JP2017063557A - 電動作業機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】ブレーキ用スイッチング素子が短絡故障しているときに、駆動用スイッチング素子がオン状態に切り換えられても、駆動用スイッチング素子に大電流が流れず、且つ、モータを駆動できるようにする。
【解決手段】電源7から電力供給を受けて動作するモータ30と、オン状態であるときモータに制動力を発生させるスイッチング素子Q3と、スイッチング素子に直列接続された遮断素子32と、を備える。遮断素子は、スイッチング素子との接続経路を流れる電流若しくは温度が規定値以上に上昇したとき、その接続経路を遮断するものであり、スイッチング素子と遮断素子との直列回路は、モータに対して並列に接続されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、モータの駆動を停止した際に制動力を発生させるブレーキ機能を有する電動作業機器に関する。
電動作業機器として、電源からモータへの通電経路に設けられた駆動用スイッチング素子とは別に、モータに並列接続されたブレーキ用スイッチング素子を備えたものが知られている。
この電動作業機器によれば、駆動用スイッチング素子をオフした際に、ブレーキ用スイッチング素子をオンすることで、モータにブレーキ電流を流し、制動力を発生させることができる。
一方、この種の電動作業機器においては、例えば、スイッチング素子の故障によって駆動用スイッチング素子とブレーキ用スイッチング素子とが同時にオン状態になると、電源の出力が短絡されて、大電流(短絡電流)が流れてしまう。
このため、直流電源からモータへの通電経路上にヒューズを設け、その通電経路に電流が規定値以上になると、ヒューズが溶断して通電経路を遮断することが提案されている。(例えば、特許文献1参照)。
特許第5387858号公報
上記提案の電動作業機器においては、ヒューズが電源からモータへの通電経路上に設けられているので、ヒューズが溶断して通電経路が遮断されると、駆動用スイッチング素子が故障していなくても、モータを駆動することができない。
本発明の一局面では、ブレーキ用スイッチング素子が短絡故障しているときに、駆動用スイッチング素子がオン状態に切り換えられても、駆動用スイッチング素子に大電流が流れず、しかも、モータを駆動することのできる電動作業機器を提供することを目的とする。
本発明の一局面の電動作業機器は、電源から電力供給を受けて動作するモータと、オン状態であるときモータに制動力を発生させるブレーキ用スイッチング素子と、ブレーキ用スイッチング素子に直列接続された遮断素子と、を備える。
遮断素子は、ブレーキ用スイッチング素子との接続経路を流れる電流若しくは温度が規定値以上に上昇したとき、その接続経路を遮断するものであり、ブレーキ用スイッチング素子と遮断素子との直列回路は、モータに対して並列に接続されている。
このため、例えば、スイッチング素子が短絡故障している状態で、電源からモータへの電力供給を開始した場合には、ブレーキ用スイッチング素子と遮断素子との接続経路に流れる電流(所謂短絡電流)によって、遮断素子がその接続経路を遮断することになる。
従って、この場合、ブレーキ用スイッチング素子や、電源からモータへの電力供給経路に設けられた駆動用素子を、過電流から保護することができる。
また特に、遮断素子は、電源からモータへの電力供給経路ではなく、ブレーキ用スイッチング素子に対し並列接続されていることから、遮断素子が遮断状態となっても、電源からモータへの電力供給経路は通常通り使用することができる。
従って、ブレーキ用スイッチング素子が短絡故障して、遮断素子が遮断状態となった場合、ブレーキ用スイッチング素子を介してモータにブレーキ電流を流すことはできないものの、モータの駆動は通常通り行うことができる。
よって、モータの駆動を停止した際に、モータに制動力を発生させて、強制的に停止させる必要がない条件下では、モータの駆動を継続させることが可能となり、電動作業機器の使い勝手を向上できる。
なお、遮断素子は、ブレーキ用スイッチング素子との接続経路に流れる電流ではなく、温度を接続経路の遮断条件とすることもできるが、これは、接続経路に流れる電流が上昇すると、遮断素子を含む接続経路の内部抵抗によって温度も上昇するからである。
ここで、遮断素子は、ブレーキ用スイッチング素子を介して短絡電流が流れたときに、その電流経路を遮断して、電流経路上の回路素子や電源を保護するものであるが、遮断素子が遮断状態になっているときには、モータに制動力を発生させることはできない。
このため、電動作業機器には、ブレーキ用スイッチング素子と遮断素子との接続点の電圧に基づき、遮断素子が導通しているか遮断しているか否かを判断する制御部を設けるとよい。このようにすれば、制御部により、遮断素子の状態を監視することができるようになる。
またこの場合、制御部が、遮断素子が遮断されていることを判断した際には、その旨を報知するようにしてもよい。このようにすれば、使用者に対し、遮断素子の修理若しくは交換を促すことができる。また、使用者に対し、ブレーキ制御は実行できないことを通知できることになり、電動作業機器使用時の安全性を高めることができる。
次に、制御部は、遮断素子が遮断されていると判断しても、モータの駆動は許可するように構成されていてもよい。このようにすれば、例えば、モータの駆動停止時に制動力を発生させることができなくても使用上問題がない電動作業機器において、遮断素子が遮断されても、電動作業機器を継続して利用させることができるようになる。従って、使用者は、電動作業機器を用いた作業を中止する必要がなく、機器の使い勝手を向上できる。
また、この場合、制御部は、遮断素子が遮断されていると判断すると、その後の経過時間を監視し、その経過時間が規定時間に達すると、モータの駆動を禁止するように構成されていてもよい。
このようにすれば、例えば、使用者が電動作業機器を使用して作業を行う作業期間中は、遮断素子が遮断されても電動作業機器を使用できるようにし、その後、モータの駆動を禁止して、電動作業機器を使用できないようにすることができる。よって、この場合、電動作業機器を利用した作業効率を悪化させることなく、作業期間経過後に修理させる、といったことが可能となる。
一方、制御部は、遮断素子が遮断されていると判断したとき、モータの駆動を禁止するように構成されていてもよい。
このようにすれば、モータの駆動停止時に制動力を発生させてモータを速やかに停止させる必要がある電動作業機器において、遮断素子が遮断されて、ブレーキ制御を実施できなくなったときに、電動作業機器を直ぐに使用できないようにすることができる。よって、この場合には、電動作業機器の使用上の安全性を優先することができるようになる。
なお、このように、遮断素子が遮断されて、ブレーキ制御を実施できなくなったときに、直ぐに使用できなくする電動作業機器としては、モータの回転により容器に収納された部材を被加工材に打ち込む打込み作業工具を挙げることができる。
つまり、打ち込み作業工具の場合、ブレーキ制御によってモータを停止できないと、モータの駆動を停止しても、モータが回転を停止するまで打ち込み動作が継続されてしまうことになる。このため、遮断素子が遮断されて、ブレーキ制御を実施できなくなったときには、直ぐにモータの駆動を禁止することで、使用者の意図に反して打ち込み動作がなされるのを抑制できる。
実施形態の電動作業機器の外観を表す斜視図である。 電動作業機器に内蔵されたモータ駆動装置の構成を表すブロック図である。 制御回路にて実行されるモータ駆動処理を表すフローチャートである。 制御回路にて実行される故障診断処理を表すフローチャートである。 モータ駆動処理の変形例を表すフローチャートである。
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態では、電動作業機器の一例である充電式ピンタッカについて説明する。
充電式ピンタッカ2は、所謂打込み作業工具であり、本体部4と、本体部4に対し着脱自在に装着されるバッテリパック6と、被加工材に打ち込まれる打ち込み材としてのピン8が装填されるマガジン9と、を主体に構成されている。
本体部4は、モータ30(図2参照)が収容されたモータハウジング12と、ハンマ機構及び打込み機構を収容するギヤハウジング14と、作業者が握るハンドグリップ16とを備える。
モータハウジング12の上方にハンドグリップ16が配置され、モータハウジング12とハンドグリップ16の水平方向一端部(図1の右側)にギヤハウジング14が配置され、水平方向他端部にバッテリパック6が装着されている。
マガジン9には、複数のピン8が、一列に並べられ、列方向一端側(図1の左側)から他端側(図1の右側)にばねで付勢した状態で収納されている。これは、他端側のピン8をギヤハウジング14の下方の射出部15に配置し、ギヤハウジング14内のハンマ機構及び打ち込み機構にて、射出部15下方の開口端からの被加工材にピン8を打ち込むようにするためである。
ハンマ機構及び打ち込み機構は、モータ30の回転により、ハンマをギヤハウジング14内で上方に移動させて圧縮コイルばねを圧縮させ、その後、圧縮コイルばねの弾発力によりハンマを下方に打ち込むことで、ピン8を射出部15から発射させる機構である。
なお、このハンマ機構及び打ち込み機構については、特許文献1に記載のように周知であり、例えば、特許第4588599号には、その詳細構成が説明されているので、ここでは説明を省略する。
次に、ハンドグリップ16には、使用者が指で操作できるようにトリガ18が設けられている。このトリガ18は、引き操作されることにより、ハンドグリップ16内に収納されたトリガスイッチ20(図2参照、以下、トリガSWと記載する)をオンする。そして、トリガSW20がオン状態になると、後述の制御回路50(図2参照)にモータ30の駆動指令が入力され、制御回路50によりモータ30が駆動される。
また、ハンドグリップ16には、使用者がハンドグリップ16を把持した状態で確認できる位置(例えば、図の上方位置)に表示部22(図2参照)が設けられている。表示部22は、例えば、後述するヒューズ32が切れた状態等、充電式ピンタッカ2の状態を使用者に報知するためのもの(例えば、LED)であり、制御回路50に接続されている。
ハンドグリップ16には、制御回路50を含むモータ駆動回路40も収納されている。
図2に示すように、モータ駆動回路40は、バッテリパック6内のバッテリ7からモータ30への通電経路のうち、モータ30からバッテリ7の負極側に至る通電経路に設けられた2つの駆動用スイッチング素子Q1、Q2を備える。
駆動用スイッチング素子Q1、Q2は、本実施形態ではnチャネルのMOSFETにて構成されている。このため、駆動用スイッチング素子Q1、Q2は、ゲートにハイレベルの駆動信号が入力されることにより、オン状態になって、モータ30への通電経路(換言すれば直流電源であるバッテリ7からモータへの電力供給経路)を形成する。
また、モータ駆動回路40には、モータ30の駆動停止時にモータ30の回転に伴い発生する起電力によりブレーキ電流を流し、モータ30に制動力を発生させる、ブレーキ用スイッチング素子Q3が備えられている。
このブレーキ用スイッチング素子Q3には、ヒューズ32が直列に接続されており、このヒューズ32とブレーキ用スイッチング素子Q3との直列回路は、モータ30に並列接続されている。
なお、ブレーキ用スイッチング素子Q3は、駆動用スイッチング素子Q1、Q2と同様、nチャネルのMOSFETにて構成されており、ゲートにハイレベルの駆動信号が入力されることにより、オン状態になり、モータ30にブレーキ電流を流す。
ヒューズ32は、ブレーキ用スイッチング素子Q3に規定値以上の電流が流れたときに溶断して、ブレーキ用スイッチング素子Q3との接続経路を遮断するためのものである。
このため、例えば、ブレーキ用スイッチング素子Q3が短絡故障しているときに、駆動用スイッチング素子Q1、Q2がオン状態となって、バッテリ7の正極側から負極側へと短絡電流が流れたときには、その電流経路を遮断することができる。
次に、モータ駆動回路40には、モータ30の駆動・制動を制御するための制御回路50が備えられている。そして、駆動用スイッチングQ1、Q2及びブレーキ用スイッチング素子Q3は、この制御回路50からの駆動信号により、オン・オフされる。
制御回路50は、CPU、ROM、RAM等を備えたマイクロコントローラユニット(MCU)にて構成されており、上述の通り、トリガSW20及び表示部22は制御回路50に接続されている。
また、モータ駆動回路40には、3つのモニタ回路41、42、43が備えられている。
このうち、モニタ回路41は、バッテリ7からモータ30への通電経路のうち、バッテリ7の負極側の駆動用スイッチング素子Q1と駆動用スイッチング素子Q2との間の接続点の電圧V1を監視するためのものである。
また、モニタ回路42は、同じくモータ30への通電経路のうち、駆動用スイッチング素子Q2とモータ30との間の接続点の電圧V2を監視するためのものである。
一方、モニタ回路43は、モータ30に並列接続されるブレーキ電流の経路において、ブレーキ用スイッチング素子Q3とヒューズ32との間の接続点の電圧V3を監視するためのものである。
これら各モニタ回路41〜43は、同一構成をしている。すなわち、図2に示すモニタ回路41のように、各モニタ回路41〜43は、PNPトランジスタTr1、抵抗R1、R2、R3及びダイオードD1を備える。
ここで、PNPトランジスタTr1のエミッタは、モータ駆動回路40の電源ライン(電源電圧:+Vcc)に接続され、コレクタは、制御回路50に接続されると共に、抵抗R2を介してグランドラインに接続されている。
また、PNPトランジスタTr1のエミッタとベースとは抵抗R1を介して接続され、PNPトランジスタTr1のベースは、抵抗R3を介して、ダイオードD1のアノードに接続されている。
そして、ダイオードD1のカソードは、上記各電圧V1〜V3の監視対象となる接続点に接続されている。
モニタ回路41〜43においては、監視対象となる電圧(以下、モニタ電圧という)V1〜V3がローレベルであれば、ダイオードD1に電流が流れて、PNPトランジスタTr1がオン状態となる。この結果、制御回路50にはハイレベル(電源電圧Vccと同電位)の信号が入力される。
これに対し、モニタ電圧V1〜V3がハイレベルであれば、ダイオードD1に電流が流れないので、PNPトランジスタTr1がオフ状態となり、制御回路50にローレベル(グランドラインと同電位)の信号が入力される。
従って、制御回路50は、各モニタ回路41からの入力に基づき、上記各接続点でのモニタ電圧V1〜V3を検知できる。
なお、モータ駆動回路40の電源ラインとグランドラインには、バッテリ7から電力供給を受けて電源電圧Vcc(直流定電圧)を生成するレギュレータから、電源電圧Vccが印加されている。そして、この電源電圧Vccは、制御回路50を含むモータ駆動回路40内の各回路に供給される。
次に、制御回路50は、図3に示す手順でモータ30の駆動・停止を制御する。
すなわち、図3に示すモータ駆動処理は、制御回路50において実行されるメインルーチンであり、S110にて、トリガSW20がオン状態になったか否かを判断することで、トリガSW20がオン状態になるのを待機する。なお、この状態では、駆動用スイッチング素子Q1、Q2及びブレーキ用スイッチング素子Q3は、全てオフ状態であるものとする。
そして、使用者がトリガ18を引き操作して、トリガSW20がオン状態になると、S120に移行して、駆動用スイッチング素子Q1、Q2をオン状態に切り替え、モータ30の駆動を開始させるモータ駆動制御を実行する。
次に、S130では、ヒューズ32が正常か否か(つまり、ブレーキ用スイッチング素子Q3とモータ30との接続経路が接続されているか否か)を判断する。なお、この判断は、S120のモータ駆動制御にて実行される後述の故障診断処理(図3参照)による診断結果に基づき行われる。
ヒューズ32が正常であれば、S140に移行し、ピン8を打ち込むのに要する設定時間が経過したタイミングで、駆動用スイッチング素子Q1、Q2をオフ状態に切り替える。また、続くS150では、ブレーキ用スイッチング素子Q3をオン状態にする、ブレーキ制御を実行する。
そして、このブレーキ制御によりオン状態にされるブレーキ用スイッチング素子Q3は、モータ30の回転が停止するのに要する一定時間が経過すると、オフ状態に切り換えられ、その後、モータ駆動処理は、S110に移行する。
一方、S130にてヒューズ32が異常(溶断状態)であると判断されると、S160に移行して、駆動用スイッチング素子Q1、Q2を任意のタイミングでオフ状態に切り替え、その後、モータ駆動処理は、S110に移行する。
つまり、S160では、駆動用スイッチング素子Q1、Q2をオフ状態に切り替えることで、モータ30の駆動を禁止し、充電式ピンタッカ2の動作を停止させる。
次に、S120のモータ駆動制御にて実行される故障診断処理について説明する。
この故障診断処理は、駆動用スイッチング素子Q1、Q2及びブレーキ用スイッチング素子Q3が全てオフ状態であるときにトリガSW20がオン状態に切り替えられて、S120にてモータ30の駆動を開始する際に、同時に故障診断を行うための処理である。
図4に示すように、故障診断処理では、まずS210にて、モニタ回路41からの入力信号を取り込み、モニタ電圧V1がハイレベル(以下、Hレベルという)であるか否かを判断する。
そして、モニタ電圧V1がHレベルでなければ、つまり、モニタ電圧V1がローレベル(以下、Lレベルという)であれば、S310に移行する。
S310では、駆動用スイッチング素子Q1がオフ状態であるにも関わらず、モニタ回路41にてモニタ電圧V1がLレベルであると検出されているので、駆動用スイッチング素子Q1は短絡故障していると診断する。そして、その旨を、制御回路に内蔵されている不揮発性メモリ52(図2参照)に記憶し、S370に移行する。
S370では、モータ駆動回路40に備えられている全てのスイッチング素子(詳しくは、駆動用スイッチング素子Q1、Q2及びブレーキ用スイッチング素子Q3)をオフ状態にすることで、充電式ピンタッカ2の動作を停止させ、当該故障診断処理を終了する。
一方、モニタ電圧V1がHレベルであれば、駆動用スイッチング素子Q1は短絡故障していないので、S220に移行して、駆動用スイッチング素子Q1をオン状態にする。
次にS230では、モニタ電圧V1がLレベルであるか否かを判断し、モニタ電圧V1がLレベルでなければ、S320に移行する。
S320では、駆動用スイッチング素子Q1がオン状態であるにも関わらず、モニタ回路41にてモニタ電圧V1がHレベルであると検出されているので、駆動用スイッチング素子Q1は開放故障していると診断する。そして、その旨を、不揮発性メモリ52に記憶し、S370に移行する。
次に、S230にて、モニタ電圧V1がLレベルであると判断されると、駆動用スイッチング素子Q1は正常であるので、S240に移行して、モニタ回路42からの入力信号を取り込み、モニタ電圧V2がHレベルであるか否かを判断する。
そして、モニタ電圧V2がHレベルでなければ、駆動用スイッチング素子Q2がオフ状態であるにも関わらず、モニタ回路42にてモニタ電圧V2がLレベルであると検出されているので、駆動用スイッチング素子Q2は短絡故障していると診断する。そして、その旨を、不揮発性メモリ52に記憶し、S370に移行する。
一方、S240にてモニタ電圧V2はHレベルであると判断されると、駆動用スイッチング素子Q2は短絡故障していないので、S250に移行して、駆動用スイッチング素子Q2をオン状態にする。
そして、続くS260では、モニタ電圧V2がLレベルであるか否かを判断し、モニタ電圧V2がLレベルでなければ、S340に移行する。
S340では、駆動用スイッチング素子Q1、Q2がオン状態であるにも関わらず、モニタ回路42にてモニタ電圧V2がHレベルであると検出されているので、駆動用スイッチング素子Q2は開放故障していると診断する。そして、その旨を、不揮発性メモリ52に記憶し、S370に移行する。
次に、S260にて、モニタ電圧V2がLレベルであると判断されると、駆動用スイッチング素子Q2は正常であるので、S270に移行して、モニタ回路43からの入力信号を取り込み、モニタ電圧V3がLレベルであるか否かを判断する。
モニタ電圧V2がLレベルでなければ、駆動用スイッチング素子Q1、Q2がオン状態であるにも関わらず、モニタ回路43にてモニタ電圧V3がHレベルであると検出されているので、ヒューズ32が溶断していると診断する。そして、その旨を、不揮発性メモリ52に記憶し、S360に移行する。
S360では、現在、ヒューズ32が溶断していて(換言すれば、ブレーキ電流の経路が遮断されていて)、ブレーキ用スイッチング素子Q3をオンしてもモータ30に制動力を発生させることができないので、表示部22を点灯若しくは点滅させる。
この結果、使用者は、ヒューズ32が溶断していて、ブレーキ制御を実行できない旨を検知できる。そして、制御回路50は、S360の処理実行後、当該故障診断処理を終了する。
また、S270にて、モニタ電圧V3はLレベルであると判断されると、ヒューズ32は溶断していないので、駆動用スイッチング素子Q1、Q2及びブレーキ用スイッチング素子Q3は全て正常であると診断する。そして、その旨を、不揮発性メモリ52に記憶し、当該故障診断処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態の充電式ピンタッカ2においては、モータ30に並列接続されるブレーキ用スイッチング素子Q3に対し、ヒューズ32が直列接続されており、バッテリ7からモータ30への通電経路にはヒューズ32は設けられていない。
また、ヒューズ32とブレーキ用スイッチング素子Q3との間の接続点の電圧V3を監視するモニタ回路43が備えられており、制御回路50にてモータ30の駆動時に実行される故障診断処理にて、そのモニタ電圧V3を監視する。
また、故障診断処理では、駆動用スイッチング素子Q1、Q2をオン状態にしたときのモニタ電圧V3から、ヒューズ32が溶断しているかどうかを診断し、ヒューズ32が溶断している場合には、表示部22を介して、その旨を通知する。
このため、モータ駆動処理にて、ヒューズ32が溶断しているときに、モータ30の駆動を禁止するようにしても、使用者は、その原因がヒューズ32の溶断によるものであることを検知し、ヒューズ交換等の対策を速やかに施すことができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内にて種々の態様をとることができる。
[変形例1]
例えば、上記実施形態では、故障診断処理にてヒューズ32の溶断を検出すると、その後、モータ駆動処理では、モータ30の駆動を禁止するものとして説明した。しかし、ヒューズ32が溶断した際には、ブレーキ制御を実行できなくなるだけであり、駆動用スイッチング素子Q1、Q2をオンすることで、モータ30の駆動は可能である。
このため、ブレーキ制御を実行できなくても安全に使用できる電動作業機器であれば、ヒューズ32の溶断を検出した際には、S360にて、表示部22を介してその旨を通知するか、或いは、通知音や音声にてその旨を通知するだけにしてもよい。
つまり、図3に示すモータ駆動処理では、トリガSW20がオン状態になり、S120にてモータ30を駆動すると、S130の判定処理を実行することなく、そのままS140に移行して、モータ30を所定のタイミングで停止するようにしてもよい。
このようにすれば、使用者は、ヒューズ32の溶断に伴い、電動作業機器を用いた作業を中止する必要がなく、機器の使い勝手を向上できる。
なお、ブレーキ制御を実行できなくても安全に使用できる電動作業機器としては、電動ドライバ等のねじ締め機器、電動のこぎり等の刃物搭載の電動作業機器、等を挙げることができる。
[変形例2]
また、ヒューズ32の溶断を検出した際には、その後の経過時間をタイマ等で計時するようにし、図5に示すように、モータ駆動処理では、その経過時間が規定時間未満であれば(S115−YES)、モータ30の駆動を許可するようにしてもよい。
このようにすれば、例えば、使用者が電動作業機器を使用して作業を行う作業期間中は、ヒューズ32が溶断しても電動作業機器を使用できるようにし、その後、モータ30の駆動を禁止して、ヒューズ32の交換を促すようにすることができる。
[変形例3]
次に、上記実施形態では、ブレーキ用スイッチング素子Q3には、遮断素子として、過電流が流れると溶断して通電経路を遮断する、ヒューズ32を直列接続するものとして説明した。
しかし、遮断素子としては、例えば、温度により変形するバイメタルにより接点をオン・オフするサーモスタットや、正の温度係数を有する抵抗体にて構成され、通電電流により温度が上昇すると抵抗値が増大して電流を遮断するサーミスタ、であってもよい。つまり、遮断素子は、ヒューズに限らず、過電流保護素子として利用されている素子であれば、利用することができる。
[変形例4]
また、上記実施形態では、モータ駆動回路40として、モータ30の通電経路上に2つの駆動用スイッチング素子Q1、Q2を設けたものについて説明した。これは、一方の駆動用スイッチング素子が短絡故障しても、モータ30の駆動・停止を制御できるようにするためであり、本発明は、駆動用スイッチング素子を一つ備えたものであっても、上記実施形態と同様に適用することができる。
また、モータ駆動回路40は、モータへの通電経路や電流量を制御できるようにブリッジ回路を備えたものであってもよい。この場合、モータ巻線に対し並列接続されるブレーキ用のスイッチング素子に遮断素子を直列接続することで、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、本発明は、バッテリから電力供給を受けて動作する電動作業機器だけでなく、商用電源等の外部電源から電力供給を受けて動作する電動作業機器であっても、上記実施形態と同様に適用することができる。
2…充電式ピンタッカ、4…本体部、6…バッテリパック、7…バッテリ、8…ピン、9…マガジン、12…モータハウジング、14…ギヤハウジング、15…射出部、16…ハンドグリップ、18…トリガ、20…トリガSW、22…表示部、30…モータ、32…ヒューズ、40…モータ駆動回路、Q1,Q2…駆動用スイッチング素子、Q3…ブレーキ用スイッチング素子、41,42,43…モニタ回路、50…制御回路、52…不揮発性メモリ、R1,R2,R3…抵抗、Tr1…トランジスタ,D1…ダイオード。

Claims (7)

  1. 電源から電力供給を受けて動作するモータと、
    オン状態であるとき前記モータに制動力を発生させるスイッチング素子と、
    前記スイッチング素子に直列に接続され、その接続経路を流れる電流若しくは温度が規定値以上に上昇したとき、当該接続経路を遮断する遮断素子と、
    を備え、
    前記スイッチング素子と前記遮断素子との直列回路は、前記モータに対し並列に接続されている、電動作業機器。
  2. 前記スイッチング素子と遮断素子との接続点の電圧に基づき、遮断素子が導通しているか遮断しているか否かを判断する制御部を備えた、請求項1に記載の電動作業機器。
  3. 前記制御部は、前記遮断素子が遮断されていると判断すると、その旨を報知するよう構成されている、請求項2に記載の電動作業機器。
  4. 前記制御部は、前記遮断素子が遮断されていると判断しても、前記モータの駆動は許可するように構成されている、請求項2又は請求項3に記載の電動作業機器。
  5. 前記制御部は、前記遮断素子が遮断されていると判断すると、その後の経過時間を監視し、その経過時間が規定時間に達すると、前記モータの駆動を禁止するように構成されている、請求項4に記載の電動作業機器。
  6. 前記制御部は、前記遮断素子が遮断されていると判断したとき、前記モータの駆動を禁止するように構成されている、請求項2又は請求項3に記載の電動作業機器。
  7. 前記電動作業機器は、モータの回転により容器に収納された打ち込み材を被加工材に打ち込む打ち込み作業工具である、請求項6に記載の電動作業機器。
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