JP2011076027A - 光変調装置の固定構造、およびプロジェクター - Google Patents

光変調装置の固定構造、およびプロジェクター Download PDF

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明 江川
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要 長谷
Kunihiko Takagi
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Tetsuo Shimizu
鉄雄 清水
Satoshi Kinoshita
悟志 木下
Motoyuki Fujimori
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Abstract

【課題】光変調装置をクロスダイクロイックプリズム以外の部材に効率的に固定でき、光変調素子の位置調整が効率的に行える光変調装置の固定構造およびプロジェクターを提供すること。
【解決手段】光変調装置10の固定構造は、光変調装置10と、光変調装置10を固定するベース部材50と、を有し、光変調装置10は、画像信号に基づいて光束を変調する光変調素子(液晶パネル11)と、液晶パネル11を保持して上部または下部の一方に複数の第1固定部160を有するフレーム15と、を備え、ベース部材50は、光変調装置10の複数の第1固定部160に対応して形成される複数の第2固定部520を備え、第2固定部520は、第1固定部160を可動可能に受ける。
【選択図】図4

Description

本発明は、光変調装置の固定構造、およびプロジェクターに関する。
従来、プロジェクターは、光源から射出された光束を画像信号に基づいて変調して光学像を形成する光変調素子(液晶パネルなど)を有している。また、光変調素子は、フレームに収容されて光変調装置を構成している。そして、光変調装置は、光合成光学系を構成するクロスダイクロイックプリズムの対応する側面に他の部材を介してフレームを固定することにより固定される構造となっている。また、光変調装置を固定する場合には、光変調素子を6軸(X,Y,Z,θx,θy,θz)に対して位置調整を行った後に固定することが必要となる。
なお、光変調素子は、光源からの光束により発熱するため、冷却が必要となる。なお、冷却方法は、冷却ファンを用い、プロジェクターの外部から外気を吸気して光変調素子に冷却風として吐出する、いわゆる空冷方式が用いられている。
光変調素子(液晶パネル)の冷却に関して特許文献1では、クロスダイクロイックプリズムの周囲3面の入射面と、これに対向して配置される3枚の液晶パネル(赤色光用、緑色光用、および青色光用)と、3枚の液晶パネルの入射側に配置される3つの偏光板を有しており、3枚の液晶パネルと3つの偏光板との間を冷却風が通過するようにU字形状に構成された流路を備えている。この流路は、3枚の液晶パネルの射出側とクロスダイクロイックプリズムの周囲3面の入射面とでなす間隔により流路(仮に、第1流路とする)を形成し、3枚の液晶パネルの入射側と3つの入射側の偏光板とでなす間隔により流路(仮に、第2流路とする)を形成している。そして、第1流路と第2流路を合わせた流入口に配置した冷却ファンから冷却風を流入させ、3枚の液晶パネルを順次冷却する。そして、液晶パネルを順次冷却した後の温まった冷却風は、排出口から排出させるという冷却構造が開示されている。
特開2001−281613号公報
しかし、特許文献1では、流路における液晶パネルの固定構造に関しては詳述されていない。なお、3枚の液晶パネルを用いる場合には、各液晶パネルの位置調整を行うと共に、クロスダイクロイックプリズムで合成される各色光の光学像を一致させる位置調整を行うことが必要となる。このように、液晶パネルをクロスダイクロイックプリズム以外の部材に固定する場合に、液晶パネルの位置調整を可能とする固定構造は重要な課題となる。
従って、光変調装置をクロスダイクロイックプリズム以外の部材に効率的に固定でき、光変調素子の位置調整が効率的に行える光変調装置の固定構造およびプロジェクターが要望されていた。
本発明は、上述した課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
(適用例1)本適用例に係る光変調装置の固定構造は、光変調装置と、光変調装置を固定するベース部材と、を有し、光変調装置は、画像信号に基づいて光束を変調する光変調素子と、光変調素子を保持して上部または下部の一方に複数の第1固定部を有するフレームと、を備え、ベース部材は、光変調装置の複数の第1固定部に対応して形成される複数の第2固定部を備え、第2固定部は、第1固定部を可動可能に受けることを特徴とする。
このような光変調装置の固定構造によれば、ベース部材の複数の第2固定部に、光変調装置のフレームの上部または下部の一方に有する複数の第1固定部を可動可能に受ける構造となる。この構造により、第2固定部に対して第1固定部が可動することで、光変調装置をスムーズに可動して効率的に光変調素子の6軸の位置調整を行うことができる。また、第1固定部をフレームの上部または下部の一方に有するため、ベース部材に対して1方向から光変調装置を設置できるため、組み立て性が向上する。そして、フレームの上部または下部の他方に、例えば位置調整治具を設置するなど、他方を利用して位置調整を行うことができるため、効率的な構造で、位置調整を行うことができる。また、第1固定部(第1固定部に対応した第2固定部)を複数有するため、位置調整後、例えば接着剤などで第1固定部と第2固定部とを固定することにより、光変調装置をベース部材に安定して固定することができる。
(適用例2)上記適用例に係る光変調装置の固定構造において、第1固定部は、フレームの上部または下部の他方となるフレームの外形に対し、光変調装置の光束入射側および光束射出側に延出して形成されていることが好ましい。
このような光変調装置の固定構造によれば、第1固定部は、フレームの上部または下部の他方となるフレームの外形に対し、フレームの光変調装置の光束入射側および光束射出側に延出して形成されるため、第2固定部に第1固定部を組み立てる際の設置作業性の向上や、位置調整後の接着剤などによる固定作業性の向上を図ることができる。
(適用例3)上記適用例に係る光変調装置の固定構造において、第1固定部は、突出部を有し、第2固定部は、突出部を遊挿する孔部を有していることが好ましい。
このような光変調装置の固定構造によれば、第2固定部の孔部に第1固定部の突出部を遊挿するという簡易な構成で、位置調整および固定を行うことができる。
(適用例4)上記適用例に係る光変調装置の固定構造において、第1固定部と第2固定部との間に設置され、双方に対して摺動可能な摺動部材を備えていることが好ましい。
このような光変調装置の固定構造によれば、摺動部材を備えることにより、第1固定部と第2固定部との双方に対して安定した摺動を行わせることができ、光変調素子の6軸の位置調整を安定して行うことができる。また、調整後、例えば接着剤などで固定する場合、摺動部材を備えることで、接着する表面積が広くなることなどにより、光変調装置をベース部材に確実に固定することができる。
(適用例5)上記適用例に係る光変調装置の固定構造において、摺動部材は、第1円柱部と、第1円柱部の長手方向略中心部から垂直方向に突出する第2円柱部と、を有しており、第2固定部は、摺動部材の第1円柱部を摺動可能に受ける溝部を有し、第1固定部は、摺動部材の第2円柱部を遊挿する孔部を有していることが好ましい。
このような光変調装置の固定構造によれば、第2固定部の溝部と摺動部材の第1円柱部、および、第1固定部の孔部と摺動部材の第2円柱部とが、光変調素子の6軸の位置調整時にスムーズに摺動することで、光変調装置の動きに柔軟に追従することができ、効率的に位置調整を行うことができる。また、位置調整後、第1固定部と摺動部材と第2固定部とを、例えば接着剤などで固定する場合、摺動部材が第1円柱部と第2円柱部で形成されるため、円柱の表面を接着剤が流動し易くなり、更に確実な接着を行えることで、固定力を向上することができる。
(適用例6)上記適用例に係る光変調装置の固定構造において、溝部は、光束入射側と光束射出側とで、略直行する方向となるように形成されていることが好ましい。
このような光変調装置の固定構造によれば、溝部は、光束入射側と光束射出側とで、略直行する方向となるように形成されることにより、どの方向からの振動や衝撃に対しても固定力を確保することができる。
(適用例7)本適用例に係るプロジェクターは、光源と、上述したいずれかに記載の光変調装置の固定構造により固定される光変調装置と、光変調装置で変調されて形成された光学像を投写する投写レンズと、を備え、ベース部材は、光変調装置を空冷により冷却する流路を構成していることを特徴とする。
このようなプロジェクターによれば、ベース部材は、光変調装置を空冷により冷却する流路を構成しているため、ベース部材に上述したように固定した光変調装置を、効率的に空冷により冷却することができる。
第1実施形態に係るプロジェクターの光学系を示す概平面図。 光変調装置の概斜視図。 ベース部材の概平面図。 光変調装置をベース部材に固定した概平面図。 第2実施形態に係る光変調装置の概斜視図。 摺動部材の概斜視図。 ベース部材の概平面図。 第1固定部、摺動部材、および第2固定部を示す図であり、(a)は第2固定部に摺動部材を組み込んだ状態を示す概斜視図であり、(b)は摺動部材を介して第1固定部を第2固定部に組み込んだ状態を示す概断面図。 摺動部材の第2円柱部が光変調装置の孔部に遊挿された状態を示す概斜視図。 摺動部材を介して光変調装置をベース部材に固定した概平面図。
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るプロジェクターの光学系を示す概平面図である。図1を参照して、プロジェクター1の光学系4の構成および動作を簡単に説明する。
なお、本実施形態を説明する図1および以降で説明する図において、プロジェクター1に対し、投写レンズ471の投写光軸Bの方向をY軸方向、Y軸方向に直交する光源ランプ41の照明光軸Aの方向をX軸方向、Y軸方向とX軸方向とに直交する方向をZ方向、としたXYZ直交座標系で示す。また、投写レンズ471内を光束が進む方向を+Y方向、+Y方向に沿って右方向を+X方向、+Y方向に沿って上方向を+Z方向とする。なお、Z軸方向は、プロジェクター1の高さ方向(厚み方向)となる。
図1に示すように、プロジェクター1の光学系4は、制御部(図示省略)による制御により、画像信号に基づいて画像光を形成するものである。光学系4は、光源装置(光源ランプ41)、照明光学装置42、色分離光学装置43、リレー光学装置44、光学装置45、色合成光学装置46、投写光学装置47、および光学部品用筐体48を備えている。
光源ランプ41は、発光管411およびリフレクター412を有し、発光管411の発光により光束をリフレクター412で反射させて、被照明領域に射出するものである。
照明光学装置42は、光源ランプ41から射出された光束に対し、照明光軸Aに直交する面内での照度を均一化するためのものである。照明光学装置42は、レンズアレイ422,423、偏光変換素子424、および重畳レンズ425を有している。また、照明光学装置42は、3つのフィールドレンズ429を有している。フィールドレンズ429は、光学装置45の3つの液晶パネル11(光変調素子)の手前に配置され、レンズアレイ422から射出された各部分光束をその中心軸に対して平行な光束に変換する。
色分離光学装置43は、照明光学装置42からの照明光束を赤色(R)、緑色(G)、および青色(B)の3つの色光に分離して3つの液晶パネル11に導光するものである。色分離光学装置43は、ダイクロイックミラー431,432、および反射ミラー433を有している。
リレー光学装置44は、色分離光学装置43で分離された色光(本実施形態では赤色光)に対し、光路の長さが他の色光の光路の長さよりも長くなるため、光の発散などによる光の利用効率の低下を防止し、液晶パネル11(本実施形態では液晶パネル11R)まで導くものである。リレー光学装置44は、入射側レンズ441、リレーレンズ443、および反射ミラー442,445を有している。
光学装置45は、各液晶パネル11に入射した各色光を画像信号に基づいて変調して色光毎の画像光を形成するものである。光学装置45は、光変調素子としての3つの液晶パネル11、3つの入射側偏光板452、3つの射出側偏光板453を有している。なお、光変調素子としての液晶パネル11は、液晶パネル11を固定するフレーム15(図2参照)に固定される。なお、フレーム15に液晶パネル11を固定(収容)したものが光変調装置10(図2参照)となる。
液晶パネル11は、入射側偏光板452を介して入射する光束を画像信号に基づいて変調して射出する。また、液晶パネル11は、赤色光用変調素子としての赤色光用の液晶パネル11R、緑色光用変調素子としての緑色光用の液晶パネル11G、および青色光用変調素子としての青色光用の液晶パネル11Bとの3つで構成されている。
入射側偏光板452は、色分離光学装置43で分離された各色光のうち、一定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。また、射出側偏光板453も、入射側偏光板452と略同様に構成され、液晶パネル11から射出された光束のうち、所定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものであり、透過させる偏光光の偏光軸は、入射側偏光板452における透過させる偏光光の偏光軸に対して直交するように設定されている。なお、入射側偏光板452および射出側偏光板453は、3つの液晶パネル11(11R,11G,11B)に併せて、3つの入射側偏光板452(452R,452G,452B)と3つの射出側偏光板453(453R,453G,453B)を有している。
色合成光学装置46は、光学装置45で形成された色光毎の画像光を合成するものである。色合成光学装置46は、クロスダイクロイックプリズム461を有している。クロスダイクロイックプリズム461には、赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが、4つの直角プリズムの界面に沿って略X字状に設けられ、これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成される。クロスダイクロイックプリズム461によって合成された色光は光学像として、投写光学装置47に向けて射出される。
投写光学装置47は、複数のレンズから構成される投写レンズ471を有して構成されている。投写光学装置47は、色合成光学装置46で合成された画像光を投写レンズ471で拡大してスクリーン(図示省略)に拡大投写する。なお、投写レンズ471の光軸を投写光軸Bで図示している。なお、上述した各光学装置41,42〜46に関しての詳細な説明は省略する。
図2は、光変調装置の概斜視図である。図3は、ベース部材の概平面図である。図4は、光変調装置をベース部材に固定した概平面図である。図2〜図4を参照して、光変調装置10の構成、ベース部材50の構成、および光変調装置10のベース部材50への固定に関して説明する。
最初に、図2、図4を参照して、本実施形態の光変調装置10の構成を説明する。
光変調装置10は、上述したように、光学系4における光学装置45を構成している。そして、本実施形態の光変調装置10は、光変調素子としての液晶パネル11と、液晶パネル11を収容して固定するフレーム15と、画像信号を液晶パネル11に伝達して駆動するケーブル19とを有して構成されている。
なお、図2に示す光変調装置10は、説明の便宜上、図1に示す3つの液晶パネル11のうち、赤色光用の液晶パネル11Rを図示している。なお、他の液晶パネル11G,11Bも液晶パネル11Rと同様に構成される。
液晶パネル11(11R)は、画素電極(図示省略)と画素電極に接続されるスイッチング素子(図示省略)とを有する素子基板111(図4参照)と、素子基板111に対向して設置された対向基板112(図4参照)とを有している。本実施形態では、スイッチング素子として、ポリシリコンTFT(Thin Film Transistor)を用いている。また、液晶パネル11は、素子基板111と対向基板112とに挟まれて液晶が密封封入されている。
また、液晶パネル11は、対向基板112に比べて素子基板111の外形が大きく形成されている。そして、素子基板111の光束入射側外面の上部にはケーブル19が接続されている。そして、液晶パネル11は、素子基板111の光束射出側外面に、素子基板111の外形と略同様の大きさの透明ガラス12が接合されている。また、対向基板112の光束入射側外面にも、透明ガラス12と同様の大きさの透明ガラス13が接合されている。
液晶パネル11は、入射側偏光板452および透明ガラス13を介して入射する光束を、ケーブル19を介して入力する画像信号に基づいて変調する。なお、液晶パネル11で変調されて射出された光束は、透明ガラス12および射出側偏光板453を介してクロスダイクロイックプリズム461に入射する。
なお、光変調装置10をプロジェクター1に搭載した場合、内部に侵入した塵埃は透明ガラス12の光束射出側外面12B(図4参照)や、透明ガラス13の光束入射側外面13A(図2、図4参照)に付着することになる。透明ガラス12,13を配置することにより、プロジェクター1を駆動(光変調装置10を駆動)して光学像をスクリーンなどに投写した際に、付着する塵埃は投写レンズ471の焦点からずれることになる。従って、透明ガラス12,13を用いることで、付着する塵埃の投写影を目立たせなくすることができる。
フレーム15は、矩形状をなすフレーム本体151で形成されている。中央には、入射側開口部152、射出側開口部(図示省略)が形成されている。また、フレーム本体151の上面には、ケーブル19を挿通するケーブル用孔158が貫通して形成されている。また、フレーム15は、フレーム本体151の上面と下面の光束入射側および光束射出側に、上フィン部154および下フィン部155が形成されている。また、上フィン部154および下フィン部155は、フレーム本体151から延出して形成されている。なお、上フィン部154および下フィン部155の光束入射側および光束射出側への延出量は略同量に設定されている。
ここで、上フィン部154は、光束入射側の入射側上フィン部1541と光束射出側の射出側上フィン部1542とで構成されている。また、下フィン部155は、光束入射側の入射側下フィン部1551と光束射出側の射出側下フィン部1552とで構成されている。
フレーム15の入射側下フィン部1551の先端中央部には、切り欠き部1551Aが形成される。その切り欠き部1551Aに第1固定部160が形成される。詳細には、第1固定部160は、切り欠き部1551Aから継手部161が形成され、継手部161の先端部には略円板状の突出部162が形成されている。なお、この突出部162は、下フィン部155の下面よりも下方に突出して形成されている。また、この突出部162は、フレーム15(フレーム本体151)の上部の外形に対し、光変調装置10の光束入射側に延出して形成される形態となる。
なお、突出部162に相対する入射側上フィン部1541の領域には、切り欠き部1541Aが形成されている。上述したように、突出部162が、フレーム15(フレーム本体151)の上部の外形に対し、光変調装置10の光束入射側に延出して形成されること、および切り欠き部1541Aにより、突出部162は、平面視(+Z側から視認した場合)で、視認可能に形成される。
また、フレーム15の射出側下フィン部1552の側部(+Y方向)にも第1固定部160が形成される。詳細には、射出側下フィン部1552の側部(+Y方向)に継手部163が形成され、継手部163の先端部には略円板状の突出部164が形成されている。なお、この突出部164は、下フィン部155の下面よりも下方に突出して形成されている。同様に、フレーム15の射出側下フィン部1552の側部(−Y方向)にも第1固定部160が形成される。詳細には、射出側下フィン部1552の側部(−Y方向)に、継手部165が形成され、継手部165の先端部には略円板状の突出部166が形成されている。なお、この突出部166は、下フィン部155の下面よりも下方に突出して形成されている。
継手部163,165、および突出部164,166は、共にフレーム本体151に対して対称に形成されている。また、この突出部164,166は、フレーム15(フレーム本体151)の上部の外形に対し、光変調装置10の光束射出側に延出して形成される形態となっている。これにより、突出部164,166は、平面視で、視認可能に形成される。
第1固定部160は、光変調装置10の光束入射側に1つ(突出部162)、光束射出側に2つ(突出部164,166)の、合計3つで構成されている。
次に、図3を参照して、ベース部材50の構成を説明する。
ベース部材50は、光変調装置10を固定する部材である。本実施形態のベース部材50は、光変調装置10を冷却するための流路51を構成している。
ベース部材50は、図3に示すように、略U字形状をなして形成される。流路51は、色光毎に設置される光変調装置10を、順次(本実施形態では、青色光、緑色光、赤色光の順)、空冷により冷却するための冷却風を流動させるものである。流路51は、X-Y平面方向に形成する平面をベース面52として有し、その中心部にクロスダイクロイックプリズム461を固定している。クロスダイクロイックプリズム461の3方向の側面には、射出側偏光板453R,453G,453Bをそれぞれ貼着したガラス基板455が貼着されている。
ベース面52の外周端部には、上方向(+Z方向)に起立する壁53が形成される、この壁53には、クロスダイクロイックプリズム461の3方向の側面に対応させて、入射側偏光板452R,452G,452Bをそれぞれ貼着したガラス基板454を上方向から挿入して固定する挿入部531が形成される。
投写レンズ471側の流路51のベース面52の外周端部にも、上方向(+Z方向)に起立する壁54が形成される。また、ベース面52の平面形状と略同形状に形成される図示省略する蓋部材を、この壁53,54に上方から載置して、ベース面52および壁53,54を覆い、ダクトの形態とすることで、冷却風が実際に流動する流路511が形成される。
流路51の一方の端部となる流路開口部51Aが本実施形態では冷却風の流入口となる。そして、流路開口部51Aに対して、矢印Cで示すように、冷却ファン(図示省略)から吐出された冷却風が流入する。そして、冷却風は、ベース面52、壁53,54、入射側偏光板452、クロスダイクロイックプリズム461、および図示省略する蓋部材などに囲まれて形成される流路511を流動する。そして、流路51の他方の端部となる流路開口部51Bから、矢印Dで示すように冷却風が流出する。
なお、クロスダイクロイックプリズム461の+Y方向には、流路51に挟まれる形態となる投写レンズ471が設置される。
流路51のベース面52には、入射側偏光板452および射出側偏光板453に挟まれる領域に第2固定部520が形成されている。第2固定部520は、詳細には、長孔形状で貫通する3つの孔部521,522,523が形成されている。孔部521は、光変調装置10(液晶パネル11)の光束入射側の略中央部に位置し、液晶パネル11の面方向と略垂直な方向に延びた長孔形状として形成される。また、孔部522,523は、液晶パネル11の射出側の略両端部に位置し、液晶パネル11の面方向と略垂直な方向に延びた長孔形状として形成される。
第2固定部520は、上述した光変調装置10の第1固定部160(突出部162,164,166)を、対応するそれぞれの孔部521,522,523)により、長孔内部に遊挿するように受けるためのものである。また、第2固定部520は、各色光(赤色光、緑色光、青色光)用に対応させて形成されており、図3に示すように3セット形成される。
次に、図4を参照して、光変調装置10のベース部材50(流路51)への固定に関して説明する。
本実施形態の光変調装置10は、ベース部材50に固定する構造となる。詳細には、流路51のベース面52に形成される第2固定部520(孔部521,522,523)に対して、光変調装置10の第1固定部160(突出部162,164,166)を上方向(+Z方向)から挿入する。このとき、突出部162,164,166は、孔部521,522,523の長孔内部の断面位置に略位置する。なお、突出部162は孔部521に対応し、突出部164は孔部522に対応し、突出部166は孔部523に対応する。
孔部521,522,523に対して、光変調装置10の突出部162,164,166を上方向(+Z方向)から挿入した後、図示省略する調整用治具により光変調装置10を保持し、光変調装置10の位置調整を行う。なお、本実施形態では、位置調整治具を光変調装置10のフレーム15の上部に設置して光変調装置10を保持させている。
位置調整を行う場合には、最初に、光源ランプ41を点灯し、位置調整する光変調装置10(液晶パネル11)に合わせた色光が、スクリーンに投写されるようにセットする。その後、調整用治具を動作させて、フォーカス調整を行いながら、6軸(X,Y,Z,θx,θy,θz)に対して液晶パネル11の位置調整を行う。
次に、2つ目の光変調装置10(液晶パネル11)も、上述したと同様にして6軸の位置調整を行う。なお、この場合、最初に位置調整が終了した液晶パネル11の画素電極(以降は、単に、画素と呼称する)に対し、2つ目の液晶パネル11の対応する画素の位置を各々一致させる調整を行う。このように、2つ目の光変調装置10の位置調整を行う。
次に、3つ目の光変調装置10(液晶パネル11)も、上述したと同様にして6軸の位置調整を行う。なお、この場合も、最初に位置調整が終了した2つの液晶パネル11の画素に対し、3つ目の液晶パネル11の対応する画素の位置をそれぞれ一致させる調整を行う。この調整により、3つの光変調装置10の位置調整が終了する。
孔部521は、光変調装置10の突出部162を遊挿できるよう形成されているため、前述した位置調整を行う場合、突出部162は孔部521内部で可動自在となる。その他の孔部522,523も、対応する突出部164,166を遊挿できるよう形成されているため、突出部164,166は対応する孔部522,523内部で可動自在となる。これにより、光変調装置10の位置調整は、スムーズに行うことができる。
各光変調装置10の位置調整が終了した後、注射器などを用いて、+Z方向から流路51内に挿入し、第1固定部160と第2固定部520に対して接着剤(例えば、紫外線硬化型接着剤)を塗布する。これにより、突出部162と孔部521との隙間に接着剤が充填される。また、突出部164と孔部522、および突出部166と孔部523に対しても同様に接着剤を塗布する。その後、塗布した接着剤に紫外線を照射することにより、接着剤を硬化させる。これにより、各光変調装置10は、調整された位置関係を保持して流路51に固定される。
次に、図4を参照して、光変調装置10の流路511内部での冷却に関して概略説明する。
冷却風は、流路開口部51Aから矢印Cで示すように流路511に流入し、最初に青色光用の光変調装置10に当たり、光変調装置10の光束入射側および光束射出側に流動する。この流動により、青色光用の液晶パネル11Bが冷却される。同時に、青色光用の入射側偏光板452B、および青色光用の射出側偏光板453Bも冷却される。
次に、冷却風は、緑色光用の光変調装置10に当たり、光変調装置10の光束入射側および光束射出側に流動する。この流動により、緑色光用の液晶パネル11Gが冷却される。同時に、緑色光用の入射側偏光板452G、および緑色光用の射出側偏光板453Gも冷却される。
次に、冷却風は、赤色光用の光変調装置10に当たり、光変調装置10の光束入射側および光束射出側に流動する。この流動により、赤色光用の液晶パネル11Rが冷却される。同時に、赤色光用の入射側偏光板452R、および赤色光用の射出側偏光板453Rも冷却される。
このように、冷却風は、流路511を流動することにより、液晶パネル11に対して、青色光用の液晶パネル11B、緑色光用の液晶パネル11G、そして赤色光用の液晶パネル11Rという順番で、順次、冷却を行う。最後に冷却風は、流路開口部51Bから、矢印Dで示すように流路511から流出する。流路511から流出した冷却風は、最終的にプロジェクター1外部に排気される。
上述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
本実施形態の光変調装置10の固定構造は、ベース部材50としての流路51に形成した3つの第2固定部520(孔部521,522,523)に、光変調装置10のフレーム15の下部に有する3つの第1固定部160(突出部162,164,166)を遊挿して、可動可能に受ける構造となる。この構造により、第2固定部520に対して第1固定部160が可動することで、光変調装置10をスムーズに可動して効率的に液晶パネル11の6軸の位置調整を行うことができる。
また、第1固定部160をフレーム15の下部に全て有するため、ベース部材50に対して1方向(上方向)から光変調装置10を設置でき、組み立て性が向上する。そして、フレーム15の上部に、図示省略する位置調整治具を設置するなど、フレーム15の上部を利用して位置調整を行うことができるため、効率的な構造で、位置調整を行うことができる。この構造により、省スペースで、光変調装置10の固定および位置調整が可能となる。なお、この構造を用いることで、光変調装置10の小型化や光変調装置10を固定するベース部材50(流路51)の小型化を図ることができる。また、設計の自由度を向上することができる。
また、第1固定部160(第1固定部160に対応した第2固定部520)を複数(3つ)有するため、位置調整後、接着剤で第1固定部160と第2固定部520とを固定することにより、光変調装置10をベース部材50に安定して固定することができる。なお、本実施形態では、光束入射側に1つの第1固定部160(突出部162)、光束射出側に2つの第1固定部160(突出部164,166)を有することにより、3点固定とすることができ、少ない数量で安定した支持と固定が行える。
本実施形態の光変調装置10の固定構造によれば、第1固定部160は、フレーム15の上部の外形に対し、光変調装置10の光束入射側および光束射出側に延出して形成されるため、第2固定部520に第1固定部160を組み立てる際の設置作業性の向上や、位置調整後の接着剤などによる固定作業性の向上を図ることができる。
本実施形態の光変調装置10の固定構造によれば、第1固定部160は、フレーム15の光変調装置10の下部に形成される下フィン部155において、光束入射側および光束射出側に延出して形成されている。そして、突出部162は、上フィン部154の入射側上フィン部1541に形成した切り欠き部1541Aにより、平面視で、視認可能に形成される。また、突出部164,166は、平面視で、フレーム15(フレーム本体151)の外形に対し、光変調装置10の光束射出側に延出して形成される形態となっている。これにより、突出部164,166は、平面視で、視認可能に形成される。このように第1固定部160が視認可能であり、しかも前述したように、光変調装置10をベース部材50に対して1方向から設置できることを含め、位置調整前において、第2固定部520に対して第1固定部160を効率的に確実に設置することができ、設置作業性の向上を図ることができる。また、位置調整後において、接着剤の塗布のし易さ向上および紫外線の照射のし易さ向上など含めた固定作業性の向上を図ることができる。
本実施形態の光変調装置10の固定構造によれば、第1固定部160は、突出部162,164,166を有し、第2固定部520は、突出部162,164,166を遊挿する孔部521,522,523を有している。これにより、第2固定部520の孔部521,522,523に、第1固定部160の突出部162,164,166を遊挿するという簡易な構成で、位置調整および固定を行うことができる。
本実施形態の光変調装置10の固定構造によれば、突出部162,164,166と孔部521,522,523という簡易な構成のため、双方の固定部(第1固定部160、第2固定部520)の大きさや位置も、設計上からの制約に応じて設定できる自由度を有している。このため固定部の大きさを設定し、必要とする接着面積(接着力)を確保して固定できる。これにより、光変調装置10のベース部材50との固定における耐環境性能(振動・衝撃・熱衝撃・高温低温環境など)も向上させることができる。
本実施形態の光変調装置10の固定構造によれば、突出部162,164,166と孔部521,522,523という簡易な構成のため、市場において光変調装置10に品質不良が発生した場合の交換の際などには、孔部521,522,523から突出部162,164,166を押圧することにより、容易に光変調装置10を取り外すことができる。従って、光変調装置10のメンテナンス性を向上させることができる。
本実施形態のプロジェクター1によれば、ベース部材50は、光変調装置10を空冷により冷却する流路51を構成しているため、ベース部材50に前述したように固定した光変調装置10を、効率的に空冷により冷却することができる。また、本実施形態の光変調装置10は、フレーム本体151から延出する上フィン部154、下フィン部155を有しているため、液晶パネル11で発生する熱を冷却風により効率的に放熱することができ、更に効率的に液晶パネル11を冷却することができる。
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態に係る光変調装置の概斜視図である。図5を参照して、光変調装置20の構成および動作を説明する。なお、図5に示す光変調装置20は、第1実施形態と同様に、説明の便宜上、図1に示す3つの液晶パネル11のうち、赤色光用の液晶パネル11Rを図示している。なお、他の液晶パネル11G,11Bも液晶パネル11Rと同様に構成される。
本実施形態の光変調装置20は、第1実施形態の光変調装置10と同様の液晶パネル11、および透明ガラス12,13を有して構成されている。第1実施形態と異なる点は、光変調装置20を構成するフレーム25が有する第1固定部170の形状が、第1実施形態のフレーム15が有する第1固定部160の形状と異なっていることである。なお、第1実施形態の光変調装置10と同様の構成部には同様の符号を付記し、説明は省略する。
本実施形態の光変調装置20を構成するフレーム25は、入射側下フィン部1551の先端中央部に、第1固定部170が形成されている。第1固定部170は、詳細には、長孔形状で貫通する孔部171で形成されている。なお、孔部171は、光束入射側から光束射出側(液晶パネル11の面方向と略垂直な方向)に延びた長孔形状として形成されている。
なお、孔部171に相対する入射側上フィン部1541の領域には、切り欠き部1541Bが形成されている。上述したように、第1固定部170(孔部171を形成する入射側下フィン部1551)が、フレーム25(フレーム本体151)の上部の外形に対し、光変調装置20の光束入射側に延出して形成されること、および切り欠き部1541Bにより、孔部171は、平面視で、視認可能に形成される。
また、フレーム25の射出側下フィン部1552の側部(+Y方向)にも第1固定部170が形成される。詳細には、射出側下フィン部1552の側部(+Y方向)に延出する延出部172が形成され、この延出部172の略中央部に、長孔形状で貫通する孔部173が形成される。同様に、フレーム25の射出側下フィン部1552の側部(−Y方向)にも第1固定部170が形成される。詳細には、射出側下フィン部1552の側部(−Y方向)に延出する延出部174が形成され、この延出部174の略中央部に、長孔形状で貫通する孔部175が形成される。なお、孔部173,175は、液晶パネル11の面方向と略平行な方向(孔部171に対して略垂直方向)に延びた長孔形状として形成されている。
延出部172,174、および孔部173,175は、共にフレーム本体151に対して対称に形成されている。また、この延出部172,174、および孔部173,175は、フレーム25(フレーム本体151)の上部の外形に対し、光変調装置20の光束射出側に延出して形成される形態となっている。これにより、孔部173,175は、平面視で、視認可能に形成される。
なお、第1固定部170(孔部171,173,175)は、後述する摺動部材60の第2円柱部62を遊挿することが可能な形状に形成されている。また、第1固定部170は、光変調装置20の光束入射側に1つ(孔部171)、光束射出側に2つ(孔部173,175)の、合計3つで構成されている。
図6は、摺動部材の概斜視図である。図6を参照して、摺動部材60の構造に関して説明する。
本実施形態の摺動部材60は、第1固定部170と、後述する第2固定部550との間に設置され、双方に対して摺動可能となる部材である。摺動部材60は、円柱形状の第1円柱部61と、第1円柱部61の長手方向略中心部から垂直方向に突出する円柱形状の第2円柱部62とを有して構成されている。摺動部材60は、略T字形状に形成されている。また、摺動部材60は、固定の際に使用する紫外線を透過する部材で構成されている。
図7は、ベース部材の概平面図である。図8は、第1固定部、摺動部材、および第2固定部を示す図であり、図8(a)は、第2固定部に摺動部材を組み込んだ状態を示す概斜視図であり、図8(b)は、摺動部材を介して第1固定部を第2固定部に組み込んだ状態を示す概断面図である。図9は、摺動部材の第2円柱部が光変調装置の孔部に遊挿された状態を示す概斜視図である。図10は、摺動部材を介して光変調装置をベース部材へ固定した概平面図である。なお、図7は、第2固定部550に摺動部材60を組み込んだ図として図示している。図7〜図10を参照して、ベース部材55の構成、および光変調装置20のベース部材55への固定に関して説明する。
最初に、ベース部材55の構成を説明する。
本実施形態のベース部材55は、第1実施形態と同様に、光変調装置20を固定する部材である。また、ベース部材55は、第1実施形態と同様に、光変調装置20を冷却するための流路51を構成している。図7に示すように、ベース部材55が第1実施形態のベース部材50と異なる点は、第1実施形態では、第2固定部520が直接第1固定部160を受けていたが、本実施形態では、第2固定部550は、摺動部材60を介して第1固定部170を受ける点である。このため、ベース面52に形成される第2固定部550の形状などが異なる。なお、第1実施形態のベース部材50と同様の構成部には同様の符号を付記し、説明は省略する。
流路51のベース面52には、入射側偏光板452および射出側偏光板453に挟まれる領域で、第2固定部550が形成されている。第2固定部550は、詳細には、断面形状が略U字形状の3つの溝部551,552,553が形成されている。溝部551は、光変調装置20(液晶パネル11)の光束入射側の略中央部に位置し、液晶パネル11の面方向と略平行な方向に延びて形成される。また、溝部552,553は、液晶パネル11の射出側の略両端部に位置し、液晶パネル11の面方向と略垂直な方向に延びて形成される。また、第2固定部550は、各色光(赤色光、緑色光、青色光)用に対応させて形成されており、図7に示すように3セット形成される。
次に、図7〜図10を参照して、光変調装置20のベース部材55(流路51)への固定に関して説明する。なお、図8は、説明の便宜上、赤色光用の光変調装置20を固定する第2固定部550の3つの溝部551,552,553のうち、1つの溝部552を図示している。なお、他の溝部551,553も同様であり、また、他の色光用の光変調装置20に対応する第2固定部550も同様となる。
本実施形態の光変調装置20は、摺動部材60を介して、ベース部材55に固定する構造となる。詳細には、図7、図8に示すように、流路51のベース面52に形成された第2固定部550の溝部551,552,553に対して、摺動部材60の第1円柱部61を上方向(+Z方向)から各々載置する。このとき、第2円柱部62が上方向(+Z方向)を向くように載置する。なお、溝部551は孔部171に対応し、溝部552は孔部173に対応し、溝部553は孔部175に対応している。
ここで、溝部552は、詳細には、図8に示すように、摺動部材60の第1円柱部61の外周曲面を受ける溝面552Aと、溝面552Aに接続し、若干の傾斜を伴ってベース面52の表面に接続する傾斜平面552B,552Cとで構成されている。溝面552Aは、後述する光変調装置20の位置調整に伴う第1円柱部61の外周曲面の摺動を許容している。また、傾斜平面552B,552Cは、光変調装置20の位置調整に伴う第2円柱部62の傾斜を許容している。なお、他の溝部551,553も、溝部552と同様に構成される。
なお、図8(a)に示すように、溝部552に、第1円柱部61を載置した場合、溝部552の長手方向の両端部と第1円柱部61の軸方向両端部とに隙間を有する形態となる。この隙間は、光変調装置20の位置調整を行う場合、第1円柱部61に長手方向(軸方向)の摺動量を与えている。他の溝部551,553も、溝部552と同様である。
第2固定部550の溝部551,552,553に、摺動部材60(第1円柱部61)を載置した後、摺動部材60(第2円柱部62)に光変調装置20の第1固定部170を載置する。詳細には、摺動部材60を溝部551,552,553に載置し、上方向(+Z方向)を向いている第2円柱部62(図8(a)を参照)に対して、第1固定部170の孔部171,173,175を上方向(+Z方向)から挿入する。
なお、図8(b)では、溝部552(第2固定部550)に第1円柱部61(摺動部材60)を載置し、第2円柱部62(摺動部材60)を孔部173(第1固定部170)に遊挿した状態の断面図を示している。また、図9では、第2円柱部62(摺動部材60)が光変調装置10の孔部171,173,175(第1固定部170)に遊挿された状態を−Z方向から見た斜視図を示している。
図10に示すように、第2固定部550に摺動部材60を載置し、摺動部材60に光変調装置20の第1固定部170を載置した後、第1実施形態と同様に、光変調装置20の位置調整を行う。位置調整は、第1実施形態と同様に、図示省略する調整用治具により光変調装置20を保持し、6軸(X,Y,Z,θx,θy,θz)に対して液晶パネル11の位置調整を行う。
2つ目の光変調装置20(液晶パネル11)も、上述したと同様にして6軸の位置調整を行う。なお、この場合、第1実施形態と同様に、最初に位置調整が終了した液晶パネル11の画素に対し、2つ目の液晶パネル11の対応する画素の位置を各々一致させる調整を行う。このように、2つ目の光変調装置20の位置調整を行う。3つ目の光変調装置20の位置調整も、第1実施形態と同様となるため、説明を省略する。
なお、位置調整時において、調整用治具により光変調装置20が移動する場合、図8(b)に示すように、摺動部材60は、孔部173の移動に従動し、孔部173および溝部552(溝面552A、傾斜平面552B,552C)の形状の範囲内で自由に摺動する。これにより、摺動部材60は、光変調装置20の動きに柔軟に追従することで、スムーズに摺動する。他の孔部171,175においても同様となる。
各光変調装置20の位置調整が終了した後、注射器などを用いて、+Z方向から流路51内に挿入し、第1固定部170、摺動部材60、および第2固定部550に対して接着剤(例えば、紫外線硬化型接着剤)を塗布する。これにより、孔部173と摺動部材60との隙間、および摺動部材60と溝部552との隙間に接着剤が充填される。
また、孔部171と摺動部材60と溝部551、および、孔部175と摺動部材60と溝部553に対しても同様に接着剤を塗布する。その後、塗布した接着剤に紫外線を照射することにより、接着剤を硬化させる。これにより、各光変調装置20は、調整された位置関係を保持して流路51に固定される。
なお、第1実施形態と同様の光学系4と、本実施形態の光変調装置20およびベース部材55を用いて、プロジェクター2が構成される。このプロジェクター2において、光変調装置20の流路511内部での冷却のされ方に関しては、第1実施形態での光変調装置10の流路511内部での冷却と同様となるため、説明を省略する。
上述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
本実施形態の光変調装置20の固定構造によれば、複数の第1固定部170と、複数の第1固定部170に対応する第2固定部550との間に設置され、双方に対して摺動可能な摺動部材60を備えている。これにより、摺動部材60は、第1固定部170と第2固定部550との双方に対して柔軟で安定した摺動を行わせることができ、液晶パネル11の6軸の位置調整を安定して行うことができる。また、位置調整後、接着剤で固定する場合、摺動部材60を備えることで、接着する表面積が広くなることなどにより、光変調装置20をベース部材55に確実に固定することができる。
本実施形態の光変調装置20の固定構造によれば、摺動部材60は、第1円柱部61と、第1円柱部61の長手方向略中心部から垂直方向に突出する第2円柱部62と、を有している。また、第2固定部550は、摺動部材60の第1円柱部61を摺動可能に受ける溝部551,552,553を有し、第1固定部170は、摺動部材60の第2円柱部62を遊挿する孔部171,173,175を有している。これにより、第2固定部550の溝部551,552,553と摺動部材60の第1円柱部61、および、第1固定部170の孔部171,173,175と摺動部材60の第2円柱部62とが、液晶パネル11の6軸の位置調整時にスムーズに摺動することで、光変調装置20の動きに柔軟に追従することができ、効率的に位置調整を行うことができる。また、調整後、第1固定部170と摺動部材60と第2固定部550とを、接着剤などで固定する場合、摺動部材60が第1円柱部61と第2円柱部62で形成されるため、円柱の表面を接着剤が流動し易くなり、更に確実な接着を行えることで、固定力を向上することができる。
本実施形態の光変調装置20の固定構造によれば、溝部551,552,553は、光束入射側と光束射出側とで、略直行する方向となるように形成されている。詳細には、光束入射側となる溝部551と、光束射出側となる溝部552,553とは、溝の方向が略直行する方向となっている。この構成により、どの方向からの振動や衝撃に対しても、光変調装置20のベース部材55への固定力を確保することができる。また、固定力を確保することにより、耐環境性能(振動・衝撃)を向上させることができ、投写画像における画素ズレなどの画質性能を損なうことを防止できる。また、光変調装置20のフレーム25および流路51の形状・サイズ・材質などの違いにより、温度変化に伴う膨張量に差が生じるが、摺動部材60の形状および接着剤の弾性を利用して、膨張による歪みを吸収することができる。このため、耐環境性能(熱衝撃・高温低温環境)を向上させることができ、投写画像における画素ズレなどの画質性能を損なうことを防止できる。
本実施形態の光変調装置20の固定構造によれば、第1固定部170は、フレーム25の下部に形成され、また、光変調装置20の光束入射側および光束射出側に延出して形成される。このため、ベース部材55に対して1方向(上方向)から光変調装置20を設置でき、組み立て性が向上する。そして、フレーム25の上部に、図示省略する位置調整治具を設置するなど、フレーム25の上部を利用して位置調整を行うことができるため、効率的な構造で、位置調整を行うことができる。この構造により、省スペースで、光変調装置20の固定および位置調整が可能となる。
本実施形態の光変調装置20の固定構造によれば、第1固定部170は、フレーム25の上部の外形に対し、光変調装置20の光束入射側および光束射出側に延出して形成されるため、第2固定部550に摺動部材60を介して第1固定部170を組み立てる際の設置作業性の向上や、位置調整後の接着剤などによる固定作業性の向上を図ることができる。
本実施形態の光変調装置20の固定構造によれば、光束入射側に1つの第1固定部170(孔部171)、光束射出側に2つの第1固定部170(孔部173,175)を有することにより、3点固定とすることができ、少ない数量で安定した支持と固定が行える。
本実施形態の光変調装置20の固定構造によれば、第1固定部170は、フレーム25の光変調装置20の下部に形成される下フィン部155において、光束入射側および光束射出側に延出して形成されている。そして、孔部171は、上フィン部154の入射側上フィン部1541に形成した切り欠き部1541Bにより、平面視で、視認可能に形成される。また、孔部173,175は、フレーム25(フレーム本体151)の上部の外形に対し、光変調装置20の光束射出側に延出して形成される形態となっている。これにより、孔部173,175は、平面視で、視認可能に形成される。このように第1固定部170が視認可能であり、しかも前述したように、光変調装置20をベース部材55に対して1方向から設置できることを含め、位置調整前において、第1固定部170を、摺動部材60を介し、第2固定部550に効率的に確実に設置することができ、設置作業性の向上を図れる。また、位置調整後において、接着剤の塗布のし易さ向上および紫外線の照射のし易さ向上など含めた固定作業性の向上を図ることができる。
本実施形態のプロジェクター2によれば、ベース部材55は、光変調装置20を空冷により冷却する流路51を構成しているため、ベース部材55に上述したように固定した光変調装置20を、効率的に空冷により冷却することができる。また、本実施形態の光変調装置20は、フレーム本体151から延出する上フィン部154、下フィン部155を有しているため、液晶パネル11で発生する熱を冷却風により効率的に放熱することができ、更に効率的に液晶パネル11を冷却することができる。
なお、上述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更や改良などを加えて実施することが可能である。変形例を以下に述べる。
前記第1実施形態では、光変調装置10のフレーム15の下部に第1固定部160を形成しているが、フレーム15の上部に第1固定部を形成してもよい、その場合、ベース部材50としての流路51を上下逆転して構成してもよい。または、流路51の一部を構成する図示省略した蓋部材に第2固定部を形成して光変調装置10を固定することでもよい。これは、第2実施形態に対しても同様である。
前記第1実施形態では、光束入射側に1つの第1固定部160(突出部162)を有し、光束射出側に2つの第1固定部160(突出部164,166)を有することにより、3点固定としている。しかし、これに限られず、光束入射側に2つの第1固定部を有し、光束射出側に1つの第1固定部を有することにより、3点固定としてもよい。これにより、少ない個数の第1固定部で、効率的に、安定した支持と固定が行える。これは、第2実施形態に対しても同様である。
前記第1実施形態では、光変調装置10には、3つの第1固定部160を有している。しかし、これに限られず、2つの第1固定部を有していてもよい。また、4つ以上の第1固定部を有していてもよい。なお、2つの第1固定部を有する場合には、光変調装置10の設置の安定性を考慮して、一方の第1固定部の幅を広くすることが好ましい。これは、第2実施形態に対しても同様である。
前記第1実施形態では、フレーム15の上部および下部に上フィン部154、下フィン部155を有しているが、有さなくてもよい。これは、第2実施形態に対しても同様である。
前記第1実施形態において、第1固定部160の突出部162,164,166は、略円板状に形成されている。しかし、突出部は、円板形状には限られず、孔部521,522,523に遊挿できる凸形状のものであればよく、形状に対する自由度を有している。例えば、丸ピン形状や角ピン形状であってもよい。また、突出部162,164,166は、第1固定部160の継手部161,163,165の先端部に一体成形により形成されているが、第1固定部160の継手部161,163,165に別部材のピンを打ち込んで突出部を形成してもよい。
前記第1、第2実施形態の光変調装置10は、赤色光、緑色光、および青色光に対応して、3つの液晶パネル11R,11G,11Bを用いる構成のいわゆる3板方式を採用している。しかし、これに限られず、単板方式を採用してもよい。また、コントラストを向上させるための液晶パネルを追加して採用してもよい。
前記第1、第2実施形態の光学系4は、光源装置(光源ランプ41)から射出された光束の照度を均一化する光学系として、レンズアレイ422,423からなるレンズインテグレーター光学系を用いているが、これに限定されるものではなく、導光ロッドからなるロッドインテグレーター光学系も用いることができる。
前記第1、第2実施形態の光学系4において、光変調素子としての液晶パネル11は、透過型の液晶パネルを採用しているが、反射型の液晶パネルなど、反射型の光変調素子を用いることも可能である。そして、反射型の光変調素子を用いた光変調装置に対しても、光変調装置の固定構造を適用できる。
前記第1、第2実施形態の光学系4において、光変調素子として液晶パネル11を採用している。しかし、これに限られず、一般に、入射光束を画像信号に基づいて変調するものであればよく、マイクロミラー型光変調素子などを採用してもよい。なお、マイクロミラー型光変調素子としては、例えば、DMD(Digital Micromirror Device)を用いることができる。そして、マイクロミラー型光変調素子を用いた光変調装置に対しても、光変調装置の固定構造を適用できる。
前記第1、第2実施形態の光学系4において、光源装置(光源ランプ41)は、放電式ランプを採用しているが、レーザーダイオード、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro Luminescence)素子、シリコン発光素子などの各種固体発光素子で構成してもよい。
1,2…プロジェクター、4…光学系、10,20…光変調装置、11…液晶パネル、15,25…フレーム、50…ベース部材、51…流路、51A…流路開口部、51B…流路開口部、52…ベース面、53,54…壁、55…ベース部材、60…摺動部材、61…第1円柱部、62…第2円柱部、111…素子基板、112…対向基板、151…フレーム本体、154…上フィン部、155…下フィン部、155B…射出側下フィン部、160…第1固定部、162,164,166…突出部、170…第1固定部、171,173,175…孔部、452…入射側偏光板、453…射出側偏光板、454,455…ガラス基板、461…クロスダイクロイックプリズム、471…投写レンズ、511…流路、520…第2固定部、521,522,523…孔部、531…挿入部、550…第2固定部、551,552,553…溝部、552A…溝面、552B,552C…傾斜平面。

Claims (7)

  1. 光変調装置の固定構造であって、
    前記光変調装置と、当該光変調装置を固定するベース部材と、を有し、
    前記光変調装置は、画像信号に基づいて光束を変調する光変調素子と、当該光変調素子を保持して上部または下部の一方に複数の第1固定部を有するフレームと、を備え、
    前記ベース部材は、前記光変調装置の前記複数の第1固定部に対応して形成される複数の第2固定部を備え、
    前記第2固定部は、前記第1固定部を可動可能に受けることを特徴とする光変調装置の固定構造。
  2. 請求項1に記載の光変調装置の固定構造であって、
    前記第1固定部は、前記フレームの上部または下部の他方となる前記フレームの外形に対し、前記光変調装置の光束入射側および光束射出側に延出して形成されていることを特徴とする光変調装置の固定構造。
  3. 請求項1または請求項2に記載の光変調装置の固定構造であって、
    前記第1固定部は、突出部を有し、
    前記第2固定部は、前記突出部を遊挿する孔部を有していることを特徴とする光変調装置の固定構造。
  4. 請求項1または請求項2に記載の光変調装置の固定構造であって、
    前記第1固定部と前記第2固定部との間に設置され、双方に対して摺動可能な摺動部材を備えていることを特徴とする光変調装置の固定構造。
  5. 請求項4に記載の光変調装置の固定構造であって、
    前記摺動部材は、第1円柱部と、当該第1円柱部の長手方向略中心部から垂直方向に突出する第2円柱部と、を有しており、
    前記第2固定部は、前記摺動部材の前記第1円柱部を摺動可能に受ける溝部を有し、
    前記第1固定部は、前記摺動部材の前記第2円柱部を遊挿する孔部を有していることを特徴とする光変調装置の固定構造。
  6. 請求項5に記載の光変調装置の固定構造であって、
    前記溝部は、光束入射側と光束射出側とで、略直行する方向となるように形成されていることを特徴とする光変調装置の固定構造。
  7. 光源と、
    請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の光変調装置の固定構造により固定される前記光変調装置と、
    前記光変調装置で変調されて形成された光学像を投写する投写レンズと、を備え、
    前記ベース部材は、前記光変調装置を空冷により冷却する流路を構成していることを特徴とするプロジェクター。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021152827A1 (ja) * 2020-01-31 2021-08-05 シャープNecディスプレイソリューションズ株式会社 画像表示装置

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