JP2011073942A - 窒化珪素質焼結体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 アルミニウム溶湯に対する良好な耐濡れ性、高い強度及び耐熱衝撃性を有する窒化珪素質焼結体を得る。
【解決手段】 中心部に窒化硼素粒子を偏在させた窒化珪素質原料粉末、窒化硼素粒子、助剤からなる窒化珪素質セラミック球状粉の集合体を焼結したことを特徴とする窒化珪素質焼結体。
【選択図】 図1
【解決手段】 中心部に窒化硼素粒子を偏在させた窒化珪素質原料粉末、窒化硼素粒子、助剤からなる窒化珪素質セラミック球状粉の集合体を焼結したことを特徴とする窒化珪素質焼結体。
【選択図】 図1
Description
本発明はアルミニウム溶湯等の金属溶湯に対して良好な耐濡れ性を有するとともに高い機械的強度及び耐熱衝撃性を有する部材及びその製造方法に関する。
アルミニウムの溶湯を取り扱うストークス、ラドル、浸漬ヒーター保護管、ガス吹込み用部材、溶湯ポンプ部材、溶湯撹拌用部材、溶湯ストッパ及び座、トイ等に対して、従来耐食性を有する窒化珪素などのセラミック製のアルミニウム溶湯用部材が使用されていた。
しかし、このような部材のセラミック材料は接触するアルミニウム溶湯に対する濡れ性がよく、アルミニウム溶湯が付着しやすいという問題があった。
この問題に対して特許文献1には、窒化珪素質セラミックの基体のアルミニウム合金溶湯と接触する表面に窒化硼素質のコート層を塗布することにより、アルミニウム合金溶湯との濡れ性を向上させたアルミニウム合金溶湯用浸漬部材が提案されている。
しかし、このような部材のセラミック材料は接触するアルミニウム溶湯に対する濡れ性がよく、アルミニウム溶湯が付着しやすいという問題があった。
この問題に対して特許文献1には、窒化珪素質セラミックの基体のアルミニウム合金溶湯と接触する表面に窒化硼素質のコート層を塗布することにより、アルミニウム合金溶湯との濡れ性を向上させたアルミニウム合金溶湯用浸漬部材が提案されている。
特許文献2には、窒化珪素を主体とする窒化珪素質焼結体よりなる基部と、該基部と一体的に焼結された摺動面を形成する窒化硼素を含む窒化珪素質焼結体よりなる表層部とで構成することにより、アルミニウム合金溶湯との濡れ性を向上された窒化珪素質焼結体の記載がある。
上記特許文献1に記載の発明のように窒化珪素質セラミックの表面に窒化硼素質のコート層を形成したアルミニウム合金溶湯用浸漬部材の場合には、長期間アルミニウム溶湯中で使用すると窒化硼素質からなるコート層が剥離し、長期間の使用に耐えられないという問題があった。
特許文献2に記載の発明は窒化珪素質粉末からなる成形体の表面に窒化硼素を配合した窒化珪素質粉末をスラリー状にし、塗布した後、焼結を行っていることから、アルミニウム溶湯に対する濡れ性は窒化硼素質からなるコート層と塗布した特許文献1に劣る場合があるものの、窒化硼素配合層が剥離し難いことから、長期間の使用には耐えうる。しかしながら、窒化珪素質中に窒化硼素が分散されていることから、強度、耐熱衝撃性などの特性は窒化珪素質セラミックに比べて劣るという問題があった。
従って本発明の目的はアルミニウム溶湯に対する良好な耐濡れ性、高い強度及び耐熱衝撃性を有する窒化珪素質焼結体を提供することである。本発明のもう1つの目的はかかるアルミニウム溶湯用部材を製造する方法を提供することである。
上記目的に鑑み本発明者らは鋭意研究の結果、窒化珪素質セラミック中に窒化硼素を分散させる際に、窒化硼素を均一には分散させずに、中心部に偏在させた球状粉を作成し、その球状粉の集合体を成形、焼成することにより、窒化硼素の少ない球状粉の外周部分で窒化珪素質セラミックのネットワークを形成することにより、特に強度、耐熱衝撃性を向上させた窒化珪素質焼結体を得ることができることを見出し、本発明に想到した。
すなわち、本発明の窒化珪素質焼結体は、中心部に窒化硼素粒子を偏在させた窒化珪素質原料粉末、窒化硼素粒子、助剤からなる窒化珪素質セラミック球状粉の集合体を焼結したことを特徴とする。
本発明の窒化珪素質焼結体の製造方法は、中心部に窒化硼素粒子を偏在させた窒化珪素質原料粉末、窒化硼素粒子、助剤からなる窒化珪素質セラミック球状粉の集合体を焼結したことを特徴とする。中心部に窒化硼素粒子を偏在させた窒化珪素質セラミック球状粉の集合体は、平均粒径0.4μm〜1.0μmの窒化珪素質セラミック原料粉末に対して所望する割合の平均粒径0.5μm〜8.0μmの窒化硼素粉末、成形助剤及び分散剤を混合した後に、スプレードライヤーによって平均粒径30μm〜100μmに造粒することにより、形成すると好ましい。
本発明の窒化珪素質焼結体の製造方法は、中心部に窒化硼素粒子を偏在させた窒化珪素質原料粉末、窒化硼素粒子、助剤からなる窒化珪素質セラミック球状粉の集合体を焼結したことを特徴とする。中心部に窒化硼素粒子を偏在させた窒化珪素質セラミック球状粉の集合体は、平均粒径0.4μm〜1.0μmの窒化珪素質セラミック原料粉末に対して所望する割合の平均粒径0.5μm〜8.0μmの窒化硼素粉末、成形助剤及び分散剤を混合した後に、スプレードライヤーによって平均粒径30μm〜100μmに造粒することにより、形成すると好ましい。
本発明のアルミニウム溶湯用部材は、中心部に窒化硼素粒子を偏在させた窒化珪素質原料粉末、窒化硼素粒子、助剤からなる窒化珪素質セラミック球状粉の集合体を焼結した窒化珪素質焼結体を用いたことを特徴とする。また、本発明のアルミニウム溶湯用部材は、中心部に窒化硼素粒子を偏在させた窒化珪素質原料粉末、窒化硼素粒子、助剤からなる窒化珪素質セラミック球状粉の集合体を焼結した窒化珪素質焼結体をアルミニウム溶湯との接触面に使用し、窒化硼素を分散させない窒化珪素質セラミック焼結体をアルミニウム溶湯と接触しない部分に組合わせてなることを特徴とする。本発明のアルミニウム溶湯用部材において、前記部材がストークス、ラドル、浸漬ヒーター保護管、ガス吹込み用部材、溶湯ポンプ部材、溶湯撹拌用部材、溶湯ストッパ及び座、及びトイのいずれかであると良い。
本発明の窒化珪素質焼結体は、高い摺動特性、アルミニウム溶湯に対する良好な耐濡れ性、高い耐熱衝撃性を有する。このような特徴を有する本発明のアルミニウム溶湯用部材はストークス、ラドル、浸漬ヒーター保護管、ガス吹込み用部材、溶湯ポンプ部材、溶湯撹拌用部材、溶湯ストッパ及び座、及びトイ等に好適に使用することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明の窒化珪素質焼結体は、中心部に窒化硼素粒子を偏在させた窒化珪素質原料粉末、窒化硼素粒子、助剤からなる窒化珪素質セラミック球状粉の集合体を焼結していることから、窒化硼素を均一に分散させた窒化珪素質焼結体に比べて、アルミニウム溶湯に対する耐濡れ性では劣るものの、造粒粉の周囲の窒化珪素質同士が強固に焼結されることから、強度が高く、熱伝導が良く耐熱衝撃性が向上する。
本発明の窒化珪素質焼結体は、中心部に窒化硼素粒子を偏在させた窒化珪素質原料粉末、窒化硼素粒子、助剤からなる窒化珪素質セラミック球状粉の集合体を焼結していることから、窒化硼素を均一に分散させた窒化珪素質焼結体に比べて、アルミニウム溶湯に対する耐濡れ性では劣るものの、造粒粉の周囲の窒化珪素質同士が強固に焼結されることから、強度が高く、熱伝導が良く耐熱衝撃性が向上する。
本発明の窒化珪素質焼結体は、図1にその断面組織の一例を示す。白く見えるのが窒化珪素で、黒く見えるのが窒化硼素である。窒化硼素を中心部に偏在させた窒化珪素質セラミックの球状粉の集合体を焼結したことがよくわかる。
特に前記窒化珪素質セラミック球状粉の外周部の窒化硼素含有量を10%以下とすることにより、耐濡れ性、強度、耐熱衝撃性のバランスの取れた窒化珪素質焼結体を得ることが出来る。窒化硼素の量は窒化珪素質焼結体の断面において、焼結前の球状粉形状から球状粉の外周部と思われる部分の領域を特定し、その領域の任意の箇所3ヶ所においてEPMA面分析によって求めることが出来る。
特に前記窒化珪素質セラミック球状粉の外周部の窒化硼素含有量を10%以下とすることにより、耐濡れ性、強度、耐熱衝撃性のバランスの取れた窒化珪素質焼結体を得ることが出来る。窒化硼素の量は窒化珪素質焼結体の断面において、焼結前の球状粉形状から球状粉の外周部と思われる部分の領域を特定し、その領域の任意の箇所3ヶ所においてEPMA面分析によって求めることが出来る。
窒化珪素質焼結体は窒化珪素質又はサイアロンセラミックを用いることが出来る。
窒化珪素質として、平均粒径0.4μm〜1.0μmのα窒化珪素質粉末、窒化珪素と焼結助剤の酸化物の合計の1〜10重量%に相当するそれぞれ平均粒径1μm以下のY2O3、CeO、MgO、HfO2から選択された2種以上の酸化物を焼結助剤として、添加することができる。上記の配合を用いることにより、密度の高い焼結体を得ることが出来る。
サイアロンセラミックとして、平均粒径0.4μm〜1.0μmのα窒化珪素質粉末、平均粒径0.1μm〜0.5μmのAl2O3、平均粒径0.5μm〜1.5μmのAlN固溶体、平均粒径0.5μm〜2.0μmのY2O3を一般式Si6-zAlzOzN8-zでZ=0.5の組成になるように添加すると密度の高いサイアロンセラミックを得ることができる。
窒化珪素質として、平均粒径0.4μm〜1.0μmのα窒化珪素質粉末、窒化珪素と焼結助剤の酸化物の合計の1〜10重量%に相当するそれぞれ平均粒径1μm以下のY2O3、CeO、MgO、HfO2から選択された2種以上の酸化物を焼結助剤として、添加することができる。上記の配合を用いることにより、密度の高い焼結体を得ることが出来る。
サイアロンセラミックとして、平均粒径0.4μm〜1.0μmのα窒化珪素質粉末、平均粒径0.1μm〜0.5μmのAl2O3、平均粒径0.5μm〜1.5μmのAlN固溶体、平均粒径0.5μm〜2.0μmのY2O3を一般式Si6-zAlzOzN8-zでZ=0.5の組成になるように添加すると密度の高いサイアロンセラミックを得ることができる。
本発明の窒化珪素質焼結体の製造方法は、中心部に窒化硼素粒子を偏在させた窒化珪素質原料粉末、窒化硼素粒子、助剤からなる窒化珪素質セラミック球状粉の集合体を焼結することから、成形前にセラミック球状粉の外周部の窒化硼素含有割合を調整できることから安定した特性を有する窒化珪素質焼結体を得ることが出来る。
また、本発明の窒化珪素質焼結体の製造方法は、中心部に窒化硼素粒子を偏在させた窒化珪素質セラミック球状粉の集合体は、平均粒径0.4μm〜1.0μmの窒化珪素質セラミック原料粉末に対して所望する割合の平均粒径0.5μm〜8.0μmの窒化硼素粉末、成形助剤及び分散剤を混合した後に、スプレードライヤーによって平均粒径30μm〜100μmに造粒することにより、形成することが出来る。これは、スプレードライヤーで造粒を行う際に、窒化珪素質粉末の粒径に対して、窒化硼素粉末の粒径を大きくすることにより、スラリー作成時に比較的粒径の大きな窒化硼素の周囲に比較的粒径の小さい窒化珪素質が集まった凝集が起こる。さらに凝集したスラリーをスプレードライする時に比較的粒径の大きな窒化硼素粒子は移動しないのに対し、比較的粒径の小さい窒化珪素質粉末はスプレードライ中の水分の移動・蒸発に伴い球体の外面側に移動する。このために周囲に窒化硼素の含有量の少ない窒化珪素質の球状粉を製造することが出来る。
本発明に窒化珪素質焼結体の製造方法においては、まず、セラミックス粉末と造粒剤とを混合し、スラリーを調製する。
セラミックス粉末の平均粒子径( スラリー中における一次粒子径)
は、あまり小さくても、また、あまり大きくても得られるセラミックス球体の強度が低下する傾向があるので、好ましくは0.4 〜1μ
m の範囲内、より好ましくは0.5〜0.8 μ m の範囲内とする。平均粒子径は、たとえば散乱式の粒度分布測定器を用いて測定することができる。
造粒剤としては、通常、水を用いるが、パラフィン系炭化水素やアルコールや、ヘキサン等の有機溶媒を用いることも可能である。
セラミックス粉末の平均粒子径( スラリー中における一次粒子径)
は、あまり小さくても、また、あまり大きくても得られるセラミックス球体の強度が低下する傾向があるので、好ましくは0.4 〜1μ
m の範囲内、より好ましくは0.5〜0.8 μ m の範囲内とする。平均粒子径は、たとえば散乱式の粒度分布測定器を用いて測定することができる。
造粒剤としては、通常、水を用いるが、パラフィン系炭化水素やアルコールや、ヘキサン等の有機溶媒を用いることも可能である。
スプレードライヤーとして、スラリーを加熱空間に噴霧する場合、スラリー中におけるセラミックス粉末の含有率、すなわち、スラリー濃度は、10〜90重量%の範囲内とするのが好ましい。スラリー濃度があまり低いと、スラリーを加熱空間に噴霧し、乾燥させて成形球体を得るときに、造粒剤の蒸発に伴うセラミックス粉末の凝集が不十分になり、得られるセラミックス球体の密度が低下したり、内部欠陥の保有率が高くなることがある。また、スラリー濃度があまり高いと、スラリーの流動性の変動が大きくなり、噴霧時におけるスラリー供給量の管理が難しくなる。より好ましいスラリー濃度の範囲は、20〜80重量%
である。さらに好ましくは、35〜55重量% である。
である。さらに好ましくは、35〜55重量% である。
上記したスラリーを、ディスク式噴霧乾燥機やノズル式噴霧乾燥機等の噴霧乾燥機内の加熱空間に噴霧し、水分率が2重量%以下の成形球体を得る。
噴霧乾燥機内へのスラリーの供給速度は、スラリー濃度や乾燥機の機内温度(
乾燥温度) 等によって調整する。なお、乾燥温度は、あまり低いと乾燥が不十分になったりスラリーの液滴が噴霧乾燥機の内壁に付着したりすることがある。一方、あまり高いとセラミックス粉末同士が反応することがあるので、造粒剤の沸点からセラミックス粉末同士の反応が起こらない温度の範囲内でスラリーの供給量等を考慮しながら調整するのが好ましい。
噴霧乾燥機内へのスラリーの供給速度は、スラリー濃度や乾燥機の機内温度(
乾燥温度) 等によって調整する。なお、乾燥温度は、あまり低いと乾燥が不十分になったりスラリーの液滴が噴霧乾燥機の内壁に付着したりすることがある。一方、あまり高いとセラミックス粉末同士が反応することがあるので、造粒剤の沸点からセラミックス粉末同士の反応が起こらない温度の範囲内でスラリーの供給量等を考慮しながら調整するのが好ましい。
例えば、造粒剤が水の場合には、90〜800 ℃ 、より好ましくは100 ℃ 〜500℃ 、更にこのましくは100〜300℃ の範囲内とするのが好ましい。また、その他の運転条件についても、スラリーの供給量や機内温度等の条件に応じて調整する。たとえば、ディスク式の噴霧乾燥機を用いる場合、ディスクの回転速度があまり低いと、スラリーの液滴に大きなものが含まれるようになって乾燥が不十分になったり液滴が内壁に付着したりすることがあるので、2,000rpm
以上とするのが好ましい。より好ましくは2,500rpm 以上とすることが好ましい。球状粉の平均球径は、30〜100μmにする。特に好ましくは40〜80μmである。
以上とするのが好ましい。より好ましくは2,500rpm 以上とすることが好ましい。球状粉の平均球径は、30〜100μmにする。特に好ましくは40〜80μmである。
また、別の窒化珪素質焼結体の製造方法は、窒化珪素質セラミック原料粉末に対して所望する割合の窒化硼素粉末及び成形助剤、分散剤を混合した後に、スプレードライヤーによって造粒し均一に窒化硼素が分散された造粒粉を作成し、さらに造粒粉の周囲に窒化珪素質セラミック原料粉末に対して所望する割合の窒化硼素粉末を混合したスラリーを用いて転動造粒することにより、形成すると良い。この製造方法を用いることにより、周囲に窒化硼素の含有量の少ない窒化珪素質の球状粉を安定して製造することが出来る。
窒化珪素質として、平均粒径1.0μmのα窒化珪素質粉末と、平均粒径10μmの窒化硼素粉末を表1に示す配合割合で添加し、窒化珪素質と窒化珪素質と焼結助剤としての酸化物の合計の5重量%に相当する平均粒径2μmのY2O3と同じく,2重量%に相当する平均粒径1μmのMgOと同じく、1.2重量%に相当する平均粒径1μmのSiO2を焼結助剤として添加し、さらに溶媒として水を用い、ボールミル中で混合する。得られた粉末混合物に、ポリビニルアルコール、ポリビニルブタノール等の有機バインダーをセラミック成分に対して1重量%の割合で添加し、スプレードライし、球状粉を作成する。
得られた球状粉を平均粒径60μmになるようにふるいわけした後、縦横100mm、厚さ4mmの成形体を100MPaの圧力で冷間静水圧プレス(CIP)により成形する。CIP法により得られた成形体を加熱により脱脂し、窒素雰囲気中で1750℃で焼結する。
焼結された窒化珪素質セラミックの焼結体の曲げ強度、密度及び熱衝撃温度ΔTを測定し表1に示す。また、焼結体を切断し、ミクロ組織観察を行い、焼結体中の球状粒子の内部と外周部における窒化硼素の面積割合を測定し、表1に示す。
比較例として、上記原料粉末に対して窒化硼素を含まない原料を用いて比較例1を作成した。さらに比較例1の表面に窒化硼素コート層を厚さ50μm形成させ比較例2として、その特性を表1に示す。
焼結された窒化珪素質セラミックの焼結体の曲げ強度、密度及び熱衝撃温度ΔTを測定し表1に示す。また、焼結体を切断し、ミクロ組織観察を行い、焼結体中の球状粒子の内部と外周部における窒化硼素の面積割合を測定し、表1に示す。
比較例として、上記原料粉末に対して窒化硼素を含まない原料を用いて比較例1を作成した。さらに比較例1の表面に窒化硼素コート層を厚さ50μm形成させ比較例2として、その特性を表1に示す。
得られた試験片のそれぞれについて下記の特性を調査した結果を表1に示す。
(1)曲げ強さ
・ 4mm×4mm×30mmの角柱形状をもつ曲げ試験片を作成し、スパン20mm、荷重速度0.5mm/minの条件で4点曲げ試験を行った。
(2)溶融金属付着試験
・ 30mm×50mm×4mmの試験片を作成し、720℃溶融金属浴(アルミニウム合金AC-4B)に試験片を浴中に3分間浸漬した後、浴上に引き上げ、3分後に再び浴中に浸漬する試験を行った。繰返し回数50回と500回の時点で表面に付着したアルミニウムの面積を測定した。
(3)耐熱衝撃試験
・耐熱衝撃試験は、4mm×3mm×40mmの試験片を所定の温度に加熱したのち水中に投下、急冷後に室温温度にて抗折試験を行う水中冷却法により測定した。熱衝撃により強度劣化を生じた温度から耐熱衝撃温度を求めた。
(1)曲げ強さ
・ 4mm×4mm×30mmの角柱形状をもつ曲げ試験片を作成し、スパン20mm、荷重速度0.5mm/minの条件で4点曲げ試験を行った。
(2)溶融金属付着試験
・ 30mm×50mm×4mmの試験片を作成し、720℃溶融金属浴(アルミニウム合金AC-4B)に試験片を浴中に3分間浸漬した後、浴上に引き上げ、3分後に再び浴中に浸漬する試験を行った。繰返し回数50回と500回の時点で表面に付着したアルミニウムの面積を測定した。
(3)耐熱衝撃試験
・耐熱衝撃試験は、4mm×3mm×40mmの試験片を所定の温度に加熱したのち水中に投下、急冷後に室温温度にて抗折試験を行う水中冷却法により測定した。熱衝撃により強度劣化を生じた温度から耐熱衝撃温度を求めた。
表1より、本発明の実施例1〜4の窒化珪素質焼結体は曲げ強度は窒化硼素を含まない比較例の窒化珪素質焼結体には若干劣るものの、耐熱衝撃性が良く、さらにアルミニウム溶湯に対する長期間にわたり耐濡れ性が高いことが分かる。
Claims (6)
- 中心部に窒化硼素粒子を偏在させた窒化珪素質原料粉末、窒化硼素粒子、助剤からなる窒化珪素質セラミック球状粉の集合体を焼結したことを特徴とする窒化珪素質焼結体
- 中心部に窒化硼素粒子を偏在させた窒化珪素質原料粉末、窒化硼素粒子、助剤からなる窒化珪素質セラミック球状粉の集合体を焼結したことを特徴とする窒化珪素質焼結体の製造方法。
- 前記中心部に窒化硼素粒子を偏在させた窒化珪素質セラミック球状粉の集合体は、平均粒径0.4μm〜1.0μmの窒化珪素質セラミック原料粉末に対して所望する割合の平均粒径0.5μm〜8.0μmの窒化硼素粉末、成形助剤及び分散剤を混合した後に、スプレードライヤーによって平均粒径30μm〜100μmに造粒することにより、形成することを特徴とする請求項2に記載の窒化珪素質焼結体の製造方法。
- 請求項1に記載の窒化珪素質焼結体を用いたことを特徴とするアルミニウム溶湯用部材。
- 請求項1に記載の窒化硼素を分散させた窒化珪素質焼結体をアルミニウム溶湯との接触面に使用し、窒化硼素を分散させない窒化珪素質セラミック焼結体をアルミニウム溶湯と接触しない部分に組合わせてなることを特徴とするアルミニウム溶湯用部材。
- 特許請求の範囲第4項又は第5項にいずれかに記載のアルミニウム溶湯用部材において、前記部材がストークス、ラドル、浸漬ヒーター保護管、ガス吹込み用部材、溶湯ポンプ部材、溶湯撹拌用部材、溶湯ストッパ及び座、及びトイのいずれかであることを特徴とするアルミニウム溶湯用部材。
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JP2017173179A (ja) * | 2016-03-24 | 2017-09-28 | デンカ株式会社 | プローブ案内部材及びその製造方法 |
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