JP2011069868A - 走査光学装置及びこれを搭載した画像形成装置 - Google Patents

走査光学装置及びこれを搭載した画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】副走査方向におけるカラー画像の色ずれを低減できる走査光学装置及びこれを搭載した画像形成装置を提供する。
【解決手段】筐体(30)と、この筐体内に取り付けられており、複数個の光源からの走査光を所定方向に偏向走査する回転多面鏡(42)と、モータ軸(46)を介して回転多面鏡を回転駆動させる駆動ユニット(44)と、筐体内にて傾斜した状態で主走査方向に沿って配置されており、回転多面鏡からの走査光を所定方向に折り返す平面鏡(52a,52b,54a,54b,56a,56b)と、筐体内に形成されており、この平面鏡の両端部分を支持するミラー支持部材(70a,70b)とを具備し、このミラー支持部材は、平面鏡の両端部分のうち、温度の高くなる端部分を1点で支持する単点支持部(71)と、温度の低くなる端部分を複数点で支持する多点支持部(72,73)とを備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、走査光を画像担持体の表面に照射する走査光学装置及びこれを搭載した画像形成装置に関するものである。
この種の画像形成装置では電子写真プロセスが用いられ、走査光学装置にはその筐体内にポリゴンミラーが備えられている。このミラーは複数個の光源からの走査光を所定方向に偏向走査可能に構成されており、走査光は予め帯電された画像担持体、例えば各感光体ドラムの表面に照射される。これにより、各ドラムの表面には静電潜像がそれぞれ形成され、各色に対応したトナー像が用紙に転写及び定着される。
ここで、このポリゴンミラーはモータ軸の回転によって駆動する。一方、光源やポリゴンミラーの駆動によって熱が発生すると、筐体内の温度が上昇し、初期状態では重なっていた各トナー像が重ならなくなる(カラー画像の色ずれ)。この熱が筐体や樹脂製のfθレンズ対などを変形させるからである。そのため、当該色ずれを抑える技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−354847号公報
ところで、上述した従来の技術では、光源やポリゴンミラーを駆動させる各基板などの発熱源がモータ軸を中心にして対称に配置されており、対をなすfθレンズの物性変化の差を小さくし、主走査方向(感光体ドラムの回転軸線方向)におけるカラー画像の色ずれを抑制している。
しかしながら、この基板などの発熱量や、ポリゴンミラーの回転に伴う気流の発生方向を鑑みれば、発熱源を対称に配置しても、筐体内の温度分布には依然として偏りが生じてしまう。
そして、当該色ずれは主走査方向に略直交する方向、つまり、副走査方向(用紙の搬送方向)についても留意しなければならない。
詳しくは、この筐体内には、平面状の折り返しミラーが傾斜した状態で主走査方向に沿って配置され、ポリゴンミラーやfθレンズからの走査光をドラムに向けて反射している。この折り返しミラーの両端部分は支持部材でそれぞれ支持されているが、筐体内の温度分布が主走査方向で偏っていると、筐体や各支持部材の変形量に大きな差が生じて折り返しミラーの傾斜角度が変わり、副走査方向におけるカラー画像の色ずれが大きくなるからである。
また、この問題の解決にあたり、送風機を筐体に設置することも考えられるが、これでは走査光学装置の構造が複雑になるし、さらに、送風機の振動がドラムに対する走査光の照射位置に影響を与え得るとの問題もある。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解消し、副走査方向におけるカラー画像の色ずれを低減できる走査光学装置及びこれを搭載した画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するための第1の発明は、筐体と、この筐体内に取り付けられており、複数個の光源からの走査光を所定方向に偏向走査する回転多面鏡と、モータ軸を介して回転多面鏡を回転駆動させる駆動ユニットと、筐体内にて傾斜した状態で主走査方向に沿って配置されており、回転多面鏡からの走査光を所定方向に折り返す平面鏡と、筐体内に形成されており、この平面鏡の両端部分を支持するミラー支持部材とを具備し、このミラー支持部材は、平面鏡の両端部分のうち、温度の高くなる端部分を1点で支持する単点支持部と、温度の低くなる端部分を複数点で支持する多点支持部とを備える。
本発明は、筐体内の温度分布に偏りが存在しても、カラー画像の色ずれの少ないミラー支持構成を得る点に着目したものである。
そして、第1の発明によれば、筐体内には、回転多面鏡、駆動ユニットや平面鏡がそれぞれ設置されており、回転多面鏡はモータ軸の回転によって駆動される。このモータ軸の回転に伴って発生する熱は筐体やミラー支持部材に伝達され、これら筐体やミラー支持部材を変形させる。このため、平面鏡の傾斜角度が変わり、主走査方向に略直交する方向、つまり、副走査方向におけるカラー画像の色ずれが大きくなるとの懸念がある。
しかしながら、本発明では、ミラー支持部材は単点支持部及び多点支持部からなり、この単点支持部が、平面鏡の両端部分のうち、温度の高くなる端部分を1点で支持するのに対し、多点支持部が温度の低くなる端部分、換言すれば、単点支持部で支持される温度の高い端部分とは反対側に位置する端部分を複数点で支持している。
よって、この平面鏡は、例えば温度の高くなる端部分を複数点で支持した場合のような各点部分の支持長が異なることがなく、その傾斜角度が変わり難くなり、副走査方向におけるカラー画像の色ずれを低減できる。この結果、走査光学装置の信頼性の向上に寄与する。
しかも、この色ずれの低減がミラー支持部材のみの構成で達成できるので、例えば送風機を用いて空冷する場合等に比して簡単な構造で済み、走査光学装置の製造コストも抑えられる。
第2の発明は、第1の発明の構成において、駆動ユニットは、モータ軸を回転させる回路基板を有し、この回路基板は、多点支持部から離間させる一方、単点支持部に近接して配置されていることを特徴とする。
第2の発明によれば、第1の発明の作用に加えてさらに、回路基板はモータ軸を回転させており、この回転のための熱が発生し易い箇所である。そこで、回路基板と単点支持部との距離を、回路基板と多点支持部との距離よりも短くすれば、平面鏡の傾斜角度は確実に変わり難くなる。
第3の発明は、第1や第2の走査光学装置を搭載した画像形成装置であって、回転多面鏡で偏向走査された走査光を画像担持体の表面に照射して静電潜像を形成し、この静電潜像をトナーで現像したトナー像が記録材に転写されていることを特徴とする。
第3の発明によれば、第1や第2の発明の作用に加えてさらに、副走査方向におけるカラー画像の色ずれが抑えられ、画像担持体の表面での特性が変化せずに良好な画質が得られることから、画像形成装置の信頼性向上にも寄与する。
第4の発明は、第3の発明の構成において、記録材に転写されたトナー像をこの記録材に定着させる定着部をさらに備え、この定着部は、多点支持部から離間させる一方、単点支持部に近接して配置されていることを特徴とする。
第4の発明によれば、第3の発明の作用に加えてさらに、定着部も回路基板と同様に発熱源となり得るので、定着部と単点支持部との距離を、定着部と多点支持部との距離よりも短くすれば、この場合にも平面鏡の傾斜角度は確実に変わり難くなるため、この場合にも副走査方向におけるカラー画像の色ずれの抑制になる。
本発明によれば、平面鏡の両端部分の支持状態を筐体内の温度分布に応じて設定しており、副走査方向におけるカラー画像の色ずれを低減できる走査光学装置及びこれを搭載した画像形成装置を提供することができる。
本実施例のプリンタの構成図である。 図1のプリンタのコントローラを含めた構成図である。 (a)図1の露光装置の斜視図であり、(b)は(a)のII−II線における矢視断面図である。 図3の折り返しミラーの正面図である。 (a)は図4のa−a線における矢視断面図であり、(b)は図4のb−b線における矢視断面図である。 図3の露光装置の平面図であり、(a)は温度分布を示す図、(b)は変形分布を示す図である。 高温時に適用した場合のミラー支持部材の説明図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施例であるカラープリンタの構成図である。同図に示された断面はプリンタ1の左側面からみたものである。このため、プリンタ1の前面は同図中の右側に、背面は左側にそれぞれ位置する。このプリンタ1は装置本体2を備え、装置本体2の上部には排紙トレイ92が設けられる。このトレイ92の近傍には、使用者の各種操作に供される複数の操作キーや、各種情報を表示する画面を配置したフロントカバー81が設けられている。
この装置本体2の下部には給紙カセット3が配置され、その収容部82には画像形成前の用紙(記録材)が積層状態で収容され、この用紙は1枚ずつ分離されて装置本体2の内部に送出される。
詳しくは、同図でみて収容部82の右上方にはローラ83が設けられ、用紙は、カセット3の右上方に向けて送出され、この送出された用紙は、装置本体2の内部でプリンタ1の前面に沿って上方に向けて搬送される。なお、カセット3は、プリンタ1の前面側、つまり、図1において右方向に向けて引き出し可能に構成されており、この引き出した状態にて、収容部82に新たな用紙を補充したり、用紙を別の種類の用紙に入れ替え可能となる。
この装置本体2の内部には、用紙搬送方向でみて搬送ローラ84、レジストローラ5、画像形成部8及び転写部12の順に配置されている。本実施例の画像形成部8には4個のドラムユニット7が並設され、各ユニット7には各対応色の可視像(トナー像)を担持する感光体ドラム(画像担持体)10がそれぞれ設けられている(図1,2)。このドラム10は回転自在に設置され、図示しない駆動モータによって図1の時計回りにそれぞれ駆動する。
画像形成部8の下方、つまり、ドラム10とカセット3との間には露光装置(走査光学装置)6が備えられており、この露光装置6からは画像形成部8に向けて、例えばイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの異なる4色のレーザ光が照射される。そして、図1に示されるように、各ドラム10の周囲の適宜位置には、帯電器85、現像器86、中間転写ローラ87やクリーニング部88がそれぞれ設けられている。
この帯電器85はドラム10の下部にそれぞれ位置し、各ドラム10の表面を一様に帯電させる。また、図1でみると、現像器86は各ドラム10の左方にそれぞれ配置される。中間転写ベルト9は各ドラム10の上方に配置され、この転写ベルト9とトレイ92との間には4個のトナーコンテナ89が配設されている。これら各コンテナ89は、プリンタ1の背面側から前面側に向けて、イエロー用、マゼンタ用、シアン用、そして、ブラック用の順に配設され、このブラック用のコンテナの容量が最も大きく構成される。
そして、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックのトナーを各ドラム10の表面に静電的に付着させると、この表面には、露光装置6による静電潜像に応じたトナー像がそれぞれ現像される。
これら各ドラム10の表面に形成されたトナー像は、例えば中間転写ベルト9に順次転写され、1ページ分のトナー像として合成される。転写部12には転写ローラ13が備えられ、このローラ13は転写ベルト9に対して斜め下方から圧接可能に構成されている。そして、これらベルト9と転写ローラ13との間を用紙が通過すると、このベルト9に合成されたトナー像が用紙に転写される。
また、用紙搬送方向でみて転写部12の下流側には、定着部14、排出分岐部90及び排出ローラ16の順に配置され、定着部14から送出された用紙は排紙トレイ92に排出される。
本実施例では、転写部12と手差しトレイ80との間に両面印刷ユニット91が形成されている。このユニット91は、排出分岐部90から装置本体2の前面側で分岐して下方に向けて延び、レジストローラ5の上流側に連結している。
ここで、本実施例の露光装置6には各種の光学機器が組み込まれている。具体的には、図3に示されるように、露光装置6は樹脂で形成された箱型の筐体30を備え、その平面視で略四角形状の底面34を有している。この底面34の各辺は正面31、背面32、側面33a,33bで囲繞される。
正面31と背面32とが主走査方向(ドラム10の回転軸線方向)で対峙し、側面33a,33bが副走査方向(用紙の搬送方向)で対峙する。なお、これら正面31、背面32、側面33a,33bの上端は、所定位置に貫通孔を有したカバーに当接しており、露光装置6はこのカバーで覆われている。
また、露光装置6は装置本体2に固定される。詳しくは、底面34には取り付け部36,37a、37bが形成され(図6)、取り付け部36は、背面32の近傍であって、側面33a,33bから略等間隔で離間した位置に配置される一方、取り付け部37aは、正面31と側面33aとの交差付近であって、筐体30の外側に配置され、取り付け部37bは、正面31と側面33bとの交差付近であって、筐体30の外側にそれぞれ配置されている。これら取り付け部36,37a,37bにネジを挿入し、カバーで覆われた筐体30と装置本体2とが締結される。
そして、本実施例の筐体30には、2個の光源40の他、光偏向器、光学系などで構成される光学機器が配設されている。
つまり、このプリンタ1には、図1の左側に示された例えばイエロー及びマゼンタの画像に対応する露光装置6Aと、図1の右側に示された例えばシアン及びブラックの画像に対応する露光装置6Bとが別個に搭載されている。
そこで、前者のイエロー及びマゼンタの画像に対応する露光装置6Aを例に挙げて説明する。
この露光装置6Aの2個の光源40は、正面31にて筐体30の外側に並設されており、イエロー用のレーザダイオード(LD)と、マゼンタ用のLDとからなり、独立した各LDから可視領域の光ビームがそれぞれ筐体30の内部の光偏向器に向けて照射される。
この光偏向器は、ポリゴンミラー(回転多面鏡)42と、駆動ユニット44とで構成されており(図3(a))、ポリゴンミラー42は正多角形の平面形状をなし、その各側面は平面鏡で形成されている。また、このポリゴンミラー42の中心部分はモータ軸46に固着される(図3(b))。
駆動ユニット44は、モータ軸46に連結する駆動モータ45を有し、このモータ45は、集積回路や抵抗とともに矩形状の回路基板48に実装される。この例の回路基板48は、ポリゴンミラー42の下側から背面32に向けて配置され、底面34に固定されている。
一方、上述した光学系は、このポリゴンミラー42で反射されたレーザ光の進む領域に備えられており、イエロー用及びマゼンタ用のfθレンズ50a,50bの他、本実施例では計6個の平面形状の折り返しミラー(平面鏡)52a,52b,54a,54b,56a,56bで構成される。
これらイエロー用及びマゼンタ用のfθレンズ50a,50bは、ポリゴンミラー42を挟んで副走査方向に沿ってそれぞれ配置されており、例えばイエロー用のfθレンズ50bは図3(b)でみてポリゴンミラー42の左側に、マゼンタ用のfθレンズ50aはミラー42の右側に並設されている。
また、イエロー用の折り返しミラー52b,54b,56bは、図3(b)にも示される如く、ポリゴンミラー42を挟んで左側に設けられ、まず、折り返しミラー52bは、側面33bと底面34との交差付近に配置されており、所定角度に傾斜して主走査方向に沿って配置されている。
次に、折り返しミラー54bは側面33bの上端近傍に、折り返しミラー56bはイエロー用のfθレンズ50bの上方にそれぞれ配置され、所定角度に傾斜して主走査方向に沿って配置される。
なお、マゼンタ用の折り返しミラー52a,54a,56aも図3(b)でみてポリゴンミラー42の右側に配置され、イエロー用の折り返しミラー52b,54b,56bと略同様の位置に設けられる。
そして、装置本体2に設けられたコントローラ20からの信号に基づき、イエロー用やマゼンタ用の各光源40がレーザ光をそれぞれ照射すると、各レーザ光は、対応のコリメータレンズ、プリズムやシリンドリカルレンズ等を経てポリゴンミラー42に向かう。
同じくコントローラ20からの信号に基づいて、モータ軸46が駆動モータ45の動力を受けて高速回転すると、ポリゴンミラー42が高速回転する。
このポリゴンミラー42には、イエローやマゼンタの各レーザ光が微小角度を持ってずれた状態で入射される。続いて、回転するポリゴンミラー42は各レーザ光を偏向しつつ、各側面33a,33bに向けて出力する。
ポリゴンミラー42で反射された各レーザ光は、対応のfθレンズ50a,50bでそれぞれ等速度に偏向される。
この各fθレンズ50a,50bを通過したレーザ光は、折り返しミラー52a,52bで反射され、それぞれ上方に向けて折り返される。続いて、各レーザ光は、折り返しミラー54a,54bで筐体30の内部に向けてそれぞれ反射される。その後、各折り返しミラー56a,56bで反射され、イエロー用のドラム10の表面や、マゼンタ用のドラム10の表面にそれぞれ到達する。
また、シアン及びブラックの画像に対応する露光装置6Bについても同様に、コントローラ20からの信号に基づき、各光源40のレーザ光が、ポリゴンミラー42、対応のfθレンズ50a,50bや折り返しミラー52a,52b,54a,54b,56a,56bを経由してシアン用のドラム10の表面や、ブラック用のドラム10の表面にそれぞれ到達する。
ところで、上述した折り返しミラー52a,52b,54a,54b,56a,56bは、バネと樹脂製のミラー支持部材70a,70bとで狭持されて筐体30に固定される。
具体的には、折り返しミラー52a,52b,54a,54b,56a,56bのうち、上述したイエロー用の折り返しミラー54b、つまり、図3(a)で云えば左奥側に位置し、同図(b)で云えば左側に位置した折り返しミラー54bを例に挙げて説明する。
本実施例の折り返しミラー54bをポリゴンミラー42側からみた図4に示されるように、この折り返しミラー54bは、折り返しミラー56bに対峙する反射面60を有し、この反射面60のうち長手方向の両端部分が、筐体30に一体形成されたミラー支持部材70a,70bに支持されている。なお、この支持部材70a,70bは筐体30に別体で構成されていても良い。
ここで、図4の左側に位置したミラー支持部材70aと、右側に位置したミラー支持部材70bとは支持形状を異にする。
詳しくは、この図4の左側に位置したミラー支持部材70aは、図3で云えば背面32近傍に配置される。そして、この支持部材70aは単点支持部71を有している(図5(a))。この単点支持部71は、反射面60に向けて突出した1個の突起で構成されており、反射面60のうち短手方向でみた略中央位置を支持し、上記所定角度を設定している。なお、参照符号62は反射面60の裏側に位置した背面であり、この背面62は側面33bに対峙する。
一方、図4の右側に位置したミラー支持部材70bは、図3で云えば正面31近傍に配置され、多点支持部72,73を有している(図5(b))。本実施例の多点支持部72,73は、その長さが略等しい計2個の突起で構成され、反射面60に向けてそれぞれ突出している。また、この多点支持部72,73は、反射面60のうち短手方向の両端部分から略等間隔で離間した位置をそれぞれ支持し、上記所定角度を設定している。
これら各ミラー支持部材70a,70bの形状の相違は、反射面60を単に3点で支持するものではなく、筐体30内の温度分布の異なる点に起因して配置させたものである。
より具体的には、筐体30の熱解析結果を示した図6を用いて説明する。この図6では、背面32を左側に配置しており、上述したイエロー用の折り返しミラー54bは同図の上側にて左右方向に向けて配置されている。
この図6(a)に示される如く、筐体30の温度は、ポリゴンミラー42の位置に相当する中央部分が最も白く表示され、次いで、このミラー42の位置に相当する中央部分と背面32との間までが白く、例えば黒く表示された正面31よりも約3〜4℃程度高くなっていることが分かる。
そして、筐体30の変形解析結果をみると(図6(b))、ポリゴンミラー42から背面32までの間が大きく変形している。
換言すれば、ポリゴンミラー42から背面32までの間、特に回路基板48の周囲が高温になると、背面32近傍のミラー支持部材70aは正面31近傍のミラー支持部材70bに比して、高温に曝され、大きく変形し易いことが分かる。
すなわち、筐体30の背面32側が正面31側よりも大きく変形する場合には、この背面32近傍のミラー支持部材70aには単点支持部71を備えさせる。
この単点支持部71が、図7(a)の矢印で示される如く、その熱膨張によって折り返しミラー54bを押し上げる方向に伸びても、この反射面60の角度は、図5(a)に示された熱膨張する前の角度のまま維持されるからである。
これに対し、仮に、背面32近傍のミラー支持部材70aを多点支持部72,73とすると、図7(b)に示されるように、これら多点支持部72と多点支持部73との熱膨張による伸びが異なってしまうことから、例えば、この図7(b)の矢印で示されるように、反射面60の角度は、図5(b)に示された熱膨張する前の角度とは大きく変わってしまう。
そこで、本実施例のミラー支持部材70a,70bは、折り返しミラー54bの両端部分のうち、回路基板48に近接しており、温度の高くなる端部分を単点支持部71で支持する一方、回路基板48から離間し、温度の低くなる端部分を多点支持部72,73で支持するのである。
なお、上述した折り返しミラー54aの他、折り返しミラー52a,52b,56a,56bについても、この折り返しミラー54bと同様に、温度の高くなる端部分が単点支持部71で支持され、温度の低くなる端部分が多点支持部72,73で支持される。
再び図1に戻り、上述した露光装置6を搭載したプリンタ1が印刷を行う際は、カセット3からローラ83により用紙が1枚ずつ分離して送出され、搬送ローラ84を経てレジストローラ5に到達する。このレジストローラ5は、用紙の斜め送りを矯正しつつ、画像形成部8で形成されるトナー像との画像転写タイミングを計りながら、用紙を転写部12に向けて送出する。
一方、図2の入力ポート22は、印刷の元になる画像データが外部から受信可能に構成されている。この画像データは、文字や符号、図形、記号、線図、模様等の各種の画像がデータ化されたものである。そして、このデータに基づき、コントローラ20ではレーザ光の照射などを制御する。
詳しくは、各ドラム10に対しては、帯電器85がドラム10の表面をそれぞれ帯電し、露光装置6がドラム10の表面にレーザ光をそれぞれ照射すると、各ドラム10の表面には静電潜像が作られ、この静電潜像から各色のトナー像が形成される。
各トナー画像はベルト9を経由して転写部12にて用紙に転写される。なお、ドラム10の表面に残留したトナーはクリーニング部88でそれぞれ除去される。
その後、この用紙は未定着トナー像を担持した状態で定着部14に向けて送られ、この定着部14の熱ローラで加熱及び加圧され、トナー像が定着される。次いで、定着部14から送出された用紙は排出ローラ16で排紙トレイ92に排出される。
この片面印刷に対し、両面印刷を行う場合には、定着部14から排出された用紙は、排出分岐部90でその搬送方向が切り替えられる。つまり、片面に印刷された用紙は装置本体2内に引き戻され、両面印刷ユニット91に搬送される。続いて、この用紙はレジストローラ5の上流側に向けて送出され、転写部12に向けて再び送られる。これにより、用紙の未だ印刷がされていない方の面にトナー像が転写される。
ところで、上述の実施例では、回路基板48を主な発熱源であるとして説明しているが、この発熱源には定着部14も該当し得る。
そこで、上記ミラー支持部材70a,70bは、折り返しミラー54bの両端部分のうち、定着部14に近接した端部分を単点支持部71で支持し、この定着部14から離間した端部分を多点支持部72,73で支持しても良い。
定着部14と単点支持部71との距離を、定着部14と多点支持部72,73との距離よりも短くすれば、折り返しミラー54bの傾斜角度は確実に変わり難くなるからである。
また、仮に、光源40も発熱源になり得る場合には、光源40と単点支持部71との距離を、光源40と多点支持部72,73との距離よりも短くすれば良いし、さらに、仮に、モータ軸46の回転に伴い、図6(a)でみて右上の隅部分及び左下の隅部分の双方の温度が高くなり得るときには、これら該当する隅部分を単点支持部71で、その反対側を多点支持部72,73で支持することも可能である。
以上のように、本実施例によれば、筐体30内には、ポリゴンミラー42、駆動ユニット44や折り返しミラー52a,52b,54a,54b,56a,56bがそれぞれ設置されており、ポリゴンミラー42はモータ軸46の回転によって駆動される。このモータ軸46の回転に伴って発生する熱は筐体30やミラー支持部材70a,70bに伝達され、これら筐体30やミラー支持部材70a,70bを変形させる。このため、折り返しミラー52a,52b,54a,54b,56a,56bの傾斜角度が変わり、その屈折率の変化によってレーザ光の走査速度が変わるので、主走査方向に略直交する方向、つまり、副走査方向におけるカラー画像の色ずれが大きくなるとの懸念がある。
しかしながら、本実施例では、ミラー支持部材70a,70bは単点支持部71及び多点支持部72,73からなり、この単点支持部71が、折り返しミラー52a,52b,54a,54b,56a,56bの両端部分のうち、温度の高くなる端部分を1点で支持するのに対し、多点支持部72,73が温度の低くなる端部分、換言すれば、単点支持部71で支持される温度の高い端部分とは反対側に該当する端部分を例えば2点で支持している。
よって、この折り返しミラー52a,52b,54a,54b,56a,56bは、仮に、温度の高くなる端部分を複数点で支持した場合(図7(b))のような各点部分の支持長が異なることがなく、その傾斜角度が変わり難くなり、副走査方向におけるカラー画像の色ずれを低減できる。この結果、露光装置6の信頼性の向上に寄与する。
しかも、この色ずれの低減がミラー支持部材70a,70bのみの構成で達成できるので、例えば送風機を用いて空冷する場合等に比して簡単な構造で済み、露光装置6の製造コストも抑えられるし、また、この送風機の設置に伴う光学特性への影響もない。
また、回路基板48はモータ軸46を回転させており、この回転のための熱が発生し易い箇所である。そこで、回路基板48と単点支持部71との距離を、回路基板48と多点支持部72,73との距離よりも短くすれば、折り返しミラー52a,52b,54a,54b,56a,56bの傾斜角度は確実に変わり難くなる。
さらに、副走査方向におけるカラー画像の色ずれが抑えられ、ドラム10の表面での特性が変化せずに良好な画質が得られることから、プリンタ1の信頼性向上にも寄与する。
本発明は、上記実施例に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。
例えば、上記実施例の露光装置6には2個の光源40が設置されているが、必ずしもこの形態に限定されるものではなく、1台の露光装置6に4個の光源40が設置されていても良い。
また、上記実施例では画像形成装置としてプリンタに具現化した例を示しているが、本発明の画像形成装置は複写機やファクシミリ等にも当然に適用可能である。
そして、これらいずれの場合にも上記と同様に、副走査方向におけるカラー画像の色ずれを低減できるとの効果を奏する。
1 プリンタ(画像形成装置)
6 露光装置(走査光学装置)
10 感光体ドラム(画像担持体)
14 定着部
30 筐体
40 レーザダイオード(光源)
42 ポリゴンミラー(回転多面鏡)
44 駆動ユニット
46 モータ軸
48 回路基板
52a,52b,54a,54b,56a,56b 折り返しミラー(平面鏡)
70a,70b ミラー支持部材
71 単点支持部
72,73 多点支持部

Claims (4)

  1. 筐体と、
    この筐体内に取り付けられており、複数個の光源からの走査光を所定方向に偏向走査する回転多面鏡と、
    モータ軸を介して前記回転多面鏡を回転駆動させる駆動ユニットと、
    前記筐体内にて傾斜した状態で主走査方向に沿って配置されており、前記回転多面鏡からの走査光を所定方向に折り返す平面鏡と、
    前記筐体内に形成されており、この平面鏡の両端部分を支持するミラー支持部材とを具備し、
    このミラー支持部材は、
    前記平面鏡の両端部分のうち、温度の高くなる端部分を1点で支持する単点支持部と、
    温度の低くなる端部分を複数点で支持する多点支持部と
    を備えたことを特徴とする走査光学装置。
  2. 請求項1に記載の走査光学装置であって、
    前記駆動ユニットは、前記モータ軸を回転させる回路基板を有し、この回路基板は、前記多点支持部から離間させる一方、前記単点支持部に近接して配置されていることを特徴とする走査光学装置。
  3. 請求項1又は2に記載の走査光学装置を搭載したことを特徴とする画像形成装置であって、
    前記回転多面鏡で偏向走査された走査光を画像担持体の表面に照射して静電潜像を形成し、この静電潜像をトナーで現像したトナー像が記録材に転写されていることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項3に記載の画像形成装置であって、
    前記記録材に転写されたトナー像をこの記録材に定着させる定着部をさらに備え、
    この定着部は、前記多点支持部から離間させる一方、前記単点支持部に近接して配置されていることを特徴とする画像形成装置。
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