JP5216822B2 - 積層圧電振動体を用いた超音波モータおよびそれを用いた電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は振動体の振動により移動体を摩擦駆動する超音波モータに関し、特に積層圧電振動体を用いた超音波モータおよびそれを用いた電子機器に関する。
弾性体の共振モードを利用した超音波モータは制御性に優れ、近年特に精密位置決め用アクチュエータとしても注目されている。特に、各種ステージ用のアクチュエータとしてはリニヤ型の超音波モータが要求される場合が多く、多くのタイプが提案され研究されている。その中でも、矩形板の縦(伸縮)振動と屈曲振動の合成振動を利用した超音波モータは様々なものが研究されている(例えば、特許文献1参照。)。これらの中でも例えば特許文献1に示す様に振動体を積層圧電素子で構成したものは低電圧で駆動できる為、バッテリーで駆動される各種小型電子機器への応用が期待される。
特開2000−116162号公報(第4−5頁、第3図)
しかしながら積層された各圧電素子の界面に設けられた複数の種類の内部電極を振動体の側面で短絡するため、内部電極は端部(側面側)付近には基本的に設けずに、短絡させたい内部電極毎に側面方向に張り出し電極部を設け、そこを外部電極により短絡していた。ところで、振動体の屈曲振動の歪は屈曲振動の振幅が最大となる腹付近、しかも振動体の幅方向(屈曲方向)の端部、即ち側面位置が最大となる為、上記のような電極構成によると最も効率的に屈曲振動を励振出来る位置で駆動力を発生できず屈曲振動の励振力が弱かった。このため振動体の長手方向の端面で出力を得るタイプの超音波モータでは速度が小さく、また振動体の幅方向の端面で出力を得るタイプの超音波モータでは大きな出力が得られなかった。特に振動体が小型になるとこの影響は大きくなった。
そこで、本発明では面内方向に屈曲振動を励振する複数の圧電素子を前記面内方向と直交する方向に積層して振動体を構成し、前記振動体と接する移動体を駆動する超音波モータにおいて、屈曲振動を励振する前記圧電素子の内部電極は、前記面内方向と直交する方向の二つの面に設けられ、この二つの面に設けられた内部電極は前記屈曲振動の前記振動体の長手方向の端部以外の腹に位置する部分においては前記振動体の幅方向端部において前記積層の方向に設けられ、前記複数の圧電素子間の界面に設けられた前記屈曲振動を励振する内部電極を短絡する外部電極は前記振動体の幅方向端面の前記二つの面に設けられた内部電極同士が重ならない位置であって前記振動体に発生する屈曲振動の腹近傍を避ける位置に設けられる。
この様に屈曲振動の歪が最も大きくなる位置である屈曲振動の腹かつ屈曲変位の中立面から最も離れた幅方向端部において圧電効果による歪を発生可能な様に電極を配置するとともに、これら振動の励振に影響の小さな部分で内部電極を短絡する様にすることで強い屈曲振動を励振可能とする。尚、本手段により縦振動の効率的な励振も可能となる。
本発明によれば、積層圧電素子を用いることによる低電圧駆動特性を持ちながら特に屈曲振動を効率的に励振出来るため縦振動と屈曲振動の変位の合成により発生し、出力を生む振動体の楕円運動の楕円の形状も正円に近くなり、大きな推力が得られるとともに高効率な超音波モータが実現できる。そしてこの効果は振動体を小型化した場合に顕著となるため小型で高出力の超音波モータが実現できる。またこれらの振動体を備えた超音波モータを電子機器の駆動源に用いることにより電子機器の小型化、薄型化、低消費電力化が可能となる。
また、本発明の超音波モータの移動体を直接レンズや指針等の出力部材を設けるか、もしくは移動体の動作を伝達機構を介して出力部材を動かせばカメラのズーム機構、オートフォーカス機構あるいは時計等の電子機器へ応用できる。
本発明の超音波モータにかかわる構成を示す図である。 本発明の超音波モータにかかわる振動体の振動モードを示す図である。 本発明の実施の形態1にかかわる超音波モータの振動体の構成を示す図である。 本発明の実施の形態1にかかわる超音波モータの振動体の構成を示す図である。 本発明の実施の形態1にかかわる超音波モータの振動体の別の構成を示す図である。 本発明の実施の形態1にかかわる超音波モータの振動体の別の構成を示す図である。 本発明の実施の形態2にかかわる超音波モータの振動体の構成を示す図である。 本発明の実施の形態2にかかわる超音波モータの振動体の構成を示す図である。 本発明の実施の形態3にかかわる超音波モータの振動体の構成を示す図である。 本発明の実施の形態3にかかわる超音波モータの振動体の構成を示す図である。 本発明の超音波モータを用いた電子機器を示す図である。
本発明の実施の形態を図面を基に説明する。
図1は本発明の積層振動子1,20,26,32を振動体として用いたリニヤ型アクチュエータの構成例を示したものである。矩形状の積層圧電素子1,20,26,32には突起2a,2b並びに支持部材3が設けられている。加圧部材4の軸部4aは段部を有し、案内板5の案内穴5aで、軸方向にのみ移動可能に案内されている。突起2a,2bの下には案内部材8a,8bに案内された移動体7が設けられ、支持部材3とその凹部が係合する加圧部材4を加圧ばね6で加圧することにより突起2a,2bと移動体7は接している。
ところで、積層圧電素子1,20,26,32は縦振動と屈曲振動を励振する。例えば図2は積層圧電素子1の長手方向に対する振動振幅の様子を示したものであり、図2(a)は縦振動の様子を、図2(b)は屈曲振動の様子を示したものである。縦振動、屈曲振動共に中央部が振動の節となり、この位置に支持部材3が設けられている。また屈曲振動の腹の位置に突起2a,2bが設けられている。この縦振動と屈曲振動を同時に励振することにより突起2a,2bは積層振動子1の長手方向の変位と、これと直交する幅方向の変位からなる楕円運動を行い移動体7を駆動する。ところで、ここでは縦一次モード、屈曲二次モードを用いた例を示したが、二つの振動モードの次数に制限を与えるものではなく、他の次数のモードを用いても構わない。また突起2a,2bの位置も本実施の形態に限るものではなく振動体の長手方向の端面に設けても構わない。更には移動体7を固定し、積層圧電素子1を移動させる構成としても構わない。
以下に本発明の積層圧電素子1,20,26,32の詳細な説明を行うが、共通した目的は屈曲振動を効率的に励振することにあり少なくとも屈曲振動の歪が最大となる屈曲振動の腹位置(図2(b)中9の位置)近傍かつ振動体の幅方向端面付近にまで駆動力が働くように電極が設けられていることを特徴とする。
(実施の形態1)
積層圧電素子1の構成を図3、図4を基に説明する。図4(b)に示す様に、積層圧電素子1は圧電素子10,11,12,13が積層され一体的に焼結されている。図3(a)に示すように、板状の圧電素子10の上面には、ほぼ各辺の中央で分割された4つの内部電極14a,14b,14c,14dが設けられ、図3(b)に示すように、圧電素子11の上面には、ほぼ全体に渡って内部電極14eが設けられ、図3(c)に示すように、圧電素子12の上面にも、ほぼ全体に渡って内部電極14fが設けられ、図4(a)に示すように、圧電素子13の上面には、内部電極14a,14b,14c,14d,14e,14fと短絡される外部電極15a,15d,15c,15f,15b,15eが設けられている。
積層圧電素子1において、電極14eはGNDとなり電極14a,14b,14c,14dと電極14eで挟まれた部分の圧電素子は屈曲振動を励振し、電極14fと電極14eで挟まれた部分の圧電素子は縦振動を励振する。従って、屈曲振動の腹(図2(b)中9の位置)の位置付近を含む範囲で振動体の幅方向端面まで駆動力が働くように電極が設けられている。但し、圧電素子の分極方向は全て厚み方向であるが、内部電極14a,14dと内部電極14eで挟まれた部分の圧電素子と内部電極14b,14cと内部電極14eで挟まれた部分の圧電素子は逆方向に分極処理されている。
次に、積層圧電素子1の内部電極14a,14b,14c,14d,14e,14fの外部への導通方法を説明する。図4(a)は積層圧電素子1の上面並びに側面を見た図である。ここで外部電極15a,15d,15c,15f,15b,15eは、内部電極14a,14b,14c,14d,14e,14fと短絡されており、積層圧電素子1に駆動信号を供給するものである。積層圧電素子1において、内部電極14a,14b,14c,14dには長手方向に引き出し部14a’,14b’,14c’,14d’が設けられ、内部電極14eには引き出し部14e’が設けられ、内部電極14fには引出し部14f’が設けられ、各引出し部は夫々積層圧電素子1の長手方向の端面で外部電極15a,15d,15c,15f,15b,15eと短絡され、更には積層圧電素子1の上面、即ち圧電素子13の上面に設けられた外部電極15a,15d,15c,15f,15b,15eまで導通が取られている。
本積層圧電素子1の駆動方法について説明する。外部電極15a,15c,15d,15fと外部電極15bの間に所定の周波数の信号を印加する振動体となる積層圧電素子1には屈曲振動が発生する。また外部電極15eと外部電極15bの間に所定の周波数の駆動信号を印加すると積層圧電素子1には縦振動が発生する。そこで外部電極15a,15c,15d,15fと外部電極15bの間に印加する駆動信号と、外部電極15eと外部電極15bの間に印加する駆動信号の位相を変えることにより、振動体となる積層圧電素子1の側面は楕円運動するため、積層圧電素子1に設けられた突起2a,2bと接する移動体7は移動する。二つの信号の位相差を反転させることにより楕円運動の方向も逆転するため、移動体7の移動方向も変わる。ところで、これら信号の印加方法はこれに限ったものではなく、圧電素子の分極方向等に応じて変えれば良い。逆に言えば圧電素子の分極方向も任意であり、例えば圧電素子10の分極方向は全て同一方向でも良い。
ところで、以上では各内部電極の短絡並びに外部への引出しは積層圧電素子1の側面で行った例を示したが、その手段に限定を与えるものではない。目的の振動モードの歪が最大となる位置付近に内部電極の短絡手段、外部への導通手段を設けないこと、即ち歪が最大となる位置近傍には必ず圧電素子の発生する力が加わるように内部電極を構成することが本発明の目的である。従って、逆にいえば歪が最小となる位置付近で内部電極の短絡、外部への導通を行えば良い。例えば圧電素子の厚み方向に微小な孔(スルーホール)を設け、孔に導電材料を埋め込み内部電極の短絡、外部との導通を行っても構わない。その場合孔の位置は積層圧電素子1の幅方向端面付近は避けて屈曲振動の変位の中立面となる幅方向中央部に設けるか、長手方向の端面に設けるのが良い。長手方向端面は縦振動の歪も発生しないので、縦振動の励振にも影響を与えず屈曲振動、縦振動共に大きな振動が励振できる。この場合、内部電極は積層圧電素子の幅方向端部まで設けることが出来る。
図5,図6は本発明の実施の形態の積層圧電素子の別の例を示したものである。図6(b)に示す様に、積層圧電素子20は圧電素子16,17,18,19が積層され一体的に焼結されている。図5(a)に示す様に、板状の圧電素子16の上面には、ほぼ各辺の中央で分割された4つの内部電極21a,21b,21c,21dが設けられ、図5(b)に示す様に、圧電素子17の上面には、ほぼ全体に渡って内部電極21eが設けられ、図5(c)に示す様に、圧電素子18の上面にも、ほぼ全体に渡って内部電極21fが設けられ、図6(a)に示す様に、圧電素子19の上面には内部電極21a,21b,21c,21d,21e,21fと短絡される外部電極22b,22c,22e,22f,22a,22dが設けられている。
積層圧電素子20において、電極21eはGNDとなり電極21a,21b,21c,21dと電極21eで挟まれた部分の圧電素子は屈曲振動を励振し、電極21fと電極21eで挟まれた部分の圧電素子は縦振動を励振する。従って、屈曲振動の腹(図2(b)中9の位置)の位置付近を含む範囲で振動体の幅方向端面まで駆動力が働くように電極が設けられている。例えば、電極21e,21fにおいて長手方向の中央部幅方向端面付近においては電極が設けられていないが、これは後で示す様に、電極21a,21b,21c,21dと外部電極を短絡させる際に電極21e,21fとの短絡を避ける為の余白であり、この部分は駆動力を発生しないが、屈曲振動の歪が小さい部分であり駆動力への影響は極めて小さい。但し、圧電素子の分極方向は全て厚み方向であるが、内部電極21a,21dと内部電極21eで挟まれた部分の圧電素子と、内部電極21b,21cと内部電極21eで挟まれた部分の圧電素子は逆方向に分極処理されている。
次に、積層圧電素子20の内部電極21a,21b,21c,21d,21e,21fの外部への導通方法を説明する。図6(a)は積層圧電素子20の上面並びに側面を見た図である。ここで外部電極22b,22c,22e,22f,22a,22dは内部電極21a,21b,21c,21d,21e,21fと短絡されており、積層圧電素子20に駆動信号を供給するものである。積層圧電素子20において内部電極21a,21b,21c,21dは屈曲振動の節にあたり、圧電素子の発生力が振動の励振にあまり寄与しない長手方向の中央部かつ幅方向端面付近において、外部電極22b,22c,22e,22fと短絡され、内部電極21e及び21fは長手方向の一端で夫々外部電極22a,22dと短絡され、更には積層圧電素子20の上面、即ち圧電素子19の上面に設けられた外部電極22b,22c,22e,22f,22a,22dまで導通が取られている。
積層圧電素子20の駆動方法について説明する。外部電極22b,22c,22e,22fと外部電極22aの間に所定の周波数の信号を印加する振動体となる積層圧電素子20には屈曲振動が発生する。また外部電極22dと外部電極22aの間に所定の周波数の駆動信号を印加すると積層圧電素子20には縦振動が発生する。そこで外部電極22b,22c,22e,22fと外部電極22aの間に印加する駆動信号と、外部電極22dと外部電極22aの間に印加する駆動信号の位相を変えることにより、振動体となる積層圧電素子20の側面は楕円運動するため、積層圧電素子20に設けられた突起2a,2bと接する移動体7は移動する。二つの信号の位相差を反転させることにより楕円運動の方向も逆転するため、移動体7の移動方向も変わる。
(実施の形態2)
図7、図8は本発明の超音波モータの積層圧電素子の第二の例を示したものである。図8(b)に示す様に、積層圧電素子26は圧電素子23,24,25が積層され一体的に焼結されている。図7(a)に示す様に、板状の圧電素子23の上面には、幅方向の中央部で長手方向に渡って内部電極27cが設けられ、その幅方向両側に長手方向の中央部で分割された4つの内部電極27a,27b,27d,27eが設けられ、図7(b)に示す様に、圧電素子24の上面には、ほぼ全体に渡って内部電極27fが設けられ、図8(a)に示す様に、圧電素子25の上面には内部電極27a,27b,27d,27e,27c,27fと短絡される外部電極28a,28d,28c,28f,28b,28eが設けられている。 積層圧電素子26において、内部電極27fはGNDとなり電極27a,27b,27d,27eとで挟まれた部分の圧電素子は屈曲振動を励振し、内部電極27fと電極27cとで挟まれた部分の圧電素子は縦振動を励振する。従って、屈曲振動の腹(図2(b)中9の位置)の位置付近を含む範囲で振動体の幅方向端面まで駆動力が働くように電極が設けられている。従って長手方向端部付近では圧電素子は駆動力を発生しないが、この部分は屈曲振動のみならず縦振動の励振にも効果が極めて小さい部分である。因みにこれは後で示す様に内部電極27と外部電極28を短絡させる際に目的以外の内部電極の短絡を避ける為の余白である。但し、圧電素子の分極方向は全て厚み方向であるが、内部電極27a,27eと内部電極27fで挟まれた部分の圧電素子と内部電極27d、27bと内部電極27fで挟まれた部分の圧電素子は逆方向に分極処理されている。
次に、積層圧電素子26の内部電極27の外部への導通方法を説明する。図8(a)は積層圧電素子26の上面並びに側面を見た図である。ここで外部電極28a,28d,28c,28f,28b,28eは、内部電極27a,27b,27d,27e,27c,27fと短絡されており、積層圧電素子26に駆動信号を供給するものである。積層圧電素子26において、内部電極27a,27c,27d,27b,27f,27eは長手方向端面付近において夫々外部電極28a,28b,28c,28d,28e,28fと短絡され、更には積層圧電素子26の上面、即ち圧電素子25の上面に設けられた外部電極28a,28b,28c,28d,28e,28fまで導通が取られている。
本積層圧電素子26の駆動方法について説明する。外部電極28a,28c,28d,28fと外部電極28eの間に所定の周波数の信号を印加する振動体となる積層圧電素子26には屈曲振動が発生する。また外部電極28bと外部電極28eの間に所定の周波数の駆動信号を印加すると積層圧電素子26には縦振動が発生する。ここで外部電極28a,28c,28d,28fと外部電極28eの間に印加する駆動信号と外部電極28bと外部電極28eの間に印加する駆動信号の位相を変えることにより、振動体となる積層圧電素子26の側面は楕円運動するため、積層圧電素子26に設けられた突起2a,2bと接する移動体7は移動する。二つの信号の位相差を反転させることにより楕円運動の方向も逆転するため、移動体7の移動方向も変わる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3の積層圧電素子32の構成を図9、図10を基に説明する。図10(b)に示す様に、積層圧電素子32は圧電素子29,30,31が積層され一体的に焼結されている。図9(a)に示す様に、板状の圧電素子29の上面には、ほぼ各辺の中央で分割された4つの内部電極33a,33b,33c,33dが設けられ、図9(b)に示す様に、圧電素子30の上面には、ほぼ全体に渡って内部電極33eが設けられ、図10(a)に示す様に、圧電素子31の上面には内部電極33a,33b,33c,33d,33eと短絡される外部電極34a,34d,34c,34f,34bが設けられている。
積層圧電素子32において電極33eはGNDとなり、電極33a,33b,33c,33dと電極33eで挟まれた部分の圧電素子が縦振動と屈曲振動を励振する。従って、屈曲振動の腹(図2(b)中9の位置)の位置付近を含む範囲で、振動体の幅方向端面まで駆動力が働くように電極が設けられている。但し、圧電素子の分極方向は全て厚み方向で同一方向に分極処理されている。
次に、積層圧電素子32の内部電極33a,33b,33c,33d,33eの外部への導通方法を説明する。図10(a)は積層圧電素子32の上面並びに側面を見た図である。ここで外部電極34a,34d,34c,34f,34bは内部電極33a,33b,33c,33d,33eと短絡されており、積層圧電素子32に駆動信号を供給するものである。積層圧電素子32において内部電極33a,33b,33c,33dには長手方向かつ幅方向端面部分に引き出し部33a’,33b’,33c’,33d’が設けられ、内部電極33eには長手方向の端面中央部に引き出し部33e’が設けられ、各引出し部は、夫々積層圧電素子32の長手方向の端面で外部電極34a,34d,34c,34f,34bと短絡され、更には積層圧電素子32の上面、即ち圧電素子31の上面に設けられた外部電極34a,34d,34c,34f,34bまで導通が取られている。
本積層圧電素子32の駆動方法であるが、例えば次の二通りがある。外部電極34a,34fと外部電極34bの間に、もしくは外部電極34c,34dと外部電極34bの間に駆動信号を印加することで、積層圧電素子32に縦振動と屈曲振動が励振される。駆動信号を印加する電極を切り替えることで縦振動と屈曲信号の位相が逆転し、移動体7の移動方向も変化する。別の方法としては外部電極34bをGNDとして、外部電極34a,34fと外部電極34c,34dの間に位相の異なる駆動信号、例えば90度もしくは−90度異なる信号を印加することで、積層圧電素子32に縦振動と屈曲振動が励振される。位相を逆転させることで縦振動と屈曲信号の位相が逆転し、移動体7の移動方向も変化する。
(実施の形態4)
本発明の圧電アクチュエータを用いて電子機器を構成した例を図11を基に説明する。
図11は本発明の駆動回路により駆動される超音波モータ100を電子機器の駆動源に適用したブロック図を示したものであり、積層圧電素子1,20,26,32と、積層圧電素子1,20,26,32に接合され加圧手段6により移動体7と接する摩擦部材2と、これらにより摩擦駆動される移動体7と、移動体7と一体に動作する伝達機構35と、伝達機構35の動作に基づいて動作する出力機構36からなる。ここでは移動体を回転体とし、移動体を回転動作させる例について説明する。
ここで、伝達機構35は例えば歯車列、摩擦車等の伝達車を用いる。出力機構36としては、プリンタにおいては紙送り機構、カメラにおいてはシャッタ駆動機構、レンズ駆動機構、フィルム巻き上げ機構等を、また電子機器や計測器においては指針等を、ロボットにおいてはアーム機構、工作機械においては歯具送り機構や加工部材送り機構等を用いる。
尚、本実施の形態における電子機器としては電子時計、計測器、カメラ、プリンタ、印刷機、ロボット、工作機、ゲーム機、光情報機器、医療機器、移動装置等を実現できる。
さらに移動体7に出力軸を設け、出力軸からのトルクを伝達するための動力伝達機構を有する構成とすれば、超音波モータ駆動装置を実現できる。そして、超音波モータ駆動装置としてステージを構成すると、通常の電磁モータを用いたステージに比較して、機構が簡単かつ小型であるとともに、磁化を避ける環境下でも使用できる超音波モータを利用したステージを提供することができる。
1、20、26、32 積層圧電素子
2 突起
3 支持部材
6 加圧ばね
7 移動体

Claims (4)

  1. 面内方向に縦振動と屈曲振動を励振する複数の圧電素子を前記面内方向と直交する方向に積層して振動体を構成し、前記振動体と接する移動体を駆動する超音波モータにおいて、
    前記屈曲振動を励振する前記圧電素子の内部電極は、前記面内方向と直交する方向の二つの面に設けられ、この二つの面に設けられた内部電極は前記屈曲振動の前記振動体の長手方向の端部以外の腹に位置する部分においては前記振動体の幅方向端部において前記積層の方向に設けられ、
    前記複数の圧電素子間の界面に設けられた前記屈曲振動を励振する内部電極を短絡する外部電極は前記振動体の幅方向端面の前記二つの面に設けられた内部電極同士が重ならない位置であって前記振動体の前記縦振動の腹となる長手方向端面に設けられていることを特徴とする超音波モータ。
  2. 面内方向に縦振動と屈曲振動を励振する複数の圧電素子を前記面内方向と直交する方向に積層して振動体を構成し、前記振動体と接する移動体を駆動する超音波モータにおいて、
    前記屈曲振動を励振する前記圧電素子の内部電極は、前記面内方向と直交する方向の二つの面に設けられ、この二つの面に設けられた内部電極は前記屈曲振動の前記振動体の長手方向の端部以外の腹に位置する部分においては前記振動体の幅方向端部において前記積層の方向に設けられ、
    前記複数の圧電素子間の界面に設けられた前記屈曲振動を励振する内部電極を短絡する外部電極は前記振動体の幅方向端面の前記二つの面に設けられた内部電極同士が重ならない位置であって前記振動体の幅方向端面であって前記振動体の前記縦振動の腹となる長手方向端面に隣接して設けられていることを特徴とする超音波モータ。
  3. 請求項1または2に記載の超音波モータを備えた電子機器。
  4. 請求項1または2に記載の超音波モータを備えたステージ。
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