JP2003092824A - 表示線保護継電装置 - Google Patents

表示線保護継電装置

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JP2003092824A
JP2003092824A JP2001282692A JP2001282692A JP2003092824A JP 2003092824 A JP2003092824 A JP 2003092824A JP 2001282692 A JP2001282692 A JP 2001282692A JP 2001282692 A JP2001282692 A JP 2001282692A JP 2003092824 A JP2003092824 A JP 2003092824A
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terminal
series
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JP2001282692A
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Matsukichi Kato
松吉 加藤
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Takaoka Toko Co Ltd
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Takaoka Electric Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電源が接続される端子に判定値が依存しない
表示線保護継電装置を提供する。 【解決手段】 送電線1に2つの変流器2a,2bを接
続し、変流器2aの2次側に直列インピーダンス素子3
aと並列インピーダンス素子4aとを直列にしたものを
並列接続し、変流器2bの2次側に直列インピーダンス
素子3bと並列インピーダンス素子4bとを直列にした
ものを並列接続し、並列インピーダンス素子4a,4b
とを並列接続する。並列インピーダンス素子4aに差電
流検出器5を、直列インピーダンス素子3aに自端電流
検出器6を接続する。これらの差電流検出器5と自端電
流検出器6のそれぞれの出力から、変流器2aと2bの
それぞれの2次電流と2次出力をベクトル合成した電流
を求め、これらの求めた各電流により送電線1の内部で
事故が発生したか否かを判定する判定部7を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、送電線等で短絡や
地絡などの事故が発生したかどうかを検出する表示線保
護継電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の表示線保護継電装置の構成の一例
を図6に示す。送電線1の両端に第1と第2の変流器2
a,2bをそれぞれ設け、第1の変流器2aの2次側の
端子間に第1の抑制コイル30aと第1の動作コイル4
0aとを直列にして接続し、同様に第2の変流器2bの
2次側の端子間に第2の抑制コイル30bと第2の動作
コイル40bとを直列にして接続し、さらに第1の動作
コイル40aと第2の動作コイル40bとを並列にして
接続して構成していた。第1,第2の変流器2a,2b
が送電線1に接続される箇所をそれぞれA端,B端とす
ると、送電線1が長距離のため、事故の判定箇所は、A
端またはB端の一方の箇所、あるいは両端のそれぞれの
箇所で行っている。判定方法は、A端で判定する場合は
第1の抑制コイル30aと第1の動作コイル40aとを
用いて、それらの抑制力と動作力との関係で判定を行っ
ていた。また、B端で判定する場合は第2の抑制コイル
30bと第2の動作コイル40bとを用いて、それらの
抑制力と動作力との関係で判定を行っていた。また、第
1,第2の抑制コイル30a,30bには、第1,第2
の変流器2a,2bのそれぞれで検出した電流相当を、
第1,第2の動作コイル40a,40bには、第1,第
2の変流器2a,2bのそれぞれで検出した電流の差、
すなわち差電流相当の電流を流すようにしていた。
【0003】この事故判定の基本原理は、第1と第2の
変流器2a,2bで挟まれた送電線1の保護区間の外部
で発生した外部事故や常時の潮流では、電流が保護区間
を通過するため、第1と第2の変流器2a,2bの2次
電流は相互に循環し、第1,第2の抑制コイル30a,
30bに電流が流れるが、差電流がなく、第1,第2の
動作コイル40a,40bには電流が流れない。このた
め、抑制力のみで動作力が無く、事故とは判定しない。
一方、送電線1の保護区間の内部で事故が発生した場合
には、第1と第2の変流器2a,2bの2次電流の差電
流相当の電流が第1,第2の動作コイル40a,40b
に流れ、第1の抑制コイル30aには第1の変流器2a
で検出した2次電流が、第2の抑制コイル30bには第
2の変流器2bで検出した2次電流がそれぞれ流れる。
このため,動作力が抑制力を上回った場合に事故と判定
していた。一般的には、変流器2a,2bに誤差があ
り、保護区間の外部事故等で大きな電流が流れると、変
流器2a,2bの誤差に基づく両端の差電流が増大し、
外部事故にも関わらず動作コイル40a,40bが動作
し、内部事故と誤判定する場合がある。これを防止する
ため、上記のように抑制コイル30a,30bを設けて
比率差動特性としている。
【0004】以下、事故判定の方法を具体的に述べる。
この構成例の場合、比率差動特性とするため、以下のよ
うな判定式を用いて事故判定していた。 |I−I|>K|I|+K ………(1) ただし、第1,第2の変流器2a,2bの極性は外部事
故や常時の潮流で、(1)式の左辺が零になるような極
性とし、I,IはA端,B端を流れる電流で、第
1,第2の変流器2a,2bで検出する電流に相当し、
は最小動作電流、Kは定数である。また、(1)式
はA端で判定する場合の判定式である。なお、I,I
はベクトルであり、||の記号はスカラー、すなわち
絶対値を示す記号で、例えば|I|はベクトルI
絶対値を意味する。以下も同様な意味を示す。B端の判
定式も同様な式で、次式で表される。 |I−I|>K|I|+K ………(2) ある。なお、(1),(2)式の左辺は動作力を、右辺
は抑制力を表しており、また、説明を簡便にするため第
1,第2の変流器2a,2bの変流比は1としている。
ここで、(1)式の左辺はIとIとの差電流の絶対
値であり、第1の動作コイル40aに流れる電流の絶対
値を、右辺の第1項は第1の変流器2aで検出した電流
の絶対値であり、第1の抑制コイル30aに流れる
電流の絶対値を示している。また、(2)式は(1)式
と同様に、左辺はIとIとの差電流の絶対値であ
り、第2の動作コイル40bに流れる電流の絶対値を、
右辺の第1項は第2の変流器2bで検出した電流I
絶対値であり、第2の抑制コイル30bに流れる電流の
絶対値を示している。また、IとIとが与えられ、
これを(1)式と(2)式のそれぞれで事故判定する場
合、(1)式と(2)式の左辺の差電流の絶対値は同じ
になり、事故判定をA端で行った場合もB端で行った場
合も同じ大きさとなり、第1,第2の動作コイル40
a,40bの動作力は同じになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、送電線1の電
源条件としては、両端に電源が接続される両端電源の場
合やA端あるいはB端の片端にのみに電源が接続される
片端電源の場合とがある。後者の片端電源の場合、電源
が接続される端子により、同じ内部事故でも事故判定の
判定値が変化してしまう。これをA端で事故判定する場
合の(1)式で説明する。図6において、A端が電源の
場合に内部事故が発生すると、A端のみに電流が流れ、
B端には電流が流れないため、(1)式は以下となる。 |I|>K|I|+K ………(3) 一方、B端が電源の場合に内部事故が発生すると、B端
のみに電流が流れ、A端には電流が流れないため、
(1)式は以下となる。 |−I|>K ………(4) ここで、A端が電源の場合とB端が電源の場合の両者の
事故電流を同じとすると、|I|と|−I|とは等
しく、上式の(3)式,(4)式の左辺は同じ大きさと
なり、動作力は等しい。しかし、右辺は両者で相違し、
(3)式はIの絶対値に比例した抑制力が一定値K
の抑制力に加味された抑制力であるが、(4)式はそれ
が加味されない一定値Kの抑制力のみである。このた
め、同じ事故電流に対して、電源が接続される端子によ
って抑制力、すなわち事故の判定値が相違することを意
味し、保護性能上好ましくないと考えられる。これは、
(1)式の右辺の第1項から解るように、抑制力をA端
の電流Iのみを使用しているためである。以上のこと
はB端で事故判定する場合の(2)式でも同様である。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、電源が接
続される端子に影響されず、同じ判定値で事故判定でき
る表示線保護継電装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、送
電線に2つの第1、第2の変流器を接続し、第1の変流
器の2次側の一方の端子と他方の端子間に第1の直列イ
ンピーダンス素子と第1の並列インピーダンス素子とを
直列にして接続する。第2の変流器の2次側の一方の端
子と他方の端子間に第2の直列インピーダンス素子と第
2の並列インピーダンス素子とを直列にして接続する。
第1と第2の並列インピーダンス素子とを並列接続す
る。第1と第2の並列インピーダンス素子の少なくとも
一方に当該素子を流れる電流を検出する差電流検出器
を、第1と第2の直列インピーダンス素子の少なくとも
一方に当該素子を流れる電流を検出する自端電流検出器
を接続する。これらの差電流検出器と自端電流検出器の
それぞれの出力から、第1の変流器と第2の変流器の2
次出力をベクトル合成した電流、および第1、第2の変
流器のそれぞれの2次電流とを求め、これらの求めた各
電流により第1と第2の変流器で挟まれた送電線の内部
で事故が発生したか否かを判定する判定部を設ける。
【0007】請求項2の発明では、送電線に2つの第
1、第2の変流器を接続し、第1と第2の変流器の2次
側の一方の端子間に第1の直列インピーダンス素子と第
2の直列インピーダンス素子とを直列にして接続し、第
1と第2の変流器の2次側の他方の端子同士を接続す
る。第1の変流器の2次側の一方の端子と他方の端子間
に第1の並列インピーダンス素子を接続し、第2の変流
器の2次側の一方の端子と他方の端子間に第2の並列イ
ンピーダンス素子を接続する。第1と第2の並列インピ
ーダンス素子の少なくとも一方に当該素子を流れる電流
を検出する差電流検出器を接続し、第1と第2の直列イ
ンピーダンス素子の少なくとも一方に当該素子を流れる
電流を検出する和電流検出器を接続する。これらの差電
流検出器と和電流検出器のそれぞれの出力から、第1の
変流器と第2の変流器の2次出力をベクトル合成した電
流、および第1、第2の変流器のそれぞれの2次電流と
を求め、これらの求めた各電流により第1と第2の変流
器で挟まれた送電線の内部で事故が発生したか否かを判
定する判定部を設ける。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は、請求項1の発明の実施の
形態を示している。送電線1に2つの第1、第2の変流
器2a,2bを接続し、第1の変流器2aの2次側の一
方の端子と他方の端子間に第1の直列インピーダンス素
子3aと第1の並列インピーダンス素子4aとを直列に
して接続する。第2の変流器2bの2次側の一方の端子
と他方の端子間に第2の直列インピーダンス素子3bと
第2の並列インピーダンス素子4bとを直列にして接続
する。第1の並列インピーダンス素子4aと第2の並列
インピーダンス素子4bとを並列接続する。第1の並列
インピーダンス素子4aに当該素子を流れる電流を検出
する差電流検出器5を、第1の直列インピーダンス素子
3aに当該素子を流れる電流を検出する自端電流検出器
6をそれぞれ接続する。これらの差電流検出器5と自端
電流検出器6のそれぞれの出力から、第1の変流器2a
と第2の変流器2bの2次出力をベクトル合成した電
流、および第1、第2の変流器2a,2bのそれぞれの
2次電流とを求め、これらの求めた各電流により第1と
第2の変流器2aと2bで挟まれた送電線1の内部で事
故が発生したか否かを判定する判定部7を設ける。な
お、第1の変流器2aが送電線1に接続される箇所をA
端、第2の変流器2bが送電線1に接続される箇所をB
端とする。
【0009】次に動作を説明する。なお、説明を簡便に
するために、第1,第2の変流器2a,2bの変流比は
1とする。図3は動作を補足説明するためのもので、各
インピーダンス素子3a,3b,4a,4bに流れる電
流を示したものである。なお、第1,第2の変流器2
a,2bの極性は、図3に示す矢印の向きとする。 各インピーダンス素子3a,3b,4a,4bのインピ
ーダンスを、 ZA1:第1の直列インピーダンス素子3aのインピー
ダンス ZA2:第1の並列インピーダンス素子4aのインピー
ダンス ZB1:第2の直列インピーダンス素子3bのインピー
ダンス ZB2:第2の並列インピーダンス素子4bのインピー
ダンス とすると、上記の各インピーダンス素子3a,3b,4
a,4bを流れる電流は、重ね合わせの理により、以下
となる。 IA1=I ………(5) IA2=PI−QI ………(6) IB1=I ………(7) IB2=RI−SI ………(8) ただし、 IA1:第1の直列インピーダンス素子3aを流れる電
流 IA2:第1の並列インピーダンス素子4aを流れる電
流 IB1:第2の直列インピーダンス素子3bを流れる電
流 IB2:第2の並列インピーダンス素子4bを流れる電
流 であり、また、P〜Sは次式で示される分流比で、各イ
ンピーダンス素子3a,3b,4a,4bのインピーダ
ンスの値で決まる。 P=Q=ZB2/(ZA2+ZB2) ………(9) R=S=ZA2/(ZA2+ZB2) ………(10) ただし、上式の/記号は除算を意味し、例えばA/Bは
AをBで除することを意味する。以下も同様の意味を示
す。
【0010】差電流検出器5は第1の並列インピーダン
ス素子4aを流れる電流IA2を、自端電流検出器6は
第1の直列インピーダンス素子3aを流れる電流IA1
をそれぞれ検出する。その検出方法は、例えばインピー
ダンス素子3a,4aの電圧降下を計測することで検出
できる。また、インピーダンス素子3a,3b,4a,
4bとしては、例えば抵抗器や2次側に抵抗器を接続し
た補助変成器などがある。
【0011】判定部7では、先ず、差電流検出器5から
の出力IA2と自端電流検出器6からの出力IA1
で、以下の演算を行い、A端の電流I、B端の電流I
、ベクトル合成した電流である差電流I−Iをそ
れぞれ求める。Iは自端電流検出器6の出力そのもの
で、(5)式から以下となる。 I=IA1 ………(11) Iは(6)式と(11)式とから、以下の演算により
求めることができる。 I=(PIA1−IA2)/Q ………(12) また、I−Iは、(11)式と(12)式から、以
下の演算により求めることができる。 I−I=IA1−(PIA1−IA2)/Q ………(13) 次に、以上の演算で求めた各電流を用い、以下の判定式
で事故判定を行う。 |I−I|>K(|I|+|I|)+K ………(14) だだし、Kは最小動作電流、Kは定数である。この式
は、A端の電流IとB端の電流Iの絶対値の和で抑
制力を得るスカラー和抑制方式である。
【0012】(14)式の右辺の第1項から解るよう
に、抑制力としてIの絶対値の他に、Iの絶対値も
加味されたものとしている。したがって、前記課題であ
った片端電源の場合に電源が接続される端子によって抑
制力が変化することがなく、同じ抑制力、すなわち同じ
判定値で事故を判定できることになる。具体的には、A
端が電源の場合に内部事故が発生すると、A端のみに電
流が流れ、B端には電流が流れないため、(14)式は
以下となる。 |I|>K|I|+K ………(15) 一方、B端が電源の場合に内部事故が発生すると、B端
のみに電流が流れ、A端には電流が流れないため、(1
4)式は以下となる。 |−I|>K|I|+K ………(16) これから、電源が接続される端子に関係なく事故電流が
同じとすると、IとIの絶対値が等しく、(15)
式と(16)式との左辺同士、すなわち動作力は同じと
なり、また、(15)式と(16)式との右辺同士も同
じとなり、抑制力、すなわち事故判定の判定値が同じに
なることが解る。
【0013】以上は、第1の変流器2aが送電線1に接
続される箇所、すなわちA端に差電流検出器5と自端電
流検出器6および判定部7を設けた構成の場合である
が、第2の変流器2bが送電線1に接続される箇所、す
なわちB端の第2の並列インピーダンス素子4b、直列
インピーダンス素子3bにこれらの検出器5,6と判定
部7を設けて構成しても実現できる。この場合は、A端
の場合と同様に、(7),(8)式から、B端の電流I
、A端の電流I、ベクトル合成した電流である差電
流I−Iをそれぞれ求め、以下に示す(14)式と
同様な式で事故判定することにすれば、電源が接続され
る端子によって抑制力が変化することがなく、同じ抑制
力、すなわち同じ判定値で事故判定ができることにな
る。 |I−I|>K(|I|+|I|)+K ………(17)
【0014】さらには、A端、B端のそれぞれにこれら
の検出器5,6と判定部7を設けて事故判定を行うよう
に構成することもでき、同様に電源が接続される端子に
関係なく同じ判定値で事故判定ができる。
【0015】なお、事故判定における抑制方式として、
A端の電流IとB端の電流Iの絶対値の内で最大の
もので抑制力を得る最大端子スカラー抑制方式があり、
以下のような判定式を用いることもできる。 |I−I|>K{Max(|I|,|I|)}+K ………(1 8) だだし、Kは最小動作電流、Kは定数である。{Ma
x(|I|,|I|)}は|I|,|I|の内で
の最大値を意味する。(18)式も電源が接続される端
子に関係なく、抑制力、すなわち事故判定の判定値が同
じになる。なお、(18)式はA端に差電流検出器5と
自端電流検出器6および判定部7を設けた構成の場合で
あるが、B端にこれらの検出器5,6と判定部7を設け
た構成の場合、あるいはA端、B端のそれぞれにこれら
の検出器5,6と判定部7を設けた構成の場合も同様な
判定式で事故判定ができ、電源が接続される端子に関係
なく、事故判定の判定値が同じになる。この判定式で事
故判定が実現できるのは、A端で判定する場合にB端の
電流I を、B端で判定する場合にA端の電流Iをそ
れぞれ求めることができるためである。
【0016】また、第1と第2の並列インピーダンス素
子4a,4bとを並列接続する場合に接続用ケーブルを
用いるが、送電線1が長距離の場合に接続用ケーブルの
インピーダンスにより分流比が変わり、IA2,IB2
が変化し、正確な事故判定ができないことがある。しか
し、この場合は接続用ケーブルのインピーダンスは既知
であるため、例えば、図5に示すように、接続用ケーブ
ルを直列インピーダンス回路(図5の(a))、または
T形インピーダンス回路(図5の(b))、あるいはπ
形インピーダンス回路(図5の(c))等の等価回路に
置き換え、それらのインピーダンス分を考慮した分流比
P〜Sを求めることで、正確な電流が検出でき、事故判
定することができる。例えば、接続用ケーブルを直列イ
ンピーダンス回路の等価回路とした場合、その直列イン
ピーダンス回路のインピーダンスをZとすると、分流
比P〜Sは以下となる。 P=(ZB2+Z)/(ZA2+ZB2+Z) ………(19) Q=ZB2/(ZA2+ZB2+Z) ………(20) R=(ZA2+Z)/(ZA2+ZB2+Z) ………(21) S=ZA2/(ZA2+ZB2+Z) ………(22) したがって、これらの分流比を用いてI,Iを求め
れば、正確な電流を検出でき、事故判定できる。(請求
項1)
【0017】図2は、請求項2の発明の実施の形態を示
している。送電線1に2つの第1、第2の変流器2a,
2bを接続し、第1と第2の変流器2a,2bの2次側
の一方の端子間に第1の直列インピーダンス素子3aと
第2の直列インピーダンス素子3bとを直列にして接続
し、第1と第2の変流器2a,2bの2次側の他方の端
子同士を接続する。第1の変流器2aの2次側の一方の
端子と他方の端子間に第1の並列インピーダンス素子4
aを接続し、第2の変流器2bの2次側の一方の端子と
他方の端子間に第2の並列インピーダンス素子4bを接
続する。第1の並列インピーダンス素子4aに当該素子
を流れる電流を検出する差電流検出器5を接続し、第1
の直列インピーダンス素子3aに当該素子を流れる電流
を検出する和電流検出器10を接続する。これらの差電
流検出器5と和電流検出器10のそれぞれの出力から、
第1の変流器2aと第2の変流器2bの2次出力をベク
トル合成した電流、および第1、第2の変流器2a,2
bのそれぞれの2次電流とを求め、これらの求めた各電
流により第1と第2の変流器2a,2bで挟まれた送電
線1の内部で事故が発生したか否かを判定する判定部1
7を設ける。なお、第1の変流器2aが送電線1に接続
される箇所をA端、第2の変流器2bが送電線1に接続
される箇所をB端とする。
【0018】次に動作を説明する。なお、説明を簡便に
するために第1,第2の変流器2a,2bの変流比は1
とする。図4は動作を補足説明するためのもので、各イ
ンピーダンス素子3a,3b,4a,4bに流れる電流
を示したものである。なお、第1,第2の変流器2a,
2bの極性は、図4に示す矢印の向きとする。各インピ
ーダンス素子3a,3b,4a,4bのインピーダンス
を、 ZA1:第1の直列インピーダンス素子3aのインピー
ダンス ZA2:第1の並列インピーダンス素子4aのインピー
ダンス ZB1:第2の直列インピーダンス素子3bのインピー
ダンス ZB2:第2の並列インピーダンス素子4bのインピー
ダンス とすると、上記の各インピーダンス素子3a,3b,4
a,4bを流れる電流は、重ね合わせの理により以下と
なる。 IA1=AI+BI ………(23) IA2=CI−DI ………(24) IB1=BI+AI ………(25) IB2=EI−FI ………(26) ただし、 IA1:第1の直列インピーダンス素子3aを流れる電
流 IA2:第1の並列インピーダンス素子4aを流れる電
流 IB1:第2の直列インピーダンス素子3bを流れる電
流 IB2:第2の並列インピーダンス素子4bを流れる電
流 であり、また、A〜Fは次式で示される分流比で、各イ
ンピーダンス素子3a,3b,4a,4bのインピーダ
ンスの値で決まる。 A=ZA2/(ZA1+ZA2+ZB1+ZB2) ……( 27) B=ZB2/(ZA1+ZA2+ZB1+ZB2) ……( 28) C=(ZA1+ZB1+ZB2)/(ZA1+ZA2+ZB1+ZB2) … …(29) D=ZB2/(ZA1+ZA2+ZB1+ZB2) ……( 30) E=(ZA1+ZA2+ZB1)/(ZA1+ZA2+ZB1+ZB2) … …(31) F=ZA2/(ZA1+ZA2+ZB1+ZB2) ……( 32)
【0019】差電流検出器5は第1の並列インピーダン
ス素子4aを流れる電流IA2を、和電流検出器10は
第1の直列インピーダンス素子3aを流れる電流IA1
をそれぞれ検出する。その検出方法は、前述と同様、例
えばインピーダンス素子3a,4aの電圧降下を計測す
ることで検出できる。また、インピーダンス素子3a,
3b,4a,4bとしては、例えば抵抗器や2次側に抵
抗器を接続した補助変成器などがある。
【0020】判定部17では、先ず、差電流検出器5か
らの出力IA2と和電流検出器10からの出力IA1
で、以下の演算を行いA端の電流I、B端の電流
、ベクトル合成した電流である差電流I−I
それぞれ求める。なお、これらの演算式は(23)式と
(24)式との連立方程式を解くことにより得られる。 I=(DIA1+BIA2)/(AD+BC) ………( 33) I=(CIA1−AIA2)/(AD+BC) ………( 34) I−I={DIA1+BIA2−CIA1+AIA2)}/(AD+BC) …(35) 当然、差電流I−Iは(33)式と(34)式から
求めたI,Iを用いて求めてもよい。次に、以上の
演算で求めた各電流を用い、前記請求項1の発明の実施
の形態で説明したスカラー和抑制方式とした場合は以下
の判定式で事故判定を行う。 |I−I|>K(|I|+|I|)+K ………(36) だだし、Kは最小動作電流、Kは定数である。
【0021】(36)式の右辺の第1項から解るよう
に、抑制力としてIの絶対値の他に、Iの絶対値も
加味されたものとしている。したがって、前記課題であ
った片端電源の場合に電源が接続される端子によって抑
制力が変化することがなく、同じ抑制力、すなわち同じ
判定値で事故判定ができることになる。具体的な説明は
前記請求項1の発明の実施の形態での説明と同じとなる
ため省略する。
【0022】以上は、第1の変流器2aが送電線1に接
続される箇所、すなわちA端に差電流検出器5と和電流
検出器10および判定部17を設けた構成の場合である
が、第2の変流器2bが送電線1に接続される箇所、す
なわちB端の第2の並列インピーダンス素子4b、直列
インピーダンス素子3bにこれらの検出器5,10と判
定部17を設けて構成しても実現できる。この場合は、
A端の場合と同様に、(25)式と(26)式から、B
端の電流I、A端の電流I、ベクトル合成した電流
である差電流I−Iをそれぞれ求め、以下で示す
(36)式と同様な式で事故判定することにすれば、電
源が接続される端子によって抑制力が変化することがな
く、同じ抑制力、すなわち同じ判定値で事故判定ができ
ることになる。 |I−I|>K(|I|+|I|)+K ………(37)
【0023】さらには、A端、B端のそれぞれにこれら
の検出器5,10と判定部17を設けて事故判定を行う
ように構成することもでき、同様に電源が接続される端
子に関係なく同じ判定値で事故判定ができる。
【0024】また、前記請求項1の発明の実施の形態で
説明した通り、A端の電流IとB端の電流Iを求め
ることができるため、抑制方式として最大端子スカラー
抑制方式を用いた判定式で事故判定を行うこともでき
る。
【0025】前記請求項1の発明の実施の形態の説明と
同様、第1と第2の直列インピーダンス素子3a,3b
との直列接続、および第1と第2の変流器2a,2bの
2次側の他方の端子同士の接続に接続用ケーブルを用い
るが、送電線1が長距離の場合に接続用ケーブルのイン
ピーダンスにより分流比が変わり、IA1,IA2,I
B1,IB2が変化し、正確な事故判定ができないこと
がある。しかし、この場合も同様に、接続用ケーブルの
インピーダンスは既知であるため、前記で説明した通
り、接続用ケーブルを図5で示すような直列インピーダ
ンス回路、またはT形インピーダンス回路、あるいはπ
形インピーダンス回路等の等価回路に置き換え、それら
のインピーダンス分を考慮して分流比A〜Fを求めるこ
とで、正確な電流が検出でき、事故判定することができ
る。具体例は、これまでの説明で容易に理解できるた
め、省略する。(請求項2)
【0026】
【発明の効果】以上の通り、従来は、抑制力を片端の電
流で行っていたため、片端電源の場合に電源が接続され
る端子によって抑制力が変化し、事故判定の判定値が変
化したが、本発明により、片端において両端の電流がそ
れぞれ検出でき、その両端の電流を用いて抑制する判定
式で事故判定することができ、同じ抑制力、すなわち同
じ判定値で事故判定することができる。また、両端の電
流がそれぞれ検出できるため、事故判定の判定式をスカ
ラー和抑制方式や最大端子スカラー抑制方式など目的に
合った方式に柔軟に対応することができる。さらに、接
続用ケーブルのインピーダンスにより分流比が変化して
も、事前に接続用ケーブルのインピーダンスを考慮した
分流比を求めておくことで、正確な電流の検出および事
故判定ができ、事故判定の精度の向上を図ることができ
る。
【0027】
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明の表示線保護継電装置の実施の
形態を示す図である。
【図2】請求項2の発明の表示線保護継電装置の実施の
形態を示す図である。
【図3】請求項1の発明の表示線保護継電装置の実施の
形態における、各インピーダンス素子に流れる電流を示
す図である。
【図4】請求項2の発明の表示線保護継電装置の実施の
形態における、各インピーダンス素子に流れる電流を示
す図である。
【図5】接続ケーブルの等価回路を示す図である。
【図6】従来の表示線保護継電装置の一例を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 送電線 2a 第1の変流器 2b 第2の変流器 3a 第1の直列インピーダンス素子 4a 第1の並列インピーダンス素子 3b 第2の直列インピーダンス素子 4b 第2の並列インピーダンス素子 5 差電流検出器 6 自端電流検出器 7,17 判定部 10 和電流検出器

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送電線に2つの第1、第2の変流器を接
    続し、 前記第1の変流器の2次側の一方の端子と他方の端子間
    に第1の直列インピーダンス素子と第1の並列インピー
    ダンス素子とを直列にして接続し、 前記第2の変流器の2次側の一方の端子と他方の端子間
    に第2の直列インピーダンス素子と第2の並列インピー
    ダンス素子とを直列にして接続し、 前記第1と第2の並列インピーダンス素子とを並列接続
    し、 前記第1と第2の並列インピーダンス素子の少なくとも
    一方に当該素子を流れる電流を検出する差電流検出器を
    接続し、 前記第1と第2の直列インピーダンス素子の少なくとも
    一方に当該素子を流れる電流を検出する自端電流検出器
    を接続し、 これらの差電流検出器と自端電流検出器のそれぞれの出
    力から、前記第1の変流器と前記第2の変流器の2次出
    力をベクトル合成した電流、および前記第1、第2の変
    流器のそれぞれの2次電流とを求め、これらの求めた各
    電流により前記第1と第2の変流器で挟まれた前記送電
    線の内部で事故が発生したか否かを判定する判定部を設
    けた、 ことを特徴とする表示線保護継電装置。
  2. 【請求項2】 送電線に2つの第1、第2の変流器を接
    続し、 前記第1と第2の変流器の2次側の一方の端子間に第1
    の直列インピーダンス素子と第2の直列インピーダンス
    素子とを直列にして接続し、 前記第1と第2の変流器の2次側の他方の端子同士を接
    続し、 前記第1の変流器の2次側の一方の端子と他方の端子間
    に第1の並列インピーダンス素子を接続し、 前記第2の変流器の2次側の一方の端子と他方の端子間
    に第2の並列インピーダンス素子を接続し、 前記第1と第2の並列インピーダンス素子の少なくとも
    一方に当該素子を流れる電流を検出する差電流検出器を
    接続し、 前記第1と第2の直列インピーダンス素子の少なくとも
    一方に当該素子を流れる電流を検出する和電流検出器を
    接続し、 これらの差電流検出器と和電流検出器のそれぞれの出力
    から、前記第1の変流器と前記第2の変流器の2次出力
    をベクトル合成した電流、および前記第1、第2の変流
    器のそれぞれの2次電流とを求め、これらの求めた各電
    流により前記第1と第2の変流器で挟まれた前記送電線
    の内部で事故が発生したか否かを判定する判定部を設け
    た、ことを特徴とする表示線保護継電装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011072135A (ja) * 2009-09-25 2011-04-07 Toshiba Corp 電流差動保護継電装置

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