JP2011061220A - 積層圧電素子、超音波モータ、電子機器、ステージ、及び積層圧電素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】積層圧電素子を用いて、低電圧で駆動でき小型で高出力が得られる安価な超音波モータ及びそれを用いた電子機器、その製造方法を提供する。
【解決手段】複数の異なる電極10,11,12,13からなる電極群を複数有する同一の圧電シート9を面内方向に位置をずらして積層する工程と、積層された圧電シート9を電極群が含まれる様に切断する工程と、切断面において各圧電シート9の内部電極を短絡する外部電極を設ける工程を有する積層圧電素子の製造方法とする。
【選択図】図3
【解決手段】複数の異なる電極10,11,12,13からなる電極群を複数有する同一の圧電シート9を面内方向に位置をずらして積層する工程と、積層された圧電シート9を電極群が含まれる様に切断する工程と、切断面において各圧電シート9の内部電極を短絡する外部電極を設ける工程を有する積層圧電素子の製造方法とする。
【選択図】図3
Description
本発明は、積層圧電素子を用いた超音波モータ並びにそれを用いた電子機器及びステージ、その製造方法に関する。
弾性体の共振モードを利用した超音波モータは制御性に優れ、近年特に精密位置決め用アクチュエータとしても注目されている。特に、各種ステージ用のアクチュエータとしてはリニヤ型の超音波モータが要求される場合が多く、多くのタイプが提案され研究されている。その中でも、矩形板の縦(伸縮)振動と屈曲振動の合成振動を利用した超音波モータは様々なものが研究されている(例えば、特許文献1参照。)。
これらの中でも、例えば特許文献1に示す様に、矩形状の圧電素子単板を厚み方向に分極処理すると共に4分割された電極を設け、対角と成る電極を組とし、一組の電極に駆動信号を印加することで圧電素子からなる振動体に縦振動と屈曲振動を励振し、これと接する移動体を駆動する原理のものは様々な用途に実用化も進められている。
しかしながら従来の構造では振動体の駆動に極めて高い電圧を必要とし、大きな昇圧回路を必要とする為、駆動回路の大型化、複雑化を招き駆動回路の価格も高価なものになってしまった。そしてこの場合、小型な機器、特にバッテリーで駆動される用途への適用は難しかった。
また、振動体の構造としては圧電素子の厚みが薄いと十分な出力が得られないと共に、機械的強度も低く破損につながる恐れもあった。逆に厚みを厚くすると分極電圧が極めて高く、製造プロセスが複雑になる等の問題があった。そして、本構成では圧電素子の圧電横効果を用いているために大きな出力が得られなかった。
そこで、本発明の第1の態様は、厚み方向と直交する面内において振動する振動モードで振動する積層圧電素子の製造方法であって、前記積層圧電素子は、上面にのみ電極を有する複数の圧電シートを前記上面に順次積層した後で、最後に上面に電極を有さない圧電シートを重ねることで前記厚み方向の両端面には電極を有さない積層圧電素子を得ることを特徴とする積層圧電素子の製造方法。
本発明の第2の態様は、厚み方向と直交する面内において振動する振動モードで振動する積層圧電素子であって、前記積層圧電素子の前記厚み方向両端面には前記両端面に電極を有さない圧電シートが積層されていることを特徴とする積層圧電素子にある。そしてこの積層圧電素子を用いたことを特徴とする超音波モータにある。
本発明の第3の態様は、第2の態様の超音波モータを備えた電子機器にある。
本発明の第4の態様は、第2の態様の超音波モータを備えたステージにある。
本発明によれば、プロセスが簡単であると共に大幅な工数の低減が出来、製造コストを大幅に下げることが出来ると共に小型な積層圧電素子も作製可能となる。そして積層圧電素子の最上面、最下面の圧電シート(圧電素子)は駆動力を生じないため振動のバランスがとれ、不要振動を発生し難い。
また、この積層圧電素子もしくは積層圧電素子に設けられた接触部材と接する移動体を駆動することで超音波モータが実現できる。
また、これらの積層圧電素子を用いたアクチュエータもしくは超音波モータを備えた電子機器またはステージは、その小型・薄型化、低消費電力化が可能となる。
以上のように、本発明によれば、簡単な製造プロセスで作製可能な積層圧電素子を振動体として用いるため低電圧で駆動でき、小型で高出力が得られると共に安価な超音波モータが実現できる。特に積層素子全体を一体的に焼結して作製することにより製品個々の特性ばらつきが小さく、信頼性が高く、内部損失が小さくて効率の高い超音波モータが得られる。そしてこれを用いた電子機器またはステージの小型、薄型化並びに低消費電力化が実現できる。
本発明の実施の形態を図面を基に説明する。
図1は本発明の積層圧電素子1を振動体として用いたリニヤ型超音波モータの構成例を示したものである。矩形状の積層圧電素子1には突起2a,2b並びに凹部を有する支持
部材3が設けられている。加圧部材4の軸部4aは段部を有し、案内板5の案内穴5aで、軸方向にのみ移動可能に案内されている。突起2a,2bの下には案内部材8a,8bに案内された移動体7が設けられ、支持部材3の凹部に係合する加圧部材4を加圧手段6で加圧することにより突起2a,2bと移動体7は接している。
部材3が設けられている。加圧部材4の軸部4aは段部を有し、案内板5の案内穴5aで、軸方向にのみ移動可能に案内されている。突起2a,2bの下には案内部材8a,8bに案内された移動体7が設けられ、支持部材3の凹部に係合する加圧部材4を加圧手段6で加圧することにより突起2a,2bと移動体7は接している。
ところで、積層圧電素子1は縦振動と屈曲振動を励振する。例えば図2に積層圧電素子1の長手方向に対する振動振幅の様子を示したものであり、図2(a)は縦振動の様子を図2(b)は屈曲振動の様子を示したものである。縦振動、屈曲振動共に積層圧電素子1の中央部が振動の節となり、この位置に支持部材3が設けられている。また屈曲振動の腹の位置に突起2a,2bが設けられている。この縦振動と屈曲振動を同時に励振することにより突起2a,2bは積層振動子1の長手方向の変位と、これと直交する幅方向の変位からなる楕円運動を行い移動体7を駆動する。ところで、二つの振動モードはその次数に制限を与えられるものではなく、他のモードを用いても構わない。また、移動体7を固定し、振動体自体を駆動させても構わない。
(実施の形態1)
次に、具体的に本発明の実施の形態1にかかわる積層圧電素子15の構成並びに製造方法の例を図を基に説明する。図3(a)に示した圧電材料から成る圧電シート9には個々の積層圧電素子15の内部電極となる電極10,11,12,13を一組の電極群とし、この電極群が複数印刷等によって設けられている。電極10,11,12,13は略矩形
形状をしており、矩形形状の積層圧電素子1を長手方向及びこれと直交する幅方向に二分した四つの領域に配されている。
(実施の形態1)
次に、具体的に本発明の実施の形態1にかかわる積層圧電素子15の構成並びに製造方法の例を図を基に説明する。図3(a)に示した圧電材料から成る圧電シート9には個々の積層圧電素子15の内部電極となる電極10,11,12,13を一組の電極群とし、この電極群が複数印刷等によって設けられている。電極10,11,12,13は略矩形
形状をしており、矩形形状の積層圧電素子1を長手方向及びこれと直交する幅方向に二分した四つの領域に配されている。
図3(a)では、個々の積層圧電素子15に分割された際に、切断面に電極の一部が現れるように、電極10,11,12,13は、それぞれ電極の一部が張り出している形状となっている。
この圧電シート9を複数枚重ねた後で電極を有さない圧電素子を最後に重ねて積層し、仮燒結してバインダーを飛ばした後、個々の積層圧電素子15にダイシング等によって分割され本焼成される。もちろん、本焼成後に個々の積層圧電素子15に分割しても良い。
ところで、圧電シート9を積層する際に、図3(b)に示すように、面内方向にΔ1だけ交互にずらしながら積層した後に、二点鎖線14の部分を切断する。この切断面の一つを図4(a)に示したが電極10、11,12,13の張り出し部10a',11a',12a',13a'及び10b',11b',12b',13b'が切断面に現れる。
圧電シートをずらす際には、このように張り出し部10a'と10b'とがそれぞれ重ならないように、両者間に間隔を持たせるようにする。またこの様に交互にΔlずつ、ずらして積層された圧電シート9の電極10a,11a,12a,13a及び10b,11b,12b,13bで挟まれた領域が切断された個々の積層圧電素子15の駆動に寄与する。図4(b)に示されるように、積層圧電素子15を上から見た場合、この駆動に寄与する領域は斜線部16で表される。つまり、斜線部16で表された領域が、全ての圧電シートの電極が重なっている領域である。
図5(a),図5(b)は積層圧電素子15の側面に設けた外部電極を示したものである。電極10a,11a,12a,13a及び10b,11b,12b,13bの張り出し部10a',11a',12a',13a'及び10b',11b',12b',13b'は積層圧電素子15の側面でそれぞれ外部電極17b,17d,17f,17h,17a,17c,17e,17gで短絡される。
ここで外部電極17a,17c,17e,17gをGNDとして外部電極17b,17d
,17f,17hに高電圧を加えることで積層方向に分極処理がなされる。
,17f,17hに高電圧を加えることで積層方向に分極処理がなされる。
ところで、電極を有さない圧電シート9'は無くても良いが、この様に最上面に電極を
有さない圧電シート9'を積層することで、最上面、最下面の圧電素子は駆動力を生じな
い為、振動のバランスがとれ、不要振動が発生しにくい。また、ここで積層圧電素子15は金属等の弾性体と接合して振動体を構成しても構わない。
有さない圧電シート9'を積層することで、最上面、最下面の圧電素子は駆動力を生じな
い為、振動のバランスがとれ、不要振動が発生しにくい。また、ここで積層圧電素子15は金属等の弾性体と接合して振動体を構成しても構わない。
本積層圧電素子15の駆動方法であるが、例えば次の二通りがある。外部電極17a,17c,17e,17gと外部電極17b,17hの間に、もしくは外部電極17a,17c,17e,17gと外部電極17d,17fの間に駆動信号を印加することで積層圧電素子9の面内の向かい合う辺の中心を結ぶ線で分けられる四つの領域の対角にある二つ
の領域が伸縮することで積層圧電素子15に縦振動と屈曲振動が励振される。駆動信号を印加する領域を切り替えることで縦振動と屈曲信号の位相が逆転し、移動体7の移動方向
も変化する。別の方法としては外部電極17a,17c,17e,17gをGNDとして外
部電極17b,17hと外部電極17d,17fの間に位相の異なる駆動信号、例えば90度もしくは−90度異なる信号を印加することで積層圧電素子9に縦振動と屈曲振動が励振される。位相を逆転させることで縦振動と屈曲信号の位相が逆転し、移動体7の移動方向も逆となる。
の領域が伸縮することで積層圧電素子15に縦振動と屈曲振動が励振される。駆動信号を印加する領域を切り替えることで縦振動と屈曲信号の位相が逆転し、移動体7の移動方向
も変化する。別の方法としては外部電極17a,17c,17e,17gをGNDとして外
部電極17b,17hと外部電極17d,17fの間に位相の異なる駆動信号、例えば90度もしくは−90度異なる信号を印加することで積層圧電素子9に縦振動と屈曲振動が励振される。位相を逆転させることで縦振動と屈曲信号の位相が逆転し、移動体7の移動方向も逆となる。
ところで、本実施の形態に示した様に、積層圧電素子1は複数の電極を有する圧電シー
トを積層した後、積層方向に分割する工程を経て作られることで、個々の超音波モータの特性バラツキを極めて小さくすることが可能となる。以下にその理由を説明する。
トを積層した後、積層方向に分割する工程を経て作られることで、個々の超音波モータの特性バラツキを極めて小さくすることが可能となる。以下にその理由を説明する。
図15は積層圧電素子の長手方向の長さを20mmとし、幅を変えた場合の縦振動と屈曲振動の固有周波数の変化を示したグラフである。縦振動の固有周波数と屈曲振動の固有周波数が一致するように積層圧電素子の寸法は決定される。
グラフ中には積層圧電素子の厚みを種々変えた場合についても示してあるが縦振動、屈曲振動のいずれの場合も厚み方向の寸法変化に対する固有周波数の変化は極めて小さいことが分る。ところが幅方向の寸法の変化に対しては特に屈曲振動の固有周波数の変化が大きいことが分っている。従って、製造時には長手方向及び幅方向の寸法のばらつきを極めて小さくする必要があることが理解できる。ところが、圧電素子は焼成によって寸法が変化し、また変化の度合いも製造ロット等で変化してしまう。
ところが本実施の形態の様に幅方向、長手方向に分割する工程を入れることで厚み方向の寸法のばらつきに対して幅方向、長手方向の寸法のばらつきはきわめて小さく抑えることが可能となる。本焼成後に分割すれば焼成による寸法の変化の影響はなくなるし、本焼成前に分割する場合であっても例えば同一ロット内の素子の焼成による収縮率を確認し、それを考慮した寸法に分割した後で本焼成しても幅方向、長手方向には良い寸法精度を出すことが可能となるからである。
この様に積層圧電素子の縦振動、屈曲振動を利用した超音波モータであれば電極の形状、駆動方法によらず本製造方法は有効となる。また内部電極の短絡は積層圧電素子の側面での短絡によるものではなくスルーホール等を用いたものでも良い。
(実施の形態2)
次に、実施の形態1の変形例を図9,図10,図11を基に示す。
(実施の形態2)
次に、実施の形態1の変形例を図9,図10,図11を基に示す。
実施の形態1に示したものと、基本的な構成、製造方法は共通であるので相違点のみを述べ共通点の説明を省略する。図9に圧電シート9の積層の様子を示した。大きな違いは切断部であり二点鎖線22の部分を切断する。この切断面の一つを図10(a)に示したが電極10,11,12,13の張り出し部10a',11a',12a',13a'及び10b',11b',12b',13b'並びに各電極の長手方向の端部が切断面に現れる。またこの様に積層、切断された圧電シート9の電極10a,11a,12a,13aと10b,11b,12b,13bで挟まれ、かつ切断時に残された領域が個々の積層圧電素子23の駆動に寄与する。図10(b)に示されるように、積層圧電素子23を上から見た場合、この駆動に寄与する領域は斜線部24で表される。
図11(a),図11(b),図11(c),図11(d)は、積層圧電素子23の側面に設けた外部電極を示したものである。図11(a),図11(b)は、積層圧電素子23の長手方向の端部側面に設けた外部電極を示している。電極10a,13aの張り出し部10a',13a'及び電極11a,12aの長手方向の端部は、図11(a),図11(b),図11(c),図11(d)に示した様に、積層圧電素子23の側面でそれぞれ外部電極25e,25g,25c,25dで短絡される。また電極10b,13bの長手方向の端部及び電極11b,12bの張り出し部11b',12b'は積層圧電素子23の側面でそれぞれ外部電極25a,25b,25f,25hで短絡される。
ここで外部電極25a,25b,25f,25hをGNDとして外部電極25e,25g,25c,25dに高電圧を加えることで、積層方向に分極処理がなされる。
本積層圧電素子23の駆動方法であるが、例えば次の二通りがある。外部電極25a,25hと外部電極25e,25dの間に、もしくは外部電極25b,25fと外部電極25g,25cの間に駆動信号を印加することで積層圧電素子23の面内の向かい合う辺の中心を結ぶ線で分けられる四つの領域の対角にある二つの領域が伸縮することで積層圧電素子23に縦振動と屈曲振動が励振される。駆動信号を印加する領域を切り替えることで縦振動と屈曲信号の位相が逆転し、移動体7の移動方向も変化する。別の方法としては、
外部電極25a,25h,25b,25fをGNDとして外部電極25e,25dと外部電極25g,25cの間に位相の異なる駆動信号、例えば90度もしくは−90度異なる信号を印加することで積層圧電素子23に縦振動と屈曲振動が励振される。位相を逆転させることで縦振動と屈曲信号の位相が逆転し、移動体7の移動方向も逆となる。
外部電極25a,25h,25b,25fをGNDとして外部電極25e,25dと外部電極25g,25cの間に位相の異なる駆動信号、例えば90度もしくは−90度異なる信号を印加することで積層圧電素子23に縦振動と屈曲振動が励振される。位相を逆転させることで縦振動と屈曲信号の位相が逆転し、移動体7の移動方向も逆となる。
ここでは、電極10a,11a,12a,13a,10b,11b,12b,13bを短絡するそれぞれの外部電極の位置を大きく離すことによって製造時に電極の位置ずれが生じた際にも分極時や駆動時の高電圧印加に対してこれら外部電極間で絶縁が保たれ、高い信頼性が得られる。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3を図6,図7,図8を基に説明する。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3を図6,図7,図8を基に説明する。
実施の形態1と基本的な電極構成、製造方法は共通であるので、相違点のみを述べ共通点の説明を省略する。違いは積層方法と切断部である。実施の形態1,2においては、二枚の圧電素子シートを交互に位置をずらしながら積層したが、本実施の形態においては、図6に圧電シートに積層の様子を示すように、それぞれΔ1だけ位置をずらした三枚の圧電シートの組を積層していくことを特徴とする。そして切断部は二点鎖線18の部分とする。この切断面の一つを図7(a)に示すが、電極10,11,12,13の張り出し部10a',11a',12a',13a'及び10b',11b',12b',13b'が切断面に現れる。
また、この様に積層された圧電シート9の電極10a,11a,12a,13aと10b,11b,12b,13bもしくは電極10b,11b,12b,13bと10c,11c,12c,13cで挟まれた領域が個々の積層圧電素子19の駆動に寄与し、図7(b),図7(c)に示す様に、積層圧電素子19を上から見た場合、この駆動に寄与する領域はそれぞれ斜線部20a、20bで表される。図8(a),図8(b)は積層圧電素子19の側面に設けた外部電極を示したものである。電極10a,11a,12a,13aの張り出し部10a',11a',12a',13a'は積層圧電素子23の側面で電極21c,21f,21i,21lにより、電極10b,11b,12b,13bの張り出し部10b',11b',12b',13b'は積層圧電素子23の側面で外部電極21b,21e,21h,21kにより、また電極10c,11c,12c,13cの張り出し部10c',11c',12c',13c'は積層圧電素子23の側面でそれぞれ外部電極21a,21d,21g,21jで短絡される。
ここで、外部電極21b,21e,21h,21kをGNDとして外部電極21c,21f,21i,21l,21a,21jに正方向の高電圧を、外部電極21d,21gに負方向の高電圧を加えることにより分極処理を行う。この場合の駆動方法としては外部電極21b,21e,21k,21hをGNDとして外部電極21c,21f,21l,21iに第一の駆動信号を印加することにより縦振動を励振する。また外部電極21a,21d,21j,21gに第二の駆動信号を印加することにより屈曲振動が励振され、二つの振動の合成変位により移動体7を駆動する。第一の駆動信号と第二の駆動信号の位相を
変えることにより縦振動と屈曲信号の位相が反転し、移動体7の移動方向も変わる。また
分極方向に付いても任意であり、分極方向に応じて駆動信号の位相を逆転すれば同じ振動が励振される。
(実施の形態4)
次に、実施の形態4を図12,図13を基に説明する。
変えることにより縦振動と屈曲信号の位相が反転し、移動体7の移動方向も変わる。また
分極方向に付いても任意であり、分極方向に応じて駆動信号の位相を逆転すれば同じ振動が励振される。
(実施の形態4)
次に、実施の形態4を図12,図13を基に説明する。
実施の形態1と基本的な製造方法は共通であるので、相違点のみを述べ共通点の説明を省略する。違いは電極パターンと積層方法である。簡単に説明すると、二枚の圧電素子シートを交互に圧電シートの面内方向(x、y両方向)に位置をずらしながら積層し、個々の積層圧電素子31の内部の電極は図12(a)と図12(b)の場合になるようにする。この様に積層することで積層圧電素子31の全ての側面に外部電極を設けることが出来るため、複雑な内部電極を短絡することが可能となる。
以下電極の構成について説明する。積層圧電素子31の幅方向中央部には長手方向全体に渡って電極28が設けられ、その両側には長手方向に二分された領域に計四つの電極26,27,29,30が設けられている。電極26及び30には張り出し部26a',2
6b',30a'が設けられている。圧電シートの状態では張り出し部26b'は図12(
b)に示した様に長いが、図12(a)の電極を構成する際には、張り出し部26a'は
、切断によってその一部が除去される。この図12(a)、(b)の状態の電極が交互になるように積層された積層圧電素子31とする。図13(a),図13(b),図13(c),図13(d)は、積層圧電素子23の側面に設けた外部電極を示したものである。図13(a),図13(b)は、積層圧電素子31の長手方向の端部側面に設けた外部電極を示している。そして、図13(a),図13(b),図13(c),図13(d)に示した外部電極によって、積層圧電素子31の側面で短絡される。具体的には、電極26a,27a,28a,29a,30a,26b,27b,28b,29b,30bはそれぞれ外部電極32g,32h,32b,32c,32f,32a,32d,32e,32i,32jによって短絡される。
6b',30a'が設けられている。圧電シートの状態では張り出し部26b'は図12(
b)に示した様に長いが、図12(a)の電極を構成する際には、張り出し部26a'は
、切断によってその一部が除去される。この図12(a)、(b)の状態の電極が交互になるように積層された積層圧電素子31とする。図13(a),図13(b),図13(c),図13(d)は、積層圧電素子23の側面に設けた外部電極を示したものである。図13(a),図13(b)は、積層圧電素子31の長手方向の端部側面に設けた外部電極を示している。そして、図13(a),図13(b),図13(c),図13(d)に示した外部電極によって、積層圧電素子31の側面で短絡される。具体的には、電極26a,27a,28a,29a,30a,26b,27b,28b,29b,30bはそれぞれ外部電極32g,32h,32b,32c,32f,32a,32d,32e,32i,32jによって短絡される。
ここで、外部電極32a,32d,32e,32i,32jをGNDとして外部電極32g,32f,32bに正方向の高電圧を、外部電極32h,32cに負方向の高電圧を加えることにより分極処理を行う。この場合の駆動方法としては外部電極32a,32d,32e,32i,32jをGNDとして外部電極32bに第一の駆動信号を印加することにより縦振動を励振する。また外部電極32g,32f,32h,32cに第二の駆動信号を印加することにより屈曲振動が励振され、二つの振動の合成変位により移動体7を
駆動する。第一の駆動信号と第二の駆動信号の位相を変えることにより縦振動と屈曲信号の位相が反転し、移動体7の移動方向も変わる。また分極方向に付いても任意であり、分
極方向に応じて駆動信号の位相を逆転すれば同じ振動が励振される。
(実施の形態5)
本発明の超音波モータを用いて電子機器を構成した例を図14を基に説明する。
駆動する。第一の駆動信号と第二の駆動信号の位相を変えることにより縦振動と屈曲信号の位相が反転し、移動体7の移動方向も変わる。また分極方向に付いても任意であり、分
極方向に応じて駆動信号の位相を逆転すれば同じ振動が励振される。
(実施の形態5)
本発明の超音波モータを用いて電子機器を構成した例を図14を基に説明する。
図14は本発明の駆動回路により駆動される超音波モータ100を電子機器の駆動源に適用したブロック図を示したものであり、積層圧電素子1,9,15,19,23,31と積層圧電素子1,9,15,19,23,31に接合された摩擦部材2により摩擦駆動
される移動体7と移動体7と一体に動作する伝達機構32と、伝達機構32の動作に基づいて動作する出力機構33からなる。ここでは移動体を回転体とし、移動体を回転動作させる例について説明する。
される移動体7と移動体7と一体に動作する伝達機構32と、伝達機構32の動作に基づいて動作する出力機構33からなる。ここでは移動体を回転体とし、移動体を回転動作させる例について説明する。
ここで、伝達機構32は例えば歯車列、摩擦車等の伝達車を用いる。出力機構33としては、プリンタにおいては紙送り機構、カメラにおいてはシャッタ駆動機構、レンズ駆動機構、フィルム巻き上げ機構等を、また電子機器や計測器においては指針等を、ロボットにおいてはアーム機構、工作機械においては歯具送り機構や加工部材送り機構等を用いる。
尚、本実施の形態における電子機器としては電子時計、計測器、カメラ、プリンタ、印刷機、ロボット、工作機、ゲーム機、光情報機器、医療機器、移動装置等を実現できる。さらに移動体7に出力軸を設け、出力軸からのトルクを伝達するための動力伝達機構を有する構成とすれば、超音波モータ駆動装置を実現できる。そして、超音波モータ駆動装置としてステージを構成すると、通常の電磁モータを用いたステージに比較して、機構が簡単かつ小型であるとともに、磁化を避ける環境下でも使用できる超音波モータを利用したステージを提供することができる。
1、9、15、19、23、31 積層圧電素子
2 摩擦部材
3 支持部材
4 加圧部材
6 加圧手段
7 移動体
10、12、13、26、31 内部電極
17、21、25、32 外部電極
2 摩擦部材
3 支持部材
4 加圧部材
6 加圧手段
7 移動体
10、12、13、26、31 内部電極
17、21、25、32 外部電極
Claims (10)
- 厚み方向と直交する面内において振動する振動モードで振動する積層圧電素子の製造方法であって、
前記積層圧電素子は、上面にのみ電極を有する複数の圧電シートを前記上面に順次積層した後で、最後に上面に電極を有さない圧電シートを重ねることで前記厚み方向の両端面には電極を有さない積層圧電素子を得ることを特徴とする積層圧電素子の製造方法。 - 前記振動モードは二つの異なる振動モードであることを特徴とする請求項1に記載の積層圧電素子の製造方法。
- 前記振動モードは縦振動と屈曲振動であることを特徴とする請求項2に記載の積層圧電素子の製造方法。
- 請求項1乃至3の何れか一つに記載の積層圧電素子の製造方法で作られることを特徴とする積層圧電素子。
- 厚み方向と直交する面内において振動する振動モードで振動する積層圧電素子であって、
前記積層圧電素子の前記厚み方向両端面には前記両端面に電極を有さない圧電シートが 積層されていることを特徴とする積層圧電素子。 - 前記振動モードは二つの異なる振動モードであることを特徴とする請求項5に記載の積層圧電素子。
- 前記振動モードは縦振動と屈曲振動であることを特徴とする請求項6に記載の積層圧電素子。
- 請求項4乃至7の何れか一つに記載の積層圧電素子を用いたことを特徴とする超音波モータ。
- 請求項8に記載の超音波モータを備えたことを特徴とする電子機器。
- 請求項8に記載の超音波モータを備えたことを特徴とするステージ。
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