JP2011068073A - 携帯用切断機 - Google Patents

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Abstract

【課題】より高い集塵能力を有する携帯用切断機の提供。
【解決手段】第1ダストカバー51には前方貫通孔51aと後方貫通孔51bとが形成されている。前方貫通孔51aは、丸鋸刃の回転方向における第1ダストカバー51の上流側の端部近傍に形成されており、切断刃収容空間と切粉集塵空間50aとを連通させる。後方貫通孔51bは、丸鋸刃3の回転方向において前方貫通孔51aよりも下流の第1ダストカバー51の部分に形成されている。より詳細には、後方貫通孔51bは、後述の第2ダストカバー52のボルト取付け部52C近傍に相当する第1ダストカバー51の部分であって丸鋸刃の外周よりも丸鋸刃の半径方向外方の部分に形成されている。
【選択図】図10

Description

本発明は携帯用切断機に関し、特に切断刃による切粉をダストカバーに集塵する携帯用切断機に関する。
丸鋸刃を備え、丸鋸刃を回転させて被加工部材を切断可能な携帯用切断機が従来より知られている。携帯用切断機の切断刃たる丸鋸刃の略半分は、ハウジング及びハウジングに固定された第1ダストカバーにより覆われており、丸鋸刃を覆う第1ダストカバーの外面はハウジングとともに切断刃収容空間を画成する。第1ダストカバーには、蝶ボルトを介して第2ダストカバーが第1ダストカバーに対して着脱可能に設けられており、第1ダストカバーの外面と第2ダストカバーとにより切粉集塵空間が画成されている。
切断刃の回転方向における第1ダストカバーの上流側の端部近傍には前方貫通孔が形成されている。前方貫通孔は、切断刃収容空間と切粉集塵空間とを連通させるように第1ダストカバーを貫通しており、被加工部材を丸鋸刃により切断することにより生じた切粉を、丸鋸刃の回転により生ずる遠心力及び風により前方貫通孔を通して切粉集塵空間内へ集塵可能である。このような携帯用切断機は、例えば特開平8−300307号公報(特許文献1)に記載されている。
特開平8−300307号公報
しかし、上述した構成の携帯用切断機では集塵能力が十分ではなく、より高い集塵能力が要求されていた。そこで、本発明は、より高い集塵能力を有する携帯用切断機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、モータと、該モータを保持するハウジングと、該モータにより回転駆動されて被加工部材を切断する切断刃と、該切断刃によって該被加工部材を切断した際に発生する切粉を収集するダストケースと、該ハウジングに接続され、該被加工部材に当接し、該被加工部材と当接する面から該切断刃を突出させる開口部が形成されたベースとを備えた携帯用切断機において、該ダストケース内に開口し該切粉をダストケース内に案内する少なくとも2つの貫通孔が形成されている携帯用切断機を提供している。
ダストケース内に開口し切粉をダストケース内に案内する少なくとも2つの貫通孔が形成されているため、切断刃によって被加工部材を切断した際に発生する切粉を多くダストケース内に集塵することができる。
ここで、該ダストケースは、該ハウジングに固定され該切断刃に対向し該切断刃の一部を覆い切断刃収容空間を画成する第1ダストカバーと、該第1ダストカバーに対して着脱可能に取付けられ該第1ダストカバーと協働して切粉集塵空間を画成する第2ダストカバーとを有し、該少なくとも2つの貫通孔は、該第1ダストカバーに形成されていることが好ましい。
少なくとも2つの貫通孔は、第1ダストカバーに形成されているため、切断刃を覆う第1ダストカバーによって切粉が貫通孔に案内されるようにすることができ、効率良く多くの切粉を集塵することができる。
また、該少なくとも2つの貫通孔は、該第1ダストカバーの該切断刃による切断方向前側の端部近傍に形成され該切断刃収納空間と該切粉集塵空間とを連通する前方貫通孔と、該前方貫通孔より切断方向後側に形成され、該切断刃収納空間と該切粉集塵空間とを連通する後方貫通孔とを有することが好ましい。
少なくとも2つの貫通孔は、第1ダストカバーの切断刃による切断方向前側の端部近傍に形成され切断刃収納空間と切粉集塵空間とを連通する前方貫通孔と、前方貫通孔より切断方向後側に形成され、切断刃収納空間と切粉集塵空間とを連通する後方貫通孔とを有するため、前方貫通孔を通して切粉集塵空間内へ比較的質量の大きな切粉を集塵することができ、且つ後方貫通孔を通して切粉集塵空間内へ比較的質量の小さな切粉を集塵することができ、より多くの切粉を切粉集塵空間内へ集塵することができる。
また、該切断方向における該第2ダストカバーの略中央部分には、該第2ダストカバーを該第1ダストカバーに取付けるための取付部材を配置する取付け部が該切粉集塵空間に突出して設けられ、該後方貫通孔は、該取付け部近傍に相当する該第1ダストカバーの部分であって該切断刃の外周よりも該切断刃の半径方向外方に配置されていることが好ましい。
切断方向における第2ダストカバーの略中央部分には、第2ダストカバーを第1ダストカバーに取付けるための取付部材を配置する取付け部が切粉集塵空間に突出して設けられ、後方貫通孔は、取付け部近傍に相当する該第1ダストカバーの部分であって切断刃の外周よりも切断刃の半径方向外方に配置されているため、後方貫通孔を通して切粉集塵空間内へ集塵された切粉を、取付け部よりも切断刃の回転方向下流側へ送ることができ、取付け部よりも切断刃の回転方向上流側に集中して切粉が堆積してしまうことを抑制することができる。
また、該後方貫通孔の貫通方向は、該切断刃の回転軸心及び切断刃の側面と交差する方向に指向していることが好ましい。後方貫通孔の貫通方向は、切断刃の回転軸心及び切断刃の側面と交差する方向に指向しているため、切断刃の遠心力及び切断刃の回転よる空気の流れにより切断刃収容空間内において切断刃の略回転方向へ飛散される切粉を、効率よく後方貫通孔を通して切粉集塵空間内へ集塵することができる。
また、該後方貫通孔は、切粉集塵空間に対して切断方向後方側に開口していることが好ましい。後方貫通孔は、切粉集塵空間に対して切断方向後方側に開口しているため、切断刃の遠心力及び切断刃の回転による空気の流れにより切断刃収容空間内において切断刃の略回転方向へ飛散される切粉を、効率よく後方貫通孔を通して切粉集塵空間内へ集塵することができる。
また、該前方貫通孔の開口面積と該後方貫通孔の開口面積とは異なる値を有することが好ましい。前方貫通孔の開口面積と後方貫通孔の開口面積とは異なる値を有するため、前方貫通孔から流入した切粉が後方貫通孔から流出したり、後方貫通孔から流入した切粉が前方貫通孔から流出したりすることを抑制することができる。
また、該前方貫通孔の開口部と該後方貫通孔の開口部との少なくとも一方には該開口部を開閉可能な蓋部材が設けられていることが好ましい。
前方貫通孔の開口部と後方貫通孔の開口部との少なくとも一方には開口部を開閉可能な蓋部材が設けられているため、被加工部材の違いによる切粉の質量の違いに応じて、適宜前方貫通孔や後方貫通孔を閉じた状態としたり開いた状態としたりして、切粉を最大量で切粉集塵空間内へ集塵することができるように調整することができる。
以上より本発明は、より高い集塵能力を有する携帯用切断機を提供することができる。
本発明の実施の形態による携帯用切断機を示す側面図。 本発明の実施の形態による携帯用切断機を示す平面図。 本発明の実施の形態による携帯用切断機のダストボックスを示す側面図。 本発明の実施の形態による携帯用切断機の第2ダストカバーを示す斜視図。 本発明の実施の形態による携帯用切断機のダストボックスを示す分解斜視図。 本発明の実施の形態による携帯用切断機の第1ダストカバーを示す斜視図。 本発明の実施の形態による携帯用切断機において第2ダストカバーが取り外された状態を示す側面図。 本発明の実施の形態による携帯用切断機においてダストボックスが取り外された状態を示す側面図。 本発明の実施の形態による携帯用切断機において空気の流れを示す平面図。 本発明の実施の形態による携帯用切断機のダストボックスにおいて集塵している様子を示す側面図。 本発明の実施の形態による携帯用切断機のダストボックスの変形例を示す側面図。
本発明の実施の形態による携帯用切断機について図1乃至図10に基づき説明する。図1及び図2に示される携帯用切断機である携帯用丸のこ1は、ハウジング2と、丸鋸刃3と、ベース部6とを備えている。ここで、説明の便宜上、図1の左から右へと向かう方向を切断方向と定義し、図1に示される携帯用丸のこ1の右端側を切断方向前側、左端側を切断方向後側と定義し、図1に示される携帯用丸のこ1の上側を上側と定義し、図1に示される携帯用丸のこ1の下側を下側と定義する。
ハウジング2は、図示せぬモータが収容され保持されている収容部21(図2等)と、収容部21と一体のハンドル22とを有している。またハウジング2内には、図示せぬモータに駆動される図示せぬ駆動系が設けられており、駆動系は、ハウジング2に回転可能に支持された切断刃たる丸鋸刃3に接続されている。丸鋸刃3は回転軸が前後方向及び上下方向に垂直に指向して配置されており、丸鋸刃3の側面は前後方向及び上下方向に指向している。図示せぬモータが駆動することで図示せぬ駆動系により丸鋸刃3が回転駆動されるように構成されている。
ハンドル22には、図示せぬモータの駆動を制御するスイッチ22A(図1)と、スイッチ22AをON状態に維持するストッパ22Bとが設けられている。また、ハンドル22には、図示せぬモータへ電源を供給する電池23が設けられている。
ハンドル22の反収容部21側にあるハウジング2の部分はソーカバー4(図2等)を有している。ソーカバー4は、ハウジング2と一体でハウジング2の一部を成すソーカバー本体部41と、ソーカバー本体部41に設けられたセーフティカバー42(図1)とを有している。
ソーカバー本体部41は、後述のベース部6よりも上側に位置している丸鋸刃3の略上半分であって収容部21側の側面に対向している。丸鋸刃3の周方向におけるソーカバー本体部41の一端部分は、後述の回動支持部62と連結される連結部41A(図1)を有している。ソーカバー本体部41の一部であって丸鋸刃3の側面に対向する部分には、後述のベース部6から下方へ突出する丸鋸刃3の突出量を調整可能な突出量変更機構5が設けられている。
セーフティカバー42は、丸鋸刃3の回転軸周りに設けられており、丸鋸刃3の回転軸心を中心として丸鋸刃3の周方向へソーカバー本体部41の外縁に沿うように回動可能である。
ソーカバー本体部41とセーフティカバー42との間には、図示せぬバネが介在しており、図示せぬバネは、ソーカバー本体部41に対してセーフティカバー42を、丸鋸刃3の円周方向においてソーカバー本体部41の一端側から他端側へ向かう方向へ、即ち、図1において丸鋸刃3の外周に沿って反時計方向へ付勢している。
切断作業を行っていないときには、図1に示すように、セーフティカバー42は、丸鋸刃3のソーカバー本体部41により覆われていない部分の一部を丸鋸刃3の円周方向においてソーカバー本体部41の他端側から一端側に向かって覆う。従ってこのときには、ソーカバー本体部41の一端側とセーフティカバー42との間には、丸鋸刃3が露出する部分が生じ、この露出する部分が被加工部材である木材を切断する部分をなし、ソーカバー本体部41の他端側から一端側に向かって、即ち、切断方向前側へ向かって携帯用丸のこ1は切り進むことができるように構成されている。
丸鋸刃3に関してソーカバー4とは反対の側、即ち、丸鋸刃3に関して収容部21とは反対の側には、ダストボックス50が設けられている。図5に示すように、ダストボックス5は第1ダストカバー51と第2ダストカバー52とにより構成されており、第1ダストカバー51はソーカバー4に固定されている。後述のように第2ダストカバー52は第1ダストカバー51に対して着脱可能であり、第2ダストカバー52が第1ダストカバー51に装着されているときに、第1ダストカバー51の後述する第1ダストカバー内面51Aと第2ダストカバー52の後述する第2ダストカバー内面52A(図4)とで切粉集塵空間50aが画成される。ダストボックス5はダストケースに相当する。
第1ダストカバー51は、図7に示されるように、丸鋸刃3の略上半分に対向しており、図2に示すように、ソーカバー本体部41と協働して丸鋸刃3の略上半分を収容する切断刃収容空間40aを画成している。丸鋸刃3の略上半分に対向する第1ダストカバー51の面は第1ダストカバー外面51B(図5)をなし、第1ダストカバー外面51Bに対向する第1ダストカバー51の面は第1ダストカバー内面51Aをなす。
図7等に示されるように、第1ダストカバー51には前方貫通孔51aが形成されている。前方貫通孔51aは、丸鋸刃3の回転方向における第1ダストカバー51の上流側の端部近傍(切断方向前側の端部近傍)に形成されており、切断刃収容空間40aと切粉集塵空間50aとを連通させる。前方貫通孔51aは、その貫通方向が丸鋸刃3の回転軸心及び丸鋸刃3の側面と交差する方向に指向している。図7に示されるように、側方視で前方貫通孔51aは丸鋸刃3の外周の一部と重なった位置関係をなしており、第2ダストカバー52が第1ダストカバー51から取り外された状態のときに、前方貫通孔51aを通して丸鋸刃3の外周の一部を目視可能である。前方貫通孔51aの開口から丸鋸刃3の外周の一部が、第1ダストカバー外面51B側から第1ダストカバー内面51A側へと突出している。開口は略長円形状をなしており、第1ダストカバー外面51B側から第1ダストカバー内面51A側へと進入した切粉が第1ダストカバー内面51A側から第1ダストカバー外面51B側へほとんど出て行かない程度の大きさを有している。
更に、図5に示されるように、前方貫通孔51aの切粉集塵空間50a(図2等)に開口する部分は、前方貫通孔51aの開口部から第1ダストカバー内面51A側に徐々に広がるように構成されている。また、図3に示されるように、前方貫通孔51aの開口部のベース部6側(開口部の下側)には、切断方向前側から切断方向後側に行くに従ってベース部6からの距離が広がるようにプレート51Cが設けられており、前方貫通孔51aから切粉集塵空間50aに入ってくる切粉が前方貫通孔51a近傍に溜まらないように構成されている。
また、第1ダストカバー51には後方貫通孔51bが形成されている。後方貫通孔51bは、図7に示されるように、丸鋸刃3の回転方向において前方貫通孔51aよりも下流の第1ダストカバー51の部分に形成されている。より詳細には、後方貫通孔51bは、後述の第2ダストカバー52のボルト取付け部52C(図1等)近傍に相当する第1ダストカバー51(図7)の部分であって丸鋸刃3の外周よりも丸鋸刃3の半径方向外方の部分に形成されている。
後方貫通孔51bは切断刃収容空間40aと切粉集塵空間50aとを連通する。前方貫通孔51aは、その貫通方向が丸鋸刃3の回転軸心及び丸鋸刃3の側面と交差する方向に指向し且つ切粉集塵空間50aに対して切断方向後方側に開口している。また、後方貫通孔51bは、丸鋸刃3の外周よりも丸鋸刃3の半径方向外方の部分に形成されている。このため、前方貫通孔51aとは異なり、第2ダストカバー52が第1ダストカバー51から取り外された状態のときに、後方貫通孔51bを通して丸鋸刃3の外周の一部を目視できない位置関係にある。即ち、後方貫通孔51b内に丸鋸刃3の外周の一部が突出した状態にはなっていない。後方貫通孔51bの開口は長方形状をなしており、第1ダストカバー外面51B側から第1ダストカバー内面51A側へと進入した切粉が第1ダストカバー内面51A側から第1ダストカバー外面51B側へほとんど出ない程度の大きさを有し、その面積は、前方貫通孔51aの開口面積よりも小さい。
また、図7に示すように、第1ダストカバー51の一部であって後方貫通孔51bよりも丸鋸刃3の軸心に近い部分には雌ネジが螺刻されたネジ孔51cが形成されている。
第2ダストカバー52は、図5に示すように、第1ダストカバー51に対向する第2ダストカバー内面52Aと、第2ダストカバー内面52Aの反対側の面をなす第2ダストカバー外面52Bとを有している。第2ダストカバー52にはボルト取付け部52Cが設けられている。ボルト取付け部52Cは、図1に示すように、丸鋸刃3の回転方向における第2ダストカバー52の略中央部分に設けられており、図5に示すように、丸鋸刃3の軸方向であって丸鋸刃3からモータへと向かう方向へ略円柱形状をなして突出しており、このことにより切粉集塵空間50aに突出している。
ボルト取付け部52Cの突出端部の軸心位置には、図5に示されるように、貫通孔52cが形成されている。貫通孔52cには無頭ネジ53が貫通しており、無頭ネジ53の一端部は第1ダストカバー51のネジ孔51cの雌ネジに螺合し、他端部には蝶ボルト54が螺合している。蝶ボルト54を締めることにより第2ダストカバー52が第1ダストカバー51に対して固定され、蝶ボルト54を緩めることにより第2ダストカバー52を第1ダストカバー51から取り外すことができるように構成されている。
図5に示すように、丸鋸刃3の回転方向下流側における第2ダストカバー52の部分には、図示せぬ集塵機のホースを接続可能な筒状口部55Aを有する接続部55が設けられており、筒状口部55Aはキャップ56により閉塞されている。
図1に示すように、ベース部6は、ベース部材61と、回動支持部62と、ベベルプレート64とを有しており、これらの構成によりベース部6は、ハウジング2、丸鋸刃3、及びソーカバー4を回動可能及び傾動可能に支持している。
ベース部材61は、金属製の略長方形の板材により構成されている。ベース部材61は長手方向が切断方向と一致するように配置され、その表面には長手方向に延びる長孔状の図示せぬ開口部が形成されている。この図示せぬ開口部に丸鋸刃3及びセーフティカバー42を挿入貫通可能である。
ベベルプレート64、回動支持部62は、ベース部材61の図示せぬ開口部の切断方向前側の部分に設けられている。ベベルプレート64は、ベース部材61上において切断方向と略直交する方向に指向して直立して設けられており、切断方向に延びる傾動軸部64Aを備えている。またベベルプレート64には、傾動軸部64Aを中心とした円弧状の図示せぬ長孔が形成されている。
回動支持部62は、傾動軸部64Aによって切断方向と直交する方向において、ベース部材61の表面に対して所定の角度をなすように傾動可能に軸支されている。回動支持部62は切断方向後側に延出される一対の腕部を備えており、その腕部には、切断方向と直交する方向を軸方向とする回動軸部62Aが設けられている。この回動軸部62Aにはソーカバー本体部41の切断方向前側の部分をなす連結部41Aが軸支されている。
回動支持部62には、ベベルプレート64の前述した図示せぬ長孔を貫通し回動支持部62に形成された図示せぬネジ穴に螺合するネジ62Bが設けられている。このネジ62Bを締め込むことにより、ベベルプレート64に対して回動支持部62を任意の傾動角度で固定することができるように構成されている。
携帯用丸のこ1の丸鋸刃3により被加工部材を切断しているときには、丸鋸刃3は、図1において反時計方向へ回転している。丸鋸刃3が被加工部材を切断することにより生じた切粉は、遠心力及び丸鋸刃3の回転により生じた空気の流れにより切断刃収容空間40a内において後方へ向かって飛散する。
このとき比較的質量の大きな切粉は、図10において矢印Aで示されるように、前方貫通孔51aを通って切粉集塵空間50a内に入り、ボルト取付け部52Cに当たりボルト取付け部52Cよりも前方に落ちて堆積する。比較的質量の小さな切粉は、図10において矢印Bで示されるように、前方貫通孔51aを殆ど通らず後方貫通孔51bを通って切粉集塵空間50a内に入り、ボルト取付け部52Cよりも後方に落ちて堆積する。
ダストボックス5内に開口し切粉をダストボックス5内に案内する2つの貫通孔51a、51bが形成されているため、丸鋸刃3によって被加工部材を切断した際に発生する切粉を多くダストボックス5内に集塵することができる。
また、2つの貫通孔51a、51bは、第1ダストカバー51に形成されているため、丸鋸刃3を覆う第1ダストカバー51によって切粉が貫通孔51a、51bに案内されるようにすることができ、効率良く多くの切粉を集塵することができる。
また、前方貫通孔51aと後方貫通孔51bとを有するため、前方貫通孔51aを通して切粉集塵空間50a内へ比較的質量の大きな切粉を集塵することができ、且つ後方貫通孔51bを通して切粉集塵空間50a内へ比較的質量の小さな切粉を集塵することができ、より多くの切粉を切粉集塵空間50a内へ集塵することができる。
また、後方貫通孔51bは、ボルト取付部52C近傍に相当する第1ダストカバー51の部分であって丸鋸刃3の外周よりも丸鋸刃3の半径方向外方に配置されているため、後方貫通孔51bを通して切粉集塵空間50a内へ集塵された切粉を、ボルト取付部52Cよりも丸鋸刃3の回転方向下流側(切断方向後側)へ送ることができ、ボルト取付部52Cよりも丸鋸刃3の回転方向上流側に集中して切粉が堆積してしまうことを抑制することができる。
後方貫通孔51bの貫通方向は、丸鋸刃3の回転軸心及び丸鋸刃3の側面と交差する方向に指向しているため、丸鋸刃3の遠心力及び丸鋸刃3の回転による空気の流れにより切断刃収容空間40a内において丸鋸刃3の略回転方向へ飛散される切粉を、効率よく後方貫通孔51bを通して切粉集塵空間50a内へ集塵することができる。
また、後方貫通孔51bは切粉集塵空間50aに対して切断方向後方側に開口しているため、丸鋸刃3の遠心力及び丸鋸刃3の回転による空気の流れにより切断刃収容空間40a内において丸鋸刃3の略回転方向へ飛散される切粉を、効率よく後方貫通孔51bを通して切粉集塵空間50a内へ集塵することができる。
また、前方貫通孔51aの開口面積と後方貫通孔51bの開口面積とは異なる値を有するため、前方貫通孔51aから流入した切粉が後方貫通孔51bから流出したり、後方貫通孔51bから流入した切粉が前方貫通孔51aから流出したりすることを抑制することができる。
上述した携帯用丸のこ1について、実際に木材たるSPF材を用いて切粉集塵空間50a内に集塵される切粉の量について測定する試験をした。試験では、本実施の形態による携帯用丸のこ1たる本発明品と、後方貫通孔51bが形成されていない点以外は全て同一の構成を有する携帯用丸のこたる比較品とで、それぞれ同一のSPF材を切断し、切粉集塵空間50a内に集塵された切粉の質量を測定した。
試験結果では、比較品ではSPF材を切断することにより発生した切粉の総質量の40%程度が切粉集塵空間50a内に集塵されたが、これに対して本発明品では、発生した切粉の総質量の50%程度が切粉集塵空間50a内に集塵されており、質量に着目すると10%程度集塵効率が向上したことが分かる。但し、質量では10%程度の向上が得られたが、この10%の分の切粉は質量が比較的小さなものであるため、丸鋸刃3の遠心力や丸鋸刃3の回転による空気の流れによって丸鋸刃3の回転方向下流側に飛ばされてしまうものであり、前方貫通孔51aから集塵することは極めて困難な切粉である。そして、この切粉の量、即ち、切粉集塵空間50a内のボルト取付け部52Cよりも後方に落ちて体積した切粉の量は、一見して比較品に対して本発明品でははるかに多く、後方貫通孔51bが形成されている効果が傑出していることが分かる。
本発明の切断機は、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。例えば、前方貫通孔51aの開口部と後方貫通孔51bの開口部との少なくとも一方には開口部を開閉可能な蓋部材が設けられていてもよい。より具体的には、例えば、図11に示されるように、前後方向にスライド可能な不図示の蓋部材を第1ダストカバー51に設けるようにしても良い。この際、第2ダストカバー152を第1ダストカバー51から取り外さなくても開口部(前方貫通孔又は後方貫通孔)を開閉することができるように、蓋操作部材151Cを第2ダストカバー152の後方貫通孔51bに対向する外面に設け、スライドすることにより、蓋操作部材151Cの動作に連動させて蓋部材をスライドさせ、必要に応じて後方貫通孔51bを閉じた状態としたり、開いた状態としたりすればよい。
このような構成とすることにより、被加工部材の違いによる切粉の質量の違いに応じて、適宜前方貫通孔51aや後方貫通孔51bを閉じた状態としたり開いた状態としたりして、切粉を最大量で切粉集塵空間50a内へ集塵することができるように調整することができる。
また、後方貫通孔51bは1つのみ形成されたが一つに限定されない。また、後方貫通孔51bの大きさや形状は、本実施の形態の大きさや形状に限定されない。また、後方貫通孔51bが形成されている位置は、本実施の形態の位置に限定されず、丸鋸刃3の回転方向における前方貫通孔51aよりも下流の第1ダストカバー51の部分に形成されていればよい。
また、第2ダストカバー52の接続部55の筒状口部55Aはキャップ56により閉塞されていたが、キャップ56に代えて、空気が通り抜けることができ且つ切粉は通り抜けられないフィルターを設けてもよい。
本発明の切断機は、効率よく切粉を集塵することが要求される携帯用切断機等の分野において特に有用である。
1・・・携帯用丸のこ 2・・・ハウジング 3・・・丸鋸刃 40a・・・切断刃収容空間 50・・・ダストボックス 51・・・第1ダストカバー 51a・・・第1ダストカバー内面 51b・・・第1ダストカバー外面 52a・・・第2ダストカバー 52a・・・第2ダストカバー内面 52b・・・第2ダストカバー外面 54・・・蝶ボルト 50a・・・切粉集塵空間 51a・・・前方貫通孔 51b・・・後方貫通孔 52C・・・ボルト取付け部 6・・・ベース部

Claims (8)

  1. モータと、
    該モータを保持するハウジングと、
    該モータにより回転駆動されて被加工部材を切断する切断刃と、
    該切断刃によって該被加工部材を切断した際に発生する切粉を収集するダストケースと、
    該ハウジングに接続され、該被加工部材に当接し、該被加工部材と当接する面から該切断刃を突出させる開口部が形成されたベースとを備えた携帯用切断機において、
    該ダストケース内に開口し該切粉をダストケース内に案内する少なくとも2つの貫通孔が形成されていることを特徴とする携帯用切断機。
  2. 該ダストケースは、
    該ハウジングに固定され該切断刃に対向し該切断刃の一部を覆い切断刃収容空間を画成する第1ダストカバーと、
    該第1ダストカバーに対して着脱可能に取付けられ該第1ダストカバーと協働して切粉集塵空間を画成する第2ダストカバーとを有し、
    該少なくとも2つの貫通孔は、該第1ダストカバーに形成されていることを特徴とする請求項1記載の携帯用切断機。
  3. 該少なくとも2つの貫通孔は、
    該第1ダストカバーの該切断刃による切断方向前側の端部近傍に形成され該切断刃収納空間と該切粉集塵空間とを連通する前方貫通孔と、
    該前方貫通孔より切断方向後側に形成され、該切断刃収納空間と該切粉集塵空間とを連通する後方貫通孔とを有することを特徴とする請求項2記載の携帯用切断機。
  4. 該切断方向における該第2ダストカバーの略中央部分には、該第2ダストカバーを該第1ダストカバーに取付けるための取付部材を配置する取付け部が該切粉集塵空間に突出して設けられ、
    該後方貫通孔は、該取付け部近傍に相当する該第1ダストカバーの部分であって該切断刃の外周よりも該切断刃の半径方向外方に配置されていることを特徴とする請求項2記載の携帯用切断機。
  5. 該後方貫通孔の貫通方向は、該切断刃の回転軸心及び切断刃の側面と交差する方向に指向していることを特徴とする請求項3又は請求項4記載の携帯用切断機。
  6. 該後方貫通孔は、切粉集塵空間に対して切断方向後方側に開口していることを特徴とする請求項5記載の携帯用切断機。
  7. 該前方貫通孔の開口面積と該後方貫通孔の開口面積とは異なる値を有することを特徴とする請求項3乃至請求項6のいずれか一に記載の携帯用切断機。
  8. 該前方貫通孔の開口部と該後方貫通孔の開口部との少なくとも一方には該開口部を開閉可能な蓋部材が設けられていることを特徴とする請求項3乃至請求項7のいずれか一に記載の携帯用切断機。
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