JP6890239B2 - 無機多孔質焼結体および無機多孔質焼結体の製造方法 - Google Patents
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Description
このような炭化珪素発熱体において、通常は炉外に配置される発熱体端部の熱伝導率が高いと電力損失が大きくなり、省エネルギー化を図り難くなることから、発熱体端部については、熱伝導性を下げる対応が望まれている。
上記ローラーハースキルンにおいても、ローラー端部の熱伝導率が高くなるとローラー端部が熱を帯びてキルン内の温度が低下し易くなり、電力損失が生じて省エネルギー化を図り難くなることから、ローラー端部の熱伝導率を下げる対応が望まれるようになっている。
また、発熱体端部のみならずローラー端部の構成材料としても、さらに省エネルギー化を図り得るものが求められるようになっている。
また、セラミックススラリー中に発泡剤を添加して発泡させた後、凍結凝固させたり、固化材を添加して固めたり、そのまま石膏型等に流し込んで固めたものも考えられる。
しかしながら、本願発明者等が検討したところ、上記ポリウレタンフォームや発泡剤を使用した多孔質体は、空孔の形状が一様でなく、空孔のサイズや空孔量のばらつきが大きいことから、均質な材料が得られ難いことが判明した。
(1)直径が0.1〜2.0mmで短径/長径の平均値で表される真円度が0.75〜1.00である中空状無機焼結物を内部に複数含有するとともに、
前記中空状無機焼結物間の空隙にさらに無機焼結物を含有し、
四つの構成部に分割したときに、下記式
(各構成部の嵩密度の最大値または最低値/四つの構成部の嵩密度の平均値)×100
で表される嵩密度のばらつきが95〜105%であることを特徴とする無機多孔質焼結体
(2)上記(1)に記載の無機多孔質焼結体を製造する方法であって、
平均直径が0.1〜2.0mmで短径/長径の平均値で表される真円度が0.75〜1.00である有機物質製球状物上に無機粉末コーティング層を有するコート顆粒に対し、所望の形状に成形し、
前記有機物質製球状物を除去する脱脂工程を施した後、
前記脱脂工程によって生じた中空状無機焼結物間の空隙に無機物質の溶融物を含浸させる含浸工程を施す
ことを特徴とする無機多孔質焼結体の製造方法(以下、適宜、本発明に係る無機多孔質焼結体の製法2と称する)、
(3)前記コート顆粒が前記脱脂工程前に予め分級処理されたものである上記(2)に記載の無機多孔質焼結体の製造方法、
(4)前記無機粉末コーティング層の平均厚みおよび有機物質製球状物の平均直径が、
前記無機粉末コーティング層の平均厚み/前記有機物質製球状物の平均直径≧0.1の関係を満たす上記(2)または(3)に記載の無機多孔質焼結体の製造方法、
(5)前記無機粉末コーティング層を形成する無機粉末または中空状無機焼結物間の空隙に含浸させる無機物質が、セラミックスおよび金属から選ばれる一種以上である上記(2)〜(4)のいずれかに記載の無機多孔質焼結体の製造方法、
を提供するものである。
本発明に係る無機多孔質焼結体は、平均直径が0.1〜2.0mmで短径/長径の平均値で表される真円度が0.75〜1.00である中空状無機焼結物を内部に複数含有するとともに、
四つの構成部に分割したときに、下記式
(各構成部の嵩密度の最大値または最低値/四つの構成部の嵩密度の平均値)×100
で表される嵩密度のばらつきが95〜105%である
ことを特徴とするものである。
なお、本出願書類において、上記中空状無機焼結物(空孔)の直径とは、本発明に係る無機多孔質焼結体の断面を光学顕微鏡で観察したときの空孔の長径を意味し、上記中空状無機焼結物(空孔)の平均直径は、本発明に係る無機多孔質焼結体の断面を光学顕微鏡で観察したとき50個の空孔の長径の算術平均値を意味する。
なお、本出願書類において、「中空状無機焼結物(空孔)の短径/中空状無機焼結物(空孔)の長径」の平均値で表される真円度は、本発明に係る無機多孔質焼結体の断面を光学顕微鏡で観察したときの50個の中空状無機焼結物(空孔)の短径/長径の算術平均値を意味する。
なお、本出願書類において、上記中空状無機焼結物(空孔)の外皮部分を構成する無機焼結物の平均厚みは、本発明に係る無機多孔質焼結体の断面を光学顕微鏡で観察したときの50箇所の厚みの平均値を意味する。
(各構成部の嵩密度の最大値または最低値/四つの構成部の嵩密度の平均値)×100
で表される嵩密度のばらつきが95〜105%であるものであり、97〜103%であるものが好ましく、98〜102%であるものがより好ましい。
上記セラミックスとしては、SiC、Si3N4、Al2O3、SiO2、ムライト、AlN、粘度等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
また、上記金属としては、鉄、アルミニウム、チタン、銅等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
本発明に係る無機多孔質焼結体の好適な製造方法としては、後述する本発明に係る無機多孔質焼結体の製造方法を挙げることができる。
上記中空状無機焼結物間の空隙にさらに含まれる無機焼結物としては、上記中空状無機焼結物の構成材料と同様の構成材料からなるものを挙げることができる。
本発明に係る無機多孔質焼結体が、上記中空状無機焼結物間の空隙にさらに無機焼結物を含有するものであることにより、所望の強度を容易に発揮することができる。
本出願書類において、無機多孔質焼結体の熱伝導率は、定常法(温度傾斜法)により測定した値を意味する。
本発明に係る無機多孔質焼結体の製法1は、本発明の無機多孔質焼結体を製造する方法であって、平均直径が0.1〜2.0mmで短径/長径の平均値で表される真円度が0.75〜1.00である有機物質製球状物上に無機粉末コーティング層を有するコート顆粒に対し、前記有機物質製球状物を除去する脱脂工程を施した後、焼成処理して焼結体を形成する焼成工程を施すことを特徴とするものである。
また、本発明に係る無機多孔質焼結体の製法2は、本発明の無機多孔質焼結体を製造する方法であって、平均直径が0.1〜2.0mmで短径/長径の平均値で表される真円度が0.75〜1.00である有機物質製球状物上に無機粉末コーティング層を有するコート顆粒に対し、所望の形状に成形し、前記有機物質製球状物を除去する脱脂工程を施した後、前記脱脂工程によって生じた中空状無機焼結物間の空隙に無機物質の溶融物を含浸させる含浸工程を施すことを特徴とするものである。
本発明に係る無機多孔質焼結体の製法2は、中空状無機焼結物間の空隙にさらに無機焼結物を有する無機多孔質焼結体を製造する方法に関するものであって、脱脂処理工程後に焼成工程を施すことに代えて脱脂工程後に含浸工程を施すことを必須とするものである点において本発明に係る無機多孔質焼結体の製法1と相違するものの、その他の点においては本発明に係る無機多孔質焼結体の製法1の内容と共通することから、以下、本発明に係る無機多孔質焼結体の製法1および本発明に係る無機多孔質焼結体の製法2に共通する内容について説明した上で、各製法において特有の工程について説明するものとする。
また、有機物質製球状物の平均直径が2.0mm超である場合には、脱脂時または焼結時に中空状無機焼結物(空孔)に割れや亀裂を生じ易くなる。
また、本出願書類において、「有機物質製球状物の短径/有機物質製球状物の長径」の平均値で表される真円度は、50個の有機物質製球状物を光学顕微鏡で観察したときの有機物質製球状物の短径/長径の算術平均値を意味する。
有機物質製球状物として、具体的には、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ナイロン、ポリアセタール、ポリカーボネイト、ポリスチレン等から選ばれる一種以上の高分子からなるものを挙げることができる。
また、有機物質製球状物は、中実状のものであってもよいし、中空状のものであってもよい。
無機粉末コーティング層を構成する無機粉末としては、製造対象となる無機多孔質焼結体の構成材料に応じて適宜決定すればよく、セラミックスまたは金属であることが好ましい。
上記セラミックスとしては、SiC、Si3N4、Al2O3、SiO2、ムライト、AlN、粘土等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
また、上記金属としては、鉄、アルミニウム、チタン、銅等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
本発明に係る無機多孔質焼結体の製造方法において、無機粉末コーティング層の平均厚みが上記範囲内にあることにより、割れや亀裂の発生を抑制しつつ所望サイズの球状空孔を有する無機多孔質焼結体を容易に作製することができる。
無機粉末コーティング層の平均厚み/有機物質製球状物の平均直径で表される比が0.1未満である場合には、後述する脱脂時または焼結時に割れや亀裂を生じ易くなる。
上記コート顆粒において、無機粉末コーティング層の平均厚み/有機物質製球状物の平均直径で表される比の上限は特に制限されないが、通常、1.0以下が適当であり、0.8以下がより適当であり、0.7以下がさらに適当である。
上記分級処理は、篩分け法等、公知の方法を採用することができる。
また、脱脂工程における加熱時間は、有機物質製球状物が消失する時間以上の時間であれば特に制限されず、30〜7200分間が適当であり、120〜3600分間がより適当であり、300〜1440分間がさらに適当である。
焼成工程を不活性雰囲気下で施す場合、不活性雰囲気としては、窒素雰囲気やアルゴン雰囲気等の希ガス雰囲気等を挙げることができる。
また、焼成工程における加熱時間は、上記無機粉末コーティング層由来の無機粉末が焼結する時間以上の時間であれば特に制限されず、例えば、60〜180分間が適当であり、90〜120分間がより適当である。
また、含浸工程における含浸処理時間は、上記無機粉末コーティング層由来の無機粉末や、含浸させる無機物質が脱脂工程によって生じた中空状無機焼結物間の空隙に充填可能な時間以上の時間であれば特に制限されず、例えば、SiCとCのコーティング層にSiを含浸する場合、10〜600分間が適当であり、30〜180分間がより適当である。
図2に示す平均直径0.33mm[呼び径355μmを通り、300μmを通らないもの]で、短径/長径の平均値で表される真円度が0.95である中実状のポリスチレン球体に対し、SiC粉末80質量%、カーボン粉末15質量%およびシリコン粉末5質量%を含む混合粉末を、糖衣コーティング装置(フロイント産業(株)製CFグラニュレーター)を用いてコーティングすることにより、上記ポリスチレン球体上に無機粉末コーティング層を形成し、次いで篩分けすることにより、直径0.5〜0.6mmのコート顆粒を作製した。得られたコート顆粒を図3に示す。
得られたコート顆粒は、無機粉末コーティング層の平均厚み/上記ポリスチレン球体の平均直径で表される比が0.33であるものであった。
得られたコート顆粒を一軸成形した後、大気雰囲気下、280℃で360分間加熱処理することにより脱脂処理を施した。
次いで、上記脱脂工程によって生じた球状空孔間の空隙に、アルゴン雰囲気下で溶融シリコンを含浸し、コート顆粒表面のコーティング層を構成する無機粉末と反応焼結させることにより、直径50mm、高さ120mmの円柱形状を有するSiC多孔質焼結体を得た。得られたSiC多孔質焼結体の切断面の顕微鏡写真を図4に示す。
得られたSiC多孔質焼結体は、短径/長径の平均値で表される真円度が0.92である球状の空孔(図4に示す円形状の部位)を有し、図1に示すように四つの構成部に分割したときに、(各構成部の嵩密度の最大値または最低値/四つの構成部の嵩密度の平均値)×100で表される嵩密度のばらつきが99.1〜100.9%で、曲げ強さが91MPa、熱伝導率が87W/(m・K)であるものであった。
平均直径0.33mmで、短径/長径の平均値で表される真円度が0.95である中実状のポリスチレン球体に代えて、平均直径0.39mm[呼び径425μmを通り、355μmを通らないもの]で、短径/長径の平均値で表される真円度が0.96である中実状のポリスチレン球体を用い、直径0.71〜0.85mmのコート顆粒(無機粉末コーティング層の平均厚み/上記ポリスチレン球体の平均直径で表される比が0.50であるもの)を作製し、係るコート顆粒を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、直径50mm、高さ120mmの円柱形状を有するSiC多孔質焼結体を得た。得られたSiC多孔質焼結体の切断面の顕微鏡写真を図5に示す。
得られたSiC多孔質焼結体は、短径/長径の平均値で表される真円度が0.93である球状の空孔(図5に示す円形状の部位)を有し、図1に示すように四つの構成部に分割したときに、(各構成部の嵩密度の最大値または最低値/四つの構成部の嵩密度の平均値)×100で表される嵩密度のばらつきが98.8〜100.5%で、曲げ強さが90MPa、熱伝導率が88W/(m・K)であるものであった。
平均直径0.33mmで、短径/長径の平均値で表される真円度が0.95 である中実状のポリスチレン球体に代えて、平均直径0.60mm[呼び径710μmを通り、500μmを通らないもの]で、短径/長径の平均値で表される真円度が0.96である中実状のポリスチレン球体を用い、直径0.85〜1000mmのコート顆粒(無機粉末コーティング層の平均厚み/上記ポリスチレン球体の平均直径で表される比が0.27であるもの)を作製し、係るコート顆粒を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、直径50mm、高さ120mmの円柱形状を有するSiC多孔質焼結体を得た。得られたSiC多孔質焼結体の切断面の顕微鏡写真を図6に示す。
得られたSiC多孔質焼結体は、短径/長径の平均値で表される真円度が0.94である球状の空孔(図6に示す円形状の部位)を有し、図1に示すように四つの構成部に分割したときに、(各構成部の嵩密度の最大値または最低値/四つの構成部の嵩密度の平均値)×100で表される嵩密度のばらつきが98.2〜101.2 %で、曲げ強さが50MPa、熱伝導率が85W/(m・K)であるものであった。
平均直径0.33mmで、短径/長径の平均値で表される真円度が0.95である中実状のポリスチレン球体に代えて、平均直径0.72mm[呼び径850μmを通り、600μmを通らないもの]で、短径/長径の平均値で表される真円度が0.97である中実状のポリスチレン球体を用い、直径1.7〜2.0mmのコート顆粒(無機粉末コーティング層の平均厚み/上記ポリスチレン球体の平均直径で表される比が0.78であるもの)を作製し、係るコート顆粒を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、直径50mm、高さ120mmの円柱形状を有するSiC多孔質焼結体を得た。得られたSiC多孔質焼結体の切断面の顕微鏡写真を図7に示す。
得られたSiC多孔質焼結体は、短径/長径の平均値で表される真円度が0.94である球状の空孔(図7に示す円形状の部位)を有し、図1に示すように四つの構成部に分割したときに、(各構成部の嵩密度の最大値または最低値/四つの構成部の嵩密度の平均値)×100で表される嵩密度のばらつきが99.0〜102.0 %で、曲げ強さが82MPa、熱伝導率が87W/(m・K)であるものであった。
平均直径0.55mm[呼び径600μmを通り、500μmを通らないもの]で、短径/長径の平均値で表される真円度が0.97である中実状のポリスチレン球体に対し、固形分換算で、平均直径0.8μmのSiC粉末96.7質量%、焼結助剤であるホウ素粉末0.3質量%および炭素粉末3質量%を含む混合スラリーを、糖衣コーティング装置(フロイント産業(株)製CFグラニュレーター)を用いてコーティングすることにより、上記ポリスチレン球体上に無機粉末コーティング層を形成し、次いで篩分けすることにより、直径0.85〜1.0mmのコート顆粒を作製した。
得られたコート顆粒は、無機粉末コーティング層の平均厚み/上記ポリスチレン球体の平均直径で表される比が0.34であるものであった。
得られたコート顆粒を一軸成形した後、大気雰囲気下、280℃で600分間加熱処理することにより脱脂処理を施した。
次いで、Ar雰囲気下において、2200℃で120分間焼成して焼結処理を施すことにより、直径50mm、高さ120mmの円柱形状を有するSiC多孔質焼結体を得た。得られたSiC多孔質焼結体の切断面の顕微鏡写真を図8に示す。
得られたSiC多孔質焼結体は、短径/長径の平均値で表される真円度が0.85である球状の空孔(図8に示す円形状の部位)を有し、図1に示すように四つの構成部に分割したときに、(各構成部の嵩密度の最大値または最低値/四つの構成部の嵩密度の平均値)×100で表される嵩密度のばらつきが97.6〜102.0%、曲げ強さが82MPa、熱伝導率が90W/(m・K)であるものであった。
SiC粉末80質量%、カーボン粉末15質量%およびシリコン粉末5質量%を含む混合粉末を、一軸成形した後、アルゴン雰囲気下で溶融シリコンを含浸し、反応焼結させることにより、直径50mm、高さ120mmの円柱形状を有するSiC焼結体を得た。得られたSiC焼結体は、図1に示すように四つの構成部に分割したときに、(各構成部の嵩密度の最大値または最低値/四つの構成部の嵩密度の平均値)×100で表される嵩密度のばらつきが99.5〜100.5%で、曲げ強さが125MPa、熱伝導率が133W/(m・K)であるものであった。
実施例1において、脱脂工程によって生じた球状空孔間の空隙に、アルゴン雰囲気下で溶融シリコンを含浸し、コート顆粒表面のコーティング層を構成する無機粉末と反応焼結させることにより、直径50mm、高さ120mmの円柱形状を有するSiC多孔質焼結体を作製することに代えて、直径20mm、内径11mm、長さ300mmの円管形状を有するSiC多孔質焼結体を2本作製した以外は、実施例1と同様の方法でSiC多孔質焼結体を作製した。
得られたSiC多孔質焼結体2本をSiC発熱部(長さ300mm)の両端に各々溶接して、SiC発熱体Aとした。
SiC発熱体Aを電源に繋ぎ、SiC発熱部中央の表面温度が1000℃になるように電力を印加した。電力印加10分後、SiC発熱体Aの端面の温度を測定して、放散熱量を、有限要素法を用いた解析ソフトにより算出したところ、端面温度264℃、放散熱量152Wであった。結果を表1に示す。
比較例1において、混合粉末の一軸成形物にアルゴン雰囲気下で溶融シリコンを含浸し、反応焼結させることにより、直径50mm、高さ120mmの円柱形状を有するSiC焼結体を作製することに代えて、直径20mm、内径11mm、長さ300mmの円管形状を有するSiC焼結体を2本作製した以外は、比較例1と同様の方法でSiC焼結体を作製した。
得られたSiC焼結体2本をSiC発熱部(長さ300mm)の両端に各々溶接して、SiC発熱体Bとした。
実施例6と同様にして、SiC発熱体Bを電源に繋ぎ、SiC発熱部中央の表面温度が1000℃になるように電力を印加した。電力印加10分後、SiC発熱体Bの端面の温度を測定して、放散熱量を計算したところ、端面温度296℃、放散熱量169Wであった。結果を表1に示す。
また、表1より、実施例6で得られたSiC発熱体Aは、比較例2で得られたSiC発熱体Bに比較して、端部が本発明に係る無機多孔質焼結体により構成されていることから、熱伝導率を低減することができ、このために比較例1で得られたSiC発熱体Bに対し約10%放散熱量が低く省エネルギー化を図り得ることが分かる。
Claims (5)
- 直径が0.1〜2.0mmで短径/長径の平均値で表される真円度が0.75〜1.00である中空状無機焼結物を内部に複数含有するとともに、
前記中空状無機焼結物間の空隙にさらに無機焼結物を含有し、
四つの構成部に分割したときに、下記式
(各構成部の嵩密度の最大値または最低値/四つの構成部の嵩密度の平均値)×100
で表される嵩密度のばらつきが95〜105%である
ことを特徴とする無機多孔質焼結体。 - 請求項1に記載の無機多孔質焼結体を製造する方法であって、
平均直径が0.1〜2.0mmで短径/長径の平均値で表される真円度が0.75〜1.00である有機物質製球状物上に無機粉末コーティング層を有するコート顆粒に対し、所望の形状に成形し、
前記有機物質製球状物を除去する脱脂工程を施した後、
前記脱脂工程によって生じた中空状無機焼結物間の空隙に無機物質の溶融物を含浸させる含浸工程を施す
ことを特徴とする無機多孔質焼結体の製造方法。 - 前記コート顆粒が前記脱脂工程前に予め分級処理されたものである請求項2に記載の無機多孔質焼結体の製造方法。
- 前記無機粉末コーティング層の平均厚みおよび有機物質製球状物の平均直径が、
前記無機粉末コーティング層の平均厚み/前記有機物質製球状物の平均直径≧0.1の関係を満たす請求項2または請求項3に記載の無機多孔質焼結体の製造方法。 - 前記無機粉末コーティング層を構成する無機粉末または中空状無機焼結物間の空隙に含浸させる無機物質が、セラミックスおよび金属から選ばれる一種以上である請求項2〜請求項4のいずれかに記載の無機多孔質焼結体の製造方法。
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