JP2011072386A - 薬剤注入具 - Google Patents

薬剤注入具 Download PDF

Info

Publication number
JP2011072386A
JP2011072386A JP2009224687A JP2009224687A JP2011072386A JP 2011072386 A JP2011072386 A JP 2011072386A JP 2009224687 A JP2009224687 A JP 2009224687A JP 2009224687 A JP2009224687 A JP 2009224687A JP 2011072386 A JP2011072386 A JP 2011072386A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rib
pusher
drug
pressure
cylindrical portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009224687A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5385074B2 (ja
Inventor
Atsushi Matsumoto
淳 松本
Makoto Saruhashi
誠 猿橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Terumo Corp filed Critical Terumo Corp
Priority to JP2009224687A priority Critical patent/JP5385074B2/ja
Priority to EP10820510.5A priority patent/EP2484312A4/en
Priority to PCT/JP2010/066795 priority patent/WO2011040395A1/ja
Priority to CN201080039623XA priority patent/CN102481192A/zh
Publication of JP2011072386A publication Critical patent/JP2011072386A/ja
Priority to US13/433,534 priority patent/US20120191102A1/en
Application granted granted Critical
Publication of JP5385074B2 publication Critical patent/JP5385074B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M5/00Devices for bringing media into the body in a subcutaneous, intra-vascular or intramuscular way; Accessories therefor, e.g. filling or cleaning devices, arm-rests
    • A61M5/14Infusion devices, e.g. infusing by gravity; Blood infusion; Accessories therefor
    • A61M5/142Pressure infusion, e.g. using pumps
    • A61M5/145Pressure infusion, e.g. using pumps using pressurised reservoirs, e.g. pressurised by means of pistons
    • A61M5/1452Pressure infusion, e.g. using pumps using pressurised reservoirs, e.g. pressurised by means of pistons pressurised by means of pistons
    • A61M5/14526Pressure infusion, e.g. using pumps using pressurised reservoirs, e.g. pressurised by means of pistons pressurised by means of pistons the piston being actuated by fluid pressure
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B17/00Surgical instruments, devices or methods, e.g. tourniquets
    • A61B17/56Surgical instruments or methods for treatment of bones or joints; Devices specially adapted therefor
    • A61B17/58Surgical instruments or methods for treatment of bones or joints; Devices specially adapted therefor for osteosynthesis, e.g. bone plates, screws, setting implements or the like
    • A61B17/88Osteosynthesis instruments; Methods or means for implanting or extracting internal or external fixation devices
    • A61B17/8802Equipment for handling bone cement or other fluid fillers
    • A61B17/8805Equipment for handling bone cement or other fluid fillers for introducing fluid filler into bone or extracting it
    • A61B17/8822Equipment for handling bone cement or other fluid fillers for introducing fluid filler into bone or extracting it characterised by means facilitating expulsion of fluid from the introducer, e.g. a screw pump plunger, hydraulic force transmissions, application of vibrations or a vacuum
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M5/00Devices for bringing media into the body in a subcutaneous, intra-vascular or intramuscular way; Accessories therefor, e.g. filling or cleaning devices, arm-rests
    • A61M5/178Syringes
    • A61M5/31Details
    • A61M5/315Pistons; Piston-rods; Guiding, blocking or restricting the movement of the rod or piston; Appliances on the rod for facilitating dosing ; Dosing mechanisms
    • A61M5/31511Piston or piston-rod constructions, e.g. connection of piston with piston-rod
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B17/00Surgical instruments, devices or methods, e.g. tourniquets
    • A61B2017/00535Surgical instruments, devices or methods, e.g. tourniquets pneumatically or hydraulically operated
    • A61B2017/00539Surgical instruments, devices or methods, e.g. tourniquets pneumatically or hydraulically operated hydraulically

Abstract

【課題】薬剤を被注入空間内に所定の高圧で適量ずつ注入可能であると共に、シリンダ内の圧力を容易に開放可能であり、注入操作が簡便な薬剤注入具を提供する。
【解決手段】薬剤注入具10は、筒体24の基端側に液体19の流入口31を有する薬剤吐出部14と、薬剤吐出部14の作動室30に作用する圧力を液体19を介して発生する圧力発生室18を有し、圧力により薬剤吐出部14の浮動ガスケット26を進動させて吐出口20から薬剤を吐出させる圧力発生部16とを備える。圧力発生部16は、圧力発生室18を内部に設けた加圧部シリンダ34と、その内部を液密に摺動する中空ガスケット36を設けた第1押し子38と、先端頭部40cが押し込まれることで圧力発生室18内に圧力を発生させる第2押し子40とを有し、加圧部シリンダ34及び第1押し子38は、その軸線方向で所定ピッチ毎に互いに固定及び固定解除が可能な係合機構を介して連結されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、圧力発生部で発生させた圧力により薬剤吐出部から薬剤を吐出し、該薬剤を被注入空間に注入するための薬剤注入具に関する。
近年、骨粗鬆症や癌による椎体圧迫骨折に対して、骨折椎体に刺入した骨生検針を通して時間と共に硬化する充填材を注入する経皮的椎体形成術(PVP)が行われている。この充填材としては、例えば、X線造影性のあるリン酸カルシウム系骨セメントやポリメチルメタクリレート骨セメント等(以下、単に「骨セメント」ともいう)が用いられている。通常、骨セメントは非常に高い粘性を有しており、また骨セメントが充填される椎骨内は海綿質等により圧損が非常に大きいため、注入時には3MPa以上の高圧で少量ずつ注入する必要がある。
そこで、このような注入具として、一般的なピストン式や送りねじ式のシリンジによって高圧を付与しながら骨セメントを吐出する構成が用いられている。一方、注入量を次第に低減することで圧力をある程度抑えながら骨セメントを注入する構成も提案されている(特許文献1参照)。
特表2004−507312号公報
上記のように、例えば粘性が高い液状の薬剤(骨セメント)を骨内のように圧損の高い空間へと注入するために用いられる薬剤注入具には、高い圧力で適量ずつ前記薬剤を吐出できる構成が望ましい。
しかしながら、通常のピストン式の注入具では十分な高圧を発生すること、及び発生させた高圧で薬剤を適量ずつ注入することは難しい。また、送りねじ式の注入具では、高圧で定量的な注入は可能となるが、注入中はシリンダ内の高圧状態が開放されずに常時維持されるため、注入動作を止めたい場合に即座に止めることが難しい。さらに、特許文献1に記載の構成のように、注入量を次第に低減することで圧力をある程度抑えながら骨セメントを注入する構成では、注入完了までの所要時間が延びて患者への負担が増加する可能性があり、また低圧注入のため、椎体等の条件によっては必要量を完全に注入することができない可能性もある。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、薬剤を被注入空間内に注入するに際し、薬剤を所定の高圧で適量ずつ注入可能であると共に、シリンダ内の圧力を容易に開放可能で注入操作が簡便となる薬剤注入具を提供することを目的とする。
本発明に係る薬剤注入具は、筒体の基端側に流体の流入口を有し、液密に摺動可能な副ガスケットによって前記筒体内が前記流体の流入側の作動室と先端側の作用室とに仕切られた薬剤吐出部と、前記作動室に作用する圧力を前記流体を介して発生する圧力発生室を有し、前記圧力により前記副ガスケットを進動させて薬剤を吐出させる圧力発生部とを備えた薬剤注入具であって、前記圧力発生部は、前記圧力発生室を内部に設けた加圧部シリンダと、前記加圧部シリンダ内を液密に摺動することで前記圧力発生室の容積を規定する主ガスケットを設けた第1押し子と、前記第1押し子内を挿通すると共に、前記主ガスケットの摺動方向に貫通形成された摺動孔に液密に摺動可能であり、前記圧力発生室内に先端頭部が押し込まれることで該圧力発生室内に前記圧力を発生させる第2押し子とを有し、前記加圧部シリンダ及び前記第1押し子は、その軸線方向で所定ピッチ毎に互いに固定及び固定解除が可能な係合機構を介して連結されることを特徴とする。
このような構成によれば、加圧部シリンダ及び第1押し子を軸線方向で互いに固定した状態で、主ガスケットの摺動孔を摺動させて第2押し子を押し込むことにより、圧力発生室で前記流体を介して高い圧力を発生させることができ、発生した圧力により副ガスケットを進動させることができる。これにより、薬剤吐出部から薬剤を高圧で適量ずつ吐出し、非注入空間内へと注入することができる。また、吐出後には、係合機構を介して加圧部シリンダと第1押し子との間を引き寄せて主ガスケットを圧力発生室内に進動させることで、第2押し子が元の位置まで戻すことができ、次の吐出工程の準備が完了すると同時に、系内の圧力が確実に開放される。従って、薬剤吐出部内や圧力発生部内に第2押し子の押し込みにより発生した圧力が常時作用していることを防止でき、操作待機時等での誤った薬剤吐出を防止することができる。
なお、前記作動室から前記圧力発生室までが、前記圧力発生部で発生する圧力によっては実質的に圧縮されない非圧縮性流体で満たされていると、圧力発生部で発生した圧力をほとんど損失することなく副ガスケットを駆動することができる。
この場合、前記加圧部シリンダは、先端側で前記作動室に連通されると共に、基端側に前記主ガスケットが挿入される開口端が形成された筒状部を有し、前記第1押し子は、先端側に前記主ガスケットが固定されて前記筒状部に挿通可能な第1筒状部と、該第1筒状部の外径方向に所定間隔を挟んで同軸で設けられることにより、該第1筒状部との間に前記筒状部が挿通可能な筒状空間を形成する第2筒状部とを有すると、加圧部シリンダを第1押し子内へと容易に挿入して連結することができる。
前記係合機構は、前記加圧部シリンダの前記筒状部の外周面に設けられ、該外周面の周方向の一部から外径方向に突出した第1リブと、前記第1押し子の前記第2筒状部の内周面に該第2筒状部の軸線方向で所定ピッチを有して複数設けられ、前記内周面の周方向の一部から前記筒状空間へと突出することにより、前記第2筒状部の軸線方向で前記第1リブと前記所定ピッチ毎に係合可能な第2リブとを有し、前記筒状空間には、前記第2筒状部の軸線方向に向けて前記第1リブが前記第2リブの側方を通過可能なリブ通路が形成されていると、加圧部シリンダと第1押し子との間の軸線方向での固定及び固定解除をシンプルな構成で実現することができる。
前記第1リブは、前記筒状部の外周面の一部を外径方向に拡径した板状部材であると共に、前記筒状部の直径方向で対向して少なくとも一対設けられ、前記第2リブは、前記第2筒状部の内周面の一部を内径方向に縮径した板状部材であると共に、前記第2筒状部の直径方向で対向して少なくとも一対設けられ、前記リブ通路は、前記対向する前記第2リブの間に形成されていると、第1リブと第2リブとを周方向で対向した2箇所で係合させることができるため、例えば各リブを周方向で1枚のみ設置した場合に比べて、加圧部シリンダと第1押し子とを一層強固に固定することができ、圧力発生時の耐久性も向上する。
前記第2リブは、前記第1リブの周方向長さよりも短く形成された第1小リブ及び第2小リブを前記第2筒状部の内周面の周方向に並べたリブセットが、前記第2筒状部の直径方向で対向して一対設けられており、前記対向したリブセット間では、前記第1小リブ同士及び前記第2小リブ同士がそれぞれ対向して配置され、前記第2筒状部の軸線方向において、前記第1小リブ同士の間及び前記第2小リブ同士の間はそれぞれ前記第1リブが係合可能な前記所定ピッチに設定され、前記第1小リブと前記第2小リブとの間は前記所定ピッチの半ピッチで設定されてもよい。これにより、加圧部シリンダを第1押し子に対して時計回り及び半時計回りに交互に回転させることで、第1リブが第1小リブ及び第2小リブに対して交互に係合しながら、加圧部シリンダと第1押し子とを前記半ピッチずつ容易に固定及び移動させることができる。
この場合、前記筒状部の周方向での前記第1リブの両端部には、前記筒状部の軸線方向で基端側に向かって狭幅となる第1傾斜面が形成され、前記リブセットを構成する前記第1小リブ及び前記第2小リブの前記リブ通路に臨む端部には、前記第2筒状部の軸線方向で先端側に向かって狭幅となり、前記第1傾斜面が摺動して乗り越え可能な第2傾斜面がそれぞれ形成されていると、加圧部シリンダと第1押し子との前記半ピッチずつの固定及び移動を一層円滑に行うことが可能となる。
前記第1リブは、前記第2筒状部の軸線方向で所定ピッチを有して複数設けられ、各第1リブは各第2リブに同時に係合可能であると、加圧部シリンダと第1押し子との間の係合強度や係合時の安定性等が一層向上する。
なお、前記筒体の作用室に薬剤吐出口を有し、該薬剤吐出口から薬剤を吐出するように構成するとよい。
また、前記筒体の先端部に薬剤容器接続部を有し、前記副ガスケットは、前記作用室側に接続される薬剤容器内に進入可能なプランジャを有すれば、薬剤容器を容易に交換することができ、当該薬剤注入具の汎用性や利便性を一層向上させることができる。
前記薬剤吐出部の前記作動室と前記圧力発生部の前記圧力発生室とを連通する可撓性チューブを有し、前記作動室、前記圧力発生室及び前記可撓性チューブの内部が、前記非圧縮性流体で満たされていると、例えばX線透視下で骨内への薬剤注入を行う場合等において、X線管に近く設置される薬剤吐出部から離れた位置に圧力発生部を設置して注入操作を行うことが可能となる。
なお、前記薬剤が、骨内に注入される骨セメントである場合にも当該薬剤注入具は好適に用いることができる。通常、骨セメントは非常に高い粘性を有しており、また骨内は海綿質等により圧損が非常に大きいため、骨セメントは骨内に所定の高圧で少量ずつ注入することが必要だからである。
本発明によれば、加圧部シリンダ及び第1押し子を軸線方向で互いに固定した状態で、第2押し子を主ガスケットの摺動孔を摺動させて押し込むことにより、圧力発生室で前記流体を介して高い圧力を発生させ、副ガスケットを進動させることができる。このため、薬剤吐出部から薬剤を高圧で適量ずつ吐出し、被注入空間内へと注入することができる。
また、吐出後には、係合機構を介して加圧部シリンダと第1押し子との間を引き寄せて主ガスケットを圧力発生室内に進動させることで、第2押し子が元の位置まで戻され、次の吐出工程の準備が完了すると同時に、系内の圧力が確実に開放される。従って、薬剤吐出部内や圧力発生部内に第2押し子の押し込みにより発生した圧力が常時作用していることを防止でき、操作待機時等での誤った薬剤吐出を防止することができる。
本発明の第1の実施形態に係る薬剤注入具の構成を示す斜視図である。 図1に示す薬剤注入具の一部断面側面図である。 図1に示す薬剤注入具を構成する圧力発生部の要部を拡大した分解側面断面図である。 図3に示す状態から圧力発生部の各要素を組み付けた状態を示す側面断面図である。 図3中のV−V線に沿う断面図である。 図3中のVI−VI線に沿う断面図である。 図7Aは、第1リブがリブ通路に配置された状態での図4中のVII−VII線に沿う断面図であり、図7Bは、図7Aに示す状態から加圧部シリンダを回転させて第1リブをリブセットに係合させた状態での断面図である。 図1に示す薬剤注入具による薬剤吐出に係る動作フローである。 本発明の第2の実施形態に係る薬剤注入具を構成する圧力発生部の要部を拡大した分解側面断面図である。 加圧部シリンダが第1押し子の筒状空間内に挿入され、第1リブがリブ通路に配置された状態での図9中のX−X線に沿う断面図である。 図11Aは、図10に示す状態から加圧部シリンダを反時計回りに回転させた状態での断面図であり、図11Bは、図11Aに示す状態から加圧部シリンダを時計回りに回転させた状態での断面図である。 図9に示す薬剤注入具での第1リブとリブセットとの係合動作を説明するために、図10に示す加圧部シリンダ及び第1押し子を周方向で360°展開した模式説明図である。 変形例に係る薬剤吐出部120を示す一部省略断面側面図である。
以下、本発明に係る薬剤注入具について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る薬剤注入具10の構成を示す斜視図であり、図2は、図1に示す薬剤注入具10の一部断面側面図である。本実施形態に係る薬剤注入具10は、長尺なフレキシブルチューブ12の先端側に連結された薬剤吐出部14と、フレキシブルチューブ12の基端側に連結された圧力発生部16とを備え、圧力発生部16の圧力発生室18で所定の液体19を介して発生する圧力により、薬剤吐出部14のから所定の薬剤(充填材、注入材)を吐出し、所望の被注入空間へと注入するための器具であり、例えば、経皮的椎体形成術において骨セメントを骨内に注入するために用いられる。前記薬剤としては、例えば、リン酸カルシウム系骨セメント(CPC)やポリメチルメタクリレート(PMMA)系骨セメント等の骨セメントを用いることができ、さらには、リン酸カルシウム系セラミックス、アルミナセラミックス、ジルコニアセラミックス及びチタン等の無機材料からなる顆粒等を用いることもできる。
なお、図1及び図2において、フレキシブルチューブ12の薬剤吐出部14側を「先端」側、フレキシブルチューブ12の圧力発生部16側を「基端(後端)」側と呼び、他の各図についても同様とする。
薬剤吐出部14は、先端に吐出口(薬剤吐出口)20を設けた筒体(シリンダ)24と、該筒体24内で液密に摺動可能な浮動ガスケット(副ガスケット)26とを有し、浮動ガスケット26により筒体24内が軸線方向で先端側の作用室28と、基端側で液体19の流入側となる作動室30とに仕切られている。吐出口20は、ルアーコネクタであり、薬剤を骨内に注入する際には図示しない骨セメント用のニードル等を連結可能である。
作用室28は、吐出口20と浮動ガスケット26との間に形成されることで前記薬剤を貯留可能であり、浮動ガスケット26の先端方向への進動に伴い吐出口20へと薬剤を供給する。
作動室30は、筒体24の基端側に形成された液体19の流入口31によってフレキシブルチューブ12に連通している。これにより、圧力発生部16の圧力発生室18で前記液体19を介して発生された圧力は、フレキシブルチューブ12を介して作動室30へと作用し、浮動ガスケット26を進動させる。つまり、作動室30、フレキシブルチューブ12及び圧力発生室18の内部を満たす液体19が圧力発生室18からフレキシブルチューブ12を経て流入口31から作動室30へと流入することにより、浮動ガスケット26を進動させる。そこで、圧力発生室18で発生する圧力を可能な限り損失することなく浮動ガスケット26を進動させる動力とすべく、液体19は非圧縮性流体(例えば、水)とされ、圧縮率の高い空気等のガス成分は可能な限り排除されている。
圧力発生部16は、先端にフレキシブルチューブ12が連結された加圧部シリンダ34と、加圧部シリンダ34内で液密に摺動することで圧力発生室18の容積を規定する中空ガスケット(主ガスケット)36と、先端側に中空ガスケット36が固定された2重管構造の第1押し子(第1プランジャ)38と、第1押し子38内を基端側から先端側へと挿通し、中空ガスケット36の摺動方向に貫通形成された摺動孔39(図3及び図4参照)に対して液密に摺動するロッド40aを設けた第2押し子(第2プランジャ)40とを有する。加圧部シリンダ34と第1押し子38とは、その軸線方向で所定ピッチ毎に互いに固定及び固定解除が可能な係合機構42(図3及び図4参照)により、軸線方向での連結位置を適宜変更可能であるが、詳細は後述する。
加圧部シリンダ34は、先端の液体19の流出口43にフレキシブルチューブ12が連結されると共に、基端に形成された開口端44aから中空ガスケット36が挿入されることで内部に圧力発生室18を形成する筒状部44と、筒状部44の外周面から外径方向に突出して先端側に多少湾曲した平板状の一対のウイング(第1操作部材)46、46とを有する。
筒状部44は、軸線方向で略中央より先端側に形成された円錐台形状からなるテーパ部位44bと、外径及び内径が略均一に形成され、その基端に開口端44aが形成された円筒部位44cとを有する。円筒部位44cの内径は、例えば4〜16mm程度に設定され、該円筒部位44cの内周面を中空ガスケット36が軸線方向に液密に摺動する。この場合、円筒部位44cの内径は、薬剤吐出部14の筒体24の内径と同径又は異径のどちらでもよいが、筒状部44内に形成される圧力発生室18の容積は、薬剤吐出部14の作用室28内の容積以上の大きさに設定される。
図3及び図5に示すように、筒状部44(円筒部位44c)の基端側外周面には、その一部を外径方向に拡径・突出させた形状からなる一対の第1リブ48、48が形成されている。第1リブ48は、筒状部44の軸線方向で薄い板状部材であり、その板厚と略同一又は多少広い間隔を空けたピッチP1で軸線方向に複数枚(本実施形態の場合、6枚)設置されている。
中空ガスケット36は、例えばゴムやシリコーン等の弾性部材によって形成されており、図3に示すように、基端側で小径の取付部50と、取付部50より大径のシール部52とを有する。シール部52の外周面には、軸線方向に複数並んで拡径したシールリング部52aが設けられている。シールリング部52a(シール部52)の外径は、筒状部44(円筒部位44c)の内径と略同一又は多少大径である。これにより、シールリング部52a(シール部52)は、筒状部44の内周面に対して摺動可能に密着された液密のリップシールとして機能する。
中空ガスケット36は、さらに、第2押し子40のロッド40aが摺動可能に挿通する摺動孔39が軸線方向に貫通形成される。摺動孔39の内周面には、軸線方向に複数並んで縮径したシールリング部39aが設けられている。シールリング部39a(摺動孔39)の内径は、第2押し子40のロッド40aの外径と略同一又は多少小径である。これにより、シールリング部39a(摺動孔39)は、ロッド40aに対して摺動可能に密着された液密のリップシールとして機能する。
図2〜図4に示すように、第1押し子38は、先端に中空ガスケット36が固定されることにより筒状部44(圧力発生室18)内へと挿入される第1筒状部56と、該第1筒状部56の外径方向に所定間隔を挟んで同軸で設けられることで2重管構造を形成する第2筒状部58とを有し、これら第1筒状部56と第2筒状部58との間の隙間が、前記筒状部44(円筒部位44c)が挿通する筒状空間60として機能する。
図1及び図2に示すように、第2筒状部58の外周面には、軸線方向に並んで外径方向に突出し、先端側に湾曲した平板状で一対の指かけ部62、62と、指かけ部62の略180°反対側から外径方向に突出した平板状で矩形リング状の指かけリング64とが形成されている(図1及び図2参照)。指かけ部62及び指かけリング64は、加圧部シリンダ34と第1押し子38とを互いに近接する引き寄せる際に、加圧部シリンダ34のウイング46と共に操作者が指をかける部位である。
図3及び図4に示すように、第1筒状部56は、中空ガスケット36の取付部50の基端拡径部が嵌挿・固定される先端の取付孔66と、基端側に開口したガイド孔68とを有する。
ガイド孔68は、第1筒状部56の基端から先端の取付孔66へと軸線方向に貫通しており、これにより、第2押し子40のロッド40aを中空ガスケット36の摺動孔39へと挿通させると共に、その軸線方向での摺動をガイドする機能を有する。図6に示すように、ガイド孔68は、断面略十字状の孔部の中心部を軸線方向に沿って円形に形成した形状であり、90°刻みで配置され軸線方向に延びた4本の断面略台形状の部材の対向する内周面でロッド40aを摺動可能にガイドする。このように、ガイド孔68は、ロッド40aを4点支持でガイドすることから、軸線方向に安定してガイド可能であり、しかもロッド40aとの間での摺動抵抗を適切に低減することができる。勿論、ガイド孔68をロッド40aの全周面と摺動する単純な円形に構成してもよい。
図3及び図4に示すように、第2筒状部58は、その基端が第1筒状部56の基端外周面と連結されて閉塞されると共に、開口した先端側から筒状空間60内へと加圧部シリンダ34の筒状部44を挿入可能に構成されている。従って、第2筒状部58の内径は、筒状部44の最大外径(一対の第1リブ48、48の外径)と略同一又は多少大径に設定されている。
図3に示すように、第2筒状部58の先端から第1筒状部56の先端までの軸線方向での長さL1は、中空ガスケット36の取付部50の軸線方向での長さL2と略同一であり、従って、図4に示すように、取付孔66に固定された中空ガスケット36は、その先端面が第2筒状部58の先端面と略面一となる。
図3及び図6に示すように、第2筒状部58には、その内周面の一部を内径方向に縮径・突出させた形状からなり、加圧部シリンダ34の第1リブ48と係合可能な一対のリブセット(第2リブ)70、72が形成されている。リブセット70、72は、第2筒状部58の軸線方向で薄い板状部材であり、その板厚と略同一又は多少広い間隔を空けたピッチP1で、第2筒状部58の軸線方向に渡って複数枚設置されている。つまり、リブセット70、72は、第1リブ48と同一のピッチP1で軸線方向に並んでおり、その設置枚数は第1リブ48よりも多く、筒状部44を筒状空間60内に最大限に挿入した状態であっても互いに係合可能なように、筒状空間60の軸線方向に渡って設けられている。
図3及び図6に示すように、各リブセット70、72は、それぞれ周方向に並んだ第1小リブ70a、72a及び第2小リブ70b、72bを有する。第1小リブ70a、72a及び第2小リブ70b、72bは、その周方向での長さ(幅)CL2が第1リブ48の周方向での長さCL1(図5参照)の半分程度に形成され、各リブセット70、72を構成するもの同士(例えば第1小リブ70aと第2小リブ70b)は僅かな隙間を介して並んでいる。また、リブセット70とリブセット72の間の周方向での隙間CL3は、第1リブ48の長さCL1より多少大きく設定され、これにより第1リブ48はリブセット70、72間をリブ通路74として軸線方向に通過することができる。
従って、加圧部シリンダ34の筒状部44を第1押し子38の筒状空間60に挿入した状態で(図4参照)、図7Aに示すように、加圧部シリンダ34の回転方向を調整してリブ通路74に第1リブ48が対応する位置に設定することにより、筒状部44を筒状空間60の軸線方向に円滑に移動させ、図2中の破線に示すように中空ガスケット36を圧力発生室18内で摺動させることができる。一方、図7Bに示すように、加圧部シリンダ34を反時計回り(又は時計回り)に略90°回転させて各第1リブ48を各リブセット70、72に対応させ、軸線方向に並んだリブセット70間及びリブセット72間に係合させることにより、加圧部シリンダ34と第1押し子38の軸線方向での位置が固定される。
このように、第1リブ48、リブセット70、72(第1小リブ70a、72a及び第2小リブ70b、72b)が加圧部シリンダ34と第1押し子38とを、その軸線方向で所定ピッチP1毎に互いに固定及び固定解除させ、その軸線方向での固定位置を変更可能に構成する係合機構42として機能する。
図3及び図6から諒解されるように、第2筒状部58の軸線方向に並んだ各第1小リブ70a、72a及び各第2小リブ70b、72bの該軸線方向での間隙部には、第2筒状部58の内外面を連通する孔部73が設けられている。これら第1小リブ70a、72a及び各第2小リブ70b、72bは、例えば、第1押し子38(第2筒状部58)を射出成形によって成型する際に、左右の割り型に設けられる突起がガイド孔68を成型する金型(センターピン)に当たる構造の金型で容易に製造可能であり、孔部73は、前記突起によって形成される。
図1〜図4に示すように、第2押し子40は、長尺且つ細径のロッド40aと、該ロッド40aを加圧部シリンダ34の圧力発生室18内へと押し込む際の操作部となる押し込み部40bとを有する。ロッド40aの外径は、例えば2〜6mm程度に設定される。
図3及び図4に示すように、ロッド40aの先端には、フランジ状に拡径した先端頭部40cが設けられており、該先端頭部40cが中空ガスケット36の摺動孔39の先端側開口部に引っかかることで、ロッド40aの中空ガスケット36からの抜け止めがなされている。なお、中空ガスケット36は、上記のようにゴム等の弾性部材で形成されていると、組立時、摺動孔39(シールリング部39a)より多少大径の先端頭部40cを摺動孔54内へと容易に挿通させることができる。
このような薬剤吐出部14や圧力発生部16は、筒体24や第1押し子38、第2押し子40等は、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、環状ポリオレフィン、ポリメチルペンテン1等のポリオレフィンや、ポリエステル、ナイロン、ポリカーボネート、ポリエーテルサルホン等の樹脂性材料や、ステンレス等の金属性材料で形成されるとよく、浮動ガスケット26や中空ガスケット36は、例えばオレフィン系エラストマーや、シリコーンゴム、ブチルゴム、フッ素ゴム等の加硫ゴム、さらにそれらにフッ素樹脂コートしたもの等で形成されるとよい。フレキシブルチューブ12は、比較的柔軟なポリオレフィンのチューブ壁内あるいは外面にケブラーやナイロンやポリフェニレンサルファイドやステンレス等の糸を網あるいはコイル状に巻いた構成であると、耐圧の点から好適であるが、内面にのみ耐水性のあるポリプロピレンやフッ素樹脂を配置した多層チューブとしてもよい。
これら各部品は、通常の射出成型、押出成型、プレス成型等で製造可能である。各部品の接続は、接着剤による接着、熱融着、各シリンダとチューブの接続には、かしめ具や螺子嵌合による接続等一般的な方法で可能である。
次に、以上のように構成される第1の実施形態に係る薬剤注入具10の動作及び作用について説明する。
例えば、経皮的椎体形成術において薬剤注入具10を用いる場合には、予め薬剤吐出部14の作用室28内に所定量(例えば、5ml)の薬剤(CPCやPMMA等の骨セメント)を充填しておく。この充填は、例えば、第1押し子38を第2押し子40に対して押し込み、中空ガスケット36を圧力発生室18内に最大まで押し込んだ状態で、吐出口20又は吐出口20に連結した図示しない先端チューブを薬剤である骨セメントが充填された容器に挿入し、第1押し子38を引くことで作用室28内に吸い込む方法や、図示しないシリンジを吐出口20に連結し、そのシリンジを加圧して薬剤を作用室28内に充填する方法等によって行われる。次いで、薬剤吐出部14の吐出口20に図示しない吐出ロッド(骨セメント用のニードル)等を取り付け、X線透視下で薬剤の充填を実行する。
図8に薬剤注入具10による薬剤吐出に係る操作手順を示す。
作用室28内の薬剤を吐出口20から吐出するには、先ず、加圧部シリンダ34と第1押し子38とを係合機構42の第1リブ48とリブセット70、72とにより、薬剤の注入量(例えば、5ml)に応じた適切な初期位置で互いに固定しておく(ステップS1)。次に、第2押し子40を基端側に最大限に引いた状態から(図2参照)、押し込み部40bを手のひら等で先端方向へと押し込んでロッド40aを進動させ、図4中の破線に示すように、先端頭部40cを圧力発生室18内へと押し込む(ステップS2)。すなわち、加圧部シリンダ34と第1押し子38とは軸線方向で互いに固定されており、中空ガスケット36も第1押し子38に固定されていることから、ロッド40aが中空ガスケット36の摺動孔39を摺動しながら圧力発生室18内へと押し込まれる。
これにより、ロッド40aの圧力発生室18内への進動分の液体19の排除容積に応じた圧力が圧力発生室18内で発生すると共に、該圧力は圧力発生室18及びフレキシブルチューブ12内を満たす非圧縮性流体(例えば、水)からなる液体19を流入口31から作動室30内へと流入させ、これにより浮動ガスケット26が作動室30側から作用室28側へと押圧される。この際、前記液体19は実質的に圧縮されず、しかも第2押し子40のロッド40aの外径(例えば、5mm)は細径であるため、人手による押し込みであっても圧力発生室18内で100気圧(約100MPa)以上の高圧を容易に発生させることができる。従って、圧力発生室18で発生した高圧は、液体19で吸収されずに直接的に浮動ガスケット26に作用し、つまりロッド40aの排除容積分だけ浮動ガスケット26が進動し、吐出口20から前記排除容積分に応じた適量(例えば、1ml)の薬剤が高圧力で確実に吐出される。換言すれば、作動室30等に前記液体19を封入したことにより、該液体19がロッド40aと浮動ガスケット26とを略機械的に連結するピストンロッドとして機能し、第2押し子40による押し込み圧力が直接的に薬剤の吐出に作用する。
続いて、ウイング46を操作することにより加圧部シリンダ34を第1押し子38に対して回動操作して、係合機構42を構成する第1リブ48とリブセット70、72との係合状態を解除し(図7A参照)、第1リブ48をリブ通路74を介して移動させる。これにより、加圧部シリンダ34と第1押し子38との間を、例えば第1リブ48やリブセット70、72のピッチP1の1ピッチ分又は数ピッチ分、つまり第2押し子40での排除容積分だけ互いに近接させる(ステップS3)。
そうすると、中空ガスケット36(第1筒状部56)が圧力発生室18内へと進動するため、該圧力発生室18で液体19が押されてある程度の圧力が発生するが、中空ガスケット36の直径(例えば、12mm)は、ロッド40aの直径(例えば、5mm)に比べて相当に大きく、つまり人手によってはロッド40aほどの高圧を発生させることは困難であるため、浮動ガスケット26も進動せず、結局、圧力発生室18の液体19から第2押し子40のロッド40aを元の位置に戻す方向に力が作用し、先端頭部40cが中空ガスケット36の摺動孔39の開口端に当接するまで第2押し子がステップS2での押し込み量に対応する容量分後退する。このため、第2押し子40及び中空ガスケット36の進動により発生した全ての圧力が開放された状態となる。つまり、第2押し子40の排除容積分の発生圧力が薬剤の吐出に用いられ、これにより適量(例えば、1ml)を高圧で吐出することができ、しかも吐出後に第2押し子40を押すことを止めれば系内の圧力が確実に開放される。
そこで、再び、係合機構42により加圧部シリンダ34と第1押し子38とを固定することにより(ステップS4)、中空ガスケット36が圧力発生室18側へと係合機構42の所定ピッチ分(第2押し子40での排除容積分)だけ進動し、浮動ガスケット26も中空ガスケット36の第2押し子40の排除容積に対応した分だけ進動した以外は、図2に示す注入開始前の初期状態と略同様な状態となる。
従って、ステップS5において、骨内に必要十分な量の薬剤が注入されるまでは上記したステップS1〜S4の動作を繰り返し(ステップS5のNO)、必要十分な量の薬剤の注入が完了した後(ステップS5のYES)、薬剤吐出部14の吐出口20を体外へと取り外すことにより経皮的椎体形成術を容易に実行することができる。
この場合、本実勢形態に係る薬剤注入具10では、1回の吐出工程(ステップS1〜S4)毎に定量(例えば、1ml)の薬剤を所定の高圧で確実に吐出することができ、しかも次の吐出工程との間では薬剤注入具10の系内での圧力が開放されている。換言すれば、薬剤注入具10は第2押し子40及び中空ガスケット36を備えた2段ピストン式の注入具として構成されることにより、第2押し子40を押し込んだ後、手を離した瞬間に系内の圧力が開放され、その後、中空ガスケット36を進動させた場合にも圧力が発生することがない。
このため、例えば100気圧程度の高圧な状態がフレキシブルチューブ12や浮動ガスケット26等に常時作用していることを確実に防止することができ、操作待機時等での誤った薬剤吐出等やフレキシブルチューブ12等との接続部での負荷を防止することができる。また、例えば、当初は5ml(1mlの吐出工程を5回)の薬剤を骨内に注入する予定であるにも係わらず、4mlで骨内への注入が必要十分となった場合であっても、4回目の吐出工程を終了した時点では当該薬剤注入具10内の液体19に圧力が生じていないため、吐出口20から薬剤が誤吐出されることなく、薬剤吐出部14を患者から取り外すことができる。
加圧部シリンダ34と第1押し子38とは、互いに回転させて軸線方向にずらすだけの簡単な操作で、第1リブ48及びリブセット70、72のピッチP1毎に互いに軸線方向での連結位置を容易に調整することができ、しかも該調整時には第2押し子40が初期位置へと確実に戻される。このため、第2押し子40による薬剤の吐出後、次の吐出工程に対応する位置(初期位置)へと加圧部シリンダ34、第1押し子38及び第2押し子40を設定することができる。
薬剤注入具10では、圧力発生部16で摺動するガスケットが中空ガスケット36の1個のみでよく、加圧部シリンダ34と第1押し子38との係合機構42もリブを設けただけの構成である。さらに第2押し子40は第1押し子38内を挿通させて押し込むだけで圧力を発生可能であり、薬剤の吐出後は加圧部シリンダ34と第1押し子38とを移動させるだけで第2押し子40が初期位置まで戻される。このように、薬剤注入具10は、その構造がシンプル且つ低コストであると共に、注入操作が簡便に構成されている。
なお、吐出後の中空ガスケット36の移動量の基準となる前記ピッチP1は、第2押し子40による最大排除容積分を吸収可能に設定される必要があり、換言すれば、第2押し子40による排除容積分だけ中空ガスケット36を進動させて加圧部シリンダ34と第1押し子38とを固定することができる必要がある。従って、中空ガスケット36のピッチP1の1ピッチ分の排除容積V1は、加圧部シリンダ34と第1押し子38とが固定された状態で第2押し子40によって押し込み可能な最大の排除容積V2に対して、1倍以内、好ましくは0.2〜1倍(V1=0.2V2〜V2)程度に設定される。これにより、第2押し子40の押し込み後に、加圧部シリンダ34と第1押し子38とを少なくとも1ピッチ分以上確実に近接させることが可能となる。
また、薬剤注入具10をある程度低圧で注入可能な薬剤や被注入空間に対して用いる場合には、加圧部シリンダ34と第1押し子38とを、第1リブ48がリブ通路74に対応させた状態に設定し、この状態で加圧部シリンダ34と第1押し子38とを互いに引き寄せる。そうすると、第2押し子40による少量ずつ高圧での注入に比べて、中空ガスケット36による一度に多量の注入が可能となる(図2中の破線参照)。つまり、薬剤注入具10では、第1押し子38(中空ガスケット36)及び第2押し子40による2段ピストン(2段プランジャ)構造であり、そのうち、一方のピストンである中空ガスケット36のみを用い、他方のピストンである第2押し子40を初期位置のまま固定しておけば、通常のシリンジ等と略同様に、多量且つ低圧での薬剤吐出に用いることができ、汎用性が高い。このような通常のシリンジ等と略同様な使用方法は、上記のように作用室28内に吐出口20から所定の薬剤を充填(吸引)する際にも有効に用いることができる。
薬剤注入具10では、加圧部シリンダ34のウイング46と、第1押し子38の指かけ部62及び指かけリング64とを設けたことにより、両者を片手(又は両手)で把持することで容易に加圧部シリンダ34と第1押し子38とを回転又は引き寄せすることができ、操作性が高い。また、薬剤注入具10では、加圧部シリンダ34を第1押し子38へと最大限まで挿入し、第2押し子40を最大限まで押し込んでおくことで、コンパクトに収納可能である。
薬剤吐出部14は、長尺なフレキシブルチューブ12を介して操作側である圧力発生部16と接続されるため、X線管に近い薬剤吐出部14から離れた位置で注入操作を行うことができる。そこで、フレキシブルチューブの長さは、例えば5cm以上あれば、骨セメントの注入時の術者のX線被爆を低減できるが、15cm以上50cm以下が好ましい。なお、薬剤注入具10の使用条件等によっては、フレキシブルチューブ12を省略し、薬剤吐出部14を加圧部シリンダ34の先端に直結又は一体的に設けた構成とすることもできる。
図9は、本発明の第2の実施形態に係る薬剤注入具100を構成する圧力発生部102の要部を拡大した分解側面断面図である。本第2の実施形態に係る薬剤注入具100において、上記した第1の実施形態に係る薬剤注入具10の要素と同一又は同様な要素は、同一又は同様な機能及び効果を奏するものとして同一の参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
薬剤注入具100は、上記した薬剤注入具10の圧力発生部16の構成を変更した圧力発生部102を備える。図9に示すように、圧力発生部102は、係合機構42に代えて、第1リブ104、リブセット106、108で構成される係合機構110を有する点以外は基本的に図3等に示される圧力発生部16と同様である。
図9に示すように、第1リブ104は、その周方向(長手方向)の両端部に、筒状部44の軸線方向で基端側に向かって狭幅となる傾斜面(第1傾斜面)112が形成されている点が、図3等に示す第1リブ48と相違する。
リブセット106、108は、図3等に示すリブセット70、72と同様に、それぞれ周方向に並んだ第1小リブ106a、108a及び第2小リブ106b、108bを有するが、各リブセット106(108)を構成する第1小リブ106a及び第2小リブ106b(第1小リブ108a及び第2小リブ108b)の第2筒状部58の軸線方向での位置がずれている点が、前記リブセット70(72)と相違する。
すなわち、第2筒状部58の軸線方向において、第1小リブ106a同士及び第1小リブ108a同士(第2小リブ106b同士及び第2小リブ108b同士も同様)は、第1リブ104や前記リブセット70等と同一のピッチP1で配列されているが、第1小リブ106a及び第2小リブ106b(第1小リブ108a及び第2小リブ108bも同様)は、ピッチP1の半ピッチとなるピッチP2だけずれている。換言すれば、リブセット106、108において、互いに対向する第1小リブ106a及び第1小リブ108a(第2小リブ106b及び第2小リブ108b)は、第2筒状部58の軸線方向での位相が同一位相であって、周方向で隣り合う第1小リブ106a及び第2小リブ106b(第1小リブ108a及び第2小リブ108b)は、前記軸線方向での位相が半ピッチ分ずれている。
このようなリブセット106(108)のリブ通路74に臨む端部、つまり第1小リブ106a、108a及び第2小リブ106b、108bのリブ通路74に臨む側の端部には、第2筒状部58の軸線方向で先端側に向かって狭幅となる傾斜面(第2傾斜面)114が形成されている。傾斜面114は、第1リブ104の傾斜面112が互いに摺動しながら容易に乗り越え可能な形状である。
従って、本実施形態に係る薬剤注入具100では、例えば、第2押し子40を圧力発生室18内に押し込んで吐出口20から薬剤を吐出した後、加圧部シリンダ34と第1押し子38とを近づけて圧力発生室18内に中空ガスケット36を進動させる際には、加圧部シリンダ34と第1押し子38とを互いにねじるように逆方向に回転させる。そうすると、第1リブ104が、第1小リブ106a、108aに係合した状態から、リブ通路74に対応した状態、さらに第2小リブ106b、108bに係合した状態へと、順次切り替わりながら、加圧部シリンダ34と第1押し子38とを前記ピッチP2ずつ近接させることができる。
そこで、次に、図10〜図12を参照して、薬剤注入具100を構成する係合機構110による加圧部シリンダ34と第1押し子38の間の係合動作及び移動動作について、より具体的に説明する。
図10は、加圧部シリンダ34が第1押し子38の筒状空間60内に挿入された状態における図9中のX―X線に沿う位置での断面図を示している。図10〜図12では、説明の便宜上、加圧部シリンダ34が挿入された第1押し子38の筒状空間60を周方向に8分割して角度θ1〜角度θ8を付している。すなわち、図10〜図12では、第2筒状部58を回転方向で固定して図示しており、例えば、角度θ1〜θ2間に第1小リブ106aが配置され、角度θ2〜θ3間に第2小リブ106bが配置され、角度θ3〜θ5間(θ7〜θ1間)にリブ通路74が配置されている。
先ず、図10に示すように、第1リブ104がリブ通路74に対応した位置(図12の位置(1))にある状態から、図11Aに示すように、第1リブ104(加圧部シリンダ34)を反時計回りに回転させる。そうすると、各第1リブ104の各傾斜面112、112が、各リブセット106、108の第1小リブ106a、108aの傾斜面114、114をそれぞれ乗り越えた後、第2小リブ106b、108bのリブセット106、108の内側にある傾斜面114がないストッパ端部116に当接し、加圧部シリンダ34のそれ以上の回転が停止される。その結果、第1リブ104が、図12中の位置(1)から位置(2)まで移動して停止すると共に、加圧部シリンダ34と第1押し子38とがピッチP2分だけ近づいて互いに係合し、軸線方向に固定される。つまり、各第1リブ104は、それぞれ角度θ4〜θ6間及びθ8〜θ2間に配置され、第1リブ104が第1小リブ106a、108aに係合する。
続いて、このように第1リブ48が図12中の位置(2)にある状態から、図11Bに示すように、第1リブ104(加圧部シリンダ34)を時計回りに回転させる。そうすると、各第1リブ104の各傾斜面112、112が、各リブセット106、108の第2小リブ106b、108bの傾斜面114、114をそれぞれ乗り越えた後、第1小リブ106a、108aのストッパ端部116に当接し、加圧部シリンダ34のそれ以上の回転が停止される。その結果、第1リブ104が、図12中の位置(2)から位置(3)まで移動して停止すると共に、加圧部シリンダ34と第1押し子38とがピッチP2分だけ近づいて互いに係合し、軸線方向に固定される。つまり、各第1リブ104は、それぞれ角度θ2〜θ4間及びθ6〜θ8間に配置され、第1リブ104が第2小リブ106b、108bに係合する。
次いで、第1リブ48が図12中の位置(3)にある状態から、再び第1リブ104を反時計回りに回転させた場合には、第1リブ104は再び図11Aに示す位置(図12中の位置(4))に設定されて第1小リブ106a、108aと係合し、以降は、加圧部シリンダ34と第1押し子38とを互いに時計回り・反時計回りに交互に回転させることで、加圧部シリンダ34と第1押し子38とを軸線方向で次第に近づけながら固定することができる。
以上のように、本実施形態に係る薬剤注入具100によれば、上記第1の実施形態に係る薬剤注入具10の作用効果に加えて、さらに、加圧部シリンダ34と第1押し子38とを略180°ずつ時計回り・反時計回りに交互に回転する(ねじる)ことにより、加圧部シリンダ34と第1押し子38とをピッチP1の半ピッチ分のピッチP2ずつ近接させつつ、固定することができる。このため、第1リブ104とリブセット106、108との位置関係を考慮することなく、手先のみの感覚的な操作で容易に且つ確実に加圧部シリンダ34と第1押し子38とを引き寄せて、中空ガスケット36を圧力発生室18内で進動させることができる。
勿論、薬剤注入具100についても、第1リブ104をリブ通路74に対応させた状態に設定し、この状態で加圧部シリンダ34と第1押し子38とを互いに引き寄せことにより、通常のシリンジ等と同様に薬剤を一度に吐出するような使用方法も用いることができる。
本発明は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成乃至工程を採り得ることは勿論である。
例えば、第1リブ48、104や第2リブであるリブセット70、72、106、108は、周方向で二対以上設けてもよく、また周方向で一対設けずに1枚だけ又は3枚以上としてもよい。
第1リブ48、104又はリブセット70、72、106、108は、筒状部44の軸線方向で、それぞれ一方を1枚のみとしてもよいが、加圧部シリンダ34と第1押し子38との係合強度や係合時の安定性等を考慮すると、両者とも複数枚設置しておくことが好ましい。
また、薬剤吐出部14の構成は、図1等に示す構成以外であってもよく、要は圧力発生部16からの圧力作用により、薬剤吐出口から薬剤を適切に吐出可能なものであればよく、例えば、図13に示す構成とすることもできる。
図13は、変形例に係る薬剤吐出部120を示す一部省略断面側面図である。図13に示すように、薬剤吐出部120は、図1及び図2に示す薬剤吐出部14と比べて、筒体24の代わりに第1筒体122及び第2筒体124を備える。
第1筒体(筒体)122は、その基端の液体19の流入口31にフレキシブルチューブ12の先端が連結されると共に、作動室30を形成するガスケット(副ガスケット)126の先端側がロッド128に連結されている。ロッド128は、作用室127内にあり、第2押し子40等と同様な素材で硬質に形成され、ガスケット126とインサート成形等により連結されている。
第2筒体(薬剤容器)124は、吐出口20を先端に設けると共に、吐出口20とキャップ兼用ガスケット130との間に薬剤(骨セメント)を貯留した薬剤室129を形成している。第2筒体124の基端は、第1筒体122先端のスカート部(薬剤容器接続部)132に着脱可能に構成されており、つまり、第2筒体124は、キャップ兼用ガスケット130がキャップとして機能し、第1筒体122に対して交換可能な薬剤容器(薬剤カートリッジ)として機能する。キャップ兼用ガスケット130は、基端側に開口した取付穴130aを有し、第2筒体124を第1筒体122に連結する際、ロッド128の先端が取付穴130aに挿入され、該ロッド128に連結される。
このような薬剤吐出部120についても、薬剤吐出部14と略同様に動作するものであり、圧力発生部16からの圧力が第1筒体122の作動室30に作用すると、ガスケット126が連結されたロッド128が進動し、ロッド128に連結されたキャップ兼用ガスケット130が第2筒体124内を進動することにより、薬剤室129内の薬剤を吐出口20から吐出することができる。つまり、薬剤吐出に係る副ガスケットとして機能するガスケット126及びキャップ兼用ガスケット130がロッド128で連結されることで、薬剤室129側に接続される第2筒体124内に進入可能なプランジャとして一体的に機能することにより、圧力発生部16側から液体19を介して作用する圧力により薬剤を吐出することができる。このような薬剤吐出部120を用いることにより、吐出する薬剤種類や被注入空間の容積に適した種類や容量の薬剤容器を容易に交換・使用することができ、当該薬剤注入具10(100)の汎用性や利便性を一層向上させることができる。
10、100…薬剤注入具 12…フレキシブルチューブ
14、120…薬剤吐出部 16…圧力発生部
18…圧力発生室 20…吐出口
24…筒体 26…浮動ガスケット
28、127…作用室 30…作動室
34…加圧部シリンダ 36…中空ガスケット
38…第1押し子 39…摺動孔
40…第2押し子 42、110…係合機構
44…筒状部 48、104…第1リブ
56…第1筒状部 58…第2筒状部
60…筒状空間 70、72、106、108…リブセット
70a、72a、106a、108a…第1小リブ
70b、72b、106b、108b…第2小リブ
74…リブ通路 112、114…傾斜面

Claims (12)

  1. 筒体の基端側に流体の流入口を有し、液密に摺動可能な副ガスケットによって前記筒体内が前記流体の流入側の作動室と先端側の作用室とに仕切られた薬剤吐出部と、
    前記作動室に作用する圧力を前記流体を介して発生する圧力発生室を有し、前記圧力により前記副ガスケットを進動させて薬剤を吐出させる圧力発生部と、
    を備えた薬剤注入具であって、
    前記圧力発生部は、前記圧力発生室を内部に設けた加圧部シリンダと、
    前記加圧部シリンダ内を液密に摺動することで前記圧力発生室の容積を規定する主ガスケットを設けた第1押し子と、
    前記第1押し子内を挿通すると共に、前記主ガスケットの摺動方向に貫通形成された摺動孔に液密に摺動可能であり、前記圧力発生室内に先端頭部が押し込まれることで該圧力発生室内に前記圧力を発生させる第2押し子と、
    を有し、
    前記加圧部シリンダ及び前記第1押し子は、その軸線方向で所定ピッチ毎に互いに固定及び固定解除が可能な係合機構を介して連結されることを特徴とする薬剤注入具。
  2. 請求項1記載の薬剤注入具において、
    前記作動室から前記圧力発生室までが、前記圧力発生部で発生する圧力によっては実質的に圧縮されない非圧縮性流体で満たされていることを特徴とする薬剤注入具。
  3. 請求項1又は2記載の薬剤注入具において、
    前記加圧部シリンダは、先端側で前記作動室に連通されると共に、基端側に前記主ガスケットが挿入される開口端が形成された筒状部を有し、
    前記第1押し子は、先端側に前記主ガスケットが固定されて前記筒状部に挿通可能な第1筒状部と、該第1筒状部の外径方向に所定間隔を挟んで同軸で設けられることにより、該第1筒状部との間に前記筒状部が挿通可能な筒状空間を形成する第2筒状部とを有することを特徴とする薬剤注入具。
  4. 請求項3記載の薬剤注入具において、
    前記係合機構は、前記加圧部シリンダの前記筒状部の外周面に設けられ、該外周面の周方向の一部から外径方向に突出した第1リブと、
    前記第1押し子の前記第2筒状部の内周面に該第2筒状部の軸線方向で所定ピッチを有して複数設けられ、前記内周面の周方向の一部から前記筒状空間へと突出することにより、前記第2筒状部の軸線方向で前記第1リブと前記所定ピッチ毎に係合可能な第2リブと、
    を有し、
    前記筒状空間には、前記第2筒状部の軸線方向に向けて前記第1リブが前記第2リブの側方を通過可能なリブ通路が形成されていることを特徴とする薬剤注入具。
  5. 請求項4記載の薬剤注入具において、
    前記第1リブは、前記筒状部の外周面の一部を外径方向に拡径した板状部材であると共に、前記筒状部の直径方向で対向して少なくとも一対設けられ、
    前記第2リブは、前記第2筒状部の内周面の一部を内径方向に縮径した板状部材であると共に、前記第2筒状部の直径方向で対向して少なくとも一対設けられ、
    前記リブ通路は、前記対向する前記第2リブの間に形成されていることを特徴とする薬剤注入具。
  6. 請求項5記載の薬剤注入具において、
    前記第2リブは、前記第1リブの周方向長さよりも短く形成された第1小リブ及び第2小リブを前記第2筒状部の内周面の周方向に並べたリブセットが、前記第2筒状部の直径方向で対向して一対設けられており、
    前記対向したリブセット間では、前記第1小リブ同士及び前記第2小リブ同士がそれぞれ対向して配置され、
    前記第2筒状部の軸線方向において、前記第1小リブ同士の間及び前記第2小リブ同士の間はそれぞれ前記第1リブが係合可能な前記所定ピッチに設定され、前記第1小リブと前記第2小リブとの間は前記所定ピッチの半ピッチで設定されていることを特徴とする薬剤注入具。
  7. 請求項6記載の薬剤注入具において、
    前記筒状部の周方向での前記第1リブの両端部には、前記筒状部の軸線方向で基端側に向かって狭幅となる第1傾斜面が形成され、
    前記リブセットを構成する前記第1小リブ及び前記第2小リブの前記リブ通路に臨む端部には、前記第2筒状部の軸線方向で先端側に向かって狭幅となり、前記第1傾斜面が摺動して乗り越え可能な第2傾斜面がそれぞれ形成されていることを特徴とする薬剤注入具。
  8. 請求項3〜7のいずれか1項に記載の薬剤注入具において、
    前記第1リブは、前記第2筒状部の軸線方向で所定ピッチを有して複数設けられ、各第1リブは各第2リブに同時に係合可能であることを特徴とする薬剤注入具。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の薬剤注入具において、
    前記筒体の作用室に薬剤吐出口を有することを特徴とする薬剤注入具。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の薬剤注入具において、
    前記筒体の先端部に薬剤容器接続部を有し、前記副ガスケットは、前記作用室側に接続される薬剤容器内に進入可能なプランジャを有することを特徴とする薬剤注入具。
  11. 請求項2〜10のいずれか1項に記載の薬剤注入具において、
    前記薬剤吐出部の前記作動室と前記圧力発生部の前記圧力発生室とを連通する可撓性チューブを有し、
    前記作動室、前記圧力発生室及び前記可撓性チューブの内部が、前記非圧縮性流体で満たされていることを特徴とする薬剤注入具。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の薬剤注入具において、
    前記薬剤は、骨内に注入される骨セメントであることを特徴とする薬剤注入具。
JP2009224687A 2009-09-29 2009-09-29 薬剤注入具 Active JP5385074B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009224687A JP5385074B2 (ja) 2009-09-29 2009-09-29 薬剤注入具
EP10820510.5A EP2484312A4 (en) 2009-09-29 2010-09-28 DEVICE FOR MEDICATION INFUSION
PCT/JP2010/066795 WO2011040395A1 (ja) 2009-09-29 2010-09-28 薬剤注入具
CN201080039623XA CN102481192A (zh) 2009-09-29 2010-09-28 药剂注入装置
US13/433,534 US20120191102A1 (en) 2009-09-29 2012-03-29 Medicine injection device and method

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009224687A JP5385074B2 (ja) 2009-09-29 2009-09-29 薬剤注入具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011072386A true JP2011072386A (ja) 2011-04-14
JP5385074B2 JP5385074B2 (ja) 2014-01-08

Family

ID=43826210

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009224687A Active JP5385074B2 (ja) 2009-09-29 2009-09-29 薬剤注入具

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20120191102A1 (ja)
EP (1) EP2484312A4 (ja)
JP (1) JP5385074B2 (ja)
CN (1) CN102481192A (ja)
WO (1) WO2011040395A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013171922A1 (ja) * 2012-05-17 2013-11-21 テルモ株式会社 薬剤注入具

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9782254B2 (en) 2013-02-21 2017-10-10 Singapore Health Services Pte Ltd Device for single handled injection of an intraocular lens
US9572928B2 (en) * 2013-03-13 2017-02-21 MRI Interventions, Inc. Substance delivery devices, systems and methods
US9498575B2 (en) * 2013-03-14 2016-11-22 MRI Interventions, Inc. Substance delivery devices, systems and methods
US20150335817A1 (en) * 2014-05-24 2015-11-26 Bio Health Frontiers, Incorporated Pump apparatus, system and method of use
US10098682B2 (en) * 2014-06-16 2018-10-16 Medtronic Holding Company Sárl High pressure remote delivery system for cement and methods of use
KR102541205B1 (ko) * 2015-02-20 2023-06-09 리제너론 파아마슈티컬스, 인크. 주사기 시스템, 피스톤 시일 시스템, 스토퍼 시스템 및 사용 방법 및 조립체
CN111278485B (zh) 2017-08-30 2021-12-21 比罗埃特医药有限责任公司 紧凑型自动注射器
WO2019071129A1 (en) 2017-10-05 2019-04-11 Pirouette Medical LLC PROTECTIVE HOUSING FOR A SELF-INJECTOR
US10961673B2 (en) * 2017-12-04 2021-03-30 Abbas Nejati Retractable speed bump and a method for retracting a speed bump
CN113494680B (zh) * 2020-04-07 2023-05-12 添可智能科技有限公司 通路切换装置、液体供给系统和通路切换方法
CN114712659B (zh) * 2022-04-20 2023-03-10 常州赛乐医疗技术有限公司 一种液压驱动型麻醉助推仪

Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2515956A (en) * 1949-01-21 1950-07-18 Charles J Greenberg Syringe
US2561273A (en) * 1949-12-21 1951-07-17 Clark H Hamilton Microchemist's syringe
US3985122A (en) * 1975-06-04 1976-10-12 Medical Development Corporation Multi-piston syringe device
JPS59141956A (ja) * 1983-01-23 1984-08-14 アミア− ポラト 注射器
JPH02193677A (ja) * 1988-10-03 1990-07-31 Ken Heimreid 計量/混合注射器
JPH05237195A (ja) * 1991-11-29 1993-09-17 Sergej Mikhailovich Masurik 注射筒
JPH10506557A (ja) * 1995-05-16 1998-06-30 アメリカン・メディカル・システムズ・インコーポレーテッド デュアルアクション注射器
JP2000271218A (ja) * 1999-03-19 2000-10-03 Arzneimittel Gmbh Apotheker Vetter & Co Ravensburg 医療用注射器
JP2002527210A (ja) * 1998-10-21 2002-08-27 ビディ メディコ エッセ.ア.エッレ.エレ. 注射液の再構成方法およびこの種の方法を実施するための注射装置
JP2004507312A (ja) * 2000-07-14 2004-03-11 カイフォン インコーポレイテッド 椎体を処置するためのシステムおよび方法
US20040260303A1 (en) * 2003-06-17 2004-12-23 Carrison Harold F. Apparatus and methods for delivering compounds into vertebrae for vertebroplasty
US20050070915A1 (en) * 2003-09-26 2005-03-31 Depuy Spine, Inc. Device for delivering viscous material
US20070027230A1 (en) * 2004-03-21 2007-02-01 Disc-O-Tech Medical Technologies Ltd. Methods, materials, and apparatus for treating bone and other tissue
US20070093759A1 (en) * 2005-09-26 2007-04-26 Isotis Orthobiologics, Inc. High viscosity material delivery system

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5238522Y2 (ja) * 1971-07-27 1977-09-01

Patent Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2515956A (en) * 1949-01-21 1950-07-18 Charles J Greenberg Syringe
US2561273A (en) * 1949-12-21 1951-07-17 Clark H Hamilton Microchemist's syringe
US3985122A (en) * 1975-06-04 1976-10-12 Medical Development Corporation Multi-piston syringe device
JPS59141956A (ja) * 1983-01-23 1984-08-14 アミア− ポラト 注射器
JPH02193677A (ja) * 1988-10-03 1990-07-31 Ken Heimreid 計量/混合注射器
JPH05237195A (ja) * 1991-11-29 1993-09-17 Sergej Mikhailovich Masurik 注射筒
JPH10506557A (ja) * 1995-05-16 1998-06-30 アメリカン・メディカル・システムズ・インコーポレーテッド デュアルアクション注射器
JP2002527210A (ja) * 1998-10-21 2002-08-27 ビディ メディコ エッセ.ア.エッレ.エレ. 注射液の再構成方法およびこの種の方法を実施するための注射装置
JP2000271218A (ja) * 1999-03-19 2000-10-03 Arzneimittel Gmbh Apotheker Vetter & Co Ravensburg 医療用注射器
JP2004507312A (ja) * 2000-07-14 2004-03-11 カイフォン インコーポレイテッド 椎体を処置するためのシステムおよび方法
US20040260303A1 (en) * 2003-06-17 2004-12-23 Carrison Harold F. Apparatus and methods for delivering compounds into vertebrae for vertebroplasty
US20050070915A1 (en) * 2003-09-26 2005-03-31 Depuy Spine, Inc. Device for delivering viscous material
US20070027230A1 (en) * 2004-03-21 2007-02-01 Disc-O-Tech Medical Technologies Ltd. Methods, materials, and apparatus for treating bone and other tissue
US20070093759A1 (en) * 2005-09-26 2007-04-26 Isotis Orthobiologics, Inc. High viscosity material delivery system

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013171922A1 (ja) * 2012-05-17 2013-11-21 テルモ株式会社 薬剤注入具
WO2013171886A1 (ja) * 2012-05-17 2013-11-21 テルモ株式会社 薬剤注入具
JPWO2013171922A1 (ja) * 2012-05-17 2016-01-07 テルモ株式会社 薬剤注入具

Also Published As

Publication number Publication date
CN102481192A (zh) 2012-05-30
JP5385074B2 (ja) 2014-01-08
EP2484312A4 (en) 2014-08-06
EP2484312A1 (en) 2012-08-08
US20120191102A1 (en) 2012-07-26
WO2011040395A1 (ja) 2011-04-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5385074B2 (ja) 薬剤注入具
JP6912575B2 (ja) 携帯型注入システム初期化
CN102245230B (zh) 药物传送装置
JP5269142B2 (ja) 流動性の材料を適用するためのカートリッジシステム
US20080203112A1 (en) System for Storing and Dispensing of a Substance
CZ20023823A3 (cs) Lékařská sestava
WO2006070961A2 (en) Pedicle screw and device for injecting bone cement into bone
EA004097B1 (ru) Медицинское устройство
JP7405741B2 (ja) 分離した充填および送達のための摺動式シリンジキャップ
KR20160107191A (ko) 주사 기구
JP5409614B2 (ja) 再使用防止機構を含む注射器組立体
EP3020343B1 (en) Application tool
WO2012066905A1 (ja) 薬剤注入具
JP6023185B2 (ja) 薬剤注入具
AU2016249965B2 (en) System, device and method for delivery of biomaterials for fracture fixation
US20210361872A1 (en) Device and method for mixing liquids
WO2013141187A1 (ja) 薬剤注入具
WO2013141188A1 (ja) 薬剤注入具
US11679002B2 (en) Bone graft material loading assembly and associated devices, systems, and methods
CN106492333B (zh) 一种医用肌肉融合注射装置
KR20180037184A (ko) 유압 압출 시스템
JP2015066070A (ja) 薬剤注入具
JP2003102740A (ja) 骨充填材注入器具
JP2014057780A (ja) 薬剤注入具

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120809

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130903

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131003

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5385074

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250