JP2011068887A - 接着性樹脂組成物および接着方法 - Google Patents

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聡 山内
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芳子 兼子
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Abstract

【課題】接着性樹脂組成物の接着性が不十分な基材に対して、その接着性をより向上させる方法、またはそれらの性質を有する接着性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】ラジカル重合性二重結合を有さない樹脂(A)、ラジカル重合性を有する単量体(B)、および有機官能基と加水分解性基から成る有機ケイ素化合物(C)を含有し、樹脂(A)100重量部に対する単量体(B)の割合が0.1〜10重量部であり、かつ樹脂(A)100重量部に対する有機ケイ素化合物(C)の割合が0.05〜10重量部である接着性樹脂組成物、および、上記の接着性樹脂組成物を硬化させ、基材に接着する接着方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、接着性樹脂組成物および接着方法に関する。
従来、金属、ガラス、木材もしくはプラスチック等の様々な資材が産業用などの基材として用いられ、それらの基材に対して、他の基材などを接着するための各種の接着剤が供されている。あるいは、それらの基材に対して防錆、対衝撃性、耐水性、もしくは耐候性などの性能を付与するために、各種の塗料や樹脂膜、コーティング剤などが供されている。
しかしながら、これらの塗料や、樹脂膜、コーティング剤は必ずしも全ての基材に接着性が良好なものではない。従って、接着が困難な場合、薬剤処理、コロナ放電処理、火炎処理などの表面処理の実施が一般的であるが、これらの表面処理の効果は基材の形状によって影響を受け、安定しない場合がある。また、このような表面処理には、特殊な設備が必要となったり、工程自体も複雑となる。すなわち、事前処理を必要とせず、かつ効果的な接着性や塗装性の改善方法は未だ確立していないのが現状である(特許文献1、特許文献2)。このような状況下で、本発明者らは樹脂の基材に対する接着性を向上させる方法を考案した(特許文献3)が、特に無機基材への接着性の改善も含めて、その接着効果は充分なものではなかった。
特開平6−192617号公報 特開2005−48172号公報 特開2008−214620号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、接着性樹脂組成物の接着性が不十分な基材に対して、その接着性をより向上させる方法、またはそれらの性質を有する接着性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、種々検討を重ねた結果、次の様な知見を得た。すなわち、基材に対する接着性の劣る、ラジカル重合性二重結合を有さない樹脂に、ラジカル重合性を有する単量体、および有機官能基と加水分解性基から成る有機ケイ素化合物を配合した接着性樹脂組成物は、基材に対する接着性が著しく向上することを見出した。
本発明は、上記の知見に基づき更に検討を重ねて完成されたものであり、その第1の要旨は、ラジカル重合性二重結合を有さない樹脂(A)、ラジカル重合性を有する単量体(B)、および有機官能基と加水分解性基から成る有機ケイ素化合物(C)を含有し、樹脂(A)100重量部に対する単量体(B)の割合が0.1〜10重量部であり、かつ樹脂(A)100重量部に対する有機ケイ素化合物(C)の割合が0.05〜10重量部であることを特徴とする接着性樹脂組成物に存し、その第2の要旨は、更にラジカル発生剤(D)を含有し、ラジカル重合性二重結合を有さない樹脂(A)100重量部に対するラジカル発生剤(D)の割合が0.1〜10重量部であることを特徴とする接着性樹脂組成物に存し、その第3の要旨は、上記の接着性樹脂組成物を硬化させ、基材に接着することを特徴とする接着方法に存する。
本発明によれば、その接着すべき基材に対して、薬剤処理やコロナ放電処理、火炎処理などの表面処理を予め行うことなく良好な接着性を得ることが出来ることから、基材に対する接着や塗装、表面処理などの様々な局面においての応用展開が期待できる。
以下、本発明を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は本発明の実施態様の代表例であり、これらの内容に本発明は限定されるものではない。
本発明の接着性樹脂組成物は、ラジカル重合性二重結合を有さない樹脂(A)、ラジカル重合性を有する単量体(B)、および有機官能基と加水分解性基から成る有機ケイ素化合物(C)を含有し、更に必要に応じてラジカル発生剤(D)を含有する。そして、本発明の接着性樹脂組成物は、用途や目的に応じ、水や溶剤で希釈されていてもよい。
ラジカル重合性二重結合を有さない樹脂(A)としては、例えば、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂などが挙げられる。これらは、重付加、付加縮合、重縮合、開環重合、イオン重合(付加重合)等により得られる。ラジカル重合により得られる樹脂の場合、連鎖反応に寄与したラジカル重合性二重結合は、停止反応により消滅して残存していない。なお、本発明においては、硬化剤を配合して硬化させる方式の樹脂の場合、硬化前の配合液もラジカル重合性二重結合を有さない樹脂(A)の範疇に含まれる。ラジカル重合性二重結合を有さない樹脂(A)の分子量は、特に制限されず、樹脂として汎用されているものを使用することが出来る。なお、ラジカル重合性二重結合を有さない樹脂(A)は二種類以上を組み合わせて使用することが出来る。
ラジカル重合性を有する単量体(B)としては、通常、分子内に一個のラジカル重合性を有する炭素−炭素不飽和結合を持つ単量体が使用される。ラジカル重合性を有する炭素−炭素不飽和結合としては、例えば、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基などが挙げられる。本発明においては、ラジカル重合性を有する炭素−炭素不飽和結合とは異なる位置に更に一個以上の、ラジカル重合性を有する炭素−炭素不飽和結合とは異なる反応性置換基を併せ持つ単量体が好ましい。斯かる反応性置換基としては、例えば、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、アミド基、カルボニル基、シアノ基などが挙げられるが、中でもエポキシ基の一種であるグリシジル基が特に好ましい。また、同一分子内におけるラジカル重合性を有する炭素−炭素不飽和結合と反応性置換基の結合位置の距離が離れている単量体が更に好ましい。
ラジカル重合性を有する単量体(B)の例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート等の(芳香環や脂環式構造、ハロゲン基、エーテル基等を有していてもよい)アルキル(メタ)アクリレート類、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレート類、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有する(メタ)アクリレート類、3−エチル−3−オキセタニルメチル(メタ)アクリレート等のオキセタン環を有する(メタ)アクリレート類、アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸類、(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の(N−置換)(メタ)アクリルアミド類、その他、酢酸ビニル、酸化メシチル、スチレン等の汎用的な単量体類が挙げられる。本発明においては、グリシジル基を有する単量体の一種である、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテルを使用することが特に好ましい。
なお、本発明においては、下記のような化合物を添加してもよい。これらの化合物の例としては、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類、1,3,5−トリアリルイソシアヌレート、1,3,5−トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等のイソシアヌル酸誘導体類、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、4−ビニルオキシブチル(メタ)アクリレート、4−(ビニルオキシメチル)シクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等の、それぞれ異なっていてもよい複数のラジカル重合性を有する炭素−炭素不飽和結合を同一分子内に有する化合物類、1,4−ブタンジオールモノビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル等のポリオールとラジカル重合性を有する炭素−炭素不飽和結合基とから成る水酸基を有するエーテル類、4−ビニルオキシブタノールグリシジルエーテル、4−(ビニルオキシメチル)シクロヘキシルメタノールグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基を有するアルコールとラジカル重合性を有する炭素−炭素不飽和結合基とから成るエポキシ基を有するエーテル類などが挙げられる。また、一般的に使用される、エポキシ(メタ)アクリレート類、ウレタン(メタ)アクリレート類、ポリエステル(メタ)アクリレート類などの、多官能(メタ)アクリレートオリゴマー類なども挙げられる。
ラジカル重合性を有する単量体(B)の使用割合は、樹脂(A)100重量部に対し、通常0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部である。ラジカル重合性を有する単量体(B)の使用割合が上記の範囲より多い場合は、使用割合に見合った接着性が得られない。また、ラジカル重合性を有する単量体(B)の一部が未反応で残存し、臭気や樹脂のべたつき等の問題が発生する恐れがある。なお、ラジカル重合性を有する単量体(B)は二種類以上を組み合わせて使用することが出来る。
有機官能基と加水分解性基から成る有機ケイ素化合物(C)としては、一般的に使用されているシランカップリング剤を挙げることが出来る。有機官能基と加水分解性基から成る有機ケイ素化合物(C)の有機官能基としては、反応性置換基、炭化水素基、置換基を有する炭化水素基などが挙げられるが、通常、ケイ素一個あたり一個又はそれぞれ異なる種類でもよい複数個の有機官能基で構成される。反応性置換基としては、例えば、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、アミド基、カルボニル基、シアノ基、イソシアナート基、チオール基などが挙げられる。炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基や、フェニル基などの芳香族基が挙げられ、これらの炭化水素基の水素原子の一部が、クロル基などのハロゲン基や、前記した反応性置換基で置換されている場合、置換基を有する炭化水素基と成る。中でも、(メタ)アクリロイル基を有する有機官能基が好ましい。また、有機官能基と加水分解性基から成る有機ケイ素化合物(C)の加水分解性基としては、クロル基などのハロゲン基、アルコキシ基などが挙げられるが、通常、ケイ素一個あたりそれぞれ異なる種類でもよい複数個の加水分解性基で構成される。アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基などが挙げられる。
有機官能基と加水分解性基から成る有機ケイ素化合物(C)の例としては、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。本発明においては、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランに代表される、ω−(メタ)アクリロキシアルキルトリアルコキシシランを使用することが特に好ましい。
有機官能基と加水分解性基から成る有機ケイ素化合物(C)の使用割合は、樹脂(A)100重量部に対し、通常0.05〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部である。有機官能基と加水分解性基から成る有機ケイ素化合物(C)の使用割合が上記の範囲より多い場合は、使用割合に見合った接着性が得られない。また、有機官能基と加水分解性基から成る有機ケイ素化合物(C)の一部が未反応で残存し、臭気や樹脂のべたつき等の問題が発生する恐れがある。なお、有機官能基と加水分解性基から成る有機ケイ素化合物(C)は二種類以上を組み合わせて使用することが出来る。
本発明においては、更に、ラジカル発生剤(D)を含有することにより、より優れた接着力が得られる場合がある。あるいは、ラジカル発生剤(D)を含有することにより、硬化後の接着性樹脂組成物中への、ラジカル重合性を有する単量体(B)および/または有機官能基と加水分解性基から成る有機ケイ素化合物(C)が残存する量を低減する効果なども期待できる。従って、目的や必要に応じて本発明の効果をより高めるために、ラジカル発生剤(D)を使用する接着方法とラジカル発生剤(D)を使用しない接着方法を使い分けることが出来る。ラジカル発生剤(D)としては、例えば、熱重合開始剤、光重合開始剤、光増感剤などが挙げられ、付与するエネルギーの種類に応じて任意に選択できる。
上記の熱重合開始剤としては、アゾ系開始剤、ケトンパーオキサイド系開始剤、パーオキシケタール系開始剤、ヒドロパーオキサイド系開始剤、ジアルキルパーオキサイド系開始剤、ジアシルパーオキサイド系開始剤、パーオキシエステル系開始剤、パーオキシカルボン酸系開始剤、パーオキシジカーボネート系開始剤などが挙げられ、使用する基材や樹脂(A)の耐熱性や硬化条件などと熱重合開始剤の半減期温度との関係、樹脂(A)との混合性などに応じて、公知の熱重合開始剤の中から任意に選択できる。加熱温度は一般的には40〜200℃が適当である。
上記の光重合開始剤および光増感剤としては、ベンゾフェノン系開始剤、ジケトン系開始剤、アセトフェノン系開始剤、ベンゾイン系開始剤、チオキサントン系開始剤、キノン系開始剤などが挙げられ、照射する光の波長や樹脂(A)との混合性などに応じて、公知の光重合開始剤および光増感剤の中から任意に選択できる。紫外線照射量は、一般的にはメタルハライドランプを使用する場合は、100〜5000mJ/cmの積算光量が適当である。
ラジカル発生剤(D)を使用する場合、ラジカル発生剤(D)の使用割合は、樹脂(A)100重量部に対し、通常0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜3重量部である。ラジカル発生剤(D)の使用割合が上記の範囲より多い場合は、使用割合に見合った接着性が得られない。なお、ラジカル発生剤(D)は二種類以上を組み合わせて使用することが出来る。
本発明において、ラジカル発生剤を用いず、例えば電子線やガンマ線などに代表される活性エネルギー線を照射してラジカルを発生させることも出来る。活性エネルギー線を照射する装置は目的や操作性に応じて、いかなる公知の活性エネルギー線照射装置を用いてもよい。電子線を照射してラジカルを発生させる場合の条件としては、加速エネルギーの範囲は30keV〜5MeV、照射線量の範囲は10kGy〜500kGyが好ましい。
本発明の接着性樹脂組成物が適用される基材としては、例えば、アルミニウム、銅、鉄、ステンレス、金、銀、白金、ニッケル、セラミックス、ガラス等の無機基材や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、アクリル、エポキシ、ウレタン、メラミン、ポリエステル(例えばポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート)、ポリアミド(例えばナイロン6やナイロン66)等の有機基材が挙げられる。また、基材に対して一般に実施される事前の表面処理(例えばコロナ放電処理、酸化処理、エッチング処理、メッキ処理など)は任意であるが、表面処理を実施した場合には一層高い効果が得られる。
なお、基材の形状に関しては特に制限を受けることはなく、本来の接着の目的や用途に応じて任意の形状の基材を選択し、本発明を適用して接着性を向上することが出来る。基材の形状としては、例えば、繊維状、シート状、板状、棒状、柱状、球状、筒状、その他、一般的な成型品全般が挙げられる。
本発明の接着方法においては、本発明の接着性樹脂組成物に対して、一般的な方法による加熱や乾燥などを行うことにより接着性樹脂組成物を硬化させ、基材に接着する。この際、ラジカル発生剤(D)を組み合わせて使用する場合には、ラジカル発生剤(D)に起因するラジカルを発生させる。ラジカルの発生は、熱や光(例えば紫外線)等のエネルギーを付与することにより行う。ラジカルの発生は接着性樹脂組成物を基材に接着する過程の任意の段階において行うことが出来、接着性樹脂組成物の硬化とラジカルの発生を別々に行うことも出来る。通常、ラジカル発生剤(D)として熱重合開始剤を使用して、加熱により接着性樹脂組成物を硬化させ、基材に接着する場合には、熱重合開始剤に起因するラジカルの発生と接着が同時に行われる。
本発明の接着性樹脂組成物は、各種の基材同士の接着、充填、基材の塗装やコーティング等に利用できる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の例では、接着性樹脂組成物を、綿製の濾布に含浸させた後、基材に貼り合わせて接着した試験片を作成し、硬化後の接着性樹脂組成物と基材との接着力として、剥離強度を測定した。
<各種試験片の作成>
以下の諸例において、以下の要領で各種試験片を作成し、剥離試験に供した。
<基材の選定および加工>
基材は、ナイロン6、銅、ステンレス、ガラスおよびアルミニウムを使用した。ナイロン6は日本テストパネル社製(1mm厚)を長辺=70mm、短辺=25mmの短冊形に整形して各試験片作成に供した。同様に、銅、ステンレスおよびガラスに関しては、市販の銅板(無酸素銅板;CP1020P;0.1mm厚)、市販のステンレス板(SUS−304;0.1mm厚)、市販のガラス板(1mm厚)を長辺=70mm、短辺=25mmの短冊形に整形して各試験片作成に供した。また、アルミニウムは東海アルミ箔社製の軟質両面光沢(JIS H 4160)アルミニウム箔(0.1mm厚)を長辺=100mm、短辺=25mmの短冊形に整形して各試験片作成に供した。
なお、ナイロン6、ガラス板およびアルミニウム箔は、使用直前に、傷をつけないように表面をメタノールで拭き取り洗浄し、乾燥後に使用した。さらに、銅板およびステンレス板は、使用直前に、アセトンに浸漬して10分以上超音波洗浄(市販の超音波洗浄機を使用)し、さらにアセトンでかけ洗いし、乾燥後に使用した。
<綿製濾布の加工>
石川テント社製の綿製濾布(品番♯11)を使用し、長辺=120mm、短辺=25mmの短冊形に整形して各試験片作成に供した。
<接着性樹脂組成物の濾布への含浸>
濾布を接着性樹脂組成物に浸し充分に含浸させた。接着性樹脂組成物の含浸量は、硬化後の試験片の厚さから基材の厚さを除いた厚さが0.7mmになるように調整した。
<接着性樹脂組成物を含浸した濾布の貼り合わせと硬化>
接着性樹脂組成物を含浸させた濾布を、空気が入らないように基材に貼り合わせたものを、厚み2.0mmのガラス板で挟み、そのガラス板の両端をクリップで固定し、80℃で5時間、接着性樹脂組成物を加熱硬化させた。その後、オーブンから取り出して室温まで冷却し、試験片として剥離試験に供した。
<剥離試験方法>
オリエンテック社製の定速伸長引張試験機「テンシロンRTM−500」を使用し、ナイロン6では90°剥離強度を、また、銅、ステンレス、ガラスおよびアルミニウムでは180°剥離強度を、それぞれ引張速度=50mm/分で測定した。なお剥離強度は、全ての試験片の接着幅を25mmに統一したため、剥離強度の単位を「kg/25mm」として表した。
実施例1および比較例1(ナイロン6に対する接着):
ラジカル重合性二重結合を有さない樹脂(A)としてはエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製;配合組成は重量比で、jER828(エポキシ樹脂)/jER871(エポキシ樹脂)/jERキュア3080(硬化剤)=7/3/3)、ラジカル重合性を有する単量体(B)としては4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(日本化成社製;4HBAGE)、有機官能基と加水分解性基から成る有機ケイ素化合物(C)としては3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製;KBM5103)、更にラジカル発生剤(D)としてはt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(化薬アクゾ社製;カヤエステルO−50)、基材としてはナイロン6を使用して剥離強度を測定した。各サンプルの配合組成と剥離強度を表1に記載する。
Figure 2011068887
実施例2および比較例2(ナイロン6に対する接着):
実施例1および比較例1の条件で、ラジカル重合性を有する単量体(B)を4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテルからグリシジルメタクリレート(日油社製;ブレンマーG)に変更して剥離強度を測定した。各サンプルの配合組成と剥離強度を表2に記載する。
Figure 2011068887
実施例3および比較例3(アルミニウムに対する接着):
実施例1および比較例1の条件で、基材をナイロン6からアルミニウムに変更して剥離強度を測定した。各サンプルの配合組成と剥離強度を表3に記載する。
Figure 2011068887
実施例4および比較例4(アルミニウムに対する接着):
実施例2および比較例2の条件で、基材をナイロン6からアルミニウムに変更して剥離強度を測定した。各サンプルの配合組成と剥離強度を表4に記載する。
Figure 2011068887
実施例5〜実施例12および比較例5〜比較例12:
各実施例および各比較例については、それぞれ表5および以下に記載の条件に変更した以外は、実施例1〜4および比較例1〜4と同様の方法で各試験片を作成し、剥離強度を測定した。各サンプルの樹脂、基材、配合組成および剥離強度を表5に記載する。
ラジカル重合性二重結合を有さない樹脂(A)としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂またはアクリル樹脂を使用した。
エポキシ樹脂としては、jER828、jER871およびjERキュア3080を配合して使用したが、表5中のエポキシ樹脂(1)においては、重量比でjER828/jER871/jERキュア3080=7/3/3で配合して使用した。同様に、エポキシ樹脂(2)においては、重量比でjER828/jER871/jERキュア3080=8/2/3で配合して使用した。エポキシ樹脂(3)においては、重量比でjER828/jER871/jERキュア3080=6/4/3で配合して使用した。
ウレタン樹脂としてはユーコートUWS−145(三洋化成工業社製)を使用した。アクリル樹脂としてはリカボンドES−800(中央理化工業社製)を使用した。この際、リカボンドES−800を使用する実施例12および比較例12においては、成膜性を調節するために、成膜助剤として、樹脂固形分100重量部に対して10重量部のN−メチル−2−ピロリドン(試薬;和光純薬工業)を配合して使用した。
また、ラジカル重合性を有する単量体(B)としては、4HBAGEを、有機官能基と加水分解性基から成る有機ケイ素化合物(C)としてはKBM5103を使用した。更に、ラジカル発生剤(D)を使用する実施例においては、エポキシ樹脂に対してはカヤエステルO−50を、ポリエステル樹脂またはアクリル樹脂に対してはクメンハイドロパーオキサイド(日油社製;パークミルH−80)を使用した。
Figure 2011068887

Claims (10)

  1. ラジカル重合性二重結合を有さない樹脂(A)、ラジカル重合性を有する単量体(B)、および有機官能基と加水分解性基から成る有機ケイ素化合物(C)を含有し、樹脂(A)100重量部に対する単量体(B)の割合が0.1〜10重量部であり、かつ樹脂(A)100重量部に対する有機ケイ素化合物(C)の割合が0.05〜10重量部であることを特徴とする接着性樹脂組成物。
  2. ラジカル重合性二重結合を有さない樹脂(A)が、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂の群から選択される少なくとも1種である請求項1に記載の接着性樹脂組成物。
  3. ラジカル重合性を有する単量体(B)が、ラジカル重合性を有する炭素−炭素不飽和結合とは異なる位置に更に一個以上の反応性置換基を併せ持つ単量体である請求項1又は2に記載の接着性樹脂組成物。
  4. ラジカル重合性を有する単量体(B)がグリシジル基を有する単量体である請求項1〜3の何れかに記載の接着性樹脂組成物。
  5. ラジカル重合性を有する単量体(B)が4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテルである請求項1〜4の何れかに記載の接着性樹脂組成物。
  6. 有機官能基と加水分解性基から成る有機ケイ素化合物(C)がシランカップリング剤である請求項1〜5の何れかに記載の接着性樹脂組成物。
  7. 有機官能基と加水分解性基から成る有機ケイ素化合物(C)の有機官能基が(メタ)アクリロイル基を有する有機官能基である請求項1〜6の何れかに記載の接着性樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7の何れかに記載の接着性樹脂組成物であって、かつ更に、ラジカル発生剤(D)を含有し、ラジカル重合性二重結合を有さない樹脂(A)100重量部に対するラジカル発生剤(D)の割合が0.1〜10重量部である接着性樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8の何れかに記載の接着性樹脂組成物を硬化させ、基材に接着することを特徴とする接着方法。
  10. 請求項8に記載の接着性樹脂組成物を基材に接着するに際して、ラジカル発生剤(D)に起因するラジカルを発生させることを特徴とする接着方法。
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