造が異なるが、第1相及び第2相の転送電極が、垂直転送部の一定の列毎に互い違いに配置されている構造を持つことで、水平方向に隣接する同色の2画素を加算できる技術がある(例えば、特許文献2参照)。
また、水平方向で隣接する同色の信号電荷の加算数を3とし、垂直方向で3画素加算した場合に9画素加算を実現できる構造が報告されている(例えば、特許文献3参照)。具体的には、転送制御部6を3列毎の構成とし、3列のうち一つの列あるいは全ての列に転送動作を列毎に独立して制御するための独立した転送電極を設けることで水平3画素加算を可能とし、かつ、垂直3画素加算の場合に、モアレや偽信号のない9画素加算が実現できる加算方法ができる。特許文献3記載の電極構造を図17に、それに対応した電荷転送の説明図を図18に示す。更に本文献では、水平m1(m1は2以上の整数)個の画素加算と水平m2(m2は、m1と異なる2以上の整数)個の画素加算を実現し、モードを切り替えるために、垂直最終段の繰り返し単位m(mは2以上の整数)が、m1とm2との公倍数で構成することが記載されている。具体的には、垂直2画素加算、水平2画素加算の4画素加算モードと、垂直3画素加算、水平3画素加算による9画素加算モードを実現するために、垂直最終段の繰り返し単位mを12とすることが記載されている。
特許第4178621号公報 特開平11−234569号公報 特許第3848650号公報
しかしながら上記従来の構成では、水平方向で隣接する同色の2画素加算あるいは水平方向で隣接する3画素加算のみ具体的な実現方法が示されており、水平方向で隣接する同色の2画素加算と3画素加算を両立する具体的な構造については明記されていない。
近年、垂直方向に隣接する同色の信号電荷を3画素加算し、かつ水平方向に隣接する同色の信号電荷を3画素加算する9画素加算は、モアレといった偽信号を抑制できるため、動画モードでは多用される。但し、9画素加算では、静止画で用いる高感度モードでは解像度が十分でないという欠点を有する。
また、特許文献3記載の技術では、3列単位の転送制御部の一部において、画素の繰り返しで使用される転送パルスを使用しているため、水平ブランキング期間において、列によっては信号電荷の転送が水平転送部方向ではなく逆に後退するタイミングも存在し、効率の悪い構造となっている。その結果、水平ブランキング期間が長くなり、高速化には適していない。一方、垂直2画素加算、水平2画素加算による4画素加算のみでは、加算後の画素数が多いため動画時のフレームレートを高くできないという欠点を有する。また、その倍の垂直4画素、水平4画素加算では、16画素加算となり、一般的な画素数のデジタルカメラ用CCDでは、逆に加算後の画素数が少なくなりすぎ、今後動画出力時に必要となるフォーマット、例えばHDフォーマット(1280×720又は1920×1080)に達しないという欠点を有する。
本発明は上記従来の問題点を解決するもので、水平方向に隣接する同色の信号電荷の加算数が異なる複数の出力モードを両立し、少ない転送回数で信号電荷を転送できる固体撮像装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る固体撮像装置は、信号電荷を生成する行列状に配置された複数の光電変換部と、前記複数の光電変換部の列ごとに設けられ、生成された信号電荷を垂直方向に転送する垂直転送部と、信号電荷を水平方向に転送する水平転送部と、前記垂直転送部と前記水平転送部との間に設けられた第1転送部及び第2転送部とを備え、前記第1転送部は、前記複数の光電変換部の水平方向において同色で直近のm(mは2以上の整数)個の信号電荷を混合するために、前記複数の垂直転送部から前記第2転送部に信号電荷を選択的に保持および転送し、前記第2転送部は、前記複数の光電変換部の水平方向において同色で直近のn(nはn>mを満たす整数)個の信号電荷を混合するために、前記第1転送部から前記水平転送部に信号電荷を選択的に保持および転送する。
この構成によれば、複数の第1転送部および第2転送部を備えるので、m画素加算にもn画素加算にも対応できる。また、混合する画素数の多い、すなわち水平転送部への転送回数が多いモードに対応した第2転送部を第1転送部より水平転送部側へ配置したことにより、水平ブランキング期間を長くすることなく最短のステップ数で信号電荷を転送できる。
また、mが偶数であり、nが3以上の奇数であってもよい。
また、mが2であり、nが3であってもよい。
また、前記垂直転送部は、列毎に設けられた垂直転送チャネルと垂直転送チャネル上に繰り返し配置された複数の垂直転送電極とを備え、前記第1転送部は、列毎に前記垂直転送チャネルに連続するように形成された第1転送チャネルと、前記第1転送チャネルの上方に行方向および列方向に並んで形成された複数の第1転送電極とを有し、前記複数の第1転送電極のそれぞれは、少なくとも2列の第1転送チャネルに跨る幅を有し、前記第2転送部は、列毎に前記第1転送チャネルに連続するように形成された第2転送チャネルと、前記第2転送チャネルの上方に行方向および列方向に並んで形成された複数の第2転送電極とを有し、前記複数の第2転送電極のそれぞれは、1列の第2転送チャネルに跨る幅を有してもよい。
この構成によれば、第1転送電極は少なくとも2列に跨る幅を有するので、例えば、第1転送部は2列単位に信号電荷を選択的に保持及び転送可能であり、2画素加算を容易に実現できる。また、第2転送電極は1列の幅を有するので、例えば、第2転送部は列単位に信号電荷を保持及び転送可能であり、n画素加算を容易に実現できる。
また、前記第1転送部は、行方向に並んで配列された複数の第1転送制御部を有し、各第1転送制御部は、列方向に並んで配置された少なくとも3つの前記第1転送電極を含み、当該第1転送制御部に隣接する第1転送制御部とは異なる転送パルス信号により制御されてもよい。
この構成によれば、隣接する2つの第1転送制御部を独立に制御できるので、簡易な構成でm画素加算ができる。
また、前記第2転送部は、行方向に並んで配置された複数の第2転送制御部を有し、各第2転送制御部は、列方向に並ぶ少なくとも2つの第2転送電極を含み、行方向に連続して並ぶ3つの第2転送制御部のうち少なくとも2つは、前記垂直転送部に印加される駆動パルス信号とは異なる転送パルス信号により制御されてもよい。
この構成によれば、第2転送部において、例えば下方向に転送されている信号電荷が逆の上方向に転送されることを防止できる。よって、水平ブランキング期間を短くできる。
また、連続する12列に対応する前記第1転送制御部および前記第2転送制御部を1単位とし、各単位は同じ制御パルス信号群により制御されてもよい。
この構成によれば、簡易な構成で、例えば2画素加算及び3画素加算ができる。
また、前記第1転送チャネルの幅は前記垂直転送チャネルの幅よりも大きくてもよい。
この構成によれば、第1転送チャネルでの飽和電荷量を多くすることができる。よって、複数の光電変換部で生成された信号電荷が加算された場合でも、加算後の信号電荷を保持することが可能となる。
また、前記第1転送チャネルの幅は、前記垂直転送部と、前記垂直転送部に最も近い第1転送電極との間で、当該第1転送電極に向かって徐々に広がっていてもよい。
また、前記第1転送部を構成する複数の第1転送電極は、信号電荷を選択的に蓄積する電極を1列あたり1つ有し、前記第2転送部を構成する複数の第2転送電極は、信号電荷を選択的に蓄積する電極を1列あたり1つ有してもよい。
また、前記固体撮像装置は、さらに、前記垂直転送部と、前記垂直転送部に最も近い第1転送電極との間に、前記垂直転送チャネルと前記第1転送チャネルとの接続部分の上に中間電極を有し、前記中間電極の幅および長さの少なくとも一方は、垂直転送電極の幅および長さの少なくとも一方よりも大きくてもよい。
この構成によれば、中間電極下の垂直転送チャネル及び第1転送チャネルは、垂直転送電極下の垂直転送チャネルに保持される信号電荷よりも多くの信号電荷を保持できる。
また、前記第1転送制御部内の列方向に並ぶ第1転送電極の数は、前記第2転送制御部内の列方向に並ぶ第2電極の数と異なってもよい。
また、前記複数の第1転送電極および前記複数の第2転送電極は、互いに重なることなく単層に形成されてもよい。
この構成によれば、複数の第1転送電極および複数の第2転送電極それぞれに接続される配線のレイアウトが容易になる。
また、本発明に係る固体撮像装置は、信号電荷を生成する行列状に配置された複数の光電変換部と、前記複数の光電変換部の列ごとに設けられ、生成された信号電荷を垂直方向に転送する垂直転送部と、信号電荷を水平方向に転送する水平転送部と、前記垂直転送部の後段に設けられ、信号電荷を選択的に保持及び転送する選択転送部と、前記選択転送部と前記水平転送部との間に設けられた垂直最終転送部とを備え、前記選択転送部は、信号電荷の転送を選択的に停止する際に第1電圧が印加される信号電荷蓄積電極と、前記第1電圧より低レベルの第2電圧が印加される転送阻止電極を含み、前記信号電荷蓄積電極の数は、1列あたり1であり、前記転送阻止電極は、前記選択転送部の前記垂直最終転送部側に設けられ、前記垂直最終転送部は、前記転送阻止電極と隣接して設けられた垂直最終電極を含み、前記垂直最終電極の転送方向の長さが、前記転送阻止電極の転送方向の長さに比べ短い。
この構成によれば、第1選択転送部の飽和電荷量を多くすることができる。特に、信号電荷の転送方向において垂直最終電極の直前に配置されている信号電荷蓄積電極による飽和電荷量を多くすることができる。
また、前記垂直最終電極には、前記垂直最終電極より前段の電極とは独立した転送パルス信号が印加されてもよい。
この構成によれば、垂直最終電極より前段の電極のいずれかと同一の転送パルス信号が印加される場合と比較して、飽和電荷量が低下する要因である第二の転送阻止電極の電位が周辺電極の影響で変調してしまう事を抑える。また、転送パルス信号の負荷を低減し、転送パルス信号の立ち上がり及び立ち下がりを急峻にできる。
また、前記信号電荷蓄積電極、前記転送阻止電極及び前記垂直最終電極は、互いに重なることなく単層に形成されてもよい。
この構成によれば、信号電荷蓄積電極、転送阻止電極および転送阻止電極それぞれに接続される配線のレイアウトが容易になる。
また、本発明に係るカメラは、上述した固体撮像装置を備える。
以上のように、本発明の固体撮像装置は、水平方向に隣接する同色の信号電荷の加算数が異なる複数の出力モードを両立し、少ない転送回数で信号電荷を転送できる。
実施の形態1に係る固体撮像装置の構成を示すレイアウト図である。 12相駆動における水平2画素加算時のF列の垂直方向の電荷転送の様子を示す説明図である。 S列の垂直方向の電荷転送の様子を示す説明図である。 転送の様子を水平転送部での転送を含めて示す説明図である。 図3Aの続きの説明図である。 C列の第二の信号電荷蓄積電極に印加されるパルスをφV11とした場合のF列の垂直方向の電荷転送の様子を示す説明図である。 S列の垂直方向の電荷転送の様子を示す説明図である。 6相駆動における水平2画素加算時の電荷のF列の垂直方向の電荷転送の様子を示す説明図である。 S列の垂直方向の電荷転送の様子を示す説明図である。 水平転送部において垂直2画素加算を実施する場合におけるF列の垂直方向の電荷転送の様子を示す説明図である。 S列の垂直方向の電荷転送の様子を示す説明図である。 実施の形態1に係る固体撮像装置の構成を示す他の一例のレイアウト図である。 6相駆動における水平3画素加算時の電荷の転送制御部までの垂直方向の電荷転送の様子を示す説明図である。 第二の転送制御部のC列の電荷転送の様子を示す説明図である。 第二の転送制御部のR列の電荷転送の様子を示す説明図である。 第二の転送制御部のL列の電荷転送の様子を示す説明図である。 電荷の転送の様子を水平転送部での転送を含めて示す説明図である。 図9Aの続きの説明図である。 6相駆動における水平3画素加算時の電荷の、第一の転送制御部までの垂直方向の電荷転送の様子を示す説明図で、C列の第二の信号電荷蓄積電極に印加されるパルスをφV11(φV5)とした場合の説明図である。 第二の転送制御部のC列の電荷転送の様子を示す説明図である。 第二の転送制御部のR列の電荷転送の様子を示す説明図である。 第二の転送制御部のL列の電荷転送の様子を示す説明図である。 実施の形態2に係る固体撮像装置の構成を示すレイアウト図である。 実施の形態3に係る固体撮像装置の構成を示すレイアウト図である。 従来のCCD固体撮像装置の構成を示す概略図である。 従来のCCD固体撮像装置の構成を示すレイアウト図である。 従来のCCD固体撮像装置のI−I’線に沿った断面のポテンシャル図である。 従来のCCD固体撮像装置の動作を示すタイミングチャートである。 従来のCCD固体撮像装置の構成図である。 従来のCCD固体撮像装置の電荷転送図と動作を示すタイミングチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各実施の形態において、図13と同じ構成要素については、同じ符号を用い、説明を省略する。
(実施の形態1)
本実施の形態に係る固体撮像装置は、信号電荷を生成する行列状に配置された複数の光電変換部と、前記複数の光電変換部の列ごとに設けられ、生成された信号電荷を垂直方向に転送する垂直転送部と、信号電荷を水平方向に転送する水平転送部と、前記垂直転送部と前記水平転送部との間に設けられた第1転送部及び第2転送部とを備え、前記第1転送部は、前記複数の光電変換部の水平方向において同色で直近の2個の信号電荷を混合するために、前記複数の垂直転送部から前記第2転送部に信号電荷を選択的に保持および転送し、前記第2転送部は、前記複数の光電変換部の水平方向において同色で直近の3個の信号電荷を混合するために、前記第1転送部から前記水平転送部に信号電荷を選択的に保持および転送する。
この構成によれば、複数の第1転送部および第2転送部を備えるので、m画素加算にもn画素加算にも対応できる。また、混合する画素数の多い第2転送部を第1転送部より水平転送部側へ配置したことにより、水平ブランキング期間を長くすることなく最短のステップ数で信号電荷を転送できる。
また、前記垂直転送部は、列毎に設けられた垂直転送チャネルと垂直転送チャネル上に繰り返し配置された複数の垂直転送電極とを備え、前記第1転送部は、列毎に前記垂直転送チャネルに連続するように形成された第1転送チャネルと、前記第1の転送チャネルの上方に行方向および列方向に並んで形成された複数の第1転送電極とを有し、前記複数の第1転送電極のそれぞれは、2列の第1転送チャネルに跨る幅を有し、前記第2転送部は、列毎に前記第1転送チャネルに連続するように形成された第2転送チャネルと、前記第2転送チャネルの上方に行方向および列方向に並んで形成された複数の第2転送電極とを有し、前記複数の第2転送電極のそれぞれは、1列の第2転送チャネルに跨る幅を有する。
この構成によれば、第1転送電極は2列に跨る幅を有するので、2列単位に信号電荷を選択的に保持および転送可能であり、2画素加算を容易にできる。また、第2転送電極は1列の幅を有するので、例えば、第2転送部は列単位に信号電荷を保持及び転送可能であり、3画素加算を容易に実現できる。
図1は、本発明の実施の形態1に係る固体撮像装置の構成を示すレイアウト図である。同図に示す固体撮像装置200は、垂直転送部1、水平転送部2、光電変換部3、垂直転送電極4、第一の転送制御部9及び第二の転送制御部10を備える。本実施形態では、水平2画素加算と水平3画素加算を両立する場合について示す。
垂直転送部1は、光電変換部3の列ごとに設けられ、光電変換部3で生成された信号電荷を垂直方向に転送する。垂直転送部1は、例えば12相駆動であり、駆動パルスφV1〜φV12等に応じて、光電変換部3で生成された信号電荷を垂直方向に転送する。この垂直転送部1のうち、垂直転送電極4の下の部分が垂直転送チャネルとして機能し、第一の転送制御部9の下の部分が第1転送チャネルとして機能し、第二の転送制御部10の下の部分が第2転送チャネルとして機能する。
第一の転送制御部9は、水平2画素加算モードに対応し、第二の転送制御部10は水平3画素加算モードに対応しており、加算数の多い水平3画素加算に対応した第二の転送制御部10が水平転送部2側に配置される。
具体的には、第一の転送制御部9は、第一の信号電荷蓄積電極11及び第一の転送阻止電極12を備える。第一の信号電荷蓄積電極11と第一の転送阻止電極12とは独立電極として2列単位で2列の間隔をおいて設けられている。第一の信号電荷蓄積電極11には転送パルスとしてφVS1及びφVSH1が印加され、第一の転送阻止電極12にはφVH1が印加されている。φVSH1が印加される第一の信号電荷蓄積電極11は駆動モードによってポテンシャルの障壁を形成するための転送阻止電極あるいはポテンシャルの井戸を形成するための信号電荷蓄積電極として機能する。これらの第一の信号電荷蓄積電極11及び第一の転送阻止電極12を有しない列には、画素繰り返し部5と同じ転送パルスが印加される。図1では、第一の信号電荷蓄積電極11と第一の転送阻止電極12を有する列をS列、有しない列をF列としている。なお、固体撮像装置200が有する複数の第一の転送制御部9は、第1転送部として機能する。また、第一の信号電荷蓄積電極11及び第一の転送阻止電極12それぞれは、第1転送電極として機能する。
第二の転送制御部10は、第一の転送制御部9と水平転送部2との間に設けられ、3個の第二の信号電荷蓄積電極13と、3個の第二の転送阻止電極14とを備える。第二の信号電荷蓄積電極13と第二の転送阻止電極14とは、3列単位で設けられ、第二の信号電荷蓄積電極13の後段に第二の転送阻止電極14が設けられている。3個の第二の信号電荷蓄積電極13には転送パルスとして、φVS2L、φVS2C及びφVS2Rが印加され、3個の第二の転送阻止電極14には転送パルスとして、φVH2L、φVH2C及びφVH2Rが印加される。図1では、3列単位で構成される第二の転送制御部10のうち、φVS2C、φVHCが印加される列をC列、φVS2R、φVH2Rが印加される列をR列、φVS2L、φVH2Lが印加される列をL列としている。なお、固体撮像装置200が有する複数の第二の転送制御部10は、第2転送部として機能する。また、第二の信号電荷蓄積電極13及び第二の転送阻止電極14はそれぞれ、第2転送電極として機能する。また、第二の転送制御部10が備える3個の第二の信号電荷蓄積電極13と、3個の第二の転送阻止電極14のうち、同一の垂直転送部1上に形成された組み合わせは、第2転送制御部として機能する。
このように、本実施の形態に係る固体撮像装置200は、連続する12列に対応する第一の信号電荷蓄積電極11、第一の転送阻止電極12、第二の信号電荷蓄積電極13及び第二の転送阻止電極14を1単位とし、各単位は同じパルス群により制御される。
水平2画素加算は、垂直2画素加算と合わせることで4画素加算の高感度モードとしてメカニカルシャッタを用いた連写モードとして使用されることが多い。垂直2画素加算のための光電変換部3から垂直転送部1への転送に関しては、インターレース駆動が用いられる。近年、画素の微細化に伴う飽和電荷量の低下を抑制するため、通常モードでは6:1インターレースが一般的であり、6ラインに対して、垂直転送部1は12個の垂直転送電極4を有する。6:1インターレースの画素繰り返し部5の駆動方法としては、水平ブランキング期間に12相駆動で1段転送する場合と、6相駆動で同色を2段転送させる場合が代表的である。
ここで垂直転送における“1段転送”の表現は、駆動相数を1単位とし、1単位に対応する電極の並びに相当する垂直転送部の距離だけ電荷転送する際に“1段転送“と表現するものである。これは上記の“12相駆動で1段転送する”場合と、“6相駆動で2段転送する”場合とを比較すると、これらは転送する際の駆動パルスの印加方法は異なるものの、垂直転送部での実効的な電荷転送の距離は双方とも等しい事を意味している。
垂直方向に2画素加算するモードでは、垂直方向の2画素の信号電荷を垂直転送部内で加算させて1信号とし、この画素加算後の飽和電荷量を通常モードと同じレベルにさせる事で3:1インターレースとすることができ、垂直転送部で電荷転送する際の動作は通常モードと同様の動作となる。
以上のように構成された固体撮像装置200について、以下その動作を説明する。動作説明に際しては、画素繰り返し部5を12相駆動する場合と6相駆動する場合について示す。
(2画素加算、12相駆動)
図2A及び図2Bは、12相駆動における水平2画素加算時の垂直方向の電荷転送の様子を示す説明図である。図3A及び図3Bは、12相駆動における水平2画素加算時の電荷転送の様子を水平転送部2での転送を含めて示す説明図である。なお、図2AはF列の信号電荷の転送の様子を示す説明図あり、図2BはS列の信号電荷の転送の様子を示す説明図である。また、図3Bは、図3Aの続きの転送の様子を示す説明図である。
図2A及び図2Bにおいて、横軸は時間を示し、縦軸は各垂直転送電極4と、第一の転送制御部9と、第二の転送制御部10とに印加されているパルスが示されている。グレー部は、対応するパルスが印加されている電極下のチャネルにおいて信号電荷が存在することを示す。斜線部は、対応するパルスが印加されている電極下のチャネルにおいて信号電荷が存在しないことを示す。ただし、斜線部は、対応するパルスが印加されている電極の電圧は、信号電荷を蓄積可能なミドルレベル(例えば0V)である。グレー部と斜線部を除く部分は、対応するパルスがローレベル(例えば−6V)であり、対応するパルスが印加されている電極下のチャネルにおいて信号電荷は存在しないことを示す。
つまり、斜線部に対応するパルスが印加されている電極の下にはポテンシャルの井戸が形成され、グレー部と斜線部を除く部分に対応するパルスが印加されている電極の下にはポテンシャルの障壁が形成されている。なお、画素繰り返し部5の駆動は垂直転送開始及び終了時(図2A、図2Bの左右端部)に8つの連続した電極下に信号電荷を蓄積する8電極蓄積としている。
12相駆動では、垂直方向に隣接する同色の2画素は垂直転送部1で加算され、加算された信号電荷が第一の転送制御部9に転送される。水平2画素加算モードでは、垂直転送部1から転送されてきた信号電荷を、2列単位で水平転送部2への転送を制御する。すなわち、F列とS列とは独立して水平転送部2へ信号電荷を転送する。
本実施の形態では、第一の転送において、F列の信号電荷は水平転送部2に転送され、S列の信号電荷は、φVSH1又はφVS1が印加されている2電極、すなわち第一の信号電荷蓄積電極11で信号電荷を保持される(図2BのtS期間、図3A(1)及び(2))。この時、第一の信号電荷蓄積電極11にはミドルレベル、第一の転送阻止電極12であるφVH1にはローレベルが印加される。
次に、水平転送部2に先に転送されたF列の信号電荷を2列分水平方向に転送する(図2AのtH1期間、図3A(3)及び(4))。
次に、S列の信号電荷を水平転送部2に転送することで、水平転送部2で水平方向に隣接する同色画素の信号電荷が加算される(図3A(5)及び(6))。この際、第二の転送制御部10における3列単位の電極は、同じ行に配置される電極全てに同じ駆動パルスが印加される。この動作を2回繰り返す(図3B(7)〜(11))ことで、図3B(12)に示すように、2ライン分の水平2画素加算された信号電荷が水平転送部2に蓄積される。
なお、図2A及び図2Bにおいては、水平ブランキング期間を除く水平転送期間に第一の転送制御部9の電極を含んだ行(図2BのφVSH1、図2AのφV8)で信号電荷を蓄積しているが、含まない行(例えばφV12とφV1〜7が印加されている電極)で蓄積しても構わない。
また、上記説明では、C列の第二の信号電荷蓄積電極13に印加されるパルスをφVS2Cとしたが、垂直転送電極4に印加されるφV11を印加してもよい。
図4A及び図4Bは、12相駆動、8電極蓄積で、C列の第二の信号電荷蓄積電極13に印加されるパルスをφV11とした場合の水平ブランキング期間における2画素加算時の垂直方向の転送の様子を示す説明図である。水平2画素加算の手順は図3と同じである。
本駆動方法では、C列の第二の信号電荷蓄積電極13にφVS2Cが印加される場合と比較して、F列で水平転送部2へ信号電荷を転送した後、次のラインの信号電荷が第一の転送制御部に隣接する中間電極15(図4AのφV7に対応する電極)まで蓄積される(図4のtH1期間)。そのため、第一の転送制御部9において、信号電荷が保持できる電極はφVS1が印加されている1電極となり、φVSH1が印加されている電極は第一の転送制御部9に転送される信号電荷に対して、転送阻止電極として機能し、異なるライン間での信号電荷の混合を抑制する機能を持つ。
なお、C列においてφVH2Cが印加される電極とφVS2Cが印加される電極とを分けた例を示したが、電極として分けずに1電極とする、あるいは、その1電極を画素繰り返し部5における垂直転送電極4に印加されるパルス(例えば、φV11)と共用してもよく、その場合は第二の転送制御部10における独立電極はφVS2R、φVS2L、φVH2R、φVH2Lが印加される4電極に減らすことが可能である。言い換えると、行方向に連続して並ぶ3つの第2転送制御部のそれぞれが備える第二の信号電荷蓄積電極13及び第二の転送阻止電極の組み合わせのうち少なくとも2つは、垂直転送電極4に印加されるパルスとは異なるパルスにより制御される。
更に図4に示すように、第一の転送制御部9に属するφVSH1とφV8の駆動タイミングは同一であるため、φVSH1とφV8を配線で接続し、共用することが可能である。この場合、第一の転送制御部9における独立電極はφVS1及びφVH1が印加される2電極に減らすことが可能である。
(2画素加算、6相駆動)
図5A及び図5Bは、6相駆動における水平2画素加算時の垂直方向の電荷転送の様子を示す説明図である。本駆動方法では、画素繰り返し部5の駆動は4電極蓄積としている。なお、電極構成については、図1と一致させているが、φV1とφV7、φV2とφV8、φV3とφV9、φV4とφV10、φV5とφV11、φV6とφV12は同じ転送パルスであり、図中()内に記載された転送パルス名が同相となる転送パルス名である。図5A及び図5Bでは、垂直方向に2画素加算された信号電荷が第一の転送制御部9及び第二の転送制御部10に転送される場合を示す。
図5Aに示すように、F列において、水平転送部2への信号電荷転送後に、φVSH1と同行のφV8(φV2)が印加されている電極下のチャネルまで信号電荷が蓄積されている(図5BのtH1期間)。このため、S列においては、φVSH1としてローレベルの電圧を印加する必要があり、信号電荷が保持できる電極はφVS1が印加されている1電極となり、φVSH1が印加されている第一の信号電荷蓄積電極11は第一の転送制御部9に転送される信号電荷に対して、転送阻止電極として機能し、異なるライン間での信号電荷の混合を抑制する機能を持つ。
なお、6相駆動における水平2画素加算においては、図5BのtS2期間において、画素繰り返し部5では4電極蓄積であるのに対し、3電極蓄積となるタイミングが生じるため、第一の転送制御部9に隣接する中間電極15(図5ではφV7が印加されている)は、画素繰り返し部5の垂直転送電極4よりも1電極あたりの飽和電荷量を多くすることが望ましい。例えば、第一の転送制御部9に隣接する中間電極15の電極長や垂直転送部1の幅を画素繰り返し部5に隣接する垂直転送電極4の電極長や幅よりも大きく設計すればよい。
また、上記説明では、垂直2画素加算を垂直転送部1で実施していたが、次の例に示すように水平転送部2で実施してもよい。
図6A及び図6Bは、水平転送部2において垂直2画素加算を実施する場合における垂直方向の電荷転送の様子を示す説明図である。同図も、図5A及び図5Bと同様に、電極構成については、図1と一致させているが、φV1とφV7、φV2とφV8、φV3とφV9、φV4とφV10、φV5とφV11、φV6とφV12は同じ転送パルスであり、図6でも()内に同相となる転送パルス名を記載している。本実施の形態では、垂直方向の2画素加算を、F列については水平転送部2において、S列については第一の信号電荷蓄積電極11で実施する場合を示している。φVSH1にローレベルの電圧を印加することで、第一の転送制御部9に転送される信号電荷に対して、転送阻止電極として機能し、異なるライン間での信号電荷の混合を抑制する機能を持つ。
水平2画素加算の手順については図3と同様であるが、信号電荷が保持される期間(図6BのtS期間)ではφVS1が印加されている1電極で信号電荷が保持される。本例においても、図6に示すように、φVSH1とφV2、φV8とは駆動タイミングが同じであるため、共用化することが可能であり、第一の転送制御部9における独立電極はφVS1、φVH1が印加される2電極に減らすことが可能である。
図4の12相駆動かつ8電極蓄積で第二の転送制御部10におけるC列のφVS2Cを画素繰り返し部5の垂直転送電極4に印加される転送パルスと共用する場合や、6相駆動かつ4電極蓄積の場合は、φVS1が印加されている1電極で信号電荷を保持する期間が生じるが、この期間では、φVSH1にローレベルの電圧が印加されるため、この時のφVSH1の電位は画素繰り返し部5と同じであることが望ましい。なぜなら、電位が高い場合、φVSH1が印加されている電極の前段において4電極(例えば図6BのφV4〜φV7)で信号電荷が蓄積されている箇所において、水平転送部2側のポテンシャル障壁が低下することにより飽和電荷量が低下し、φVS1が印加されている電極に信号電荷が先送りされるためである。そのため、φVSH1が印加されている電極下のチャネルを障壁として用いる場合には、図1における垂直転送部1の幅を拡大する位置は、図7のようにφVSH1が印加されている電極、すなわち中間電極15側に配置された第一の信号電荷蓄積電極11より水平転送部2側とすることが望ましい。
(3画素加算、6相駆動)
次に、水平3画素加算モードについて説明する。
図8A〜図8Dは、6相駆動における水平3画素加算時の垂直方向の電荷転送の様子を示す説明図である。図9A及び図9Bは、6相駆動における水平3画素加算時の電荷転送の様子を水平転送部2での転送を含めて示す説明図である。なお、図8Aは第一の転送制御部9までの電荷転送を示す図であり、図8Bは第二の転送制御部10のC列の電荷転送を示す図であり、図8Cは第二の転送制御部10のR列の電荷転送を示す図であり、図8Dは第二の転送制御部10のL列の電荷転送を示す図である。また、図9Bは、図9Aの続きの転送の様子を示す説明図である。
水平3画素加算モードでは、C列の信号電荷を水平転送部2に転送(図9A(1)及び(2))した後、水平方向に2列転送(図8のtH1期間、図9A(3))する。
次に、R列の信号電荷を水平転送部2に転送することで、水平2画素加算される(図9A(5)及び(6))。
次に、転送完了後再び水平方向に2列転送し(tH2期間、図9A(7)及び(8))、最後にL列の信号電荷を水平転送部2に転送する(図9B(9))ことで、水平3画素加算される(図9B(10))。
さらに、本実施の形態にかかる固体撮像装置200の構成では、水平転送部2として2相駆動を想定しており、先の駆動を3回繰り返すことで(図9B(11))、3ラインの水平3画素加算された信号が水平転送部2内に形成される(図9(12))。
つまり、垂直転送部の3画素加算は、垂直転送部1内で行い、前述の水平3画素加算と合わせて9画素加算動作を実現する。
水平3画素加算するモードでは、高フレームレートが要求されるが、水平3画素加算を制御している第二の転送制御部10が第一の転送制御部9よりも画素繰り返し部5側に配置される場合、第一の転送制御部9を介して水平転送部2に電荷転送を行うので水平転送部2への信号電荷の転送に時間を要する。水平転送部2において水平3画素加算を行うには、少なくとも2回以上(本実施の形態では3回)の垂直転送部1から水平転送部2への選択的な信号電荷転送が必要であるため、転送のステップ数が多くなり、水平ブランキングが長くなる可能性が生じる。しかしながら、本実施の形態では第二の転送制御部10を水平転送部2側に配置しているため、水平ブランキング期間を長くすることなく最短の転送ステップ数で転送が可能である。
また、転送ステップ数を減らすという観点で、第二の転送制御部10を構成する第二の信号電荷蓄積電極13は1電極としている。これを可能とするため、図1で示すように、第二の信号電荷蓄積電極13下における垂直転送部1の幅は、画素繰り返し部5に比べ、広く設定している。これにより、第二の信号電荷蓄積電極13下における垂直転送部1の飽和電荷量を多くできるので、複数の光電変換部3で生成された信号電荷を加算しても電荷が溢れないだけの飽和電荷量が確保できる。
また、1電極で信号電荷を蓄積することで、転送ステップ数が多くなるという不具合が改善され、効率的に画素加算駆動を行うことが可能となる。これは、信号電荷を1電極で蓄積し、1電極で阻止し、それぞれ画素繰り返し部とは独立したパルスを印加することで従来例(図18)のような逆方向への転送を行う必要がなくなるので水平ブランキング期間を短くできる事を意味している。
また、C列においてφVH2Cを独立電極として設けず、画素繰り返し部5における垂直転送電極4に印加されるパルス(例えば、φV11)と共用してもよい。
図10A〜図10Dは、6相駆動、4電極蓄積で、C列の第二の信号電荷蓄積電極13に印加されるパルスをφV11(もしくはφV5)とした場合の水平ブランキング期間における水平3画素加算時の垂直方向の転送の様子を示す説明図である。水平3画素加算の手順は図9A、図9Bと同じである。
この場合、第二の転送制御部10における独立電極はφVS2R、φVS2L、φVH2R、φVH2L、φVH2Cが印加される5電極に減らすことが可能で、端子の削減が可能となる。
また、第二の転送制御部10は3列単位の電極構成となっており、2列単位で構成される第一の転送制御部9に比べ、独立電極が密になっているため、水平転送部2側に配置することで、配線を水平転送部2側に配置することも可能になり、配線のレイアウトが容易になるという特長を有する。
なお、本実施の形態のように、異なる転送パルスが印加される電極が密になっている場合、2層で電極を構成すると、電極間のオーバーラップにより配線レイアウトが困難となるため、電極は単層で構成することが望ましい。
以上のように本実施の形態に係る固体撮像装置200によれば、水平方向の画素加算数が異なる複数の動作モードに対応して転送制御部を複数設けることで、水平方向の加算数が異なる動作モードを切り替えることが可能で、かつ加算画素数が多い動画モードに対応した転送制御部を水平転送部側に配置することで、前記動画モード時の転送ステップ数を減らし水平加算動作を短時間で行える固体撮像装置を実現できる。
(実施の形態2)
実施の形態2に係る固体撮像装置は、実施の形態1に係る固体撮像装置200と比較して、第一の転送制御部9が有する第一の信号電荷蓄積電極の電極を転送方向に大きく形成することにより、第一の転送制御部9での飽和電荷量を多くしている。
図11は本発明の実施の形態2に係る固体撮像装置の構成を示すレイアウト図である。
同図に示す固体撮像装置300は、図1に示した固体撮像装置100とほぼ同じ構成であるが、第一の信号電荷蓄積電極31下の垂直転送部1において、転送方向に垂直転送部1の幅を広げ、かつ当該第一の信号電荷蓄積電極31の電極長を長くしている点が異なる。
実施の形態1に係る固体撮像装置100では、第一の転送制御部9における第一の信号電荷蓄積電極11が1電極となる駆動がある場合、第一の信号電荷蓄積電極11における飽和電荷量が低下してしまう。
しかしながら、本実施の形態に係る固体撮像装置300では、第一の信号電荷蓄積電極31下の垂直転送部1において、転送方向に垂直転送部1の幅を広げ、かつ当該第一の信号電荷蓄積電極11の電極長を長くしている。これにより、以下のような効果が得られる。
加算画素数が少ないモード(本実施の形態では水平2画素加算モード)では、2画素加算後の飽和出力が水平3画素加算に比べ少なくなるため、第一の信号電荷蓄積電極31は、第二の信号電荷蓄積電極13よりも垂直転送部1の飽和電荷量が多いことが望ましい。例えば、加算後で1000mVの飽和出力を確保する場合、水平3画素加算では、垂直転送部1列あたりの信号は333mVであるが、水平2画素加算では500mVとなり、1.5倍となる。本実施の形態に係る固体撮像装置300によれば、第一の信号電荷蓄積電極31において、実施の形態1と同等の転送電界を確保した場合でも第一の信号電荷蓄積電極31の飽和電荷量を第一の信号電荷蓄積電極11の飽和電荷量に比べて多くできる。更に、図11で示すように、電極長を長くすることにより、水平方向に配置された配線間のマージンが確保しやすい利点もある。
以上のように、本実施の形態に係る固体撮像装置300によれば、実施の形態1に係る固体撮像装置200に比べ、第一の転送制御部9で蓄積できる飽和電荷量を大きくできる。
(実施の形態3)
実施の形態3に係る固体撮像装置は、信号電荷を生成する行列状に配置された複数の光電変換部と、前記複数の光電変換部の列ごとに設けられ、生成された信号電荷を垂直方向に転送する垂直転送部と、信号電荷を水平方向に転送する水平転送部と、前記垂直転送部の後段に設けられ、信号電荷を列選択的に保持及び転送する選択転送部と、前記選択転送部と前記水平転送部との間に設けられた垂直最終転送部とを備え、前記選択転送部は、信号電荷の転送を選択的に停止する際に第1電圧が印加される信号電荷蓄積電極と、前記第1電圧より低レベルの第2電圧が印加される転送阻止電極を含み、前記信号電荷蓄積電極の数は、1列あたり1であり、前記転送阻止電極は、選択転送部の前記垂直最終転送部側に設けられ、前記垂直最終転送部は、前記転送阻止電極と隣接して設けられた垂直最終電極を含み、前記垂直最終電極の転送方向の長さが、前記転送阻止電極の転送方向の長さに比べ短い。
図12は、本発明の実施の形態3に係る固体撮像装置の構成を示すレイアウト図である。
同図に示す固体撮像装置400は、実施の形態2に係る固体撮像装置300とほぼ同じであるが、さらに垂直最終電極41を備える点が異なる。
また、第二の転送制御部10は本発明の選択転送部に対応し、第二の信号電荷蓄積電極13は本発明の信号電荷蓄積電極に対応し、第二の転送阻止電極14は本発明の転送阻止電極に対応する。
本実施の形態では、実施の形態1及び2に対して、垂直最終電極41を独立で設け、第二の転送阻止電極14の電極長を転送方向に長くしている。
実施の形態1及び2に係る固体撮像装置200及び300では、第二の転送阻止電極14を垂直の最終電極としている。しかしながら、垂直転送部1から水平転送部2への転送不良によって生じるFPN(固定パターンノイズ)を考慮し、第二の転送阻止電極14を短く設計した場合、水平転送部2がハイレベルかつ第二の信号電荷蓄積電極13がミドルレベルになるタイミングで、第二の転送阻止電極14の電位が変調され高くなり、第二の信号電荷蓄積電極13の飽和電荷量が低下するという課題が生じる。この飽和電荷量の低下を解決するために、第二の信号電荷蓄積電極13の電極長を長くして飽和電荷量を確保することは可能であるが、その場合、電極長が長くなることでフリンジ電界が低下し、転送効率劣化が生じやすくなる。
本実施の形態に係る固体撮像装置400では、電極長の短い垂直最終電極41を配置することで、第二の転送阻止電極14の電極長を、垂直方向で第二の転送阻止電極14に隣接する電極がミドルレベルになった際に変調が抑制される程度まで長くし、第二の転送阻止電極14にローレベルが印加された場合の電位の上昇を抑制することで、第二の信号電荷蓄積電極13における飽和電荷量を実施の形態1及び2に比べて多くできる。
具体的には、第二の転送阻止電極14の転送方向の電極長を、垂直最終電極41の転送方向の電極長以上とする。言い換えると、垂直最終電極41の転送方向の長さが、第二の転送阻止電極14の転送方向の長さに比べ短くなるように形成する。これにより、第二の信号電荷蓄積電極13における飽和電荷量を多くできる。
垂直最終電極41としては、画素繰り返し部5の垂直転送部1上の垂直転送電極4と固体撮像装置内部で配線により接続し、共用することも可能であるが、負荷が大きくなり転送パルスの立ち下がりが遅くなるため、独立電極として外部から転送パルスを印加することが望ましい。
以上、本発明の実施の形態及び変形例に基づいて説明したが、本発明は、これら実施の形態及び変形例に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態及び変形例に施したものや、異なる実施の形態及び変形例における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
例えば、上記実施の形態においては、水平2画素混合と水平3画素混合とを両立する固体撮像装置について説明したが、画素混合を行う画素数はこれに限らない。例えば、水平4画素混合と水平6画素混合とを両立する固体撮像装置であっても構わない。
本発明の固体撮像装置は、水平方向で隣接する同色の信号電荷の画素加算数が異なる複数の出力モードが可能であり、従来の静止画モードに加え、高速連写に適した高解像度・高感度モードと、動画出力に適した高速・高感度モードの両方を実現でき、特にデジタルスチルカメラ用の固体撮像装置として有用である。
1 垂直転送部
2 水平転送部
3 光電変換部
4 垂直転送電極
5 画素繰り返し部
6 転送制御部
9 第一の転送制御部
10 第二の転送制御部
11、31 第一の信号電荷蓄積電極
12 第一の転送阻止電極
13 第二の信号電荷蓄積電極
14 第二の転送阻止電極
15 中間電極
22−1〜4 垂直転送電極
24−1〜4 水平転送電極
25 ホールド電極
26 ストレージ電極
41 垂直最終電極
100、200、300、400 固体撮像装置

Claims (17)

  1. 信号電荷を生成する行列状に配置された複数の光電変換部と、
    前記複数の光電変換部の列ごとに設けられ、生成された信号電荷を垂直方向に転送する垂直転送部と、
    信号電荷を水平方向に転送する水平転送部と、
    前記垂直転送部と前記水平転送部との間に設けられた第1転送部及び第2転送部とを備え、
    前記第1転送部は、前記複数の光電変換部の水平方向において同色で直近のm(mは2以上の整数)個の信号電荷を混合するために、前記複数の垂直転送部から前記第2転送部に信号電荷を選択的に保持および転送し、
    前記第2転送部は、前記複数の光電変換部の水平方向において同色で直近のn(nはn>mを満たす整数)個の信号電荷を混合するために、前記第1転送部から前記水平転送部に信号電荷を選択的に保持および転送する
    固体撮像装置。
  2. mが偶数であり、nが3以上の奇数である請求項1記載の固体撮像装置。
  3. mが2であり、nが3である請求項2記載の固体撮像装置。
  4. 前記垂直転送部は、列毎に設けられた垂直転送チャネルと垂直転送チャネル上に繰り返し配置された複数の垂直転送電極とを備え、
    前記第1転送部は、
    列毎に前記垂直転送チャネルに連続するように形成された第1転送チャネルと、
    前記第1転送チャネルの上方に行方向および列方向に並んで形成された複数の第1転送電極とを有し、
    前記複数の第1転送電極のそれぞれは、少なくとも2列の第1転送チャネルに跨る幅を有し、
    前記第2転送部は、
    列毎に前記第1転送チャネルに連続するように形成された第2転送チャネルと、
    前記第2転送チャネルの上方に行方向および列方向に並んで形成された複数の第2転送電極とを有し、
    前記複数の第2転送電極のそれぞれは、1列の第2転送チャネルに跨る幅を有する
    請求項1記載の固体撮像装置。
  5. 前記第1転送部は、行方向に並んで配列された複数の第1転送制御部を有し、
    各第1転送制御部は、列方向に並んで配置された少なくとも3つの前記第1転送電極を含み、当該第1転送制御部に隣接する第1転送制御部とは異なる転送パルス信号により制御される
    請求項4記載の固体撮像装置。
  6. 前記第2転送部は、行方向に並んで配置された複数の第2転送制御部を有し、
    各第2転送制御部は、列方向に並ぶ少なくとも2つの第2転送電極を含み、
    行方向に連続して並ぶ3つの第2転送制御部のうち少なくとも2つは、前記垂直転送部に印加される駆動パルス信号とは異なる転送パルス信号により制御される
    請求項5記載の固体撮像装置。
  7. 連続する12列に対応する前記第1転送制御部および前記第2転送制御部を1単位とし、
    各単位は同じ制御パルス信号群により制御される
    請求項6記載の固体撮像装置。
  8. 前記第1転送チャネルの幅は前記垂直転送チャネルの幅よりも大きい
    請求項4記載の固体撮像装置。
  9. 前記第1転送チャネルの幅は、前記垂直転送部と、前記垂直転送部に最も近い第1転送電極との間で、当該第1転送電極に向かって徐々に広がっている
    請求項8記載の固体撮像装置。
  10. 前記第1転送部を構成する複数の第1転送電極は、信号電荷を選択的に蓄積する電極を1列あたり1つ有し、
    前記第2転送部を構成する複数の第2転送電極は、信号電荷を選択的に蓄積する電極を1列あたり1つ有する
    請求項4〜9のいずれか1項に記載の固体撮像装置。
  11. 前記固体撮像装置は、さらに、前記垂直転送部と、前記垂直転送部に最も近い第1転送電極との間に、前記垂直転送チャネルと前記第1転送チャネルとの接続部分の上に中間電極を有し、
    前記中間電極の幅および長さの少なくとも一方は、垂直転送電極の幅および長さの少なくとも一方よりも大きい
    請求項4〜10のいずれか1項に記載の固体撮像装置。
  12. 前記第1転送制御部内の列方向に並ぶ第1転送電極の数は、前記第2転送制御部内の列方向に並ぶ第2電極の数と異なる
    請求項4〜11のいずれか1項に記載の固体撮像装置。
  13. 前記複数の第1転送電極および前記複数の第2転送電極は、互いに重なることなく単層に形成される
    請求項4〜12のいずれか1項に記載の固体撮像装置。
  14. 信号電荷を生成する行列状に配置された複数の光電変換部と、
    前記複数の光電変換部の列ごとに設けられ、生成された信号電荷を垂直方向に転送する垂直転送部と、
    信号電荷を水平方向に転送する水平転送部と、
    前記垂直転送部の後段に設けられ、信号電荷を選択的に保持及び転送する選択転送部と、
    前記選択転送部と前記水平転送部との間に設けられた垂直最終転送部とを備え、
    前記選択転送部は、
    信号電荷の転送を選択的に停止する際に第1電圧が印加される信号電荷蓄積電極と、前記第1電圧より低レベルの第2電圧が印加される転送阻止電極を含み、
    前記信号電荷蓄積電極の数は、1列あたり1であり、
    前記転送阻止電極は、前記選択転送部の前記垂直最終転送部側に設けられ、
    前記垂直最終転送部は、前記転送阻止電極と隣接して設けられた垂直最終電極を含み、
    前記垂直最終電極の転送方向の長さが、前記転送阻止電極の転送方向の長さに比べ短い
    固体撮像装置。
  15. 前記垂直最終電極には、前記垂直最終電極より前段の電極とは独立した転送パルス信号が印加される
    請求項14記載の固体撮像装置。
  16. 前記信号電荷蓄積電極、前記転送阻止電極及び前記垂直最終電極は、互いに重なることなく単層に形成される
    請求項14又は15に記載の固体撮像装置。
  17. 請求項1〜16のいずれか1項に記載の固体撮像装置を備えるカメラ。
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