JP2011069868A - 走査光学装置及びこれを搭載した画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】筐体(30)と、この筐体内に取り付けられており、複数個の光源からの走査光を所定方向に偏向走査する回転多面鏡(42)と、モータ軸(46)を介して回転多面鏡を回転駆動させる駆動ユニット(44)と、筐体内にて傾斜した状態で主走査方向に沿って配置されており、回転多面鏡からの走査光を所定方向に折り返す平面鏡(52a,52b,54a,54b,56a,56b)と、筐体内に形成されており、この平面鏡の両端部分を支持するミラー支持部材(70a,70b)とを具備し、このミラー支持部材は、平面鏡の両端部分のうち、温度の高くなる端部分を1点で支持する単点支持部(71)と、温度の低くなる端部分を複数点で支持する多点支持部(72,73)とを備える。
【選択図】図3
Description
しかしながら、この基板などの発熱量や、ポリゴンミラーの回転に伴う気流の発生方向を鑑みれば、発熱源を対称に配置しても、筐体内の温度分布には依然として偏りが生じてしまう。
詳しくは、この筐体内には、平面状の折り返しミラーが傾斜した状態で主走査方向に沿って配置され、ポリゴンミラーやfθレンズからの走査光をドラムに向けて反射している。この折り返しミラーの両端部分は支持部材でそれぞれ支持されているが、筐体内の温度分布が主走査方向で偏っていると、筐体や各支持部材の変形量に大きな差が生じて折り返しミラーの傾斜角度が変わり、副走査方向におけるカラー画像の色ずれが大きくなるからである。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解消し、副走査方向におけるカラー画像の色ずれを低減できる走査光学装置及びこれを搭載した画像形成装置を提供することである。
そして、第1の発明によれば、筐体内には、回転多面鏡、駆動ユニットや平面鏡がそれぞれ設置されており、回転多面鏡はモータ軸の回転によって駆動される。このモータ軸の回転に伴って発生する熱は筐体やミラー支持部材に伝達され、これら筐体やミラー支持部材を変形させる。このため、平面鏡の傾斜角度が変わり、主走査方向に略直交する方向、つまり、副走査方向におけるカラー画像の色ずれが大きくなるとの懸念がある。
しかも、この色ずれの低減がミラー支持部材のみの構成で達成できるので、例えば送風機を用いて空冷する場合等に比して簡単な構造で済み、走査光学装置の製造コストも抑えられる。
第2の発明によれば、第1の発明の作用に加えてさらに、回路基板はモータ軸を回転させており、この回転のための熱が発生し易い箇所である。そこで、回路基板と単点支持部との距離を、回路基板と多点支持部との距離よりも短くすれば、平面鏡の傾斜角度は確実に変わり難くなる。
第3の発明によれば、第1や第2の発明の作用に加えてさらに、副走査方向におけるカラー画像の色ずれが抑えられ、画像担持体の表面での特性が変化せずに良好な画質が得られることから、画像形成装置の信頼性向上にも寄与する。
第4の発明によれば、第3の発明の作用に加えてさらに、定着部も回路基板と同様に発熱源となり得るので、定着部と単点支持部との距離を、定着部と多点支持部との距離よりも短くすれば、この場合にも平面鏡の傾斜角度は確実に変わり難くなるため、この場合にも副走査方向におけるカラー画像の色ずれの抑制になる。
図1は、本実施例であるカラープリンタの構成図である。同図に示された断面はプリンタ1の左側面からみたものである。このため、プリンタ1の前面は同図中の右側に、背面は左側にそれぞれ位置する。このプリンタ1は装置本体2を備え、装置本体2の上部には排紙トレイ92が設けられる。このトレイ92の近傍には、使用者の各種操作に供される複数の操作キーや、各種情報を表示する画面を配置したフロントカバー81が設けられている。
詳しくは、同図でみて収容部82の右上方にはローラ83が設けられ、用紙は、カセット3の右上方に向けて送出され、この送出された用紙は、装置本体2の内部でプリンタ1の前面に沿って上方に向けて搬送される。なお、カセット3は、プリンタ1の前面側、つまり、図1において右方向に向けて引き出し可能に構成されており、この引き出した状態にて、収容部82に新たな用紙を補充したり、用紙を別の種類の用紙に入れ替え可能となる。
これら各ドラム10の表面に形成されたトナー像は、例えば中間転写ベルト9に順次転写され、1ページ分のトナー像として合成される。転写部12には転写ローラ13が備えられ、このローラ13は転写ベルト9に対して斜め下方から圧接可能に構成されている。そして、これらベルト9と転写ローラ13との間を用紙が通過すると、このベルト9に合成されたトナー像が用紙に転写される。
本実施例では、転写部12と手差しトレイ80との間に両面印刷ユニット91が形成されている。このユニット91は、排出分岐部90から装置本体2の前面側で分岐して下方に向けて延び、レジストローラ5の上流側に連結している。
正面31と背面32とが主走査方向(ドラム10の回転軸線方向)で対峙し、側面33a,33bが副走査方向(用紙の搬送方向)で対峙する。なお、これら正面31、背面32、側面33a,33bの上端は、所定位置に貫通孔を有したカバーに当接しており、露光装置6はこのカバーで覆われている。
つまり、このプリンタ1には、図1の左側に示された例えばイエロー及びマゼンタの画像に対応する露光装置6Aと、図1の右側に示された例えばシアン及びブラックの画像に対応する露光装置6Bとが別個に搭載されている。
この露光装置6Aの2個の光源40は、正面31にて筐体30の外側に並設されており、イエロー用のレーザダイオード(LD)と、マゼンタ用のLDとからなり、独立した各LDから可視領域の光ビームがそれぞれ筐体30の内部の光偏向器に向けて照射される。
駆動ユニット44は、モータ軸46に連結する駆動モータ45を有し、このモータ45は、集積回路や抵抗とともに矩形状の回路基板48に実装される。この例の回路基板48は、ポリゴンミラー42の下側から背面32に向けて配置され、底面34に固定されている。
これらイエロー用及びマゼンタ用のfθレンズ50a,50bは、ポリゴンミラー42を挟んで副走査方向に沿ってそれぞれ配置されており、例えばイエロー用のfθレンズ50bは図3(b)でみてポリゴンミラー42の左側に、マゼンタ用のfθレンズ50aはミラー42の右側に並設されている。
次に、折り返しミラー54bは側面33bの上端近傍に、折り返しミラー56bはイエロー用のfθレンズ50bの上方にそれぞれ配置され、所定角度に傾斜して主走査方向に沿って配置される。
そして、装置本体2に設けられたコントローラ20からの信号に基づき、イエロー用やマゼンタ用の各光源40がレーザ光をそれぞれ照射すると、各レーザ光は、対応のコリメータレンズ、プリズムやシリンドリカルレンズ等を経てポリゴンミラー42に向かう。
このポリゴンミラー42には、イエローやマゼンタの各レーザ光が微小角度を持ってずれた状態で入射される。続いて、回転するポリゴンミラー42は各レーザ光を偏向しつつ、各側面33a,33bに向けて出力する。
この各fθレンズ50a,50bを通過したレーザ光は、折り返しミラー52a,52bで反射され、それぞれ上方に向けて折り返される。続いて、各レーザ光は、折り返しミラー54a,54bで筐体30の内部に向けてそれぞれ反射される。その後、各折り返しミラー56a,56bで反射され、イエロー用のドラム10の表面や、マゼンタ用のドラム10の表面にそれぞれ到達する。
具体的には、折り返しミラー52a,52b,54a,54b,56a,56bのうち、上述したイエロー用の折り返しミラー54b、つまり、図3(a)で云えば左奥側に位置し、同図(b)で云えば左側に位置した折り返しミラー54bを例に挙げて説明する。
詳しくは、この図4の左側に位置したミラー支持部材70aは、図3で云えば背面32近傍に配置される。そして、この支持部材70aは単点支持部71を有している(図5(a))。この単点支持部71は、反射面60に向けて突出した1個の突起で構成されており、反射面60のうち短手方向でみた略中央位置を支持し、上記所定角度を設定している。なお、参照符号62は反射面60の裏側に位置した背面であり、この背面62は側面33bに対峙する。
より具体的には、筐体30の熱解析結果を示した図6を用いて説明する。この図6では、背面32を左側に配置しており、上述したイエロー用の折り返しミラー54bは同図の上側にて左右方向に向けて配置されている。
そして、筐体30の変形解析結果をみると(図6(b))、ポリゴンミラー42から背面32までの間が大きく変形している。
すなわち、筐体30の背面32側が正面31側よりも大きく変形する場合には、この背面32近傍のミラー支持部材70aには単点支持部71を備えさせる。
これに対し、仮に、背面32近傍のミラー支持部材70aを多点支持部72,73とすると、図7(b)に示されるように、これら多点支持部72と多点支持部73との熱膨張による伸びが異なってしまうことから、例えば、この図7(b)の矢印で示されるように、反射面60の角度は、図5(b)に示された熱膨張する前の角度とは大きく変わってしまう。
なお、上述した折り返しミラー54aの他、折り返しミラー52a,52b,56a,56bについても、この折り返しミラー54bと同様に、温度の高くなる端部分が単点支持部71で支持され、温度の低くなる端部分が多点支持部72,73で支持される。
詳しくは、各ドラム10に対しては、帯電器85がドラム10の表面をそれぞれ帯電し、露光装置6がドラム10の表面にレーザ光をそれぞれ照射すると、各ドラム10の表面には静電潜像が作られ、この静電潜像から各色のトナー像が形成される。
その後、この用紙は未定着トナー像を担持した状態で定着部14に向けて送られ、この定着部14の熱ローラで加熱及び加圧され、トナー像が定着される。次いで、定着部14から送出された用紙は排出ローラ16で排紙トレイ92に排出される。
ところで、上述の実施例では、回路基板48を主な発熱源であるとして説明しているが、この発熱源には定着部14も該当し得る。
定着部14と単点支持部71との距離を、定着部14と多点支持部72,73との距離よりも短くすれば、折り返しミラー54bの傾斜角度は確実に変わり難くなるからである。
また、回路基板48はモータ軸46を回転させており、この回転のための熱が発生し易い箇所である。そこで、回路基板48と単点支持部71との距離を、回路基板48と多点支持部72,73との距離よりも短くすれば、折り返しミラー52a,52b,54a,54b,56a,56bの傾斜角度は確実に変わり難くなる。
本発明は、上記実施例に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。
また、上記実施例では画像形成装置としてプリンタに具現化した例を示しているが、本発明の画像形成装置は複写機やファクシミリ等にも当然に適用可能である。
6 露光装置(走査光学装置)
10 感光体ドラム(画像担持体)
14 定着部
30 筐体
40 レーザダイオード(光源)
42 ポリゴンミラー(回転多面鏡)
44 駆動ユニット
46 モータ軸
48 回路基板
52a,52b,54a,54b,56a,56b 折り返しミラー(平面鏡)
70a,70b ミラー支持部材
71 単点支持部
72,73 多点支持部
Claims (4)
- 筐体と、
この筐体内に取り付けられており、複数個の光源からの走査光を所定方向に偏向走査する回転多面鏡と、
モータ軸を介して前記回転多面鏡を回転駆動させる駆動ユニットと、
前記筐体内にて傾斜した状態で主走査方向に沿って配置されており、前記回転多面鏡からの走査光を所定方向に折り返す平面鏡と、
前記筐体内に形成されており、この平面鏡の両端部分を支持するミラー支持部材とを具備し、
このミラー支持部材は、
前記平面鏡の両端部分のうち、温度の高くなる端部分を1点で支持する単点支持部と、
温度の低くなる端部分を複数点で支持する多点支持部と
を備えたことを特徴とする走査光学装置。 - 請求項1に記載の走査光学装置であって、
前記駆動ユニットは、前記モータ軸を回転させる回路基板を有し、この回路基板は、前記多点支持部から離間させる一方、前記単点支持部に近接して配置されていることを特徴とする走査光学装置。 - 請求項1又は2に記載の走査光学装置を搭載したことを特徴とする画像形成装置であって、
前記回転多面鏡で偏向走査された走査光を画像担持体の表面に照射して静電潜像を形成し、この静電潜像をトナーで現像したトナー像が記録材に転写されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項3に記載の画像形成装置であって、
前記記録材に転写されたトナー像をこの記録材に定着させる定着部をさらに備え、
この定着部は、前記多点支持部から離間させる一方、前記単点支持部に近接して配置されていることを特徴とする画像形成装置。
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