JP3436775B2 - 断路器の電極消耗率計測装置 - Google Patents

断路器の電極消耗率計測装置

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JP3436775B2
JP3436775B2 JP14658993A JP14658993A JP3436775B2 JP 3436775 B2 JP3436775 B2 JP 3436775B2 JP 14658993 A JP14658993 A JP 14658993A JP 14658993 A JP14658993 A JP 14658993A JP 3436775 B2 JP3436775 B2 JP 3436775B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガス絶縁開閉装置に使
用される断路器に係り、特に、主接点の交換時期を外部
より判定するための、断路器の電極消耗率計測装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の電力用断路器は、それが組み入れ
られた電力系の状態により、年間当たりの動作回数は、
少ないものでは数回程度、多いものでは数百回程度と、
大きな格差がある。このような動作回数の格差に加え
て、各種の定格と形式の製品が存在しているため、開閉
エネルギーによる主接点の電極消耗率は、各種断路器に
より大きく異なっている。その結果、保守上問題となる
主接点の交換時期も、断路器によって全く異なる。
【0003】したがって、主接点が一定以上消耗した場
合には、この状態を速やかに把握し、断路器の動作に支
障を来す前に主接点を交換することが必要である。従
来、このような主接点の消耗率の把握は、適当な時期に
断路器内部を目視点検することによって行っている。し
かしながら、このような目視点検を行うためには、一律
的に一定の点検作業が要求され、保守員の確保、点検に
伴う計画停電手続き、および機器の停止が必要となるな
ど、様々な問題を生じてしまう。
【0004】一方、近年、絶縁性に優れたSF6 ガスを
充填したタンク内に主接点を収納した断路器の普及に伴
い、据付スペースがコンパクト化した反面、SF6 ガス
の回収や充填作業の追加により、点検のための付帯作業
時間が従来の断路器に比べて数倍も必要となるという欠
点も生じている。したがって、このような点検回数を減
らすために、各々の断路器について、開閉アークエネル
ギーを詳細に実算累積し、主接点の電極消耗に伴う主接
点交換時期を明確に外部から把握した上で点検作業を実
施する必要がある。
【0005】ところで、電力系統に使用される断路器の
電流開閉責務の一つに、ループ電流開閉責務がある。こ
のようなループ電流開閉責務の一例について、図5を参
照して説明する。この図5は、二重母線分割方式変電所
における母線切替時のループ電流経路の一例を示す単線
結線図であり、(A)は片母線運転時の状態、(B)は
両母線併用時の状態、(C)は母線切替後の状態を示し
ている。この図5に示す二重母線分割方式変電所におい
て、1〜4は第1乃至第4の主母線、5は発電機、6〜
11は断路器、12〜15は遮断器、16〜19は変流
器、21,22は変圧器、23,24は母線連絡回線、
25,26はセクション回線である。
【0006】すなわち、第1と第2の主母線1,2に
は、断路器6,7を介して発電機5が接続されると共
に、断路器8,9を介して変圧器21が接続されてい
る。そして、第1の主母線1と第2の主母線2とは、遮
断器12および変流器16を含む母線連絡回線23によ
って連結されている。また、第3と第4の主母線3,4
には、断路器10,11を介して変圧器22が接続され
ている。そして、第3の主母線3と第4の主母線4と
は、遮断器13および変流器17を含む母線連絡回線2
4によって連結されている。さらに、第1の主母線1と
第3の主母線3とは、遮断器14および変流器18を含
むセクション回線25によって連結され、第2の主母線
2と第4の主母線4とは、遮断器15および変流器19
を含むセクション回線26によって連結されている。
【0007】このような構成を有する図5の二重母線分
割方式変電所において、図5の(A)に示すように、母
線連絡回線23,24によって、第1の主母線1と第2
の主母線2、および第3の主母線3と第4の主母線4が
連結されると共に、セクション回線25,26によっ
て、第1の主母線1と第3の主母線3、および第2の主
母線2と第4の主母線4が連結されている状態で、変圧
器22を含む回線の母線切替途中に、変圧器21を含む
回線の母線切替を行うために、開状態にある一方の断路
器9が投入されると、図5の(B)に示すように、負荷
電流Iはi1 〜i4 に分流され、いわゆるループが構成
される。このi1 〜i4 の分流比はループインピーダン
スに逆比例するが、大半がi1 として流れる。この状態
で、変圧器21を含む回線の他方の断路器8が開路され
ると、図5の(C)に示すように、ループ電流i1 をi
2 〜i4 の経路側に転流させる責務が生じる。したがっ
て、断路器の遮断すべきループ電流値は、最大値として
定格電流値まで考慮する必要がある。
【0008】一方、図6は、図5に示す二重母線分割方
式変電所より小規模の、分割方式を採用していない二重
母線方式変電所における母線切替時のループ電流経路の
一例を示す単線結線図であり、(A)は片母線運転時の
状態、(B)は両母線併用時の状態、(C)は母線切替
後の状態を示している。この図6に示す二重母線方式変
電所は、図5のセクション回線25,26の片側の第1
と第2の主母線1,2側の構成のみを有する。すなわ
ち、第1と第2の主母線1,2には、断路器6,7を介
して発電機5が接続されると共に、断路器8,9を介し
て変圧器21が接続されている。そして、第1の主母線
1と第2の主母線2とは、遮断器12および変流器16
を含む母線連絡回線23によって連結されている。
【0009】このような構成を有する図6の二重母線方
式変電所において、図6の(A)に示すように、母線連
絡回線23によって、第1の主母線1と第2の主母線2
が連結されている状態で、変圧器21を含む回線の開状
態にある一方の断路器9が投入されると、図6の(B)
に示すように、負荷電流Iはi1 とi2 に分流され、い
わゆるループが構成される。このi1 とi2 の分流比は
ループインピーダンスに逆比例するが、大半がi1 とし
て流れる。この状態で、変圧器21を含む回線の他方の
断路器8が開路されると、図6の(C)に示すように、
ループ電流i1をi2 の経路側に転流させる責務が生じ
る。したがって、前述した図5の例と同様に、断路器の
遮断すべきループ電流値は、最大値として定格電流値ま
で考慮する必要がある。
【0010】一方、遮断器、断路器などの開閉機器の主
接点の電極消耗率を外部から計測する方法としては、特
公昭49−46583号公報にその一例が提案されてい
る。これは、接点の寿命が遮断した電流値とその回数に
よりほぼ決定されることに着目したものである。すなわ
ち、遮断電流をE、遮断回数をNとすると、接点寿命
は、次の式(1)からほぼ算出することができる。
【数1】E×N=一定… 式(1) 図7は、このような関係を示す図である。すなわち、こ
の図7に示すように、遮断電流がe1 KAであれば、n
1 回の遮断が可能であり、遮断電流がe2 KAであれ
ば、n2 回の遮断が可能となる。
【0011】また、前述したように、ループ電流の開閉
においては、定格電流値に近い電流を遮断する必要があ
るため、進み小電流開閉や遅れ小電流開閉などの責務と
比較して、主接点寿命に与える影響が大きい。そこで、
ループ電流の遮断電流値および遮断回数の累積値を求め
ることにより、主接点の電極消耗度を推定することが考
えられる。「電気協同研究会報告(第33巻第4号)」
によると、ループ電流開閉責務に関して、無点検遮断回
数は定格4000A以上については100回、定格40
00A未満については200回としているが、この方法
により、各断路器ごとの主接点の電極消耗度を推定でき
れば、主接点の交換時期をかなり明確に把握できるた
め、点検や保守の周期を長期化することができる。
【0012】しかしながら、上記のような主接点の電極
消耗度を推定する方法を実施するには、以下に述べるよ
うな解決すべき課題がある。すなわち、断路器が遮断す
るループ電流を計測するためには、断路器に直列に変流
器を追加して設置する必要があるが、ガス絶縁開閉装置
に用いられる変流器は、ケイ素鋼板にコイルを巻き付け
てなる鉄心タイプの変流器コアにより構成されているた
め、機器が複雑で大型なものとなり、重量も大きくな
り、コストも増大してしまう。また、近年、光ファイバ
ーを用いた計測技術が注目されているが、光ファイバー
が光電界部に配置されるため、絶縁信頼性の点で問題が
ある他、センサの熱歪特性、電子回路の複雑化などの点
で問題が残されており、未だ実用化には至っていない。
【0013】そこで一部では、断路器に新たに変流器を
付加することなく、母線連絡回線およびセクション回線
に設けた主回路電流検出手段を用い、断路器の開路動作
前後における母線連絡回線およびセクション回線の主回
路電流の変化分の加算値を算出し、その変化分の加算値
を累積演算することによって接点寿命を推定する方式の
断路器の電極消耗率計測装置が提案されている。
【0014】図8は、従来のこの種の断路器の電極消耗
率計測装置の一例を示しており、特に、図5に示すよう
な二重母線分割方式変電所における断路器を対象とする
電極消耗率計測装置の一例を示すブロック図である。こ
の図8に示すように、まず、装置の検出側は次のように
構成されている。すなわち、母線連絡回線主回路31お
よびセクション回線主回路32には、主回路電流検出手
段として変流器33,34がそれぞれ配設されている。
また、断路器の制御回路の制御線35と断路器の操作機
構部(図示せず)内には、断路器の開路動作のタイミン
グを検出するタイミング検出手段として指令検出センサ
36および開路状態検出センサ37がそれぞれ配設され
ている。
【0015】この場合、より詳細には、指令検出センサ
36は、貫通型の小型変流器であり、断路器の制御回路
の制御線35を貫通させるように取り付けられ、断路器
動作指令電流の立上がりのタイミングを検出するように
構成されている。また、開路状態検出センサ37は、マ
イクロスイッチなどの機械スイッチであり、図9に示す
ように、断路器の主軸38に連動して動作し、開路完了
状態でONとなり、他の状態ではOFFとなるように構
成され、操作機構部内に配設されている。なお、図9中
の39は、開路状態検出センサ37と同様に、断路器の
操作機構部内に配設された閉路状態検出センサである。
【0016】一方、この図8の装置の信号処理側は、次
のように構成されている。すなわち、変流器33,34
の出力を入力するピークホールド回路41,42がそれ
ぞれ設けられ、これらのピークホールド回路41,42
には、アナログ入力インタフェース43,44がそれぞ
れ接続されている。また、指令検出センサ36の出力を
入力する受信器45と、回路状態検出センサ37の出力
を入力する中継リレー46とがそれぞれ設けられ、これ
らの受信器45と中継リレー46には、デジタル入力イ
ンタフェース47が接続されている。そして、アナログ
入力インタフェース43,44とデジタル入力インタフ
ェース47には、データ処理部48が接続されている。
【0017】この場合、より詳細には、母線連絡回線主
回路31に配設された変流器33から出力された母線連
絡回線の主回路電流信号は、ピークホールド回路41を
介してアナログ入力インタフェース43に入力されて、
アナログ−デジタル(A/D)変換された後、データ処
理部48に入力される。同様に、セクション回線主回路
32に配設された変流器34から出力されたセクション
回線の主回路電流信号も、ピークホールド回路42を介
してアナログ入力インタフェース44に入力されて、ア
ナログ−デジタル(A/D)変換された後、データ処理
部48に入力される。なお、ピークホールド回路41,
42は、変流器33,34の出力を全波整流して、その
ピーク値を出力するように構成され、システムに必要な
応答速度と測定波形の周期から、適当な減衰時定数を有
するように設定されている。
【0018】また、断路器の制御回路の制御線35に配
設された指令検出センサ36の出力は、受信器45に入
力され、また、断路器の操作機構部内に配設された開路
状態検出センサ37の出力は、中継リレー46に入力さ
れる。そして、受信器45に入力された指令検出センサ
36の出力および中継リレー46に入力された開路状態
検出センサ37の出力は、共に、デジタル入力インタフ
ェース47を介してデータ処理部48に入力される。な
お、これらの指令検出センサ36、開路状態検出センサ
37、受信器45、中継リレー46、デジタル入力イン
タフェース47は、この装置の電極消耗率の計測対象と
なるループ電流開閉責務を有する断路器の数だけ設けら
れている。
【0019】続いて、データ処理部48での処理内容に
ついて説明する。データ処理部48には、メモリを有す
るマイクロコンピュータが用いられており、次のような
一定の演算処理を行うプログラムが設定されている。す
なわち、データ処理部48は、指令検出センサ36から
の指令検出信号が入力された時点で計測された開路動作
前のピークホールド回路41,42の出力Ia1,I
a2と、開路状態検出センサ37からの開路状態検出信号
が入力された時点で計測された開路動作後のピークホー
ルド回路41,42の出力Ib1,Ib2とを使用して、次
の式(2)により、ループ遮断電流値ΔIを計算するよ
うに設定されている。
【数2】 ΔI=(Ib1+Ib2)−(Ia1+Ia2)… 式(2) さらに、このデータ処理部48は、図示していない累積
演算部に接続されている。
【0020】次に、このような構成を有する図8の断路
器の電極消耗率計測装置を使用して実際に断路器の電極
消耗率を計測する際の手順について説明する。なお、断
路器の電極消耗率計測装置は、それ自体単独で使用され
ることは一般的に少なく、各機器の動作時間監視や、ガ
ス圧力監視、部分放電監視などを行う変電用機器総合監
視装置のうちの一機能として適用されることが多い。こ
の場合、二重母線分割方式変電所のような大規模変電所
においては、監視項目すなわち取り扱うデータ量が膨大
であるために、図5の(A)に示すように、セクション
回線25,26を境として監視対象機器を2つのグルー
プに分け、それぞれ別々のデータ処理部で処理する場合
が多い。この図5の(A)においては、便宜上、セクシ
ョン回線25,26の図中左側の第1と第2の主母線
1,2側の部分と一方のセクション回線25を合わせた
部分を、データ処理部 No.1監視範囲( No.1ユニッ
ト)とし、第3と第4の主母線3,4側の部分と他方の
セクション回線26を合わせた部分を、データ処理部 N
o.2監視範囲( No.2ユニット)としている。
【0021】ここでは、一例として、この図5の(A)
に示すデータ処理部 No.1監視範囲( No.1ユニット)
内の断路器の電極消耗率を計測する場合について、図1
0のタイムチャートを参照して説明する。なお、この場
合、装置を構成する指令検出センサ36、開路状態検出
センサ37、受信器45、中継リレー46、およびデジ
タル入力インタフェース47は、図5において、データ
処理部 No.1監視範囲内( No.1ユニット)の断路器6
〜9の数だけ、すなわち、4個ずつ設けられることにな
る。また、図10のタイムチャートにおいて、51は断
路器の状態、52は指令検出センサ36の出力、53は
閉路状態検出センサ39の出力、54は開路状態検出セ
ンサ37の出力、55は断路器主回路電流信号、56は
変流器33の出力に相当する母線連絡回線主回路電流信
号、57はピークホールド回路41の出力、58は変流
器34の出力に相当するセクション回線主回路電流信
号、59はピークホールド回路42の出力である。
【0022】まず、図5の(B)に示すように、断路器
8と断路器9の組み合わせのように、第1の主母線1と
第2の主母線2を連結する1組の断路器が、いずれも閉
路状態であることが開路状態検出センサ37により検出
されている状態において、いずれか一方の断路器の開路
動作指令が検出されると、データ処理部48は、ループ
遮断電流算出処理を開始する。すなわち、図10のタイ
ムチャートに示すように、断路器の状態51が閉路状態
である場合に、指令検出センサ36が断路器開路動作指
令を検出し、その出力52が変化すると、データ処理部
48では、プログラムにしたがって、この時のピークホ
ールド回路出力57の値Ia1をデータ処理部48内のメ
モリに記憶する。同様に、この時のピークホールド回路
出力59の値Ia2もデータ処理部48内のメモリに記憶
する。
【0023】次に、断路器の接点が開いてループ電流が
遮断され、開路状態を検出する開路状態検出センサ37
の出力54がONされると、データ処理部42は、プロ
グラムにしたがって、この時のピークホールド回路出力
57の値Ib1をデータ処理部48内のメモリに記憶す
る。同様に、この時のピークホールド回路出力59の値
b2もデータ処理部48内のメモリに記憶する。さら
に、データ処理部48は、以上の各記憶データを基に、
前記の式(2)により、ループ遮断電流値ΔIを求め
る。そして、動作した断路器の識別コードをこの値ΔI
に付加したデータを、累積演算部(図示せず)に送出す
る。この累積演算部においては、各断路器の累積遮断電
流をメモリに記憶しており、データ処理部48から送ら
れてきた新しいデータΔIを、該当する断路器のデータ
に加算して主接点の電極消耗率を推定する。
【0024】このように、図8に示す断路器の電極消耗
率計測装置によれば、断路器開路動作の前後において、
母線連絡回線およびセクション回線に設けられた変流器
によって検出された電流値の差から、断路器のループ遮
断電流値を求めているため、断路器ごとに変流器などの
電流検出手段を個別に設置する必要がなく、システムの
構成が簡略であるという利点がある。また、セクション
回線を境として複数のデータ処理装置によって構成され
るようなシステムにも適用することができるという優れ
た特徴がある。
【0025】一方、図11は、図8と同様の方式の別の
断路器の電極消耗率計測装置の一例を示しており、特
に、図8の装置が対象とする、図5に示すような二重母
線分割方式変電所よりも小規模の、分割方式を採用して
いない、図6に示すような二重母線方式変電所における
断路器を対象とする電極消耗率計測装置の一例を示すブ
ロック図である。この図11に示す電極消耗率計測装置
は、図6に示す電極消耗率計測装置の構成のうち、セク
ション回線主回路32に配設された変流器34と、それ
に対応するピークホールド回路42およびアナログ入力
インタフェース44とが省略されている。また、この図
11の装置のデータ処理部48は、指令検出センサ36
からの指令検出信号が入力された時点で計測された開路
動作前のピークホールド回路41の出力Iaと、開路状
態検出センサ37からの開路状態検出信号が入力された
時点で計測された開路動作後のピークホールド回路41
の出力Ibとを使用して、次の式(3)により、ループ
遮断電流値ΔIを計算するように設定されている。
【数3】ΔI=Ib−Ia… 式(3) なお、以上の部分以外の構成については、図8の装置と
全く同様に構成されている。
【0026】次に、このような構成を有する図11の断
路器の電極消耗率計測装置を使用して実際に断路器の電
極消耗率を計測する際の手順について、特に、図6の二
重母線方式変電所の断路器の電極消耗率を計測する場合
の一例について、図12のタイムチャートを参照して説
明する。
【0027】まず、図6の(B)に示すように、断路器
8と断路器9の組み合わせのように、第1の主母線1と
第2の主母線2を連結する1組の断路器が、いずれも閉
路状態であることが開路状態検出センサ37により検出
されている状態において、いずれか一方の断路器の開路
動作指令が検出されると、データ処理部48は、ループ
遮断電流算出処理を開始する。すなわち、図12のタイ
ムチャートに示すように、断路器の状態51が閉路状態
である場合に、指令検出センサ36が断路器開路動作指
令を検出し、その出力52が変化すると、データ処理部
48では、プログラムにしたがって、この時のピークホ
ールド回路出力57の値Iaをデータ処理部48内のメ
モリに記憶する。
【0028】次に、断路器の接点が開いてループ電流が
遮断され、開路状態を検出する開路状態検出センサ37
の出力54がONされると、データ処理部48は、プロ
グラムにしたがって、この時のピークホールド回路出力
57の値Ibをデータ処理部48内のメモリに記憶す
る。さらに、データ処理部48は、以上の各記憶データ
を基に、前記の式(3)により、ループ遮断電流値ΔI
を求める。そして、動作した断路器の識別コードをこの
値ΔIに付加したデータを、累積演算部(図示せず)に
送出する。この累積演算部においては、各断路器の累積
遮断電流をメモリに記憶しており、データ処理部48か
ら送られてきた新しいデータΔIを、該当する断路器の
データに加算して主接点の電極消耗率を推定する。
【0029】このように、図11に示す断路器の電極消
耗率計測装置によれば、断路器開路動作の前後におい
て、母線連絡回線に設けられた変流器によって検出され
た電流値の差から、断路器のループ遮断電流値を求めて
いるため、前述した図8の電極消耗率計測装置と同様
に、断路器ごとに変流器などの電流検出手段を設置する
必要がなく、システムの構成が簡略であるという利点が
ある。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような図8および図11に示した従来の断路器の電極消
耗率計測装置においては、いずれも、断路器の開閉前後
で、母線連絡回線およびセクション回線(図11の装置
ではセクション回線は対象外)の電流に位相差がある
と、ループ遮断電流値の測定値に誤差を生じ、その結
果、電極消耗率の計測精度が低下するという欠点があ
る。この点について、以下に説明する。
【0031】まず、図8の装置によって、図5に示す二
重母線分割方式変電所のデータ処理部 No.1監視範囲
( No.1ユニット)内の断路器の電極消耗率を計測する
場合に、位相差を原因として生じる誤差について説明す
る。説明の便宜上、ここでは、図5の(B)に示すよう
に、変圧器21を含む回線の断路器8,9が共に閉じて
いる場合に母線連絡回線23を流れる電流i2 のベクト
ルをITaとし、セクション回線25を流れる電流i3
4 のベクトルをISaとする。これに対し、図5の
(C)に示すように、変圧器21を含む回線の一方の断
路器8が開いている場合に母線連絡回線23を流れる電
流i´2 は、図13のベクトル図に示すように、その大
きさが|ITb|であり、開路前の電流i2 のベクトルI
Taに対してθTの位相差を有するものと想定する。同様
に、開路後にセクション回線25を流れる電流i´3
i´4 は、その大きさが|ISb|であり、開路前の電流
3 +i4 のベクトルISaに対してθS の位相差を有す
るものと想定する。さらに、開路前における母線連絡回
線23の電流i2 のベクトルITaとセクション回線25
の電流i3 +i4 のベクトルISaとの間には、ψSTの位
相差があるものと想定する。
【0032】この場合、図8の装置でのループ遮断電流
値の演算は、電流の大きさのみによって計測しており、
すなわち、下記の式(4)に示すように表される。
【数4】 ところが、実際のループ遮断電流値は、下記の式(5)
に示すようなベクトル演算で求められるため、その結果
として、演算値には大きな誤差が含まれることになる。
【数5】
【0033】ここで、一例として、|ITa|=1kA、
|ITb|=2kA、|ISa|=0.5kA、|ISb|=
1kA、θT =60度、θS =30度、ψST=30度の
場合のループ遮断電流値の誤差を計算する。この場合、
まず、図8の装置におけるループ遮断電流値の計測値
は、前記の式(4)から、次の式(6)に示すようにし
て求められる。
【数6】 一方、実際のループ遮断電流値は、前記の式(5)か
ら、次の式(7)に示すようにして求められる。なお、
この式(7)では、電流ベクトルを、ITaと同相の成分
と90度位相の進んだ成分とに分解して計算している。
【数7】 したがって、この場合のループ遮断電流値の誤差は、次
の式(8)によって求められるように、35%と大きく
なる。
【数8】 誤差=(1.5−2.3)/2.3×100=−35
(%)… 式(8)
【0034】次に、図11の装置によって、図6に示す
二重母線方式変電所の断路器の電極消耗率を計測する場
合に、位相差を原因として生じる誤差について説明す
る。説明の便宜上、ここでは、図6の(B)に示すよう
に、変圧器21を含む回線の断路器8,9が共に閉じて
いる場合に母線連絡回線23を流れる電流i2 のベクト
ルをIaとする。これに対し、図6の(C)に示すよう
に、変圧器21を含む回線の一方の断路器8が開いてい
る場合に母線連絡回線を流れる電流i1 +i2 は、図1
4のベクトル図に示すように、その大きさが|Ib|で
あり、開路前の電流i2 のベクトルIaに対して、θの
位相差を有するものと想定する。
【0035】この場合、図6の装置でのループ遮断電流
値の演算は、電流の大きさのみによって計測しており、
すなわち、下記の式(9)に示すように表される。
【数9】 ループ遮断電流値=|Ib|−|Ia|… 式(9) ところが、実際のループ遮断電流値は、下記の式(1
0)に示すようなベクトル演算で求められるため、その
結果として、演算値には大きな誤差が含まれることにな
る。
【数10】 ループ遮断電流値=|Ib−Ia|… 式(10)
【0036】ここで、一例として、|Ia|=1kA、
|Ib|=4kA、θ=60度の場合のループ遮断電流
値の誤差を計算する。この場合、まず、図6の装置にお
けるループ遮断電流値の計測値は、前記の式(9)か
ら、次の式(11)に示すようにして求められる。
【数11】 ループ遮断電流値=|Ib|−|Ia|=4−1=3
(kA)… 式(11) 一方、実際のループ遮断電流値は、前記の式(10)か
ら、次の式(12)に示すようにして求められる。な
お、この式(12)では、電流ベクトルを、Iaと同相
の成分と90度位相の進んだ成分とに分解して計算して
いる。
【数12】 したがって、この場合のループ遮断電流値の誤差は、次
の式(13)によって求められるように、17%と大き
くなる。
【数13】誤差=(3−3.6)/3.6×100=−
17(%)… 式(13)
【0037】本発明は、以上のような従来技術の問題点
を解決するために提案されたものであり、その目的は、
ループ電流遮断時の遮断電流値を正確に測定でき、それ
によって、断路器の主接点部の寿命を正確に推定できる
ような、断路器の電極消耗率計測装置を提供することで
ある。
【0038】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の断路器
の電極消耗率計測装置は、母線連絡回線を備えた二重母
線方式のガス絶縁開閉装置に使用される断路器の主接点
の電極消耗率を、この断路器の動作回数とその主接点の
開閉電流値に基づいて計測する断路器の電極消耗率計測
装置において、タイミング検出手段、主回路電流検出手
段、基準電圧源、電力変換器、データ処理部、および累
積演算部を有するものである。このうち、タイミング検
出手段は、断路器の開路動作のタイミングを検出する手
段であり、主回路電流検出手段は、母線連絡回線に設け
られ、この母線連絡回線に流れる主回路電流を検出する
手段である。
【0039】そして、請求項1の構成においては、特
に、基準電圧源、電力変換器、およびデータ処理部にお
ける信号処理に特徴がある。すなわち、基準電圧源は、
断路器のループ遮断電流を求めるために、基準となる電
圧を発生する。また、電力変換器は、主回路電流検出手
段によって検出された電流および基準電圧源の電圧を入
力し、有効電力および無効電力を示す有効電力信号およ
び無効電力信号を出力する。さらに、データ処理部は、
タイミング検出手段によって検出された断路器の開路動
作のタイミングに基づき、断路器の開閉前後における電
力変換器の有効電力信号と無効電力信号、および基準電
圧源の電圧を入力して、母線連絡回線に流れる主回路電
流の開閉前後におけるベクトル差を演算し、これをルー
プ遮断電流として出力する。そしてまた、累積演算部
は、データ処理部によって算出されたループ遮断電流を
累積加算することにより、断路器の電極消耗率を推定す
る。
【0040】請求項2に記載の断路器の電極消耗率計測
装置は、母線連絡回線およびセクション回線を備えた二
重母線分割方式のガス絶縁開閉装置に使用される断路器
の主接点の電極消耗率を、この断路器の動作回数とその
主接点の開閉電流値に基づいて計測する断路器の電極消
耗率計測装置において、タイミング検出手段、2つの主
回路電流検出手段、基準電圧源、電力変換器、データ処
理部、および累積演算部を有するものである。このう
ち、タイミング検出手段は、断路器の開路動作のタイミ
ングを検出する手段であり、2つの主回路電流検出手段
は、母線連絡回線およびセクション回線にそれぞれ設け
られ、これらの回線に流れる主回路電流をそれぞれ検出
する手段である。
【0041】そして、請求項2の構成においては、前述
した請求項1の構成と同様に、特に、基準電圧源、電力
変換器、およびデータ処理部における信号処理に特徴が
ある。すなわち、基準電圧源は、断路器のループ遮断電
流を求めるために、基準となる電圧を発生する。また、
電力変換器は、2つの主回路電流検出手段によって検出
された電流および前記基準電圧源の電圧を入力し、有効
電力および無効電力を示す有効電力信号および無効電力
信号を出力する。さらに、データ処理部は、タイミング
検出手段によって検出された断路器の開路動作のタイミ
ングに基づき、断路器の開閉前後における前記電力変換
器の有効電力信号と無効電力信号、および基準電圧源の
電圧を入力して、母線連絡回線およびセクション回線に
流れる主回路電流の変化分の加算値をベクトル演算し、
これをループ遮断電流として出力する。そしてまた、累
積演算部は、データ処理部によって算出されたループ遮
断電流を累積加算することにより、断路器の電極消耗率
を推定する。
【0042】請求項3に記載の断路器の電極消耗率計測
装置は、前述した請求項2の構成において、特に、タイ
ミング検出手段として、断路器の閉路完了状態と他の状
態とで切り替わるように設定された閉路状態検出センサ
を使用することを特徴としている。
【0043】請求項4に記載の断路器の電極消耗率計測
装置は、前述した請求項2の構成において、特に、2つ
の主回路電流検出手段として、共に変流器を使用し、こ
の2つの変流器の2次回路を並列接続して、母線連絡回
線とセクション回線に流れる主回路電流信号を加算する
ように構成したことを特徴としている。
【0044】
【作用】以上のような構成を有する本発明の断路器の電
極消耗率計測装置の作用は、次の通りである。すなわ
ち、断路器の開路動作前後における主回路電流に位相差
がある場合でも、主回路電流検出手段、基準電圧源、お
よび電力変換器を使用して、一定のベクトル演算を行う
ことにより、ループ遮断電流を正確に測定することがで
きる。そして、このように正確に測定されたループ遮断
電流を累積演算部によって累積加算することにより、断
路器の電極消耗率を正確に推定することができる。
【0045】
【実施例】以下には、本発明による断路器の電極消耗率
計測装置の複数の実施例について、図1〜図4を参照し
て説明する。
【0046】(1)第1実施例…図1 図1は、本発明による断路器の電極消耗率計測装置を、
特に、図5に示すような二重母線分割方式変電所におけ
る断路器を対象として適用した第1実施例を示すブロッ
ク図である。この図1に示すように、まず、装置の検出
側は次のように構成されている。すなわち、母線連絡回
線主回路31およびセクション回線主回路32には、主
回路電流検出手段として変流器33,34がそれぞれ配
設されている。また、断路器の制御回路の制御線35と
断路器の操作機構部(図示せず)内には、断路器の開路
動作のタイミングを検出するためのタイミン検出手段と
して指令検出センサ36および開路状態検出センサ37
がそれぞれ配設されている。
【0047】この場合、より詳細には、指令検出センサ
36は、図8に示す従来例の指令検出センサ36と同様
に、貫通型の小型変流器であり、断路器の制御回路の制
御線35を貫通させるように取り付けられ、断路器動作
指令電流の立上がりのタイミングを検出するように構成
されている。また、開路状態検出センサ37について
も、図8に示す従来例の開路状態検出センサ37と同様
に、マイクロスイッチなどの機械スイッチであり、図9
に示すように、断路器の主軸38に連動して動作し、開
路完了状態でONとなり、他の状態ではOFFとなるよ
うに構成され、操作機構部内に配設されている。さら
に、本実施例において、断路器の操作機構部内には、図
8に示す従来例と同様に、この開路状態検出センサ37
と併せて、図9に示すような閉路状態検出センサ39が
配設されている。
【0048】一方、本実施例の装置の信号処理側は、次
のように構成されている。すなわち、基準となる電圧を
発生する基準電圧源61が設けられ、この基準電圧源6
1には、変流器33,34の出力をそれぞれ入力する電
力変換器62,63が接続されると共に、電圧変換器6
4が接続されている。これらの電力変換器62,63、
および電圧変換器64には、アナログ入力インタフェー
ス43が接続されている。また、指令検出センサ36の
出力を入力する受信器45、開路状態検出センサ37の
出力を入力する中継リレー46、およびこの受信器45
と中継リレー46の出力を入力するデジタル入力インタ
フェース47の構成は、図8の従来例と同様である。そ
して、アナログ入力インタフェース43とデジタル入力
インタフェース47には、データ処理部65が接続され
ており、さらに、このデータ処理部65には、累積演算
部66が接続されている。
【0049】この場合、より詳細には、母線連絡回線主
回路31に配設された変流器33から出力された母線連
絡回線の主回路電流信号は、電力変換器62に入力され
る。この電力変換器62には、主回路と同一周波数を有
する電圧を発生する基準電圧源61の電圧も入力され
る。この場合、基準電圧源61の位相は主回路電圧の位
相と異なっても特に問題を生じることはないため、位相
に関係なく電圧を発生させることができる。そして、電
力変換器62からは、入力電圧と、入力電圧に対応する
有効電力、無効電力をそれぞれ示す、入力電圧信号、有
効電力信号、無効電力信号が出力され、これらの信号
は、アナログ入力インタフェース43に入力されて、ア
ナログ−デジタル(A/D)変換された後、データ処理
部65に入力される。
【0050】同様に、電力変換器63には、セクション
回線主回路32に配設された変流器34から出力された
セクション回線の主回路電流信号と、基準電圧源61の
電圧とが入力される。そして、電力変換器63からは、
入力電圧と、入力電圧に対応する有効電力、無効電力を
それぞれ示す、入力電圧信号、有効電力信号、無効電力
信号が出力され、これらの信号は、アナログ入力インタ
フェース43に入力されて、アナログ−デジタル(A/
D)変換された後、データ処理部65に入力される。
【0051】また、断路器の制御回路の制御線35に配
設された指令検出センサ36の出力は、受信器45に入
力され、また、断路器の操作機構部内に配設された開路
状態検出センサ37の出力は、中継リレー46に入力さ
れる。そして、受信器45に入力された指令検出センサ
36の出力および中継リレー46に入力された開路状態
検出センサ37の出力は、共に、デジタル入力インタフ
ェース47を介してデータ処理部65に入力される。な
お、これらの指令検出センサ36、開路状態検出センサ
37、受信器45、中継リレー46、デジタル入力イン
タフェース47は、この装置の電極消耗率の計測対象と
なるループ電流開閉責務を有する断路器の数だけ設けら
れている。
【0052】続いて、データ処理部65での処理内容に
ついて説明する。データ処理部65には、メモリを有す
るマイクロコンピュータが用いられており、次のような
一定の演算処理を行うプログラムが設定されている。す
なわち、データ処理部65は、有効電力P、無効電力
Q、および基準電圧Vを使用して、次の式(14)と式
(15)によって、直交する2つの電流成分IP ,IQ
を計算するように設定されている。
【数14】IP =P/V… 式(14)
【数15】IQ =Q/V… 式(15)
【0053】また、データ処理部65は、以上のような
式(14)と式(15)によって算出した開路動作前の
母線連絡回線の直交電流成分ITPa ,ITQa の値、この
時のセクション回線の直交電流成分ISPa ,ISQa
値、同様に算出した開路動作後の母線連絡回線の直交電
流成分ITPb ,ITQb の値、およびこの時のセクション
回線の直交電流成分ISPb ,ISQb の値に基づいて、次
の式(16)により、ループ遮断電流値ΔIを計算する
ように設定されている。
【数16】
【0054】次に、以上のような構成を有する本実施例
の断路器の電極消耗率計測装置を使用して実際に断路器
の電極消耗率を計測する際の手順について説明する。こ
こでは、一例として、前述した従来例(図8の装置)と
同様に、図5の(A)に示すデータ処理部 No.1監視範
囲( No.1ユニット)内の断路器の電極消耗率を計測す
る場合について、図10のタイムチャートを参照して説
明する。なお、この場合、装置を構成する指令検出セン
サ36、開路状態検出センサ37、受信器45、中継リ
レー46、およびデジタル入力インタフェース47は、
図5において、データ処理部 No.1監視範囲内( No.1
ユニット)の断路器6〜9の数だけ、すなわち、4個ず
つ設けられることになる。
【0055】まず、図5の(B)に示すように、断路器
8と断路器9の組み合わせのように、第1の主母線1と
第2の主母線2を連結する1組の断路器が、いずれも閉
路状態であることが開路状態検出センサ37により検出
されている状態において、いずれか一方の断路器の開路
動作指令が検出されると、データ処理部65は、ループ
遮断電流算出処理を開始する。すなわち、図10のタイ
ムチャートに示すように、断路器の状態51が閉路状態
である場合に、指令検出センサ36が断路器開路動作指
令を検出し、その出力52が変化すると、データ処理部
65では、プログラムにしたがって、この時の母線連絡
回線の直交電流成分ITPa ,ITQa の値をデータ処理部
65内のメモリに記憶する。同様に、この時のセクショ
ン回線の直交電流成分ISPa ,ISQa の値もデータ処理
部65内のメモリに記憶する。
【0056】次に、断路器の接点が開いてループ電流が
遮断され、開路状態を検出する開路状態検出センサ37
の出力54がONされると、データ処理部65は、プロ
グラムにしたがって、この時の母線連絡回線の直交電流
成分ITPb ,ITQb の値をデータ処理部65内のメモリ
に記憶する。同様に、この時のセクション回線の直交電
流成分ISPb ,ISQb の値もデータ処理部65内のメモ
リに記憶する。さらに、データ処理部65は、以上の各
記憶データを基に、前記の式(15)により、ループ遮
断電流値ΔIを求める。そして、動作した断路器の識別
コードをこのループ遮断電流値ΔIに付加したデータ
を、累積演算部66に送出する。この累積演算部66に
おいては、各断路器の累積遮断電流をメモリに記憶して
おり、データ処理部65から送られてきた新しいデータ
ΔIを、該当する断路器のデータに加算して主接点の電
極消耗率を推定する。
【0057】このように、本実施例によれば、断路器の
開路動作の前後において、母線連絡回線およびセクショ
ン回線に設けられた変流器によって検出された電流値の
変化分の加算値をベクトル演算しているため、電流の大
きさのみによって演算していた従来例のような大きな誤
差を生じることなく、ループ遮断電流値を格段に正確に
測定することができる。また、断路器ごとに変流器など
の電流検出手段を個別に設置する必要がなく、システム
の構成が簡略であるという利点もある。さらに、セクシ
ョン回線を境として複数のデータ処理装置によって構成
されるようなシステムにも適用することが可能である。
【0058】(2)第2実施例…図2 図2は、本発明による断路器の電極消耗率計測装置を、
前記第1実施例と同様に、図5に示すような二重母線分
割方式変電所における断路器を対象として適用した第2
実施例を示すブロック図である。この図2に示すよう
に、本実施例の装置は、実質的に前記第1実施例の変形
例であり、その構成は第1実施例とほとんど同様である
が、第1実施例における指令検出センサ37と受信器4
5の代わりに、閉路状態検出センサ39と中継リレー4
6を配設した点に特徴を有する。この場合、閉路状態検
出センサ39は、開路状態検出センサ37と同様に、断
路器の操作機構部内に配設されたマイクロスイッチなど
の機械スイッチであり、図9に示すように、断路器の主
軸38に連動して動作し、閉路完了状態でONとなり、
他の状態ではOFFとなるように構成されている。そし
て、本実施例においては、断路器が開路動作を開始し、
閉路状態検出センサ39の出力がONからOFFに変化
した時点で,断路器がループ電流を遮断する前の母線連
絡主回路電流値およびセクション回線主回路電流値を検
出するように構成されている。なお、以上の部分以外の
構成については、前記第1実施例と全く同様に構成され
ている。
【0059】このような構成を有する本実施例の断路器
の電極消耗率計測装置においては、閉路状態検出センサ
39の出力が変化してから、断路器がループ電流を遮断
するまでの時間が比較的長く、主回路電流値を検出、記
憶する時間的余裕が十分である場合に有効であり、前記
第1実施例と同様に、ループ遮断電流値を正確に測定す
ることができる。そして、このような作用効果に加え
て、特に、本実施例においては、前記第1実施例におい
て使用していた指令検出センサ37と受信器45の代わ
りに、閉路状態検出センサ39と中継リレー46を使用
しているため、構成をより簡略化することができる。
【0060】(3)第3実施例…図3 図3は、本発明による断路器の電極消耗率計測装置を、
前記第1実施例と同様に、図5に示すような二重母線分
割方式変電所における断路器を対象として適用した第3
実施例を示すブロック図である。この図3に示すよう
に、本実施例の装置は、実質的に前記第1実施例の変形
例であり、その構成は第1実施例とほとんど同様である
が、母線連絡回線主回路31とセクション回線主回路3
2に配設した変流器33,34の2次回路を並列接続し
て、一つの電力変換器62に接続した点に特徴を有す
る。また、本実施例において、データ処理部65は、前
記第1実施例と同様に、有効電力P、無効電力Q、およ
び基準電圧Vを使用して、前記の式(14)と式(1
5)によって、直交する2つの電流成分IP ,IQ を計
算するように設定されている。そして、特に、本実施例
のデータ処理部65は、前記の式(14)と式(15)
によって算出した開路動作前の母線連絡回線とセクショ
ン回線の直交電流成分の加算値IPa,IQa、および開路
動作後の母線連絡回線とセクション回線の直交電流成分
の加算値IPb,IQbに基づいて、次の式(17)によ
り、ループ遮断電流値ΔIを計算するように設定されて
いる。
【数17】 なお、以上の部分以外の構成については、前記第1実施
例と全く同様に構成されている。
【0061】このような構成を有する本実施例の断路器
の電極消耗率計測装置においては、変流器33,34の
2次回路を並列接続することによって、母線連絡回線の
主回路電流とセクション回線の主回路電流のベクトル加
算処理が実施されるため、前記第1実施例において使用
していた電力変換器63が不要となり、一つの電力変換
器62のみにできる。また、このように、電力変換器6
2によってベクトル加算処理を実行できることから、ア
ナログ入力インタフェース43およびデータ処理部65
は、ベクトル加算処理後のより簡略化された信号を処理
することになるため、これらのアナログ入力インタフェ
ース43およびデータ処理部65の構成をより簡略化す
ることができる。さらに、データ処理部65内における
ループ遮断電流値ΔIの計算も、前記第1、第2実施例
の場合の前記の式(16)と本実施例の場合の前記の式
(17)とを比較すれば明らかなように、格段に簡略化
されている。
【0062】(4)第4実施例…図4 図4は、本発明による断路器の電極消耗率計測装置を、
特に、図6に示すような二重母線方式変電所における断
路器を対象として適用した第4実施例を示すブロック図
である。この図4に示すように、本実施例の装置は、実
質的に前記第1実施例の変形例であり、その構成は第1
実施例とほとんど同様であるが、第1実施例におけるセ
クション回線主回路32に配設された変流器34と、そ
れに対応する電力変換器63とが省略されている点で第
1実施例と異なる。また、本実施例において、データ処
理部65は、前記第1実施例と同様に、有効電力P、無
効電力Q、および基準電圧Vを使用して、前記の式(1
4)と式(15)によって、直交する2つの電流成分I
P ,IQ を計算するように設定されている。そして、特
に、本実施例のデータ処理部65は、前記の式(14)
と式(15)によって算出した開路動作前の母線連絡回
線の直交電流成分IPa,IQaの値、および開路動作後の
母線連絡回線の直交電流成分IPb,IQbに基づいて、前
記の式(17)により、ループ遮断電流値ΔIを計算す
るように設定されている。なお、以上の部分以外の構成
については、前記第1実施例と全く同様に構成されてい
る。
【0063】次に、以上のような構成を有する本実施例
の断路器の電極消耗率計測装置を使用して実際に断路器
の電極消耗率を計測する際の手順について説明する。こ
こでは、一例として、前述した従来例(図11の装置)
と同様に、図6の二重母線方式変電所の断路器の電極消
耗率を計測する場合について、図12のタイムチャート
を参照して説明する。
【0064】まず、図6の(B)に示すように、断路器
8と断路器9の組み合わせのように、第1の主母線1と
第2の主母線2を連結する1組の断路器が、いずれも閉
路状態であることが開路状態検出センサ37により検出
されている状態において、いずれか一方の断路器の開路
動作指令が検出されると、データ処理部65は、ループ
遮断電流算出処理を開始する。すなわち、図12のタイ
ムチャートに示すように、断路器の状態51が閉路状態
である場合に、指令検出センサ36が断路器開路動作指
令を検出し、その出力52が変化すると、データ処理部
65では、プログラムにしたがって、この時の母線連絡
回線の直交電流成分IPa,IQaの値をデータ処理部65
内のメモリに記憶する。
【0065】次に、断路器の接点が開いてループ電流が
遮断され、開路状態を検出する開路状態検出センサ37
の出力54がONされると、データ処理部65は、プロ
グラムにしたがって、この時の母線連絡回線の直交電流
成分IPb,IQbの値をデータ処理部65内のメモリに記
憶する。さらに、データ処理部65は、以上の各記憶デ
ータを基に、前記の式(17)により、ループ遮断電流
値ΔIを求める。そして、動作した断路器の識別コード
をこのループ遮断電流値ΔIに付加したデータを、累積
演算部66に送出する。この累積演算部66において
は、各断路器の累積遮断電流をメモリに記憶しており、
データ処理部65から送られてきた新しいデータΔI
を、該当する断路器のデータに加算して主接点の電極消
耗率を推定する。
【0066】このように、本実施例によれば、断路器の
開路動作の前後において、母線連絡回線に設けられた変
流器によって検出された電流値のベクトル差から、ルー
プ遮断電流値を求めているため、電流の大きさのみによ
って演算していた従来例のような大きな誤差を生じるこ
となく、ループ遮断電流値を格段に正確に測定すること
ができる。また、断路器ごとに変流器などの電流検出手
段を個別に設置する必要がなく、システムの構成が簡略
であるという利点もある。
【0067】(5)他の実施例 なお、本発明は前記各種実施例に限定されるものではな
く、タイミング検出手段、主回路電流検出手段、基準電
圧源、電力変換器、データ処理部、および累積演算部な
どの各部の具体的な構成は適宜選択可能である。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による断路
器の電極消耗率計測装置によれば、断路器の開路動作前
後における主回路電流に位相差がある場合でも、主回路
電流検出手段、基準電圧源、および電力変換器を使用し
て一定のベクトル演算を行うことにより、従来のような
大きな誤差を生じることなく、ループ遮断電流を正確に
測定することができるため、断路器の主接点部の寿命を
正確に推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による断路器の電極消耗率計測装置の第
1実施例を示すブロック図。
【図2】本発明による断路器の電極消耗率計測装置の第
2実施例を示すブロック図。
【図3】本発明による断路器の電極消耗率計測装置の第
3実施例を示すブロック図。
【図4】本発明による断路器の電極消耗率計測装置の第
4実施例を示すブロック図。
【図5】二重母線分割方式変電所における母線切替時の
ループ電流経路の一例を示す図であり、(A)は片母線
運転時の状態、(B)は両母線併用時の状態、(C)は
母線切替後の状態を示す単線結線図。
【図6】二重母線方式変電所における母線切替時のルー
プ電流経路の一例を示す図であり、(A)は片母線運転
時の状態、(B)は両母線併用時の状態、(C)は母線
切替後の状態を示す単線結線図。
【図7】開閉機器の接点寿命に対する遮断電流と遮断回
数との関係を示すグラフ。
【図8】従来の断路器の電極消耗率計測装置の一例を示
すブロック図。
【図9】断路器の操作機構部内に配設された開路状態検
出センサと閉路状態検出センサの一例を示す斜視図。
【図10】図8の装置における各部の信号を示すタイム
チャート。
【図11】従来の断路器の電極消耗率計測装置の別の一
例を示すブロック図。
【図12】図11の装置における各部の信号を示すタイ
ムチャート。
【図13】図5の(B)と(C)の状態において母線連
絡回線およびセクション回線の電流に位相差がある場合
の電流ベクトルを示すベクトル図。
【図14】図6の(B)と(C)の状態において母線連
絡回線の電流に位相差がある場合の電流ベクトルを示す
ベクトル図。
【符号の説明】
1〜4…主母線 5…発電機 6〜11…断路器 12〜15…遮断器 16〜19…変流器 21,22…変圧器 23,24…母線連絡回線 25,26…セクション回線 31…母線連絡回線主回路 32…セクション回線主回路 33,34…変流器 35…制御線 36…指令検出センサ 37…開路状態検出センサ 38…主軸 39…閉路状態検出センサ 41,42…ピークホールド回路 43,44…アナログ入力インタフェース 45…受信器 46…中継リレー 47…デジタル入力インタフェース 48…データ処理部 51…断路器の状態 52…指令検出センサ36の出力 53…閉路状態検出センサ39の出力 54…開路状態検出センサ37の出力 55…断路器主回路電流信号 56…母線連絡回線主回路電流信号 57…ピークホールド回路41の出力 58…セクション回線主回路電流信号 59…ピークホールド回路42の出力 61…基準電圧源 62,63…電力変換器 64…電圧変換器 65…データ処理部 66…累積演算部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−212228(JP,A) 特開 平2−122276(JP,A) 特開 昭59−201624(JP,A) 特開 昭64−14832(JP,A) 特開 昭63−213229(JP,A) 特開 昭55−108116(JP,A) 特開 昭55−32349(JP,A) 特開 平5−334947(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01H 31/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 母線連絡回線を備えた二重母線方式のガ
    ス絶縁開閉装置に使用される断路器の主接点の電極消耗
    率を、この断路器の動作回数とその主接点の開閉電流値
    に基づいて計測する断路器の電極消耗率計測装置におい
    て、 前記断路器の開路動作のタイミングを検出するタイミン
    グ検出手段と、 前記母線連絡回線に設けられ、この母線連絡回線に流れ
    る主回路電流を検出する主回路電流検出手段と、 前記断路器のループ遮断電流を求めるために、基準とな
    る電圧を発生する基準電圧源と、 前記主回路電流検出手段によって検出された電流および
    前記基準電圧源の電圧を入力し、有効電力および無効電
    力を示す有効電力信号および無効電力信号を出力する電
    力変換器と、 前記タイミング検出手段によって検出された断路器の開
    路動作のタイミングに基づき、断路器の開閉前後におけ
    る前記電力変換器の有効電力信号と無効電力信号、およ
    び前記基準電圧源の電圧を入力して、前記母線連絡回線
    に流れる主回路電流の開閉前後におけるベクトル差を演
    算し、これをループ遮断電流として出力するデータ処理
    部と、 前記データ処理部によって算出されたループ遮断電流を
    累積加算することにより、前記断路器の電極消耗率を推
    定する累積演算部と、 を有することを特徴とする断路器の電極消耗率計測装
    置。
  2. 【請求項2】 母線連絡回線およびセクション回線を備
    えた二重母線分割方式のガス絶縁開閉装置に使用される
    断路器の主接点の電極消耗率を、この断路器の動作回数
    とその主接点の開閉電流値に基づいて計測する断路器の
    電極消耗率計測装置において、 前記断路器の開路動作のタイミングを検出するタイミン
    グ検出手段と、 前記母線連絡回線および前記セクション回線にそれぞれ
    設けられ、これらの回線に流れる主回路電流をそれぞれ
    検出する2つの主回路電流検出手段と、 前記断路器のループ遮断電流を求めるために、基準とな
    る電圧を発生する基準電圧源と、 前記2つの主回路電流検出手段によって検出された電流
    および前記基準電圧源の電圧を入力し、有効電力および
    無効電力を示す有効電力信号および無効電力信号を出力
    する電力変換器と、 前記タイミング検出手段によって検出された断路器の開
    路動作のタイミングに基づき、断路器の開閉前後におけ
    る前記電力変換器の有効電力信号と無効電力信号、およ
    び前記基準電圧源の電圧を入力して、前記母線連絡回線
    および前記セクション回線に流れる主回路電流の変化分
    の加算値をベクトル演算し、これをループ遮断電流とし
    て出力するデータ処理部と、 前記データ処理部によって算出されたループ遮断電流を
    累積加算することにより、前記断路器の電極消耗率を推
    定する累積演算部と、 を有することを特徴とする断路器の電極消耗率計測装
    置。
  3. 【請求項3】 前記タイミング検出手段として、前記断
    路器の閉路完了状態と他の状態とで切り替わるように設
    定された閉路状態検出センサを使用することを特徴とす
    る請求項2に記載の断路器の電極消耗率計測装置。
  4. 【請求項4】 前記2つの主回路電流検出手段として、
    共に変流器を使用し、この2つの変流器の2次回路を並
    列接続して、母線連絡回線とセクション回線に流れる主
    回路電流信号を加算するように構成したことを特徴とす
    る請求項2に記載の断路器の電極消耗率計測装置。
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