JP2011070022A - 電気泳動粒子分散液、表示媒体、表示装置、及び電気泳動粒子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シリコーンオイルを含む分散媒50と、前記分散媒に分散され、電界に応じて移動する電気泳動粒子(その粒子群34)であって、表面に極性基を持つ電気泳動粒子と、を具備し、分散媒60、及び電気泳動粒子の少なくとも一つが、ホウ素化合物からなるルイス酸性化合物を含む電気泳動粒子分散液。
【選択図】図1
Description
また、特許文献2、3では、例えば、分散媒中で電気泳動粒子に電荷を付与する手法として、酸塩基解離に基づく手法が開示されている.粒子表面に酸性基を有するが塩基性基を有しない粒子に対しては、塩基性基を有するシリコーンオイル溶媒に可溶な重合体を加えることにより、また粒子表面に塩基性基を有するが酸性基を有しない粒子に対しては、酸性基を有するシリコーンオイル溶媒に可溶な重合体を加えることにより、粒子表面の酸性基(塩基性基)と重合体中の塩基性基(酸性基)との酸塩基解離を利用して電気泳動粒子に荷電を付与する手法が提案されている。
請求項1に係る発明は、
分散媒と、
前記分散媒に分散され、表面に極性基を持つ電気泳動粒子と、
を有し、
前記分散媒、及び前記電気泳動粒子の少なくとも一つが、ホウ素化合物からなるルイス酸性化合物を含む電気泳動粒子分散液。
前記ホウ素化合物が、下記構造式(A)及び下記構造式(B)で示される構造のうち、少なくも1つを有する化合物である請求項1に記載の電気泳動粒子分散液。
少なくとも一方が透光性を有する一対の基板と、
前記一対の基板間に封入された、請求項1又は2に記載の電気泳動粒子分散液と、
を備えたことを特徴とする表示媒体。
少なくとも一方が透光性を有する一対の電極と、
前記一対の電極間に設けられた、請求項1又は2に記載の電気泳動粒子分散液を有する領域と、
を備えたことを特徴とする表示媒体。
請求項3又は4に記載の表示媒体と、
前記表示媒体の前記一対の基板間又は前記一対の電極間に電圧を印加する電圧印加手段と、
を備えた表示装置。
ホウ素化合物からなるルイス酸性化合物を含み、表面に極性基を持つ電気泳動粒子。
前記ホウ素化合物が、下記構造式(A)及び下記構造式(B)で示される構造のうち、少なくも1つを含む化合物である請求項6に記載の電気泳動粒子。
請求項3、4、5に係る発明によれば、分散媒や電気泳動粒子にホウ素化合物を含ませない場合に比べ、応答性に優れた画像表示が実現される。
請求項6、7に係る発明によれば、電気泳動粒子にホウ素化合物を含ませない場合に比べ、電気泳動性粒子の帯電性が向上した電気泳動粒子が提供される。
本実施形態に係る電気泳動粒子分散液は、分散媒と、分散媒に分散され、電界に応じて移動し、表面に極性基を持つ電気泳動粒子と、を有する。そして、分散媒、及び電気泳動粒子の少なくとも一つが、ホウ素化合物からなるルイス酸性化合物を含んで構成されている。
これは、ホウ素化合物がルイス酸性化合物として機能することから、ホウ素化合物が電気泳動粒子の帯電基として機能する極性基(イオン対)のうちアニオンと相互作用(アニオントラップ作用)を及ぼし、当該極性基(イオン対)の解離が促進され、電荷が付与されるためであると考えられる。
また、このホウ素化合物による上記相互作用(アニオントラップ作用)は、電気泳動粒子が持つ極性基が酸基、塩基のいずれのイオン対のアニオンにも及ぼすことから、当該酸基であっても塩基であっても解離が促進される。このため、電気泳動粒子は、正極・負極のいずれの極性であっても、帯電性の向上が実現される。
また、ホウ素化合物としてホウ素低分子化合物を分散媒に添加した場合、当該添加による分散媒の粘度上昇が少ないことから、電気泳動粒子の泳動性への影響が抑制される。
・電気泳動粒子の内部に、例えばホウ素化合物が内添されて含む形態
・電気泳動粒子の表面に、例えばホウ素化合物が付着(外添)されて含む形態
・分散媒に、ホウ素化合物が添加されて含む形態
ホウ素化合物は、ルイス酸性化合物として機能する化合物であることがよく、具体的には、例えば、下記構造式(A)及び下記構造式(B)で示される構造のうち、少なくも1つを有する化合物であることがよい。
ホウ素化合物がホウ素低分子化合物の場合、例えば、電気泳動粒子内部に内添させたり分散媒に含ませる。
また、ホウ素化合物がホウ素高分子化合物は、例えば、電気泳動粒子内部に内添させて含ませたり、電気泳動粒子を構成する高分子として当該粒子を構成させるよう含ませたり、電気泳動粒子表面に付着させて含ませたり、分散媒に含ませる。
構造式(2B−1)中、R11、R12、及びR13は、それぞれ独立に、水素原子、−(CH2)nCH3、−((CH2)nO)mCH3を示す。但し、n及びmは1以上の整数(望ましくは1以上15以下の整数)を示す。
構造式(2B−2)中、R14、R15、及びR16は、それぞれ独立に、水素原子、−(CH2)nCH3、−((CH2)nO)mCH3を示す。但し、n及びmは1以上の整数(望ましくは1以上15以下の整数)を示す。
アルキル基としては、例えば、炭素数1以上10以下のアルキル基が挙げられ、望ましくは1以上8以下のアルキル基、より望ましくは1以上6以下のアルキル基である。アルキル基としては、直鎖状、分鎖状、又は環状のいずれでもよく、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基、イソペンチル基、アミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、エチルヘキシル基、イソノニル基、デシル基等が挙げられる。
1価の芳香族基としては、例えば、炭素数6以上14以下の芳香族基が挙げられ、望ましくは炭素数6以上10以下の芳香族基が挙げられる。
1価の芳香族基としては、具体的には、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
なお、ホウ素低分子化合物は、1種単独で用いてもよいし、2以上併用してもよい。
構造式(3A)中、Xは、下記連結基(3A−1)を示す。
構造式(3B−1)中、R21は、水素原子、−(CH2)nCH3、−((CH2)nO)mCH3を示す。但し、n、mは1以上の整数(望ましくは1以上15以下の整数)を示す。
構造式(3B−1)、(3B−2)中、R211、R22、及びR23は、それぞれ独立に、それぞれ独立に、−(CH2)n−、−((CH2)nO)m−を示す。但し、n、mは1以上の整数(望ましくは1以上15以下の整数)を示す。
なお、構造式(3A)、構造式(3B−1)、構造式(3B−2)中、nは1以上の整数を示す。
アルキレン基としては、例えば、炭素数1以上10以下のアルキレン基が挙げられ、望ましくは1以上8以下のアルキレン基、より望ましくは1以上6以下のアルキレン基である。アルキレン基としては、直鎖状、分鎖状、又は環状のいずれでもよく、例えば、メチレン基、エチレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソペンチレン基、アミレン基、へキシレン基、シクロへキシレン基、オクチレン基、エチルへキシレン基、イソノニレン基、デシレン基等が挙げられる。
2価の芳香族基としては、例えば、炭素数6以上14以下の芳香族基が挙げられ、望ましくは炭素数6以上10以下の芳香族基が挙げられる。
1価の芳香族基としては、具体的には、例えば、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基等が挙げられる。
アルキル基としては、例えば、炭素数1以上10以下のアルキル基が挙げられ、望ましくは1以上8以下のアルキル基、より望ましくは1以上6以下のアルキル基である。アルキル基としては、直鎖状、分鎖状、又は環状のいずれでもよく、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基、イソペンチル基、アミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、エチルヘキシル基、イソノニル基、デシル基等が挙げられる。
また、ホウ素高分子化合物は、上記ホウ素含有繰り返し構造単位と、他の単量体に由来する繰り返し単位と、を重合成分とする共重合体であってもよい。この共重合体は、ブロック共重合体であってもよいし、グラフト共重合体であってもよい。
例えば、ホウ素高分子化合物は、極性基を持つ単量体に由来する繰り返し構造単位を有する場合、後述する電気泳動粒子を構成する高分子に代えて用い得る。
また、例えば、ホウ素高分子化合物は、シリコーン鎖成分(シリコーン鎖単量体)や、長鎖アルキル成分(長鎖アルキル単量体)に由来する繰り返し構造単位を有する場合、後述する高分子乳化剤に代えて用い得る。
なお、上記他の単量体の例示としては、後述する電気泳動粒子を構成する高分子、高分子乳化剤において例示するものが挙げられる。
また、ホウ素高分子化合物は、他の単量体に由来する繰り返し構造単位との共重合体で構成される場合、上記ホウ素含有繰り返し構造単位の含有比率は、例えば、2重量%以上98重量%以下であることがよい。
電気泳動粒子は、表面に極性基を持つ粒子であり、例えば、着色剤と極性基を持つ高分子とを含んで構成され、必要に応じて、その他の配合材料と、を含んで構成される。電気泳動粒子は、高分子中に着色剤が分散・配合された粒子であってもよいし、着色剤の粒子表面に対して高分子を被覆又は付着した粒子であってもよい。
そして、電気泳動粒子は、上記ホウ素化合物を含む場合、上記ホウ素化合物が上記高分子と共に含む、又は上記ホウ素化合物が上記高分子化合物に代えて含む、また、上記構成の粒子の表面に付着(外添)して含まれる。
ビニル−N−エチル −N−フェニルアミノエチルエーテル、ビニル−N−ブチル−N−フェニルアミノエチルエーテル、トリエタノールアミンジビニルエーテル、ビニルジフェニルアミノエチルエーテル、N−ビニルヒドロキシエチルベンズアミド、m−アミノフェニルビニルエーテル等の含窒素ビニルエーテル単量体類、ビニルアミン、N−ビニルピロール等のピロール類、N−ビニル−2−ピロリン、N−ビニル−3−ピロリン等のピロリン類、N−ビニルピロリジン、ビニルピロリジンアミノエーテル、N−ビニル−2−ピロリドン等のピロリジン類、N−ビニル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、N−ビニルイミダゾリン等のイミダゾリン類、N−ビニルインドール等のインドール類、N−ビニルインドリン等のインドリン類、N−ビニルカルバゾール、3,6−ジブロム−N−ビニルカルバゾール等のカルバゾール類、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−メチル−5−ビニルピリジン等のピリジン類、(メタ)アクリルピペリジン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピペラジン等のピペリジン類、2−ビニルキノリン、4−ビニルキノリン等のキノリン類、N−ビニルピラゾール、N−ビニルピラゾリン等のピラゾール類、2−ビニルオキサゾール等のオキサゾール類、4−ビニルオキサジン、モルホリノエチル(メタ)アクリレート等のオキサジン類などが挙げられる。
また、汎用性から特に好ましいカチオン性単量体としては、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの脂肪族アミノ基を有する(メタ)アクリレート類が好ましく、特に重合前あるいは重合後に4級アンモニウム塩とした構造で使用されることが好ましい。4級アンモニウム塩化は、例えば、前記化合物をアルキルハライド類やトシル酸エステル類と反応することで得られる。
具体的には、アニオン性単量体のうち、カルボン酸モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、又はそれらの無水物及びそのモノアルキルエステルやカルボキシエチルビニルエーテル、カルボキシプロピルビニルエーテルの如きカルボキシル基を有するビニルエーテル類等がある。
スルホン酸モノマーとしては、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリックアシッドエステル、ビス−(3−スルホプロピル)−イタコニックアシッドエステル等及びその塩がある。また、その他2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸の硫酸モノエステル及びその塩がある。
リン酸モノマーとしては、ビニルホスホン酸、ビニルホスフェート、アシッドホスホキシエチル(メタ)アクリレート、アシッドホスホキシプロピル(メタ)アクリレート、ビス(メタクリロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジオクチル−2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート等がある。
望ましくはアニオン性単量体としては、(メタ)アクリル酸やスルホン酸を持ったものであり、より望ましくは重合前若しくは重合後にアンモニウム塩となった構造のものである。アンモニウム塩は、例えば、3級アミン類若しくは4級アンモニウムハイドロオキサイド類と反応させることで作製される。
帯電制御材料としては、電子写真用トナー材料に使用される公知のものが使用でき、例えば、セチルピリジルクロライド、BONTRON P−51、BONTRON P−53、BONTRON E−84、BONTRON E−81(以上、オリエント化学工業社製)等の第4級アンモニウム塩、サリチル酸系金属錯体、フェノール系縮合物、テトラフェニル系化合物、酸化金属粒子、各種カップリング剤により表面処理された酸化金属粒子を挙げられる。
着色した磁性材料(カラーコートした材料)として、例えば、特開2003−131420公報記載の小径着色磁性粉が挙げられる。核となる磁性粒子と該磁性粒子表面上に積層された着色層とを備えたものが用いられる。そして、着色層としては、顔料等により磁性粉を不透過に着色する等選定して差し支えないが、例えば光干渉薄膜を用いるのが好ましい。この光干渉薄膜とは、SiO2やTiO2等の無彩色材料を光の波長と同等な厚みを有する薄膜にしたものであり、薄膜内の光干渉により光の波長を選択的に反射するものである。
なお、長鎖アルキル系高分子の「長鎖」とは、例えば、炭素数4以上30以下程度のアルキル鎖を側鎖に有する高分子を意味する。
分散媒としては、特に制限はないが、低誘電溶媒(例えば誘電率5.0以下、望ましくは3.0以下)が選択されることがよい。分散媒は、低誘電溶媒以外の溶媒を併用してもよいが、50体積%以上の低誘電溶媒を含むことがよい。なお、低誘電率の誘電率は、誘電率計(日本ルフト製)により求められる。
低誘電溶媒としては、例えば、パラフィン系炭化水素溶媒、シリコーンオイル、フッ素系液体など石油由来高沸点溶媒が挙げられるが、高分子分散剤の種類に応じて選択されることがよい。具体的には、例えば、高分子分散剤としてシリコーン系高分子を適用する場合、分散媒としてはシリコーンオイルを選択することがよい。また、高分子分散剤として長鎖アルキル系高分子を適用する場合、分散媒としてはパラフィン系炭化水素溶媒を選択することがよい。
本実施形態に係る電気泳動粒子の製造方法としては、例えば、高分子と着色剤と第1溶媒(連続相を形成し得る貧溶媒)と前記第1溶媒に対して非相溶で前記第1溶媒より沸点が低く且つ高分子を溶解する第2溶媒(分散相を形成し得る良溶媒)とを含む混合溶液を攪拌し、乳化させる工程と、前記乳化させた混合溶液から前記第2溶媒を除去して、前記高分子及び前記着色剤を含有する着色粒子(電気泳動粒子)を生成する工程と、を有する周知の製法が挙げられる。この製法は、所謂、液中乾燥法と呼ばれる製法である。
ここで、得られた電気泳動粒子分散液に対し、必要に応じて、例えば、分散媒(溶媒)で希釈したり、してもよい。なお、2種以上の電気泳動粒子を含む電気泳動粒子分散液を得るためには、それぞれの分散液を作製した後、これらを混合すればよい。
なお、本実施形態に係る電気泳動粒子分散液において、電気泳動粒子として色や帯電極性の異なる複数種の粒子を混合して使用すれば、カラー表示が実現される。
以下、実施形態に係る表示媒体、及び表示装置の一例について説明する。
この場合、間隙部材24は、表示基板20側、背面基板22側のいずれか、又は双方に作製する。
なお、「透明」とは、可視光に対して、透過率60%以上有することを示している。
なお、下記動作は、説明上、粒子群34が背面基板22側へ付着した状態からの動作について説明する。
(実施例A1)
−乳化剤Aの作製−
イソプロパノール10gにメタクリル酸を1g、FM0711(チッソ社製:サイラプレーン)を9g、重合開始剤(アゾビスジメチルバレロニトリル「V−65」、和光純薬社製)0.1gを溶解させ、窒素バブリングにより酸素除去をさせ、65℃、8時間で重合を行った。重合後、精製処理及び乾燥を行い乳化剤Aを得た。
キナクリドン系マゼンタ顔料(Ciba製)3gとポリ(アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸):PAMPS(重量平均分子量8万)7gを10mlの水に溶解した。これを5質量%乳化剤Aのシリコーンオイル溶液に添加し超音波乳化装置(エスエムテー社製UH−600S)によって乳化処理を行った。この乳化物を加熱(65℃)/減圧(10mPa)することで水分を除去しマゼンタ粒子Aを得た。また、分散液中の粒子の体積平均粒径を測定(大塚電子株式会社製FPAR−1000:粒径アナライザー)した結果、230nmであった。
得られたマゼンタ粒子を含むマゼンタ粒子分散液(固形分濃度1.5質量%)に対して、分散媒100質量部当たり、下記ホウ素低分子化合物(2β−1)を0.5質量部添加し、電気泳動粒子分散液を得た。
本分散液中の電気泳動粒子の帯電極性を、2枚の電極基板間に該分散液を封入し、直流電圧を印加して泳動方向を評価した結果、負帯電であった。
なお、得られた電気泳動粒子分散液における、ホウ素低分子化合物添加前、添加後の粘度を表1に示す。粘度は、自動マイクロ粘度計(アントンパール製AmVn)により測定した。
実施例A1のマゼンタ粒子の作製において、キナクリドン系マゼンタ顔料(Ciba製)に代えてシアン顔料(Ciba製)を用い、PAMPSに代えて、ジメチルアミノエチルアクリレート塩化メチル4級塩(DMAEA−Q)の重合体を用いた以外は、実施例A1と同様にしてシアン粒子を得た。そして、このシアン粒子を用いた以外は、実施例A1と同様にして電気泳動粒子分散液を得た。
分散液中の粒子の体積平均粒径を測定(大塚電子株式会社製FPAR−1000:粒径アナライザー)した結果、320nmであった。
なお、本分散液中の電気泳動粒子の帯電極性を、2枚の電極基板間に該分散液を封入し、直流電圧を印加して泳動方向を評価した結果、正帯電であった。
ホウ素低分子化合物(2β−1)に代えて、下記ホウ素低分子化合物(2β−2)を用いた以外は、実施例A1と同様にして、電気泳動粒子分散液を作製した。
なお、本分散液中の電気泳動粒子の帯電極性を、2枚の電極基板間に該分散液を封入し、直流電圧を印加して泳動方向を評価した結果、負帯電であった。
(実施例B1)
−乳化剤Bの作製−
イソプロパノール10gにメタクリル酸を1g、FM0711(チッソ社製:サイラプレーン)を9g、重合開始剤(アゾビスジメチルバレロニトリル「V−65」、和光純薬社製)0.1gを溶解させ、窒素バブリングにより酸素除去をさせ、65℃、8時間で重合を行った。重合後、精製処理及び乾燥を行い乳化剤B(乳化剤Aと同様なもの)を得た。
キナクリドン系マゼンタ顔料(Ciba製)3gとポリ(アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸):PAMPS(重量平均分子量8万)7gと下記ホウ素低分子化合物(2β−1)0.5gとを10mlの水に溶解した。これを5質量%乳化剤Bのシリコーンオイル溶液に添加し超音波乳化装置(エスエムテー社製UH−600S)によって乳化処理を行った。この乳化物を加熱(65℃)/減圧(10mPa)することで水分を除去しマゼンタ粒子を得た。これにより、電気泳動粒子分散液(固形分濃度1.5質量%)を得た。
分散液中の粒子の体積平均粒径を測定(大塚電子株式会社製FPAR−1000:粒径アナライザー)した結果、350nmであった。
本分散液中の電気泳動粒子の帯電極性を、2枚の電極基板間に該分散液を封入し、直流電圧を印加して泳動方向を評価した結果、負帯電であった。
実施例B1のマゼンタ粒子の作製において、キナクリドン系マゼンタ顔料(Ciba製)に代えてシアン顔料(Ciba製)を用い、PAMPSに代えて、ジメチルアミノエチルアクリレート塩化メチル4級塩(DMAEA−Q)の重合体を用いた以外は、実施例B1と同様にしてシアン粒子を得た。そして、このシアン粒子を用いた以外は、実施例B1と同様にして電気泳動粒子分散液を得た。
分散液中の粒子の体積平均粒径を測定(大塚電子株式会社製FPAR−1000:粒径アナライザー)した結果、360nmであった。
なお、本分散液中の電気泳動粒子の帯電極性を、2枚の電極基板間に該分散液を封入し、直流電圧を印加して泳動方向を評価した結果、正帯電であった。
ホウ素低分子化合物(2β−1)に代えて、下記ホウ素低分子化合物(2β−2)を用いた以外は、実施例B1と同様にして、電気泳動粒子分散液を作製した。
分散液中の粒子の体積平均粒径を測定(大塚電子株式会社製FPAR−1000:粒径アナライザー)した結果、380nmであった。
なお、本分散液中の電気泳動粒子の帯電極性を、2枚の電極基板間に該分散液を封入し、直流電圧を印加して泳動方向を評価した結果、負帯電であった。
(実施例C1)
−乳化剤Cの作製−
イソプロパノール10gにメタクリル酸を1g、FM0711(チッソ社製:サイラプレーン)を9g、重合開始剤(アゾビスジメチルバレロニトリル「V−65」、和光純薬社製)0.1gを溶解させ、窒素バブリングにより酸素除去をさせ、65℃、8時間で重合を行った。重合後、精製処理及び乾燥を行い乳化剤C(乳化剤Aと同じ分散剤)を得た。
次のようにして、構造式(3α−1)で示される繰り返し単位構造を含む高分子C1(重合体:重量平均分子量35000:質量比n:m=2:8)を得た。イソプロパノール10gに4−ビニルフェニルボロン酸を2g、FM0711(チッソ社製:サイラプレーン)を8g、重合開始剤(アゾビスジメチルバレロニトリル「V−65」、和光純薬社製)0.1gを溶解させ、窒素バブリングにより酸素除去をさせ、65℃、8時間で重合を行った。重合後、精製処理を行い高分子C1を得た。
但し、下記高分子C1中、n1は1以上100以下の整数(本実施例ではn1=10)、Rは水素原子、又は炭素数1以上10以下のアルキル基を表す。
キナクリドン系マゼンタ顔料(Ciba製)3gとポリ(アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸):PAMPS(重量平均分子量8万)7gと高分子C1:0.5gとを10mlの水に溶解した。これを5質量%乳化剤Cのシリコーンオイル溶液に添加し超音波乳化装置(エスエムテー社製UH−600S)によって乳化処理を行った。この乳化物を加熱(65℃)/減圧(10mPa)することで水分を除去しマゼンタ粒子を得た。これにより、電気泳動粒子分散液(固形分濃度1.5質量%)を得た。
分散液中の粒子の体積平均粒径を測定(大塚電子株式会社製FPAR−1000:粒径アナライザー)した結果、340nmであった。
本分散液中の電気泳動粒子の帯電極性を、2枚の電極基板間に該分散液を封入し、直流電圧を印加して泳動方向を評価した結果、負帯電であった。
実施例C1のマゼンタ粒子の作製において、キナクリドン系マゼンタ顔料(Ciba製)に代えてシアン顔料(Ciba製)を用い、PAMPSに代えて、ジメチルアミノエチルアクリレート塩化メチル4級塩(DMAEA−Q)の重合体を用いた以外は、実施例C1と同様にしてシアン粒子を得た。そして、このシアン粒子を用いた以外は、実施例C1と同様にして電気泳動粒子分散液を得た。
分散液中の粒子の体積平均粒径を測定(大塚電子株式会社製FPAR−1000:粒径アナライザー)した結果、360nmであった。
なお、本分散液中の電気泳動粒子の帯電極性を、2枚の電極基板間に該分散液を封入し、直流電圧を印加して泳動方向を評価した結果、正帯電であった。
高分子C1に代えて、下記高分子C3を用いた以外は、実施例C1と同様にして電気泳動性粒子を得た。
分散液中の粒子の体積平均粒径を測定(大塚電子株式会社製FPAR−1000:粒径アナライザー)した結果、360nmであった。
本分散液中の電気泳動粒子の帯電極性を、2枚の電極基板間に該分散液を封入し、直流電圧を印加して泳動方向を評価した結果、負帯電であった。
下記構造式(3β−1)で示される繰り返し単位構造からなる高分子(重合体:重量平均分子量16000)と、下記構造式(3β−2)で示される繰り返し単位構造からなる高分子(重合体:重量平均分子量24000)と、の混合高分子(高分子C3)を得た。なお、これらの混合比は質量比((3β−1):(3β−2))で1:1であった。
なお、この混合高分子のそれぞれの高分子は、ビニルボロン酸の脱水により得られたボロキシン(環状ボロン酸)を重合して得た。
(実施例D1)
−乳化剤D1の作製−
次のようにして、構造式(3α−1)で示される繰り返し単位構造を含む乳化剤D1(重合体:重量平均分子量21000:質量比n:m:l=4:1:18(質量比))を得た。イソプロパノール10gに4−ビニルフェニルボロン酸を2g、アクリル酸0.5g、FM0711(チッソ社製:サイラプレーン)を9g、重合開始剤(アゾビスジメチルバレロニトリル「V−65」、和光純薬社製)0.1gを溶解させ、窒素バブリングにより酸素除去をさせ、65℃、8時間で重合を行った。重合後、精製処理を行い乳化剤D1を得た。
但し、下記乳化剤D1中、n1は1以上100以下の整数(本実施例ではn1=10)、Rは水素原子、又は炭素数1以上10以下のアルキル基を表す。
キナクリドン系マゼンタ顔料(Ciba製)3gとポリ(アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸):PAMPS(重量平均分子量8万)7gを10mlの水に溶解した。これを5質量%乳化剤D1のシリコーンオイル溶液に添加し超音波乳化装置(エスエムテー社製UH−600S)によって乳化処理を行った。この乳化物を加熱(65℃)/減圧(10mPa)することで水分を除去しマゼンタ粒子を得た。これにより、電気泳動粒子分散液(固形分濃度1.5%)を得た。
分散液中の粒子の体積平均粒径を測定(大塚電子株式会社製FPAR−1000:粒径アナライザー)した結果、280nmであった。
本分散液中の電気泳動粒子の帯電極性を、2枚の電極基板間に該分散液を封入し、直流電圧を印加して泳動方向を評価した結果、負帯電であった。
実施例D1のマゼンタ粒子の作製において、キナクリドン系マゼンタ顔料(Ciba製)に代えてシアン顔料(Ciba製)を用い、PAMPSに代えて、ジメチルアミノエチルアクリレート塩化メチル4級塩(DMAEA−Q)の重合体を用いた以外は、実施例D1と同様にしてシアン粒子を得た。そして、このシアン粒子を用いた以外は、実施例D1と同様にして電気泳動粒子分散液を得た。
分散液中の粒子の体積平均粒径を測定(大塚電子株式会社製FPAR−1000:粒径アナライザー)した結果、310nmであった。
なお、本分散液中の電気泳動粒子の帯電極性を、2枚の電極基板間に該分散液を封入し、直流電圧を印加して泳動方向を評価した結果、正帯電であった。
(比較例1)
ホウ素化合物を分散媒に添加しない以外は、実施例A2と同様にして電気泳動粒子分散液を得た。
(表示媒体の作製)
以下のようにして、上記実施形態と同様な構成の表示媒体を作製した(図1参照)。厚さ0.7mmのガラスからなる支持基板上に電極としてITOをスパッタリング法により50nmの厚さで成膜した。このITO/ガラス基板で構成された背面基板に、サイトップ(旭硝子社製、CTL809M)を用いて層を塗布した後、露光、及びウエットエッチングを行うことにより高さ50μm、幅20μmの間隙部材を形成した。
−分散液Aの調製−
下記成分を混合し、10mmΦのジルコニアボールにてボールミル粉砕を20時間実施して分散液Aを調製した。
<組成>
・メタクリル酸シクロヘキシル :53質量部
・酸化チタン1(白色顔料) (一次粒子径0.3μm、タイペークCR63:石原産業社製) :45質量部
・シクロヘキサン:5質量部
下記成分を混合し、上記と同様にボールミルにて微粉砕して炭カル分散液Bを調製した。
<組成>
・炭酸カルシウム:40質量部
・水:60質量部
下記成分を混合し、超音波機で脱気を10分間おこない、ついで乳化機で攪拌して混合液Cを調製した。
<組成>
・2質量%セロゲン水溶液(第一工業製薬社製):4.3g
・炭カル分散液B:8.5g
・20質量%食塩水:50g
(評価)
得られた電気泳動粒子分散液に分散された電気泳動粒子の帯電量を次のようにして求めた。帯電量の値を表1に示す。
上記表示媒体に泳動液(泳動粒子濃度1.5重量%)を注入し、0.05Hz、±15Vの矩形波印加条件にて総電荷量を測定した。測定した総電荷量から重量当たりの帯電量を算出した。
固着防止処理としてサイトップ(CTL809M、旭硝子社製)をコートしたITOガラス電極対を作製した(間隔:1mm)。この電極対を電気泳動粒子分散液(泳動粒子濃度0.5重量%)に挿入し、300Vの直流電圧を1分間印加した。電極対を泳動液から取り出した後印加電圧を切り、両基板の色濃度から目視にて泳動粒子極性を官能評価した。
評価基準は以下の通りである。
○:ホウ素化合物(ルイス酸)未使用の場合と比較して泳動粒子の逆極性が少なくなった場合
△:ホウ素化合物(ルイス酸)未使用の場合と比較して泳動粒子の極性が変わらない場合
×:ホウ素化合物(ルイス酸)未使用の場合と比較して泳動粒子の逆極性が増えた場合
12 表示媒体
16 電圧印加部
18 制御部
20 表示基板
22 背面基板
24 間隙部材
34 粒子群
36 反射粒子群
38 支持基板
40 表面電極
42 表面層
44 支持基板
46 背面電極
48 表面層
50 分散媒
Claims (7)
- 分散媒と、
前記分散媒に分散され、表面に極性基を持つ電気泳動粒子と、
を有し、
前記分散媒、及び前記電気泳動粒子の少なくとも一つが、ホウ素化合物からなるルイス酸性化合物を含む電気泳動粒子分散液。 - 前記ホウ素化合物が、下記構造式(A)及び下記構造式(B)で示される構造のうち、少なくも1つを有する化合物である請求項1に記載の電気泳動粒子分散液。
- 少なくとも一方が透光性を有する一対の基板と、
前記一対の基板間に封入された、請求項1又は2に記載の電気泳動粒子分散液と、
を備えたことを特徴とする表示媒体。 - 少なくとも一方が透光性を有する一対の電極と、
前記一対の電極間に設けられた、請求項1又は2に記載の電気泳動粒子分散液を有する領域と、
を備えたことを特徴とする表示媒体。 - 請求項3又は4に記載の表示媒体と、
前記表示媒体の前記一対の基板間又は前記一対の電極間に電圧を印加する電圧印加手段と、
を備えた表示装置。 - ホウ素化合物からなるルイス酸性化合物を含み、表面に極性基を持つ電気泳動粒子。
- 前記ホウ素化合物が、下記構造式(A)及び下記構造式(B)で示される構造のうち、少なくも1つを含む化合物である請求項6に記載の電気泳動粒子。
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