JP2011074267A - 塗料用熱硬化性組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の塗料用熱硬化性組成物は、(A)有機ハロゲン化合物(ジヨードキシレン等)の存在下で、ビニル系単量体をラジカル重合反応させる重合工程を備える製造方法により製造され、且つ、エポキシ基、カルボキシル基及び水酸基から選ばれる少なくとも1つの官能基を有するビニル系重合体と、(B)硬化剤と、を含有することを特徴とする。
【選択図】なし
Description
しかし、近年の地球環境に対する関心の高まりから、大量の溶剤が揮発する溶剤型塗料は敬遠される傾向にある。そして、塗料としては、ハイソリッド化、更には粉体塗料への変更が求められている。
しかし、ビニル系共重合体を含有する塗料組成物によるハイソリッド塗料や、粉体塗料を使用した場合、化学特性及び貯蔵安定性は十分満足できるものではなく、更に、得られる塗膜も、外観特性、物理特性、並びに、特に平滑性及びブロッキング性について十分満足できるものではなかった。
従って、得られる塗膜の平滑性を向上させるために、溶融粘度を低下させる方法が行われた。しかし、溶融粘度を低下させるためには、ビニル系共重合体のガラス転移温度を低下させることが必要であり、この方法では、平滑性及びブロッキング性の両性能を満足させることは不可能であった。
これらの問題を解決する方法として、例えば、特許文献1及び2には、ビニル系重合体の分子量分布、すなわちゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)を小さくし、重合体の溶融粘度を下げ、平滑性とブロッキング性の両性能を両立させた塗料用熱硬化性組成物が開示されている。
1.(A)有機ハロゲン化合物の存在下で、ビニル系単量体をラジカル重合反応させる重合工程を備える製造方法により製造され、且つ、エポキシ基、カルボキシル基及び水酸基から選ばれる少なくとも1つの官能基を有するビニル系重合体と、
(B)硬化剤と、を含有することを特徴とする塗料用熱硬化性組成物。
2.上記有機ハロゲン化合物が、2個のヨウ素原子を有し、該ヨウ素原子が芳香族環に結合した炭素原子に結合した構造を有する含ヨウ素化合物である上記1.に記載の塗料用熱硬化性組成物。
3.上記ビニル系重合体(A)が、更に末端変性工程を備える製造方法により製造されたものである上記1.又は上記2.に記載の塗料用熱硬化性組成物。
4.上記有機ハロゲン化合物が、ラジカル重合開始剤及びヨウ素から形成される上記1.乃至3.のいずれかに記載の塗料用熱硬化性組成物。
5.上記ビニル系重合体(A)が、上記官能基を分子末端に有する上記1.乃至4.のいずれかに記載の塗料用熱硬化性組成物。
6.上記ビニル系重合体(A)が、(メタ)アクリル系重合体である上記1.乃至5.のいずれかに記載の塗料用熱硬化性組成物。
7.上記ビニル系重合体(A)の数平均分子量が、1000〜10000である上記1.乃至6.のいずれかに記載の塗料用熱硬化性組成物。
8.上記ビニル系重合体(A)の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が、2.0未満である上記1.乃至7.のいずれかに記載の塗料用熱硬化性組成物。
本発明の塗料用熱硬化性組成物は、(A)有機ハロゲン化合物の存在下で、ビニル系単量体をラジカル重合反応させる重合工程を備える製造方法により製造され、且つ、エポキシ基、カルボキシル基及び水酸基から選ばれる少なくとも1つの官能基を有するビニル系重合体(以下、「ビニル系重合体(A)」ともいう)と、(B)硬化剤と、を含有することを特徴とする。
また、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルの一方又は両方を含む意味に用い、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートの一方又は両方を含む意味に用いる。
(1)有機ハロゲン化合物の存在下で、上記官能基を有するビニル系単量体を含む単量体混合物をラジカル重合反応させて得られた、上記官能基を有するビニル系重合体(A1)。
(2)有機ハロゲン化合物として、上記官能基を有する後述の開始剤前駆体(a)とハロゲン単体からなる開始剤前駆体(b)とを用いて、ビニル系単量体をラジカル重合反応させて得られた、上記官能基を有するビニル系重合体(A2)。
(3)上記有機ハロゲン化合物の存在下で、ビニル系単量体をラジカル重合反応させて得られたビニル系重合体(第1重合体)の末端を変性させることにより、上記官能基を分子末端に有するビニル系重合体(A3)。
(4)上記態様を複数組み合わせたビニル系重合体。
上記官能基を末端付近に有するビニル系重合体(A1)は、例えば、重合工程において、一定量の、上記官能基を有さないビニル系単量体の重合反応が終了した後、即ち、重合反応の後期の時期に、上記官能基を有するビニル系単量体をその反応系に配合することにより製造できる。
また、この場合、用いる単量体は、上記官能基を有する単量体を含んでもよく、上記官能基を有しない単量体のみでもよい。重合反応により得られた重合体は、その末端を変性させることにより、上記官能基を分子末端に有するビニル系重合体(A3)とすることができる。
更に、この場合、有機ハロゲン化合物として、上記官能基を有する後述の開始剤前駆体(a)を用いてもよく、用いなくてもよい。
そして、重合工程により得られるビニル系重合体(以下、「第1重合体」ともいう)は、有機ハロゲン化合物由来のハロゲン原子を分子末端に有する。
尚、本明細書において、重合工程により得られる重合体を第1重合体といい、この第1重合体には、上記のビニル系重合体(A1)及び上記のビニル系重合体(A2)も含まれる。
また、この重合工程に分子中に上記官能基を有するビニル系重合体を用いることなく重合反応させる場合であっても、有機ハロゲン化合物として、上記官能基を有する開始剤前駆体(a)を用いることにより、ビニル系重合体の分子末端に、開始剤前駆体(a)由来の上記官能基を有するビニル系重合体とすることができる。
上記有機ハロゲン化合物を開始剤として用いると、有機ハロゲン化合物に由来するハロゲン原子(以下、「ハロゲン原子(a)」という。)が、ビニル系単量体が重合して形成される第1重合体等の成長鎖の末端に位置することとなる。そして、上記重合工程において、成長鎖の末端におけるハロゲン原子(a)が、重合過程の重合体末端を移動し、ラジカル重合での反応途中の成長鎖を保護する保護基ともなる。
また、上記炭素(X)に結合しているハロゲン原子の数は、3以下が好ましく、2以下がより好ましく、1が更に好ましい。
また、上記炭素(X)は、炭素原子が結合していることが好ましい。炭素(X)に結合している炭素原子の数は、1以上が好ましく、2以上がより好ましく、3が更に好ましい。
また、重合工程において、使用した開始剤が、単官能の開始剤である場合、得られる第1重合体は、片末端のみにハロゲン原子を有する。この場合、ハロゲン原子を備えてないもう一方の末端は、開始剤からハロゲン原子を除いた残部の構造を有する。また、2官能の開始剤を使用した場合、得られる第1重合体は、両末端にハロゲン原子を有する。
また、上記一般式(1)において、Xは塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子から選ばれるハロゲン原子であり、好ましくはヨウ素原子であり、複数のハロゲン原子は同一であっても、異なっていてもよい。
また、上記一般式(2)において、Xは塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子から選ばれるハロゲン原子であり、好ましくはヨウ素原子であり、複数のハロゲン原子は同一であっても、異なっていてもよい。
また、上記一般式(3)において、R5は、炭素数1〜20の二価のアルキレン基であり、分岐を有するものでも、直鎖状のものでも構わない。
また、上記一般式(3)において、R8及びR9は、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、アルキル基の場合は、分岐を有するものでも、直鎖状のものでも構わない。R8及びR9は同一であっても、異なっていてもよい。
また、上記一般式(3)において、Xは塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子から選ばれるハロゲン原子であり、好ましくはヨウ素原子であり、複数のハロゲン原子は同一であっても、異なっていてもよい。
また、上記一般式(4)において、R10は、炭素数1〜20の二価のアルキレン基であり、分岐を有するものでも、直鎖状のものでも構わない。
また、上記一般式(4)において、R13及びR14は、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、アルキル基の場合は、分岐を有するものでも、直鎖状のものでも構わない。R13及びR14は同一であっても、異なっていてもよい。
また、上記一般式(4)において、Xは塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子から選ばれるハロゲン原子であり、好ましくはヨウ素原子であり、複数のハロゲン原子は同一であっても、異なっていてもよい。
また、上記一般式(5)において、Xは塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子から選ばれるハロゲン原子であり、好ましくはヨウ素原子であり、複数のハロゲン原子は同一であっても、異なっていてもよい。
また、上記一般式(6)において、R19は、炭素数1〜20の二価のアルキレン基であり、分岐を有するものでも、直鎖状のものでも構わない。
また、上記一般式(6)において、Xは塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子から選ばれるハロゲン原子であり、好ましくはヨウ素原子であり、複数のハロゲン原子は同一であっても、異なっていてもよい。
また、上記一般式(7)において、R25は、炭素数1〜20の二価のアルキレン基であり、分岐を有するものでも、直鎖状のものでも構わない。
また、上記一般式(7)において、Xは塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子から選ばれるハロゲン原子であり、好ましくはヨウ素原子であり、複数のハロゲン原子は同一であっても、異なっていてもよい。
また、上記一般式(8)において、Xは塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子から選ばれるハロゲン原子であり、好ましくはヨウ素原子であり、複数のハロゲン原子は同一であっても、異なっていてもよい。
また、上記一般式(9)において、Xは塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子から選ばれるハロゲン原子であり、好ましくはヨウ素原子であり、複数のハロゲン原子は同一であっても、異なっていてもよい。
また、上記一般式(10)において、R38は、炭素数1〜20の二価のアルキレン基であり、分岐を有するものでも、直鎖状のものでも構わない。
また、上記一般式(10)において、Xは塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子から選ばれるハロゲン原子であり、好ましくはヨウ素原子であり、複数のハロゲン原子は同一であっても、異なっていてもよい。
上記アゾ系化合物としては、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2′−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、1,1−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2′−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、及び2,2′−アゾビス(メチルイソブチレート)等が挙げられる。
また、上記有機過酸化物としては、過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、過酸化デカノイル、ジセチルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、及び過酸化ジクミル等が挙げられる。
また、上記官能基を有する有機過酸化物としては、具体的には、Disuccinic acid peroxide(パーロイルSA、日本油脂製)等が挙げられる。これらは、単独であるいは2つ以上を組み合わせて用いることができる。
また、上記官能基を有しないビニル系不飽和化合物も用いることができる。この上記官能基を有しないビニル系不飽和化合物としては、(メタ)アクリロイル基を有する不飽和化合物である(メタ)アクリル系化合物、芳香族ビニル化合物、共役ジエン系化合物、マレイミド系化合物、ビニルエステル化合物、ビニルエーテル化合物、アルケン化合物、不飽和酸無水物、不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステル、不飽和ジカルボン酸のジアルキルエステル等が挙げられる。これらの化合物は、単独であるいは2つ以上を組み合わせて用いることができる。
また、上記(メタ)アクリル系化合物としては、(メタ)アクリル酸エステル化合物、アミノ基含有不飽和化合物、アミド基含有不飽和化合物、アルコキシル基含有不飽和化合物、シアノ基含有不飽和化合物、ニトリル基含有不飽和化合物等が挙げられる。以下に化合物を例示するが、(メタ)アクリロイル基を有さない不飽和化合物も含む。
上記不飽和酸無水物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等が挙げられる。これらの化合物は、単独であるいは2つ以上を組み合わせて用いることができる。
不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステルとしては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等のモノアルキルエステルが挙げられる。これらの化合物は、単独であるいは2つ以上を組み合わせて用いることができる。
不飽和ジカルボン酸のジアルキルエステル等としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等のジアルキルエステルが挙げられる。これらの化合物は、単独であるいは2つ以上を組み合わせて用いることができる。
また、その他のビニル系単量体としては、塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、アリルアルコール等が挙げられる。これらの化合物は、単独であるいは2つ以上を組み合わせて用いることができる。
芳香族ビニル化合物及び(メタ)アクリル系化合物の使用割合としては、第1重合体を形成する上記ビニル系単量体全量を100質量%としたときに、芳香族ビニル化合物及び(メタ)アクリル系化合物の総和が40〜100質量%が好ましく、60質量%以上がより好ましく、80質量%以上が更に好ましい。
また、芳香族ビニル化合物及び(メタ)アクリル系化合物の使用量の割合は、芳香族ビニル化合物及び(メタ)アクリル系化合物の総和を100質量%としたときに、それぞれ0〜50質量%及び50〜100質量%が好ましく、0〜30質量%及び70〜100質量%がより好ましく、0〜10質量%及び90〜100質量%が更に好ましい。上記化合物の使用割合が上記範囲の場合には、強度及び弾性に優れる硬化物を与えることができる。
上記ビニル系単量体としては、好ましくは芳香族ビニル化合物(より好ましくはスチレン)、及び、(メタ)アクリル系化合物(より好ましくは(メタ)アクリル酸エステル化合であり、特に好ましくはスチレン、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル及び(メタ)アクリル酸n−ブチル)である。
芳香族ビニル化合物及び(メタ)アクリル系化合物の使用割合としては、第1重合体を形成する上記ビニル系単量体全量を100質量%としたときに、芳香族ビニル化合物及び(メタ)アクリル系化合物の総和が40〜100質量%が好ましく、60質量%以上がより好ましく、80質量%以上が更に好ましい。
また、芳香族ビニル化合物及び(メタ)アクリル系化合物の使用量の割合は、芳香族ビニル化合物及び(メタ)アクリル系化合物の総和を100質量%としたときに、それぞれ0〜50質量%及び50〜100質量%が好ましく、0〜30質量%及び70〜100質量%がより好ましく、0〜10質量%及び90〜100質量%が更に好ましい。上記化合物の使用割合が上記範囲の場合には、強度及び弾性に優れる硬化物を与えることができる。
尚、上記ラジカル反応開始剤の使用量は、開始剤前駆体(a)として、上記ラジカル開始剤を使用する場合、開始剤前駆体(a)の使用量も含まれる。ラジカル発生剤の使用量が、上記範囲内にあると、分散度が小さい、第1重合体が効率的に得られる。
また、重合溶媒の使用量は、ビニル系単量体全量100質量部に対し、好ましくは0〜200質量部であり、より好ましくは0〜100質量部であり、更に好ましくは0〜50質量部である。重合溶媒が200質量部を超えると、重合溶媒に起因する連鎖移動反応が発生し、分子量制御、及び分子量分布(分散度)制御等の重合制御が困難になる場合がある。
また、ビニル系重合体(A1)及び(A2)も、分子末端にハロゲン原子(末端ハロゲン)を有する。従って、ビニル系重合体(A1)及び(A2)も以下の第2工程に供することにより、上記官能基を分子末端に有するビニル系重合体とすることができる。
(1)末端ハロゲンの置換の直接置換による、水酸化ナトリウム等の水酸化化合物を用いた水酸基等の導入。
(2)ハロゲン−アミノ置換反応による、アミノエタノール、グリシン、エチレンジアミン等およびカダベリン等のアミン化合物を用いた、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、イソシアネート基の導入。
(3)ハロゲン−メルカプト置換反応による、メルカプトエタノール、メルカプトプロピオン酸、メルカプトイソシアネートおよびメルカプトアミン等のメルカプト化合物を用いた、カルボキシル基、水酸基、イソシアネート基、アミン基等の導入
(4)末端ハロゲンをクロロスルホン酸で置換後、加水分解を行なう等による、カルボキシル基等の導入。
(5)ハロゲン−カルボン酸塩置換反応による、コハク酸モノナトリウム塩等を用いたカルボキシル基等の導入。
(6)第1重合体が官能基を有する場合の官能基、及び上記(1)〜(5)により導入された官能基と、一般的な化学反応を用いてエポキシ基、カルボキシル基、水酸基の導入。
上記水酸化物としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等が挙げられる。
また、反応は溶媒中で行ってもよく、その場合、使用する溶媒は、特に限定はされない。溶媒としては、テトラヒドロフラン及びジオキサン等の環状エーテル類、ベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素化合物、酢酸エチル及び酢酸ブチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン及びシクロヘキサノン等のケトン類等、オルトギ酸メチル、オルト酢酸メチル、メタノール、エタノール及びイソプロパノール等のアルコール類、その他、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、アセトニトリル等挙げられる。
また、この反応における、反応温度は、通常、0℃〜80℃が好ましく、25℃〜70℃がより好ましい。
上記アミン化合物としては、例えば、アミノエタノール、グリシン、(アミノイソシアネート)、エチレンジアミン及びカダベリン等が挙げられる。
また、反応は溶媒中で行ってもよく、その場合、使用する溶媒は、特に限定はされない。溶媒としては、テトラヒドロフラン及びジオキサン等の環状エーテル類、ベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素化合物、酢酸エチル及び酢酸ブチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン及びシクロヘキサノン等のケトン類等、オルトギ酸メチル、オルト酢酸メチル、メタノール、エタノール及びイソプロパノール等のアルコール類、その他、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、アセトニトリル等挙げられる。
また、この反応における、反応温度は、通常、0℃〜80℃が好ましく、25℃〜70℃がより好ましい。
上記メルカプト化合物としては、例えば、メルカプトエタノール、メルカプトプロピオン酸、メルカプトイソシアネート及びメルカプトアミン等が挙げられる。
また、反応は溶媒中で行ってもよく、その場合、使用する溶媒は、特に限定はされない。溶媒としては、テトラヒドロフラン及びジオキサン等の環状エーテル類、ベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素化合物、酢酸エチル及び酢酸ブチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン及びシクロヘキサノン等のケトン類等、オルトギ酸メチル、オルト酢酸メチル、メタノール、エタノール及びイソプロパノール等のアルコール類、その他、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、アセトニトリル等挙げられる。
また、この反応における、反応温度は限定されないが、通常、0℃〜80℃が好ましく、25℃〜70℃がより好ましい。
クロロスルホン酸との置換反応としては、使用する溶媒は、特に限定はされない。溶媒としては、テトラヒドロフラン及びジオキサン等の環状エーテル類、ベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素化合物、酢酸エチル及び酢酸ブチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン及びシクロヘキサノン等のケトン類等、オルトギ酸メチル、オルト酢酸メチル、メタノール、エタノール及びイソプロパノール等のアルコール類、その他、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、アセトニトリル等挙げられる。
また、この反応における、反応温度は限定されないが、通常、0℃〜80℃が好ましく、25℃〜70℃がより好ましい。
加水分解反応は、使用する溶媒は、特に限定はされない。溶媒としては、テトラヒドロフラン及びジオキサン等の環状エーテル類、ベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素化合物、酢酸エチル及び酢酸ブチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン及びシクロヘキサノン等のケトン類等、オルトギ酸メチル、オルト酢酸メチル、メタノール、エタノール及びイソプロパノール等のアルコール類、その他、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、アセトニトリル等挙げられる。
また、この反応における、反応温度は限定されないが、通常、0℃〜80℃が好ましく、25℃〜70℃がより好ましい。
上記カルボン酸化合物としては、例えば、コハク酸モノナトリウム塩が挙げられる。
また、反応は溶媒中で行ってもよく、その場合、使用する溶媒は、特に限定はされない。溶媒としては、極性溶媒が好ましく、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、アセトン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、及びアセトニトリル等が挙げられる。
また、この反応における、反応温度は限定されないが、通常、0〜80℃が好ましく、25℃〜70℃がより好ましい。
この脱溶工程としては、特に限定されないが、一般的に行われている脱溶方法(脱溶プロセス)を用いることがでる。例えば、流下式蒸発機、薄膜蒸発機及び押出機式乾燥機等を使用する方法が挙げられる。
脱溶の温度条件は、好ましくは250℃以下(通常、10℃以上)であり、より好ましくは170℃以下、更に好ましくは100℃以下である。250℃以下であれば、ビニル系重合体が有する上記官能基が、ビニル系重合体から解離せず、且つビニル系重合体の分解が生じ難い。一方、250℃を超える場合には、ビニル系重合体が有する上記官能基が解離する場合があり、また、ビニル系重合体が一部分解し低分子量物が生成される場合がある。また、着色も発生する場合がある。
平均数(個数f)=上記ビニル系重合体中の上記官能基の濃度[mol/kg]/(1000/数平均分子量)
平均数(個数f)が、1.0より小さいと、塗料用熱硬化性組成物から得られる硬化物(膜)の架橋密度が小さくなるため、その硬化物の破断強度が弱くなる場合がある。一方、10.0より大きいと、架橋密度が高くなり、脆くて伸びない塗膜等の硬化物となる場合がある。
硬化剤(B)は、ビニル系重合体(A)が有する上記官能基と反応し得る官能基を2個以上有する化合物を硬化剤として用いることができる。この硬化剤(B)としては、例えば、1分子中に2個以上のカルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基を有する多価カルボン酸化合物、多価グリシジル化合物、多価イソシアネート化合物等が挙げられる。これの硬化剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの硬化剤を使用することにより、硬化性組成物は均一に硬化することができる。また、これらの硬化剤を使用して硬化物を作成する際には、それぞれ適当な硬化触媒を使用することができる。
上記有機溶剤としては、エーテル化合物、エステル化合物、ケトン化合物、芳香族及び脂肪族炭化水素化合物、アルコール化合物、グリコールエーテル化合物、グリコールエーテルエステル化合物、並びにこれらの混合物等が挙げられる。
また、上記加熱硬化としては、約20分〜40分間、120〜160℃の温度により行うことが好ましい。
また、合成例、実施例及び比較例における「Mn」は、数平均分子量を意味し、「Mw」は、重量平均分子量を意味し、Mw/Mnは分散度を意味する。この「Mn」及び「Mw」は、下記条件によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による標準ポリスチレン換算で算出された値である。
<GPC測定条件>
装置: HLC−8120(東ソー社製)
カラム: TSKgel SuperMultiporeHZ−M 4本(東ソー社製
)
カラム温度: 40℃
溶離液: テトラヒドロフラン 0.35ml/min
検出器: RI
官能基数(個数f)=上記ビニル系重合体中の上記官能基の濃度[mol/kg]/(1000/数平均分子量)
そして、上記ビニル系重合体中の上記官能基の濃度は、下記の測定による、各官能基のファンクショナリティーより算出した。
「エポキシ基のファンクショナリティー」
ASTM(D1652−73 Standard Test Method for EPOXY COTENT OF EPOXY RESINS)に基づいて測定した。
「水酸基のファンクショナリティー」
JIS K 0070の中和滴定法により測定した。
「カルボキシル基のファンクショナリティー」
JIS K 0070の中和滴定法により測定した。
合成例1(重合体Aの調製)
1リットルの褐色セパラブルフラスコにアクリル酸メチル(以下、「MA」ともいう。)46質量部、1,4−ジヨードキシレン22.6質量部、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル(以下、「V―65」ともいう。)3.1質量部、酢酸ブチル100質量部からなる混合液を仕込み、混合液は窒素バブリングで十分に脱気した。内温を60℃に上昇させ重合反応を開始し、5時間後にメタクリル酸メチル(以下、「MMA」ともいう。)152質量部、メタクリル酸グリシジル(以下、「GMA」ともいう。)40質量部加え、さらに3時間反応させ、水酸化ナトリウムを50質量部加えることで重合を停止させた。このときのMA、MMA、及び、GMAの重合率はそれぞれ93%、95%、98%であった。冷却後、ろ過しながら反応液を抜き出し、減圧度0.3kPa、80℃で5時間かけ蒸発機で減圧乾燥し、約200質量部の重合体Aを得た。得られた重合体Aの性状はMw4790、Mn3300、Mw/Mn1.45、ガラス転移温度は65℃、エポキシ基の官能基数は6.0であった。重合体AのMw、Mn、Mw/Mn、Tg、官能基種類及び官能基数を表1に示す。また、以下の合成例2〜11についても得られたアクリル系重合体(A)のMw、Mn、Mw/Mn、Tg、官能基種類及び官能基数を表1に併記する。
1リットルの褐色セパラブルフラスコにスチレン(以下、「St」ともいう)121質量部、MMA78質量部、アクリル酸ブチル(以下、「BA」ともいう)30質量部、GMA77質量部、ヨウ素19.7質量部、アゾビス−2−メチルブチロニトリル(以下「V−59」ともいう)29.9質量部、酢酸ブチル150質量部からなる混合液を仕込み、混合液は窒素バブリングで十分に脱気した。内温を80℃に上昇させ重合反応を開始し、7時間後に水酸化ナトリウムを50質量部加え、重合を停止させた。このときのSt、MMA、BA、GMAの重合率はそれぞれ90%、92%、87%、97%であった。冷却後、ろ過しながら、反応液を抜き出し、減圧度0.3kPa、80℃で5時間かけ蒸発機で減圧乾燥し、約250質量部の重合体Bを得た。得られた重合体Bの性状はMw4830、Mn3400、Mw/Mn1.42、ガラス転移温度は64℃、エポキシ基の官能基数は6.5であった。
1リットルの褐色セパラブルフラスコにスチレンMMA189質量部、BA27質量部、GMA75質量部、ヨウ素26.7質量部、「V−59」40.4質量部、酢酸ブチル150質量部からなる混合液を仕込み、混合液は窒素バブリングで十分に脱気した。内温を80℃に上昇させ重合反応を開始し、7時間後に水酸化ナトリウムを50質量部加え、重合を停止させた。このときのMMA、BA、GMAの重合率はそれぞれ92%、85%、97%あった。冷却後、ろ過しながら、反応液を抜き出し、減圧度0.3kPa、80℃で5時間かけ蒸発機で減圧乾燥し、約250質量部の重合体Cを得た。得られた重合体Cの性状はMw3900、Mn2600、Mw/Mn1.50、ガラス転移温度は64℃、エポキシ基の官能基数は5.0であった。
1リットルの褐色セパラブルフラスコにスチレンMMA227質量部、BA26質量部、GMA73質量部、ヨウ素10.5質量部、「V−59」15.9質量部、酢酸ブチル147質量部からなる混合液を仕込み、混合液は窒素バブリングで十分に脱気した。内温を80℃に上昇させ重合反応を開始し、7時間後に水酸化ナトリウムを50質量部加え、重合を停止させた。このときのMMA、BA、GMAの重合率はそれぞれ91%、90%、98%あった。冷却後、ろ過しながら、反応液を抜き出し、減圧度0.3kPa、80℃で5時間かけ蒸発機で減圧乾燥し、約250質量部の重合体Dを得た。得られた重合体Dの性状はMw10220、Mn7300、Mw/Mn1.40、ガラス転移温度は67℃、エポキシ基の官能基数は12.0であった。
1リットルの褐色セパラブルフラスコにMA47質量部、1,4−ジヨードキシレン21.9質量部、「V―65」3.0質量部、酢酸ブチル100質量部からなる混合液を仕込み、混合液は窒素バブリングで十分に脱気した。内温を60℃に上昇させ重合反応を開始し、5時間後にMMA147質量部、メタクリル酸ヒドロキシエチル(以下、「HEMA」ともいう。)44質量部加え、さらに3時間反応させた。その後アミノプロパノールを2.7質量部加え、さらに3時間反応させた。このときのMA、MMA、及び、HEMAの重合率はそれぞれ92%、94%、98%であった。冷却後、反応液を抜き出し、減圧度0.3kPa、80℃で5時間かけ蒸発機で減圧乾燥し、約200質量部の重合体Eを得た。得られた重合体Eの性状はMw4730、Mn3400、Mw/Mn1.39、ガラス転移温度は66℃、水酸基の官能基数は7.0であった。
1リットルの褐色セパラブルフラスコにBA28質量部、MMA197質量部、HEMA64質量部、ヨウ素27.7質量部、「V―59」42.0質量部、酢酸ブチル150質量部からなる混合液を仕込み、混合液は窒素バブリングで十分に脱気した。内温を80℃に上昇させ重合反応を開始し、7時間後にアミノプロパノールを4.9質量部加え、さらに3時間反応させた。このときのMMA、BA、HEMAの重合率はそれぞれ91%、88%、97%あった。冷却後、反応液を抜き出し、減圧度0.3kPa、80℃で5時間かけ蒸発機で減圧乾燥し、約250質量部の重合体Fを得た。得られた重合体Fの性状はMw3570、Mn2500、Mw/Mn1.40、ガラス転移温度は62℃、水酸基の官能基数は5.5であった。
1リットルの褐色セパラブルフラスコにMMA207質量部、BA29質量部、メタクリル酸(以下、「MAA」という)49質量部、ヨウ素29.1質量部、「V−59」44.1質量部、酢酸ブチル141質量部からなる混合液を仕込み、混合液は窒素バブリングで十分に脱気した。内温を80℃に上昇させ重合反応を開始し、7時間後に水酸化ナトリウムを50質量部加え、重合を停止させた。このときのMMA、BA、GMAの重合率はそれぞれ93%、87%、97%あった。冷却後、ろ過しながら、反応液を抜き出し、減圧度0.3kPa、80℃で5時間かけ蒸発機で減圧乾燥し、約250質量部の重合体Gを得た。得られた重合体Gの性状はMw3710、Mn2630、Mw/Mn1.41、ガラス転移温度は64℃、カルボキシル基の官能基数は4.9であった。
1リットルのセパラブルフラスコにトルエン200質量部を加え、加熱攪拌し、トルエンが還流を始めたら、MMA160質量部、BA50質量部、GMA115質量部、アゾビスイソブチロニトリル(以下「V−60」ともいう)13質量部を2時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに3時間還流を続けた後、「V−60」10質量部を加えて1時間還流し、その後還流を停止した。このときのMMA、BA、HEMAの重合率はそれぞれ91%、90%、97%あった。冷却後、反応液を抜き出し、減圧度0.3kPa、80℃で5時間かけ蒸発機で減圧乾燥し、約250質量部の重合体Hを得た。得られた重合体Hの性状はMw5290、Mn2300、Mw/Mn2.30、ガラス転移温度は69℃、エポキシ基の官能基数は5.7であった。
1リットルのセパラブルフラスコにトルエン200質量部を加え、加熱攪拌し、トルエンが還流を始めたら、MMA160質量部、BA50質量部、GMA115質量部、「V−60」9質量部を2時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに3時間還流を続けた後、V−60 10質量部を加えて1時間還流し、その後還流を停止した。このときのMMA、BA、HEMAの重合率はそれぞれ92%、93%、95%あった。冷却後、反応液を抜き出し、減圧度0.3kPa、80℃で5時間かけ蒸発機で減圧乾燥し、約250質量部の重合体Iを得た。得られた重合体Iの性状はMw9860、Mn3400、Mw/Mn2.90、ガラス転移温度は68℃、エポキシ基の官能基数は5.6であった。
1リットルのセパラブルフラスコにトルエン200質量部を加え、加熱攪拌し、トルエンが還流を始めたら、MMA160質量部、BA50質量部、HEMA105質量部、「V−60」13質量部を2時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに3時間還流を続けた後、V−60 10質量部を加えて1時間還流し、その後還流を停止した。このときのMMA、BA、HEMAの重合率はそれぞれ92%、89%、97%あった。冷却後、反応液を抜き出し、減圧度0.3kPa、80℃で5時間かけ蒸発機で減圧乾燥し、約250質量部の重合体Jを得た。得られた重合体Jの性状はMw5400、Mn2250、Mw/Mn2.40、ガラス転移温度は68℃、水酸基の官能基数は5.7であった。
1リットルのセパラブルフラスコにトルエン200質量部を加え、加熱攪拌し、トルエンが還流を始めたら、MMA160質量部、BA50質量部、HEMA105質量部、「V−60」9質量部を2時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに3時間還流を続けた後、V−60 10質量部を加えて1時間還流し、その後還流を停止した。このときのMMA、BA、HEMAの重合率はそれぞれ91%、92%、95%あった。冷却後、反応液を抜き出し、減圧度0.3kPa、80℃で5時間かけ蒸発機で減圧乾燥し、約250質量部の重合体Kを得た。得られた重合体Kの性状はMw10010、Mn3500、Mw/Mn2.86、ガラス転移温度は69℃、水酸基の官能基数は5.7であった。
実施例1〜5並びに比較例1及び2(粉体塗料組成物の調製)
実施例1〜5並びに比較例1及び2の粉体塗料用組成物について、下記の方法により調製した。下記表2に記載の原料及び配合割合に従い、ビニル系重合体(A〜I)及び硬化剤を配合して、三井三池製作所(株)製「FM10B型ヘンシェルミキサー」を用いて、3分間乾式混合した。次いで、BUSS社製エクストルーダー「PR46」を用いて、110℃で溶融混練した。その後冷却し、各粉体塗料用組成物を得た。
上記の通り、得られた各粉体塗料用組成物について、下記の性能試験を行い、評価するため、0.8T×70×150mmのリン酸亜鉛処理板を被塗物として、実施例1〜5並びに比較例1及び2の各粉体塗料用組成物について、それぞれ上記被塗物に厚さ50〜70μmに塗装した後、180℃×15分焼付けし、塗膜を形成させた。上記により得られた塗膜について、以下の(1)〜(4)に示した性能試験を行った。その性能試験の結果を表4に示す。
実施例6及び7、並びに比較例3及び4(ハイソリッド塗料用組成物)
実施例6及び7、並びに比較例3及び4のハイソリッド塗料用組成物について、下記の方法により調製した。下記表3に記載の配合に従い、ビニル系重合体(E〜K)及び硬化剤を配合して、エアスプレーができるように、25℃で、粘度を20秒(Zahncup#2)に調整して、各ハイソリッド塗料を調製した。
また、硬化剤としては、旭化成ケミカルズ社製、商品名「デュラネート TSS−100」を用いた。
上記の通り、得られたハイソリッド塗料用組成物について、下記の性能試験を行い、評価するため、0.8T×70×150mmのリン酸亜鉛処理板を被塗物として、実施例6及び7並びに比較例3及び4ハイソリッドの各塗料用組成物について、それぞれ上記被塗物に厚さ50〜70μmに噴霧塗装し、これを、7日間、自然乾燥させ、塗膜を形成させた。
上記により得られた塗膜について、以下の(1)〜(4)に示した性能試験を行った。その性能試験の結果を表4に示す。
底面積が約20cm2の円筒容器に、上記により得られた塗膜を、高さが6cmとなるように入れ、30℃で7日間静値した。その後、上記円筒容器から塗膜を取り出して、その塗膜について下記の性能試験をおこなった。
(1)耐ブロッキング性
上記の通り、30℃で7日間静値した後の上記円筒容器から取り出した塗膜について、その塗膜のブロッキング状態を目視および指触で観察し、下記の基準に従って評価した。
◎:固まりが全く認められなかった。
○:米粒状の固まりが認められた。
×:容器の形のまま固まっていた。
上記の通り、30℃で7日間静値した後の上記円筒容器から取り出した塗膜について、その塗膜の外観をツヤ及び平滑性について、目視観察して、下記基準に従って評価した。
◎:特に優れていた。
○:良好であった。
×:劣っていた。
上記の通り、30℃で7日間静値した後の上記円筒容器から取り出した塗膜について、
ウエーブスキャンプラス(BYK社製)にてロングウエーブを測定した。このロングウエーブは、塗膜の平滑性を表す指標であり、数値が小さいほど塗膜の表面は平滑となる。
村上式光沢計を使用して60度の角度で測定した。数字が大きい程、光沢が高いことを示す。
Claims (8)
- (A)有機ハロゲン化合物の存在下で、ビニル系単量体をラジカル重合反応させる重合工程を備える製造方法により製造され、且つ、エポキシ基、カルボキシル基及び水酸基から選ばれる少なくとも1つの官能基を有するビニル系重合体と、
(B)硬化剤と、を含有することを特徴とする塗料用熱硬化性組成物。 - 上記有機ハロゲン化合物が、2個のヨウ素原子を有し、該ヨウ素原子が芳香族環に結合した炭素原子に結合した構造を有する含ヨウ素化合物である請求項1に記載の塗料用熱硬化性組成物。
- 上記ビニル系重合体(A)が、更に末端変性工程を備える製造方法により製造されたものである請求項1又は2に記載の塗料用熱硬化性組成物。
- 上記有機ハロゲン化合物が、ラジカル重合開始剤及びヨウ素から形成される請求項1乃至3のいずれかに記載の塗料用熱硬化性組成物。
- 上記ビニル系重合体(A)が、上記官能基を分子末端に有する請求項1乃至4のいずれかに記載の塗料用熱硬化性組成物。
- 上記ビニル系重合体(A)が、(メタ)アクリル系重合体である請求項1乃至5のいずれかに記載の塗料用熱硬化性組成物。
- 上記ビニル系重合体(A)の数平均分子量が、1000〜10000である請求項1乃至6のいずれかに記載の塗料用熱硬化性組成物。
- 上記ビニル系重合体(A)の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が、2.0未満である請求項1乃至7のいずれかに記載の塗料用熱硬化性組成物
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