JP2011077826A - アンテナ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アンテナ装置1は、カール状の円偏波放射素子2と直線偏波放射素子3とが互いに近接して樹脂フィルム8上に配置され、直線偏波放射素子3のグランドパターン4と、直線偏波放射素子3に直接給電する給電点5と、円偏波放射素子2に直接給電する給電点6と、終端に円偏波放射素子2の第四の辺25に対して所定の間隔をおき、かつ、所定の長さ分だけ対向して配置された電磁結合部71が設けられて円偏波放射素子2と電磁結合をなす給電点7と、を備え、給電点5と給電点6とが互いに近接して配置され、給電点7とグランドパターン4とが互いに近接して配置される。
【選択図】図1
Description
自動車等に設置するための車載用アンテナの場合、アンテナを取り付けることが可能なスペースは限られるため、複数の種類のアンテナを取り付けることが困難な場合がある。
図12は、従来の複合アンテナ100を示す説明図である。
図12に示すように、従来の複合アンテナ100は、二つのループアンテナ101、102を有する。ループアンテナ101は、地上デジタルテレビジョン放送の放送波を受信するためのアンテナであり、ループアンテナ102は、GPS信号を受信するためのアンテナである。複合アンテナ100は所謂パッチアンテナであり、ループアンテナ101及びループアンテナ102は同一基板上に形成されている。
なぜならば、ループアンテナは、受信する電波の周波数帯の波長に対してエレメント長を1波長分設ける必要がある。このため、図12に示すGPS用のループアンテナ102に対して波長の長い周波数帯の電波を受信する地上デジタルテレビジョン用のループアンテナ101のアンテナエレメントの外周長が長くなり、アンテナエレメントを設けるために必要な面積はGPS用のループアンテナ102単体に比して増大する。
アンテナエレメントを設けるために必要な面積の増大は、基板の面積増大をもたらすため、コストが高くなる。加えて、大きな面積を有する複合アンテナを設置するために大きな取り付けスペースを必要とし、取り付けが困難になる。特に、車載用アンテナの場合、アンテナの取り付けスペースの増大は複合アンテナの取り付け難易度を大きく上昇させる要因と成り得る。
前記直線偏波放射素子のグランドパターンと、
前記直線偏波放射素子に直接給電する第一の給電部と、
前記円偏波放射素子に直接給電する第二の給電部と、
終端が前記円偏波放射素子の一部に対して所定の間隔をおき、かつ、所定の長さ分だけ対向して配置され、当該円偏波放射素子と電磁結合をなす第三の給電部と、を備え、
前記第一の給電部と前記第二の給電部とが互いに近接して配置され、
前記第三の給電部と前記グランドパターンとが互いに近接して配置されることを特徴とする。
図1に、本発明の第一の実施形態によるアンテナ装置1を示す。
図1に示すように、アンテナ装置1は、円偏波放射素子2と、直線偏波放射素子3と、グランドパターン4と、給電点5〜7と、樹脂フィルム8と、を備える。
基板としての樹脂フィルム8上において、円偏波放射素子2と直線偏波放射素子3とは互いに近接して配置される。また、給電点5と給電点6とは互いに近接して配置される。また、給電点7とグランドパターン4とは互いに近接して配置される。
アンテナ装置1は、グランドパターン4が外部の導体である自動車のルーフ9の近傍に位置し、かつ、当該導体に対して平行となるよう配置される。
なお、図1に示す円偏波放射素子2はアンテナエレメントを時計回りに設けることで右旋回円偏波を受信する構成としているが、左旋回円偏波を受信する場合にはアンテナエレメントを反時計回りに設ける。
給電点7は、その終端に電磁結合部71が設けられている。設けられた電磁結合部71は、円偏波放射素子2の第四の辺25に対して所定の間隔をおき(例えば図2に示す間隔長71b)、かつ、所定の長さ(例えば図2に示す長さ71a)分だけ対向して配置される。図2のE2で示すように、給電点7は、電磁結合部71が円偏波放射素子2の第四の辺25と電磁結合をなすことにより給電する。
円偏波放射素子2の第四の辺25は、電磁結合部71と平行に延在し、電磁結合部71によって円偏波放射素子2のインピーダンス調整を施される。具体的には、電磁結合部71の長さ71aに基づいて、インピーダンスのインダクタンス成分Lの調整が施される。そして、電磁結合部71と第四の辺25との間隔長71bに基づいて、インピーダンスのキャパシタンス成分Cの調整が施される。
給電点7を、グランド電位を供給するグランドパターンとすることによって、円偏波放射素子2、給電点6及び給電点7が不平衡型のGPSアンテナパターンを構成するようにしてもよい。または、給電点6と給電点7との間にバランを設け、給電点6と給電点7との間で不平衡給電―平衡給電の変換を行って、これによって給電点6及び給電点7の各々に給電が行われるようにすることで、円偏波放射素子2、給電点6及び給電点7が平衡型のGPSアンテナパターンを構成するようにしてしてもよい。
グランドパターン4は、直線偏波放射素子3の延設方向に対して直角に設けられる直線状の接地パターンである。そして、グランドパターン4は、円偏波放射素子2の第四の辺25に対して平行に設けられている。
グランドパターン4は、グランド電位に保持された外部の導体(例えば自動車のルーフ9)に対して平行に配置されて直線偏波放射素子3の等電位面を構成する。つまり、グランドパターン4は、直線偏波放射素子3がモノポールアンテナとして機能するための接地パターンとして機能する。
給電点6は、円偏波放射素子2に直接給電する。
直線偏波放射素子3、グランドパターン4及び給電点6によるモノポールアンテナパターンの受信周波数の調整は、直線偏波放射素子3のエレメント長の調整によって行われる。モノポールアンテナとして機能する直線偏波放射素子3のエレメント長は、受信する電波の波長の1/4を基準とする。
図3に示すように、外部の導体は、例えば自動車のルーフ9である。アンテナ装置1は、自動車のルーフ9に対してグランドパターン4が平行に配置されるように、フロントガラス10に対して取り付けられる。
第一の実施形態では、外部の導体として自動車のルーフ9を用いているが、外部の導体は、自動車のルーフ9に限らず、グランドパターン4と外部の導体との協働によって直線偏波放射素子3の等電位面を構成することができればよい。
円偏波放射素子2、給電点6及び給電点7によるGPSアンテナパターンと、直線偏波放射素子3、グランドパターン4及び給電点6によるモノポールアンテナパターンとは近接して配置されているため、両者間で電磁結合が生じる。例えば、図2のE1で示すように、直線偏波放射素子3と円偏波放射素子2との間に電磁結合が生じる。また、図2のE3で示すように、グランドパターン4と給電点7の間に電磁結合が生じる。そして、図2のE4で示すように、グランドパターン4と円偏波放射素子2の間に電磁結合が生じる。E1〜E4で示す各電磁結合は、GPSアンテナパターンの特性に影響を与える。具体的には、図2に示す直線偏波放射素子3と円偏波放射素子2との距離Dx、グランドパターン4と給電点6との距離Dy又はその両方が変化すると、GPSアンテナパターンの特性が変化する。
GPSアンテナパターンによるGPS信号の受信において、VSWRは3以下であることが望ましい。図4に示す4〜24[mm]の範囲内において、直線偏波放射素子3と円偏波放射素子2との距離Dxはいずれの距離であってもVSWRは3以下を満たす。
さらに、直線偏波放射素子3と円偏波放射素子2との距離Dxを20[mm]よりさらに小さい距離とした場合、VSWR特性をより向上させることが可能である。例えば、図4に示すように、直線偏波放射素子3と円偏波放射素子2との距離Dxが4[mm]〜12[mm]の場合、直線偏波放射素子3と円偏波放射素子2との距離Dxが20[mm]である場合に比してVSWRが小さくなり、VSWR特性が向上する。
図5に示すように、GPS信号の周波数帯である1.57GHz帯において、直線偏波放射素子3と円偏波放射素子2との距離Dxが4[mm]、8[mm]及び12[mm]以下である場合、軸比は3[dB]以下を満たす。
図6に示すように、グランドパターン4と給電点6との距離Dyが図6に示す最低値(2[mm])から大きくなるにしたがって、GPS信号の周波数帯である1.57GHz帯におけるVSWR特性が低下する。これは、グランドパターン4とGPSアンテナパターンとの距離によってGPSアンテナパターンのインピーダンスが変化するためである。グランドパターン4と給電点6との距離Dyが大きくなるにしたがってVSWR特性が下がるということは、GPSアンテナパターンのインピーダンス調整の結果が劣悪化していることを示す。
なお、距離Dyの変化に伴い、グランドパターン4と円偏波放射素子2の間の距離4Bも変化し、グランドパターン4と円偏波放射素子2の間に生ずる電磁結合に影響を与える。図4及至図7に示す各種測定結果は、距離4Bの変化による影響も含まれた結果である。
このことから、グランドパターン4は、GPSアンテナパターンのインピーダンス調整及び天頂方向の軸比調整を行っており、GPSアンテナパターンを構成する一部として機能しているといえる。
GPSアンテナパターンによるGPS信号の受信において、VSWRは3以下であることが望ましい。図4に示す30〜80[mm]の範囲内において、グランドパターン4の長さ4Aはいずれの長さであってもVSWRは3以下を満たす。
図9,10に示すように、グランドパターン4の長さ4Aに応じて天頂方向の軸比が3[db]以下から25[db]程度の範囲で大きく変化する。また、グランドパターンの長さ4Aについて、70[mm]毎に軸比の起伏変化パターンの周期が生じる傾向が見られる。
本実施形態では、グランドパターン4の長さ4Aを30[mm]としている。
また、円偏波放射素子2によるGPSアンテナパターンに対する直線偏波放射素子3、グランドパターン4の配接位置によって、GPSアンテナパターンの特性を調整することができるので、GPSアンテナパターンの特性向上のための構成を別途設けることなく複号アンテナとしてのアンテナ装置1を実現することができ、アンテナ装置1をより小型化することができる。
図11に、本発明の第二の実施形態によるアンテナ装置11を示す。
図11及び以下の記載において、第一の実施形態と同様の構成については同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
また、グランドパターン4と円偏波放射素子2とを電磁結合させることによって、グランドパターン4を円偏波放射素子2の接地パターンとしても機能させているため、直線偏波放射素子3と円偏波放射素子2とグランドパターン4を近接配置することを可能にし、アンテナ装置1を小型化することができる。
さらに、複数の種類のアンテナパターンに対する給電点が一つとなることにより、各アンテナパターンに対して個別に給電点を設ける場合に比して給電点と接続するケーブル(例えば同軸ケーブル等)を減らすことができる。これによって、各アンテナパターンに対して個別に給電点を設ける場合に比してケーブルの配置及び取り回しが容易となり、アンテナ装置の取り付けの容易性が大幅に向上する。
3 直線偏波放射素子
4 グランドパターン
5〜7 給電点
8 樹脂フィルム
Claims (6)
- カール状の円偏波放射素子と直線偏波放射素子とが互いに近接して基板上に配置されたアンテナ装置であって、
前記直線偏波放射素子のグランドパターンと、
前記直線偏波放射素子に直接給電する第一の給電部と、
前記円偏波放射素子に直接給電する第二の給電部と、
終端が前記円偏波放射素子の一部に対して所定の間隔をおき、かつ、所定の長さ分だけ対向して配置され、当該円偏波放射素子と電磁結合をなす第三の給電部と、を備え、
前記第一の給電部と前記第二の給電部とが互いに近接して配置され、
前記第三の給電部と前記グランドパターンとが互いに近接して配置されることを特徴とするアンテナ装置。 - 前記円偏波放射素子、前記第二の給電部及び前記第三の給電部は、平衡型のアンテナパターンを構成することを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
- カール状の円偏波放射素子と直線偏波放射素子とが互いに近接して基板上に配置されたアンテナ装置であって、
前記直線偏波放射素子のグランドパターンと、
前記直線偏波放射素子に直接給電する第一の給電部と、を備え、
前記第一の給電部は、前記円偏波放射素子と電磁結合をなすことを特徴とするアンテナ装置。 - 前記円偏波放射素子は、四角形状のアンテナエレメントを有し、
前記直線偏波放射素子は、直線状のアンテナエレメントを有し、かつ、前記四角形状のアンテナエレメントの少なくとも一辺に対して平行に設けられ、
前記グランドパターンは、前記四角形状のアンテナエレメントのうち前記直線偏波放射素子と平行である辺とは異なる少なくとも一辺に対して平行に設けられることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のアンテナ装置。 - 前記基板は樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
- 前記円偏波放射素子は、約1.57GHzの周波数帯を用いるGPS信号を受信するGPS用アンテナとして機能し、
前記直線偏波放射素子は、470MHzから770MHzの範囲内の周波数帯を用いる地上デジタルテレビジョン放送の放送波を受信する地上デジタルテレビジョン用アンテナとして機能することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
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JP2013058893A (ja) * | 2011-09-08 | 2013-03-28 | Mitsumi Electric Co Ltd | アンテナ装置 |
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2009
- 2009-09-30 JP JP2009227304A patent/JP5509772B2/ja active Active
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