JP2011072135A - 電流差動保護継電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】検出感度上の制約を緩和し、各端子に設置される保護継電装置の特性を同じものとして、各端子で同時遮断を可能とする電流差動保護継電装置を提供する。
【解決手段】動作判定手段113は、差電流Idと抑制量Σ|I|を用いて、上記[数3]式が成立するかにより、動作の有無を判定する。距離継電器要素120では、インピーダンス算出手段121が、各相の差電流Idと自端子電圧を用いてインピーダンスを算出する。インピーダンス判定手段122が、インピーダンス算出手段121により算出されたインピーダンスの大きさが上記[数5]の条件式を具備するかを判定する。AND回路130は、インピーダンス判定手段122により上記[数5]の条件式を満たすと判定され、かつ、上記保護継電器要素110において動作判定手段113により動作と判定された場合には、当該保護継電器要素110の動作の出力を許可する。
【選択図】図1
【解決手段】動作判定手段113は、差電流Idと抑制量Σ|I|を用いて、上記[数3]式が成立するかにより、動作の有無を判定する。距離継電器要素120では、インピーダンス算出手段121が、各相の差電流Idと自端子電圧を用いてインピーダンスを算出する。インピーダンス判定手段122が、インピーダンス算出手段121により算出されたインピーダンスの大きさが上記[数5]の条件式を具備するかを判定する。AND回路130は、インピーダンス判定手段122により上記[数5]の条件式を満たすと判定され、かつ、上記保護継電器要素110において動作判定手段113により動作と判定された場合には、当該保護継電器要素110の動作の出力を許可する。
【選択図】図1
Description
本発明は、分岐負荷を有する送電線に対して特性差の生じない電流差動保護継電装置に関する。
一般に、分岐負荷のある系統に電流差動保護継電装置を適用する場合には、全端に電流差動保護継電装置を設置することが望ましい。しかしながら、設置コスト等の要因により、主要な端子のみに電流差動継電器を設置し、純粋な負荷となり得る分岐負荷等に対しては電流差動継電器を設置しない場合がある。
このような送電線の場合は、分岐負荷端子の変圧器のインラッシュ電流や分岐負荷端子の変圧器二次側事故などで電流差動継電器が動作しないように、動作感度を低下させておく等の対策を必要とする。このような分岐負荷対策としては、例えば、特許文献1のような、何らかのインラッシュ検出手段の動作により、通常の高感度側差動継電器要素をロックし、低感度側差動継電器要素を一定時間のみ動作させてインラッシュ電流による誤動作を避ける方法が提案されている。
また、インラッシュ時や変圧器二次側事故では、保護継電装置設置端子の電圧が、通常の保護区間内送電線事故などに比べて低下しにくいことから、非特許文献1のような、電圧レベルに応じて電流差動継電器の検出感度を、電圧が高ければ低感度に、電圧が低ければ高感度に変化させる電圧抑制特性を持たせる対策などが提案されている。
電気学会技術報告 第1006号「負荷供給系統保護リレーシステムの現状とその動向」P−107(2)PCM電流差動リレーの項
ところで、上記のような方法では、いずれも感度上の制約や、電流差動保護継電装置の設置されている各端子の電流・電圧の分布が異なることにより、対向端子との特性差が生じることから全端同時に動作できるとは限らないでいた。
本発明は、上記のような課題を解消するために提案されたものであって、その目的は、検出感度上の制約を緩和し、各端子に設置される保護継電装置の特性を同じものとして、当該各端子で同時遮断を可能とする電流差動保護継電装置を提供することにある。
上述した目的を達成するために、本発明は、三相交流電力系統の分岐負荷及び分岐負荷変圧器を有する送電線を保護する電流差動保護継電装置であって、各端子間で当該各端子の電流及び電圧情報を含む伝送情報を送受信する通信手段を有し、前記送電線の各端子の電流値のベクトル和である差電流と当該電流値のスカラー和である抑制量に基づいて動作判定を行う電流差動保護継電部と、自端子電圧を前記差電流で除算することにより差電流インピーダンスを算出するインピーダンス算出手段と、前記インピーダンス算出手段により算出された差電流インピーダンスが下記[数5]([発明の実施するための形態]参照。)の条件を満たすかどうかを判定するインピーダンス判定手段と、を有する距離継電部と、を備え、前記電流差動保護継電部は、当該電流差動保護継電部で動作と判定され、かつ、前記距離継電部のインピーダンス判定手段により[数5]の条件を満たすと判定された場合に、当該動作を出力することを特徴とする。
以上のような本発明によれば、電流差動保護継電部による動作判定だけでなく、送電線外部事故時の分岐負荷に流れる電流を考慮したり、距離継電部により算出したインピーダンスの大きさを基に、分岐負荷インラッシュを避けるようにαを1以下の係数とする下記[数5]の動作式を採用することにより、感度上の制約を緩和することができ、各電流差動保護継電装置の特性を同じものとして、各端子における同時遮断を可能とする。
[本実施形態]
[1.第1の実施形態]
[1.1.構成]
次に、本発明の第1の実施形態に係る電流差動保護継電装置の構成を、図1〜3を参照して以下に説明する。なお、図1は、A端子、B端子、分岐負荷端子の3端子構成の送電線を示したものである。図2は、第1の実施形態に係る各端子の電流差動保護継電装置の構成例を示している。図3は、インランシュ電流発生時の送電線のインピーダンスを示す図を示している。
[1.第1の実施形態]
[1.1.構成]
次に、本発明の第1の実施形態に係る電流差動保護継電装置の構成を、図1〜3を参照して以下に説明する。なお、図1は、A端子、B端子、分岐負荷端子の3端子構成の送電線を示したものである。図2は、第1の実施形態に係る各端子の電流差動保護継電装置の構成例を示している。図3は、インランシュ電流発生時の送電線のインピーダンスを示す図を示している。
[1.1.1.全体構成の概略]
まず、第1の実施形態に係るシステム全体の概略構成を説明する。図1に示す通り、A端子、B端子、分岐負荷端子からなる3端子のうち、A端子とB端子に電流差動保護継電装置100を設け、各電流差動保護継電装置100は通信手段500により互いに繋がっている。また、各保護継電装置100は、自端子の電流を取得する電流取得手段200と電圧を取得する電圧取得手段300が接続され、当該電流及び電圧を取得し、さらには、前記通信手段500を通じて、他端子の電流差動保護継電装置100に送信する。
まず、第1の実施形態に係るシステム全体の概略構成を説明する。図1に示す通り、A端子、B端子、分岐負荷端子からなる3端子のうち、A端子とB端子に電流差動保護継電装置100を設け、各電流差動保護継電装置100は通信手段500により互いに繋がっている。また、各保護継電装置100は、自端子の電流を取得する電流取得手段200と電圧を取得する電圧取得手段300が接続され、当該電流及び電圧を取得し、さらには、前記通信手段500を通じて、他端子の電流差動保護継電装置100に送信する。
なお、各端子のインピーダンスについて説明しておく。まず、各端子からの分岐負荷に繋がる分岐点までのインピーダンスはZA,ZBで表される。分岐端子においては、インピーダンスがZTで表される変圧器400が設けられ、当該変圧器400を介して二次側に分岐負荷を有している。送電線のインピーダンスはZLで表され、ZL=ZA+ZBが成立し、分岐負荷端子に設けられた変圧器400のインピーダンスZTとは、ZL<<ZTの関係を一般的に有している。
[1.1.2.電流差動保護継電装置の構成]
次に、図2を参照して、第1の実施形態に係る各端子の保護継電装置100の構成を説明する。ブロック回路構成としては、図2に示す通り、電流差動保護継電器要素110と距離継電器要素120がAND回路130に接続され、論理積が出力される。
次に、図2を参照して、第1の実施形態に係る各端子の保護継電装置100の構成を説明する。ブロック回路構成としては、図2に示す通り、電流差動保護継電器要素110と距離継電器要素120がAND回路130に接続され、論理積が出力される。
電流差動保護継電器要素110は、自端子で取得した電流IA又はIBの大きさを通信手段500を介して互いに送受信することができ、また、下記のような機能を有している。すなわち、自端子の電流値と他端子の電流値よりベクトル加算した差電流Id([数1]参照。)を演算する差電流算出手段111と、自端子の電流値と他端子の電流値をスカラ加算したΣ|I| ([数2]参照。)を演算する抑制量算出手段112と、を備えている。
加えて、この電流差動保護継電器要素110の動作判定回路として、差電流Idと抑制量Σ|I|を用いて、下記[数3]式が成立するかにより、動作の有無を判定する動作判定手段113を備えている。すなわち、保護継電器要素110は、動作判定手段113による判定処理を通じて、差電流Idの大きさに応じて動作する。
また、距離継電器要素120は、各相の差電流Idと自端子電圧を用いてインピーダンスを算出するインピーダンス算出手段121と、当該インピーダンス算出手段121により算出されたインピーダンスの大きさが後述する所定の条件式を具備するかを判定するインピーダンス判定手段122と、を備えている。
インピーダンス算出手段121は、例えば、A端子であれば、下記[数4]式に基づいてインピーダンスを算出する。
インピーダンス判定手段122は、インピーダンス算出手段121により算出された差電流インピーダンスZA(以下、Zと称する。)が、送電線のインピーダンスZTとの関係で、下記[数5]の条件式の要件を満たすかを判定する。
[数5]
Z<αZT
ここで、α≦1
Z<αZT
ここで、α≦1
なお、停止している送電線の電源端子側から遮断器を投入して試充電を行う際、送電線と一緒に分岐負荷端子の変圧器400も同時に加圧される場合には、当該変圧器400に励磁突入電流(インラッシュ電流)が流れる。このインラッシュ電流は、通常分岐負荷端子に流れる変圧器400の定格電流Inよりも大きい4In〜8Inの電流が流れることから、インランシュ電流発生時に各端子で計測されるインピーダンスZをインピーダンス平面に描くと、図3に示すような、1/4ZT〜1/8ZT付近の軌跡で表される。そのため、インラッシュ電流発生時には、上記[数5]式のαには1/4〜1/8より小さい係数を採用する必要がある。
また、上記電流差動保護継電器要素110と距離継電器要素120の出力をAND条件で繋ぐAND回路130は、保護継電器要素110の動作判定手段113が動作と判定し、かつ、距離継電器要素120のインピーダンス判定手段122が上記[数5]の条件式が成立すると判定した場合に、当該保護継電器要素110の動作出力を許可する手段に相当する。すなわち、本発明では、保護継電器要素110の動作判定手段113による動作判定と共に、この距離継電器要素120のインピーダンス判定手段122によるインピーダンス判定により、当該保護継電器要素110の動作出力の可否を判断する。
[1.2.作用効果]
次に、上記のような構成を有する電流差動保護継電装置100の動作判定手順を以下に説明する。特に、本発明では、保護継電器要素110の動作判定手段113による動作判定と共に、距離継電器要素120で算出されたインピーダンスの大きさに応じて、当該保護継電器要素110の動作出力の許可を判断する点に特徴を有する。
次に、上記のような構成を有する電流差動保護継電装置100の動作判定手順を以下に説明する。特に、本発明では、保護継電器要素110の動作判定手段113による動作判定と共に、距離継電器要素120で算出されたインピーダンスの大きさに応じて、当該保護継電器要素110の動作出力の許可を判断する点に特徴を有する。
まず、保護継電器要素110の差電流算出手段111は、自端子の電流値と他端子の電流値よりベクトル加算した差電流Idを算出し、抑制量算出手段112は、自端子の電流値と他端子の電流値をスカラ加算した抑制量を算出する。そして、動作判定手段113が、差電流Idと抑制量Σ|I|を用いて、上記[数3]式が成立するかにより、動作の有無を判定する。
動作判定手段113は、上記[数3]式が成立すると判定した場合には、保護継電器要素110を動作とし、上記[数3]式が成立しないと判定した場合には、不動作とする。
一方、図2に示したように、第1の実施形態では、この保護継電器要素110の動作出力は、AND回路130において、距離継電器要素120によるインピーダンスの大きさの判定結果に基づき許可されるので、以下では、AND回路130による出力許可するための距離継電器要素120のインピーダンス算出及び判定手順を説明する。
まず、距離継電器要素120では、インピーダンス算出手段121が、各相の差電流Idと自端子電圧を用いてインピーダンスを算出する。そして、インピーダンス判定手段122が、インピーダンス算出手段121により算出されたインピーダンスの大きさが上記[数5]の条件式を具備するかを判定する。
電流差動保護継電器要素110と距離継電器要素120がAND条件で繋がれるAND回路130は、インピーダンス判定手段122により上記[数5]の条件式を満たすと判定され、かつ、上記保護継電器要素110において動作判定手段113により動作と判定された場合には、当該保護継電器要素110の動作の出力を許可する。一方、たとえ保護継電器要素110において動作判定手段113により動作と判定された場合であっても、インピーダンス判定手段122により上記[数5]の条件式が満たさないと判定されれば、当該保護継電器要素110の動作は出力されない。
ここで、各事故点に応じた電流とインピーダンスの関係を説明する。まず、送電線外部事故の場合には、故障電流は通過電流となることから分岐負荷端子の負荷電流ILが差電流Idとなるが、そもそも保護継電器要素110の最小動作感度Ikoは定常時の負荷電流で動作しない感度とするので、当該保護継電器要素110は動作しない。すなわち、この場合の差電流IdはILであるから、保護継電器要素110の動作判定手段113は、上記[数3]式が成立しないと判定し、そのため、保護継電装置100は不動作となる。
なお、B端子至近外部事故の場合で言えば、インピーダンスZは、例えば、図4に示すような片端電源系統において、保護継電器要素110の動作感度をIkoとし、故障電流をIFとすると、距離継電器要素120により下記のように算出され大きさが判定される。
[数6]
A端子電圧は、VA=ZL・IF
B端子電圧は、VB≒0
ここで、負荷電流IL<Ikoとし、
差電流Id=負荷電流IL
A端子電圧は、VA=ZL・IF
B端子電圧は、VB≒0
ここで、負荷電流IL<Ikoとし、
差電流Id=負荷電流IL
上記[数6]式によれば、IL=VA/(負荷インピーダンス+ZT)あることを考慮すると、そもそも保護継電器要素110は不動作であると共に、インピーダンスZ=(負荷インピーダンス+ZT)>αZTとなるため、上記[数5]の条件式は成立しない。これにより、インピーダンスZの大きさからも距離継電器要素120は不動作である点が理解できる。
一方、送電線外部事故以外の送電線内部事故及び分岐負荷端子事故の場合には、差動電流Idが保護継電器要素110の最小動作感度Iko以上、すなわち上記[数3]式を具備すると、保護継電器要素110は動作するが、下記に示すとおり、距離継電器120の動作可否に基づいて、当該保護継電器要素110の動作出力の有無が決定される。
送電線内部事故の場合には、距離継電器要素120のインピーダンス算出手段121により算出されるインピーダンスZは0〜ZL付近となり、距離継電器120のインピーダンス判定手段122は上記[数5]式が成立すると判定する。例えば、図4に示すような片端電源系統におけるA端子至近内部事故の場合には、距離継電器要素120はインピーダンスZを下記のように算出し大きさを判定する。
[数7]
A端子電圧VA≒VB≒0
故障電流IF>Ikoとし、
差電流Id=故障電流IF
A端子電圧VA≒VB≒0
故障電流IF>Ikoとし、
差電流Id=故障電流IF
上記[数7]によれば、インピーダンスZ≒0<αZTの関係が導き出せるため、インピーダンス判定手段122は、上記[数5]式が成立すると判定し、電流差動保護継電器要素110の動作出力はAND回路130を介して許可される。
また、B端子至近内部事故の場合には、距離継電器要素120によりインピーダンスZが下記のように算出され大きさが判定される。
[数8]
A端子電圧 VA=ZL・IF
B端子電圧 VB≒0
故障電流IF>Ikoとし、
差電流Id=故障電流IF+負荷電流IL
A端子電圧 VA=ZL・IF
B端子電圧 VB≒0
故障電流IF>Ikoとし、
差電流Id=故障電流IF+負荷電流IL
上記[数8]によれば、IL=VA/(負荷インピーダンス+ZT)であることを考慮すると、インピーダンスZ<ZL<αZTとなるため、インピーダンス判定手段122は上記[数5]式が成立すると判定し、電流差動保護継電器要素110の動作出力はAND回路130を介して許可される。
また、分岐負荷変圧器400の二次側故障の場合には、距離継電器要素120は、下記のようにインピーダンスZを算出し大きさを判定する。
[数9]
A端子電圧 VA=(ZA+ZT)IF
B端子電圧 VB≒VA
故障電流IF>Ikoとし、
差電流=故障電流IF
A端子電圧 VA=(ZA+ZT)IF
B端子電圧 VB≒VA
故障電流IF>Ikoとし、
差電流=故障電流IF
上記[数9]によれば、インピーダンスZ=ZA+ZT>αZTとなるため、インピーダンスZは、ZLより大きくZT以上の値となり、インピーダンス判定手段122は上記[数5]式が成立しないと判定し、電流差動保護継電器要素110は出力されない。
また、分岐負荷変圧器400のインラッシュ発生時の場合には、上述した通り、インラッシュ電流が保護継電器要素の動作感度Iko以上であっても、インラッシュ発生時のインピーダンスZは1/4ZT〜1/8ZTまでの間にインピーダンスZは存在する。そのため、この分岐負荷インラッシュを避けるような上記[数5]式のαの値(例えば、1/4〜1/8より小さい値)を係数とすることで、インピーダンス判定手段122は当該[数5]式が成立すると判定した時のみ、AND回路130を介して電流差動保護継電器要素110の動作出力が許可されることから、インラッシュ発生時には不動作とすることができる。
以上のような第1の実施形態によれば、電流差動保護継電器要素による動作判定だけでなく、送電線外部事故時の分岐負荷に流れる電流を考慮したり、距離継電器要素により算出したインピーダンスの大きさを基に、分岐負荷インラッシュを避けるようにαを1以下の係数とする上記[数5]の動作式を採用することにより、感度上の制約を緩和することができ、各電流差動保護継電装置の特性を同じものとして、各端子における同時遮断を可能とする。
[2.第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係る電流差動保護継電装置について、図5を参照して以下に説明する。なお、第2の実施形態では、電流差動保護継電装置100以外の構成は第1の実施形態と共通するため、説明は省略し同じ符号を付すものとする。
次に、本発明の第2の実施形態に係る電流差動保護継電装置について、図5を参照して以下に説明する。なお、第2の実施形態では、電流差動保護継電装置100以外の構成は第1の実施形態と共通するため、説明は省略し同じ符号を付すものとする。
第2の実施形態では、3相交流電力系統のa、b、cの相毎に、電流差動保護継電器要素110による動作判定、及び距離継電器要素120によるインピーダンス判定を実施する点に特徴を有する。そのため、電流差動継電器要素110は、第1の実施形態と同様に、差電流算出手段111と、抑制量算出手段112と、動作判定手段113と、を備え、相毎に、差電流の算出、抑制量の算出、動作判定を実施する。
また、距離継電器要素120は、インピーダンス算出手段121とインピーダンス判定手段122を備え、相毎に、インピーダンス算出手段121は、差電流と自端子で入力された相電圧からインピーダンスを算出し、インピーダンス判定手段122は、算出されたインピーダンスの大きさが上記[数5]式の条件を具備するかを判定する。
なお、インピーダンス算出手段121は、例えば、A端子であれば、下記[数10]の通り、a、b、c相のインピーダンスを算出する。
また、実際には、第2の実施形態に係る電流差動保護継電装置100は、図5に示す通り、3相交流電力系統のa、b、cの相毎に、電流差動継電器要素110a、110b、110cと距離継電器要素120a、120b、120cを備え、それぞれがAND回路130a、130b、130cに接続されている構成を有している。
そのため、相毎に、AND回路130は、電流差動保護継電器要素110と距離継電器要素120がAND条件で接続され、相毎に、保護継電器要素110の動作判定手段113が動作と判定し、かつ、距離継電器要素120のインピーダンス判定手段122が上記[数5]の条件式が成立すると判定した場合に、当該相の保護継電器要素110の動作出力を許可する。
なお、第2の実施形態に係る作用効果は、a、b、cの相毎に、保護継電器要素110による動作判定及び距離継電器要素120によるインピーダンスの大きさに応じた動作判定を行うのみで、基本的な処理内容は第1の実施形態と同様であるため説明は省略する。
[3.第3の実施形態]
[3.1.構成]
次に、本発明の第3の実施形態に係る電流差動保護継電装置について、図6を参照して以下に説明する。なお、第3の実施形態では、電流差動保護継電装置100以外の構成は第1の実施形態と共通するため、説明は省略し同じ符号を付すものとする。
[3.1.構成]
次に、本発明の第3の実施形態に係る電流差動保護継電装置について、図6を参照して以下に説明する。なお、第3の実施形態では、電流差動保護継電装置100以外の構成は第1の実施形態と共通するため、説明は省略し同じ符号を付すものとする。
第3の実施形態では、相毎に電流差動保護継電器要素110による動作判定を実施し、かつ、当該相を含む2種類の線間毎に距離継電器要素120によるインピーダンス判定を実施する点に特徴を有する。そのため、電流差動保護継電器要素110の構成は第2の実施形態と同様であり、説明は省略する。
また、線間毎の距離継電器要素120は、各相の差電流から線間差電流を算出する線間差電流算出手段123と、自端子で入力された相電圧から線間電圧を算出する線間電圧算出手段124と、それぞれ得られた線間差電流と線間電圧を用いてインピーダンスを算出する線間インピーダンス算出手段125と、から構成されている。
なお、この距離継電器要素120の線間インピーダンス算出手段125は、線間差電流算出手段123により算出された線間差電流と、線間電圧算出手段124により算出された線間電圧を用いて次のようにインピーダンスを算出する。例えば、A端子であれば、下記[数11]の通りである。
なお、インピーダンス判定手段122は、この線間インピーダンス算出手段125により算出された線間のインピーダンスが上記[数5]の条件を具備するかを判定する。また、相毎のAND回路130は、各相の保護継電器要素110に対して、当該相を含む2種類の距離継電器要素120から出力のうち、どちらか一方で上記[数5]式が成立する場合に、上記電流差動保護継電器要素110の動作判定手段113が動作と判定していれば、当該電流差動保護継電器要素110の動作出力を許可する。
なお、実際には、図6に示すとおり、第3の実施形態に係る電流差動保護継電装置100は、第2の実施形態と同様の相毎に動作判定を実施する保護継電器要素110a、110b、110cに加えて、線間のインピーダンスを算出し、当該インピーダンスの大きさに対して上記[数5]式が成立するかを判定する線間毎の距離継電器要素120ab、120bc、120caを備えている。
さらに、図6の通り、線間毎の距離継電器要素120は、共通する相毎に、各相を有する2種類の線間の距離継電器要素120ab、120bc、120caがOR回路140a、140b、140cに接続され、また、相毎に、各保護継電器要素110a、110b、110cとOR回路140a、140b、140cが、AND条件でAND回路130a、130b、130cに接続されている。
なお、第3の実施形態に係る作用効果は、a、b、cの相毎の保護継電器要素110による動作判定に加えて、距離継電器要素120による線間のインピーダンスの大きさに応じた動作判定を行った後、OR回路140において、同じ相を含む2種類の距離継電器要素120から出力のうち、いずれかで上記[数5]式が成立しているかを判定する。
そして、各相のAND回路130において、保護継電器要素110の動作判定手段113により動作と判定され、かつ、対応する相のOR回路140により当該相を含む2種類の距離継電器要素120のいずれかで上記[数5]式が成立しているかを判定された場合には、電流差動保護継電器要素110の動作出力を許可する。なお、それ以外の処理は第1の実施形態と同様であるため、説明は省略する。
[4.第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態に係る電流差動保護継電装置について以下に説明する。なお、第4の実施形態では、電流差動保護継電装置100以外の構成は第1の実施形態と共通するため、説明は省略し同じ符号を付すものとする。
次に、本発明の第4の実施形態に係る電流差動保護継電装置について以下に説明する。なお、第4の実施形態では、電流差動保護継電装置100以外の構成は第1の実施形態と共通するため、説明は省略し同じ符号を付すものとする。
第4の実施形態では、距離継電器要素120において、第2の実施形態に係る構成と第3の実施形態に係る構成を両方備える点に特徴を有する。そのため、例えば、a相の保護継電器要素110aであれば、対象となる相の第2の実施形態に係る距離継電器要素120aか、当該相を含む2種類の第3の実施形態に係る線間の距離継電器要素120ab、120caのいずれかにおいて、インピーダンスの大きさが上記[数5]の条件を満たした場合に、電流差動保護継電器要素110の動作出力が許可される。それ以外の構成及び作用効果は第1の実施形態と同様であるため、説明は省略する。
[5.第5の実施形態]
次に、本発明の第5の実施形態に係る電流差動保護継電装置について、図7を参照して以下に説明する。なお、第5の実施形態では、電流差動保護継電装置100の距離継電器要素120以外の構成は第1の実施形態と共通するため、説明は省略し同じ符号を付すものとする。
次に、本発明の第5の実施形態に係る電流差動保護継電装置について、図7を参照して以下に説明する。なお、第5の実施形態では、電流差動保護継電装置100の距離継電器要素120以外の構成は第1の実施形態と共通するため、説明は省略し同じ符号を付すものとする。
第5の実施形態では、第1の実施形態に係る電流差動保護継電装置100において、自端子だけでなく、他端子のインピーダンスを算出し、大きさを判定する距離継電器要素を備え、自端子及び他端子の距離継電器要素の双方において、算出されたインピーダンスの大きさが上記[数5]の条件式を満たす場合、電流差動保護継電器要素110の動作出力を許可する点に特徴を有する。
具体的には、電流差動保護継電装置100は、自端及び他端間での伝送情報に各端子の電圧情報も加えて送受信する機能を有し、図7に示す通り、第1の実施形態に係る電流差動保護継電器要素110に加え、自端子のインピーダンスを算出する自端子距離継電器要素120Aと他端子のインピーダンスを算出する他端子距離継電器要素120Bと、を備えている。そのため、自端子からの電圧情報と差電流に基づいて、自端子距離継電器要素120Aは自端子のインピーダンスを算出し、他端子からの電圧情報と差電流に基づいて、他端子距離継電器要素120Bは他端子のインピーダンスを算出する。なお、自端子距離継電器要素120Aと他端子距離継電器要素120Bの基本的な構成は、第1の実施形態に係る距離継電器要素120と同じであるため説明は省略する。
インピーダンスの算出方法は、全端子の電圧値が使用できることから、下記の通り、各端子で全端子のインピーダンスを算出する。例えば、A端子であれば、自端子距離継電器要素120Aは、各相の差電流と自端子電圧を利用することで、下記[数12]のようにインピーダンスを算出する。
また、他端子(例えば、B端子)であれば 他端子距離継電器要素120Bは、各相の差電流と伝送で得られた相手端子電圧を利用することで、下記[数13]のようにインピーダンスを算出する。
また、図7に示す通り、この自端子距離継電器要素120Aと他端子距離継電器要素120BとはAND条件でAND回路150に接続され、当該AND回路150からの出力と、保護継電器要素110の出力とがさらにAND回路130に接続されている。そのため、電流差動保護継電器要素110が動作と判定されていれば、自端子距離継電器要素120Aと他端子距離継電器要素120Bの双方で、上記[数5]式が成立する場合にのみ、電流差動保護継電器要素110の動作出力が許可される。
すなわち、AND回路150は、自端子距離継電器要素120Aと他端子距離継電器要素120Bの双方で、上記[数5]式が成立しているかを判定する手段に相当し、AND回路130は、電流差動保護継電器要素110が動作し、かつ、自端子距離継電器要素120Aと他端子距離継電器要素120B双方で、上記[数5]式が成立しているかを判定し、この条件を満たす場合に、電流差動保護継電器要素110の動作出力を許可する手段に相当する。
なお、第5の実施形態に係る作用効果は、上述の通り、自端子及び他端子を含む全ての距離継電器要素120において、上記[数5]式が成立する場合にのみ、電流差動保護継電器要素110が動作であれば、当該電流差動保護継電器要素110の動作出力を許可する点に特徴を有し、それ以外は第1の実施形態と同様であるため、説明は省略する。
[6.第6の実施形態]
次に、本発明の第6の実施形態に係る電流差動保護継電装置について以下に説明する。なお、第6の実施形態では、電流差動保護継電装置100以外の構成は第1の実施形態と共通するため、説明は省略する。
次に、本発明の第6の実施形態に係る電流差動保護継電装置について以下に説明する。なお、第6の実施形態では、電流差動保護継電装置100以外の構成は第1の実施形態と共通するため、説明は省略する。
第6の実施形態では、第1の実施形態に係る電流差動保護継電器要素110において、自端子で入力された電流値及び電圧値と既知である分岐点までのインピーダンスを用いて、分岐点の電圧を算出する分岐点電圧算出手段114を備える点に特徴を有する。なお、距離継電器要素120は、基本的に第1の実施形態と同様の機能を有するが、ここでは、差電流とこの分岐点電圧算出手段114により算出された分岐点電圧からインピーダンスを算出する機能を備えている。
ここで、分岐点電圧算出手段114による分岐点電圧の算出は、図1に示すような分岐負荷までのインピーダンスZA,ZBは一般に既知であることを考慮し、下記[数14]及び[15]式に基づき行われる。なお、[数14]は、A端子にある電流差動保護継電装置100から分岐点電圧VJを推定した結果であり、[数15]は、B端子にある電流差動保護継電装置100から分岐点電圧VJを推定した結果である。
[数14]
VJ=VA−ZA・IA
[数15]
VJ=VB−ZB・IB
ここで、ZA,ZB:A,B端子から分岐点までのインピーダンス
VA,VB:A,B端子の電圧
IA,IB:A,B端子の電流
VJ=VA−ZA・IA
[数15]
VJ=VB−ZB・IB
ここで、ZA,ZB:A,B端子から分岐点までのインピーダンス
VA,VB:A,B端子の電圧
IA,IB:A,B端子の電流
距離継電器要素120では、上記のように算出された分岐点電圧VJを用いて、インピーダンス算出手段121がインピーダンス(Vj/Id)を算出し、インピーダンス判定手段122が当該インピーダンスの大きさに応じて上記[数5]が成立するかを判定する。
なお、図示しないが、電流差動保護継電器要素110と距離継電器要素120を繋ぐAND回路130は、電流差動保護継電器要素110において動作と判定され、かつ、距離継電器要素120においてインピーダンスの大きさが上記[数5]の条件を満たすと判定された場合に、当該電流差動保護継電器要素110の動作出力を許可する。
[7.第7の実施形態]
次に、本発明の第7の実施形態に係る電流差動保護継電装置について、図8を参照して以下に説明する。なお、第7の実施形態では、電流差動保護継電装置100以外の構成は第1〜6の実施形態のいずれかと共通するため、説明は省略し同じ符号を付すものとする。
次に、本発明の第7の実施形態に係る電流差動保護継電装置について、図8を参照して以下に説明する。なお、第7の実施形態では、電流差動保護継電装置100以外の構成は第1〜6の実施形態のいずれかと共通するため、説明は省略し同じ符号を付すものとする。
なお、上記第1〜6の実施形態に係る電流差動保護継電器要素110の差電流算出手段111により算出された差電流Idは、通常、図8に示すような送電線内部充電電流Icを含んでいる。そのため、第7の実施形態では、差電流Idに対して当該充電電流Icを補償し、補償後の差電流Id´を用いて、第1の実施形態と同様の電流差動保護継電器要素110の動作判定を実施する点に特徴を有する。
そのため、第7の実施形態に係る保護継電器要素110は、算出した差電流Idに対して充電電流補償を行う充電電流補償手段115を備えている。具体的には、電流差動保護継電器要素110の充電電流補償手段115は、まず、例えば、自端子の電圧値を使用して充電電流を下記[数16]の通り算出する(A端子の場合。)。なお、図8に示すような、充電電流Ic用のキャパシタンスCは予め整定しておくものとする。
[数16]
Ic=C・dVA/dt
Ic=C・dVA/dt
そして、充電電流補償手段115は、算出した充電電流Icを用いて充電電流補償後の差電流Id’を下記[数17]のように算出する。
[数17]
Id’=Id−Ic
Id’=Id−Ic
これにより、距離継電器要素120では、充電電流Icが補償された差電流Id´を用いて、第1の実施形態と同様に、インピーダンスを算出し、当該インピーダンスの大きさに応じて、保護継電器要素110の動作出力の許可判定が実施される。すなわち、差電流Id’を用いて算出されたインピーダンスにより、上記[数5]が成立する場合に、電流差動保護継電器要素110が動作であれば、当該電流差動保護継電器要素110の動作出力を許可する。
100…電流差動保護継電装置
110…電流差動保護継電器要素
110a、110b、110c…各相の電流差動継電器要素
111…差電流算出手段
112…抑制量算出手段
113…動作判定手段
114…分岐点電圧算出手段
115…充電電流補償手段
120…距離継電器要素
120a、120b、120c…各相の距離継電器要素
120ab、120bc、120ca…各線間の距離継電器要素
120A…自端子距離継電器要素
120B…他端子距離継電器要素
121…インピーダンス算出手段
122…インピーダンス判定手段
123…線間差電流算出手段
124…線間電圧算出手段
125…線間インピーダンス算出手段
130…AND回路
130a、130b、130c…各相のAND回路
140…OR回路
140a、140b、140c…各相のOR回路
150…AND回路
200…電流取得手段
300…電圧取得手段
400…変圧器
500…通信手段
110…電流差動保護継電器要素
110a、110b、110c…各相の電流差動継電器要素
111…差電流算出手段
112…抑制量算出手段
113…動作判定手段
114…分岐点電圧算出手段
115…充電電流補償手段
120…距離継電器要素
120a、120b、120c…各相の距離継電器要素
120ab、120bc、120ca…各線間の距離継電器要素
120A…自端子距離継電器要素
120B…他端子距離継電器要素
121…インピーダンス算出手段
122…インピーダンス判定手段
123…線間差電流算出手段
124…線間電圧算出手段
125…線間インピーダンス算出手段
130…AND回路
130a、130b、130c…各相のAND回路
140…OR回路
140a、140b、140c…各相のOR回路
150…AND回路
200…電流取得手段
300…電圧取得手段
400…変圧器
500…通信手段
Claims (6)
- 三相交流電力系統の分岐負荷及び分岐負荷変圧器を有する送電線を保護する電流差動保護継電装置であって、
各端子間で当該各端子の電流及び電圧情報を含む伝送情報を送受信する通信手段を有し、
前記送電線の各端子の電流値のベクトル和である差電流と当該電流値のスカラー和である抑制量に基づいて動作判定を行う電流差動保護継電部と、
自端子電圧を前記差電流で除算することにより差電流インピーダンスを算出するインピーダンス算出手段と、
前記インピーダンス算出手段により算出された差電流インピーダンスが下記[数1]の条件を満たすかどうかを判定するインピーダンス判定手段と、を有する距離継電部と、を備え、
前記電流差動保護継電部は、当該電流差動保護継電部で動作と判定され、かつ、前記距離継電部のインピーダンス判定手段により[数1]の条件を満たすと判定された場合に、当該動作を出力することを特徴とする電流差動保護継電装置。
[数1]
Z<αZT
但し、α≦1
Z :前記インピーダンス算出手段により算出された差電流インピーダンス
ZT:前記送電系統の分岐負荷変圧器のインピーダンス - 前記電流差動保護継電部は、相毎に、差電流と抑制量に基づいた動作判定を行い、
前記距離継電部の前記インピーダンス算出手段は、相毎の差電流で当該相の自端子電圧を除算することにより差電流インピーダンスを算出することを特徴とする請求項1に記載の電流差動保護継電装置。 - 前記電流差動保護継電部は、相毎に、差電流と抑制量に基づいた動作判定を行い、
前記距離継電部は、
各相の差電流から線間差電流を算出する線間差電流算出手段と、
各相の自端子電圧から線間電圧を算出する線間電圧算出手段と、を備え、
前記インピーダンス算出手段は、前記線間差電流算出手段により算出された線間差電流と、当該線間を同一にする前記線間電圧算出手段により算出された線間電圧と、から線間の差電流インピーダンスを算出し、
前記電流差動保護継電部は、相毎に当該電流差動保護継電部で動作と判定され、かつ、前記距離継電部のインピーダンス判定手段により当該相を含む2種類の線間の差電流インピーダンスのいずれかで前記[数1]の条件を満たすと判定された場合に、当該動作を出力することを特徴とする請求項1に記載の電流差動保護継電装置。 - 前記距離継電部は、
各相の差電流から線間差電流を算出する線間差電流算出手段と、
各相の自端子電圧から線間電圧を算出する線間電圧算出手段と、
前記線間差電流算出手段により算出された線間差電流と、当該線間を同一とする前記線間電圧算出手段により算出された線間電圧と、から線間の差電流インピーダンスを算出する線間インピーダンス算出手段と、を備え、
前記電流差動保護継電部は、相毎に当該電流差動保護継電部で動作と判定され、かつ、前記距離継電部のインピーダンス判定手段又は線間インピーダンス判定手段により、当該相の差電流インピーダンス又は当該相を含む2種類の線間の差電流インピーダンスのいずれかで前記[数1]の条件を満たすと判定された場合に、当該動作を出力することを特徴とする請求項2に記載の電流差動保護継電装置。 - 前記距離継電部は、前記通信手段を介して受信した前記他端子電圧を前記差電流算出手段により算出された差電流で除算することにより他端子の差電流インピーダンスを算出する他端子インピーダンス算出手段を備え、
前記インピーダンス判定手段は、前記他端子インピーダンス算出手段により算出された他端子の差電流インピーダンスが前記[数1]の条件を満たすかどうかを判定し、
前記電流差動保護継電部は、当該電流差動保護継電部で動作と判定され、かつ、前記距離継電部のインピーダンス判定手段により自端子及び他端子の差電流インピーダンスが[数1]の条件を満たすと判定された場合に、当該動作の出力を許可することを特徴とする請求項1に記載の電流差動保護継電装置。 - 前記電流差動保護継電部は、前記送電線内に設けられたキャパシタンスの整定値と自端子で入力された電圧値とに基づいて当該送電線内の充電電流を算出し、当該充電電流を前記差電流から差し引くことで新差電流を算出する充電電流補償を備え、
前記距離継電部のインピーダンス算出手段は、端子電圧を前記新差電流で除算することにより差電流インピーダンスを算出することを特徴とする請求項1に記載の電流差動保護継電装置。
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JPH05252645A (ja) * | 1992-03-05 | 1993-09-28 | Toshiba Corp | 送電線保護継電装置 |
JP2003092824A (ja) * | 2001-09-18 | 2003-03-28 | Takaoka Electric Mfg Co Ltd | 表示線保護継電装置 |
-
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- 2009-09-25 JP JP2009221400A patent/JP5364521B2/ja active Active
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