JP2011063450A - 底型及びガラスびん - Google Patents
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Abstract
【課題】ガラスびん成形の際、ガラスびんの裾部及び肩部に「びり」の欠点を生じにくくする。
【解決手段】底型の成形面の深さHを4〜8mmにすると、最終吹製の後、仕上型を型開きするときに成形したガラスびんが傾きにくくなり、ガラスびんの裾部及び肩部に「びり」の欠点が生じるのを防止できる。
【選択図】 図1
【解決手段】底型の成形面の深さHを4〜8mmにすると、最終吹製の後、仕上型を型開きするときに成形したガラスびんが傾きにくくなり、ガラスびんの裾部及び肩部に「びり」の欠点が生じるのを防止できる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ガラスびんの成形設備の一部であって、ガラスびんの最終吹製において、仕上型の下部にセットされ、ガラスびんの底部を成形する底型に関する。
図15を参照して従来のブローアンドブロー方式によりガラスびんを成形する工程を概略説明する。図15(a)〜(c)では、粗型30を用いて溶融ガラスの塊(ゴブ)Gから半製品としてのパリソンPを製造し、図15(d)では、このパリソンPを反転装置(メカニズム)35を用いて仕上型34に移し、図15(e)〜(f)ではこの仕上型34内で最終製品としてのガラスびんBを成形する。図15(f)は最終吹製の様子を示している。仕上型34を型開きした後、図15(g)で底型1上のガラスびんBを取り出す。図中の符号1は底型、31はバッフル、32は口型、33はガイドリングである。
図14は従来の底型の略中央縦断面図である。この底型によって同図のガラスびん10が成形される。
底型1は全体が鋳物により一体に形成されている。底型1の上面はガラスびんの底部を成形する成形面2となっている。最下部はガラスびん成形機に取り付けるためのフランジ部4となっており、その上部は仕上型34の下部が入り込むためのくびれ部5となっている。内部には通常冷却空気を通す空気孔(図示せず)が形成されている。
底型1は全体が鋳物により一体に形成されている。底型1の上面はガラスびんの底部を成形する成形面2となっている。最下部はガラスびん成形機に取り付けるためのフランジ部4となっており、その上部は仕上型34の下部が入り込むためのくびれ部5となっている。内部には通常冷却空気を通す空気孔(図示せず)が形成されている。
成形面2は、外周部分が最も高い位置にあり、びんの接地部13を成形する接地部成形面3が最も低い位置にある。
従来、底型の成形面の深さH(成形面2外周部から接地部成形面3までの深さ)は3mmであった。これは、欧米よりガラスびん成形技術が導入されたときからの伝統的なものである。
したがって、成形されるガラスびん10のパーティングライン14は接地部13から3mmの高さに形成される。
従来、底型の成形面の深さH(成形面2外周部から接地部成形面3までの深さ)は3mmであった。これは、欧米よりガラスびん成形技術が導入されたときからの伝統的なものである。
したがって、成形されるガラスびん10のパーティングライン14は接地部13から3mmの高さに形成される。
従来から、ガラスびんを成形すると、肩部11及び裾部12に「びり」と呼ばれる微小なクラックの欠点が生じる問題があった。これは、肩部の傾斜角度γが小さい、いわゆる肩張り形状のガラスびんに多く生じていた。
下記特許文献1は、この原因を、仕上型が開くときにガラスびんBの肩部や裾部が仕上型に引っ張られ、ガラスびんに回転力が生じるためであると考え、底型の成形面を含む上部の成形部と下部の底型本体とを別体として形成し、成形部を底型本体に対して回転可能に構成した底型を提案している。
下記特許文献1は、この原因を、仕上型が開くときにガラスびんBの肩部や裾部が仕上型に引っ張られ、ガラスびんに回転力が生じるためであると考え、底型の成形面を含む上部の成形部と下部の底型本体とを別体として形成し、成形部を底型本体に対して回転可能に構成した底型を提案している。
特許文献1の底型により、びん底部の「すじ」や「しわ」の欠点、びんの捻れ変形の欠点は顕著に改善されたが、裾部及び肩部の「びり」の欠点の改善は不十分であった。
本発明は、ガラスびんの裾部及び肩部に「びり」の欠点が生じにくくすることを課題としてなされたものである。
本発明は、ガラスびんの裾部及び肩部に「びり」の欠点が生じにくくすることを課題としてなされたものである。
〔請求項1〕
本発明は、ガラスびんの最終吹製において、仕上型の下部にセットされ、上面の成形面でガラスびんの底部を成形する底型において、前記成形面の深さが4〜8mmであることを特徴とする底型である。
本発明は、ガラスびんの最終吹製において、仕上型の下部にセットされ、上面の成形面でガラスびんの底部を成形する底型において、前記成形面の深さが4〜8mmであることを特徴とする底型である。
本発明における成形面の深さとは、成形面の最上部(成形面外周部)から最深部(びんの接地部13を成形する接地部成形面3)迄の深さHである。(図1)
〔請求項2〕
また本発明は、請求項1の底型を含む金型で成形され、底型と仕上型のパーティングラインが、びん接地部から4〜8mm上方に形成されていることを特徴とするガラスびんである。
また本発明は、請求項1の底型を含む金型で成形され、底型と仕上型のパーティングラインが、びん接地部から4〜8mm上方に形成されていることを特徴とするガラスびんである。
ガラスびんにおいて、底型と仕上型のパーティングラインは、底型成形面の外周部に表れるので、びん接地部からパーティングラインまでの高さは、実質的に底型成形面の深さと等しくなる。
本発明は、底型の成形面の深さを従来よりも深くしたので、仕上型が型開きするとき(図15(f)の後の工程)、成形されたガラスびんが傾きにくく、したがって肩部の「びり」が生じにくい。
また、型開き時に成形されたびんが傾くと、びん肩部と仕上型が干渉してびんが下方に押さえつけられ、びん裾部に大きな引張応力が作用して裾部の「びり」が発生するが、本発明は型開き時にびんが傾きにくいのでびん裾部の「びり」も発生しにくくなる。
さらに、万一、型開き時にびんが傾いても、底型の成形面の深さを従来よりも深くしたことによって、びん裾部に発生する応力が小さくなり、これにより更にびん裾部の「びり」が発生しにくくなる。
また、型開き時に成形されたびんが傾くと、びん肩部と仕上型が干渉してびんが下方に押さえつけられ、びん裾部に大きな引張応力が作用して裾部の「びり」が発生するが、本発明は型開き時にびんが傾きにくいのでびん裾部の「びり」も発生しにくくなる。
さらに、万一、型開き時にびんが傾いても、底型の成形面の深さを従来よりも深くしたことによって、びん裾部に発生する応力が小さくなり、これにより更にびん裾部の「びり」が発生しにくくなる。
図1は、実施例の底型1及びガラスびん10の説明図である。
従来の底型の成形面の深さHは3mmであったが、本発明の底型1の成形面2の深さHは4〜8mmである。
したがって、成形されるガラスびん10のパーティングライン14は接地部13から4〜8mmの高さに形成される。
従来の底型の成形面の深さHは3mmであったが、本発明の底型1の成形面2の深さHは4〜8mmである。
したがって、成形されるガラスびん10のパーティングライン14は接地部13から4〜8mmの高さに形成される。
底型1の成形面2の深さが4mmに満たないと、仕上型の型開き時にびんが傾きにくくなる作用が十分でなく、したがって、びん裾部・肩部の「びり」の発生を防止する効果も不十分となる。
成形面2の深さが8mmを超えると、びん裾部に表れる底型と仕上型のパーティングライン14の高さが接地部13から8mmを超え、目立つものとなって美感上好ましくない。ガラスびんは底部の肉厚が厚いので、一般的にパーティングラインの高さが8mm以下であれば、びん底部における光の反射や屈折によりあまり目立たない。
成形面2の深さが8mmを超えると、びん裾部に表れる底型と仕上型のパーティングライン14の高さが接地部13から8mmを超え、目立つものとなって美感上好ましくない。ガラスびんは底部の肉厚が厚いので、一般的にパーティングラインの高さが8mm以下であれば、びん底部における光の反射や屈折によりあまり目立たない。
本発明者らは、ガラスびんの裾部及び肩部に生じる「びり」は、仕上型の型開き時に成形したガラスびんが傾くことに根本原因があるという仮説を立て、本発明を完成した。
後述するように、本発明の底型を試作し、実際にガラスびんを生産した結果、上記仮説が正しいことが立証された。
以下、本発明底型の作用効果について詳細に説明する。
後述するように、本発明の底型を試作し、実際にガラスびんを生産した結果、上記仮説が正しいことが立証された。
以下、本発明底型の作用効果について詳細に説明する。
〔型開き時にびんが傾く原因〕
仕上型内でガラスびんが最終吹製されると、ガラスが薄くのばされた状態で金型と接触し、ガラス温度が低下すると共に収縮する。
図2は、ガラスびんの収縮に伴う各部の変位を矢印で示している。ガラスびん全体としては、高さ方向及び径方向に収縮する。
図3は、図2の肩部を拡大したものである。同図の点線はびん外面の収縮形状を示している。この収縮形状は、びん肩部において仕上型34に干渉する。
図4は、仕上型と収縮したガラスの干渉量を示しているが、肩部で干渉量が最大となっており、びん胴部よりしたでは全く干渉していない。肩部の干渉部分において、実際にはガラスの変形は仕上型によって規制されるから、ガラスが強く仕上型に押し付けられることになり、肩部のみ型開きのときにガラスが型から離れにくくなる。この傾向は、肩が張った形状(図1のγが小さい形状)のガラスびんで顕著になる。
仕上型内でガラスびんが最終吹製されると、ガラスが薄くのばされた状態で金型と接触し、ガラス温度が低下すると共に収縮する。
図2は、ガラスびんの収縮に伴う各部の変位を矢印で示している。ガラスびん全体としては、高さ方向及び径方向に収縮する。
図3は、図2の肩部を拡大したものである。同図の点線はびん外面の収縮形状を示している。この収縮形状は、びん肩部において仕上型34に干渉する。
図4は、仕上型と収縮したガラスの干渉量を示しているが、肩部で干渉量が最大となっており、びん胴部よりしたでは全く干渉していない。肩部の干渉部分において、実際にはガラスの変形は仕上型によって規制されるから、ガラスが強く仕上型に押し付けられることになり、肩部のみ型開きのときにガラスが型から離れにくくなる。この傾向は、肩が張った形状(図1のγが小さい形状)のガラスびんで顕著になる。
図5,6は、仕上型の型開きの様子を示している。
図5(a)は、仕上型34内で最終吹製が終了し、ガラスびん10が成形された状態である。その後、矢印に示すように仕上型34が型開きする。
図5(b)及び図6は、仕上型34が仕上型合目34aから両側に(矢印方向に)ある程度型開きした状態である。
上記のように、びん肩部においてガラスが仕上型に強く押し付けられ、ガラスが型から離れにくくなっており、胴部より下では干渉が全くないので、型開きに伴ってびん肩部が一方の仕上型に引っ張られて傾く傾向がある。びんが傾くときの支点は、底型1の成形面2外周部で、平面視では仕上型合目34aから90°離れた位置である。
図5(a)は、仕上型34内で最終吹製が終了し、ガラスびん10が成形された状態である。その後、矢印に示すように仕上型34が型開きする。
図5(b)及び図6は、仕上型34が仕上型合目34aから両側に(矢印方向に)ある程度型開きした状態である。
上記のように、びん肩部においてガラスが仕上型に強く押し付けられ、ガラスが型から離れにくくなっており、胴部より下では干渉が全くないので、型開きに伴ってびん肩部が一方の仕上型に引っ張られて傾く傾向がある。びんが傾くときの支点は、底型1の成形面2外周部で、平面視では仕上型合目34aから90°離れた位置である。
〔びんの傾きによるびりの発生〕
ガラスびん10が傾くと、図6に示すように、仕上型合目34aにおける肩部の点AがA’に移動し、Δhだけ上昇する。これにより、仕上型合目34a付近においてガラスが型に強く押し付けられ、びりが発生する。このことは、実際に肩部のびりが仕上型の合目付近に発生していることと符合する。
仕上型合目34a付近において肩部のガラスが型に強く押し付けられることによって、ガラスびんには下方向に押し付ける力が作用する。この力は、びんが傾くときの支点、すなわち底型1の成形面2外周部で仕上型合目34aから90°離れた位置に作用し、支点(裾部)においてガラスに大きな引張応力が生じ、びりが発生する。このことは、実際に裾部のびりが平面視で仕上型の合目から90°離れた位置付近に発生していることと符合する。
ガラスびん10が傾くと、図6に示すように、仕上型合目34aにおける肩部の点AがA’に移動し、Δhだけ上昇する。これにより、仕上型合目34a付近においてガラスが型に強く押し付けられ、びりが発生する。このことは、実際に肩部のびりが仕上型の合目付近に発生していることと符合する。
仕上型合目34a付近において肩部のガラスが型に強く押し付けられることによって、ガラスびんには下方向に押し付ける力が作用する。この力は、びんが傾くときの支点、すなわち底型1の成形面2外周部で仕上型合目34aから90°離れた位置に作用し、支点(裾部)においてガラスに大きな引張応力が生じ、びりが発生する。このことは、実際に裾部のびりが平面視で仕上型の合目から90°離れた位置付近に発生していることと符合する。
〔本発明におけるびんの傾きにくさ〕
びんの傾きにくさは、びんを傾けるFが作用したときに、支点に生じる反力R(抵抗力)の大きさによって評価することができる。反力Rが大きいほどびんは傾きにくくなる。
びんの傾きにくさは、びんを傾けるFが作用したときに、支点に生じる反力R(抵抗力)の大きさによって評価することができる。反力Rが大きいほどびんは傾きにくくなる。
そのため、先ずびんを倒すために必要な力Fについて考察する。
ガラスびんを倒すために必要な力Fは、図7に示すように、(L1・cosα)mg/(L2・sinβ)である。
ここで、L1は支点とびん重心の距離、L2は支点と作用点の距離、αは支点とびん重心を結ぶ線の水平線に対する角度、βは支点と作用点を結ぶ線の水平線に対する角度、mはびん質量、gは重力加速度である。なお、距離及び角度は図7の平面上のものである。支点は底型の外周部であるから支点の高さは底型の深さに等しくなる。作用点は、図4の仕上型とガラスの干渉量が最大となる高さである。
ガラスびんを倒すために必要な力Fは、図7に示すように、(L1・cosα)mg/(L2・sinβ)である。
ここで、L1は支点とびん重心の距離、L2は支点と作用点の距離、αは支点とびん重心を結ぶ線の水平線に対する角度、βは支点と作用点を結ぶ線の水平線に対する角度、mはびん質量、gは重力加速度である。なお、距離及び角度は図7の平面上のものである。支点は底型の外周部であるから支点の高さは底型の深さに等しくなる。作用点は、図4の仕上型とガラスの干渉量が最大となる高さである。
図8に、ガラスびんを倒すために必要な力Fと底型成形面の深さの関係を示す。
縦軸は、ガラスびんを倒すために必要な力Fの相対値で、従来の底型成形面の深さ3mmの場合を「1」にしている。
このように、底型成形面の深さが深くなるほどFが大きくなり、ガラスびんが倒れにくくなる。
縦軸は、ガラスびんを倒すために必要な力Fの相対値で、従来の底型成形面の深さ3mmの場合を「1」にしている。
このように、底型成形面の深さが深くなるほどFが大きくなり、ガラスびんが倒れにくくなる。
図9に、ガラスびんを傾ける力Fが作用したときに支点に生じる反力R(抵抗力)を示す。支点は底型1の成形面の外周部である。反力Rは支点におけるガラス面と垂直方向に発生するから、R=cosθとなる。θはR方向が水平方向となす角度である。
図10に示すように、支点の位置が高くなるとθが小さくなる。したがって、支点の位置が高くなると(底型成形面の深さが深くなると)反力Rが大きくなる。
図10に示すように、支点の位置が高くなるとθが小さくなる。したがって、支点の位置が高くなると(底型成形面の深さが深くなると)反力Rが大きくなる。
図11に、反力Rと底型成形面の深さの関係を示す。
縦軸は、反力Rの相対値で、従来の底型成形面の深さ3mmの場合を「1」にしている。
このように、底型成形面の深さが深くなるほど反力Rが大きくなり、ガラスびんが傾きにくくなる。
反力Rの増加率(グラフの傾き)は成形面深さ3mmから4mmの間が最も大きく、成形面深さが深くなるほど増加率は減少する。成形面深さ4mmの場合でも、3mmの場合に比較してRは1.4倍となっており、ガラスびんが傾きにくくなる作用効果が十分期待できる。したがって、成形面深さは4mm以上が適当である。
縦軸は、反力Rの相対値で、従来の底型成形面の深さ3mmの場合を「1」にしている。
このように、底型成形面の深さが深くなるほど反力Rが大きくなり、ガラスびんが傾きにくくなる。
反力Rの増加率(グラフの傾き)は成形面深さ3mmから4mmの間が最も大きく、成形面深さが深くなるほど増加率は減少する。成形面深さ4mmの場合でも、3mmの場合に比較してRは1.4倍となっており、ガラスびんが傾きにくくなる作用効果が十分期待できる。したがって、成形面深さは4mm以上が適当である。
上記のように、本発明の底型を用いてガラスびんを成形すれば、仕上型の型開き時にびんが傾きにくいので、びん裾部及び肩部のびりの発生を抑制できる。
〔びんが傾いたときのびん裾部の応力〕
仕上型の型開き時にびんが傾き、びん肩部が仕上型により上方から押さえつけられた場合、底型成形面外周部が支点となり、びん裾部に大きな引張応力が発生し、これがびん裾部のびりの発生要因になると考えられる。
図12は、びん裾部に垂直方向に100kgfの力が作用したとき、びん裾部に発生する最大応力と、底型成形面の深さの関係を、コンピュータシミュレーションによって求めた結果である。
同図に示されるように、裾部発生応力は底型成形面の深さが深くなるほど小さくなっており、裾部のびりが発生しにくい。また、裾部発生応力の減少率(グラフの傾き)は、成形面の深さが浅いほど大きく、深くなると小さくなる。裾部発生応力は、成形面深さ4mmの場合でも、3mmの場合に比較して約66%に大きく減少しており、びん裾部のびりを抑制する作用効果が十分期待できる。したがってこの点からも、成形面深さは4mm以上が適当である。
仕上型の型開き時にびんが傾き、びん肩部が仕上型により上方から押さえつけられた場合、底型成形面外周部が支点となり、びん裾部に大きな引張応力が発生し、これがびん裾部のびりの発生要因になると考えられる。
図12は、びん裾部に垂直方向に100kgfの力が作用したとき、びん裾部に発生する最大応力と、底型成形面の深さの関係を、コンピュータシミュレーションによって求めた結果である。
同図に示されるように、裾部発生応力は底型成形面の深さが深くなるほど小さくなっており、裾部のびりが発生しにくい。また、裾部発生応力の減少率(グラフの傾き)は、成形面の深さが浅いほど大きく、深くなると小さくなる。裾部発生応力は、成形面深さ4mmの場合でも、3mmの場合に比較して約66%に大きく減少しており、びん裾部のびりを抑制する作用効果が十分期待できる。したがってこの点からも、成形面深さは4mm以上が適当である。
図1,14に示すガラスびんは、胴部外径53mm、高さ75.5mmのジャムなどを入れるびんである。
従来の底型(成形面深さ3mm)と、実施例の底型(成形面深さ4.7mm)を用いて実際にこのガラスびんを生産した。従来例と実施例の底型は、成形面の深さのみ異なり、その他の構造は全く同じものである。この生産における裾部びり・肩部びり発生率の推移を図13に示す。なお、各生産日の生産量は約35万本であった。
第1日目及び第2日目は従来の底型を用い、第1日目は相当量の裾部びり不良びんが発生し、第2日目は裾部びり不良びんの発生率は減少したものの、肩部びり不良びんが若干発生した。
第3日目及び第4日目は実施例の底型を用い、裾部びり及び肩部びりの不良びんは全く発生しなかった。
これにより、本発明の底型を用いてガラスびんを製造することで、裾部びり及び肩部びりの発生をほぼ完全に防止できることが確認された。
従来の底型(成形面深さ3mm)と、実施例の底型(成形面深さ4.7mm)を用いて実際にこのガラスびんを生産した。従来例と実施例の底型は、成形面の深さのみ異なり、その他の構造は全く同じものである。この生産における裾部びり・肩部びり発生率の推移を図13に示す。なお、各生産日の生産量は約35万本であった。
第1日目及び第2日目は従来の底型を用い、第1日目は相当量の裾部びり不良びんが発生し、第2日目は裾部びり不良びんの発生率は減少したものの、肩部びり不良びんが若干発生した。
第3日目及び第4日目は実施例の底型を用い、裾部びり及び肩部びりの不良びんは全く発生しなかった。
これにより、本発明の底型を用いてガラスびんを製造することで、裾部びり及び肩部びりの発生をほぼ完全に防止できることが確認された。
前記のガラスびん成形工程は、ブローアンドブロー方式について説明したが、本発明は、プレスアンドブロー方式においても全く同様に用いることができる。また、実施例における底型、仕上型などの形状は例示にすぎないことはもちろんであり、本発明の底型はあらゆる形状のガラスびんの成形に利用できるものである。
1 底型
2 成形面
3 接地部成形面
4 フランジ部
5 くびれ部
10 ガラスびん
11 肩部
12 裾部
13 接地部
14 パーティングライン
30 粗型
31 バッフル
32 口型
33 ガイドリング
34 仕上型
35 メカニズム
2 成形面
3 接地部成形面
4 フランジ部
5 くびれ部
10 ガラスびん
11 肩部
12 裾部
13 接地部
14 パーティングライン
30 粗型
31 バッフル
32 口型
33 ガイドリング
34 仕上型
35 メカニズム
Claims (2)
- ガラスびんの最終吹製において、仕上型の下部にセットされ、上面の成形面でガラスびんの底部を成形する底型において、前記成形面の深さが4〜8mmであることを特徴とする底型。
- 請求項1の底型を含む金型で成形され、底型と仕上型のパーティングラインが、びん接地部から4〜8mm上方に形成されていることを特徴とするガラスびん。
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Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002356333A (ja) * | 2001-06-04 | 2002-12-13 | Nihon Yamamura Glass Co Ltd | 製びん機の仕上型装置およびこれによるガラスびんの製造方法 |
JP2004352611A (ja) * | 2004-09-06 | 2004-12-16 | Toyo Glass Co Ltd | 底型 |
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2009
- 2009-09-15 JP JP2009212811A patent/JP2011063450A/ja not_active Withdrawn
Patent Citations (2)
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