JP2011062035A - ダイナミックブレーキ回路保護装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータ制御装置に設けられたダイナミックブレーキ回路に関し、DB回路の異常を検出し、モータを緊急に停止することができなくなる課題を未然に防止するダイナミックブレーキ保護装置を提供する。
【解決手段】モータの出力端子間をダイナミックブレーキ抵抗を介して短絡し、モータを緊急停止させるダイナミックブレーキ回路において、ダイナミックブレーキ抵抗の温度を検出する温度開閉器をダイナミックブレーキ抵抗と直列に接続し、ダイナミックブレーキ抵抗に隣接しダイナミックブレーキ抵抗の温度を検出する温度センサと、温度センサからの温度情報でダイナミックブレーキ抵抗の異常発熱を検出する異常検出回路を備え、前記異常検出回路で異常発熱を検出した場合、モータの駆動を禁止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、モータ制御装置に設けられたダイナミックブレーキ(以下DBと称す)回路に関し、DB回路の異常を検出し、モータを緊急に停止することができなくなる課題を未然に防止する保護装置に関する。
従来、半導体製造装置やロボット、各種工作機械などのFAシステム装置にはサーボモータがよく利用されている。これらFA分野では異常発生時に装置の破壊や安全のために可動部を緊急停止する必要があり、一般的にサーボモータ制御装置にはDB回路を内蔵している。
図5にDB回路を内蔵したサーボモータ制御装置の構成図を示す。DB回路16はリレー9、DB抵抗10で構成され、サーボモータ5が回転時に発生する逆起電力を、リレー9を介してDB抵抗10を導通させることでブレーキトルクを発生させ、逆起電力のエネルギーをDB抵抗10で熱エネルギーに変換し消費させ停止させる。また、DB回路16に使用されるリレー9を無励磁時に導通するB接点タイプを使用することで、停電などで電源が遮断された場合でも緊急停止することができる。
DB回路16の能力はリレー9の電流容量、DB抵抗10の許容電力で制限されるが、消費電力や電流値を監視してDB回路16が破壊しないように保護する方法が考案されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
特開2002−369564号公報 特開平8−33195号公報
しかし、モータ制御装置に電源が供給されておらず、外部よりサーボモータが回されているような異常な状態では、リレー9は導通状態であるためにDB抵抗10はサーボモータ5が発生するエネルギーを消費し続けてDB抵抗10が異常発熱し、周辺回路は過熱による破損状態となる。このような異常状態では上述した保護回路は動作せず、DB回路16を保護することはできなかった。
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、電源がOFF状態で、外力によりモータが回されているような異常な状態においてもDB回路16が異常発熱を検出し、周辺回路を過熱による破損から保護することができるダイナミックブレーキ回路保護装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために請求項1に記載のダイナミックブレーキ回路保護装置は、モータの出力端子間をダイナミックブレーキ抵抗を介して短絡し、モータを緊急停止させるダイナミックブレーキ回路において、ダイナミックブレーキ抵抗の温度を検出する温度開閉器をダイナミックブレーキ抵抗と直列に接続し、ダイナミックブレーキ抵抗が異常発熱した際に温度開閉器を開放する。
また、請求項2に記載のダイナミックブレーキ回路保護装置は、モータの出力端子間をダイナミックブレーキ抵抗を介して短絡し、モータを緊急停止させるダイナミックブレーキ回路において、ダイナミックブレーキ抵抗の温度を検出する温度開閉器をダイナミックブレーキ抵抗と直列に接続し、ダイナミックブレーキ抵抗に隣接しダイナミックブレーキ抵抗の温度を検出する温度センサと、温度センサからの温度情報でダイナミックブレーキ抵抗の異常発熱を検出する異常検出回路を備え、前記異常検出回路で異常発熱を検出した場合、モータの駆動を禁止する。
また、請求項3に記載のダイナミックブレーキ回路保護装置は、前記温度検出器は異常発熱を検出する温度に差を設ける。
請求項1に記載のダイナミックブレーキ回路保護装置によれば、DB回路を連続的に使用するような異常な使用状態においても、温度開閉器はDB抵抗の発熱を検出し、DB抵抗への通電を遮断するため、異常発熱による周辺回路の破損を保護することができる。また、温度開閉器に外部電源が不要な温度ヒューズやサーモスタットを使用することで、電源OFF状態で、外力によりモータが回されているような異常な状態においても、温度開閉器はDB抵抗の発熱を検出し、DB抵抗への通電を遮断することができるため、異常発熱による周辺回路の破損を保護することができる。
また、請求項2に記載のダイナミックブレーキ回路保護装置によれば、温度開閉器に温度ヒューズ等、非復帰素子を使用した場合に、DB回路の異常を検出することができるため、モータが駆動されることなく、緊急停止ができないという問題が発生しない。
また、請求項3に記載のダイナミックブレーキ回路保護装置によれば、温度開閉器の異常温度検出に温度差があるため、DB抵抗の異常温度を検出して1つの温度開閉器が開放となった場合でも制動力は直ぐになくなることなく、DB抵抗による発熱を抑えながら緊急停止を継続することができる。
したがって、DB回路の異常発熱の防止と、DB回路の異常を検出し、モータを緊急に停止することができなくなる不具合を未然に防止することができるダイナミックブレーキ回路保護装置を提供することができる。
本発明の実施例1におけるダイナミックブレーキ回路保護装置のブロック図 実施例1のダイナミックブレーキ回路保護装置2のブロック図 実施例2のダイナミックブレーキ回路保護装置のブロック図 実施例2のダイナミックブレーキ回路保護装置2のブロック図 従来例におけるダイナミックブレーキ回路保護装置のブロック図
(実施例1)
本発明によるダイナミックブレーキ回路保護装置について、図1と図2を用いて説明する。図1は実施例1におけるダイナミックブレーキ回路保護装置を内蔵したモータ制御装置の構成図であり、電源1とモータ制御装置15、モータ5で構成されている。モータ制御装置の動作について以下に説明する。
1はモータ制御装置15に入力する交流電源であり、単相あるいは3相で構成され、電圧仕様は100V、200Vや400V等がある。2は整流回路であり、交流電源1の交流電圧を直流電圧に変換する。3は電解コンデンサであり、整流回路2で直流変換された
電圧を平滑するために用いられる。DC24V入力等の低電圧の直流電圧仕様のモータ制御装置もあり、この場合整流回路2は不要である。4はPWMインバータ回路であり、3相のフルブリッジ回路からなり、6つのIGBT等のパワーデバイスで構成されている。5はサーボモータであり、永久磁石型ACサーボモータが一般的で、各巻線はPWMインバータ回路4と接続され、PWM制御(Pulse width modulation)によって各巻線に電圧が印加される。31は位置/速度指令値で、モータ5を駆動するための指令信号であり、上位の制御システムからパルス信号やアナログ電圧が与えられる。サーボモータでは位置指令はパルスで与えられるものが多く、モータ5を1回転させるためのパルス数がパラメータで設定され、位置/速度指令値31に入力されるパルス数で位置の制御が可能である。また、速度指令の場合はアナログ値で入力されるものもあり、パラメータで速度とアナログ入力電圧値との関係が設定され、入力されたアナログ電圧値が速度指令となる。5は制御回路であり、位置/速度指令値31の指令値とモータの位置や速度が合致するように制御され、電圧指令値32を出力する。7はゲート駆動回路であり、制御回路から出力された電圧指令値32をPWMインバータ回路4のIGBTを駆動するゲート駆動信号を生成する。以上がモータ制御装置15でモータ5が駆動する動作の説明である。次に緊急停止を行うDB回路の動作について説明する。
16aはDB回路であり、リレー駆動回路8とリレー9、DB抵抗10、温度開閉器11で構成されている。各部の役割について説明する。
リレー9はモータ5の各巻線を短絡/開放するように動作し、モータ5が回転している場合に短絡することによってモータ5を緊急停止することができる。停電時にも緊急停止できるように、電源が入っていない場合に短絡動作するように、リレー9はB接点のものが用いられる。リレー駆動回路8はリレー9を短絡/開放させる回路であり、トランジスタ等で構成される。リレー9の励磁用コイルに電流を流すことによってリレー9を開放する。モータ5の各巻線を短絡させる場合、図1のようにリレー9を2個使用すれば可能であるが、各巻線に1個ずつ(計3個)のリレーを使用してもよい。DB抵抗10はリレー9を介して各巻線に接続され、リレー9を短絡してモータ5の回転エネルギーをDB抵抗10で消費するために用いられる。DB抵抗は大きいと消費電力が小さくなるため、数Ω程度のものが多い。温度開閉器11は温度によって接点を開放するデバイスであり、DB抵抗10の温度上昇を検出して接点を開放するように動作し、温度ヒューズやサーモスタットが用いられる。温度ヒューズは検出温度になると接点間が溶断し、接点を開放する。サーモスタットはバイメタル構造であり、検出温度で接点間が開放するが、温度が低下することで接点間が短絡するという特徴がある。以上がDB回路16aの各部構成部品の役割である。ここで、緊急停止が連続して行われるような異常使用状態において、DB抵抗10は異常発熱するが温度開閉器11がDB抵抗の異常発熱を検出して接点を開放する。モータ5の各巻線は短絡から開放状態になる。
以上のような構成とすることで、DB抵抗10の異常発熱は抑えられ、異常発熱による周辺回路の破損を保護することができる。また、電源が入っていない状態で外部からモータが回されるような異常使用状態が続いた場合には、リレー9はB接点であるためにモータ5の各巻線は短絡状態にありDB抵抗10は異常発熱するが、温度開閉器11がDB抵抗10の異常発熱を検出して接点を開放するため、異常発熱による周辺回路の破損を保護することができる。
また、温度開閉器11に復帰動作可能なバイメタル(例えば、サーモスタット等)を用いることで、異常発熱による周辺回路の破損を保護するだけでなく温度低下時に接点間が復帰し短絡するため、安全な温度に下がった場合に通常動作を行うことができる。
また、図2のようにモータ5で発生した回転エネルギーをDB整流回路14で直流に変
換した構成としても同様の効果が得られる。
また、DB抵抗10と温度開閉器11を一体構造とすることで、DB抵抗10の発熱を確実に温度開閉器11で検出することが可能であり、異常温度検出誤差を小さくすることができる。
(実施例2)
図3、図4を用いて本発明の実施例2について説明する。実施例1と異なるのはDB回路16bの構成であり、DB回路16aに温度センサ12と異常検出回路13を設けた点である。これについて以下に説明する。
温度センサ12はDB抵抗10の異常発熱を検出する検出器であり、温度ヒューズで構成され、異常温度検出時に開放状態を維持する。温度開閉器11に温度ヒューズ等の非復帰素子を使用した場合、電源が入っていない状態で外部からモータが回されてDB抵抗10が異常発熱すれば、温度開閉器11は溶断して開放となる。この時、温度センサ12も開放状態を維持する。異常検出回路13は温度センサ12の状態を検出し、開放状態であれば制御回路6は電圧指令値32を与えずにモータ5を駆動禁止とするように構成する。
以上のような構成とすることで、電源が入っていない状態で外部からモータ5を回されて温度開閉器11が開放となり、DB回路が作用しない状態となった場合、異常検出回路13で温度開閉器11の開放状態を確認できるため、緊急停止不能となる前にモータ5の駆動を禁止し安全状態を維持することができる。
また、図4のようにモータ5で発生した回転エネルギーをDB整流回路14で直流に変換した構成としても同様の効果が得られる。
また、DB抵抗10と温度開閉器11、DB抵抗と温度センサ12を一体構造とすることで、DB抵抗10の発熱を確実に温度開閉器11と温度センサ12で検出することが可能であり、異常温度検出誤差を小さくすることができる。
(実施例3)
本発明の実施例3について説明する。実施例1および2と異なるのは温度開閉器11の異常検出値に温度差を設けた点であり、これについて以下に説明する。
DB回路が図1および図3のような構成の場合、温度開閉器11は少なくとも2つ必要である。この2つの温度開閉器11の異常検出温度に差をつける。モータ5の緊急停止が頻繁に発生し、DB抵抗10の異常発熱が発生した場合に温度開閉器11の1つ(異常検出温度を低く設定した方)が開放状態となる。この場合、モータ5とDB抵抗10は単相接続になるため、DB抵抗の消費電力は1/3に減少し制動力も1/3となる。
以上のような構成とすることで、DB抵抗10の異常発熱によって制動力がなくなるという問題を回避し、かつDB抵抗の発熱量が低減するため、同条件でも緊急停止を継続して行うことができる。
また、1つの温度開閉器11が開放となったことは、緊急停止を開始してからモータが停止するまでの時間を測定することによって検出することができるため、上位の制御システムへ警告を出力して異常使用状態を知らせることができる。
また、温度開閉器11の異常温度検出値を同じにし、DB抵抗10からの距離に差をつける等、それぞれの温度開閉器11とDB抵抗10の熱伝導に差をつけるような配置にす
ることで同等の効果が得られる。
本発明のダイナミックブレーキ回路保護装置は、モータの緊急停止が必要なサーボモータ分野で特に有効である。
1 交流電源
2 整流回路
3 電解コンデンサ
4 PWMインバータ回路
5 モータ
6 制御回路
7 ゲート駆動回路
8 リレー駆動回路
9 リレー
10 ダイナミックブレーキ抵抗(DB抵抗)
11 温度開閉器
12 温度センサ
13 異常検出回路
14 DB整流回路
15 モータ制御装置
16、16a、16b ダイナミックブレーキ回路(DB回路)
31 位置/速度指令値
32 電圧指令値
33 ゲート駆動信号
34 リレー駆動信号
35 異常信号

Claims (3)

  1. モータの出力端子間をダイナミックブレーキ抵抗を介して短絡し、モータを緊急停止させるダイナミックブレーキ回路において、ダイナミックブレーキ抵抗の温度を検出する温度開閉器をダイナミックブレーキ抵抗と直列に接続し、ダイナミックブレーキ抵抗が異常発熱した際に温度開閉器を開放することを特徴とするダイナミックブレーキ回路保護装置。
  2. モータの出力端子間をダイナミックブレーキ抵抗を介して短絡し、モータを緊急停止させるダイナミックブレーキ回路において、ダイナミックブレーキ抵抗の温度を検出する温度開閉器をダイナミックブレーキ抵抗と直列に接続し、ダイナミックブレーキ抵抗に隣接しダイナミックブレーキ抵抗の温度を検出する温度センサと、温度センサからの温度情報でダイナミックブレーキ抵抗の異常発熱を検出する異常検出回路を備え、前記異常検出回路で異常発熱を検出した場合、モータの駆動を禁止することを特徴とする請求項1に記載のダイナミックブレーキ回路保護装置。
  3. 前記温度検出器は異常発熱を検出する温度に差を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のダイナミックブレーキ回路保護装置。
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