JP5297597B2 - 走査光学装置及びこれを搭載した画像形成装置 - Google Patents

走査光学装置及びこれを搭載した画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、走査光を画像担持体の表面に照射する走査光学装置及びこれを搭載した画像形成装置に関する。
この種の画像形成装置では電子写真プロセスが用いられ、走査光学装置にはポリゴンミラーが備えられている。このミラーでは光源からの走査光が所定方向に偏向走査されており、この走査光は予め帯電された画像担持体、例えば感光体ドラムの表面に照射される。これにより、ドラムの表面には静電潜像が形成され、トナー像が用紙に転写及び定着される。
ここで、このミラーは駆動モータの回転によって回転駆動する。そして、モータの回転によってモータ軸には熱が発生するため、この熱を金属製のヒートシンクで吸収し、ヒートシンクを冷却ファンで空冷する技術が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
特開平6−15870号公報 特開2000−206627号公報
ところで、画像形成装置の高性能化に伴い、ポリゴンミラーは高速で回転駆動することが要求され、モータ軸には非常に大きな熱量が発生することになる。つまり、この場合には、ファンからの空気の流れはヒートシンクの全体に行き渡らせることがヒートシンクの理想的な冷却になる。
しかしながら、上述した従来の技術では、ファンからの空気の流れがヒートシンクに向けて単に供給されるだけであり、これでは、空気の流れはヒートシンクの一部分にのみ達し、理想的な冷却を行えず、走査光学装置の信頼性が低下するとの問題がある。詳しくは、モータ軸が発熱すると、ミラーの収容部分(ポリゴンAssy)が膨張する。そして、ドラムに対する走査光の照射位置の僅かなズレが画質に直接的な影響を与えるため、この変形が画質不良(例えば、位置ズレによるピント不良や倍率不良等)を招くからである。このように、従来の技術ではヒートシンクを積極的に冷却する点については依然として課題が残されている。
また、この問題の解決するにあたり、ファンの振動の点にも留意しなければならない。仮に、ファンからの空気の流れがヒートシンクを理想的に冷却できたとしても、ファンの振動が光学特性に影響を与えてしまう場合には、走査光学装置の信頼性がやはり低下するからである。具体的には、ファンを走査光学装置に単に設置すると、ファンの振動がミラーに伝達してドラムに対する走査光の照射位置のズレが生ずるからである。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解消し、ヒートシンクに吸収された熱を積極的に冷却し、信頼性の向上を図る走査光学装置及びこれを搭載した画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するための第1の発明は、光源からの走査光を所定方向に偏向走査する回転多面鏡と、軸を介して回転多面鏡を回転駆動させる駆動装置と、軸の回転による熱を吸収する板状部材と、空気の流れを生成して軸を冷却する送風機と、送風機と板状部材との間に設けられており、送風機からの空気の流れを板状部材に向けて指向させる風路形成部とを具備する。
第1の発明によれば、回転多面鏡は駆動装置の軸の回転によって駆動される。この軸の回転による熱は板状部材で吸収される。そして、この熱は送風機によって空冷されるが、送風機と板状部材との間には風路形成部が設けられており、この風路形成部は送風機からの空気の流れを板状部材に向けて指向している。すなわち、送風機で生成された空気の流れは板状部材に向けて積極的に供給される。よって、板状部材の理想的な冷却が可能になり、従来に比して軸の良好な冷却が実施可能となる。この結果、走査光学装置の信頼性の向上に寄与する。
第2の発明は、第1の発明の構成において、回転多面鏡と風路形成部との間に設けられており、駆動装置を駆動させる回路基板をさらに備え、板状部材は、回路基板に接触していることを特徴とする。
第2の発明によれば、第1の発明の作用に加えてさらに、板状部材は、駆動装置を駆動させる回路基板に接触し、この回路基板で生じた熱も吸収しており、この熱もまた、風路形成部からの空気の流れによって積極的に冷却可能となる。
第3の発明は、第1や第2の発明の構成において、風路形成部は、板状部材に対峙する板状部材側開口と、送風機に対峙する送風機側開口とを有し、板状部材側開口の形状は、送風機側開口の形状に比して、板状部材の幅方向に沿って広げられ、板状部材の高さ方向に沿って狭められていることを特徴とする。
第3の発明によれば、第1や第2の発明の作用に加えてさらに、板状部材側開口の形状は、送風機側開口の形状に比して、板状部材の幅方向に沿って広げられているのに対し、板状部材の高さ方向に沿って狭くされており、送風機からの空気の流れは板状部材に向けて強制される。よって、板状部材の理想的な冷却が行われる。
第4の発明は、第3の発明の構成において、板状部材側開口の高さは、板状部材の高さと略同等の高さに形成されていることを特徴とする。
第4の発明によれば、第3の発明の作用に加えてさらに、板状部材側開口の高さと板状部材の高さとが略同等の高さに形成されていることから、送風機からの空気の流れを板状部材に向けて最も効率良く供給することができる。
第5の発明は、第1から第4の発明の構成において、画像形成装置本体に搭載されており、回転多面鏡が組み込まれたユニット本体を有し、送風機は、ユニット本体に取り付けられていることを特徴とする。
第5の発明によれば、第1から第4の発明の作用に加えてさらに、送風機は、画像形成装置本体ではなく、回転多面鏡を有するユニット本体に取り付けられている。つまり、送風機は走査光学装置に予め取り付けられた状態で、この走査光学装置を画像形成装置本体に搭載できることから、送風機を画像形成装置本体に直に取り付ける場合に比して、送風機を容易に取り付けることができる。
第6の発明は、第5の発明の構成において、送風機とユニット本体との間に配置されており、送風機をユニット本体に固定する支持部材と、支持部材とユニット本体との間に配置される弾性部材とを備えていることを特徴とする。
第6の発明によれば、第5の発明の作用に加えてさらに、送風機が支持部材に固定されており、この支持部材は弾性部材を介してユニット本体に固定されていることから、送風機の振動が光学特性に影響を与えない。
第7の発明は、第6の発明の構成において、支持部材は、風路形成部の底面を構成していることを特徴とする。
第7の発明によれば、第6の発明の作用に加えてさらに、支持部材が風路形成部の一部分として風路形成を担っているので、ユニット本体の高さが抑えられる。
第8の発明は、第7の発明の構成において、支持部材と板状部材との重畳部分に配置される弾性部材を備えていることを特徴とする。
第8の発明によれば、第7の発明の作用に加えてさらに、支持部材は弾性部材を介して板状部材に重ねられていることから、送風機の振動が光学特性に影響を与えない。
第9の発明は、第1から第8の発明の走査光学装置を搭載した画像形成装置であって、回転多面鏡で偏向走査された走査光を画像担持体の表面に照射して静電潜像を形成し、静電潜像をトナーで現像したトナー像が記録材に転写されていることを特徴とする。
第9の発明によれば、第1から第8の発明の作用に加えてさらに、軸の回転による熱は良好に空冷され、画像担持体の表面での特性が変化せず、良好な画質が得られることから、画像形成装置の信頼性向上にも寄与する。
本発明によれば、板状部材に吸収された熱を積極的に冷却し、信頼性の向上を図る走査光学装置及びこれを搭載した画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施例であるタンデム方式のカラープリンタの概略構成図であり、同図の右方向がプリンタ1の正面に対応し、左方向が背面に対応している。
同図に示されるように、この装置本体2の下部には用紙のカセット3が配置されており、カセット3には画像形成前の用紙(記録材)Pが積層状態で収容され、この用紙Pは1枚ずつ分離され、カセット3から左方向に向けて送出される。
カセット3の左方には第1用紙搬送部4が備えられ、カセット3から送出された用紙Pは本体2の左側面に沿って上方に向けて縦搬送される。一方、カセット3の上方には手差し給紙部5が備えられている。給紙部5には、カセット3に入っていないサイズの用紙や、厚紙、或いはOHPシートの如く1枚ずつ送り込まれる種々の記録材が載置されている。そして、給紙部5の左方には第2用紙搬送部6が備えられ、給紙部5からの記録材は第2用紙搬送部6を経て第1用紙搬送部4に合流し、本体2の左側面に沿って上方に向けて縦搬送される。
この本体2の内部には、用紙搬送方向でみて下流側にレジストローラ、画像形成部30及び二次転写部9が順番に配置されている。画像形成部30の下方には露光ユニット(走査光学装置)20が備えられており、このユニット20からは画像形成部30の感光体ドラム(画像担持体)に向けてレーザ光Lが照射される。
また、用紙搬送方向でみて二次転写部9の下流側には、定着部11及び排出分岐部12が順番に配置され、片面印刷の場合には、定着部11から排出された用紙Pや記録材は分岐部12を経て排紙トレイ13に排出される。
一方、この分岐部12と第1用紙搬送部4との間には両面印刷用ユニットが配置されており、このユニットでは定着部11から排出された用紙Pや記録材をスイッチバック部14で引き戻し、二次転写部9に向けて再び送出する。
ここで、本実施例の画像形成部30は、4つの画像形成ユニットで構成されている。詳しくは、これら各ユニットは、プリンタ1の正面側から背面側に向けて順に配列され、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(B)の異なる4色の画像に対応して設けられており、一次転写部8Y,8M,8C,8Bを介してイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの画像を順次形成している。
より具体的には、各ユニット30Y,30M,30C,30Bには、図2にも示されるように、各対応色の可視像(トナー像)を担持するドラム31Y,31M,31C,31Bが設けられている。これら各ドラムは本体2に対して回転自在に設置され、図示しない駆動モータによって同図の反時計回りに駆動する。
再び図1に戻り、一次転写部8Y,8M,8C,8Bでは、対応するドラム31Y,31M,31C,31Bの表面を一様に帯電させ、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色のトナーを各ドラムの表面に静電的に付着させる。これにより、各ドラムの表面には、露光ユニット20による静電潜像に応じたトナー像が現像される。そして、これら各ドラム上に形成されたトナー像は、中間転写ベルト7上に順次転写され、1ページ分のトナー像として合成される。
詳しくは、上記ベルト7は、誘電体樹脂製のシート材の両端部分を重ね合わさせて接合したエンドレス形状のベルトや、継ぎ目を有しないシームレスのベルトが用いられており、駆動ローラ及び搬送ローラの間に掛け回され、図1の時計回りに走行する。これにより、各ドラム上に形成されたトナー像はベルト7上に一次転写される。なお、クリーニング装置10では、ベルト7上に残留したトナーが除去・回収されている。
また、同図に示されるように、二次転写部9は上述した駆動ローラに隣接して設けられ、この転写部9のローラとベルト7との間を用紙Pや記録材が通過すると、ベルト7上に転写されたトナー像は用紙Pや記録材に二次転写され、用紙Pや記録材は定着部11に向けて搬送される。
ところで、本実施例の露光ユニット20には各種の光学機器が組み込まれている。具体的には、図2から図4に示されるように、ユニット20は平面視で略四角形状をなすハウジング(ユニット本体)21を有し、図示しない蓋部材にて覆われている。そして、ハウジング21内には、光源22、光偏向器40、光学系50及び光センサ23で構成される光学機器が配設されている。
詳しくは、光源22は、図3に示されるように、ハウジング21の一端側に備えられており、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの4色に対応すべく、独立した4個の光源で構成されている。より具体的には、図5に示される如く、この光源22には4個のレーザダイオード(LD)60が配設され、可視領域の光ビーム、例えば670nm程度のレーザ光を照射するように構成されている。
この光源22の側方には光偏向器40が備えられている。光偏向器40は、ポリゴンミラー(回転多面鏡)41と、駆動モータ(駆動装置)42とで構成されており(図2)、ミラー41は正多角形の平面形状をなし、その各側面は平面鏡にて構成されている(図3)。また、このミラー41の中心部分は軸(モータ軸)44に固着され(図5)、モータ軸44がモータ42の動力を受けて高速回転することにより、ミラー41が高速回転する。なお、ミラー41は騒音防止用のカバーで覆われている(図4)。
4個のLD60から照射された各レーザ光LY、LM、LC、LBは、図5に示されるように、各LD60にそれぞれ対応して配置されたコリメータレンズ61及びプリズム63を経て反射ミラー64,65で反射される。次いで、各々、反射ミラー66で反射され、シリンドリカルレンズ68を経て光偏向器40側の反射ミラー69にてポリゴンミラー41に向けて反射される。
このミラー41には、副走査方向(図2の上下方向)に微小角度を持ってずれた状態にて各レーザ光LY、LM、LC、LBが入射される。続いて、回転するミラー41は各レーザ光を反射し、主走査方向(図3の左右方向)に偏向しつつ、ハウジング21の他端側に向けて出力する。
一方、光学系50はミラー41で反射されたレーザ光の進む領域に備えられており、第1fθレンズ51、第2fθレンズ52、及び反射ミラー53で構成されている。まず、第1fθレンズ51はミラー41の近傍に設けられ、ミラー41で反射された各レーザ光LY、LM、LC、LBを主走査方向において等速度に偏向している。
そして、図2に示される如く、レンズ51を通過したイエロー用のレーザ光LYは、ハウジング21の底面近傍に配置された反射ミラー53Yaで反射され、レンズ51の方向に向けて折り返される。その後、このレーザ光LYは、第2fθレンズ52Yを通過し、ハウジング21の上端近傍に配置された反射ミラー53Ybで反射され、イエロー用のドラム31Yの表面に到達する。
また、レンズ51を通過したマゼンタ用のレーザ光LMは、ハウジング21の底面近傍に配置された反射ミラー53Maで反射され、レンズ51の方向に向けて折り返され、レンズ52Mを通過し、ハウジング21の上端近傍に配置された反射ミラー53Mbで反射され、マゼンタ用のドラム31Mの表面に到達する。
さらに、レンズ51を通過したシアン用のレーザ光LCは、ハウジング21の底面近傍に配置された反射ミラー53Caで略垂直上方に向けて反射され、次いで、ハウジング21の上端近傍に配置された反射ミラー53Cbで略水平方向に反射され、レンズ51の方向に向けて折り返される。その後、このレーザ光LCは、レンズ52Cを通過し、ハウジング21の上端近傍に配置された反射ミラー53Ccで反射され、シアン用のドラム31Cの表面に到達する。
一方、レンズ51を通過したブラック用のレーザ光LBは、反射ミラーを経ることなく、ハウジング21の底面近傍に配置された第2fθレンズ52Bをそのまま通過する。その後、このレーザ光LBは、レンズ52Bの近傍に配置された反射ミラー53Bで反射され、ブラック用のドラム31Bの表面に到達する。
なお、図3に示された光センサ23は、各レーザ光LY、LM、LC、LBの走査タイミングを計る同期検知センサ(BDセンサ)であり、反射ミラー53Ya及び第2fθレンズ52Mの近傍であって、主走査方向の外側寄りの適宜位置に配置されている。また、このセンサ23では、ミラー41で反射された各レーザ光のうち、各ドラムの有効露光領域外のレーザ光を受光する。受光されたレーザ光は、第2fθレンズ52Bの近傍に配置された反射ミラー24でレンズ51に向けて反射される。
ところで、本実施例では、図5に示されるように、光偏向器40の側方であって、反射ミラー69の後方には集積回路46や抵抗等の部品が基板(回路基板)に実装されている。この回路46等は図示しないコントローラからの信号に基づき、モータ42を駆動させる。そして、これら光偏向器40や回路46は金属製のヒートシンク(板状部材)90の裏面側に載置されている。
詳しくは、図5の他、露光ユニット20を下方から見上げた図6を合わせて理解されるように、本実施例のヒートシンク90は、平面視で略四角形状をなす本体部91を有し、この本体部91は露光ユニット20の水平方向に延設されており、ヒートシンク90の裏面側、換言すれば、本体部91の下面に光偏向器40や集積回路46が搭載されている。
一方、ヒートシンク90の表面側、換言すれば、本体部91の上面には、図6では上方向、すなわち、ハウジング21の下方に向けて延びる5枚のフィン92が立設されており、このフィン92の一部が、モータ42を配置すべく同じくハウジング21の下方に向けて突出したモータ囲繞部93に接触して構成されている。また、このフィン92の一部は回路46の配設位置にも対峙して構成されている。これにより、モータ軸44の回転に伴って生じた熱や、集積回路46で生じた熱はヒートシンク90にそれぞれ吸収される。
また、図5に示されるように、ハウジング21内において、回路46の側方には冷却ファン(送風機)70が備えられている。本実施例のファン70はいわゆるシロッコファンであり、コード71からの電力の供給を受け、遠心力を利用して空気の流れを回転方向、つまり、集積回路46やポリゴンミラー41の配置方向に向けて送風している。
このファン70は固定用板金(支持部材)72に搭載され、この板金72はハウジング21のプレート26に取り付けられている(図6)。具体的には、本実施例の板金72は、プレート26に固定される水平底面73と、底面73からミラー41の配置方向に向けて延設された絞り底面74と、底面74からミラー41の配置方向に向けてさらに延設された重畳底面75とから構成されており、ファン70が水平底面73にネジ固定され、この水平底面73の四隅が4個のネジ79でプレート26に固定されている(図5,6)。
そして、ファン70はヒートシンク90に向かう空気の流れを生成してモータ軸44や集積回路46を冷却するが、本実施例では、ファン70とヒートシンク90との間には樹脂製のダクト(風路形成部)80が配置されている。
詳しくは、このダクト80は、断面視で略コ字状をなして構成されており、プレート26に沿って形成された水平上面81と、この上面81の側方に配設され、図6では下方向、すなわち、ハウジング21の上方に向けて延設された拡開側面82,82とから構成され、図7に示されるように、ファン70に対峙するファン側開口(送風機側開口)84及びヒートシンク90に対峙するミラー側開口(板状部材側開口)86を有している。
ダクト80の上面81や側面82は、ファン70からヒートシンク90に向けて徐々に拡開して形成されている。具体的には、図6や図7に示されるように、ファン側開口84はファン70の送風口に嵌合する形状に構成されているのに対し、ミラー側開口86は、水平上面81がヒートシンク90のフィン92の高さと略同等の高さに形成され、また、拡開側面82は5枚のフィン92のうち両端に配置されたフィン92に対峙すべく、ヒートシンク90の幅方向に沿って広げられている。
一方、板金72の絞り底面74は、ファン70からヒートシンク90に向けて徐々に絞って形成されている。詳しくは、図7に示される如く、底面74,75はダクト80の底面として構成されており、このうち絞り底面74はファン70の送風口からフィン92を有する本体部91の上面に向けて傾斜し、ヒートシンク90の高さ方向に沿って狭められている。
このように、ミラー側開口86は、ファン側開口84に比して、幅方向で長く、且つ、高さ方向で短い形状に構成されている。また、これら双方の開口84,86の開口面積は略同等の大きさに形成される。よって、ファン70からの空気の流れは、風量を落とすことなく、ヒートシンク90の幅全体、すなわち、両端に配置されたフィン92の形成位置に向けて指向可能となる。
ここで、ファン70とハウジング21とは防振ゴム(弾性部材)76を介して締結されている。
詳しくは、図8に示されるように、防振ゴム76は、中央孔77を有する円筒形で構成されており、その母線の略中央部分に水平底面73を上下から挟持可能な凹部78を有している。そして、この凹部78を底面73に穿設された孔の内周面に遊嵌させ、ゴム76の端面をプレート26に当接させる。次いで、ゴム76の上方から孔77に向けてネジ79を挿入し、ネジ79とプレート26とを締結すると、固定用板金72とプレート26とが連結され、ファン70がハウジング21に固定される。
また、図9に示されるように、固定用板金72とヒートシンク90とは防振スポンジ(弾性部材)88を介して連結されている。具体的には、防振スポンジ88は略四角形の板状に構成され、重畳底面75の端面に両面テープ等にて接着されており、この底面75がスポンジ88を介して本体部91に載置されている。
そして、上記露光ユニット20を有するプリンタ1では、カセット3から用紙Pが1枚ずつ分離して送出され、或いは給紙部5から記録材が送出され、用紙Pや記録材はレジストローラに到達する。このローラは、用紙Pや記録材の斜め送りを矯正しつつ、画像形成部30で形成されるトナー像とのタイミングを計りながら、用紙Pや記録材を二次転写部9へ送出する。
また、図示しないコントローラからの画像データに基づき、プリンタ1ではユニット20によるレーザ光Lの照射が制御される。これにより、画像形成部30においてドラム31Y,31M,31C,31B上に原稿画像の静電潜像が作られ、続いてこの潜像から各ドラム上にトナー像が形成され、中間転写ベルト7に一次転写されて合成される。続いて、このベルト7に合成されたトナー像は転写部9にて用紙Pや記録材に二次転写される。
その後、用紙Pや記録材は未定着トナー像を担持した状態で定着部11に向けて送られ、この定着部11にて熱ローラによりトナー像が定着される。次いで、定着部11から排出された用紙Pや記録材は上方へ送られ、トレイ13に排出される。
この片面印刷に対し、両面印刷を行う場合には、定着部11から排出された用紙Pや記録材は、スイッチバック部14にてその搬送方向が切り替えられる。つまり、片面に印刷された用紙Pや記録材は両面印刷用ユニット内に搬送される。続いて、この用紙Pや記録材はレジストローラを経て、再び転写部9に向けて送られる。そして、この場合には、用紙Pや記録材の未だ印刷がされていない方の面にトナー像が転写される。
以上のように、本実施例によれば、ポリゴンミラー41はモータ42のモータ軸44の回転によって駆動される。モータ軸44の回転による熱は金属製のヒートシンク90で吸収される。そして、この熱はファン70によって空冷されるが、ファン70とヒートシンク90との間にはダクト80が設けられており、このダクト80はファン70からの空気の流れをヒートシンク90に向けて指向している。つまり、ファン70で生成された空気の流れはヒートシンク90に向けて積極的に供給される。よって、ヒートシンク90の理想的な冷却が可能になり、従来に比してモータ軸44の良好な冷却が実施可能となる。この結果、露光ユニット20の信頼性の向上に寄与する。
また、ヒートシンク90は、モータ42を駆動させる集積回路46等の回路基板で生じた熱も吸収しており、この熱もまた、ダクト80からの空気の流れによって積極的に冷却可能となり、ユニット20のさらなる信頼性の向上に寄与する。
さらに、シンク側開口86の形状は、ファン側開口84の形状に比して、ヒートシンク90の幅方向に沿って広げられているのに対し、ヒートシンク90の高さ方向に沿って狭く絞られており、ファン70からの空気の流れはシンク側開口86の形状に強制されてヒートシンク90に供給される。よって、ヒートシンク90の理想的な冷却が行われる。
さらにまた、シンク側開口86の面積とファン側開口84の面積とが略同等に形成されているので、ヒートシンク90に向かう風量をほとんど落とすことなく、ヒートシンク90の幅全体に送風可能になる。
また、シンク側開口86の高さとヒートシンク90のフィン92の高さとが略同等の高さに形成されていることから、ファン70からの空気の流れをヒートシンク90に向けて最も効率良く供給することができる。
さらに、ファン70は、装置本体2ではなく、ミラー41を有するハウジング21に取り付けられている。つまり、ファン70は露光ユニット20に予め取り付けられた状態で、このユニット20を装置本体2に搭載できることから、ファン70を装置本体2に直に取り付ける場合に比して、ファン70を容易に取り付けることができる。
さらにまた、ファン70が固定用板金72に固定されており、この板金72は防振ゴム76を介してハウジング21に固定されていることから、ファン70の振動がユニット20の光学特性に影響を与えない。この点もユニット20の信頼性の向上に寄与する。
また、固定用板金72の絞り底面74がダクト80の一部分として風路形成を担っているので、閉断面を有したダクトをハウジング21に取り付ける場合に比して、ハウジング21へのダクト80の取り付けが容易になるし、また、ハウジング21の高さも抑えられる。
さらに、固定用板金72の重畳底面75は防振スポンジ88を介してヒートシンク90に重なっており、ファン70の振動がユニット20の光学特性に影響を与えない。この点もユニット20の信頼性の向上に寄与する。
さらにまた、軸44の回転による熱は良好に空冷され、各ドラム31の表面での特性が変化せず、良好な画質が得られる結果、プリンタ1の信頼性向上にも寄与する。
本発明は、上記実施例に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。
例えば、上記実施例では中間転写ベルト7を有しているが、ファン70からの空気の流れをヒートシンク90に向けて指向するダクト80を有する限り、本発明は、中間転写ベルト7を有しないプリンタの構成にも適用可能である。また、本発明の板状部材は、金属製の他、高熱伝導率を有する樹脂(例えば、熱伝導性樹脂)で構成されていても良く、さらに、上記実施例では画像形成装置としてプリンタに具現化した例を示しているが、本発明の画像形成装置は複写機やファクシミリ等にも当然に適用可能である。
本実施例の画像形成装置の概略構成図である。 図1の走査光学装置の断面図である。 図1の走査光学装置の平面図である。 図1の走査光学装置の斜視図である。 図1の走査光学装置における上方から見た要部の斜視図である。 図1の走査光学装置における下方から見た要部の斜視図である。 図6のVII−VII線における矢視断面図である。 図6のVIII−VIII線における矢視断面図である。 図6のIX−IX線における矢視断面図である。
符号の説明
1 プリンタ(画像形成装置)
2 装置本体(画像形成装置本体)
20 露光ユニット(走査光学装置)
21 ハウジング(ユニット本体)
22 光源
31 感光体ドラム(画像担持体)
41 ポリゴンミラー(回転多面鏡)
42 駆動モータ(駆動装置)
44 モータ軸(軸)
46 集積回路
70 冷却ファン(送風機)
72 固定用板金(支持部材)
74 絞り底面
76 防振ゴム(弾性部材)
80 ダクト(風路形成部)
82 拡開側面
84 ファン側開口(送風機側開口)
86 ミラー側開口(板状部材側開口)
88 防振スポンジ(弾性部材)
90 ヒートシンク(板状部材)
92 フィン

Claims (4)

  1. 光源からの走査光を所定方向に偏向走査する回転多面鏡と、
    軸を介して前記回転多面鏡を回転駆動させる駆動装置と、
    前記軸の回転による熱を吸収する板状部材と、
    空気の流れを生成して前記軸を冷却する送風機と、
    該送風機と前記板状部材との間に設けられており、前記送風機からの空気の流れを前記板状部材に向けて指向させる風路形成部と、
    前記回転多面鏡と前記風路形成部との間に設けられており、前記駆動装置を駆動させる回路基板とを具備し、
    前記板状部材は、一方の面が前記回路基板に接触し、かつ、他方の面にて高さ方向に立設されたフィンを有しており、
    前記風路形成部は、前記板状部材に対峙する板状部材側開口と、前記送風機に対峙する送風機側開口とを有し、
    前記板状部材側開口の形状は、前記送風機側開口の形状に比して、前記板状部材の幅方向に沿って広げられ、該板状部材の高さ方向に沿って狭められており、前記板状部材側開口の高さは、前記フィンの高さと略同等の高さに形成されていることを特徴とする走査光学装置。
  2. 請求項に記載の走査光学装置であって、
    画像形成装置本体に搭載されており、前記回転多面鏡が組み込まれたユニット本体を有するとともに、前記ユニット本体に前記送風機が取り付けられており、
    前記送風機と前記ユニット本体との間に配置されており、前記送風機を前記ユニット本体に固定する支持部材を有し、
    前記支持部材は、前記風路形成部の底面を構成していることを特徴とする走査光学装置。
  3. 請求項に記載の走査光学装置であって、
    画像形成装置本体に搭載されており、前記回転多面鏡が組み込まれたユニット本体を有するとともに、前記ユニット本体に前記送風機が取り付けられており、
    前記送風機と前記ユニット本体との間に配置されており、前記送風機を前記ユニット本体に固定する支持部材と、
    前記支持部材と前記ユニット本体との重畳部分に配置される弾性部材とを備えていることを特徴とする走査光学装置。
  4. 請求項1からのいずれか一項に記載の走査光学装置を搭載した画像形成装置であって、
    前記回転多面鏡で偏向走査された走査光を画像担持体の表面に照射して静電潜像を形成し、該静電潜像をトナーで現像したトナー像が記録材に転写されていることを特徴とする画像形成装置。
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