JP2011063097A - 折畳式乳母車 - Google Patents

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Abstract

【課題】折り畳むことができ、しかも外力が作用しても容易に変形し難い乳母車を提供する。
【解決手段】乳母車20は、前脚23と、上端部が前脚23に回動可能に連結された後脚24と、前脚23と後脚24とが近づき合うよう折畳可能に、前脚23の上端領域と後脚24の上端領域とを連結する前後脚連結部材25と、前脚23の下端領域と後脚24の下端領域との間に掛け渡されて、前後脚連結部材25が前脚と後脚とを互いに離隔させる展開状態で、前脚23と後脚24との間隔が広がることを阻止する屈曲自在な間隔規制部材35とを備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、フレーム構造を備えた折畳式乳母車に関し、特に、乳幼児の体重を超える外力が与えられる場合においても変形に強い乳母車に関する。
前脚および後脚を含むフレーム構造を備えた折畳式乳母車は今日まで様々なものが提案され、実用化されている。また、不使用時には、前脚および後脚が互いに近づくよう折り畳まれるフレーム構造の折畳式乳母車も、今日まで様々なものが提案され、実用化されている。かかる折畳式乳母車の一例として、特開2004-161238号公報(特許文献1)に記載のごときベビーカーが知られている。特許文献1のベビーカーは、使用時においてベビーカーの前脚が前方へ、そして後脚が後方へ、互いに離れるよう展開し、前後方向中央部に乳幼児が着座して使用される。また不使用時においてベビーカーの前脚および後脚が互いに近づき合うよう折り畳まれる。
図10は、従来のベビーカーを車幅方向外方からみた骨子図であり、フレーム構造を分かり易く表す。図10に示すように、前脚101の上端と後脚102の上端は、アームレスト103を介して回動可能に連結する。ベビーカーを展開した使用状態において、前脚101および後脚102は、上端部同士の間隔が狭く、下端に向かうにつれて間隔が広くなるようハの字状に配置されている。また、アームレスト103よりも下方で、前脚101の上端領域と後脚102上端領域は、連結バー104で連結されている。連結バー104は、前脚101と後脚102との間隔を保持する。
特開2004-161238号公報
しかし、上記従来のようなベビーカーにあっては、以下に説明するような問題を生ずる。まず、前脚101と後脚102との間隔を保持するフレーム材が、連結バー104のみであった。このため、連結バー104には過度の応力が作用する場合があった。また、前脚101および後脚102が連結バー104から下方に延びているため、前脚101と後脚102には過度の曲げモーメントが作用する場合があった。
例えば、ベビーカーの座席に乳幼児が座っている使用状態において前脚101および後脚102には、図10に矢印で示すように、前脚と後脚との間が開く方向に曲げモーメントが作用する。このため、重量の大きな幼児が勢いよく着座する場合など、座席に衝撃荷重が加わる場合にあっては、前脚101および後脚102に作用する曲げモーメントが大きくなる。かかる大きな曲げモーメントはベビーカーの耐久性能を損ねる虞があることから、好ましいものではない。また、連結バー104にも過度の引張応力が作用してベビーカーの耐久性能を損ねる虞があることから、好ましいものではない。
また例えば、ベビーカーが段差などを乗り越えて走行する場合、父母などの使用者が押し棒105の上端を掴み下方へ押し付け、後輪106を支点にして前輪107を持ち上げることがある。このとき、過度の曲げモーメントが後脚102に作用してフレーム構造に悪影響を及ぼす。
さらに、使用者の使用方法は多種多様であるため、この他にも、予期しない様々な外力がベビーカーに作用する。そしてフレーム構造が変形するなどの悪影響を及ぼす虞がある。
また、従来のベビーカーにおいては、座席の下方に設ける物品収納かごについても改善の余地があった。
すなわち、従来の物品収納かごは、幼児用座席の座面と略同じ面積のわずかな広さしか確保できず、座面よりも広い物品収納かごを取り付けるためには、金属製あるいは硬質プラスチィック製のかご保持杆を別途設ける必要があった。このため、部品点数の増加およびコストの上昇を招いていた。しかも前後方向に延びるかご保持杆は、ベビーカーを前後方向に縮小するよう折り畳む際の邪魔になる。
また、従来の物品収納かごはベビーカーの車体フレームから吊り下げられているため、ベビーカーの走行中に物品収納かごが上下左右に揺れ動いてしまう。かかる揺れは、車体フレームおよびかご内部の物品にとって好ましいものではない。
本発明は、上述の実情に鑑み、折り畳むことができる乳母車において、乳母車に外力が作用しても容易に変形し難い乳母車を提供することを目的とする。また本発明は、広いスペースを有し、走行中に揺れ動かず、折畳みの邪魔にならず、しかも保持杆を必要としない物品収納かごを備えた折畳式乳母車を提供することを目的とする。
この目的のため本発明による折畳式乳母車は、下端に前輪を有する前脚と、下端に後輪を有し、上端部が前脚に回動可能に連結された後脚と、前脚と後脚とが近づき合うよう折畳可能に、前脚の上端領域と後脚の上端領域とを連結する前後脚連結部材と、前脚の下端領域と後脚の下端領域との間に掛け渡されて、前後脚連結部材が前脚と後脚とを互いに離隔させる展開状態で、前脚と後脚との間隔が広がることを阻止する屈曲自在な間隔規制部材とを備える。
かかる本発明によれば屈曲自在な間隔規制部材が、前脚の下端領域と後脚の下端領域との間隔が広がることを阻止することから、前後脚連結部材に作用する応力を軽減することができる。また、前脚および後脚に作用する曲げモーメントを軽減することができる。したがって、フレーム構造の耐久性能が向上する。
この結果、乳母車の座席に衝撃荷重が加わる場合であっても、前脚および後脚が過度に変形することを防止することができる。また、過度の曲げモーメントが後脚に作用する場合や、予期しない様々な外力が乳母車に作用する場合であっても、かかる曲げモーメントおよび外力を、フレーム構造全体に分散させることが可能となり、フレーム構造の変形を最小限に抑制することができる。しかも間隔規制部材は屈曲自在であることから、折り畳み動作を妨げることがない。
なお、ここでいう上端領域とは、上端部と、上端部と下端部との間に位置する中間部のうち上端部と隣接する部分とを含むと理解されたい。下端領域についても同様であり、下端領域とは下端部よりも広い範囲をいうと理解されたい。
間隔規制部材は、繊維、皮革、合成皮革、ビニール素材など、容易に伸縮変形しない屈曲自在な素材であれば特に限定されない。また間隔規制部材は、帯状のバンドであってもよいし、紐状のロープであってもよいし、前後左右方向に広がった面状の部材であってもよい。また間隔規制部材は、前脚の下端領域と前記後脚の下端領域との間に掛け渡されればよく、途中に別途部材が介在してもよい。例えば折畳式乳母車は、車幅方向に延在して両端が左右1対の前脚の下端部とそれぞれ接続する前脚連結部材と、車幅方向に延在して両端が左右1対の後脚の下端部とそれぞれ接続する後脚連結部材とをさらに備え、間隔規制部材は、これら前脚連結部材と後脚連結部材とを連結するものであってもよい。
本願発明は様々な実施形態が可能であり、例えば、間隔規制部材は左右それぞれに配置され、折畳式乳母車はこれら左右1対の間隔規制部材の間に跨って配置される屈曲自在な面状部材をさらに備えてもよい。かかる実施形態によれば、折畳乳母車の展開状態において、面状部材を乳母車の下部に広げることが可能になる。したがって、かかる面状部材に物品を載せることができる。なお面状部材は網であってもよく、布あるいはビニール素材のシートであってもよく、他の屈曲自在な膜であってもよい。かかる面状部材は、前脚と後脚との間に張り渡されて、走行中に揺れ動くことが泣く、広い面積を確保することができる。これにより、面状部材に物品を載せて運搬することができる。
本発明は一実施形態に限定されるものではないが、折畳式乳母車は、面状部材の前側縁、後側縁、右側縁、および左側縁から上方に立ち上がる屈曲自在な壁部材をさらに備えてもよい。かかる実施形態によれば、これら面状部材および壁部材が物品収納かごを形成することができる。本実施形態の面状部材は座席の座面よりも遥かに広く、多くの物品を収納することができる。しかも、本実施形態の物品収納かごは、かご保持杆が不要であり、折畳みの際に邪魔になることがない。そして、本実施形態の物品収納かごは、前脚と後脚との間に確りと張り渡されていることから、走行中に揺れ動くことがなく、安定している。
好ましい実施形態として、壁部材は、車体フレームと接続されて立ち上がり状態を維持する。かかる実施形態によれば、壁部材に物品が当たっても、壁部材が立ち上がり状態を維持することから、物品が物品収納かごから脱落する懸念を解消することができる。なお、車体フレームは、座席の座面を支持する連結部材であってもよいし、前脚や後脚や他の構造材であってもよい。
このように本発明は、前脚の下端領域と前記後脚の下端領域との間に掛け渡されて、前後脚連結部材が前脚と後脚とを互いに離隔させる展開状態で、前脚と後脚との間隔が広がることを阻止する屈曲自在な間隔規制部材とを備えることから、間隔規制部材が乳母車のフレーム構造に寄与する。したがって、前後脚連結部材に作用する応力を緩和して、乳母車のフレーム構造が丈夫になり、耐久性能が向上する。この結果、座面に加わる衝撃荷重や、後脚に作用する過度の曲げモーメントを軽減することができる。また予期しない大きな外力が乳母車に加わっても、フレーム構造の変形を抑制することができる。
また本発明によれば、前脚と後脚との間に張り渡された間隔規制部材を利用して物品収納かごを形成することから、広いスペースを有し、走行中に揺れ動かず、折畳みの邪魔にならず、しかも保持杆を必要としない物品収納かごを実現することができる。
本発明の1実施例になる折畳式乳母車の斜視図である。 同実施例の側面図である。 同実施例を側方から見た状態を示す骨子図である。 側部縦棒と後脚と座面支持サイド棒との連結部分を示す斜視図である。 図4に示す連結部分の折畳み動作の途中の状態を示す図である。 図4に示す連結部分の折畳み状態を示す図である。 同実施例が折り畳まれた状態を示す斜視図である。 同実施例が折り畳まれた状態を示す側面図である。 本発明の他の実施例になる折畳式乳母車を側方から見た状態を示す骨子図である。 従来例の乳母車を側方から見た状態を示す骨子図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
図1は本発明の1実施例になる折畳式乳母車の斜視図であり、図2は同実施例の側面図である。図3は同実施例を側方から見た状態を示す骨子図であって、乳母車の車体フレームを分かり易く示す。
乳母車20は、剛性のある複数のフレーム材を組み合わせた車体フレームに、座席ハンモックと、車輪とを取り付けたものである。また、乳母車20は、前後左右に配設された4個の車輪21,22が前後および左右に近づくように折畳まれるものである。
乳母車20は、基本的なフレーム構造として、前輪21を有する1対の前脚23と、後輪22を有する1対の後脚24と、座席ハンモックの座面51を下から支えるために座面の両側部において前後方向に延びている1対の座面支持サイド棒25と、座面51の両側部上方に位置する1対の手摺部材29と、座面51の両側部後方から上方に立ち上がって延びている逆U字形状の押棒40と、1対の前脚23間に渡される前脚連結部材27と、1対の後脚24間に渡される後脚連結部材28と、1対の手摺部材29間に渡される前ガード部材30と、1対の座面支持サイド棒25の前方端部間に渡される屈曲リンク部材26(図4〜図6参照)と、前脚23の下端部と後脚24の下端部との間に掛け渡された間隔規制バンド35を備える。
前脚23は、上下方向に延在し剛性のあるフレーム材で形成され、このフレーム材の下端には前輪21が回転自在かつ転舵可能に取り付けられる。また前脚23は、下端側に向かうにつれて車体前方へ張り出している。
後脚24も、上下方向に延在し剛性のあるフレーム材で形成され、このフレーム材の下端には後輪22が回動自在かつ転舵可能に取り付けられる。後脚24は、下端側に向かうにつれて車体後方へ張り出している。このため前脚23および後脚24は、車幅方向からみてハの字の形態を呈する。
前脚連結部材27は、車幅方向に延在して両端が左右1対の前脚23の下端部とそれぞれ接続する。後脚連結部材28も、車幅方向に延在して両端が左右1対の後脚24の下端部とそれぞれ接続する。
間隔規制バンド35は、容易に伸縮しない屈曲自在な化学繊維製であり、前後方向に延在する帯状のバンドである。かかる間隔規制バンド35は、乳母車20の左側と右側にそれぞれ配置されて、前脚連結部材27と後脚連結部材28とを連結する。具体的には、左側間隔規制バンド35の前端が前脚連結部材27の左端と接続し、左側間隔規制バンド35の後端が後脚連結部材28の左端と接続する。また、右側間隔規制バンド35の前端が前脚連結部材27の右端と接続し、右側間隔規制バンド35の後端が後脚連結部材28の右端と接続する。
かくして間隔規制バンド35は、前脚23の下端部と後脚24の下端部との間に直線状に掛け渡されて、張力を受け持つ。間隔規制バンド35によって連結された前脚23下端部および後脚24下端部は、乳母車20の使用状態において、前後方向に距離が伸びることがない。間隔規制バンド35は、乳母車20の車体フレームのフレーム材ではないが、フレーム構造の変形を抑制する車体フレームの構造材として機能する。この結果、車体フレームは堅牢なものとなり、乳母車に外力が作用しても容易に変形し難くなる。
座席51に衝撃荷重が加わる場合、間隔規制バンド35が張力を受け持つことから、前脚23および後脚24に作用する曲げモーメントを軽減することが可能になる。したがって本実施例の乳母車20によれば、耐久性能が向上する。
乳母車20に外力が作用することにより前脚23あるいは後脚24に曲げモーメントが作用する場合、間隔規制バンド35が張力を受け持つことから、かかる曲げモーメントを前脚23および後脚24で分担することが可能になり、外力を乳母車20の車体フレーム全体で負担することができる。したがって本実施例の乳母車20によれば、耐久性能が向上する。
ところで、間隔規制バンド35は屈曲自在であることから、使用しない乳母車20を折り畳むときには、前脚23下端部および後脚24下端部が互いに近づく。
乳母車20の折畳み動作を実現するために、前脚23の上端部および後脚24の上端部は、それぞれ、手摺部材29に回動可能に連結される。折畳み時には、前後の車輪21,22が互いに近づく。
座面支持サイド棒25の前方端部分は前脚23に回動可能に連結され、後方端部分は連結部材32および連結軸46(図4〜図6参照)を介して反転部材31に回動可能に連結される。座面支持サイド棒25は、前脚23と後脚24とが近づき合うよう折畳可能に、前脚23の上端領域と後脚24の上端領域とを連結する前後脚連結部材に相当する。
逆U字形状の押棒40は、座面51の両側部後方から上方に立ち上がって延びる1対の側部縦棒41と、この1対の側部縦棒41の上端同士を連結する手摺部材42とを備える。後に詳しく説明するが、側部縦棒41の下方端部は、連結軸46を介して反転部材31に回動可能に連結される。1対の側部縦棒41間には、座席ハンモックの背もたれ部52を背後から支える背面ベルト(図示省略)が渡されている。
1対の後脚24間を連結している後脚連結部材28、および1対の前脚23間を連結している前脚連結部材27、屈曲リンク部材26、および手摺部材42は、中程に関節を備え折曲可能である。1対の手摺部材29間を連結している前ガード部材30は、折畳み動作に伴って左右の端部を近づけることができるように柔軟な材料で形成されている。これら部材26,27,28,30は、折畳み時に左右の車輪同士が近づいて車幅方向寸法を縮小できるようにするために、上方に向かって屈曲可能に設けられている。
図4〜図6を参照して、押棒40の側部縦棒41と、後脚24と、座面支持サイド棒25との連結構造を説明する。併せて、座面支持サイド棒25の形状を説明する。図4は、乳母車の展開状態を示し、図5は折畳み動作の途中状態を示し、図6は折畳み状態を示している。
座面支持サイド棒25の後方端部には連結部材32が固定されている。図4から明らかなように、座面支持サイド棒25は、その後方部分に、内側方に向かって張り出した内方張出部25aを一体に有している。具体的には、連結部材32を超えて後方に延びている部分をU字状に折り曲げて内方張出部25aを形成している。この内方張出部25aは、座面を下から支えるものである。座面の後方部が、剛性のある座面支持サイド棒25の内方張出部25aによって安定に支持されるので、座面後方部の落ち込みが無く、乳母車の座席に着座した子供の姿勢を適正に保つことができる。乳母車の折畳み動作に伴って1対の座面支持サイド棒25の内方張出部25aは互いに近づく。この折畳み動作に支障を来たさないようにし、なおかつ折畳み状態の幅寸法をできるだけ小さくするために、左右の内方張出部25aの間隔を適正に選ぶ必要がある。具体的には、車幅方向に縮小された乳母車の折畳み状態において、左右の内方張出部25aが密接するような寸法関係が好ましい。
各後脚24には、反転部材31が連結ピンを介して回動可能に取り付けられている。図4に示す乳母車の展開状態においては、反転部材31は連結ピンの上方で後脚24に沿うように位置し、図6に示す乳母車の折畳み状態においては、反転部材31は連結ピンの下方で後脚24に沿うように位置する。
押棒40の各側部縦棒41の下方端部は、連結軸46を介して反転部材31の先端部分に回動可能に連結される。図4〜図6を比較すれば明らかなように、連結軸46は、座面支持サイド棒25の後方端部と、反転部材31の先端部と、側部縦棒41の下方端部とを、回動可能に連結している。
押棒40の側部縦棒41の下方端部分には、上下方向にスライドし得るスライド部材34が設けられている。このスライド部材34は、押棒40内を通るワイヤを介して押棒40の手摺部材42の中央部に設けられた操作ボタン45(図1参照)に動作可能に連結される。操作ボタン45を操作すれば、スライド部材34を上方に移動させることができる。また、図示していないが、スライド部材34には、ばねによって常に下向きの付勢力が作用している。
図4に示す乳母車の展開状態では、スライド部材34が反転部材31に係合してこの反転部材31の動きを禁止している。乳母車を折畳む際には、操作ボタン45を操作してスライド部材34を上方に移動させ、スライド部材34と反転部材31との係合状態を解除する。
図7は、本実施例の乳母車が折り畳まれた状態を示す斜視図である。図8は、本実施例の乳母車が折り畳まれた状態を示す側面図である。乳母車20の使用者が前後左右に配設された4個の車輪21,22を前後および左右に近づくように折畳む際、間隔規制バンド35は容易に屈曲する。これにより、間隔規制バンド35が乳母車20の折畳み動作および展開動作の障害になることはない。
本実施例の変形例として、左右それぞれに配置された1対の間隔規制バンド35,35の間に、屈曲自在な面状部材を跨って配置してもよい。面状部材は、間隔規制バンド35に沿って前後方向に広がり、1対の前脚23の間隔および1対の後脚24の間隔と同じ広がりを有する。かかる面状部材は、座面51よりも充分に広く、物品を載せることができる。面状部材は、前後方向に張り渡された1対の間隔規制バンド35に縫着されている。したがって、物品を面状部材に載せても面状部材が下方へたわみ難くなっている。
本実施例の変形例として、図示はしなかったが、1対の間隔規制バンド35,35自身を1枚の面状部材としてもよい。かかる面状部材は、乳母車の車体フレーム幅と略同じ幅方向寸法を有し、乳母車の車体フレーム長さと略同じ前後方向寸法を有することが可能であり、多くの物品を面状部材に載せることができる。
次に本発明の他の実施例を説明する。図9は本発明の他の実施例を示す車体フレーム骨子図である。他の実施例につき、上述した実施例と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成について以下に説明する。他の実施例では、上述した図3に示す構成部材の他、面状部材36と、面状部材36の前側縁、後側縁、右側縁、および左側縁から上方に立ち上がる屈曲自在な壁部材37とをさらに備える。かかる壁部材37は、面状部材36の周縁を囲繞することから、面状部材36および壁部材37が物品収納かごを構成する。
また壁部材37は前後左右位置で、1対の前脚23および1対の後脚24と接続しており、壁部材37の立ち上がり状態が維持される。なお、図9に示す実施例の他、左右1対の座面支持サイド棒25と壁部材37の両側縁上端とを接続し、壁部材37の立ち上がり状態を維持してもよい。かかる他の実施例によれば、物品収納かご内の物品が壁部材37に当たっても、壁部材37が立ち上がり状態を維持することから、物品が物品収納かごから脱落することがない。
また他の実施例によれば、折畳み動作において、間隔規制バンド35および面状部材36が、壁部材とともに上方へ引き上げられることから、間隔規制バンド35が車輪21,22の間から垂れ下がることを確実に防止することができる。
以上、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明したが、この発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
この発明になる折畳式乳母車は、前脚および後脚を備える乳母車に有利に適用され得る。
20 乳母車、21 前輪、22 後輪、23 前脚、24 後脚、25 座面支持サイド棒、26 屈曲リンク部材、27 前脚連結部材、28 後脚連結部材、29 手摺部材、30 前ガード部材、31 反転部材、32 連結部材、34 スライド部材、35 間隔規制バンド、36 面状部材、37 壁部材。

Claims (5)

  1. 下端に前輪を有する前脚と、
    下端に後輪を有し、上端部が前記前脚に回動可能に連結された後脚と、
    前記前脚と前記後脚とが近づき合うよう折畳可能に、前脚の上端領域と後脚の上端領域とを連結する前後脚連結部材と、
    前記前脚の下端領域と前記後脚の下端領域との間に掛け渡されて、前後脚連結部材が前脚と後脚とを互いに離隔させる展開状態で、前脚と後脚との間隔が広がることを阻止する屈曲自在な間隔規制部材とを備える、折畳式乳母車。
  2. 車幅方向に延在して両端が左右1対の前記前脚の下端部とそれぞれ接続する前脚連結部材と、
    車幅方向に延在して両端が左右1対の前記後脚の下端部とそれぞれ接続する後脚連結部材とをさらに備え、
    前記間隔規制部材は、前記前脚連結部材と前記後脚連結部材とを連結する、請求項1に記載の折畳式乳母車。
  3. 前記間隔規制部材は、左右それぞれに配置され、
    該左右1対の間隔規制部材の間に跨って配置される屈曲自在な面状部材をさらに備える、請求項1または2に記載の折畳式乳母車。
  4. 前記面状部材の前側縁、後側縁、右側縁、および左側縁から上方に立ち上がる屈曲自在な壁部材をさらに備える、請求項3に記載の折畳式乳母車。
  5. 前記壁部材は、車体フレームと接続されて立ち上がり状態を維持する、請求項4に記載の折畳式乳母車。
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