JPS633536B2 - - Google Patents

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JPS633536B2
JPS633536B2 JP54012620A JP1262079A JPS633536B2 JP S633536 B2 JPS633536 B2 JP S633536B2 JP 54012620 A JP54012620 A JP 54012620A JP 1262079 A JP1262079 A JP 1262079A JP S633536 B2 JPS633536 B2 JP S633536B2
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JP
Japan
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phase
line
zero
current
voltage
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JP54012620A
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JPS55106029A (en
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Takaaki Kai
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Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPS55106029A publication Critical patent/JPS55106029A/ja
Publication of JPS633536B2 publication Critical patent/JPS633536B2/ja
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Description

手段10 によつて構成したことを特徴とする共架多回線
地絡過電圧リレー。 2 インピーダンス接地系統並行2回線からなる
自回線の電圧と電流を検出し、該自回線の各相の
回線間差電流Ias〜Icsと各相の電圧Va〜Vcを出力
する電気量検出手段(第7図の5)と、 前記各相の回線間差電流Ias〜Icsを入力とし、
該各相の回線間差電流Ias〜Icsの相互関係より前
記自回線の健全相と故障相を判定する判定手段6
と、 前記判定手段6による判定結果に基づいて健全
相の回線間差電流から故障相の回線間差電流を推
定し、且つ当該推定した故障相の回線間差電流と
他の健全相の測定した回線間差電流を用いて零相
循環電流ipthを算出する零相循環電流算出手段7
と、 前記電気量検出手段5により検出された前記自
回線のリレー設置端の各相電圧Va〜Vcをもとに
電圧の零相分Vpを算出すると共に、前記各相の
回線間差電流Ias〜Icsをもとに各回線の回線間差
電流の零相分Ipsを算出する演算手段8と、 零相循環電流ipthが前記零相たて電圧Vp〓に比例
する関係を用いて前記零相循環電流検出手段7に
よつて求められた零相循環電流ipthから零相たて
電圧Vp〓を算出し、この零相たて電圧Vp〓を前記電
圧の零相分Vpから差し引くことにより誘導によ
る零相たて電圧の補償を行うと共に、前記回線間
差電流の零相分Ipsから零相循環電流ipthを差し引
くことにより前記零相循環電流の補償(ps=Ips
−2Ipth)を行う補償手段9と、 前記補償手段9によつて補償された零相電圧
と零相回線間差電流psを用いて地絡回線の選択
を行い、当該地絡回線のしや断器をトリツプさせ
る手段 によつて構成したことを特徴とする共架多回線
地絡回線選択リレー。 3 インピーダンス接地系統並行2回線からなる
自回線の電圧と電流を検出し、該自回線の各相の
回線間差電流Ias〜Icsと各相電圧Va〜Vcを出力す
る電気量検出手段と、 前記各相の回線間差電流Ias〜Icsを入力とし、
該各相の回線間差電流Ias〜Icsの相互関係より前
記自回線の健全相と故障相を判定する判定手段
と、 前記判定手段による判定結果に基づいて健全相
の回線間差電流から故障相の回線間差電流を推定
し、且つ当該推定した故障相の回線間差電流と他
の健全相の測定した回線間差電流を用いて零相循
環電流ipthを算出する零相循環電流算出手段と、 前記電気量検出手段により検出された前記リレ
ー設置端の各相電圧Va〜Vcをもとに電圧の零相
分Vpを算出する演算手段と、 前記零相循環電流ipthが前記零相たて電圧Vp〓に
比例する関係を用いて前記零相循環電流検出手段
によつて求められた零相循環電流ipthから零相た
て電圧Vp〓を算出し、この零相たて電圧Vp〓を前記
電圧の零相分Vpから差し引くことにより誘導に
よる零相たて電圧の補償を行う補償手段と、 自回線の各相電流を加算して零相電流の和電流
IpAddを求める零相和電流算出手段と、 前記補償手段によつて求められた零相電圧p
と、前記零相和電流算出手段によつて得られた零
相電流の和IpAddを用いて地絡方向を求める手段 によつて構成したことを特徴とする共架多回線
地絡リレー。 4 インピーダンス接地系統並行2回線からなる
自回線の電圧と電流を検出し、該自回線の各相の
回線間差電流Ias〜Icsと自回線の1号線零相電流Ip
および各相電圧Va〜Vcを出力する電気量検出手
段(第10図の7)と、 前記各相の回線間差電流Ias〜Icsを入力とし、
該各相の回線間差電流Ias〜Icsの相互関係より前
記自回線の健全相と故障相を判定するとともに、
相手端が先行しや断か否かを判定する判定手段8
と、 前記判定手段8による判定結果に基づいて相手
端が先行しや断でない場合には健全相の回線間差
電流から故障相の回線間差電流を推定し、且つ当
該推定した故障相の回線間差電流と他の健全相の
測定した回線間差電流を用いて零相循環電流ipth
を算出し、相手端が先行しや断の場合には零相循
環電流ipthを零とおく零相循環電流算出手段9と、 前記電気量検出手段により検出された前記リレ
ー設置端の各相電圧Va〜Vcをもとに電圧の零相
分Vpを算出する演算手段10と、 前記零相循環電流ipthが前記零相たて電圧Vp〓に
比例する関係を用いて前記零相循環電流検出手段
9によつて求められた零相循環電流ipthから零相
たて電圧Vp〓を算出し、この零相たて電圧Vp〓を前
記電圧の零相分Vpから差し引くことにより誘導
による零相たて電圧の補償を行うとともに前記零
相循環電流ipthを前記零相電流Ipから差し引くこと
により零相循環電流の補償を行い、さらに補償さ
れた零相電圧pと補償された零相電流pを用い
て地絡方向を求める手段11によつて構成されて
いることを特徴とする共架多回線用地絡後備保護
リレー。
【発明の詳細な説明】
本発明は電力系統の保護装置に係り、特に共架
多回線系統の他回線から自回線の悪影響を防止し
た地絡方向保護リレーに関するものである。 (3−1) 第1図は共架系統モデルと鉄塔モデルを示し、
零相電流の補償をするにあたつて、第1図の共架
系統モデルで、他回線1号線のA,B,C相の各
相電流をIA,IB,IC、2号線の各相電流をI′A,I′B
I′Cとする。これにより生じる磁束が、自回線
(抵抗接地系)の1号線のa,b,c相、同じく
2号線a′,b′,c′相に鎖交する磁束数をφa,φb
φc及びφ′a,φ′b,φ′cとすると、これらは(1)式
で求
まる。 (1)式のMAa,MBa,……,Mcc′は次の通りであ
る。 MAa:他回線1LのA相と自回線1Lのa相との
単位長あたりの相互インダクタンス。 MBa:他回線1LのB相と自回線1Lのa相との
単位長あたりの相互インダクタンス。 MCc′:他回線2LのC′と自回線2LのC′相との単
位長あたりの相互インダクタンス。 共架系統の電線配置モデルを第2図に示す。こ
れから(1)式右辺の各相互インダクタンスを求めた
結果を第1表に示す。 自回線の1号線のa,b,c相、及び2号線の
a′,b′,c′相に発生する電磁誘導電圧、Van
Vbn,Vcn及びVan,Vbn,Vcnは、φa,φb,φc
φa′,φb′,φc′を微分して符号を反転することに
よつて求まる。それを(2)式に示す。 (2)式から自回線の1号線a,b,c相に発生す
る誘導電圧と2号線a′,b′,c′相に発生する誘導
電圧との回線間各相の誘導電圧の差は(3)式にな
る。ここでMは(1)式のMに相当するものである。 自回線の、1号線と2号線の回線間ループインピ
ーダンスをZ00とすると、1号線、2号線の各相
の回線間循環電流iath,ibth,icthは(4)式で与え
られる。 (第1表) 第2図の導体配置から計算した他回線と自回線
間の相互インダクタンス(単位m当り) MAa=μl/2πlog2He/DAa MAa′=μl/2πlog2He/{D2Aa+W21/2 MBa=μl/2πlog2He/DAa−h MBa′=μl/2πlog2He/{(DAa−h)2+W21/2 Mcb=μl/2πlog2He/DAa−2h MCa′=μl/2π log2he/{(DAa−2h)2+W21/2 MAa′=μl/2π log2He/{(DAa−2h)2+W21/2 MAa′=μl/2πlog2He/DAa−2h MBa=μl/2πlog2He/{(DAa−h)2+W21/2 MBa′=μl/2πlog2He/DAa−h MCa=μl/2πlog2He/{D2 Aa+W21/2 MCa′=μl/2πlog2He/DAa MAb=μl/2πlog2He/DAa+d MAb′=μl/2πlog2He/{(DAa+d)2+W21/2 MBb=μl/2πlog2He/DAa+d−h MBb′=μl/2π log2He/{(DAa+d−h)2++W21/2 MCb=μl/2πlog2He/DAa+d−2h MCb′=μl/2π log2He/{(DAa+d−2h)2+W21/2 MAb=μl/2π log2He/{(DAa+d−2h)2+W21/2 MAb′=μl/2πlog2He/DAa+d−2h MBb=μl/2π log2He/{(DAa+d−h)2+W21/2 MBb′=μl/2πlog2He/DAa+d−h MCb=μl/2πlog2He/{(DAa+d)2+W21/2 MCb′=μl/2πlog2He/DAa+d MAc=μl/2πlog2He/DAa+2d MAc′=μl/2π log2He/{(DAa+2d)2+W21/2 MBc=μl/2πlog2He/DAa+2d−h MBc′=μl/2π log2He/{(DAa+2d−h)2+W21/2 MCc=μl/2πlog2He/DAa+2d−2h MCc′=μl/2π log2He/{(DAa+2d−2h)2+W21/2 MAc=μl/2π log2He/{(DAa+2d−2h)2+W21/2 MAc′=μl/2πlog2He/DAa+2d−2h MBc=μl/2π log2He/{(DAa+2d−h)2+W21/2 MBc′=μl/2πlog2He/DAa+2d−h MCc=μl/2πlog2He/{(DAa+2d)2+W21/2 MCc′=μl/2πlog2He/DAa+2d l:併架亘長(m) μ:空気中の透磁率4π×10-7 (3),(4)式及び第1表から他回線の各運用状態
(2回線並用または1回線のみ運用)でのIath,
Ibth,及びIcthとの関係式を求める。 (a) 他回線2回線並用時 他回線の各相電流は次の通りである。 (5)式を(3)式に代入して整理すると(6)式になる。 (6)式に(4)式からIpとVan−Vbn,Vcn−Vcnを消
去してiathとibth及びicthとの関係式を求めると
(7),(8)式になる。 iath=(MAa′−MAa+MAa′−MAa)+(MBa−M
Ba+MBa′−MBa)a2/(MAb′−MAb+MAb′−MA
b)+(MBb−MBb+MBb′−MBb)a2 +(MCa′−MCa+MCa′−MCa)a/+(MCb
−MCb+MCb′−MCb)aibth……(7) iath=(MAa′−MAa+MAa′−MAa)+(MBa
−MBa+MBa′−MBa)a2/(MAc′−MAc+MAc′−
MAc)+(MBc′−MBc+MBc′−MBc)a2 +(MCa′−MCa+MCa′−MCa)a/+(MCc
−MCc+MCc′−MCc)aiath……(8) (7),(8)式に第1表の相互インダクタンスの式を
代入すると(9),(10)式になる。 iath=loDAa/{D2Aa+W21/2+lo{(DAa−2h)2
W21/2/DAa−2h+〔loDAa−h/{(DAa−h)2+W2
1/2/loDAa+d/{(DAa+d)2+W21/2+lo{(D
Aa+d−2h)2+W21/2/DAa+d−2h+〔loDAa+d−
h/{(DAa+d−h)2+W21/2※ ※+lo{(DAa−h)2+W21/2/DAa−h〕a2+〔loDA
a
−2h/{(DAa−2h)2+W21/2+lo{D2Aa+W21/
2
/DAa〕a/+lo{(DAa+d−h)2+W21/2/DAa
d−h〕a2+〔loDAa+d−2h/{(DAa+d−2h)2+W
21/2+lo{(DAa+d)2+W21/2/DAa+d〕a・
ibth ……(9) iath=loDAa/{D2Aa+W21/2+lo{(DAa−2h)2
W21/2/DAa−2h+〔loDAa−h/{(DAa−h)2+W2
1/2/loDAa+2d/{(DAa+2d)2+W21/2+lo{(D
Aa+2d−2h)2+W21/2/DAa+2d−2h+〔loDAa+2d−
h/{(DAa+2d−h)2+W21/2※ ※+lo{(DAa−h)2+W21/2/DAa−h〕a2+〔loDA
a
−2h/{(DAa−2h)2+W21/2+lo{D2Aa+W21/
2
/DAa〕a/+lo{(DAa+2d−h)2+W21/2/DAa
2d−h〕a2+〔loDAa+2d−2h/{(DAa+2d−2h)2+W
21/2+lo{(DAa+2d)2+W21/2/DAa+2d〕a・
icth ……(10) (9),(10)式からわかるように電線配置によつて決
まる(9)式,(10)式の右辺の係数とibthまたはicthから
iathが推定することができる。(9),(10)式の分子を
K〓a,(9)式,(10)式の分母をそれぞれK〓b,K〓cとお

と、(11),(12)式になる。 iath=K〓a/Kbibth ……(11) iath=K〓a/Kcicth ……(12) (11),(12)式から ibth=K〓b/Kaiath ……(13) ibth=K〓b/Kcicth ……(14) 従つて、(13),(14)式からiathまたはicthから
ibthが推定できる。 また、(11),(12)式から icth=K〓c/Kaiath ……(15) icth=K〓c/Kbibth ……(16) 従つて、(15),(16)式からわかるようにiath
たはibthからicthが推定できる。 (b) 他回線1号線のみ運用、2号線停止 他回線各相電流は次のように書ける。 (a)の場合と同様にiathとibthまたはicthとの関係
式を求めると(18),(19)式になる。 iath=(MAa′−MAa)+(MBa′−MBa)a2+(MCa
′−MCa)a/(MAb′−MAb)+(MBb′−MBb)a2+(M
Cb′−MCb)aibth……(18) iath=(MAa′−MAa)+(MBa′−MBa)a2+(MCa
′−MCa)a/(MAc′−MAc)+(MBc′−MBc)a2+(M
Cc′−MCc)aicth……(19) (18),(19)式に第1表の相互インダクタンス
の式を代入して iath=loDAa/{D2Aa+W21/2+a2loDAa−h/{(D
Aa−h)2+W21/2/loDAa+d/{(DA+d)2+W2
1/2+a2loDAa+d−h/{(DAa+d−h)2+W21/2
※ ※+aloDAa−2h/{(DAa−2h)2+W21/2/+aloDAa
+d−2h/{(DAa+d−2h)2+W21/2ibth……(20) iath=loDAa/{D2Aa+W21/2+a2loDAa−h/{(D
Aa−h)2+W21/2/loDAa+2d/{(DAa+2d)2+W2
1/2+a2loDAa+2d−h/{(DAa+2d−h)2+W21/
2
※ ※+aloDAa−2h/{(DAa−2h)2+W21/2/+aloDAa
+2d−2h/{(DAa+2d−2h)2+W21/2icth……(21) (20),(21)式からわかるようにibth又はicth
らiathが推定できる。 (20),(21)式の分子をK〓a′,(20)式,(21)
式の分母をK〓b′,K〓c′とおくと、 iath=K〓a′/Kb′ibth ……(22) iath=K〓a′/Kc′icth ……(23) ibth=K〓b′/Ka′icth ……(24) ibth=K〓b′/Kc′icth ……(25) icth=K〓c′/Ka′iath ……(26) icth=K〓c′/Kb′ibth ……(27) (22)と(27)式からわかるようにある相循環
電流から他の相循環電流を推定することができ
る。 (c) 他回線2号線のみ運用、1号線停止 他回線各相電流は次のようにかける。 (a)の場合と同様にiathとibthまたはicthとの関係式
を求めると、(29),(30)式になる。 iath=(MAa′−MAa)+(MBa′−MBa)a2
+(MCa′−MCa)a/(MAb′−MAb)+(MB
b′−MBb)a2+(MCb′−MCb)aibth……(29) iath=(MAa′−MAa)+(MBa′−MBa)a2
+(MCa′−MCa)a/(MAc′−MAc)+(MB
c′−MBc)a2+(MCc′−MCc)aicth……(30) (29),(30)式に第1表の相互インダクタンス
の式を代入すると iath=lo{(DAa−2h)2+W21/2/DAa−2h+a2lo{(
DAa−h)2+W21/2/DAa−h/lo{(DAa+d−2h)2
+W21/2/DAa+d−2h+a2lo{(DAad−h)2+W2
1/2/DAa+d−h※ ※+alo{D2Aa+W21/2/DAa/+alo{(DAa+d)2
+W21/2/DAa+d・ibth……(31) iath=lo{(DAa−2h)2+W21/2/DAa−2h+a2lo{(
DAa−h)2+W21/2/DAa−h/lo{(DAa+2d−2h)2
+W21/2/DAa+2d−2h+a2lo{(DAa+2d−h)2+W2
1/2/DAa+2d−h※ ※+alo{D2Aa+W21/2/DAa/+alo{(DAa+2d)2
+W21/2/DAa+2dicth……(32) (31),(32)式の分子をKa″,(31),(32)式
の分母をK〓b″,K〓c″とおくと iath=K〓a″/Kb″ibth ……(33) iath=K〓a″/Kc″icth ……(34) ibth=K〓b″/Ka″iath ……(35) ibth=K〓b″/Kc″icth ……(36) icth=K〓c″/Ka″iath ……(37) icth=K〓c″/Kb″ibth ……(38) (33)〜(38)式を使つて、ある相循環電流か
ら他の相循環電流を推定することができる。 iath,ibth及びicthとの関係式の1例を第1図に
示した共架系統モデルを例にとり、他回線2回
線並用時、1回線のみ運用時の場合のiath,ibth
及びicthとの関係式を求めると (9),(10),(20),(21),(31),(32)式から
【表】 第2表は他回線の各運用状態でのiath,ibth,icth
の関係式である。 第2表から、他回線が2回線並用時、1回線運
用時のいづれの状態でも、iath,ibth,icthの関係式
は2%以内の偏差で一定であることがわかる。言
い換えると、他回線2回線運用時の場合でのiath
ibth,icthとの関係式より、他回線事故時と再閉路
時を除いて他回線の運用状態にかかわらず、位相
差で4゜、大きさで2%以内の誤差である相の循環
電流から他の相の循環電流を指定することができ
る。 従つて他回線健全時の場合のIath,Ibth,Icth
の関係式を、2回線並用時の場合での関係式で代
表させる。 (11)−(16)式を再び記すと iath=Ka/Kbibth ……(11) iath=Ka/Kcicth ……(12) ibth=Kb/Kaiath ……(13) ibth=Kb/Kcicth ……(14) icth=Kc/Kaiath ……(15) icth=Kc/Kbibth ……(16) Ka,Kb,Kcは一定値で電線の配置から求まる。
(11)〜(16)式から iath=Ka/Kbibth=Ka/Kcicth ……(39) ibth=Kb/Kaiath=Kb/Kcicth ……(40) icth=Kc/Kaiath=Kc/Kbibth ……(41) 各相の回線間差電流(1号線から2号線の相電流
を引く)ias,ibs,icsは、各相の循環電流iath
ibth,icthの2倍に等しいから(39)〜(41)式の
iath,ibth,icthのかわりにias,ibs,icsを代入して

(39)〜(41)式は成立する。しかし事故相には
循環電流の他に事故電流が重畳するので、(39)
〜(41)式の中で事故相に対応する式は成立しな
い。例えば、a相地絡の場合(39)式のみ成立し
て(40)式、(41)式が成立しない。従つて(30)
〜(40)式の成否を推定して地絡相を求め、地絡
相の循環電流iathは、他の循環電流から推定する。
1線地絡を対象に(39)〜(41)式の成否をまと
めると第3表の通りである。
【表】 a 相地絡の場合、 ibs,icsはb相、c相の2相の循環電流2ibth
2icthであるから、これらよりa相循環電流iath
推定する。(11),(12)式から 2iath=Ka/Kbibs ……(42) 2iath=Ka/Kcics ……(43) (42),(43)式の平均をとつて 2iath=(Ka/Kbibs+Ka/Kcics)/2 ……(44) 他の相の1線地絡故障の場合も同様に、健全相か
ら推定できる。 b 相地絡の場合 2ibth=(Kb/Kaias+Kb/Kcics)/2 ……(45) c 相地絡の場合 2icth=(Kc/Kaias+Kc/Kbibs)/2 ……(46) 相手端が先行しや断するとias,ibs,icsは夫々a,
b,c相の負荷電流となり、故障相にはさらに故
障電流が重畳するので(39)〜(41)式は成立し
ない。 第3図の両端接地系統自回線の電圧,電流分布
を示すと第15図のようになる。α端,β端の各
中性点接地抵抗はR〓,R〓であるから、1号線1
Lと2号線2Lに誘導される電流のうち、抵抗
R〓,R〓を流れる各相の和電流をias,ibe,iceとす
ると、第15図の回路で1号線1Lに対して次式
が成立する。 Van=R〓(iae+ibe+ice)+R〓(iae+ibe+ic
e
)+Zpp/2iath……(47) Vbn=R〓(iae+ibe+ice)R〓(iae+ibe+ice
)+Zpp/2ibth……(48) Vcn=R〓(iae+ibe+ice)+R〓(iae+ibe+ic
e
)+Zpp/2icth……(49) (47),(48),(49)式を加算すると、 Van+Vbn+Vcn=3(R〓+R〓)(iae+ibeice)+Zp
p
/2(iath+ibth+icth……(50) となる。Van,Vbn,Vcnの零相分をVpnとし、
iath,ibth,icthの零相分をipthとし、iae,ibe,ice

零相分をipeとすると、 Vpn=Van+Vbn+Vcn ……(51) ipth=iath+ibth+icth ……(52) ipe=iae+ibe+ice ……(53) であり、(50)式は次式の(54)式となる。 Vpn=3(R〓+R〓)ipe+Zpp/2ipth ……(54) 一般に、他回線の電流によつて誘導される電圧
の零相分Vpnと電流の零相分ipthとは次の通り比例
関係にある。 例えば、他回線2回線並用時においては、(1),
(2),(5)式から、 Van=jwl{(−MAa−MAa) +(−MBa−MBa)a2+(−Mca−Mca)a}
Ip ……(55) −Van=jwl{(−MAa′+MAa′) +(MBa′+MBa′)a2+(Mca′+Mca′)a}
Ip
……(56) (55),(56)式より、a相の回線1Lのインピー
ダンスZanとa相の回線2Lのインピーダンス
Zanは、 Zan=(−MAa−MAa) +(−MBa−MBa′)a2+(−Mca−Mca)a
……(57) Zan=(MAa′+MAa′) +(MBa′+MBa′)a2+(Mca′+Mca′)a
……(58) とおくと、(55),(56)式から Van−Van=(Zan+Zan)Ip ……(59) となる。(3)式のb,c相も同様に、 Vbn−Vbn=(Zbn+Zbn)Ip ……(60) Vcn−Vcn=(Zcn+Zcn)Ip ……(60‐1) となる。但し、 (4)式に(59),(60),(60−1)式を代入すると、 となる。ここで、回線間循環電流の零相分ipthは、 ipth=iath+ibth+icth=(Zan+Zan)+(Zbn+Zb
n)+(Zcn+Zcn)/ZppIp……(60‐4) となり、該回線間循環電流の零相分ipthは他回線
の電流Ipに比例する。 (60−4)式について Kpn=(Zan+Zan)+(Zbn+Zbn)+(Zcn
Zcn)/Zpp とおくと、 ipth=Kpn Ip ……(60‐5) 式となる。Kpnは送電線の電線配置及びインピー
ダンスZppから決まる一定値となる。 (51),(59),(60)式から、 Vpn=Van+Vbn+Vcn =(Zan+Zbn+Zcn)Ip ……(60‐6) となる。(54),(60−5),(60−6)式より (Zan+Zbn+Zcn)Ip =3(R〓+R〓)ipe+Zpp/2Kpn Ip ∴ipe=Zan+Zbn+Zcn−Zpp/2Kpn/3(R〓+R〓)
Ip ……(60‐7) (60−7)式にKpnの値を代入すると、 ipe=(Zan−Zan)+(Zbn−Zbn)+(Zcn
Zcn)/6(R〓+R〓)Ip……(60‐8) となる。 α,β端に表われる零相たて電圧をVp〓,Vp〓と
すると、 Vp〓=−R〓(iae+ibe+ice)=−R〓ipe =R〓{(Zan−Zan)+(Zbn−Zbn)+(Zcn
−Zcn)}/6(R〓+R〓)Ip……(60‐9) V〓=R〓(iae+ibe+ice)=R〓ipe =R〓{(Zan−Zan)+(Zbn−Zbn)+(Zcn
−Zcn)}/6(R〓+R〓)Ip……(60‐10) (60−9),(60−10)式に(60−4)式を代入す
ると、 Vp〓=−ZppR〓{(Zan−Zan)+(Zbn−Zbn
+(Zcn−Zcn)}ipth/6(R〓+R〓){(Zan+Za
n)+(Zbn+Zbn)+(Zcn+Zcn)}……(60‐11
) Vp〓=ZppR〓{(Zan−Zan)+(Zbn−Zbn)+
(Zcn−Zcn)}ipth/6(R〓+R〓){(Zan+Zan
)+(Zbn+Zbn)+(Zcn+Zcn)}……(60‐12) となる。 α端にリレーを設置した場合の、零相たて電圧
の補償処理フロー図を第4図に示す。 例としてa相地絡時を考える。第5図にa相地
絡時の各電流を示した。以下の説明でこの図を参
照する。α端の各相電圧Va,Vb,Vcと各相の回
線間差電流(各相について1号線の相電流から2
号線の相電流を引く)Ias,Ibs,Icsを変成器、変
流器で測定して Vp=Va+Vb+Vc ……(61) とおく。ブロツクB2でこの処理を行う。今、a
相地絡であるからa相の1号線及び2号線に流れ
る地絡故障電流をIF1,IF2とすると、第5図から
Ias,Ibs,Icsは、(62)〜(64)式になる。 Ias=2Iath+IF1−IF2 ……(62) Ibs=2Ibth ……(63) Ics=2Icth ……(64) a相地絡であるから(39)〜(41)式の中で、
(39)式のみ成立して、(40),(41)式は成立しな
いから、ブロツクB2よりブロツクB7へ進む。
ブロツクB7で(62)式のa相の循環電流iathは、
b,c相の循環電流から(44)式より推定する。
さらにここで、iath,ibs,icsから零相循環電流の
2倍を算出する。ブロツクB7で以上の処理を行
い、ブロツクB11へ進む。このブロツクで、
(59)式から、α端の零相たて電圧を算出して、
(65)式の演算を行う。 Vp−=Vp−Vp〓 ……(65) (65)式の左辺のVp−は、誘導によつて現われ
る零相たて電圧が補償されたものであるから、こ
のVp−は、地絡故障のみによつて現われる成分で
ある。従つて(65)式の左辺のVp−によつて地絡
故障の検出を行う。ブロツクB12では、(65)
式の左辺のVp−の大きさをある基準値と比較して、
これを越すと地絡故障と判定して、ブロツクB1
3に進み地絡故障検出信号を出力する。 他の相の地絡故障の場合は、a相地絡と同様に
(61)式の演算を行い、b相地絡時には(39)〜
(41)式の中で(40)式のみ成立するからブロツ
クB8へ進みここでb相の循環電流ibthは、a,
c相の循環電流から(45)式より推定する。さら
にここで、ibth,ias,icsから零相循環電流の2倍
を算出する。c相地絡時には(39)〜(41)式の
中で(41)式のみ成立するからブロツクB9へ進
み、(46)式よりc相の循環電流icthをias,ibsから
推定して零相循環電流の2倍を算出する。以下ブ
ロツクB11へ進みa相地絡時と同様の処理を行
う。相手端先行しや断時は、(39)〜(41)式の
いづれも成立せずブロツクB10へ進み、零相循
環電流ipthが零となり、ブロツクB11で零相た
て電圧の補償ができない。しかしながら、相手端
先行しや断時には、地絡故障による零相電圧が発
生して、地絡故障検出信号が出力されているの
で、地絡故障検出信号をブロツクB10でロツク
してブロツクB11へ進む。 回線健全時は(39)〜(41)式いづれも成立し
ているから、この場合には地絡故障判定は行なわ
ない。 第6図に零相たて電圧補償原理を適用した地絡
故障検出リレーブロツク図の1例を示す。1は高
抵抗接地系統の並行2回線系統を示す。これを線
図で表わした。2は、並行2回線の各回線の各相
に設置されたしや断器を示す。3は並行2回線の
各回線の各相に設置された電流変成器で差接続と
して、各相の回線間差電流Ias,Ibs,Icsを測定し
て5の入力とする。4は電圧変成器で各相電圧
Va,Vb,Vcを測定し、電流と同様5の入力とす
る。5はサンプリングホールドとA/D変換処理
を行うブロツクで、3,4より得られた電流、電
圧を一定周期でサンプリングしてホールドし、さ
らにA/D変換処理する。8は演算回路で5の出
力Va,Vb,VcからVp=Va+Vb+Vcを求める。
6は判定ブロツクで自回線系統の状態、すなわち
健全または1線地絡の故障相及び相手端が先行し
や断かどうか、5の出力Ias,Ibs,Icsから(39),
(40),(41)式の成否を判断して、判定する。7
は零相循環電流の推定を行うブロツクで、判定が
健全ならば地絡故障検出は行ない。a,b,c相
のいずれかの1線地絡事故の判定であれば、故障
相の循環電流は健全相の循環電流から、a相地絡
であると(44)式、b相地絡であると(45)式、
c相地絡であると(46)式を使つて推定する。そ
して零相循環電流の2倍である2ipthを求める。相
手端先行しや断であるとipth=0とする。ブロツ
ク9で誘導による零相たて電圧の補償を行う。こ
のブロツクで7の出力2Ipthから(60−11)式より
Vp〓を求め、8の出力Vpからこれをひく。すなわ
ちVp−=Vp−Vp〓の演算を行い誘導による零相たて
電圧が補償されたVp−によつて地絡故障の検出を
行う。ブロツク10で、Vp−の大きさとある基準値
と比較してVp−がこのレベルを越すと地絡故障と
みなして、地絡故障検出信号11を出力する。 (3‐2) 誘導による零相循環電流と零相たて電圧
の補償を行なつた地絡回線選択リレー 並行2回線の各回線の零相電流の差と零相電圧
によつて地絡回線の選択を行うリレーでは、誘導
による零相循環電流と零相たて電圧によつて不良
動作するのでこれを対策する。 並行2回線の各回線の零相電流の差Ips(1号線
の零相電流から2号線の零相電流を引く)は、
(62),(63),(64)式から(66)式で与えられる。 Ips=Ias+Ibs+Ics ……(66) 第5図に示すようにa相地絡であると(66)式
は(67)式になる。 Ips=IF1−IF2+2Iath +2Ibth+2Icth =IF1−IF2+2Ipth ……(67) (IF1:1号線のa相を流れる故障電流、 IF2:2号線のa相を流れる故障電流) (67)式の2Ipthを補償するために、(67)式から
2Ipthをひいた。 Ips−=Ips−2Ipth ……(68) (68)式のIps−を地絡回線選択リレーに入力す
る。 零相循環電流の補償処理フロー図は、第4図の
零相たて電圧補償処理フロー図に次の処理を付加
する。 ブロツク2に対して Ips=Ias+Ibs+Ics ……(69) ブロツク11に対して Ips−=Ips−2ipth ……(70) Ips−,Vp−によつて地絡回線を選択する。 ブロツク13に対して 地絡回線を選択して地絡回線検出信号を出力す
る。 零相循環電流の補償処理フローは、(3−1)
の零相たて電圧の補償と同様であるので説明は省
略する。 第7図に、零相循環電流と零相たて電圧の補償
原理を適用した地絡回線選択リレーのブロツク図
の1例を示す。1は高抵抗接地系統の並行2回線
系統を示し、これを単線図で示した。2は、並行
2回線の各回線の各相に設置されたしや断器を示
す。3は並行2回線の各回線の各相に設置された
電流変成器で差接続として、各相の回線間差電流
Ias,Ibs,Icsを測定して5の入力とする。4は電
圧変成器で各相電圧Va,Vb,Vcを測定し、電流
と同様5の入力とする。5はサンプリングホール
ドとA/D変換処理を行うブロツクで、3,4よ
り得られた電流・電圧を一定周期でサンプリング
してホールドし、さらにA/D変換する。8は演
算回路で、5の出力Va,Vb,VcからVp=Va
Vb+Vcまた、5の出力Ias,Ibs,IcsからIps=Ias
Ibs+Icsを求める。6は判定ブロツクで自回線の
系統状態を、すなわち健全または1線地絡の地絡
相及び相手端先行しや断かどうか、5の出力Ias
Ibs,Icsから(39),(40),(41)式の成否を判断
して判定する。7は零相循環電流の推定を行うブ
ロツクで健全ならば、地絡回線の選択は行なわな
い。a相地絡であると(44)式、b相地絡である
と(45)式、c相地絡であると(46)式から零相
循環電流を推定する。そして零相循環電流の2倍
の2ipthを求める。相手端先行しや断であるとipth
=0とする。ブロツク9で誘導による零相循環電
流の補償と零相たて電圧の補償を行い地絡回線の
選択を行う。 9で8の出力Ipsから、7の出力2ipthをひいて、
すなわち、Ips−=Ips−2ipthの演算結果Ips−を求め
る。同じく、2ipthから(60−11)式よりVp〓を求
め、8の出力Vpからこれをひく、すなわちVp−=
Vp−Vp〓の演算結果Vp−を求める。このIps−とVp

よつて接地回線の選択を行い、並行2回線の1号
線地絡と判定すれば1号線しや断器ひきはずし指
令10を出力して、1号線に該当するしや断器2
をトリツプする。2号線地絡と判定すれば2号線
しや断器ひきはずし指令11を出力して、2号線
に該当するしや断器2をトリツプする。 (3‐3) 地絡主保護リレー方式 3−1)の方式による地絡過電圧リレーを
OVG−Rとして、地絡故障時に発生する零相電
圧をOVG−Rによつて検出する。3−2)の方
式による地絡回線選択リレーをCSG−Rとして、
地絡回線の選択をCSG・Rによつて行う。他回
線故障時には、OVGR、及びCSG・Rが誤動作
し、1回線誤しや断する可能性があるので、両回
線の各相に設置されたCTで、1号線、2号線の
同一の相に対応するCTを和接続とし、回線間零
相循環電流を打消した各回線の零相電流の和電流
と、3−1)の方式によつて誘導による零相たて
電圧を補償した零相電圧とを入力とする地絡方向
リレーDG・Rを歯止めリレーとして用いる。第
5図で示すように、a相地絡時の1号線と2号線
の零相電流の和電流IpAddは IpAdd=(IF1+Iath)+Ibth+Icth +(IF2−Iath)−Ibth−Icth =IF1+IF2 ……(71) (71)式で表わされる。従つて、DG−Rは、回
線間零相循環電流が打ち消されたIpAddによつて故
障検出するので自回線地絡故障時のみDG・Rは
地絡故障検出信号を出力する。 地絡主保護リレー方式として、OVG・R,
DG・R,CSG・Rのリレー出力の論理積をと
り、この結果をしや断器ひきはずし指令とする。
第8図に地絡主保護リレーシーケンス回路を示
す。第8図でCSG・R1L及びCSG・R・2L
は、地絡回線選択リレーCSG・Rの1号線地絡
検出信号及び2号線地絡検出信号である。1L及
び2Lは、1号線及び2号線のしや断器のひきは
ずしコイルである。INR1及びINR2は、2号
線しや断器ひきはずし指令及び1号線しや断器ひ
きはずし指令をインターロツクする。 他回線と自回線(高抵抗接地系統)のそれぞれ
の健全、故障状態の各ケースにおける地絡主保護
リレーシーケンス回路の動作を説明する。 1 他回線、自回線とも健全の場合 OVG―R,DG―R,CSG・Rのリレー出力は
オフであるからしや断器ひきはずし指令は出力
されない。 2 他回線が故障かつ自回線が健全の場合 OVG・Rのリレー出力、CSG―Rの地絡回線
検出信号CSG―R・1L又はCSG・R・2L
はオンとなる可能性はあるが、DG―Rのリレ
ー出力はオフであるからしや断器ひきはずし指
令は出力されない。 3 第9図は他回線が健全かつ自回線が故障の場
合でDは地絡故障保護区間である。 (3−a) 第9図Aは他回線が健全で自回線
の外部故障を示すものである。OVG・R,
DG―Rのリレー出力はオンとなるが、CSG
―Rの地絡回線検出信号CSG・R・1L及
びCSG・R・2Lはオフであるからしや断
器ひきはずし指令は出力されない。 (3−b) 第9図Bは他回線が健全かつ自回
線の内部故障の場合を示すものである。
OVG―R,DG―Rのリレー出力はオンとな
り、またCSG・Rの地絡回線検出信号は、
地絡回線に対応するものがオンとなり地絡回
線のしや断器にひきはずし指令が出力され
る。それと同じに、地絡でない回線のしや断
器ひきはずし指令がロツクされる。 (3‐4) 地絡後保護リレー方式 地絡主保護リレーによる地絡保護を失敗した場
合、(3‐2)に示した方式によつて誘導による
零相循環電流と零相たて電圧を補償した各回線の
零相電流と零相電圧によつて各回線の地絡方向を
判定するリレーにより地絡保護する。 第10図に地絡後備保護リレーの一実施例を示
す。1及び2は並行2回線送電線を示す。1は1
号線、2は2号線である。3はしや断器、4は各
回線の各相に設置された電流変成器で差接続とし
て、各相の回線間差電流Ias,Ibs,Icsを測定して
7の入力とする。5は4の1号線の各相に設置さ
れた電流変成器の3次巻線をブロークンΔ結線し
た1号線の零相電流Ip=Ia+Ib+Icを測定する電流
変成器を示し、Ipを測定して7の入力とする。6
は電圧変成器で各相電圧Va,Vb,Vcを測定し、
電流と同様7の入力とする。7はサンプリングホ
ールドとA/D変換処理を行うブロツクで、4,
5,6より得られた電流、電圧を一定周期でサン
プリングしてホールドし、さらにA/D変換処理
する。10は演算回路で7の出力Va,Vb,Vc
らVp=Va+Vb+Vcを求める。8は判定ブロツク
で自回線の系統状態を、すなわち健全または1線
地絡の地絡相及び相手端が先行しや断かどうか、
7の出力Ias,Ibs,Icsから(39),(40),(41)式
の成否を判断して、判定する。9は零相循環電流
の推定を行うブロツクでこのブロツク9はブロツ
ク8で系統状態が健全と判定したならば、零相循
環電流の推定は行わない。a,b,c相のいずれ
かの1線地絡故障の判定であれば、故障相の循環
電流は健全相の循環電流から、a相地絡であると
(44)式、b相地絡であると(45)式、c相地絡
であると(46)式から零相循環電流ipthを推定す
る。相手端先行しや断であるとipth=0とする。
ブロツク11で誘導による零相循環電流と零相た
て電圧の補償を行う。そして地絡方向の判定をす
る。7の出力Ipから9の出力Ipthをひく。すなわ
ちIp−=Ip−Ipthの演算を行う。9の出力Ipthから
(60−11)式よりVp〓を求め、10の出力Vpから
これをひく。すなわちVp−=Vp−Vp〓の演算を行
う。そしてVp−,Ip−によつて地絡方向判定を行い。
地絡故障検出信号12を出力する。 並行2回線送電線の2号線も、同様のリレーを
設置する。 第11図に地絡保護リレーシーケンス回路を示
す。1号線及び2号線に設置された地絡方向後備
保護リレーの出力をDGB・1L及びDGB・2L
とする。STは地絡方向後備保護リレーの感度切
換タイマー。1LT,2LTは主保護リレーとの動
作時間の協調をとるタイマーである。1LTO,
2LTOはタイマー1LT及び2LTの出力である。
主保護リレーの動作時間は相手端至近地絡故障時
が最つとも長いので後備保護リレーのタイマー1
LT,2LTはその場合に協調させなければならな
い。第12図に相手端至近地絡故障時の相手端主
保護リレー及び自端の主保護リレーの動作時間を
示す。主保護リレーのCSG・Rの動作時間をTR
しや断指令が出てしや断器の切れる時間をTCB
すると、この場合の自端のしや断器が切れる時間
は、地絡故障後2(TR+TCB)であるので、後備
保護リレーによるしや断は2(TR+TCB)のちに
行なわさけなければならない。DGB・R1L及
びDGB・R2Lリレーの感度切換タイマーST
は、(TR+TCB)付近にセツトする。このリレー
の感度はSTが動作しないときは低下し、STが動
作したときは向上する。 地絡故障電流大の場合は、第13図に示すよう
にSTによつて感度を切換えなくともDGBR1L
またはDGBR2Lは動作するから1LT及び2
LTのタイマーは2TR+TCB付近にセツトする。 地絡故障電流小の場合は第14図に示すように
DGB1LまたはDGB2Lが地絡故障後TR+TCB
後に動作する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、共架系統モデル図。第2図は導体配
置図。第3図は両端接地系統図、第4図は零相た
て電圧の補償処理フロー図、第5図は、a相地絡
時の相循環電流と故障電流の分布図、第6図は零
相たて電圧補償原理を適用した地絡故障検出リレ
ーのブロツク図の1例を示し、第7図は零相循環
電流と零相たて電圧の補償原理を適用した地絡回
線選択リレーブロツク図、第8図は地絡保護リレ
ーシーケンス回路、第9図は他回線健全かつ自回
線が故障の系統状態、第10図は地絡後備保護リ
レーのブロツク図、第11図は、地絡保護リレー
シーケンス回路、第12図は、相手端至近地絡故
障の場合の主保護リレーの動作時間、第13図は
地絡故障電流大の場合の自端後備保護リレーの動
作時間、第14図は、地絡故障電流小の場合の自
端後備保護リレーの動作時間のチヤート、第15
図は両端接地系統自回線の電圧、電流分布図であ
る。 第6図において、1は高抵抗接地系統の並行2
回線系統、2はしや断器、3は電流変成器、4は
電圧変成器、5はサンプリングホールドとA/D
変換処理を行うブロツク、6は判定ブロツク、7
は零相循環電流の推定を行うブロツク、8は演算
回路、9は零相たて電圧補償ブロツク、10は地
絡故障検出ブロツク、11は地絡故障検出信号。 第7図において、9は零相循環電流の補償と零
相たて電圧の補償を行うブロツク。 第10図において、1,2……並行2回線送電
線、3……しや断器、4……電流変成器、5……
電流変成器の3次巻線、6……電圧変成器、7は
サンプルホールドとA/D変換を行うブロツク、
8……判定ブロツク、9……零相循環電流の推定
を行うブロツク、10……演算回路、11は零相
循環電流の補償と零相たて電圧の補償を行うブロ
ツク。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 インピーダンス接地系統並行2回線からなる
    自回線の電圧と電流を検出し、該自回線の各相の
    回線間差電流Ias〜Icsと各相電圧Va〜Vcを出力す
    る電気量検出手段(第6図の5)と、 前記各相の回線間差電流Ias〜Icsを入力とし、
    該各相の回線間差電流Ias〜Icsの相互関係より前
    記自回線の健全相と故障相を判定する判定手段6
    と、 前記判定手段6による判定結果に基づいて健全
    相の回線間差電流から故障相の回線間差電流を推
    定し、且つ当該推定した故障相の回線間差電流と
    他の健全相の測定した回線間差電流を用いて零相
    循環電流ipthを算出する零相循環電流算出手段7
    と、 前記電気量検出手段5により検出された前記自
    回線のリレー設置側端の各相電圧Va〜Vcをもと
    に電圧の零相分Vpを算出する演算手段8と、 前記零相循環電流検出手段7により算出された
    零相循環電流ipthが零相たて電圧Vp〓に比例する関
    係を用いて前に求められた零相循環電流ipthから
    零相たて電圧Vp〓を算出し、この零相たて電圧Vp
    を前記電圧の零相分Vpから差し引くことにより、
    誘導による零相たて電圧の補償(p=Vp−Vp〓)
    を行う零相たて電圧補償手段9と、 前記零相たて電圧補償手段9によつて補償され
    た零相電圧pを用いて地絡故障が起きたことを
    推定し地絡故障検出信号を発生する地絡故障判定
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