WO2021152827A1

WO2021152827A1 - 画像表示装置

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Publication number: WO2021152827A1
Application number: PCT/JP2020/003702
Authority: WO
Inventors: 優一加藤
Original assignee: シャープＮｅｃディスプレイソリューションズ株式会社
Priority date: 2020-01-31
Filing date: 2020-01-31
Publication date: 2021-08-05
Also published as: CN219778078U; US20230045453A1

Abstract

外部から光変調素子の光軸方向の位置ずれを容易に調整することができる画像表示装置を提供する。画像表示装置（５０）は、操作面（５１ａ）を備えた筐体（５０）と、筐体（５０）に収容された、光を変調して画像を形成する画像形成面（５２ａ）を備えた光変調素子（５２）と、光変調素子（５２）を少なくとも画像形成面（５２ａ）に垂直な方向に移動可能に保持する保持部（５３）と、少なくとも一つのワイヤ部材（５４）からなり、ワイヤ部材（５４）の一端（５４ａ）が保持部（５３）に連結され、他端（５４ｂ）が操作面（５１ａ）に回転可能に取り付けられた調整部（５５）と、を有する。保持部（５３）は、ワイヤ部材（５４）の他端（５４ｂ）を回転することで画像形成面（５２ａ）に垂直な方向に移動する可動部（５３ａ）を有する。

Description

画像表示装置

　本発明は、光変調素子を備えた画像表示装置に関する。

　特許文献１には、２以上の光変調素子を備えた画像表示装置が記載されている。各光変調素子は、互いに異なる色の画像を生成する。レンズおよびプリズムなどを含むシステムが、各光変調素子が生成した各色の画像を重ねてスクリーン上に投写する。
　各光変調素子が形成する各色の画像の間で相対的な画素位置のずれが生じると、投写画像の画質が低下する。この問題を解決するために、上記画像表示装置は、光変調素子毎に、該光変調素子を光軸と直交する方向に移動可能に支持するプレートアッセンブリと、一端がプレートアッセンブリに連結された、光変調素子の移動量を調整するための可撓性チューブとを有する。可撓性チューブの他端は筐体の所定の面に取り付けられており、使用者は、可撓性チューブの他端を回転することで、光変調素子の移動量を調整することができる。これにより、各色の画像の間の相対的な画素位置のずれを調整することが可能である。

米国特許出願公開第２００５／０１９５５０４号明細書

　しかし、特許文献１に記載の画像表示装置には、以下のような問題がある。
　近年、画像表示装置の高出力化が図られている。高出力の画像表示装置では、内部温度の上昇に伴って装置内部の光学部品の温度が上昇する。その結果、光学部品の熱膨張のために、光軸上における光変調素子の位置にずれが生じる場合がある。この光軸上の光変調素子の位置ずれ（光軸方向の位置ずれ）は、投写画像の画質を低下させる。特許文献１に記載の画像表示装置では、この光変調素子の光軸方向のずれを調整することはできない。
　本発明の目的は、上記問題を解決し、外部から光変調素子の光軸方向の位置ずれを容易に調整することができる画像表示装置を提供することにある。

　上記目的を達成するため、本発明の一態様によれば、操作面を備えた筐体と、該筐体に収容された、光を変調して画像を形成する画像形成面を備えた光変調素子と、を有する画像表示装置であって、前記光変調素子を少なくとも前記画像形成面に垂直な方向に移動可能に保持する保持部と、少なくとも一つのワイヤ部材からなり、該ワイヤ部材の一端が前記保持部に連結され、他端が前記操作面に回転可能に取り付けられた調整部と、を有し、前記保持部は、前記ワイヤ部材の前記他端を回転することで前記画像形成面に垂直な方向に移動する可動部を有する、画像表示装置が提供される。

本発明の第１の実施形態による画像表示装置の構成を示すブロック図である。本発明の第２の実施形態による画像表示装置の構成を示す模式図である。光変調素子、保持部、調整部及び色合成プリズムからなるユニットの外観を示す模式図である。図３に示すユニットの構成を模式的に示す分解図である。画素位置調整のための可動プレートの連結部分を示す模式図である。フォーカス調整のための可動プレートの一例を示す正面図である。図６に示す可動プレートの連結部分を示す模式図である。電気基板の連結部分を説明するための模式図である。

　次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
　（第１の実施形態）
　図１は、本発明の第１の実施形態による画像表示装置の構成を示すブロック図である。
　図１を参照すると、画像表示装置５０は、操作面５１ａを備えた筐体５１を有する。筐体５１には、光を変調して画像を形成する画像形成面５２ａを備えた光変調素子５２が収容されている。光変調素子５２は、例えば、ＤＭＤ（Digital Mirror Device）やＬＣＤ（Liquid Crystal Display）などである。

　画像表示装置５０は、保持部５３および調整部５５をさらに有する。保持部５３は、光変調素子５２を少なくとも画像形成面５２ａに垂直な方向に移動可能に保持する。調整部５５は、少なくとも一つのワイヤ部材５４からなる。ワイヤ部材５４の一端５４ａは保持部５３に連結され、他端５４ｂは操作面５１ａに回転可能に取り付けられている。保持部５３は、ワイヤ部材５４の他端５４ｂを回転することで画像形成面５２ａに垂直な方向に移動する可動部５３ａを有する。

　本実施形態の画像表示装置５０によれば、ワイヤ部材５４の他端５４ｂは操作面５１ａに露出しているので、使用者は、筐体５１の外側から他端５４ｂを回転させることができる。他端５４ｂが回転すると、その回転に伴って可動部５３ａが画像形成面５２ａに垂直な方向に移動する。ここで、画像形成面５２ａに垂直な方向は光軸方向に対応するので、可動部５３ａの移動に伴って、光変調素子５２は光軸上を前後に移動する。これにより、光変調素子５２の光軸方向の位置ずれを調整することが可能である。このように、外部から光変調素子５２の光軸方向の位置ずれを容易に調整することができる。

　本実施形態の画像表示装置５０は、図１に示した構成に限定されものではない。画像表示装置５０において、以下のような変形を加えても良い。

　保持部５３は、光変調素子５２を支持する支持部を備えた第１の可動プレートを有していても良い。この第１の可動プレートは、支持部をプレートの外縁部と連結するヒンジを備える。ヒンジが撓むことで、支持部がプレート面に垂直な方向（画像形成面５２ａに垂直な方向）に移動する。
　上記の場合、ヒンジは、支持部を囲むように周方向に延伸して形成された複数の切り欠きにより構成されていても良い。また、ヒンジは、支持部を囲むように互いに対向して設けられた一対の第１の鉤状切り欠きと、該一対の第１の鉤状切り欠きが形成された部分を囲むように互いに対向して設けられた一対の第２の鉤状切り欠きとにより形成されても良い。この場合、一対の第１の鉤状切り欠きの各角部と一対の第２の鉤状切り欠きの各角部は、対角線上に位置する。

　上記変形例において、保持部５３は、筐体５１に固定された固定プレートと、上記第１の可動プレートの支持部と固定プレートとの間に設けられた第１の弾性部材と、をさらに有していても良い。この場合、第１の可動プレートは、支持部の外周部分に周方向に沿って形成された複数の第１の貫通孔を有する。調整部５５は、それら第１の貫通孔をそれぞれ介して固定プレートに一端が連結された複数の第１のワイヤ部材を有する。第１のワイヤ部材はそれぞれ、一端側に上記支持部の固定プレート側とは反対側の部位に当接される第１の突起部を備え、一端の外面に雄螺子が形成されている。固定プレートは、第１のワイヤ部材毎に設けられた、内側面に雌螺子が形成された複数の第１の穴を備える。第１のワイヤ部材の雄螺子を第１の穴の雌螺子とかみ合わせた状態で、第１のワイヤ部材の他端を回転することで、上記支持部がプレート面に垂直な方向に移動する。

　また、上記変形例において、第１の弾性部材は、第１のワイヤ部材毎に設けられた複数のばね部材から構成されても良い。
　さらに、保持部は、それぞれが少なくとも一つの第２の貫通孔を備えた複数の第２の可動プレートと、複数の第２の可動プレートの各々と前記固定プレートとの間に設けられた第２の弾性部材と、を有していても良い。この場合、調整部は、複数の第２の可動プレートの第２の貫通孔をそれぞれ介して固定プレートに一端が連結された複数の第２のワイヤ部材を有する。複数の第２の可動プレートは、第２の貫通孔が形成された面が互いに直交し、かつ、第１の可動プレートのプレート面に直交するように第１の可動プレートの外縁部に接合される。第２のワイヤ部材はそれぞれ、一端側に第２の可動プレートの固定プレート側とは反対側の面に当接される第２の突起部を備え、一端の外面に雄螺子が形成されている。固定プレートは、第２のワイヤ部材毎に設けられた、内側面に雌螺子が形成された複数の第２の穴を備える。第２のワイヤ部材の雄螺子を第２の穴の雌螺子にかみ合わせた状態で、第２のワイヤ部材の他端を回転することで、第２の可動プレートが画像形成面に平行な方向（光軸と直交する方向）に移動する。
　上記の場合、第２の弾性部材は、第２のワイヤ部材毎に設けられた複数のばね部材から構成されても良い。

　さらに、上記変形例において、光変調素子が形成した画像を投写する投写レンズをさらに有していても良い。また、光変調素子を複数備え、各光変調素子が互いに異なる色の画像を形成しても良い。この場合、保持部５３および調整部５５は光変調素子毎に設けられる。投写レンズは、各光変調素子が形成した各色の画像を重ねて投写する。

　（第２の実施形態）
　図２は、本発明の第２の実施形態による画像表示装置の構成を示す模式図である。図２には、便宜上、特徴部分に関わる構成のみが示されており、光源や、ミラーおよびレンズなどの光学部品は省略されている。
　図２を参照すると、画像表示装置６０は、操作面６１ａを備えた筐体６１を有する。３つの光変調素子６２Ｒ、６２Ｇ、６２Ｂ及び色合成プリズム６６が筐体６１内に収容されている。筐体６１には、投写レンズ６７も設けられている。

　光変調素子６２Ｒ、６２Ｇ、６２Ｂは、互いに異なる色の画像を形成する。ここでは、光変調素子６２Ｒは、赤色光を変調して赤色画像を形成する。光変調素子６２Ｇは、緑色光を変調して緑色画像を形成する。光変調素子６２Ｂは、青色光を変調して青色画像を形成する。
　色合成プリズム６６は、光変調素子６２Ｒ、６２Ｇ、６２Ｂが形成した各色の画像を１つの画像に色合成する。投写レンズ６７は、色合成プリズム６６で合成された画像を不図示のスクリーン上に投写する。

　光変調素子６２Ｒ、６２Ｇ、６２Ｂはそれぞれ保持部６３Ｒ、６３Ｇ、６３Ｂを介して色合成プリズム６６とともに筐体６１に固定されている。本実施形態では、２つの光変調素子６２Ｒ、６２Ｇに、それぞれ調整部６４Ｒ、６４Ｇが設けられている。
　保持部６３Ｒは、光変調素子６２Ｒをその画像形成面に垂直な方向および平行な方向に移動可能に保持する。ここで、画像形成面に垂直な方向は光軸方向であり、画像形成面に平行な方向は光軸に直交する方向である。調整部６４Ｒは、使用者が操作面６１ａから保持部６３Ｒ上の光変調素子６２Ｒの移動量を調整することができるように構成されている。
　保持部６３Ｒと同様、保持部６３Ｇは、光変調素子６２Ｇをその画像形成面に垂直な方向および平行な方向に移動可能に保持し、保持部６３Ｂは、光変調素子６２Ｂをその画像形成面に垂直な方向および平行な方向に移動可能に保持する。調整部６４Ｇは、使用者が操作面６１ａから保持部６３Ｇ上の光変調素子６２Ｇの移動量を調整することができるように構成されている。

　以下に、保持部６３Ｒ、６３Ｇ、６３Ｂ及び調整部６４Ｒ、６４Ｇの構成を具体的に説明する。
　図３は、光変調素子６２Ｒ、６２Ｇ、６２Ｂ、保持部６３Ｒ、６３Ｇ、６３Ｂ、調整部６４Ｒ、６４Ｇ及び色合成プリズム６６からなるユニットの外観を示す図である。
　図３に示すように、光変調素子６２Ｒ、６２Ｇ、６２Ｂ及び色合成プリズム６６は１つのユニットに組み込まれている。電気基板８Ｒは、光変調素子６２Ｒを駆動するのに必要な回路等を備え、保持部６３Ｒに組付けられている。電気基板８Ｇは、光変調素子６２Ｇを駆動するのに必要な回路等を備え、保持部６３Ｇに組付けられている。電気基板８Ｂは、光変調素子６２Ｂを駆動するのに必要な回路等を備え、保持部６３Ｂに組付けられている。

　調整部６４Ｒは、３つのワイヤ部材１Ｒと４つのワイヤ部材２Ｒを有する。３つのワイヤ部材１Ｒは、光変調素子６２Ｒを画像形成面に平行な方向（光軸と直交する方向）に移動させる画素位置調整のために用いられる。４つのワイヤ部材２Ｒは、光変調素子６２Ｒを画像形成面に垂直な方向（光軸方向）に移動させるフォーカス調整のために用いられる。これと同様、調整部６４Ｇも、３つのワイヤ部材１Ｇと４つのワイヤ部材２Ｇを有する。

　図４は、図３に示すユニットの光変調素子（６２Ｒ又は６２Ｇ）、保持部（６３Ｒ又は６３Ｇ）及び調整部（６４Ｒ又は６４Ｇ）の部分の構成を示す分解図である。
　図４を参照すると、保持部は、筐体６１に固定された固定プレート４と、２つの可動プレート６ａ、６ｂと、方形の形状の可動プレート７を有する。可動プレート７の中央部に、光変調素子３を取り付けるための開口が形成されている。可動プレート６ａは、可動プレート７の外縁の隣接する２辺のうちの一方に接合されている。可動プレート６ｂは、可動プレート７の外縁の隣接する２辺のうちの他方に接合されている。これら可動プレート６ａ、６ｂと可動プレート７の接合には、例えば、接着剤を用いることができる。

　調整部は、画素位置調整用の３つのワイヤ部材１とフォーカス調整用の４つのワイヤ部材２を有する。３つのワイヤ部材１のうちの２つが可動プレート６ａを介して固定プレート４に連結され、残りの一つが可動プレート６ｂを介して固定プレート４に連結される。４つのワイヤ部材２は、可動プレート７を介して固定プレート４に連結される。電気基板８は、光変調素子３を駆動するのに必要な部品を搭載しており、可動プレート７の固定プレート４側とは反対側に配置される。
　フォーカス調整において、４つのワイヤ部材２を回転することで、可動プレート７を光軸５に沿った方向（画像形成面に垂直な方向）に移動させることができる。

　画素位置調整において、可動プレート６ａ側の２つのワイヤ部材１を回転することで、可動プレート６ａを光軸５と直交する第１の方向に移動させることができる。可動プレート６ｂ側のワイヤ部材１を回転することで、可動プレート６ｂを光軸５と直交し、かつ、第１の方向と直交する第２の方向に移動させることができる。
　光変調素子３の画像形成面は、例えば行列状に配置された複数の画素を有する。可動プレート６ａの移動方向（第１の方向）は画素の行方向に対応し、可動プレート６ｂの移動方向（第２の方向）は画素の列方向に対応する。なお、可動プレート６ａ側の２つのワイヤ部材１の回転量を個別に調整することで、光変調素子３を画像形成面の面内方向に回転させることも可能である。

　図５は、２つのワイヤ部材１が可動プレート６ａを介して固定プレート４に連結された部分を示す模式図である。
　図５に示すように、可動プレート６ａは、可動プレート７の外縁部７ｃに接合されている。可動プレート６ａは、２つの貫通孔６１を有する。可動プレート６ａの各貫通孔６１が形成された部分と固定プレート４との間には、第２の弾性部材であるばね部材９が設けられている。ばね部材９は、貫通孔６１毎に設けられている。

　固定プレート４の貫通孔６１と対向する部分に、ワイヤ部材１を挿入するための第２の穴４ｂが設けられている。ワイヤ部材１の一端の外面には、雄ねじ１１が形成されている。第２の穴４ｂの内側面には、雄ねじ１１と噛み合う雌ねじが形成されている。ワイヤ部材１の一端には、さらに円盤形状部１０が設けられている。ワイヤ部材１の一端は、可動プレート６ａの貫通孔６１を通り、ばね部材９を介して第２の穴４ｂに挿入される。円盤形状部１０は、可動プレート６ａの固定プレート４側とは反対側の面に当接される。

　ワイヤ部材１の他端は、操作面６１ａに回転可能に取り付けられている。雄ねじ１１を第２の穴４ｂの雌ねじに噛み合わせた状態で、ワイヤ部材１の他端を回転させる。ワイヤ部材１の他端を時計回りに回転させた場合は、ねじの推力によって可動プレート６ａが移動し、反時計回りに回転させた場合には、ばね部材９の反発力によって可動プレート６ａが移動する。ここでは、時計回りの場合に、可動プレート６ａと固定プレート４との間隔が狭くなるように、可動プレート６ａが移動する。一方、反時計回りの場合には、可動プレート６ａと固定プレート４との間隔が広がるように、可動プレート６ａが移動する。

　可動プレート６ｂも、可動プレート６ａと同様の構成であるが、貫通孔６１の数は１つである。固定プレート４には、貫通孔６１と対向する部分に第２の穴４ｂが設けられている。ワイヤ部材１の一端は、可動プレート６ｂの貫通孔６１を通り、ばね部材９を介して第２の穴４ｂに挿入される。円盤形状部１０の径の大きさは、貫通孔６１の径の大きさよりも大きい。円盤形状部１０は、可動プレート６ｂの固定プレート４側とは反対側の面に当接される。雄ねじ１１を第２の穴４ｂの雌ねじに噛み合わせた状態で、ワイヤ部材１の他端を回転させることで、可動プレート６ｂが移動する。

　図６は、可動プレート７の正面図である。図６に示すように、可動プレート７は、方形形状であって、中央部に光変調素子３を支持する開口を備えた支持部７ａを有する。支持部７ａは、ヒンジ７ｂを介してプレートの外縁部７ｂに連結されている。ヒンジ７ｂが撓むことで、支持部７ａがプレート面に垂直な方向に移動する。
　ヒンジ７ｂは、支持部７ａを囲むように周方向に延伸して形成された複数の切り欠きにより構成されている。より具体的には、ヒンジ７ｂは、支持部７ａを囲むように形成された鉤状切り欠き１５～１８により形成されている。鉤状切り欠き１５、１６は、支持部７ａを挟んで互い対向するように設けられている。鉤状切り欠き１７、１８は、鉤状切り欠き１５、１６が形成された部分を囲むように互いに対向して設けられている。鉤状切り欠き１５～１８の各角部は対角線上に位置する。

　可動プレート７は、さらに、支持部７ａの外周部分に周方向に沿って形成された４つの貫通孔１９～２２を有する。貫通孔１９は、鉤状切り欠き１５の角部近傍に設けられている。貫通孔２０は、鉤状切り欠き１７の角部近傍に設けられている。貫通孔２１は、鉤状切り欠き１６の角部近傍に設けられている。貫通孔２２は、鉤状切り欠き１８の角部近傍に設けられている。４つのワイヤ部材２が４つの貫通孔１９～２２をそれぞれ介して固定プレート４に連結される。
　支持部７ａには、さらに、突起状の部位２３～２６が貫通孔１９～２２それぞれの近傍に設けられている。各部位２３～２６には、ワイヤ部材２の一端に形成された円盤形状部が当接される。

　図７は、ワイヤ部材２が可動プレート７を介して固定プレート４に連結された部分を示す模式図である。
　図７に示すように、固定プレート４の貫通孔２０と対向する部分に、ワイヤ部材２を挿入するための第１の穴４ａが設けられている。ワイヤ部材２の一端の外面には、雄ねじ１４が形成されている。第１の穴４ａの内側面には、雄ねじ１４と噛み合う雌ねじが形成されている。ワイヤ部材２の一端には、さらに円盤形状部１３が設けられている。ワイヤ部材２の一端は、可動プレート７の貫通孔２０を通り、ばね部材１２を介して第１の穴４ａに挿入される。円盤形状部１３は、可動プレート７の固定プレート４側とは反対側の面に形成された突状の部位２４に当接される。なお、円盤形状部１３の径の大きさは、貫通孔２０の径の大きさよりも大きいことが望ましい。

　ワイヤ部材２の他端は、操作面６１ａに回転可能に取り付けられている。雄ねじ１４を第１の穴４ａの雌ねじに噛み合わせた状態で、ワイヤ部材２の他端を回転させる。ワイヤ部材２の他端を時計回りに回転させた場合は、ねじの推力によって可動プレート７の支持部７ａがプレート面に垂直な方向に移動する。ワイヤ部材２の他端を反時計回りに回転させた場合には、ばね部材１２の反発力によって可動プレート７の支持部７ａがプレート面に垂直な方向に移動する。ここでは、時計回りの場合に、支持部７ａと固定プレート４との間隔が狭くなるように、支持部７ａが移動する。一方、反時計回りの場合には、支持部７ａと固定プレート４との間隔が広がるように、支持部７ａが移動する。
　可動プレート７の残りの３つの貫通孔１９、２１、２２の部分においても、上記の貫通孔２０を介したワイヤ部材２と固定プレート４との連結部分と同様の連結構造を有する。

　なお、可動プレート６ａ、６ｂの移動に伴って可動プレート７が光軸と直交する方向（面内方向）に移動する。このため、貫通孔１９～２２はいずれも、可動プレート７が面内方向に移動した場合でも、ワイヤ部材２と接触しないような大きさに形成されている。
　また、図８に示すように、電気基板８は、可動プレート７の貫通孔２０と対向する部分に、ワイヤ部材２および突状の部位２４を通すための貫通孔８ａを有する。この貫通孔８ａも、可動プレート７が面内方向に移動した場合に、ワイヤ部材２および突状の部位２４と接触しないような大きさに形成されている。なお、図８には示されていないが、電気基板８において、可動プレート７の貫通孔１９、２１、２２のそれぞれと対向する部分にも貫通孔８ａが形成されている。

　次に、本実施形態の画像表示装置６０の画素位置調整およびフォーカス調整について具体的に説明する。

　画素位置調整において、使用者は、操作面６１ａの各ワイヤ部材１の他端を時計回り又は反時計回りに回転させることで、各色の画像間の相対的な画素位置のずれを調整する。ここでは、青色画像に対して、赤色画像および緑色画像の画素位置のずれを調整する。例えば、赤色画像の画素位置のずれを調整する場合は、調整部６３Ｒの各ワイヤ部材１の他端を回転させることで、可動プレート６ａ、６ｂを移動させる。可動プレート６ａを移動させることで、画素の列方向の位置ずれを調整する。可動プレート６ｂを移動させることで、画素の行方向のずれを調整する。ここで、画素の列方向及び行方向はそれぞれスクリーン上での縦方向及び横方向に対応する。
　なお、可動プレート６ａ、６ｂの移動に伴い、可動プレート７と電気基板８も同じ方向に同じ量だけ動くが、ワイヤ部材２は固定プレート４に固定されているため動かない。また、ワイヤ部材２の円盤形状部１３と可動プレート７とは互いに接触する部分が摺動する。同様に、ばね部材１２と可動プレート7とも、互いに接触する部分が摺動する。

　フォーカス調整において、使用者は、操作面６１ａの各ワイヤ部材２の他端を時計回り又は反時計回りに回転させることで、光変調素子３の光軸方向の位置ずれを調整する。ここでは、青用光変調素子３に対して、赤用光変調素子３および緑用光変調素子３のずれを調整する。例えば、赤用光変調素子３の光軸方向の位置ずれを調整する場合は、調整部６３Ｒの各ワイヤ部材２の他端を回転させることで、可動プレート７の支持部７ａを移動させる。支持部７ａがプレート面に垂直な方向に移動することで、赤用光変調素子３の光軸方向の位置ずれを調整する。

　本実施形態の画像表示装置６０によれば、第１の実施形態と同様、外部から光変調素子３の光軸方向の位置ずれを容易に調整することができる。
　加えて、各色の画像間の相対的な画素位置のずれも容易に調整することができる。

　なお、本実施形態の画像表示装置６０は本発明の一例であり、その構成は、適宜に変更可能である。
　例えば、青色画像を形成する光変調素子６２Ｂに対して、調整部６４Ｒ、６４Ｇと同様の構造の調整部を設けても良い。
　また、可動プレート７において、プレート面に垂直な方向に撓む可撓性のヒンジ７ｂを形成することができるのであれば、切り欠きの数や形状は適宜に変更しても良い。
　さらに、ワイヤ部材２の数は４つに限定されない。支持部７ａを移動できるのであれば、ワイヤ部材２の数は１つ以上であっても良い。なお、ワイヤ部材の数に応じて、貫通孔の数も増減する。

　本発明の画像表示装置は、光変調素子を備える表示装置全般に適用することができる。

　５０　画像表示装置
　５１　筐体
　５１ａ　操作面
　５２　光変調素子
　５２ａ　画像形成面
　５３　保持部
　５３ａ　可動部
　５４　ワイヤ部材
　５４ａ　一端
　５４ｂ　他端
　５５　調整部

Claims

　操作面を備えた筐体と、該筐体に収容された、光を変調して画像を形成する画像形成面を備えた光変調素子と、を有する画像表示装置であって、
　前記光変調素子を少なくとも前記画像形成面に垂直な方向に移動可能に保持する保持部と、
　少なくとも一つのワイヤ部材からなり、該ワイヤ部材の一端が前記保持部に連結され、他端が前記操作面に回転可能に取り付けられた調整部と、を有し、
　前記保持部は、前記ワイヤ部材の前記他端を回転することで前記画像形成面に垂直な方向に移動する可動部を有する、画像表示装置。
　前記保持部は、前記光変調素子を支持する支持部を備えた第１の可動プレートを有し、
　前記第１の可動プレートは、前記支持部をプレートの外縁部と連結するヒンジを備え、該ヒンジが撓むことで、前記支持部がプレート面に垂直な方向に移動する、請求項１に記載の画像表示装置。
　前記ヒンジは、前記支持部を囲むように周方向に延伸して形成された複数の切り欠きにより構成されている、請求項２に記載の画像表示装置。
　前記ヒンジは、前記支持部を囲むように互いに対向して設けられた一対の第１の鉤状切り欠きと、該一対の第１の鉤状切り欠きが形成された部分を囲むように互いに対向して設けられた一対の第２の鉤状切り欠きとにより形成され、前記一対の第１の鉤状切り欠きの各角部と前記一対の第２の鉤状切り欠きの各角部が対角線上に位置する、請求項２に記載の画像形成装置。
　前記保持部は、
　　前記筐体に固定された固定プレートと、
　　前記支持部と前記固定プレートとの間に設けられた第１の弾性部材と、をさらに有し、
　前記第１の可動プレートは、前記支持部の外周部分に周方向に沿って形成された複数の第１の貫通孔を有し、
　前記調整部は、前記複数の第１の貫通孔をそれぞれ介して前記固定プレートに一端が連結された複数の第１のワイヤ部材を有し、各第１のワイヤ部材の他端を回転することで、前記支持部が前記プレート面に垂直な方向に移動する、請求項２乃至４のいずれか一項に記載の画像形成装置。
　前記第１のワイヤ部材はそれぞれ、前記一端側に前記支持部の前記固定プレート側とは反対側の部位に当接される第１の突起部を備え、前記一端の外面に雄螺子が形成されており、
　前記固定プレートは、前記第１のワイヤ部材毎に設けられた、内側面に雌螺子が形成された複数の第１の穴を備え、前記第１のワイヤ部材の前記雄螺子を前記第１の穴の前記雌螺子とかみ合わせた状態で、前記第１のワイヤ部材の他端を回転することで、前記支持部が前記プレート面に垂直な方向に移動する、請求項５に記載の画像形成装置。
　前記第１の弾性部材は、前記第１のワイヤ部材毎に設けられた複数のばね部材からなる、請求項５または６に記載の画像表示装置。
　前記保持部は、
　　それぞれが少なくとも一つの第２の貫通孔を備えた複数の第２の可動プレートと、
　　前記複数の第２の可動プレートの各々と前記固定プレートとの間に設けられた第２の弾性部材と、を有し、
　前記調整部は、前記複数の第２の可動プレートの前記第２の貫通孔をそれぞれ介して前記固定プレートに一端が連結された複数の第２のワイヤ部材を有し、
　前記複数の第２の可動プレートは、前記第２の貫通孔が形成された面が互いに直交し、かつ、前記第１の可動プレートの前記プレート面に直交するように前記第１の可動プレートの前記外縁部に接合され、前記第２のワイヤ部材の各々の他端を回転することで、前記第２の可動プレートが前記画像形成面に平行な方向に移動する、請求項５乃至７のいずれか一項に記載の画像形成装置。
　前記第２のワイヤ部材はそれぞれ、前記一端側に前記第２の可動プレートの前記固定プレート側とは反対側の面に当接される第２の突起部を備え、前記一端の外面に雄螺子が形成されており、
　前記固定プレートは、前記第２のワイヤ部材毎に設けられた、内側面に雌螺子が形成された複数の第２の穴を備え、前記第２のワイヤ部材の前記雄螺子を前記第２の穴の前記雌螺子にかみ合わせた状態で、前記第２のワイヤ部材の他端を回転することで、前記第２の可動プレートが前記画像形成面に平行な方向に移動する、請求項８に記載の画像形成装置。
　前記第２の弾性部材は、前記第２のワイヤ部材毎に設けられた複数のばね部材からなる、請求項８または９に記載の画像表示装置。
　前記光変調素子が形成した画像を投写する投写レンズをさらに有する、請求項１乃至１０のいずれか一項に記載の画像表示装置。
　前記光変調素子を複数備え、各光変調素子が互いに異なる色の画像を形成し、
　前記保持部および前記調整部が前記光変調素子毎に設けられ、
　前記投写レンズが、前記各光変調素子が形成した各色の画像を重ね合わせて投写する、請求項１１に記載の画像表示装置。