JP6165527B2 - 車輪保持ユニットおよび乳母車 - Google Patents

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本発明は、車輪を回転可能に保持する車輪保持ユニット、並びに、この車輪保持ユニットを有した乳母車に関する。
従来、乳母車の車輪保持ユニットとして、路面からの振動や衝撃を吸収するサスペンション機能を発現させるため、ゴムやばね等からなる弾性構造体を含むものが知られている(例えば、特許文献1の図5及び図6における弾性体71)。しかしながら、乳母車に乗車する乳幼児の体重の変動に加え、多くの乳母車において座面の下方にかごが搭載されていることから、弾性構造体に加えられる荷重は、広い範囲内で変動することになる。このため、弾性構造体が軟らかく設定されていると、弾性構造体が潰れきってしまい、走行時に振動および衝撃緩和機能を全く発揮しないことがある。その一方で、弾性構造体が固く設定されていると、弾性構造体が、乳母車の走行時に、振動や衝撃緩和機能を有効に発揮しなくなる。
特開2008−254688号公報
本発明は、以上の点を考慮してなされたものであり、走行時にサスペンション機能を有効に発揮できる車輪保持ユニット、並びに、この車輪保持ユニットを有した乳母車を提供することを目的とする。
本発明による第1の車輪保持ユニットは、
車輪と、
前記車輪を回転可能に支持する車輪ホルダと、
前記車輪ホルダを動作可能に支持する支持ブロックと、
少なくとも部分的に前記支持ブロックと前記車輪ホルダとの間に配置され、前記車輪ホルダの前記支持ブロックに対する動作によって変形する第1弾性構造体および第2弾性構造体と、を備え、
前記車輪ホルダの前記支持ブロックに対する動作が開始すると、まず、前記第1弾性構造体のみが前記車輪ホルダと前記支持ブロックとの間で加圧されて変形し、
前記車輪ホルダの前記支持ブロックに対する動作がさらに進むと、前記第2弾性構造体が前記車輪ホルダと前記支持ブロックとの間で加圧されて変形する。
本発明による第1の車輪保持ユニットにおいて、前記車輪ホルダと前記支持ブロックとの間に前記第1弾性構造体のみが配置されているとの仮定において、前記第1弾性構造体を変形させて前記車輪ホルダを前記支持ブロックに対して所定量だけ動作させるのに必要となる力の大きさは、前記車輪ホルダと前記支持ブロックとの間に前記第2弾性構造体のみが配置されているとの仮定において、前記第2弾性構造体を変形させて前記車輪ホルダを前記支持ブロックに対して前記所定量だけ動作させるのに必要となる力の大きさと異なるようにしてもよい。
本発明による第2の車輪保持ユニットは、
車輪と、
前記車輪を回転可能に支持する車輪ホルダと、
前記車輪ホルダを動作可能に支持する支持ブロックと、
少なくとも部分的に前記支持ブロックと前記車輪ホルダとの間に配置され、前記車輪ホルダの前記支持ブロックに対する動作により変形する第1弾性構造体および第2弾性構造体と、を備え、
前記車輪ホルダと前記支持ブロックとの間に前記第1弾性構造体のみが配置されているとの仮定において、前記第1弾性構造体を変形させて前記車輪ホルダを前記支持ブロックに対して所定量だけ動作させるのに必要となる力の大きさは、前記車輪ホルダと前記支持ブロックとの間に前記第2弾性構造体のみが配置されているとの仮定において、前記第2弾性構造体を変形させて前記車輪ホルダを前記支持ブロックに対して前記所定量だけ動作させるのに必要となる力の大きさと異なる。
本発明による第1又は第2の車輪保持ユニットにおいて、前記車輪ホルダと前記支持ブロックとの間に前記第1弾性構造体のみが配置されているとの仮定において、前記第1弾性構造体を変形させて前記車輪ホルダを前記支持ブロックに対して所定量だけ動作させるのに必要となる力の大きさは、前記車輪ホルダと前記支持ブロックとの間に前記第2弾性構造体のみが配置されているとの仮定において、前記第2弾性構造体を変形させて前記車輪ホルダを前記支持ブロックに対して前記所定量だけ動作させるのに必要となる力の大きさよりも小さくなっていてもよい。
本発明による第1又は第2の車輪保持ユニットにおいて、前記車輪ホルダは、前記支持ブロックに対して揺動可能となるよう前記支持ブロックに支持されていてもよい。
本発明による第1又は第2の車輪保持ユニットにおいて、前記第2弾性構造体は、気体を密封した袋であってもよい。
本発明による第1又は第2の車輪保持ユニットにおいて、前記第2弾性構造体は、気体を密封した袋であり、前記袋に、線状に延びる凹部が形成されており、前記車輪ホルダ及び前記支持ブロックの他方は、前記車輪ホルダが前記支持ブロックに対して動作した際に前記凹部内に位置するようになる凸部を有するようにしてもよい。
本発明による第1又は第2の車輪保持ユニットにおいて、前記車輪ホルダが前記支持ブロックに対して動作した際に、前記車輪ホルダ及び前記支持ブロックの一方は、前記袋に形成された角部において当該袋への接触を開始するようにしてもよい。
本発明による第1又は第2の車輪保持ユニットにおいて、前記車輪ホルダと前記支持ブロックとの間に前記第2弾性構造体のみが配置されているとの仮定において、前記第2弾性構造体を変形させて前記車輪ホルダを前記支持ブロックに対して所定量だけ動作させるのに必要となる力の大きさは、前記第2弾性構造体の変形が開始した後、一定ではないようにしてもよい。
本発明による第1又は第2の車輪保持ユニットにおいて、前記第2弾性構造体は、露出していてもよい。
本発明による乳母車は、上述した本発明による第1又は第2の車輪保持ユニットを備える。
本発明によれば、乳母車の走行時に車輪保持ユニットがサスペンション機能を有効に発揮することができる。このため、乳母車への振動や衝撃を効果的に吸収することができ、乳母車の乗り心地を改善することができる。
図1は、本発明の一実施の形態を説明するための図であって、シートの背当て部が立ち上がり且つハンドルが第1位置に配置された状態にて乳母車を示す斜視図である。 図2は、シートの背当て部が倒れ且つハンドルが第2位置に配置された状態にて、図1の乳母車を示す斜視図である。 図3は、シート支持ユニットの背当て部支持要素が立ち上がり且つハンドルが第1位置に配置された状態にて、シートが取り外された図1の乳母車を示す斜視図である。 図4は、シート支持ユニットの背当て部支持要素が倒れ且つハンドルが第2位置に配置された状態にて、シートが取り外された図2の乳母車を示す斜視図である。 図5は、図3の乳母車の側面図である。 図6は、図4の乳母車の側面図である。 図7は、シートが取り外された図1の乳母車を折り畳んだ状態にて示す側面図である。 図8は、シート支持ユニットを中心とした乳母車の一部分を示す図であって、図3の状態での乳母車の側断面図である。 図9は、シート支持ユニットを中心とした乳母車の一部分を示す図であって、シート支持ユニットの背当て部支持要素が倒れた状態での乳母車の側断面図である。 図10は、シート支持ユニットを示す斜視図である。 図11は、シート支持ユニット及び本体フレームの接続部分を幅方向における内方から示す斜視図である。 図12は、シート支持ユニット及び本体フレームの接続部分を幅方向における内方から示す斜視図である。 図13は、シート支持ユニット及び本体フレームの接続部分を幅方向に沿った断面において示す断面図である。 図14は、ハンドルと乳母車本体との接続部分を幅方向外方から示す部分斜視図である。 図15は、ハンドルと乳母車本体との接続部分を幅方向外方から示す側面図である。 図16は、ハンドル及び乳母車本体の接続部分を幅方向における外方から示す斜視図である。 図17は、ハンドル及び乳母車本体の接続部分を幅方向における外方から模式的に示す側面図であって、切り換え機構の動作を説明するための図である。 図18は、ハンドル及び乳母車本体の接続部分を幅方向における外方から模式的に示す側面図であって、切り換え機構の動作を説明するための図である。 図19は、ハンドル及び乳母車本体の接続部分を幅方向における外方から模式的に示す側面図であって、切り換え機構の動作を説明するための図である。 図20は、ハンドル及び乳母車本体の接続部分を幅方向における外方から模式的に示す側面図であって、切り換え機構の動作を説明するための図である。 図21は、ハンドル及び乳母車本体の接続部分を幅方向における外方から模式的に示す側面図であって、切り換え機構の動作を説明するための図である。 図22は、片方の車輪を取り外した状態にて、車輪保持ユニットを示す斜視図である。 図23は、車輪を取り外した状態にて、車輪保持ユニットを示す側面図である。 図24は、車輪保持ユニットの第2弾性構造体を示す斜視図である。 図25は、図23のXXIII−XXIIIに沿った車輪保持ユニットの断面図であって、ロック部材の動作を説明するための図である。 図26は、図25と同様の断面図であって、ロック部材の動作を説明するための図である。 図27は、ロック部材を示す斜視図である。 図28は、シートを広げた状態で示す平面図である。 図29は、図8のシート支持ユニットに支持された状態でのシートを示す側面図である。 図30は、図9のシート支持ユニットに支持された状態でのシートを示す側面図である。 図31は、かごに組み込まれた底パネルおよび後パネルを前方上方から示す斜視図である。 図32は、かごに組み込まれた底パネルおよび後パネルを後方下方から示す斜視図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1〜図32は本発明による乳母車の一実施の形態を説明するための図である。
<<乳母車の概略>>
図1〜図32には、本実施の形態における乳母車10の全体構成が示されている。図示された乳母車10は、本体フレーム15及び本体フレーム15に支持されたシート支持ユニット40を有する乳母車本体11と、シート支持ユニット40に装着されたシート150と、乳母車本体11に接続されたハンドル70と、本体フレーム15の前脚20および後脚21に取り付けられた車輪保持ユニット100と、乳母車本体11に支持されたかご90と、を有している。シート150は、クッション性を有した既知のものを用いることができ、好ましくは、シート支持ユニット40に対して着脱可能となっている。このシート150上に乳幼児が座る又は寝ることになる。また図示されていないものの、幌等の他の部材が、乳母車10にさらに設けられていても良い。
本実施の形態における乳母車10は、図7に示すように前脚20、後脚21およびハンドル70が互いに接近するようにして、折り畳むことが可能となっている。乳母車本体11の多くの構成要素は、折り畳みを可能とするために互いに枢着されている。また、シート150は、柔軟性を有した布材等を用いて形成されており、乳母車10の折り畳み動作にともなって変形可能となっている。
また、本実施の形態において、ハンドル70は、乳母車本体11に接続され且つ乳母車本体11に対して揺動可能となっている。ハンドル70は、図1,図3及び図5に示された第1位置(背面押し位置、後方位置)と、図2,図4及び図6に示された第2位置(対面押し位置、前方位置)と、の間を揺動可能となっている。このため、操作者(保護者)が乳幼児の背面側からハンドル70を把持して乳母車10を操縦し、乳幼児が進行方向の前方を向くようにして乳母車10を走行させること、並びに、操作者が乳幼児に対面する前脚側の位置からハンドル70を把持して乳母車を操縦し、乳母車10の後脚側が進行方向の前方となるようにして乳母車10を走行させること、の両方が可能となっている。
前脚20及び後脚21の少なくとも一方に取り付けられた車輪保持ユニット100は、車輪101を回転可能に保持する回転体110と、車輪101の回転軸線Arと非平行な軸線(「キャスター軸線Ac」とも呼ぶ)を中心として回転体110を回転可能に支持する固定体105と、を有した所謂キャスターとして構成されている。そして、乳母車10には、ハンドル70の位置に応じて自動的に、車輪保持ユニット100の回転体110が固定体105に対して回転可能な状態と回転不可能な状態とに切り換えることができる切り替え機構88が設けられている。とりわけ本実施の形態では、前脚20及び後脚21のすべてにキャスターとして構成された車輪保持ユニット100が設けられ、切り換え機構88は、ハンドル70の位置に応じて、進行方向における前方側に位置する脚に取り付けられた車輪保持ユニット100における回転体110の固定体105に対するキャスター軸線Ac中心とした回転を可能とし、且つ、進行方向における後方側に位置する脚に取り付けられた車輪保持ユニット100における回転体110の固定体105に対するキャスター軸線Ac中心とした回転を規制する。
なお、本明細書中において、乳母車10及びその構成要素に対する「前」、「後」、「上」および「下」の用語は、特に指示がない場合、展開状態にある乳母車10に乗車する乳幼児を基準とした「前」、「後」、「上」および「下」を意味する。したがって、「前後方向」とは、図1〜図4における紙面の左下と右上とを結ぶ方向、並びに、図5及び図6における紙面の左右を結ぶ方向に相当する。そして、特に指示がない限り、「前」とは、乗車した乳幼児が向く側であり、図1〜図4における紙面の左下側、並びに、図5及び図6における紙面の左側が「前側」となる。一方、「上下方向」とは前後方向に直交するとともに乳母車10が置かれた面(地面)に直交する方向である。したがって、乳母車10が置かれている面が水平面である場合、「上下方向」とは鉛直方向をさす。また、「横方向」および「幅方向」とは、「前後方向」および「上下方向」のいずれにも直交する方向である。さらに、「右」および「左」についても、それぞれ、乳母車10に乗車する乳幼児を基準とした横方向または幅方向における「右」および「左」のことを意味する。
図に示すように、乳母車10は、全体的に、前後方向に沿って延びる幅方向中心面を中心として概ね対称な構成となっている。以下、図面を参照しながら、本実施の形態における乳母車10の各構成要素について説明していく。
<<乳母車本体およびハンドル>>
乳母車本体11は、前脚20及び後脚21を有する本体フレーム15と、軸部材13を介して本体フレーム15に接続されたシート支持ユニット40と、を有している。シート支持ユニット40は、軸部材13を介し、本体フレーム15に対して回動可能に取り付けられている。これにより、乳母車10の折り畳み動作および展開動作にともなったシート支持ユニット40の本体フレーム15に対する相対動作が可能となっている。シート支持ユニット40の本体フレーム15に対する回動中心は、軸部材13の軸線方向daに一致しており、とりわけ図示された例では、乳母車10の幅方向に平行となっている。また、本実施の形態では、ハンドル70は、軸部材13を介して、乳母車本体11に揺動可能に取り付けられている。ハンドル70の乳母車本体11に対する回動中心は、軸部材13の軸線方向daに一致しており、したがって乳母車10の幅方向に平行となっている。まず、乳母車本体11のシート支持ユニット40について説明し、次に、乳母車本体11の本体フレーム15について説明し、その後、ハンドル70について説明する。
<シート支持ユニット40>
図2,図3,図8〜10によく示されているように、シート支持ユニット40は、乳母車10に乗車した乳幼児の臀部に下方から対面するようになる座面部支持要素50と、乳母車10に乗車した乳幼児の背中に後方から対面するようになる背当て部支持要素60と、を含んでいる。背当て部支持要素60は、座面部支持要素50に対して揺動可能(傾倒可能)となっている。これにより、乳母車10のリクライニング動作が可能となる。なお、背当て部支持要素60のリクライニング角度は、背当て部支持要素60の背面を通過して本体フレーム15に取り付けられたリクライニング調節ベルト(図示せず)の長さを調節することによって、制御し得る。
座面部支持要素50は、その後方部分に、幅方向に互いから離間して配置された一対の後方接続部54を有している。一方、背当て部支持要素60は、その下方部分に、幅方向に互いから離間して配置された一対の下方接続部62を有している。左側の後方接続部54は、左側の下方接続部62と係合しており、右側の後方接続部54は、右側の下方接続部62と係合している。後方接続部54及び下方接続部62の係合により、背当て部支持要素60は座面部支持要素50に対して揺動可能に接続されている。図示され例では、一対の後方接続部54は、一対の下方接続部62の幅方向内側に位置しているが、この例に限られず、例えば、一対の下方接続部62が、一対の後方接続部54の幅方向内側に位置するようにしてもよい。
図13に示すように、後方接続部54及び下方接続部62には、それぞれ、軸部材13が貫通する貫通孔50a,貫通孔60aが形成されている。図10〜図12から理解され得るように、軸部材13は幅方向に離間して一対配置されている。各軸部材13は、対応する側となる後方接続部54及び下方接続部62の貫通孔50a,貫通孔60aを貫通して延びている。
また、下方接続部62には、軸部材13の軸線方向daを中心とする円周上に設けられ且つ軸線方向daに突出するボス(第1ボス)62aが設けられている。ボス62aは、軸線方向daを中心とする円周の全周上または一部分上に位置するボス面(外表面)を有している。一方、後方接続部54には、ボス62aのボス面62a1を受けるボス受け54aが形成されている。ボス受け54aは、軸部材13の軸線方向daを中心とする円周の全周上または一部分上に位置するボス受け面54a1を有している。後方接続部54及び下方接続部62が相対回動する際、ボス62aのボス面62a1とボス受け54aのボス受け面54a1は相対摺動する。このようにボス62aとボス受け54aが係合することにより、背当て部支持要素60は座面部支持要素50に対して揺動可能となる。とりわけ、ボス62aが軸部材13の軸線方向daを中心とした円周上を延びるため、背当て部支持要素60の座面部支持要素50に対する揺動軸線は、軸部材13の軸線方向daと一致する。また、後方接続部54及び下方接続部62の一方に設けられた各ボス62aが、後方接続部54及び下方接続部62の他方に設けられた対応する側のボス受け54aに入り込むことにより、例えば軸部材13に貫通される前の状態においても、座面部支持要素50及び背当て部支持要素60が、相対揺動可能な状態にて、互いに接続されることになる。なお、図示された例とは異なり、後方接続部54にボスが設けられ、下方接続部62にボス受けが設けられるようにしてもよい。
図13に示された例では、背当て部支持要素60の下方接続部62に、幅方向における内側に突出するボス62aが形成されている。ボス62aは、軸部材13が貫通する貫通孔60aの一部分を形成している。幅方向内方に突出するボス62aは、軸部材13の軸線方向daを中心とした円周上を環状に周回している。一方、座面部支持要素50の後方接続部54に、ボス62aを受けるボス受け54aが形成されている。ボス受け54aは、後方接続部54に形成された軸部材13が通過する貫通孔50aの内周面によって形成されている。したがって、図示された例では、後方接続部54の貫通孔50aは、下方接続部62のボス62aを介して、軸部材13を受けている。このような形態によれば、背当て部支持要素60に形成された貫通孔60aの軸線方向daに沿った長さを長くすることができる。したがって、シート支持ユニット40の軸部材13に対する振れを抑制して、軸部材13を介したシート支持ユニット40と本体フレーム15との相対揺動を円滑化することができる。
以下、図示された本実施の形態における座面部支持要素50及び背当て部支持要素60について、さらに詳述する。座面部支持要素50は、U字状に形成された座面部支持枠51と、座面部支持枠51がなすU字の端部51aにそれぞれ取り付けられた枠端部材53と、座面部支持枠51に張設されたベースシート55と、を有している。なお、ベースシート55は、図10のみに示している。
座面部支持枠51は、一対の側枠部52aと、一対の側枠部52aの間を延びる連結枠部52bと、を有している。一対の側枠部52aは、対称的に構成されて略前後方向に延びている。連結枠部52bは、一対の側枠部52aの前側端部を繋ぐように延びている。座面部支持枠51は、単一の材料、例えばアルミニウムからなる金属製パイプを曲げることによって形成された一体物の部品(部材)とすることができる。枠端部材53は、幅方向に直交する面内を延びる部品(部材)として、例えば樹脂を用いて形成され得る。図示された実施の形態では、枠端部材53が、背当て部支持要素60との接合部となる後方接続部54を形成している。
座面部支持枠51に張った状態で支持されたベースシート55は、例えば布材やメッシュ材から形成されたシート状の部材である。図示されたベースシート55は、座面部支持枠51の一対の側枠部52a及び連結枠部52bにより平面視において三方から囲まれる領域内に少なくとも一部分が位置する主シート部56と、主シート部56に接続または取り付けられた筒状部57及びベルト部58と、を有している。図10に示すように、筒状部57は、主シート部56の前端縁に接続し、幅方向に延びる貫通孔を形成している。また、ベルト部58は、その両端において、主シート部56と接続されており、主シート部56との間に支持貫通穴55aを形成している。主シート部56の後端縁は、次に説明する背当て部支持要素60の下方部分に接続されている。座面部支持枠51の連結枠部52bが筒状部57内を通過し且つ一対の側枠部52aが支持貫通穴55aを通過するようにして、ベースシート55が座面部支持枠51に装着され、ベースシート55が前後方向および幅方向の両方向に張った状態に維持される。
背当て部支持要素60は、平たいプレート状に形成された主プレート部61を有している。座面部支持要素50との接続部となる一対の下方接続部62が、主プレート部61から下方に延出している。なお、詳細な図示を省略しているものの、主プレート部61には、通気用の孔や通気量を調整するためのフィン等が形成されていてもよい。
図2,図3及び図8〜10によく示されているように、シート支持ユニット40は、背当て部支持要素60に接続され背当て部支持要素60に対して揺動可能な上方支持要素41と、上方支持要素41および本体フレーム15にそれぞれ接続された側方支持要素45と、を有している。側方支持要素45は、上方支持要素41と本体フレーム15とに対して揺動可能となっている。図10によく示されているように、本実施の形態において、上方支持要素41は、幅方向に離間して配置された二つの下方連結部41bを介して、背当て部支持要素60に接続している。また、上方支持要素41の両側方に位置する側方連結部41aが、対応する側に位置する側方支持要素45の後上方連結部45bと回動可能に接続されている。一方、側方支持要素45は、その前下方連結部45aにおいて、本体フレーム15に接続されている。本実施の形態では、側方支持要素45の前下方連結部45aは、本体フレーム15の後述する第2リンク要素24に枢着されている。
ただし、図示された例に限られず、一例として、側方支持要素45の前下方連結部45aが、第2リンク要素24ではなく、本体フレーム15の他の部位、座面部支持要素50、背当て部支持要素60等に枢着されていてもよい。
図2〜6,図8及び図9に示すように、背当て部支持要素60の座面部支持要素50に対する揺動にともなって、側方支持要素45は前下方連結部45aを中心として揺動するようになっている。これにより、側方支持要素45は、シート150がリクライニングしているときもそうでないときも、シート150上の乳幼児の側方に位置するようになる。好ましくは、側方支持要素45は、リンクとして機能し、座面部支持要素50に対する背当て部支持要素60の揺動に応じて、背当て部支持要素60に対して上方支持要素41を揺動させるように構成される。本実施の形態に係る乳母車10では、図3及び図5に示すように、背当て部支持要素60が倒れた状態において、上方支持要素41が背当て部支持要素60に対して立ち上がるようになっている。したがって、シート支持ユニット40上で寝ころんだ状態の乳幼児を、一対の側方支持要素45によって側方から保護することができるとともに、上方支持要素41によって後方から保護することもできる。一方、図4及び図6に示すように、背当て部支持要素60が立ち上がった状態において、上方支持要素41が背当て部支持要素60と概ね平行に延びるようになる。したがって、シート支持ユニット40上に座った状態の乳幼児を、一対の側方支持要素45によって側方から保護することができるとともに、上方支持要素41がヘッドレストとして機能する。
また、本実施の形態では、図10に示すように、座面部支持要素50の枠端部材53の間に、連結フレーム要素68が設けられている。そして、ベースシート55と連結フレーム要素68との間を緊張部材(図示せず)が延びるようにし、この緊張部材によって、ベースシート55を張った状態により安定して維持するようにしてもよい。また、連結フレーム要素68によれば、シート支持ユニット40の幅方向外方に位置する部材の内側への倒れ込みを防止することができる。連結フレーム要素68は、例えばアルミニウム等からなる金属製のパイプから形成され得る。
<本体フレーム>
次に、上述してきたシート支持ユニット40を支持する本体フレーム15について詳述する。
図3〜7及び図11〜14に示すように、本体フレーム15は、左右の前脚20及び左右の後脚21と、対応する側の前脚20及び後脚21と接続された第1リンク要素22と、対応する側の第1リンク要素22と接続された第2リンク要素24と、対応する側の前脚20に接続された左右の前脚支持要素32と、対応する側の後脚21に接続された第3リンク要素28と、を有している。前脚20及び後脚21は、それぞれその上方部分において、第1リンク要素22と接続され且つ第1リンク要素22に対して揺動可能となっている。第1リンク要素22は、その後方部分において、第2リンク要素24と接続され且つ第2リンク要素24と相対回動可能となっている。この第1リンク要素22は、アームレストとして機能する。第2リンク要素24は、その下方部分において、第3リンク要素28と接続され且つ第3リンク要素28と相対回動可能となっている。
本実施の形態では、シート支持ユニット40を貫通する軸部材13によって、第2リンク要素24及び第3リンク要素28が相対回動可能に接続されている。また、軸部材13を用いていることから、第2リンク要素24及び第3リンク要素28は、シート支持ユニット40とも相対回動可能となっている。したがって、本体フレーム15の第2リンク要素24、第3リンク要素28、シート支持ユニット40の座面部支持要素50及び背当て部支持要素60は、幅方方向と平行に延びる軸部材13の軸線方向daを中心として相対回動可能となっている。
本実施の形態では、第2リンク要素24は、その上方部分において第1リンク要素22に接続された第2リンク本体25と、第2リンク本体25の下方端部に取り付けられた第2リンク端部材26と、を有している。軸部材13は、第2リンク本体25のうちの第2リンク端部材26が被さっている下方部分を貫通している。したがって、第2リンク本体25及び第2リンク端部材26は、軸部材13が通過して延びる貫通孔25a,26aをそれぞれ形成されている。一方、第3リンク要素28は、その下方部分において、後脚21に接続され且つ後脚21と相対回動可能となっている。第3リンク要素28は、その下方部分において後脚21に接続された第3リンク本体29と、第3リンク本体29の上方端部に取り付けられた第3リンク端部材30と、を有している。軸部材13は、第3リンク要素28のうちの第3リンク端部材30が被さっている上方部分を貫通している。したがって、第3リンク本体29及び第3リンク端部材30は、軸部材13が通過して延びる貫通孔29a,30aをそれぞれ形成されている。
そして、軸部材13を介してシート支持ユニット40と接続された本体フレーム15に、軸部材13の軸線方向daを中心とする円周上に設けられ且つ軸線方向daに突出する第2のボス30bが設けられている。ボス30bは、軸線方向daを中心とする円周の全周上または一部分上に位置するボス面(外表面)30b1を有している。シート支持ユニット40に、第2ボス30bのボス面30b1を受ける第2のボス受け62bが形成されている。ボス受け62bは、軸部材13の軸線方向daを中心とする円周の全周上または一部分上に位置するボス受け面62b1を有している。本体フレーム15及びシート支持ユニット40が相対回動する際、第2ボス30bのボス面30b1と第2ボス受け62bのボス受け面62b1は相対摺動する。このように第2ボス30bと第2ボス受け62bが係合することにより、軸部材13に依らずとも、軸部材13の軸線方向daを中心として、シート支持ユニット40及び本体フレーム15が相対回動可能となる。これにより、軸部材13に加えられる負荷を、ボス30b及びボス受け62bの係合箇所に分散させることができるので、乳母車の耐久性を向上させることができる。また、各ボス30bがボス受け62bに入り込むことにより、例えば軸部材13に貫通される前の組み立て時に、シート支持ユニット40及び本体フレーム15を高精度に位置決めすることができる。なお、図示された例とは異なり、シート支持ユニット40にボスが設けられ、本体フレーム15にボス受けが設けられるようにしてもよい。
図13に示された例では、軸部材13は、第2リンク要素24、第3リンク要素28及びシート支持ユニット40を幅方向外方からこの順番で貫通している。そして、第3リンク要素28の第3リンク端部材30に、幅方向における内側に突出するボス30bが形成されている。幅方向内方に突出するボス30bは、軸部材13の軸線方向daを中心とした円周上を環状に周回している。シート支持ユニット40の背当て部支持要素60の下方接続部62に、ボス30bを受けるボス受け62bが形成されている。ボス受け62bは、幅方向外方に向けて開口した凹部の内面によって形成されている。
また、前脚支持要素32は、その下方部分を前脚20に接続され且つ前脚20と相対回動可能となっている。また、前脚支持要素32は、その上方部分において、シート支持ユニット40と固着されている。本実施の形態に係る乳母車10では、前脚支持要素32は、シート支持ユニット40の座面部支持要素50に固着されている。より詳しくは、各前脚支持要素32は、座面部支持要素50をなす座面部支持枠51の対応する側の側枠部52aと固着されている。図10によく示されているように、前脚支持要素32の上端部には、座面部支持要素50の座面部支持枠51を上方から受ける支持凹部32aが形成されている。座面部支持枠51がこの支持凹部32aの内部に配置された状態で、例えばピン等を用いて、座面部支持枠51と前脚支持要素32とが固着されている。したがって、座面部支持要素50は前脚支持要素32によって下方から支持される。
前脚支持要素32は、細長いシート受け部材33を支持している。シート受け部材33は、その長手方向に沿って、前脚支持要素32に対して摺動可能となっている。シート受け部材33が、前脚支持要素32に対して摺動して前方に延び出すことにより、シート150の前方部分を下方から持ち上げることが可能となる。例えば、シート支持ユニット40の背当て部支持要素60が倒れて乳幼児がシート150上に寝ている場合に、シート受け部材33によって、シート150の前方部分を持ち上げて、乳幼児の足を支持することが可能となる。
図1に示すように、本体フレーム15は、幅方向に延びる構成要素として、一対の前脚20の間を延びるフットレスト17と、一対の後脚21の間を延びる後方連結材18と、一対の第1リンク要素22の間を延びるガード部材19と、を有している。
<ハンドル70>
以上のような構成からなる乳母車本体11に対して、U字状のハンドル70が揺動可能に接続されている。ハンドル70は、U字の両端部を、対応する側の第3リンク要素28に回動可能(揺動可能)に接続されている。本実施の形態では、図13に示すように、乳母車本体11を貫通する軸部材13によって、ハンドル70と乳母車本体11とが相対回動可能に接続されている。とりわけ軸部材13を用いていることから、ハンドル70、本体フレーム15の第2リンク要素24、第3リンク要素28、シート支持ユニット40の座面部支持要素50及び背当て部支持要素60は、幅方方向と平行に延びる軸部材13の軸線方向daを中心として相対回動可能となっている。
本実施の形態では、ハンドル70は、U字状に形成されたハンドル本体71と、ハンドル本体71のU字の両端部にそれぞれ設けられたハンドル端部材74と、ハンドル端部材74に幅方向から隣接して設けられた第1切り換え部材75と、を有している。ハンドル本体71は、下方端にハンドル端部材74をそれぞれ取り付けられた一対のハンドル主部72aと、ハンドル主部72aの上方端の間を延びるハンドル連結部72bと、を有している。軸部材13は、ハンドル本体71のうちのハンドル端部材74が被さっている下方部分と、ハンドル端部材74と幅方向に並んで配置された第1切り換え部材75と、を貫通している。したがって、ハンドル本体71のハンドル主部72a、ハンドル端部材74及び第1切り換え部材75は、軸部材13が通過して延びる貫通孔71a,74a,75aをそれぞれ形成されている。
そして、軸部材13を介してハンドル70と接続された乳母車本体11に、軸部材13の軸線方向daを中心とする円周上に設けられ且つ軸線方向daに突出する第3のボス26bが設けられている。第3ボス26bは、軸線方向daを中心とする円周の全周上または一部分上に位置するボス面(外表面)を有している。ハンドル70に、第3ボス26bのボス面26b1を受ける第3のボス受け75bが形成されている。第3ボス受け75bは、軸部材13の軸線方向daを中心とする円周の全周上または一部分上に位置するボス受け面を有している。ハンドル70が乳母車本体11に対して揺動する際、第3ボス26bのボス面26b1と第3ボス受け75bのボス受け面76b1は相対摺動する。このように第3ボス26bと第3ボス受け75bが係合することにより、軸部材13に依らずとも、軸部材13の軸線方向daを中心として、ハンドル70が乳母車本体11に対して揺動可能となる。これにより、軸部材13に加えられる負荷を、ボス26b及びボス受け75bの係合箇所に分散させることができるので、乳母車の耐久性を向上させることができる。また、各ボス26bがボス受け75bに入り込むことにより、例えば軸部材13に貫通される前の組み立て時に、ハンドル70及び乳母車本体11を高精度に位置決めすることができる。なお、図示された例とは異なり、ハンドル70にボスが設けられ、乳母車本体11にボス受けが設けられるようにしてもよい。
図13〜図15に示された例では、軸部材13は、ハンドル70、第2リンク要素24、第3リンク要素28及びシート支持ユニット40を幅方向外方からこの順番で貫通している。そして、第2リンク要素24の第2リンク端部材26に、幅方向における外側に突出するボス26bが形成されている。幅方向外方に突出するボス26bは、軸部材13の軸線方向daを中心とした円周の一部分上に位置するボス受け面26b1を含んでいる。一方、ハンドル70の第1切り換え部材75に、ボス26bのボス面26b1を受けるボス受け75bが形成されている。ボス受け75bは、幅方向内方に向けて開口した凹部または開口の内面によって形成されたボス受け面76b1を含んでいる。図示されたボス受け75bのボス受け面76b1は、軸部材13の軸線方向daを中心とした円周の一部分上に位置している。円周方向に沿ったボス受け面76b1の長さは、円周方向に沿ったボス面26b1の長さよりも長い。このため、ハンドル70が乳母車本体11に対して揺動する際、ボス26bはボス受け75b内で移動することができる。
また、図14及び図15に示すように、ボス26bは、軸部材13の軸線方向daを中心とした円周の一部分上に位置するボス面26b1とともに、当該円周に沿ってボス面26b1の両側に位置し且つボス面26b1と非平行な一対の端面26b2,26b3を、さらに含んでいる。図示された例において、ボス26bの各端面26b2,26b3は、軸部材13の軸線方向daを中心とする放射方向と平行に形成されている。同様に、ボス受け76bは、軸部材13の軸線方向daを中心とした円周の一部分上に位置するボス受け面76b1とともに、当該円周に沿ってボス受け面76b1の両側に位置し且つボス受け面76b1と非平行な一対の端面76b2,76b3を、さらに含んでいる。図示された例において、ボス受け76bの各端面26b2,26b3は、軸部材13の軸線方向daを中心とする放射方向と平行に形成されている。ハンドル70が第1位置(後方位置)に位置する場合、ボス26bの一方の端面26b2が、ボス受け75bの一方の端面76b2に対面する位置に配置され、第1位置に配置されたハンドル70のさらに後方への揺動を規制する。一方、ハンドル70が第2位置(前方位置)に位置する場合、ボス26bの他方の端部26b3が、ボス受け75bの他方の端部76b3に対面する位置に配置され、第2位置に配置されたハンドル70のさらに前方への揺動を規制する。
ハンドル70は、ハンドル本体71のハンドル主部72aの長手方向に沿ってハンドル70に対して摺動可能な揺動規制部材73を有している。揺動規制部材73は、乳母車本体11に設けられたハンドル固定ピン37(図5及び図6参照)と係合可能となっている。ハンドル固定ピン37と揺動規制部材73とが係合することにより、ハンドル70は、第2位置(対面押し位置)または第1位置(背面押し位置)に係止されるようになる。
<<乳母車の全体的な動作および作用>>
次に、乳母車本体11及びハンドル70に起因する乳母車10の全体的な動作及び作用効果について説明する。まず、以上のような構成からなる乳母車10は、図1〜6に示された展開状態から図7に示された折り畳み状態に折り畳むことができる。折り畳み動作中、乳母車10をなす各構成要素は、幅方向に延びる軸線を中心として、互いに回動(枢動、揺動)する。
具体的には、第1位置に配置されたハンドル70をいったん後上方に引き上げ、その後、下方に押し下げることによって、第3リンク要素28を後脚21に対し図5において時計回り方向に回動させる。この操作にともなって、第1リンク要素22およびシート支持ユニット40の座面部支持要素50が第2リンク要素24に対し図5において時計回り方向に回動する。この操作により、ハンドル70と前脚20とが、乳母車10の側面視において接近して略平行に配置されるとともに、ハンドル70の配置位置が下げられるようになる。以上のようにして、乳母車10を折り畳むことができ、乳母車10の前後方向および上下方向に沿った寸法を小型化することができる。一方、乳母車10を折り畳み状態から展開するには、上述した折り畳み操作と逆の手順を踏めばよい。したがって、この乳母車10において、シート支持ユニット40の一部分(具体的には、座面部支持枠51の側枠部52aのうちの端部51aから前脚支持要素32との固着位置までの部分)および前脚支持要素32が、乳母車10の折り畳み操作時および乳母車10の展開操作時に、一つのリンクとして機能する。
なお、乳母車10には、展開状態から折り畳み状態への乳母車10の動作を規制する状態維持機構35が設けられている。状態維持機構35は、第2リンク要素24の長手方向に沿って第2リンク要素24に対して摺動可能となっている動作規制部材35cを含んでいる。動作規制部材35cは、第3リンク要素28の第3リンク端部材30に向けて付勢され、第3リンク端部材30に形成された係合凹部28aと係合することによって、第2リンク要素24と第3リンク要素28との相対揺動を規制し、これにより、乳母車10の展開状態から折り畳み状態への動作を規制する。また、状態維持機構35は、動作規制部材35cと係合可能な操作部材35bと、操作部材35bを遠隔操作する遠隔操作装置35aと、を更に含んでいる。操作部材35bはハンドル70のハンドル主部72aの長手方向に沿ってハンドル主部72aに対して摺動可能となっている。また、遠隔操作装置35aは、ハンドル70のハンドル連結部72bに設けられ、操作部材35bのハンドル主部72aに対する摺動を遠隔操作可能となっている。遠隔操作装置35aを用いることにより、操作部材35bを介して動作規制部材35cを操作し、動作規制部材35cと第3リンク端部材30との係合を解除することができる。すなわち、遠隔操作装置35aを操作することにより、展開状態にある乳母車10の折り畳み操作を可能にすることができる。
以上のような本実施の形態による乳母車10では、背当て部支持要素60に、軸部材13の軸線方向daを中心とする円周上を延びるボス62aが設けられるとともに、座面部支持要素50に、ボス62aを受けるボス受け54aが形成され、ボス62a及びボス受け54aを介した係合により、背当て部支持要素60が、座面部支持要素50に接続され、且つ、シート支持ユニット40の本体フレーム15に対する回動中心を中心として座面部支持要素50に対して揺動可能となっている。すなわち、ボス62aとボス受け54aとの係合を利用して位置決めすることにより、シート支持ユニット40の背当て部支持要素60と座面部支持要素50とを容易且つ精度良く所定の相対位置で接続することができる。また、ボス62aとボス受け54aとの係合によって背当て部支持要素60と座面部支持要素50とを相対揺動可能に予め所定の位置関係で接続した状態に保つことができるので、軸部材13を用いたシート支持ユニット40の本体フレーム15への組み付けを容易に行うことができる。また、背当て部支持要素60の揺動が軸部材13に対して安定する。このため、リクライニング動作および折り畳み動作をより安定して行うことができる。さらに、軸部材13に加えられる負荷を、ボス62a及びボス受け54aの係合箇所に分散させることができるので、乳母車10の耐久性を向上させることができる。とりわけ、このような作用効果は、軸部材13がより多くの部材を貫通する場合に顕著となる。なお、座面部支持要素50にボスが設けられ、背当て部支持要素60にボス受けが設けられるようにしてもよく、この例においても同様の作用効果を奏することができる。
さらに、乳母車10の製造において、シート支持ユニット40の一部または全部を、予め作製し、次に、作製されたシート支持ユニット40を本体フレーム15に装着することができる。この製造方法によれば、各構成要素を順に取り付けていき乳母車を製造する方法と比較して、乳母車10の生産を容易化、安定化、高効率化することが可能となる。ただし、本発明は、乳母車10の製造方法を限定するものではない。
また、本実施の形態による乳母車10では、本体フレーム15に、軸部材13の軸線方向daを中心とした円周上を延びる第2ボス30bが設けられ、シート支持ユニット40に、第2ボス30bを受ける第2ボス受け62bが形成されている。したがって、ボス30bとボス受け62bとの係合を利用して位置決めすることにより、本体フレーム15とシート支持ユニット40とを容易且つ精度良く所定の相対位置で接続することができ、これにより、軸部材13を用いたシート支持ユニット40の本体フレーム15への組み付けを容易に行うことが可能となる。また、シート支持ユニット40と本体フレーム15との相対回動が安定するので、折り畳み動作を安定して円滑に行うことができる。さらに、軸部材13に加えられる負荷を、ボス30b及びボス受け62bの係合箇所に分散させることができるので、乳母車10の耐久性を向上させることができる。なお、シート支持ユニット40にボスが設けられ、本体フレーム15にボス受けが設けられるようにしてもよく、この例においても同様の作用効果を奏することができる。
さらに、本実施の形態による乳母車10では、乳母車本体11に、軸部材13の軸線方向daを中心とした円周上を延びる第3ボスが設けられ、ハンドル70に、第3ボス26bを受ける第3ボス受けが形成されている。したがって、ボス26bとボス受け75bとの係合を利用して位置決めすることにより、乳母車本体11とハンドル70とを容易且つ精度良く所定の相対位置で接続することができ、これにより、軸部材13を用いた70の乳母車本体11への組み付けを容易に行うことが可能となる。また、ハンドル70と乳母車本体11との相対回動が安定するので、折り畳み動作を安定して円滑に行うことができる。さらに、軸部材13に加えられる負荷を、ボス26b及びボス受け75bの係合箇所に分散させることができるので、乳母車10の耐久性を向上させることができる。なお、ハンドル70にボスが設けられ、乳母車本体11にボス受けが設けられるようにしてもよく、この例においても同様の作用効果を奏することができる。
<<車輪保持ユニット100>>
次に、主として図22〜図27を参照しながら、車輪保持ユニット100について説明する。上述したように、前脚20及び後脚21に取り付けられた車輪保持ユニット100は、すべて、車輪101を回転可能に保持する回転体110と、キャスター軸線Acを中心として回転体110を回転可能に支持する固定体105と、を有した所謂キャスターとして構成されている。そして、乳母車10には、ハンドル70の位置に応じて自動的に、車輪保持ユニット100の回転体110が固定体105に対して回転可能な状態と回転不可能な状態とに切り換えることができる切り替え機構88が設けられている。切り換え機構88については、後述するとして、ここでは、車輪保持ユニット100について詳述する。
一対の前脚20には、同様または左右対称に構成された車輪保持ユニット100が取り付けられ得る。また、一対の後脚21には、同様または左右対称に構成された車輪保持ユニット100が取り付けられ得る。さらに、前脚20及び後脚21には、脚への取り付け部分の構成が異なるだけで、その他について実質的に同様に構成された車輪保持ユニット100が取り付けられ得る。したがって、ここでは、キャスターとして構成された車輪保持ユニット100の一例を説明する。
図22及び図23に示されているように、車輪保持ユニット100は、車軸113を介して車輪101を回転可能に保持する回転体110と、回転体110を回転可能に支持する固定体105と、を有している。固定体105は、対応する前脚20または後脚21に固着される。車輪101の回転軸線Arは、車軸113の軸線方向に一致し、水平方向に延びるようになる。本実施の形態では、固定体105が支持軸部材108を支持しており、回転体110は、固定体105から垂下する支持軸部材108に支持され、支持軸部材108の軸線方向を中心として固定体105に対して回転可能となっている。
図22及び図23に示すように、回転体110は、車輪101を回転可能に支持する車輪ホルダ120と、車輪ホルダ120を動作可能に支持する支持ブロック115と、支持ブロック115及び車輪ホルダ120の間に配置された第1弾性構造体125及び第2弾性構造体127と、を有している。車輪ホルダ120は、車軸113を保持しており、当該車軸113の両側に、車輪101が保持されている。なお、図23では、車輪の図示が省略され、図22では、片側の車輪の図示が省略されている。本実施の形態では、揺動軸部材111を介して、車輪ホルダ120が、支持ブロック115に取り付けられ、揺動軸部材111の軸線方向を中心sc2として支持ブロック115に対して揺動可能となっている。また、図22及び図23に示された例において、回転体110は、車輪ホルダ120に対して揺動可能に取り付けられた制動部材129をさらに有している。制動部材129は、回転軸線Arと平行な方向に突出する制動突出部129aを有している。制動部材129が車輪ホルダ120に対して揺動することにより、制動突出部129aが車輪101と係合するようになり、この状態にて、回転軸線Arを中心とした車輪101の回転が規制される。
第1弾性構造体125及び第2弾性構造体127は、車輪ホルダ120の支持ブロック115に対する動作により変形する。言い換えると、第1弾性構造体125及び第2弾性構造体127は、変形することにより、車輪ホルダ120の支持ブロック115に対する動作を吸収し、サスペンション機能を発揮する。ここで、弾性構造体とは、外力を受けると変形し且つ当該外力を取り除くと少なくとも部分的に元の形状に復元しようとする性質を有した構造体を意味しており、したがって、ゴムや樹脂等の単なる弾性材料のかたまりだけでなく、ばねや後述する気体を密封した袋のように構造的に上述した性質を発現するものも、弾性構造体に含まれる。二つの弾性構造体125,127を含む車輪保持ユニット100では、優れたサスペンション機能を発現する観点から、以下の条件a及び条件bの少なくとも一方が満たされるようになっていることが好ましい。以下の条件a及び条件bは、第1弾性構造体125および第2弾性構造体127の間で、材料、構造、配置、変形可能量等が異なるよう、第1弾性構造体125および第2弾性構造体127を構成することによって実現することができる。
条件a:
車輪ホルダ120の支持ブロック115に対する動作が開始すると、まず、第1弾性構造体125のみが車輪ホルダ120と支持ブロック115との間で加圧されて変形し、車輪ホルダ120の支持ブロック115に対する動作がさらに進むと、第1弾性構造体125に加えて第2弾性構造体127も車輪ホルダ120と支持ブロック115との間で加圧されて変形する。
条件b:
車輪ホルダ120と支持ブロック115との間に第1弾性構造体125のみが配置されているとの仮定において第1弾性構造体125を変形させて車輪ホルダ120を支持ブロック115に対して所定量だけ動作させるのに必要となる力の大きさは、車輪ホルダ120と支持ブロック115との間に第2弾性構造体127のみが配置されているとの仮定において第2弾性構造体127を変形させて車輪ホルダ120を支持ブロック115に対して所定量だけ動作させるのに必要となる力の大きさと異なる。
条件aでは、車輪ホルダ120及び支持ブロック115が相対動作した場合、相対動作の初期の段階では、第1弾性構造体125のみが変形して、第1弾性構造体125のみが車輪ホルダ120及び支持ブロック115の相対動作に抗する。一方、車輪ホルダ120及び支持ブロック115の相対動作が進行すると、第2弾性構造体127が変形を開始し、第2弾性構造体127が車輪ホルダ120及び支持ブロック115の相対動作に抗する。例えば、車輪ホルダ120及び支持ブロック115の相対動作の初期段階に、第2弾性構造体127が、車輪ホルダ120及び支持ブロック115の少なくとも一方に非接触であり、車輪ホルダ120及び支持ブロック115の相対動作が進行すると、第2弾性構造体127が、車輪ホルダ120及び支持ブロック115の両方に接触するようにしてもよい。第2弾性構造体127が車輪ホルダ120及び支持ブロック115の相対動作に抗する際、第1弾性構造体125も、車輪ホルダ120及び支持ブロック115の動作にともなって変形を継続し、第2弾性構造体127が第1弾性構造体125とともに車輪ホルダ120及び支持ブロック115の相対動作に抗するようにしてもよいし、或いは、第1弾性構造体125は、もはや、車輪ホルダ120及び支持ブロック115の相対動作に抗し無いようにしてもよい。
条件bでは、車輪ホルダ120及び支持ブロック115が所定量だけ相対動作する際における第1弾性構造体125の相対動作に抗する抗力と、車輪ホルダ120及び支持ブロック115が同一量だけ相対動作する際における第2弾性構造体127の相対動作に抗する抗力とが異なるように設定される。
次に、図示された本実施の形態における弾性構造体125,127の構成、並びに、弾性構造体125,127の支持に関連した回転体110の構成を、説明する。本実施の形態において、第1弾性構造体125は、ゴム等の弾性体126そのものによって構成されている。図示された弾性体126は、凹部として形成された受け部126aを有している。車輪ホルダ120は、受け部126aに嵌め込まれた支持突起121aを有している。支持突起121aと受け部126aとの係合により、弾性体126からなる第1弾性構造体125が、車輪ホルダ120に保持されている。弾性体126は、略円柱状に形成されており、その長手方向が車輪ホルダ120と支持ブロック115との間を延びるようにして配置されている。車輪ホルダ120が支持ブロック115に対して揺動した場合、弾性体126はその長手方向に沿って圧縮されることになる。このため、車輪ホルダ120と支持ブロック115との相対揺動に対する第1弾性構造体125の抗力は、車輪ホルダ120と支持ブロック115との相対揺動の進行に依らず、略一定となる。
次に、第2弾性構造体127並びに第2弾性構造体127を支持する回転体110の構成について説明する。図22及び図23に示すように、回転体110の支持ブロック115は、上下方向に延びる板状の支持板部116を有している。一方、回転体110の車輪ホルダ120は、支持ブロック115に枢着されたホルダベース121と、ホルダベース121の後方から上方に延び上がる上方延出部122と、を有している。図23に示すように、上方延出部122は、支持ブロック115の支持板部116に対面する位置に配置されている。なお、車輪101を保持するための、車軸113は、車輪ホルダ120のうちの、ホルダベース121と上方延出部122との接続箇所近辺に、保持されている。また、上述した制動部材129は、上方延出部122に枢着されている。
本実施の形態において、第2弾性構造体127は、気体を密封した袋として形成されている。袋をなす材料は、伸張性を有したゴムや樹脂等から構成され得る。図示された例において、第2弾性構造体127は、気体を密封した樹脂製の袋128として形成されている。樹脂製袋128は、透明または半透明となっている。樹脂製袋128は、図示しない留め具を介し、支持ブロック115の支持板部116に支持される。図24に示すように、樹脂製袋128は、大略、立方体状に形成されており、凹部128aと、段差部128bと、留め具受け128cと、を形成されている。
凹部128aは、車輪ホルダ120の上方延出部122に対面する側の面に形成されている。凹部128aは、車輪ホルダ120の支持ブロック115に対する揺動軸線sc2と直交する方向に直線状に延びている。なお、上方延出部122には、凹部128aに対面する位置に凸部123が形成されている。凸部123は、車輪ホルダ120の支持ブロック115に対する揺動軸線sc2と直交する方向に直線状に延びており、車輪ホルダ120が支持ブロック115に動作した際に凹部128aに当接するようになる。
段差部128bは、支持板部116に対面する側の面の下方に設けられている。段差部128bは、揺動軸線sc2と平行な方向に直線状に延びている。また、支持板部116には、段差部128bに対面する位置に段部117を形成されている。一方、留め具受け128cは、樹脂製袋128を支持板部116に固定するための留め具(図示しない)が内蔵される空間を形成している。留め具受け128c内の空間は、螺子等からなる留め具の頭部を受けるための段差が形成されている。
次に、以上のような構成からなる本実施の形態における車輪保持ユニット100の作用及び効果について説明する。
まず、本実施の形態における車輪保持ユニット100は、相対動作可能な支持ブロック115と車輪ホルダ120との間に、車輪ホルダ120の支持ブロック115に対する相対動作により変形する第1弾性構造体125及び第2弾性構造体127が設けられている。この第1弾性構造体125及び第2弾性構造体127が、上述した条件a、すなわち、車輪ホルダ120の支持ブロック115に対する動作が開始すると、まず、第1弾性構造体125のみが車輪ホルダ120と支持ブロック115との間で加圧されて変形し、車輪ホルダ120の支持ブロック115に対する動作がさらに進むと、第1弾性構造体125に加えて第2弾性構造体127も車輪ホルダ120と支持ブロック115との間で加圧されて変形するようになっていることが好ましい。このような乳母車10では、乳母車10への積載荷重が小さい場合、例えば乳母車に乗車した乳幼児の月齢が低く且つかご90に荷物が入っていない場合には、第1弾性構造体127によって走行時における振動や衝撃を効果的に吸収し、優れたサスペンション機能を発揮することができる。その一方で、乳母車10への積載荷重が大きい場合、例えば乳母車10へ乗車した乳幼児の月齢が高く且つかご90に重い荷物が入っている場合には、第1弾性構造体125とは別途の第2弾性構造体127によって、或いは、第1弾性構造体125及び第2弾性構造体127の両方によって、荷重を安定して支持するとともに走行時における振動や衝撃を効果的に吸収し、優れたサスペンション機能を発揮することができる。すなわち、乳母車10への積載荷重の大小に依らず、乳母車10に優れた乗り心地を付与することができる。
また、第1弾性構造体125及び第2弾性構造体127が、上述した条件b、すなわち、車輪ホルダ120と支持ブロック115との間に第1弾性構造体125のみが配置されているとの仮定において第1弾性構造体125を変形させて車輪ホルダ120を支持ブロック115に対して所定量だけ動作させるのに必要となる力の大きさが、車輪ホルダ120と支持ブロック115との間に第2弾性構造体127のみが配置されているとの仮定において第2弾性構造体127を変形させて車輪ホルダ120を支持ブロック115に対して同一量だけ動作させるのに必要となる力の大きさと異なっていることが好ましい。すなわち、車輪ホルダ120と支持ブロック115との相対動作に対する第1弾性構造体125の抗力と、車輪ホルダ120と支持ブロック115との相対動作に対する第2弾性構造体127の抗力とが異なっていることが好ましい。このような乳母車10では、第1弾性構造体125及び第2弾性構造体127の間で、材料、構造、配置、変形可能量等が異なるよう、第1弾性構造体125及び第2弾性構造体127を適宜設計することにより、高い設計の自由度にて、所望のサスペンション機能を車輪保持ユニット100に付与することができる。
さらに、第1弾性構造体125及び第2弾性構造体127が、上述した条件a及び条件bの両方を満たすようにしてもよい。一例として、車輪ホルダ120と支持ブロック115との相対動作に対する第1弾性構造体125の抗力が、車輪ホルダ120と支持ブロック115との相対動作に対する第2弾性構造体127の抗力よりも小さくなっていると、乳母車10への積載荷重が小さい場合に、第1弾性構造体125によって荷重を安定して支持するとともに、第1弾性構造体125によって走行時における振動や衝撃を効果的に吸収することができる。また、乳母車10への積載荷重が大きい場合には、第1弾性構造体125によって、或いは、第1弾性構造体125および第2弾性構造体127によって荷重をより安定して支持するとともに走行時における振動や衝撃を効果的に吸収することができる。したがって、乳母車10への積載荷重の大小の影響を極めて効果的に排除して、乳母車10に優れた乗り心地を付与することができる。
また、上述した実施の形態において、第2弾性構造体127が気体を密封した袋128として構成されている。このような第2弾性構造体127は、袋128の形状や気体の充填量を調整することにより、第2弾性構造体127の抗力、とりわけ、変更の進行にともなった抗力の変化を適正化することもできる。これにより、高い設計の自由度にて、所望のサスペンション機能を車輪保持ユニットに付与することができる。
さらに、上述した実施の形態では、第2弾性構造体127をなす袋128に直線状に延びる凹部128aが形成されている。そして、車輪ホルダ120及び支持ブロック115の一方が、車輪ホルダ120の支持ブロック115に対する揺動軸線sc2に対して凹部128aが直交して延びるように袋128を支持し、車輪ホルダ120及び支持ブロック115の他方が、車輪ホルダ120と支持ブロック115との相対動作時に凹部128a内に位置するようになる凸部123を有している。第2弾性構造体127が気体を密封した袋128であることから、種々の方向に変形可能となるが、凹部128aと凸部123との係合により、車輪ホルダ120及び支持ブロック115の他方と変形可能な第2弾性構造体127が所定の位置関係に維持され、袋128が予定した変形を行う。これにより、期待したサスペンション効果を確保することができる。また、車輪ホルダ120の支持ブロック115に対する動作開始前に、車輪ホルダ120及び支持ブロック115の他方が変形可能な第2弾性構造体127が非接触となっており且つ車輪ホルダ及び支持ブロックの他方と変形可能な第2弾性構造体127が直接的に接続されていないとしても、凹部128aと凸部123との係合により、車輪ホルダ120及び支持ブロック115の他方と変形可能な第2弾性構造体127が所定の位置に維持され、期待したサスペンション効果を安定して確保することができる。
さらに、上述した実施の形態では、段差部128bと段部117との係合により、支持ブロック115の支持板部116上における袋128のずれが規制され、且つ、意図しない方向への樹脂製袋128の変形が抑制されるようになっている。これにより、袋128からなる第2弾性構造体127が、期待されたサスペンション効果を発揮することができる。さらに、上述した実施の形態では、第2弾性構造体127をなす袋128に、段差(つば)部を有する留め具受け128cが形成されている。この留め具受け128cによって、袋128が変形しにくい方向を持つようになり、これにより、車輪ホルダ120と支持ブロック115との相対動作時に袋128の変形は概ね一定となり、期待した所定のサスペンション機能が発現されるようになる。
また、第2弾性構造体127が気体を密封した袋128として構成されている場合、車輪ホルダ120が支持ブロック110に対して動作した際に、車輪ホルダ120及び支持ブロック110の一方は、袋128に形成された角部において当該袋128への接触を開始することが好ましい。気体を密封した袋128からなる第2弾性構造体127は、袋128の角部が変形に対して優れた耐性を示す一方で、角部がいったん変形を開始した後には、車輪ホルダ120の支持ブロック110に対する動作を敏感に吸収するように柔軟に変形することができる。したがって、予想される乳母車10への積載荷重を第2弾性構造体127で安定して支持し得るようにすることができ、さらに、積載荷重を支持した第2弾性構造体127が衝撃や振動を効果的に吸収するサスペンション機能を発揮し得るようにすることができる。
なお、弾性構造体125,127は、気体を密封した袋128である場合に限られず、車輪ホルダ120と支持ブロック115と相対動作に対する弾性構造体125,127の抗力が、弾性構造体125,127の変形が開始した後に、一定ではなく変動するようにしてもよい。このような例においても、車輪ホルダ120と支持ブロック115と相対動作に対する弾性構造体125,127の抗力を適宜設定することにより、乳母車10への積載荷重の大小に依らず、乳母車10に優れた乗り心地を付与することができる。
さらに、弾性構造体125,127の少なくとも一以上が露出している場合、視覚的にサスペンション機能を連想させることができ、乳幼児の保護者に安心感を与えることができる。とりわけ、気体を密封した袋128からなる第2弾性構造体127は、サスペンション機能を強く連想させることができ、とりわけ、袋128が透明または半透明である場合には、サスペンション機能をより強く連想させることができる。
なお、本実施の形態では、車輪保持ユニット100がキャスターとして構成され、回転体110が固定体105に対して回転可能となっているが、これに限られない。回転体110と固定体105とが相対回転可能となっている、すなわち車輪101が旋回不可能となっている車輪保持ユニットに対しても、第1切り換え部材75及び第2切り換え部材80を適用することができ、且つ、第1切り換え部材75及び第2切り換え部材80に起因した上述の作用効果を得ることができる。また、本実施の形態では、車輪保持ユニット100が第1切り換え部材75及び第2切り換え部材80の両方を有している例を示したが、これに限られない。車輪保持ユニット100が第2切り換え部材80のみを有していてもよく、この例においても、第2切り換え部材80のみに起因する上述の作用効果を得ることができる。
<<切り換え機構>>
次に、切り換え機構88について説明する。
<切り換え機構の全体構成>
切り換え機構88は、上述したように、ハンドル70の位置に応じて自動的に、車輪保持ユニット100の回転体110が固定体105に対して回転可能な状態と回転不可能な状態とに切り換える機構である。とりわけ本実施の形態では、前脚20及び後脚21のすべてにキャスターとして構成された車輪保持ユニット100が設けられ、切り換え機構88は、ハンドル70の位置に応じて、進行方向における前方側に位置する脚に取り付けられた車輪保持ユニット100の回転体110の固定体105に対するキャスター軸線Ac中心とした回転を可能とし、且つ、進行方向における後方側に位置する脚に取り付けられた車輪保持ユニット100の回転体110の固定体105に対するキャスター軸線Ac中心とした回転を規制する。より具体的には、切り換え機構88は、ハンドル70が図1,図3,図5に示された第1位置(背面押し位置)に配置された状態にて、前脚20に取り付けられた車輪保持ユニット100における回転体110の固定体105に対する回転を可能とするとともに、後脚21に取り付けられた車輪保持ユニット100における回転体110の固定体105に対する回転を規制する。一方、切り換え機構88は、ハンドル70が図2,図4,図6に示された第2位置(対面押し位置)に配置された状態にて、前脚20に取り付けられた車輪保持ユニット100における回転体110の固定体105に対する回転を規制するとともに、後脚21に取り付けられた車輪保持ユニット100における回転体110の固定体105に対する回転を可能にする。
切り換え機構88は、ハンドル70に設けられ且つハンドル70の揺動にともなって動作可能な第1切り換え部材75と、後脚21に支持され且つ第1切り換え部材75の動作にともなって動作可能な第2切り換え部材80と、車輪保持ユニット100に設けられたロック部材130と、第2切り換え部材80の動作をロック部材130に伝達する伝達手段87とを有している。
このうち第1切り換え部材75は、上述したように、ハンドル70の一部分を構成している。したがって、第1切り換え部材75は、ハンドル70が図1,図3,図5に示された第1位置と図2,図4,図6に示された第2位置との間を揺動する際、ハンドル70の揺動軸線を中心として動作、すなわち回転運動又は周回運動する。なお、本実施の形態では、ハンドル70の揺動軸線daは、ハンドル70を揺動可能に支持する軸部材13の軸線方向daと一致している。また本実施の形態では、図11〜14に示すように、第1切り換え部材75も軸部材13に貫通されているので、第1切り換え部材75は、ハンドル70の揺動にともなって、ハンドル70の揺動軸線daを中心として回動することになる。第2切り換え部材80は、第1切り換え部材75よりも上方となる後脚21上の位置に配置されている。第2切り換え部材80は、後脚21上を摺動可能となっている。
第1切り換え部材75は、ハンドル70の揺動にともなって動作する際に第2切り換え部材80に当接するカム当接面76を有している。一方、第2切り換え部材80は、カム当接面76を受けるカム受け片81を有している。本実施の形態では、重力だけでなく、付勢部材85が、例えば後脚21内に内蔵されており(図19参照)、後述する中継部材83を介して第2切り換え部材80を後脚21に沿って下方に付勢している。付勢部材85からの付勢によって、第2切り換え部材80のカム受け片81と第1切り換え部材75のカム当接面76が当接した状態に維持され得る。そして、本実施の形態においては、ハンドル70の揺動にともなって、カム当接面76のうちのカム受け片81に当接する位置が変化することにより、付勢部材85の付勢力に抗して、第2切り換え部材80が後脚21上を摺動する。
図17〜19に示すように、本実施の形態では、ハンドル70が第1位置から第2位置へ向かうにつれて、カム当接面76のうちのカム受け片81に当接するようになる部位は、乳母車10の側面視において、揺動軸線daから離間していくようになっている。このため、ハンドル70を第1位置から第2位置へ揺動させた場合、第2切り換え部材80は後脚21上を上方に向けて摺動するようになる。逆に、ハンドル70を第2位置から第1位置へ揺動させた場合、第2切り換え部材80は後脚21上を下方に向けて摺動するようになる。
なお、第1切り換え部材75のカム当接面76及び第2切り換え部材80のカム受け片81は、主として第1切り換え部材75を小型化するための、工夫がなされている。第1切り換え部材75のカム当接面76及び第2切り換え部材80のカム受け片81については、後に詳述する。
第2切り換え部材80の摺動にともなって動作するロック部材130は、車輪保持ユニット100に設けられている。車輪保持ユニット100は、上述したように、車輪101と、車輪101を回転可能に支持する回転体回転体110と、前脚20及び後脚21のうちの少なくとも一方に取り付けられ且つキャスター軸線Acを中心として回転体110を回転可能に支持する固定体105と、を有している。さらに、図25及び図26に示すように、ロック部材130は、回転体110の固定体105に対する回転を規制する図26のロック位置と、回転体110の固定体105に対する回転を可能にする図25のロック解除位置と、の間を移動可能となっている。したがって、本実施の形態の切り換え機構88は、ハンドル70の乳母車本体11に対する揺動に応じて、ロック部材130をロック解除位置からロック位置へ或いはロック位置からロック解除位置へ移動させるようになっている。
なお、ロック部材130は、その動作を安定させるための工夫がなされている。そして、ロック部材130、並びに、ロック部材130を保持する車輪保持ユニット100の構造については、後に詳述する。
次に伝達手段87について説明する。伝達手段87は、第2切り換え部材80と車輪保持ユニット100との間に設けられ、第2切り換え部材80の摺動動作を車輪保持ユニット100のロック部材130に伝達し、これにより、ロック部材130をロック位置とロック解除位置との間で動作させように構成されている。本実施の形態では、後脚21内に中継部材83が設けられている。そして、中継部材83は、第2切り換え部材80と接続されており、第2切り換え部材80の後脚21に対する摺動と同期して後脚21内で上下移動する。伝達手段87は、一端を中継部材83に取り付けられ且つ他端をロック部材130に取り付けられたワイヤ材87bと、ワイヤ材87bがその内部を貫通して延びている筒状部材87aとを有している。筒状部材87aの一端は、図19に示すように、後脚21内の中継部材83の近傍となる位置に設けられた保持部84に保持され、筒状部材87aの他端は、図25及び図26に示すように、車輪保持ユニット100のロック部材130の近傍にとなる位置に設けられた保持部107に保持されている。この結果、第2切り換え部材80が後脚21に対して摺動すると、ワイヤ材87bが筒状部材87a内を移動し、ワイヤ材87bの他端に接続したロック部材130が、ワイヤ材87bの動作にともなって移動する。
なお、本実施の形態では、上述したように、前脚20及び後脚21のいずれにもキャスターとして機能する車輪保持ユニット100が取り付けられている。したがって、図5に示すように、中継部材83と前脚用の車輪保持ユニット100との間に一つの伝達手段87が設けられ、中継部材83と後脚用の車輪保持ユニット100との間に他の一つの伝達手段87が設けられている。また、本実施の形態における乳母車10は、上述したように、概ね、幅方向の中心を前後方向に延びる面を中心として左右対称に構成されている。このため、切り換え機構88をなす第1切り換え部材75、第2切り換え部材80及び中継部材83、前脚用の伝達手段87、前脚用の車輪保持ユニット100、後脚用の伝達手段87、並びに、後脚用の車輪保持ユニット100も、左右に設けられている。
<第1切り換え部材のカム当接面および第2切り換え部材のカム受け片>
ここで、主として図16〜図21を参照しながら、第1切り換え部材75のカム当接面76及び第2切り換え部材80のカム受け片81について、さらに詳述する。
上述したように、ハンドル70の揺動にともなって、カム当接面76のうちのカム受け片81に当接する位置が変化することにより、付勢部材85によって第1切り換え部材75に向けて押圧された第2切り換え部材80が後脚21上を摺動する。図17〜19に示すように、本実施の形態では、ハンドル70が第1位置から第2位置へ向かうにつれて、カム当接面76のうちのカム受け片81に当接するようになる部位は、乳母車10の側面視において、揺動軸線daから離間していくようになっている。このため、ハンドル70を第1位置から第2位置へ揺動させた場合、第2切り換え部材80は後脚21上を上方に向けて摺動するようになる。逆に、ハンドル70を第2位置から第1位置へ揺動させた場合、第2切り換え部材80は後脚21上を下方に向けて摺動するようになる。
また、本実施の形態では、カム受け片81のうちのカム当接面76と接触するようになる位置も、ハンドル70の揺動にともなって変化する。図17〜図21に示すように、ハンドル70が乳母車本体11に対して一定の向きに揺動する際、カム受け片81のうちのカム当接面76と接触するようになる位置は、カム当接面76の移動経路における上流側から下流側へと変化する。つまり、カム受け片81のうちのカム当接面76と接触するようになる位置は、ハンドル70とともに動作するカム当接面76と同一の一定の向きへと移動する。このような本実施の形態によれば、図17に示すようにハンドル70が第1位置に配置された状態において、第1切り換え部材75のカム当接面76が、ハンドル70が第1位置から第2位置へ揺動する間に接触するようなる第2切り換え部材80のカム受け片81の部位のうちの一部分のみに対面する位置に配置され、且つ、図21に示すようにハンドル70が第2位置に配置された状態において、カム当接面76が、ハンドル70が第1位置から第2位置へ揺動する間に接触するようなるカム受け片81の部位のうちの一部分のみに対面する位置に配置されるようにすることができる。
すなわち、カム受け片81のうちのカム当接面76と接触するようになる位置が変化しない場合には、例えば、第1切り換え部材75が図21に二点鎖線で示した部分をさらに有するようにして、第1切り換え部材75のカム当接面76をもっと長く作製する必要がある。したがって、本実施の形態によれば、複雑化しやすい切り換え機構88の第1切り換え部材75を小型軽量化することができ、結果として、乳母車10の小型化軽量を実現することができる。とりわけ、ハンドル70の揺動軸線daの近傍は、乳母車10の折り畳み動作や、シート支持ユニット40及びシート150のリクライニング動作等に関連した構成が配置され、スペース的な余裕が少ない。実際に図12に示されているように、第1切り換え部材75のすぐ後方には、状態維持機構35の操作部材35bが設けられている。図示された例では、この操作部材35bとの干渉が生じるため、実質的に図21に二点鎖線で示した延長部分を設けることが不可能である。すなわち、本実施の形態におけるカム当接面76及びカム受け片81の構成は、乳母車10の小型軽量化だけでなく、乳母車10の全体的な設計の自由度を向上させることができる。
このような構成の具体例として、第2切り換え部材80のカム受け片81は、カム当接面76と同様に面、より具体的には、曲面、平面、折れ面等によって構成され得る。その一方で、図示された例のように、第2切り換え部材80のカム受け片81が、第1切り換え部材75のカム当接面76に向けて突出する少なくとも二つのカム受け突出部82a,82bを有するようにしてもよい。このカム受け突出部82a,82bが、ハンドル70の揺動にともなったカム当接面76の移動経路に沿って離間した位置に配置され、ハンドル70の揺動位置に応じてカム当接面76と接触するカム受け突出部82a,82bが変化することができる。カム受け突出部82a,82bを有するカム受け片81の設計および作製は、カム受け片81の全体ではなく、カム受け突出部82a,82bの位置にだけ高い精度が要求される。したがって、カム受け片81の作製を容易に行うことができる。
なお、図示された例において、カム受け突出部82a,82bは、線状に延びる単一のカム受け片81によって形成されているが、カム受け突出部82a,82bが分離して設けられていても良い。
また、ハンドル70が第1位置と第2位置との間の或る位置に配置された際に、カム当接面76が、当該カム当接面76の移動経路に沿って隣り合う二つのカム受け突出部82a,82bに同時に接触するようになっていることが好ましい。上述したように本実施の形態では、第2切り換え部材80が付勢部材85によって第1切り換え部材75に向けて付勢されている。その一方で、カム受け片81のうちのカム当接面76と接触するようになるカム受け突出部82a,82bは、ハンドル70とともに動作するカム当接面76の一定の向きへの移動にともなって、変化する。したがって、カム当接面76が隣り合う二つのカム受け突出部82a,82bに同時に接触するタイミングを設けることにより、カム当接面76と接触するカム受け突出部82a,82bが移り変わる際に、付勢部材85によって第1切り換え部材75と第2切り換え部材80とが衝突することを回避することができる。また、ハンドル70が、揺動可能範囲内を一方の向きに揺動する場合および他方の向きに揺動する場合のいずれにも、すなわち、ハンドル70が第1位置から第2位置へ向かう場合及び第2位置から第1位置へ向かう場合のいずれにも、カム受け突出部82a,82bのカム当接面76への衝突による衝撃や、カム受け突出部82a,82bがカム当接面76の端部76a,76bに接触し且つ乗り越えることによる衝撃を生じさせることなく、ハンドル70円滑な揺動動作を確保することができる。
とりわけ図示された本実施の形態では、第2切り換え部材80のカム受け片81は、二つのカム受け突出部82a,82bであって、ハンドル70が第1位置から第2位置へ向けて移動する際のカム当接面76の移動経路における上流側に位置する第1カム受け突出部82aおよび下流側に位置する第2カム受け突出部82bを有している。そして、図17に示されたハンドル70が第1位置に配置される状態において、カム当接面76は、第1カム受け突出部82a及び第2カム受け突出部82bのうちの第1カム受け突出部82aのみに対面し且つ第1カム受け突出部82aに接触する。また、図21に示されたハンドル70が第2位置に配置された状態において、カム当接面76は、第1カム受け突出部82aおよび第2カム受け突出部82bのうちの第2カム受け突出部82bのみに対面し且つ第2カム受け突出部82bに接触している。このような本実施の形態によれば、カム受け片81のカム当接面76と接触する位置が、カム当接面76の移動に追従して変化するので、カム当接面76の長さを短くすることが可能となっている。すなわち、複雑化しやすい切り換え機構88の第1切り換え部材75を小型軽量化することができ、結果として、乳母車10の小型化軽量を実現することができる。あわせて本実施の形態におけるカム当接面76及びカム受け片81の構成は、上述したように、乳母車10の全体的な設計の自由度を向上させることができる。
さらに、本実施の形態によれば、ハンドル70が図17の第1位置と図21の第2位置との間に位置する図18に示された第1中間位置に配置された際に、カム当接面76は、第1カム受け突出部82a及び第2カム受け突出部86bの両方に対面し且つ第1カム受け突出部82aのみに接触している。一方、ハンドルが図18の第1中間位置と図21の第2位置との間に位置する図20に示された第2中間位置に配置された際に、カム当接面76は、第1カム受け突出部82a及び第2カム受け突出部82bの両方に対面し且つ第2カム受け突出部82bのみに接触している。このような本実施の形態によれば、カム当接面76が隣り合う二つのカム受け突出部82a,82bに同時に接触するタイミングを設けることが可能となる。すなわち、ハンドル70が図18の第1中間位置と図20の第2中間位置との間の図19に示された位置に配置された際に、カム当接面76が、第1カム受け突出部82a及び第2カム受け突出部82bの両方に接触するようにすることができる。このような本実施の形態によれば、上述したように、カム当接面76と接触するカム受け突出部82a,82bが移り変わる際に、カム受け突出部82a,82bのカム当接面76への衝突による衝撃や、カム受け突出部82a,82bがカム当接面76の端部76a,76bに接触し且つ乗り越えることによる衝撃を生じさせることなく、ハンドル70の円滑な揺動動作を確保することができる。
なお、以上のようなカム当接面76及びカム受け片81を実現するため、本実施の形態では、ハンドル70の乳母車本体11に対する揺動軸線daに沿って観察した場合、ハンドル70の乳母車本体11に対する揺動軸線daからカム当接面76の各位置まので直線距離Laは、ハンドル70が第1位置から第2位置へ揺動する際の移動方向前方側となるカム当接面76上の一端76aから移動方向後方側となるカム当接面上の他端76bへ向けて、しだいに長くなっていき、且つ、ハンドル70が図21に示された第2位置へ配置された際に、ハンドル70の乳母車本体11に対する揺動軸線daから第2カム受け突出部82bまでの直線距離Lbは、ハンドル70の乳母車本体11に対する揺動軸線daから第1カム受け突出部82aまでの直線距離Lcよりも短くなっている。
さらに、本実施の形態において、ハンドル70の乳母車本体11に対する揺動軸線daに沿って観察した場合におけるハンドル70の乳母車本体11に対する揺動軸線daからカム当接面71の各位置までの直線距離Laは、ハンドル70が揺動可能な範囲内における一方の側から他方の側へ揺動する際の移動方向前方側となるカム当接面76上の一端76aから移動方向後方側となるカム当接面上の他端76bへ向けて、しだいに長くなっていき、且つ、図16に示すように、ハンドル70の揺動軸線daと平行な方向に沿ったカム当接面76の幅wは、カム当接面76上の一端76aから移動方向後方側となるカム当接面76上の他端76bへ向けて、しだいに広がっていく。このような実施の形態によれば、カム当接面76の幅wは、側面視におけるハンドル70の揺動軸線daからの直線距離Laが長くなるカム当接面76上の位置において広がっている。ハンドル70の揺動軸線daからカム当接面76上の或る位置までの直線距離Laが長くなると、カム当接面76の当該位置がカム受け片81へ当接した際に、カム受け片81をカム当接面76に向けて付勢する付勢部材85からの付勢力はより大きくなる。そして、ハンドル70の揺動軸線daからの直線距離Laが長くなる位置でのカム当接面76の幅wが広くなっているので、付勢部材85からのより大きな付勢力を、カム当接面76のうちのより広幅の部位にて受けることができる。すなわち、カム当接面76の大きさを必要以上に大きくすることなく、第1切り換え部材75及び乳母車10の小型軽量化を図ることができる。また、ハンドル70の揺動にともなった、第1切り換え部材75及び第2切り換え部材80の相対動作をより円滑化することができる。
<ロック部材および車輪保持ユニット>
次に、主として図25〜図27を参照しながら、軸部材130および車輪保持ユニット100のうちのロック部材130と関連する部分について説明する。
上述したように、ロック部材130は、回転体110の固定体105に対する回転を規制する図26のロック位置と、回転体110の固定体105に対する回転を可能にする図25のロック解除位置と、の間を移動可能となっている。図25及び図26に示すように、固定体105は、一方向に延びるとともに回転体105に対面する前記一方向における一側に開口した収容部106を形成されている。本実施の形態において、収容部106は、上下方向に延び、上下方向における下方に向けて開口している。一方、回転体110の支持ブロック115には、固定体105の収容部106と一方向に対面し得る位置に、係合凹部114を形成されている。
ロック部材130は、その長手方向が一方向に沿うようにして収容部106内に配置され、且つ、収容部106内にて摺動可能となっている。ロック部材130が収容部106内にて一方向における他側に移動した位置が図25に示されたロック解除位置であり、ロック部材130は、ロック解除位置において、その全長に亘って固定体105の収容部106内に位置する。したがって、ロック部材130がロック解除位置にある場合、ロック部材130は、固定体105に対する回転体110の回転を規制しない。一方、ロック部材130が収容部106内にて一方向における一側に移動した位置が図26に示されたロック位置であり、ロック部材130は、ロック位置において、その一側端が収容部106外へと延び出す。このときロック部材130の一側端は、回転体110の係合凹部114内に延び入っている。したがって、ロック部材130がロック位置にある場合、ロック部材130は、固定体105に対する回転体110の回転を規制する。
図25及び図26に示すように、固定体105の収容部106内における、ロック部材130の一側となる位置に、圧縮ばね103が配置されている。この圧縮ばね103は、収容部106の一側端面とロック部材130との間で圧縮され、これにより、ロック部材130を一方向における他側から一側へ付勢している。上述したように、ロック部材130には、伝達手段87のワイヤ材87bが接続されている。そして、ハンドル70の揺動にともなってワイヤ材87bが移動し、ロック部材130が圧縮ばね103の付勢力に抗して引き上げられることにより、ロック部材130がロック位置からロック解除位置に移動する。一方、ハンドル70の揺動にともなってワイヤ材87bが移動し、圧縮ばね103の付勢力によってロック部材130が押し下げられることにより、ロック部材130がロック解除位置からロック位置へと移動する。
ところで、本実施の形態におけるロック部材130は、圧縮ばね103の一方向における一側端を受けるばね受け面131aを含んでおり、加えて、ロック部材130は、ばね受け面131aよりも一方向における他側に延出し圧縮ばね103の側方に位置するばね側延出部135を有している。図25に示すように、ロック部材130が収容部106内で一方向における一側に摺動してロック解除位置にある場合、ばね側延出部135の長さは、ばね受け面131aと収容部106の一側端面との間で圧縮された圧縮ばね103の長さよりも若干短くなっている。このようなロック部材130は、圧縮ばね103が配置される領域を利用することによって収容部106の一方向における長さを長くすることなく、その全長を長くすることができる。すなわち、車輪保持ユニット100を大型化及び重量化させることなく、ロック部材130を長くすることができる。そして、ロック部材130を長くすることにより、ロック部材130の確実な摺動を確保するための隙間をロック部材130と収容部106との間に設けたとしても、収容部106内でのロック部材130のがたつきを効果的に抑制して、ロック部材130の円滑な摺動動作を実現することができる。これにより、回転体110が固定体105に対して回転可能な状態と回転体110が固定体105に対して回転不可能な状態との切り換えをより確実に行うことができる。
また、本実施の形態では、図27に示すように、ばね側延出部135は、一対の側壁部136と、一対の側壁部136間を連結する連結壁部137と、を有している。圧縮ばね103の少なくとも一方向における一側の部分は、ばね側延出部135によって三方から囲まれる。したがって、ロック部材130の収容部106内での摺動にともなった圧縮ばね103の圧縮および膨張が、ばね側延出部135によって誘導される。これにより、ロック部材130の収容部106内での摺動動作がさらに安定する。例えば、ロック部材130がロック位置からロック解除位置に移動する場合、圧縮ばね103は圧縮力を受けることになるが、このときに圧縮ばね103が屈曲して一方向に直交する方向に突出してしまうことを効果的に防止することもできる。これにより、ロック部材130の収容部106内での摺動動作がさらに安定する。
さらに、本実施の形態では、図25〜図27に示すように、ロック部材130は、ばね受け面131aを形成し且つばね側延出部135と接続された基部131と、基部131と接続され基部131よりも一方向における一側に延出した車輪側延出部141と、を有している。そして、伝達手段87のワイヤ材87bの端部は、基部131に取り付けられている。また、車輪側延出部141は、一対の側壁部142と、一対の側壁部142間を連結する連結壁部143と、を有している。このようなロック部材130は、その全長を確保することにより収容部106内における円滑な摺動を実現しながら、軽量化を可能にすることができる。
さらに、本実施の形態によれば、図25〜図27に示すように、車輪側延出部141は、一方向における一側端に、先細りする先端テーパ部141aを有している。このようなロック部材130によれば、ロック部材130の一側端が、固定体105の収容部106から延び出して、回転体110の係合凹部114に内に円滑に入り込むことができる。すなわち、ロック部材130のロック解除位置からロック位置への摺動をより円滑化させることが可能となる。
さらに、本実施の形態によれば、図25〜図27に示すように、ロック部材130の車輪側延出部141における先端テーパ部141aに加え、係合凹部114が、一方向における一側端に、先細りする底テーパ部114aを有している。このような車輪保持ユニット100によれば、ロック部材130のロック解除位置からロック位置への摺動を円滑化させながら、且つ、ロック部材130がロック位置にある場合のロック部材130と係合凹部114との間の隙間を少なくすることができる。したがって、回転体110の固定体105に対する回転が可能な状態から回転体110の固定体105に対する回転が規制される状態へ円滑に移行することができるとともに、その後に、回転体110の固定体105に対するがたつきを効果的に防止することができる。これにより、乳母車10の安定した走行を実現することができる。
さらに、本実施の形態によれば、図25〜図27に示すように、圧縮ばね103が圧縮コイルばねであり、且つ、ばね受け面131aを形成するロック部材130の基部131に一方の端部を取り付けられたワイヤ材87bが、圧縮コイルばね103を貫通して延びている。このような車輪保持ユニット100によれば、ロック部材130の収容部106内での摺動にともなった圧縮コイルばね103の圧縮および膨張は、ワイヤ材87b及びばね側延出部135によって誘導される。したがって、ロック部材130の収容部内での摺動動作がさらに安定する。
なお、本実施の形態では、ロック部材130が、伝達手段を介してハンドル70の動作にともなって自動的に動作する例を示したが、これに限られず、ロック部材130及びロック部材130に関連する車輪保持ユニット100の構成は、手動で動作する車輪保持ユニットに適用することができ、このような例においても上述したロック部材130及びロック部材130に関連する車輪保持ユニット100の構成に起因した作用効果を奏することができる。
<<シート150>>
次に、主として図1,図2及び図28〜図30を参照して、シート支持ユニット40上に支持されるシート150について説明する。図28によく示されているように、シート150は、全体的に、前後方向に沿って延びる幅方向中心面を中心として概ね対称な構成となっている。
図1,図2及び図28〜図30に示すように、シート150は、座面部156と、座面部156と接続されて座面部156の後方に位置する背当て部157と、座面部156から両側方に延び出た左右の側面部160と、背当て部157から延び出た左右の上方側面部167と、を有している。座面部156は、乳母車10に乗車する乳幼児の臀部を主として支持するようになる。一方、背当て部157は、乳幼児の背中に対面する位置に配置されるようになる。側面部(第1側面部)160及び上方側面部(第2側面部)167は、乳幼児の側方に位置する側壁部を構成する。また、シート150は、背当て部157の座面部156から離間した上方となる位置に接続された上方部169をさらに有している。図4に示すように、上方部169は、左右の上方側面部167を連結しており、ヘッドレストとして機能する。
上述したように、座面部156は、主として、シート支持ユニット40の座面部支持要素50によって支持される。図28に示すように、座面部156は、その後縁部において背当て部157と接続されており、一対の側縁部においてそれぞれ対応する側の側面部160と接続されている。背当て部157は、主として、シート支持ユニット40の背当て部支持要素60によって支持される。図28に示すように、背当て部157は、平面視において、概ね、矩形形状の一方の短辺を曲線状となるように面取りしてなる形状となっている。背当て部157は、この曲線状に整形された縁部が座面部156から後方または上方に離間するようにして、配置されている。
背当て部157は、その下縁部において、座面部156の後縁部と接続されている。背当て部157と座面部156は、例えば、縫い付けることによって互いに接続され、この場合、背当て部157と座面部156との接続箇所は、線状に延びる縫製ラインによって画成される。乳母車本体11のリクライニング動作や折り畳み動作にともなって、シート150の座面部156および背当て部157は互いに接近するようになる。この際、座面部156および背当て部157は、縫製ラインからなる線状の接続箇所を揺動軸線として、相対的に揺動することができる。
背当て部157の直線状の一対の側縁部には、各上方側面部167が接続されている。また、背当て部157の曲線状の上縁部には、ヘッドレストとして機能する上方部169が接続されている。一対の上方側面部167は、シート支持ユニット40の側方支持要素45に支持され、上方部169は、シート支持ユニット40の上方支持要素41によって支持される。図28に示された例では、一対の上方側面部167および上方部169は、同一の材料によって一体的に構成されている。この例において、一対の上方側面部167及び上方部169は、例えば、縫い付けることによって背当て部157に接続されている。この場合、上方側面部167および上方部169と背当て部157との接続箇所は、略U字状に延びる縫製ラインによって画成される。上述したように、上方支持要素41は、背当て部支持要素60に対して揺動可能となっている。上方支持要素41の背当て部支持要素60に対する揺動にともなって、上方部169は、縫製ラインからなる線状の接続箇所を揺動軸線として、背当て部157に対して揺動することになる。
一方、図1及び図2から理解され得るように、側方支持要素45は、リクライニング動作によらず、背当て部支持要素60によって画成される面に対して起立した状態に維持されている。したがって、リクライニング動作によらず、側方支持要素45に支持される上方側面部167は、背当て部157にもたれかかる乳幼児の側方に起立している。上方側面部167は、乳幼児の頭部の側方に位置するようになる上方において広い幅を有している。一方、座面部156に接近する下方において狭い幅を有しており、図29及び図30から理解され得るように、座面部156と背当て部157との接近を阻害しないように構成されている。
座面部156、背当て部157、上方側面部167および上方部169は、乳母車10に乗車する乳幼児に直接接触し得る。このため、座面部156、背当て部157、上方側面部167および上方部169は、クッション性を有した布材を用いて構成されており、例えば、クッション性を有したスポンジ等の材料を二つの布地で挟んでなる布材や、クッション性を有した布地のそのものからなる布材を用いて構成され得る。また、座面部156、背当て部157、上方側面部167および上方部169に用いられる布材が、補強板等を含んで補強されていてもよい。また、シート150を洗浄することを考慮すると、シート150は、乳母車本体11に取り外し可能に固定され得ることが好ましい。シート150の乳母車本体11への固定は、シート150の各位置に取り付けられたボタン等の公知の連結具を用いて実現され得る。
次に、左右の側面部160について詳述する。図28〜図30に示すように、各側面部160は、座面部156に接続された側面本体部161と、少なくともその一部分が対応する側の上方側面部167の裏面に対面する位置に配置され且つ側面本体部161と背当て部157及び上方側面部167の少なくとも一方とに接続された側面連結部165と、を有している。外観面を考慮すると、リクライニング状態によらず、すなわち、図2および図30に示すように背当て部157が座面部156に対して最も倒れている状態においても、側面本体部161の後方側の縁部が上方側面部167の裏面に対面する位置まで延びていること、言い換えると、側面連結部165が、上方側面部167及び/又は背当て部157の裏面側に位置して、乳幼児に対面する側に露出していないことが好ましい。なお、ここでは、乳母車10に乗車した乳幼児に対面する表面の反対側の面を「裏面」と呼ぶ。
図示された例では、左側の側面部160の側面連結部165は背当て部157の左側の側縁部に接続され、右側の側面部160側面連結部165は、背当て部157の右側の側縁部に接続されている。また図示された例では、左側の側面部160の側面連結部165が、背当て部157と左側の上方側面部167との接続箇所に裏面の側から接続され、右側の側面部160の側面連結部165が、背当て部157と右側の上方側面部167との接続箇所に裏面の側から接続されている。各側面部160の側面連結部165は、背当て部157の対応する側の側縁部および対応する側の上方側面部167の両方と重ねて縫着されていてもよい。一方、図示された例では、左側の側面部160の側面本体部161は、座面部156の左側の側縁部に接続され、さらに、背当て部157の下方部分における左側の側縁部に接続されている。同様に、右側の側面部160の側面本体部161は、座面部156の右側の側縁部に接続され、さらに、背当て部157の下方部分における右側の側縁部に接続されている。各側面部160の側面本体部161は、座面部156及び背当て部157の対応する側の側縁部と重ねて縫着されていてもよい。
図示された例において、各側面部160は、その側面本体部161および側面連結部165において、座面部156及び背当て部157に対して連続的に接続している。とりわけ図示された例では、各上方側面部167と背当て部157との接続箇所の下方端の位置が、側面部160の背当て部157への接続縁のうちの側面本体部161と側面連結部165との境界となる位置と、一致している。
なお、側面部160が、幅方向内方に倒れ込むことや、幅方向外方に変形して幅方向に広がることをより効果的に防止する観点からは、側面部160の側面連結部165が、側面部160の側面本体部161よりも変形しやすくなっていることが好ましい。一例として、側面部160の側面連結部165を、側面部160の側面本体部161よりも変形しやすい布地を用いて形成することが好ましい。具体的には、側面本体部161を、上述した座面部156、背当て部157、上方側面部167および上方部169と同様にクッション性を有した材料から構成し、側面連結部165を単なる布地から構成するようにしてもよい。
側面本体部161は、座面部156から起立した姿勢に保持され、乳母車10に乗車した乳幼児に側方から対面する。この点から、乳幼児に接触し得る側面本体部161が、クッション性を有した材料を用いて形成されていることが好ましい。例えば、側面本体部161が、クッション性を有したスポンジ等の材料を二つの布地で挟んでなる布材等、自立性を有した布材を用いて構成されていることが好ましい。
また、図28〜図30によく示されているように、各側面部160の側面本体部161には、第1折り目162aおよび第2折り目162bが、形成されている。図28〜図30によく示されているように、折り目162a,162bは、座面部156と背当て部157との揺動軸線となる座面部156と背当て部157との接続箇所の側端を中心とする放射線の経路を概ね辿るようにして延びている。側面本体部161は、二つの折り目162a,162bによって、座面部156と接続された第1部分161aと、側面連結部165と接続された第3部分161cと、第1部分161aと第3部分161cとの間に配置された第2部分161bと、に区画される。
折り目162a,162bは、側面本体部161の他の箇所よりも変形しやすくなされた線状に延びる領域である。図示された例において、折り目162a,162bは、クッション性を有した布材に形成された縫製ラインとして形成されている。また、縫製ライン以外の形態として、線状に並べて形成された貫通孔や、熱圧縮されたラインによって、折り目162a,162bが形成されていてもよい。
図28〜図30によく示されているように、各側面部160の裏面側には、補強部材163a,163b,163cが、それぞれ設けられている。補強部材163a,163b,163cは、側面本体部161よりも変形しにくい材料、例えばポリプロピレンのような樹脂によって形成された板状の部材であり、各側面本体部161の第1〜第3部分161a,161b,161cにそれぞれ取り付けられている。
加えて、図28に示すように、シート150は、上方側面部167および上方部169の背当て部157から離間した外縁部から延び出たカバー170をさらに有している。図1および図2に示されているように、カバー170は、背当て部157、上方側面部167および上方部169の裏面の一部を覆い隠すようになっている。また、上方側面部167の裏面に対面して配置された側面部160の側面本体部161および側面連結部165の一部分が、カバー170によって覆われる。なお、カバー170の図示は、図29及び図30で省略されている。
ところで、図28に示すように、シート150の側面部160には、シート支持ユニット40に取り外し可能に連結される連結具153が設けられている。連結具153は、側面本体部161のうちの第3部分161cに設けられている。とりわけ図示された例において、連結具153は、第3部分161cの裏面に取り付けられており、座面部156及び背当て部157から離間する側となる第3部分161cの縁部(上縁部)の近傍且つ側面連結部165の近傍となる位置に配置されている。一方、シート支持ユニット40のうちのリクライニング動作時に本体フレーム15に対して相対揺動する部材に、この連結具153と係合可能な連結具46が設けられている。シート150とシート支持ユニット40とは、連結具153,46を介して互いに連結されている。一対の連結具153,46は、ボタン、バックル、ホックとループ、面ファスナから構成され得る。
図8,図9,図10及び図11に示すように、図示された例では、シート支持ユニット40の側方支持要素45に、連結具46が取り付けられている。側方支持要素45のうちの連結具46が設けられている部位は、乳母車10の側面視において、側方支持要素45の本体フレーム15への揺動軸線sc1となる前下方連結部45aからずれた位置であって揺動軸線sc1の近傍となる位置に配置されている。また、図8及び図9に示すように、側方支持要素45のうちの連結具46が設けられている部位は、乳母車10の側面視において、側方支持要素45が本体フレーム15に対して上方に揺動した状態にて、当該側方支持要素45の本体フレーム15に対する揺動軸線SC1よりも上方に位置し、側方支持要素45が本体フレーム15に対して後方に揺動した状態にて、側方支持要素45の本体フレーム15に対する揺動軸線sc1よりも後方に位置している。さらに、側方支持要素45のうちの連結具46が設けられている部位は、乳母車10の側面視において、側方支持要素45が本体フレーム15に対して上方に揺動した状態において、側方支持要素45が本体フレーム15に対して後方に揺動した状態よりも、前方且つ上方に位置する。
次に、以上のような構成からなる本実施の形態におけるシート150の作用及び効果について説明する。
まず、本実施の形態によれば、シート150の側面部160と、シート支持ユニット40とが、連結具46,153を介して取り外し可能に連結されている。したがって、図1及び図2、或いは、図29及び図30に示すように、乳母車本体11のリクライニング動作等にともなって幅方向内方に倒れ込むこと或いは幅方向外方に広がることを効果的に抑制することができる。すなわち、本実施の形態によれば、側面部160が内側に倒れ込んで、側面部160が乳母車本体11から離間してしまうことを効果的に防止することができる。したがって、シート150と乳母車本体11との間に衣服等が挟まれてしまうことを効果的に回避することができる。また、内側へ倒れ込んだ側面部160は、乳幼児を乳母車10に乗車させる際に、乳幼児が座面部156に座ることを阻害することにもなる。このため、側面部160の内側への倒れ込みを防止することにより、安定してかつ容易に、乳幼児を乳母車10に適切に乗車させることが可能となる。さらに、側面部160の内側への倒れ込みを防止することは、外観上の面でも好ましい。加えて、側面部160が幅方向外方に広がることが効果的に防止されるので、乳母車本体11の折り畳み動作時および展開動作時に側面部160が乳母車本体11に干渉してしまうことを効果的に回避することができる。これにより、乳母車10の折り畳み操作および展開操作を安定して実施することが可能となる。
また同時に、連結具46は、シート支持ユニット40のうちの、リクライニング動作時に本体フレーム15に対して相対揺動する部材、具体的には、側方支持要素45に設けられている。したがって、シート150の側面部160のうちの、連結具46,153を介して側方支持要素45と接続されている部分および少なくともその近傍となる部分が、乳母車10のシート支持ユニット40のリクライニング動作にともなって、動作することができる。したがって、連結具46,153の取り付け位置を適宜設定しておくことにより、リクライニング動作によって移動する背当て部157に対し、側面部160を常に適切な位置に配置することが可能となる。これにより、シートの側面部の幅方向内方への倒れ込みや幅方向外方への広がりを十分に抑制しながら、合わせて、背当て部に対してシートの側面部が適切に位置することが可能となる。
また、上述した実施の形態では、側方支持要素45のうちの連結具46が設けられている部位は、乳母車10の側面視において、側方支持要素45の本体フレーム15への揺動軸線sc1となる前下方連結部45aからずれた位置であって揺動軸線sc1の近傍となる位置に配置されている。したがって、背当て部157に対して側面部160を適切に配置することを可能する一方で、背当て部157のリクライニング動作にともなって側面部160の連結具153を取り付けられた部位が大きく移動してしまい、側面部160のうちの連結具153を設けられている部位以外の部分、例えば、側面部160のうちの座面部156に接続されている部分と連結具153が設けられている部分との間の部分、より詳しくは、側面本体部161の第2部分161bが幅方向内方または外方に倒れてしまうことをより安定して防止することができる。
さらに、本実施の形態では、図8及び図9に示すように、側方支持要素45のうちの連結具46が設けられている部位は、乳母車10の側面視において、側方支持要素45が本体フレーム15に対して上方に揺動した状態にて、当該側方支持要素45の本体フレーム15に対する揺動軸線SC1よりも上方に位置し、側方支持要素45が本体フレーム15に対して後方に揺動した状態にて、側方支持要素45の本体フレーム15に対する揺動軸線sc1よりも後方に位置している。さらに、側方支持要素45のうちの連結具46が設けられている部位は、乳母車10の側面視において、側方支持要素45が本体フレーム15に対して上方に揺動した状態において、側方支持要素45が本体フレーム15に対して後方に揺動した状態よりも、前方且つ上方に位置する。したがって、背当て部157が座面部156に対して立ち上がり、乳幼児がシート150上に着座している状態において、側面部160は、相対的に、前方に移動して上方に引き上げられる。これにより、側面部160によって、乳母車10に着座した乳幼児を側方から適切に保護することができる。一方、背当て部157が座面部156に対して倒れ、乳幼児がシート150上に寝ている状態において、側面部160は、相対的に後方に移動する。これにより、側面部160及び上方側面部167によって、乳母車10に寝ころんだ乳幼児を側方から適切に保護することができる。
さらに、本実施の形態によれば、乳母車本体11に装着されるシート150の側壁となる部分が、座面部156の側から延び出た側面部160と、背当て部157から延び出た上方側面部167と、に分割されている。したがって、図1及び図2、或いは、図29及び図30に示すように、乳母車本体11のリクライニング動作等にともなって、背当て部157が倒れた状態から立ち上がった際には、側面部160と上方側面部167とが相対的に移動することができる。このため、側面部160が、例えば、幅方向内方に倒れ込むこと、或いは、幅方向への何らかの変形をきたして幅方向外方に広がることを効果的に抑制することができる。
また、側面部160は、上方側面部167へ裏面側から対面する位置に配置された側面連結部165によって背当て部157に接続されている。このため、シート150の取り扱いが容易となる。
さらに、本実施の形態によれば、側面連結部165は、側面本体部161の材料よりも変形しやすい材料によって構成されている。このようなシート150によれば、乳母車本体11のリクライング動作や折り畳み動作にともなって、シート150の背当て部157が座面部156に対する傾斜角度を変化させる際に、背当て部157および座面部156を連結する側面部160は、上方側面部167の裏面側に位置する側面連結部165において変形しやすくなり、側面本体部161での変形を抑制される。これにより、座面部156と背当て部157とが接近して上方側面部167と側面部160とが相対移動する際に、側面部160の側面本体部161が、幅方向内方に倒れ込むことや幅方向外方に広がることをより効果的に防止することができる。
さらに、上述した実施の形態によれば、側面部160は、座面部156及び背当て部157の接続箇所の側方端となる位置を通過して線状に延びる接続箇所を介し、座面部156及び背当て部157と接続されている。このため、乳母車10に乗車した乳幼児の腰部分の近傍となる位置において、シート150に穴または隙間が形成されることを防止することができ、安全面の上で好ましい。
さらに、上述した実施の形態によれば、側面連結部165と背当て部157との接続箇所、並びに、側面連結部165と側面本体部161との境界が、概ね、座面部156と背当て部157との揺動軸線を中心とする放射線の一軌跡に沿って延びるようになる。したがって、乳母車本体11のリクライング動作や折り畳み動作にともなって、シート150の背当て部157が座面部156に対する傾斜角度を変化させる際に、背当て部157および座面部156を連結する側面部160は、上方側面部167に裏面側に位置する側面連結部165において変形しやすくなる。これにより、側面部160の側面本体部161が、幅方向内方に倒れ込むことや幅方向外方に広がることをより効果的に防止することができる。
さらに、本実施の形態によれば、側面部160の側面本体部161に第1折り目162a及び第2折り目162bが形成されている。そして、これらの折り目162a,162bは、概ね、座面部156と背当て部157との揺動軸線を中心とする放射線状に延びるようになる。例えば乳母車10の折り畳み時のように、背当て部157と座面部156とが非常に接近するような場合、側面部160は、側面連結部165において変形するだけでなく、第1折り目162a及び第2折り目162bにおいて折れ曲がり、第1部分161a、第2部分161b及び第3部分161cが重なるようにして側面本体部161が折り畳まれ得る。これにより、乳母車10の折り畳み時における、側面部160の幅方向内方への倒れ込み及び幅方向外方への広がりを効果的に防止することができる。
さらに、本実施の形態によれば、側面本体部161の第1〜第3部分第1部分161a,161b,161cのそれぞれに、補強部材163a,163b,163cが設けられている。この補強部材163a,163b,163cによっても、背当て部157のリクライニング時や乳母車10の折り畳み時における、側面部160の幅方向内方への倒れ込み及び幅方向外方への広がりを効果的に防止することができる。とりわけ、第3部分161cに設けられた補強部材163cは、連結具153の近傍に配置されている。したがって、側方支持要素45の動作にともなって側面部160が動作したとしても、側方支持要素45と側面部160とを連結する連結具46,153の近傍に位置する補強部材163cによって、側面部160が側面部160の幅方向内方への倒れ込み及び幅方向外方への広がりを効果的に防止することができる。
<<かご90>>
次に、主として図5,図7,図31及び図32を参照しながら、かご90について説明する。かご90は、乳母車本体11に取り付けられ、シート支持ユニット40の下方となる位置に支持されている。図5に示すように、かご90は、底面91と、前面93と、後面92と、前面93と後面92との間を延びる一対の側面94と、を有している。このうち底面91は、底パネル96を含んでいる。また、後面92は、底パネル96の後方部分、図示された例では後方縁に接続された後パネル97を含んでいる。底パネル96及び後パネル97は、それぞれ、布材で被覆されるようにして底面91及び後面92に含まれるようにしてもよい。後パネル97は、底パネル96に対して幅方向に延びる軸線dbを中心として揺動可能となっている。図5に示すように、前面93または側面94の前方部分と、側面94の中間部分とが、乳母車本体11に接続されている。この結果、かご90の後方部分が、シート支持ユニット40の後方に露出して開口している。
図31及び図32には、底パネル96及び後パネル97が図示されている。図31に示された具体例では、底パネル96の上面(かご90の内側となる面)の後方部分と接続材98が、幅方向に沿った縫い目98aにより、互いに接続され、且つ、後パネル97の前面(かご90の内側となる面)の下方部分と接続材98が、幅方向に沿った縫い目98aにより、互いに接続されている。底パネル96及び後パネル97は、例えば、或る程度の剛性を持った自立可能な材料を用いて形成され、接続材98は、例えば布地のような柔軟性を有した材料から形成される。これにより、底パネル96及び後パネル97は、互いに接続され且つ互いに対して揺動可能となっている。
また、底パネル96及び後パネル97に取り付けられ且つ底パネル96及び後パネル97の間を延びる付勢部材99が設けられている。付勢部材99は、かご90の後面92が底面91から後方に倒れるように付勢している。図32に示された具体例では、付勢部材99は、例えばゴムからなる弾性材であり、伸張した状態にて一方の端部を底パネル96に取り付けられ且つ他方の端部を後パネル97に取り付けられることにより、付勢力を生じさせている。
以上のように本実施の形態における90では、付勢部材99によって、かご90の後面92が底面91から後方に倒れるように付勢されている。したがって、かご90の後面92が後方に展開しているので、荷物の出し入れを容易化することができる。また、かご90の内部を視認しやすくなっているので、かご90からの荷物の取り忘れを効果的に防止することができる。さらに、荷物の取り忘れが効果的に防止されるので、荷物の取り忘れに起因して乳母車10の折り畳み動作が阻害されてしまうことを効果的に防止することができる。
また、図5に示すように、側面94の上縁は、側面補強縁94aとして形成され、前面93と後面92との間で緊張した状態に維持されている。かご90の側面94が緊張して内側に倒れ込まないので、荷物の出し入れを容易化することができる。また、かご90の内部を視認しやすくなっているので、かご90からの荷物の取り忘れを効果的に防止することができる。さらに、荷物の取り忘れが効果的に防止されるので、荷物の取り忘れに起因して乳母車10の折り畳み動作が阻害されてしまうことを効果的に防止することができる。
さらに、本実施の形態では、乳母車本体11が折り畳み可能に構成されている。そして、図7に示す乳母車本体11が折り畳まれた際の側面視において、かご90の後面92は、付勢部材99からの付勢力によって、乳母車本体11の展開時における上縁が乳母車本体11の展開時における下縁よりも下方に位置するよう、傾斜することができる。このような乳母車10を折り畳んだ際、かご90内に収納されていた荷物は、後面92の傾斜によってかご90内から自動的に出てこようとする。この点からも、かご90からの荷物の取り忘れを効果的に防止することができ、荷物の取り忘れに起因して乳母車10の折り畳み動作が阻害されてしまうことを効果的に防止することができる。
さらに、本実施の形態では、図7に示す乳母車本体11が折り畳まれた際の側面視において、かご90の底面91が、乳母車本体11の展開時における後縁が乳母車本体11の展開時における前縁よりも下方に位置するよう、傾斜することができる。このような乳母車10を折り畳んだ際、かご90内に収納されていた荷物は、底面91の傾斜によってかご90内から自動的に出てこようとする。この点からも、かご90からの荷物の取り忘れを効果的に防止することができ、荷物の取り忘れに起因して乳母車10の折り畳み動作が阻害されてしまうことを効果的に防止することができる。
10 乳母車
100 車輪保持ユニット
113 車軸
115 支持ブロック
120 車輪ホルダ
123 凸部
125 第1弾性構造体
127 第2弾性構造体
128 袋
128a 凹部

Claims (8)

  1. 車輪と、
    前記車輪を回転可能に支持する車輪ホルダと、
    前記車輪ホルダを動作可能に支持する支持ブロックと、
    少なくとも部分的に前記支持ブロックと前記車輪ホルダとの間に配置され、前記車輪ホルダの前記支持ブロックに対する動作によって変形する第1弾性構造体および第2弾性構造体と、を備え、
    前記車輪ホルダは、前記支持ブロックに対して揺動可能となるよう前記支持ブロックに支持され、
    前記第2弾性構造体は、気体を密封した袋であり、
    前記車輪ホルダの前記支持ブロックに対する動作が開始すると、まず、前記第1弾性構造体のみが前記車輪ホルダと前記支持ブロックとの間で加圧されて変形し、
    前記車輪ホルダの前記支持ブロックに対する動作がさらに進むと、前記第2弾性構造体が前記車輪ホルダと前記支持ブロックとの間で加圧されて変形する、車輪保持ユニット。
  2. 前記車輪ホルダと前記支持ブロックとの間に前記第1弾性構造体のみが配置されているとの仮定において、前記第1弾性構造体を変形させて前記車輪ホルダを前記支持ブロックに対して所定量だけ動作させるのに必要となる力の大きさは、前記車輪ホルダと前記支持ブロックとの間に前記第2弾性構造体のみが配置されているとの仮定において、前記第2弾性構造体を変形させて前記車輪ホルダを前記支持ブロックに対して前記所定量だけ動作させるのに必要となる力の大きさと異なる、請求項1に記載の車輪保持ユニット。
  3. 前記車輪ホルダと前記支持ブロックとの間に前記第1弾性構造体のみが配置されているとの仮定において、前記第1弾性構造体を変形させて前記車輪ホルダを前記支持ブロックに対して所定量だけ動作させるのに必要となる力の大きさは、前記車輪ホルダと前記支持ブロックとの間に前記第2弾性構造体のみが配置されているとの仮定において、前記第2弾性構造体を変形させて前記車輪ホルダを前記支持ブロックに対して前記所定量だけ動作させるのに必要となる力の大きさよりも小さい、請求項1または2に記載の車輪保持ユニット。
  4. 前記袋に、線状に延びる凹部が形成されており、
    前記車輪ホルダ及び前記支持ブロックの他方は、前記車輪ホルダが前記支持ブロックに対して動作した際に前記凹部内に位置するようになる凸部を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の車輪保持ユニット。
  5. 前記車輪ホルダが前記支持ブロックに対して動作した際に、前記車輪ホルダ及び前記支持ブロックの一方は、前記袋に形成された角部において当該袋への接触を開始する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の車輪保持ユニット。
  6. 前記車輪ホルダと前記支持ブロックとの間に前記第2弾性構造体のみが配置されているとの仮定において、前記第2弾性構造体を変形させて前記車輪ホルダを前記支持ブロックに対して所定量だけ動作させるのに必要となる力の大きさは、前記第2弾性構造体の変形が開始した後、一定ではない、請求項1〜5のいずれか一項に記載の車輪保持ユニット。
  7. 前記第2弾性構造体は、露出している、請求項1〜6のいずれか一項に記載の車輪保持ユニット。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の車輪保持ユニットを備える、乳母車。
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