以下、本発明の実施形態を説明するが、本発明の実施形態は、以下の実施形態に限定されるものではない。なお、以下の実施形態では、映像出力装置および映像出力システムの一例として、操作端末からデータを受信して映像出力を行うプロジェクタ装置、および該プロジェクタ装置を含み構成される映像出力装置を用いて説明する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の映像出力システム100の概略を示す図である。図1に示す映像出力システム100は、ネットワーク110を介して相互に接続される操作端末120と、プロジェクタ装置130a,130bと、コンテンツ・データベース(以下、データベースをDBと参照する。)142を備えるコンテンツ管理サーバ140とを含む。上記ネットワーク110は、例えばイーサネット(登録商標)やTCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)などのトランザクション・プロトコルによるLAN(Local Area Network)や、VPN(Virtual Private Network)または専用線を使用して接続されるWAN(Wide Area Network)などとして構成することができる。しかしながら、ネットワーク110の構成は、特に限定されるものではなく、図示しないルータを介して接続されるインターネットなどを含んでいてもよく、また有線または無線、またはこれらの混合のネットワークとして構成することができることは言うまでもない。
上記操作端末120は、ネットワーク110を介してプロジェクタ装置130a,130bに対し映像出力させる端末装置であり、図1では、ノート型のパーソナル・コンピュータを例示しているが、その他、ネットブック、デスクトップ型のパーソナル・コンピュータ、ワークステーションなどの種々のコンピュータ装置、PDA(Personal Digital Assistant)や、携帯電話などの種々の携帯端末として構成することができる。本実施形態の映像出力システム100において、操作端末120は、出力させようとするコンテンツ(以下、出力コンテンツと参照する。)そのものではなく、出力コンテンツの構成を記述するメタデータを送信することによって、プロジェクタ装置130にコンテンツの映像出力させる。
プロジェクタ装置130は、操作端末120からメタデータを受信し、解析し、メタデータの記述に従って必要なコンテンツをネットワーク110を介して取得する。図1に示す実施形態では、プロジェクタ装置130は、コンテンツを保管および管理するコンテンツ管理サーバ140にアクセスして必要なコンテンツを取得する。また、図1に示す例では、操作端末120にマイクロフォン122およびウェブカメラ124が接続され、プロジェクタ装置130は、これらのマイクロフォン122およびウェブカメラ124からそれぞれストリーム配信される音声データおよび映像データをコンテンツとして取得することもできる。さらに、図1に示す例では、操作端末120に備えられたマウス126からのポインタ情報をコンテンツとして取得することもでき、その他、デスクトップ画像をキャプチャして生成された動画データをコンテンツとして取得することもできる。本実施形態の映像出力システム100において、プロジェクタ装置130は、1以上の必要なコンテンツを取得した後、メタデータの記述に従って出力コンテンツを合成し、スクリーン上に投影するなど映像出力を行う。本実施形態では、このようにメタデータを利用して映像出力が行われる。
本実施形態において操作端末120およびプロジェクタ装置130間で送受信されるメタデータは、出力コンテンツを構成するパーツとして必要なコンテンツ(以下、サブコンテンツと参照することもある。)の保存位置を示すアドレスと、該サブコンテンツの画面割、その割り付け位置および割り付けサイズを規定するレイアウトとを含む。サブコンテンツの保存位置を示すアドレスとしては、URL(Uniform Resource Locator)やURN(Uniform Resource Name)などのURI(Uniform Resource Identifier)を用いることができる。なお、メタデータの送受信は、上述したLAN等のネットワークを介して行われることは必ずしも要さず、操作端末120とプロジェクタ装置130とをUSBなどの他のインタフェース接続を介して行うこともできる。
出力コンテンツを構成するために利用可能なサブコンテンツとしては、特に限定されるものではないが、ドキュメント、テキスト、静止画、動画、音声、図形(例えばポインタなど)などの種々のタイプのものを挙げることができる。上述したメタデータは、このようなサブコンテンツのタイプを識別する情報やその他の情報を含むことができる。上記ドキュメントタイプのサブコンテンツとしては、特に限定されるものではないが、種々のオフィススイートにより作成される文書、プレゼンテーション、スプレッドシートや、グラフィックソフトによる図面や、PDF(Portable Document Format)といった文書フォーマットなど種々のファイルフォーマットを挙げることができる。
上記動画タイプのサブコンテンツとしては、特に限定されるものではないが、MPEG(Moving Picture Experts Group)−1、MPEG−2、H.264/MPEG−4AVC(Advanced Video Coding)などの種々の動画コーデックおよび音声コーデックを用いたAVI(Audio Video Interleave)、MOV、フラッシュビデオ(Flash(登録商標) Video)などの種々のファイルフォーマットの動画データを挙げることができる。音声タイプのサブコンテンツとしては、特に限定されるものではないが、WAV(RIFF Waveform Audio Format)、MP3(MPEG-1 Audio Layer-3)や、WMA(Windows(登録商標) Media Audio)など種々のファイルフォーマットを挙げることができる。
上記画像タイプのサブコンテンツとしては、BMP、GIF(Graphics Interchange Format)、JPEG(Joint Photographic Experts Group)、JPEG2000などの種々のファイルフォーマットの画像データを挙げることができる。テキストタイプのサブコンテンツは、本実施形態では主としてプレーンテキストを意味するが、書式情報を含むマルチスタイルテキストやハイパーテキストなどを含めても良い。なお、テキストタイプに分類するか、あるいはドキュメントタイプに分類するかは、必ずしも明確な基準がある訳ではない。本実施形態では、プレーンテキストをテキストタイプに分類し、マルチスタイルテキストやハイパーテキストをドキュメントタイプに分類するものとして説明するが、特定の用途や仕様に応じて適宜定めればよい。また上記図形タイプのサブコンテンツとしては、典型的にはポインタを採用することができる。しかしながら、上記図形タイプのサブコンテンツは、特に限定されるものではなく、所望の領域をハイライトするマーカなどの種々の図形オブジェクトを採用することができる。なお、以下に説明する実施形態では、マウスポインタを用いて説明する。
図1に示すコンテンツ管理サーバ140は、コンテンツDB142を管理し、外部の装置からのコンテンツ取得要求に応答して、必要なコンテンツを配信する。コンテンツ管理サーバ140は、その他、ウェブサーバやファイルサーバであってもよく、必要なサブコンテンツが複数のサーバに分散されていてもよいことは言うまでもない。
以下、本実施形態の映像出力システム100の動作について詳細に説明する。図2は、第1実施形態の映像出力システムの概略構成を示すブロック図である。図2に示すプロジェクタ装置130は、制御ユニット210と、映像表示ユニット240とを含んで構成される。制御ユニット210は、ネットワーク・インタフェース(以下、ネットワークI/Fと参照する。)220と、このネットワークI/F220を介して接続された外部の操作端末120からメタデータを受信し、そのメタデータを解析するメタデータ受信・解析部222と、コンテンツ取得部224と、出力コンテンツ生成部226とを含んで構成される。コンテンツ取得部224は、ネットワークI/F220を介してコンテンツ管理サーバ140などから必要なサブコンテンツを取得する。出力コンテンツ生成部226は、受信したメタデータに従い、取得した1以上のサブコンテンツを合成し、出力コンテンツを生成する。
一方、操作端末120は、コンテンツ表示操作部202を含んで構成される。コンテンツ表示操作部202は、出力コンテンツに組み込んで出力させたいサブコンテンツを所定のレイアウトで配置するための操作環境を提供し、ユーザ指令に応答してメタデータを生成し、プロジェクタ装置130のメタデータ受信・解析部222へ送信する。特に限定されるものではないが、説明する実施形態では、コンテンツ表示操作部202およびメタデータ受信・解析部222は、例えばSIP(Session Initiation Protocol)やXMPP(eXtensible Messaging and Presence Protocol)などのプロトコルが組み込まれた専用アプリケーションモジュールとして実装され、メタデータは、ピア・ツー・ピア通信により送受信される。
しかしながら、適切なメタデータを作成し、適切に送受信できる限り、具体的な実装は特に限定されるものではなく、他の実施形態では、メタデータ受信・解析部222をウェブサーバ機能を組み込んで実装し、コンテンツ表示操作部202をウェブブラウザにより実装し、操作端末120およびプロジェクタ装置130間のメタデータの送受信をHTTPプロトコルを用いて行うこともできる。なお、メタデータ受信・解析部222は、本実施形態の受信手段および解析手段を構成する。
例えば操作者が操作端末120で、コンテンツ表示操作部202を起動すると、プロジェクタ装置130を操作するための操作画面がディスプレイ上に表示される。図3は、本実施形態の操作端末120のディスプレイ画面上に表示される、プロジェクタ装置の操作画面を例示する。図3に示す操作画面300は、予め登録された選択肢の中から所望の画面割の設定を選択するためのプルダウンメニュー302と、2つのボタン304,306と、出力コンテンツ全体の表示領域を表す全体領域310とを含んで構成されている。
全体領域310は、図3に示す例では、左右2つの画面領域312,314に分割されている。図3に示す操作画面において、各分割画面領域312,314に対し、例えばダイアログボックスを用いたり、あるいはサブコンテンツまたはサブコンテンツのショートカットをドラッグ・アンド・ドロップしたりして、サブコンテンツのURLを設定すると、対応したメタデータが生成され、プロジェクタ装置130に送信される。
図4は、プロジェクタ装置130が受信する一連のメタデータ400のデータ構造を示す図である。図4に示す各メタデータ400は、映像出力装置ID400aと、サブコンテンツのタイプ400bと、サブコンテンツのURI400cと、サブコンテンツの画面割りを規定するモード400dと、サブコンテンツを配置する座標400eと、サブコンテンツのサイズを規定する倍率400fと、メタデータの受信時刻400gとを含む。なお、映像出力装置IDは、プロジェクタ装置130を一意に識別するものであり、例えばSIPやXMPP等の技術により特定されるSIPIDやJIDなどを用いることができる。
上記モード400d、座標400eおよび倍率400fは、本実施形態においてレイアウトを規定している。なお、レイアウトの規定手法は、サブコンテンツの配置位置および表示サイズを規定できる限り、特に限定されるものではない。例えば開始点および終了点の座標により配置位置および表示サイズの両方を規定するなど、他の如何なる表現により指定されていてもよい。
生成および送信されるメタデータを例示すると、例えば操作画面300を用いてドキュメントタイプのサブコンテンツのURL(http://www.xx.yy/1)を分割画像領域312に設定すると、図4の1段目に示すようなメタデータが生成され、プロジェクタ装置(projector1@xxxx.co.jp)130に送信される。メタデータに規定されるレイアウトは、例えば図3のプルダウンメニュー302で選択された画面割り設定に応じて決定するように構成することができる。図4に示す例では、1段目のメタデータにより、まず画面を分割しないで出力コンテンツを生成する「シングル」モードで第1の領域にドキュメントタイプのサブコンテンツを表示させ、続いて、2段目のメタデータにより、画面を2分割して出力コンテンツを生成する「デュアル」モードで、分割により生成された第2の領域にテキストタイプのサブコンテンツが表示される。
再び図3を参照すると、ウェブカメラ124のカメラ映像を表示するためのカメラ表示領域316が、全体領域310の画面左下部分に構成されている。ボタン304は、操作端末120に備えられたウェブカメラ124の映像をサブコンテンツとして出力コンテンツに含ませることを指定するためのGUI(Graphical User Interface)部品である。ボタン304がクリックされると、カメラ映像の配信が有効化され、例えば予め設定された画面割り付け位置・倍率でカメラ表示領域316を配置するように、図4の5段目に示すようなカメラ映像の配信機能に割り当てられたURIが記述されたメタデータが送信される。これにより、「オーバ」モードで、全体領域中の指定の画面領域に動画タイプのサブコンテンツであるカメラ映像が重ねて表示される。
同様にボタン306は、操作端末120に備えられたマイクロフォン122の音声をサブコンテンツとして出力コンテンツに含ませることを指定するためのGUI部品であり、ボタン306がクリックされると、音声配信が有効化され、例えば図4の4段目に示すような、音声配信機能に割り当てられたURIが記述されたメタデータが送信される。なお、このマイクロフォン122による音声配信およびウェブカメラ124による映像配信を行うための機能部は、図2において、マイク音声配信部204およびカメラ映像配信部206としてそれぞれ示されている。
さらに、図3に示す全体領域310には、ポインタ図形318が示されている。例えばこのポインタ図形318をドラッグして移動させると、出力コンテンツ上に表示されるポインタ図形を移動させるように、図4の3段目に示すようなポインタの座標が記述されたメタデータが送信される。これにより、「オーバ」モードで、全体領域中の指定の座標位置に図形タイプのサブコンテンツであるポインタ図形が重ねて表示される。
その他、本実施形態で送受信されるメタデータは、上述したような出力コンテンツの内容を制御するメタデータの他に、出力コンテンツの終了の区切り点を規定したり、複数の出力コンテンツをまとめたサマリ出力を指令したりするコマンドタイプのものを含むことができる。なお、コンテンツ終了およびサマリ出力については詳細を後述する。また、操作画面300上で、各領域312,314,316の配置座標やサイズ、倍率の変更がなされると、それに対応して座標400eおよび倍率400fが設定されたメタデータが送信される。また、複数ページからなるドキュメントタイプのコンテンツの場合には、操作画面300上でページ送りが指示されると、ページ送りを指令するメタデータが送信されることとなる。
再び図2を参照すると、メタデータ受信・解析部222は、コンテンツ表示操作部202からメタデータを受信すると、受信したメタデータを解析し、その解析結果をコンテンツ取得部224に渡す。コンテンツ取得部224は、受領したメタデータの解釈結果に応じて、適宜ネットワークI/F220を介してサブコンテンツのURIにアクセスし、メタデータに指定されているサブコンテンツを取得する。例えば、メタデータ中のサブコンテンツのURIは、コンテンツ管理サーバ140のコンテンツDB142に保管されているコンテンツや、操作端末120のカメラ映像配信部206やマイク音声配信部204を指示すことができる。
図2に示すコンテンツ管理サーバ140は、コンテンツ配信部208を含み、コンテンツ配信部208は、外部のクライアントからのコンテンツの取得要求を処理して、コンテンツDB142に保管するコンテンツの配信処理を実行する。特に限定されるものではないが、本実施形態では、コンテンツ配信部208がウェブサーバ機能を組み込んで実装され、コンテンツ取得部224がHTTPクライアントとして実装され、コンテンツ管理サーバ140およびプロジェクタ装置130間のサブコンテンツの送受信がHTTPプロトコルを用いて行われるものとして説明する。しかしながら、サブコンテンツの取得処理は、HTTPに限定されるものでなく、ファイル共有プロトコルやファイル転送プロトコルなど既存のデータ転送プロトコルを採用してもよい。
コンテンツ取得部224は、必要なサブコンテンツを取得すると、取得したサブコンテンツと合わせて、メタデータの解析結果を出力コンテンツ生成部226へ渡す。なお、ポインタタイプのサブコンテンツのメタデータや、既に指定済みのサブコンテンツのサイズや配置の変更を指示するメタデータのように、コンテンツ自体の取得を必要としない場合には、コンテンツ取得部224は、そのまま解析結果を出力コンテンツ生成部226へ渡す。なお、コンテンツ取得部224は、本実施形態の取得手段を構成する。
出力コンテンツ生成部226は、より詳細には、種々のフォーマットのサブコンテンツを出力処理可能な形式に変換する変換モジュール228と、変換されたサブコンテンツのデータを合成し、出力コンテンツを生成するコンテンツ合成部230とを含む。なお、出力コンテンツ生成部226は、本実施形態の生成手段を構成する。取得されたサブコンテンツは、そのフォーマットに対応した適切な変換モジュールに渡され、データ変換が施された後、コンテンツ合成部230に渡される。コンテンツ合成部230は、渡された解析結果に含まれるレイアウト情報を用いて最終的なサブコンテンツの割り付け位置および割り付けサイズを決定し、サブコンテンツを出力コンテンツの画面中に配置し、出力コンテンツの画像データを生成する。最終的なサブコンテンツの割り付け位置および割り付けサイズの決定は、メタデータに規定される通りに決定してもよいが、図5に示すようなルールを適用して決定することができる。
サブコンテンツがカメラ映像やマイクロフォン音声などリアルタイム・データである場合には、サブコンテンツのデータが逐次取得され、出力コンテンツに反映されることとなる。また、操作端末120からメタデータが順次送信されると、それに対応して適宜新たなサブコンテンツが取得され、出力コンテンツの内容が更新されてゆくこととなる。
図5は、出力コンテンツ生成ルールのデータ構造を例示する。図5に示す出力コンテンツ生成ルール410は、例えばメタデータ中にレイアウト等が充分に規定されていなかった場合に補うためのルールである。出力コンテンツ生成ルール410は、適用対象のサブコンテンツのタイプ410aと、当該適用対象のサブコンテンツに対して設定するモード410bと、当該適用対象のサブコンテンツに対して設定する座標410cとを含む。なお、説明する実施形態では、メタデータ中に規定されていないレイアウト情報を補足するものとして出力コンテンツ生成ルールを用いるが、その他、所定のタイプについてレイアウト情報を書き換える強行的な規定を含んでいてもよいし、ドキュメントのファイルタイプによって、モードを切り替えたりする規定を含でいてもよい。
再び図2を参照する。出力コンテンツの画像データが生成されると、出力コンテンツ生成部226は、映像表示ユニットに画像データを送出する。映像表示ユニット240は、制御ユニット210から送付される出力コンテンツの画像データをビデオ信号に変換し、それをスクリーンSに投影する。映像表示ユニット240は、より詳細には、グラフィックコントローラ242と、画面データを保持するVRAM(Video Random Access Memory)244と、ディジタルデータをアナログビデオ信号に変換するDAC(Digital to Analogue Converter)246と、画像データから変換されたビデオ信号を表示するビデオ表示装置248とを含んで構成することができる。なお、映像表示ユニット240は、本実施形態の出力手段を構成する。
図6は、本実施形態の出力コンテンツ生成部226により生成され、映像表示ユニット240により投影される出力コンテンツの投影画面を示す図である。図6に示す投影画面320は、ドキュメントタイプのサブコンテンツが表示されている投影画面領域322と、テキストタイプのサブコンテンツが表示されている投影画面領域324と、投影画面領域322に重ねられ動画タイプのサブコンテンツが表示されている投影画面領域326とを含む。このように、本実施形態の映像出力システム100によれば、操作端末120からプロジェクタ装置130にメタデータを送信することで、プロジェクタ装置130側で必要なサブコンテンツが取得され、これらが合成された複合的なコンテンツが出力されることとなる。
本実施形態で用いられるメタデータは、どのようなサブコンテンツを出力させるかを指定するものであるため、プロジェクタ装置130では、このメタデータを受領することで容易にプロジェクタ装置130の詳細な利用状況を把握することが可能となる。再び図2を参照すると、本実施形態のプロジェクタ装置130の制御ユニット210は、さらに履歴記録部232と、メタデータを格納するメタデータ格納部234と、コンテンツ格納部236とを備えることができる。コンテンツ格納部236は、サブコンテンツや出力コンテンツ、あるいはこれらのコンテンツに関連するデータを格納する。
履歴記録部232は、メタデータ受信・解析部222が受信したメタデータを受け取り、メタデータまたはメタデータに含まれる情報を利用履歴情報としてメタデータ格納部234に格納する。メタデータ格納部234には、メタデータの受信に対応して、例えば図4に示すような一連のメタデータが蓄積されてゆくこととなる。履歴記録部232は、またコンテンツ取得部224が取得したサブコンテンツのデータおよび出力コンテンツ生成部226が生成した出力コンテンツの動画データを受け取り、コンテンツ格納部236へ格納する。さらに履歴記録部232は、格納されたサブコンテンツおよび出力コンテンツを関連付ける蓄積コンテンツ管理テーブルをコンテンツ格納部236へ格納する。メタデータ格納部234およびコンテンツ格納部236は、プロジェクタ装置130に備えられたフラッシュメモリやハードディスクドライブが提供する補助記憶領域により提供することができる。なお、履歴記録部232は、本実施形態の履歴記録手段を構成する。
コンテンツ格納部236に格納される出力コンテンツの動画データは、特に限定されるものではないが、種々の動画および音声コーデックを用いたAVI、FIやSWFなどのフラッシュビデオ(Flash(登録商標) Video)などの上述した種々のファイルフォーマットの動画データとすることができる。プロジェクタ装置130が備える補助記憶装置の容量およびコストを低減する観点からは、フラッシュビデオ(Flash(登録商標) Video)など、より高次のデータ形式で映像を表現する動画データとして保存されることが好ましい。なお、出力コンテンツ自体がメタデータおよび既存のサブコンテンツから再構成可能であり、これらのデータを蓄積することで利用状況が把握可能であるため、出力コンテンツの動画データを必ずしも利用履歴情報として蓄積することは要しない。出力コンテンツの動画データを蓄積するか否かは、例えば環境設定として設定することができる。出力コンテンツを利用履歴情報として保管しておく必要が無いため、最小限の情報を保持することで、充分な情報量の利用履歴の蓄積が可能となる。
図7は、本実施形態のコンテンツ格納部に蓄積される蓄積コンテンツ管理テーブルのデータ構造を示す。図7に示す蓄積コンテンツ管理テーブル420は、映像出力装置ID420aと、出力コンテンツ毎に採番される出力コンテンツID420bと、取得したサブコンテンツ毎に採番されるサブコンテンツID420cと、サブコンテンツのファイル名420dと、出力コンテンツのファイル名420eと、更新時間420fとを含む。なお、蓄積コンテンツ管理テーブル420が保持する情報は、例示のものに限定されるものではなく、その他、各サブコンテンツのファイル属性やフォーマットに応じて保持する書誌情報などを含んでいてもよい。
出力コンテンツは、プロジェクタ装置130の起動またはシャットダウン、プロジェクタ装置130が備える操作パネルまたは操作端末120を用いた操作者からの指令または時間指定、その他予め定めた条件に対応して、その開始点および終了点が規定される。例えば、コンテンツ未生成の状態から最初のメタデータを受信したことに応答して出力コンテンツの記録が開始され、いくつかのメタデータの受信により出力コンテンツの内容が更新された後、プロジェクタ装置130のシャットダウン、または操作者からの映像出力の終了の指令を受けたことに応答して、出力コンテンツの記録が終了され、ひとつの動画ファイルとして蓄積される。これにより、例えばビデオ会議等における一連の資料を用いた説明の履歴が、ひとつの出力コンテンツの動画データとして蓄積される。
また図7中の「summary01」の出力コンテンツIDが付されているレコードは、サマリ出力が指令され、一連の出力コンテンツが取りまとめられてひとつの動画データとして保存されていることを示している。サマリ出力は、例えばビデオ会議等における各プレゼンテーションを各出力コンテンツとして、会議全体で取りまとめたものをサマリコンテンツとして蓄積する場合に用いることができ、プロジェクタ装置130の操作パネルや操作端末120を用いた操作者からの指令などに対応して出力される。なお、以下の説明では、上述したコンテンツの終了やサマリ出力の指令が、操作端末120からメタデータによって伝達されるものとして説明する。
以下、第1実施形態の映像出力システム100で実行される映像出力処理の動作について、フローチャートを参照しながら説明する。図8は、本実施形態のプロジェクタ装置が実行する映像出力方法の動作を示すフローチャートである。図8に示す方法は、例えばプロジェクタ装置130の起動に応答して、ステップS100から開始される。ステップS101では、メタデータ受信・解析部222は、メタデータが送付されてくるまでの間(NOの間)、ステップS101で処理をループさせ、メタデータを待ち受ける。ステップS101で、メタデータが送付されると(YES)、ステップS102へ処理が進められ、メタデータ受信・解析部222はメタデータを受信する。ステップS103では、履歴記録部232は、メタデータ受信・解析部222が受信したメタデータを利用履歴情報としてメタデータ格納部234に格納する。
ステップS104では、メタデータ受信・解析部222は、受信したメタデータを解析し、コンテンツ取得部224や出力コンテンツ生成部226で解釈可能なデータ形式の解析結果を得る。ステップS105では、メタデータに指定されているコンテンツタイプおよびモードによる制御イベントの別に応じて処理を分岐させる。メタデータに「コマンド」タイプが指定され、「サマリ出力」のモードが指定されている場合(サマリ出力)は、ステップS105でステップS118へ分岐させる。メタデータに「コマンド」タイプが指定され、「コンテンツ終了」のモードが指定されている場合(コンテンツ終了)は、ステップS105でステップS115へ分岐させる。一方、メタデータにコマンドタイプ以外の通常のタイプが指定されている場合(通常)は、ステップS105でステップS106へ分岐させる。ここで、通常のタイプとは、コマンドタイプ以外のドキュメント、テキスト、動画、音声、ポインタといったタイプであって、出力コンテンツの内容に関連するものである。
ステップS106では、コンテンツ取得部224は、コンテンツの取得の要否を判定する。ここでは、メタデータが、ポインタタイプを指定している場合や、既出のサブコンテンツの割り付け位置や割り付けサイズの変更を指定している場合には、コンテンツの取得が不要であると判定される。ステップS106で、コンテンツの取得が必要であると判定された場合(YES)には、ステップS107へ処理を進める。ステップS107では、コンテンツ取得部224は、メタデータ中に記述されたURIをもとに出力コンテンツのパーツであるサブコンテンツを取得する。あるいは、サブコンテンツがリアルタイムに生成されるストリーム形式である場合には、当該サブコンテンツの取得処理を開始する。
ステップS108では、履歴記録部232は、取得されたサブコンテンツを蓄積し、あるいは、取得処理が開始されたサブコンテンツの蓄積を開始する。ステップS109では、出力コンテンツ生成部226は、出力コンテンツ生成ルール410を適用し、最終的な割り付け位置および割り付けサイズを決定する。ステップS106で、コンテンツの取得が不要であると判定された場合(NO)には、ステップS109へ直接進められる。
ステップS110では、出力コンテンツ生成部226は、出力コンテンツの生成状態を確認し、出力コンテンツの生成を開始するのか、出力コンテンツを更新するのかを判定する。ここでは、例えば起動直後またはコンテンツ終了の指令直後等のコンテンツ未生成の状態で最初のメタデータを受信した場合に、コンテンツの生成を開始するものと判定される。またコンテンツ生成中の状態でメタデータを受信した場合には、コンテンツを更新するものと判定される。
ステップS110で、出力コンテンツの生成の開始であると判定した場合(開始)には、ステップS111へ処理を進める。ステップS111では、出力コンテンツ生成部226は、メタデータおよび出力コンテンツ生成ルールを適用して決定された条件で出力コンテンツの生成を開始する。ステップS112で履歴記録部232は、生成された出力コンテンツの記録を開始し、ステップS113で出力コンテンツ生成部226は、映像表示ユニット240に出力コンテンツの画像データを送信して、生成された出力コンテンツの出力を開始する。続いて処理は、ステップS101へループされ、次のメタデータを待ち受ける。
一方、ステップS110で、出力コンテンツの更新であると判定した場合(更新)には、ステップS114へ処理を進める。ステップS114では、出力コンテンツ生成部226は、メタデータおよび出力コンテンツ生成ルールを適用して決定された条件で、最新の状態に出力コンテンツを更新する。続いて処理は、ステップS101へループされ、次のメタデータを待ち受ける。
再びステップS105へ説明を戻すと、「コマンド」タイプが指定され、「コンテンツ終了」のモードが指定されている場合(コンテンツ終了)には、ステップS115へ処理が分岐される。ステップS115では、出力コンテンツ生成部226は、出力コンテンツの生成を終了し、コンテンツ未生成の状態に移行する。ステップS116で履歴記録部232は、出力コンテンツおよび適宜サブコンテンツ(サブコンテンツがリアルタイムに生成されるストリーム形式である場合)の記録を終了し、ステップS117では、映像表示ユニット240は、出力コンテンツの出力を終了する。続いて処理は、ステップS101へループされ、次のメタデータを待ち受ける。
「コマンド」タイプが指定され、「サマリ出力」のモードが指定されている場合(サマリ出力)には、ステップS118へ処理が分岐される。履歴記録部232は、ステップS118でサマリ未出力の出力コンテンツを読み出し、ステップS119で、読み出した出力コンテンツを結合してサマリコンテンツを作成する。続いて処理は、ステップS101へループされ、次のメタデータを待ち受ける。
上述した制御ユニットは、中央演算ユニット(CPU:Central Processing Unit)、制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)、CPUによるプログラム処理を可能とする実行記憶空間を提供するRAM(Random Access Memory)、NV−RAM、ネットワークインタフェースカード(NIC)などを備え、本プロジェクタ装置130は、ROMやNV−RAMに格納されたプログラムを読み出し、RAMのメモリ領域に展開することにより、CPUの制御のもとで、上述した各機能部および各処理を実現している。
上述した実施形態の映像出力システム100によれば、メタデータによって出力コンテンツの内容が定義付けられるため、このメタデータを受領するプロジェクタ装置130では、出力コンテンツの内容等を含め詳細な利用状態を把握することが可能となる。またこのメタデータを利用履歴情報として蓄積することで、利用履歴を後日追跡することが可能となる。また、詳細な利用状況を把握することが可能となるため、利用状況に対応して課金を行うことも可能となる。例えば、出力コンテンツを構成するサブコンテンツのデータ容量に従量して課金を行ったり、その際にサブコンテンツのタイプ毎に単位料金を変更したりすることが可能となる。
なお、上述した実施形態では、メタデータが、図3に示すような操作画面300を用いたリアルタイム操作により生成され、操作端末120からプロジェクタ装置130に送信されるものとして説明してきた。しかしながら、操作端末120からのメタデータの生成および送信方法は、特に限定されるものではない。他の実施形態では、例えば、予め一連のメタデータを準備しておき、マウスのクリックやキーボード操作などの操作イベントに応答して順次メタデータが送信されるよう構成してもよい。さらに他の実施形態では、予め一連のメタデータをタイムテーブルとともに準備して、それをプロジェクタ装置130に一括に送信し、プロジェクタ装置130側で、タイムテーブルに沿って逐次処理する構成としてもよい。
また本実施形態の映像出力システム100によれば、出力される出力コンテンツが、コンテンツの実体と、メタデータとに分離されて管理されるため、またメタデータが出力コンテンツの内容を定義付けているものであるため、同様な内容のコンテンツを後日再生したい場合に、この一連のメタデータのセットを再利用することができる。この場合、上述したような操作イベントに応じて予め準備されたメタデータが送信される実施形態において、またはメタデータのタイムテーブルを用いる実施形態において、再編集したメタデータのセットを用いて出力コンテンツの再生を行えばよい。
さらに、本実施形態の映像出力システム100によれば、メタデータの編集のみで、出力コンテンツの内容に変更を加えることができるため、例えば、以前のプレゼンテーション内容に後日新たな進捗内容を加えたり、内容を聴衆の特性や講演時間に適合するよう変更したりすることも容易となり、その際のユーザ負担を軽減することができる。さらに、出力コンテンツを配布する際にも、配布先でコンテンツの実体データが取得できる限り、実体データを配布しなくとも良いため、送付すべきデータ量も削減することができる。
[第2実施形態]
以下、第2実施形態の映像出力システムについて説明する。なお、以下に説明する第2実施形態の映像出力システムは、会議専用の端末を用いる遠隔通信会議システムを含んで構成される。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態と類似した構成を備えるため、同様の機能手段については同一符番を用いて参照し、以下、相違点を中心に説明する。
図9は、第2実施形態の映像出力システム100の概略を示す図である。図9に示す映像出力システム100は、第1の実施形態において示した操作端末120、プロジェクタ装置130およびコンテンツ管理サーバ140に加え、遠隔通信管理サーバ160と、中継サーバ162と、プログラム提供サーバ164と、会議専用のデバイスとして構成された遠隔通信端末170と、遠隔通信端末170にそれぞれ接続されるディスプレイ172とを含んで構成される。
遠隔通信端末170は、他の遠隔通信端末170等との間で遠隔通信を行うため、映像データおよび音声データまたはこれらの少なくとも一方の送受信を行う。また、本実施形態では、映像データの映像が動画である場合について説明するが、静止画であってもよく、動画と静止画との両方が含まれていてもよい。さらに本実施形態では、遠隔通信端末170は、ネットワーク110を介してプロジェクタ装置130に対し映像出力させる端末装置としても機能し、第1の実施形態の操作端末と同様に、出力させようとする出力コンテンツの構成を記述するメタデータを送信することによって、プロジェクタ装置130にコンテンツの映像出力させることができる。
中継サーバ162は、複数の遠隔通信端末170の間で、映像データおよび音声データの中継を行う。遠隔通信管理サーバ160は、遠隔通信端末170および中継サーバ162を一元的に管理する。プログラム提供サーバ164は、遠隔通信端末170に各種機能を実現させるための遠隔通信端末用プログラム、中継サーバ162に各種機能を実現させるための中継サーバ用プログラム、および遠隔通信管理サーバ160に各種機能を実現させるための遠隔通信管理用プログラムが記憶されたHDD(図示せず。)を備えており、遠隔通信端末170、中継サーバ162および遠隔通信管理サーバ160それぞれに対し、各プログラムを配布することができる。
また図9には、ネットワーク110の詳細な構成が示されており、ネットワーク110は、インターネット116と、インターネット116にそれぞれ接続される2つの地域A,Bに整備されたLAN112および専用回線114とを含んで構成される。図9に示す複数のルータ154a,154b,154c,154d,154e,154fは、映像データおよび音声データの最適な経路の選択を行う。
遠隔通信端末170a,170b、プロジェクタ装置130、中継サーバ162aおよびルータ154aは、LAN112aによって通信可能に接続されており、遠隔通信端末170c,170d、操作端末120、中継サーバ162bおよびルータ154bは、LAN112bによって通信可能に接続されている。また、LAN112aおよびLAN112bは、ルータ154cが含まれる専用線114aによって通信可能に接続されており、所定の地域A内で構築されている。これに対して遠隔通信端末170e,170f、中継サーバ162cおよびルータ154dは、LAN112cによって、遠隔通信端末170g,170h、中継サーバ162dおよびルータ154eは、LAN112dによって通信可能に接続されている。LAN112cおよびLAN112dは、ルータ154fが含まれる専用線114bによって通信可能に接続されており、所定の地域B内で構築されている。地域Aおよび地域Bは、それぞれルータ154c,154fからインターネット116を介して通信可能に接続されている。コンテンツ管理サーバ140、遠隔通信管理サーバ160およびプログラム提供サーバ164は、インターネット116を介して、遠隔通信端末170および中継サーバ162と通信可能に接続されている。各サーバ140,160,164は、地域Aまたは地域Bに設置されていてもよいし、これら以外の地域に設置されていてもよい。なお、各端末120,170、各サーバ160,162,164、各ルータ154およびプロジェクタ装置130には、IPv4またはIPv6のIPアドレスが割り振られている。
以下、第2の実施形態の映像出力システムにおける遠隔通信端末および各サーバのハードウェア構成について説明する。なお、本実施形態では、中継先(宛先)としての遠隔通信端末170で映像データの受信に遅延が生じた場合に、中継サーバ162によって映像データの画像解像度を変更してから、中継先としての遠隔通信端末170へ映像データを送信する場合について説明する。図10(A)は、第2実施形態の遠隔通信端末のハードウェア構成を示す図である。図10(A)に示されているように、本実施形態の遠隔通信端末170は、遠隔通信端末170全体の動作を制御するCPU12と、IPL(Initial Program Loader)などのCPU12の動作に用いられるプログラムを記憶したROM14と、CPU12の実行空間として使用されるRAM16とを含む。
遠隔通信端末170は、さらに、SSD(Solid State Drive)18と、メディアドライブ20と、遠隔通信端末170の宛先を選択する場合などに操作される操作ボタン24と、遠隔通信端末170の電源のオンおよびオフを切換えるための電源スイッチ26と、ネットワーク110を利用してデータ伝送をするためのネットワークI/F32とを含む。SSD18は、CPU12の制御に従って、遠隔通信端末用プログラム、映像データおよび音声データなどの各種データを記憶するフラッシュメモリ(図示せず。)に対する各種データの読み出しまたは書き込みを制御する。メディアドライブ20は、SDカードなどの記録メディア22に対するデータの読み出しまたは書き込みを制御する。
また、遠隔通信端末170は、外付けまたは内蔵のCCDカメラ36の駆動を制御し、映像データの送受信を行う撮像素子I/F34を備えている。なお、CCDカメラ36に代えて、被写体を撮像し映像データを得るCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサを用いてもよい。遠隔通信端末170は、さらに、外付けまたは内蔵のマイクロフォン40およびスピーカ42との間で音声信号の入出力を処理する音声入出力I/F38を備えている。遠隔通信端末170は、さらに、CPU12の制御に従って、外付けのディスプレイ172に映像データを送信するディスプレイI/F44を備えている。ディスプレイ172は、ケーブルによってディスプレイI/F44に接続される。このケーブルは、アナログRGB(VGA)信号用のケーブルであってもよいし、コンポーネントビデオ用のケーブルであってもよいし、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)やDVI信号用のケーブルであってもよい。さらに、遠隔通信端末170は、上記各構成要素を相互に電気的に接続するためのバスライン30を備えている。
図10(B)は、本実施形態の遠隔通信管理サーバのハードウェア構成図である。遠隔通信管理サーバ160は、全体の動作を制御するCPU52と、CPU52の駆動に用いられるプログラムを記憶したROM54と、CPU52の作業空間として使用されるRAM56と、HDD58と、メディアドライブ72とを含む。HDD58は、CPU52の制御にしたがって、遠隔通信管理用プログラムなどの各種データを記憶するHD60に対する各種データの読み出しまたは書き込みを制御する。
遠隔通信管理サーバ160は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、または画像などの各種情報を表示するディスプレイ62と、ネットワークI/F66と、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたキーボード68と、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行うマウス70と、CD−ROMドライブ76と、バスライン64とを備えている。CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)ドライブ76は、着脱可能な記録媒体の一例としてのCD−ROM78に対する各種データの読み出しまたは書き込みを制御する。なお、コンテンツ管理サーバ140、中継サーバ162およびプログラム提供サーバ164は、上記遠隔通信管理サーバ160と同様のハードウェア構成を有しているため、その説明は省略する。
以下、本実施形態の映像出力システム100の機能構成について説明する。図11は、第2の実施形態の映像出力システムを構成する各端末、装置およびサーバの機能ブロックを示す。図11では、遠隔通信端末170、遠隔通信管理サーバ160および中継サーバ162が、ネットワーク110を介してデータ通信することができるように接続されている。また、図9に示されているプログラム提供サーバ164は、テレビ会議の通信において直接関係ないため、図11では省略されている。なお、以下では、テレビ会議の開始を要求する要求元としての遠隔通信端末170を「要求元端末170A」と参照し、要求先である宛先(中継先)としての遠隔通信端末170を「宛先端末170B」として参照する。
遠隔通信端末170は、送受信部250、音声入力部251、音声出力部252、操作入力受付部253、ログイン要求部254、撮像部255、画像表示制御部256、記憶・読出処理部257、遅延検出部259および最終絞込部260を備える。また、遠隔通信端末170は、RAM16またはフラッシュメモリによって構築される揮発性または不揮発性の記憶部258を備える。
遠隔通信端末170の送受信部250は、CPU12およびネットワークI/F32によって実現され、ネットワーク110を介して他の端末、装置またはサーバと各種データの送受信を行う。上記送受信部250は、所望の宛先端末170Bと遠隔通信を開始する前から、遠隔通信管理サーバ160より宛先候補としての各遠隔通信端末の状態を示す各状態情報の受信を開始する。なお、この状態情報は、各遠隔通信端末170の稼動状態(オンラインかオフラインかの状態)だけでなく、オンラインであってもさらに遠隔通信中であるか、離席中であるか等の詳細な状態を示すことができる。
上記操作入力受付部253は、CPU12、操作ボタン24および電源スイッチ26によって実現され、利用者による各種入力を受け付ける。例えば、利用者が、電源スイッチ26により電源投入すると、操作入力受付部253が電源オンを受け付けて、電源を供給する。ログイン要求部254は、CPU12によって実現され、上記電源投入の受け付けを契機として、送受信部250によりネットワーク110を介して遠隔通信管理サーバ160に、ログインを要求する旨を示すログイン要求情報と、要求元としての遠隔通信端末170の現時点のIPアドレスとを送信する。また、利用者が電源スイッチ26により電源切断すると、送受信部250が遠隔通信管理サーバ160へ電源を切断する旨の状態情報を送信した後に、操作入力受付部253が電源を完全に切断する。これにより、遠隔通信管理サーバ160側では、遠隔通信端末170が電源オンから電源オフになったことを把握することができる。
撮像部255は、CPU12、CCDカメラ36および撮像素子I/F34によって実現され、被写体を撮像して得た映像データを出力する。音声入力部251は、CPU12および音声入出力I/F38によって実現され、マイクロフォン40によって利用者の音声が音声信号に変換された後、この音声信号に係る音声データを入力する。音声出力部252は、CPU12からの命令および音声入出力I/F38によって実現され、音声データに係る音声信号をスピーカ42に出力し、スピーカ42から音声を出力させる。画像表示制御部256は、CPU12およびディスプレイI/F44によって実現され、外付けのディスプレイ172に対して映像データを送信するための制御を行う。最終絞込部260は、複数の中継サーバから最終的に1つの中継サーバに絞り込む最終絞り込み処理を行うため、CPU12からの命令によって、計測部261、算出部262および最終選択部263を実現する。
計測部261は、送受信部250によって受信された事前送信情報毎に、送受信部250によって事前送信情報が受信される際の受信日時を計測する。算出部262は、計測部261によって受信日時が計測された事前送信情報毎に、この計測された受信時間と、この事前送信情報に含まれている送信日時との差に応じて、事前送信情報の送信から受信までの所要時間を算出する。最終選択部263は、算出部262によって算出された所要時間のうち最短の所要時間を要した事前送信情報が中継された中継サーバ162を選択することで、最終的に1つの中継サーバを選択する。
遅延検出部259は、CPU12によって実現され、他の遠隔通信端末170から中継サーバ162を介して送信される映像データまたは音声データの遅延時間を検出する。記憶・読出処理部257は、CPU12およびSSD18によって実行され、揮発性または不揮発性の記憶部258に各種データを記憶し、また各種データを読み出す処理を行う。上記記憶部258には、遠隔通信端末170を識別するための端末ID、パスワード、映像データおよび音声データが、受信される度に上書き記憶される。このうち、上書きされる前の映像データによってディスプレイ172に画像が表示され、上書きされる前の音声データによってスピーカ42から音声が出力される。なお、本実施形態の端末IDおよび後述の中継サーバIDは、それぞれ遠隔通信端末170および中継サーバ162を一意に識別するために使われる識別情報を示す。
本実施形態の遠隔通信端末170は、メタデータを送信する操作端末として動作する場合には、第1の実施形態の操作端末が備えるコンテンツ表示操作部(図示せず。)を備えることができる。この場合、当該遠隔通信端末170は、マイクロフォン40およびCCDカメラ36により生成した音声データおよび映像データを、第1の実施形態と同様に、プロジェクタ装置130に直接配信することができる。また、遠隔通信端末170は、遠隔通信管理サーバ160および中継サーバ162を含む遠隔通信会議システムを使用して音声データおよび映像データを他の遠隔通信装置170に提供することができる。
本実施形態においては、プロジェクタ装置130は、図11に点線で示されているように遠隔通信端末170と一体として構成することができ、プロジェクタ装置130は、サブコンテンツとして、遠隔通信会議システムを経由して遠隔通信端末170から音声データおよび映像データのストリームを受信し、映像出力することができる。この場合、プロジェクタ装置130は、第1の実施形態で示した機能部に加え、上述した遠隔通信端末の送受信部、ログイン要求部、記憶・読出処理部、記憶部、遅延検出部、最終絞込部を備える。
中継サーバ162は、送受信部270、状態検知部271、データ品質確認部272、変更品質管理部273、データ品質変更部274および記憶・読出処理部275を有している。中継サーバ162は、HD等による不揮発性記憶部276を有し、不揮発性記憶部276には変更品質管理DBが構築される。変更品質管理DBは、映像データの中継先としての遠隔通信端末170のIPアドレスおよびこの中継先に中継サーバ162が中継する映像データの画質を関連付けて管理する。例えば、狭帯域経路を経由する場合には、ベース画像となる低解像度の映像データのみから成る低画質の映像データが中継され、帯域が比較的広い場合には中画質の映像データが、帯域が非常に広い場合には高画質の映像データが中継される。
中継サーバ162の送受信部270は、CPU52およびネットワークI/F66によって実現され、ネットワーク110を介して他の端末、装置またはサーバと各種データの送受信を行う。状態検知部271は、CPU52によって実現され、中継サーバ162の稼動状態を検知する。稼動状態としては、「オンライン」、「オフライン」、「遠隔通信中」又は「一時中断」の状態などがある。
データ品質確認部272は、CPU52によって実現され、宛先端末170BのIPアドレスを検索キーとして、変更品質管理DB276を検索し、中継される映像データの画質を抽出することで、中継される映像データの画質を確認する。変更品質管理部273は、CPU52によって実現され、遠隔通信管理サーバ160から送られて来る品質情報に応じて、変更品質管理DBの内容を変更する。例えば映像データの受信の遅延が生じた場合に、品質情報に応じて、中継する映像データの画質を高画質から中画質に下げるように、変更品質管理DBの内容を変更する。データ品質変更部274は、CPU52によって実現され、送信元端末170Aから送信された映像データの画質を、上記変更された変更品質管理DB276の内容に従って変更する。記憶・読出処理部275は、CPU52およびHDD58によって実現され、不揮発性記憶部に各種データを記憶し、また不揮発性記憶部に記憶された各種データを読み出す処理を行う。
以下、遠隔通信に関連する種々の情報を管理する遠隔通信管理160について説明する。遠隔通信管理サーバ160は、送受信部280、端末認証部281、状態管理部282、端末抽出部283、セッション管理部284、品質決定部285、記憶・読出処理部286、遅延時間管理部288、端末状態取得部289および一次絞込部290を備える。また、遠隔通信管理サーバ160は、遠隔通信管理サーバ160の電源を切断しても各種データの記憶が維持される不揮発性記憶部287を有しており、この不揮発性記憶部287は例えばHD60により構築されている。上記不揮発性記憶部287には、さらに、宛先リスト枠が記憶されている。ここで、宛先リスト枠とは、宛先名毎に状態情報(オンライン、オフライン、通話中等)の示したアイコン(オンライン、オフライン、通話中等を図形で表現したもの)を含むデータである。
不揮発性記憶部287には、中継サーバ管理DB、端末認証管理DB、端末管理DB、宛先リスト管理DB、セッション管理DB、優先度管理DBおよび品質管理DBが構築されている。中継サーバ管理DBは、各中継サーバ162の中継サーバID毎に、各中継サーバ162の稼動状態等を関連付けて管理する。端末認証管理DBは、図13(A)に示されているような端末認証管理テーブルによって構成され、端末認証管理テーブルでは、遠隔通信管理サーバ160によって管理される全ての遠隔通信端末170の各端末IDに対して、各パスワード等の認証情報が関連付けられて管理される。
端末管理DBは、図13(B)に示されているような端末管理テーブルによって構成されている。端末管理テーブルでは、各遠隔通信端末170の端末ID毎に、各遠隔通信端末170を宛先とした場合の宛先名、各遠隔通信端末170の稼動状態、ログイン要求情報が遠隔通信管理サーバ160で受信された受信日時、および遠隔通信端末170のIPアドレスが関連付けられて管理される。宛先リスト管理DBは、図13(C)に示されているような宛先リスト管理テーブルによって構成され、宛先リスト管理テーブルでは、テレビ会議における通話の開始を要求する要求元端末170Aの端末IDに対して、宛先端末170Bの候補として登録されている遠隔通信端末170の端末IDの全てを含むリストが関連付けられて管理される。
セッション管理DBは、中継サーバ162を選択するためのセッションの実行に用いられる選択用セッションID毎に、映像データおよび音声データの中継に使用される中継サーバ162の中継サーバID、要求元端末170Aの端末ID、宛先端末170Bの端末ID等を関連付けて管理する。優先度管理DBは、IPアドレスの同異または中継サーバ162における最大データ伝送速度の値に応じたアドレス優先度を関連付けて管理し、品質管理DBは、要求元端末170Aまたは宛先端末170Bにおける映像データの遅延時間に応じて中継サーバ162で中継させる映像データの画質を関連付けて管理する。
遠隔通信管理サーバ160の送受信部280は、CPU52およびネットワークI/F66によって実行され、ネットワーク110を介して他の端末、装置またはサーバと各種データ送受信を行う。端末認証部281は、送受信部280を介して受信されたログイン要求情報に含まれている端末IDおよびパスワードを検索キーとし、不揮発性記憶部287の端末認証管理DBを検索し、端末認証管理DBに同一の端末IDおよびパスワードが管理されているかを判断することによって端末認証を行う。
状態管理部282は、ログイン要求してきた要求元端末170Aの稼動状態を管理すべく、この要求元端末170Aの端末ID、要求元端末170Aの稼動状態等を関連付けて端末管理DBに記憶して管理する。また、状態管理部282は、利用者が遠隔通信端末170の電源スイッチ26をオンの状態からオフにしたことを契機として遠隔通信端末170から送られてきた、電源をオフする旨の状態情報を受信したことに応答して、端末管理DB内の端末管理テーブルの稼動状態をオフラインを示す値に変更する。
端末抽出部283は、ログイン要求した要求元端末170Aの端末IDをキーとして、宛先リスト管理DB内を検索し、要求元端末170Aと遠隔通信することができる宛先端末170Bの候補の端末IDを読み出すことで、端末IDを抽出する。また端末抽出部283は、ログイン要求してきた要求元端末170Aの端末IDをキーとして、宛先リスト管理DBを検索し、上記要求元端末170Aの端末IDを宛先端末170Bの候補として登録している他の要求元端末170Aの端末IDも抽出する。
端末状態取得部289は、上記端末抽出部283によって抽出された宛先端末170Bの候補の端末IDを検索キーとして、端末管理DBを検索し、上記端末抽出部283によって抽出された端末ID毎に稼動状態を読み出す。これにより、端末状態取得部289は、ログイン要求してきた要求元端末170Aと遠隔通信することができる宛先端末170Bの候補の稼動状態を取得することができる。また、端末状態取得部289は、上記端末抽出部283によって抽出された端末IDを検索キーとして、端末管理DBを検索し、ログイン要求してきた要求元端末170Aの稼動状態も取得する。
一次絞込部290は、複数の中継サーバ162から最終的に1つの中継サーバ162に絞り込む最終絞り込み処理を支援するため、この最終絞り込み処理前の一次絞り込み処理を行う。このため、一次絞込部290は、CPU52からの命令によって、選択用セッションID生成部291、端末IPアドレス抽出部292、優先度決定部293および一次選択部294を実現する。
上記選択用セッションID生成部291は、中継サーバ162を選択するためのセッションの実行に用いられる選択用セッションIDを生成する。端末IPアドレス抽出部292は、要求元端末170Aから送信された開始要求情報に含まれている要求元端末170Aの端末IDおよび宛先端末170Bの端末IDに従って、端末管理DBを検索することにより、対応するそれぞれの遠隔通信端末170のIPアドレスを抽出する。一次選択部294は、中継サーバ管理DBで管理されている中継サーバ162のうち、稼動状態が「オンライン」となっている中継サーバ162の中継サーバIDを選択することにより、中継サーバ162の選択を行う。
また、一次選択部294は、上記端末IPアドレス抽出部292によって抽出された要求元端末170Aおよび宛先端末170BのIPアドレスに従って、中継サーバ管理DBを検索することにより、上記選択された中継サーバ162のIPアドレスを調査する。さらに一次選択部294は、中継サーバ毎に、優先度の評価においてポイントが高い(例えば)上位2つの中継サーバ162を選択することにより、中継サーバ162のさらなる選択を行うことができる。優先度決定部293は、優先度管理DBを参照して、上記一次選択部294によって調査された中継サーバ162毎に、IPアドレスや中継サーバ管理DBで管理されているデータ伝送速度に応じて優先度のポイントを決定する。
セッション管理部284は、不揮発性記憶部287のセッション管理DBに、選択用セッションID生成部291で生成された選択用セッションID、要求元端末の端末ID、および宛先端末の端末IDを関連付けて記憶して管理する。また、セッション管理部284は、セッション管理DBに対して、選択用セッションID毎に、遠隔通信端末170の最終選択部263で最終的に1つに選択された中継サーバ162の中継サーバIDを記憶して管理する。
品質決定部285は、上記遅延時間を検索キーとして、品質管理DBを検索し、対応する映像データの画質を抽出することで、中継サーバ162に中継させる映像データの画質を決定する。記憶・読出処理部286は、HDD58によって実行され、不揮発性記憶部287に各種データを記憶し、または不揮発性記憶部287に記憶された各種データを読み出す処理を行う。遅延時間管理部288は、上記宛先端末170BのIPアドレスを検索キーとして、端末管理DBを検索することで、対応する端末IDを抽出し、さらに、セッション管理DBにおいて、上記抽出した端末IDに対応する遅延情報で示されている遅延時間を記憶して管理する。
上述したように、第2の実施形態では、遠隔通信端末170は、操作端末として動作することができ、プロジェクタ装置130に対しメタデータを送信することができる。またプロジェクタ装置130が遠隔通信端末と一体的に構成される実施形態では、プロジェクタ装置130は、遠隔通信端末170から中継サーバ162を経由して送信されてくる音声データおよび映像データをコンテンツとしてストリーム受信して、映像出力することができる。さらに、遠隔通信会議システムでは、遠隔通信管理サーバ160が、各遠隔通信端末170の状態情報を管理し、各遠隔通信端末170に配信しているため、遠隔通信端末170は、他の遠隔通信端末170のオンライン、オフライン、離席中等の状態を把握することができる。
以下、上記状態情報を利用して自身がオンライン、オフライン、投影中であるか等の詳細な稼働状態を通知することができるプロジェクタ装置130について説明する。図12は、遠隔通信端末170の一部の機能を備えるプロジェクタ装置130の概略構成を示すブロック図である。図12に示すプロジェクタ装置130は、制御ユニット210と、映像表示ユニット240とを備える。制御ユニット210は、図2に示す第1の実施形態のプロジェクタ装置が備える機能部に加えて、上記遠隔通信端末170が備える送受信部250、ログイン要求部254、記憶・読出処理部257および記憶部258を含んで構成される。さらに図12に示すプロジェクタ装置130の制御ユニット210は、プロジェクタ装置130が、オンライン、オフライン等の電源状態、および投影中、再生中、投影一時停止中、検索中等の映像出力状態を含む動作状態の変化を検知する状態検知部264を備える。これらの機能部は、図示しないCPUによって実現される。
ログイン要求部254は、電源投入の受け付けを契機として、送受信部250によりネットワーク110を介して遠隔通信管理サーバ160にログイン要求を行う。プロジェクタ装置130が遠隔通信端末としてログインできた場合には、状態検知部264は、記憶・読出処理部257により、自身がオンラインである旨を示す状態情報を記憶部258に記憶する。また、状態検知部264は、利用者によりプロジェクタ装置130の電源スイッチがオフにされると、オフラインされる旨を検知して、送受信部250により遠隔通信管理サーバ160へ電源を切断する旨の状態情報を送信し、電源は、その後完全に切断される。これにより、遠隔通信管理サーバ160側では、プロジェクタ装置130が電源オンから電源オフになったことを把握することができる。オンライン、投影中、再生中、検索中、再生一時停止中などの他の状態の変化についても同様である。
以下、遠隔通信端末が遠隔通信を開始する準備段階としてのログイン処理について説明する。図14は、複数の遠隔通信端末間で遠隔通信を開始する準備段階の処理を示したシーケンス図である。なお、図14では、ログインする装置が遠隔通通信端末170aである場合を例示しているが、他の遠隔通信端末170b,170c、プロジェクタ装置130など、他の遠隔通信端末として動作する装置についても同様の処理を行うことができる。
図14に示す処理は、まず、利用者が遠隔通信端末170aの電源スイッチ26をオンにしたことに応答して、ステップS200から開始し、遠隔通信端末170aの操作入力受付部253は、電源オンの指示を受け付けて当該プロジェクタ装置130の電源を投入する。ステップS201では、遠隔通信端末170aのログイン要求部254は、上記電源オンの受領を契機とし、送受信部250からネットワーク110を介して遠隔通信管理サーバ160に対し、ログイン要求を示すログイン要求情報を送信する。このログイン要求情報には、要求元としての自端末を識別するための端末IDとパスワードとが含まれている。
ステップS202では、遠隔通信管理サーバ160の端末認証部281は、送受信部280を介して受信したログイン要求情報に含まれている端末IDおよびパスワードを検索キーとして、不揮発性記憶部287の端末認証管理DBを検索し、端末認証管理DBに同一の端末IDおよびパスワードが管理されているかを判断することによって端末認証を行う。正当な利用権限を有する遠隔通信端末からのログイン要求であると判断された場合には、ステップS203で、状態管理部282は、端末管理DBに、要求元端末170aの端末IDおよび宛先名で示されるレコードに、稼動状態、上記ログイン要求情報が受信された受信日時および遠隔通信端末のIPアドレスを関連付けて記憶する。
ステップS204では、送受信部280は、上記端末認証部281によって得られた認証結果が示された認証結果情報を、ネットワーク110を介して、上記ログイン要求してきた要求元端末170aに送信する。本実施形態では、端末認証部281によって正当な利用権限を有する端末であると判断された場合につき、以下、説明を継続する。
遠隔通信端末170aが、正当な利用権限を有する端末であると判断された結果が示された認証結果情報を受信すると、ステップS205で、送受信部250は、ネットワーク110を介して、宛先リストを要求する旨が示された宛先リスト要求情報を遠隔通信管理サーバ160へ送信する。これにより、遠隔通信管理サーバ160の送受信部280は、宛先リスト要求情報を受信する。
ステップS206では、遠隔通信管理サーバ160の端末抽出部283は、要求元端末170aの端末IDを検索キーとして、宛先リスト管理DBを検索し、要求元端末170aと遠隔通信することができる宛先端末170Bの候補の端末IDと、該端末IDに対応する宛先名とを読み出すことによって抽出する。ステップS207では、遠隔通信管理サーバ160の送受信部280は、記憶・読出処理部286を介して不揮発性記憶部287から、宛先リスト枠を読み出すとともに、この宛先リスト枠と上記端末抽出部283によって抽出された端末IDおよび宛先名とを含めた「宛先リスト情報(宛先リスト枠、端末ID、宛先名)」を、要求元端末170aに送信する。これにより、要求元端末170aでは、送受信部250が宛先リスト情報を受信し、記憶・読出処理部257が記憶部258へ宛先リスト情報を記憶する。
ステップS208では、端末抽出部283は、ログイン要求した要求元端末170Aの端末IDを検索キーとして、宛先リスト管理DBを検索し、要求元端末170aと遠隔通信することができる宛先端末170Bの候補の端末IDと、この端末IDに対応する宛先名を読み出すことによって抽出する。ステップS209では、遠隔通信管理サーバ160の端末状態取得部289は、上記端末抽出部283によって抽出された宛先端末170Bの候補の端末IDを検索キーとして、端末管理DBを検索し、上記端末抽出部283によって抽出された端末ID毎に、対応する稼動状態を読み出すことにより、宛先候補としての遠隔通信端末の各稼動状態を取得する。ステップS210では、送受信部280は、上記ステップS208で使用された検索キーとしての端末IDと、対応する宛先端末170Bの稼動状態とが含まれた「端末の状態情報」を、ネットワーク110を介して要求元端末170aに送信する。また、上記ステップS210の送信処理には、要求元端末170aの端末IDと、この要求元端末170aの稼動状態を示した状態情報を送信することを含むことができる。
ステップS211では、要求元端末170aの記憶・読出処理部257は、遠隔通信管理サーバ160から受信した端末の状態情報を記憶部258に記憶し、画像表示制御部256は、記憶部258に記憶されている宛先リスト情報および端末の状態情報に従って、ディスプレイ172に対し宛先候補端末の状態を表示する。ステップS212では、遠隔通信管理サーバ160の端末抽出部283は、ログイン要求してきた要求元端末170aの端末IDを検索キーとして、宛先リスト管理DBを検索し、上記要求元端末170aの端末IDを宛先端末170Bの候補として登録している他の要求元端末170Aの端末IDを抽出する。
ステップS213では、端末状態取得部289は、上記ログイン要求して来た要求元端末170aの端末IDを検索キーとして、端末管理DBを検索し、ログイン要求してきた要求元端末170aの稼動状態を取得する。ステップS214およびステップS216では、送受信部280は、それぞれ、上記ステップS212で抽出された端末IDに係る遠隔通信端末のうち、端末管理DBで稼動状態が「オンライン」となっている遠隔通信端末(例えば170b,170c)に、上記ステップS212で取得された要求元端末170aの端末IDと稼動状態「オンライン」が含まれる「端末の状態情報」を送信する。これにより、ログイン要求した要求元端末170aを宛先として通話することができる他の宛先端末(170b,170c)ぞれぞれに、上記ログイン要求した要求元端末170aの端末IDおよび稼動状態「オンライン」を伝えることができる。
ステップS215およびステップS217では、遠隔通信端末170b,170cの記憶・読出処理部257は、それぞれ、遠隔通信管理サーバ160から受信した端末の状態情報を記憶部258に記憶し、画像表示制御部256は、記憶部258に記憶されている宛先リスト情報および端末の状態情報に従ってディスプレイ172に対して各遠隔通信端末170b,170cの宛先候補端末の状態を表示する。図14に示した処理により、遠隔通信会議システムに新たにログインした遠隔通信端末170は、他の遠隔通信端末170からオンラインで通信可能な端末として認識される。
以下、遠隔通信端末として動作するプロジェクタ装置が投影を開始等したことによってプロジェクタ装置130の状態が変化し、その変化を他の遠隔通信端末に周知する処理について説明する。図15は、プロジェクタ装置130の状態変化に応答して実行される処理を示したシーケンス図である。図15に示した処理は、図12に示すプロジェクタ装置130の状態検知部264が、例えばプロジェクタ装置130が「オンライン」から「投影中」となったことを検知してステップS300から開始される。
ステップS301では、プロジェクタ装置130の送受信部250は、「投影中」に状態変更された旨を示す状態情報を遠隔通信管理サーバ160へ送信する。これにより、遠隔通信管理サーバ160側では、プロジェクタ装置130が「オンライン」から「投影中」となったことを把握することができる。ステップS302では、遠隔通信管理サーバ160の状態管理部282は、状態情報を送信してきたプロジェクタ装置130の稼動状態を管理すべく、プロジェクタ装置130の端末ID(映像出力装置ID)および宛先名で示されるレコードに、稼動状態、上記受信された受信日時を関連付けて端末管理DBに記憶する。ステップS303では、端末抽出部283は、プロジェクタ装置130の端末ID(映像出力装置ID)を検索キーとして、宛先リスト管理DBを検索し、プロジェクタ装置130の端末ID(映像出力装置ID)を宛先端末170Bの候補として登録している他の要求元端末170Aの端末IDを抽出する。
ステップS304では、遠隔通信管理サーバ160の端末状態取得部289は、プロジェクタ装置130の端末IDを検索キーとして、端末管理DBを検索し、プロジェクタ装置130の稼動状態を取得する。ステップS305およびステップS307では、送受信部280は、それぞれ、上記ステップS303で抽出された端末IDの遠隔通信端末のうち、端末管理DBで稼動状態が「オンライン」となっている遠隔通信端末(例えば170b,170c)に、上記ステップS304で取得されたプロジェクタ装置130の端末IDと稼動状態「投影中」が含まれる「端末の状態情報」を送信する。これにより、状態の変更を通知したプロジェクタ装置130を宛先として遠隔通信することができる他の遠隔通信端末170b,170cぞれぞれに対し、プロジェクタ装置130の端末IDおよび稼動状態「投影中」が伝達される。
ステップS306およびステップS308では、遠隔通信端末170b,170cの記憶・読出処理部257は、それぞれ、遠隔通信管理サーバ160から受信した端末の状態情報を記憶部258に記憶し、遠隔通信端末170b,170cの画像表示制御部256は、記憶部258に記憶されている端末の状態情報に従ってディスプレイ172に対して各遠隔通信端末170b,170cの宛先候補端末の状態を表示する。
図15に示した処理により、当該プロジェクタ装置130と通信することができる他の遠隔通信端末170b,170cは、当該プロジェクタ装置130が「投影中」の状態に移行したことを把握する。このとき、他の遠隔通信端末170bは、自身がメタデータを送信している他のプロジェクタ装置に対し、プロジェクタ装置130が「投影中」であることを示すアイコン等をサブコンテンツとして表示を指示するメタデータを送信することによって、上記他のプロジェクタ装置に対しプロジェクタ装置130が「投影中」であることを示すアイコン等を映像出力させることができる。
上記メタデータは、アイコンイメージの保存位置を示すアドレスを示す図4に示したものと同様のデータ構造とすることができる。なお、状態検知部264により把握されるプロジェクタ装置の状態表示は、操作端末側で細かい指定が困難であるため、図5に示す出力コンテンツ生成ルール410によって、所定の割り付け位置および割り付けサイズでアイコンイメージを表示するように定義し、それに従って表示を行うことができる。
図16は、第2実施形態の映像出力システムにおいて、「投影中」であることを示すアイコン表示を指示するメタデータ送信により、2つのプロジェクタ装置130a,130bから個別に投影される出力コンテンツの投影画面を示す図である。図16に示すプロジェクタ装置130bの投影画面360は、投影画面領域362および投影画面領域366にプロジェクタ装置130aの投影画面領域342および投影画面領域346と同一のドキュメントを表示しつつ、投影画面領域364において、プロジェクタ装置130aの投影画面340と異なる内容の動画が表示されている。
プロジェクタ装置130bの投影画面領域364には、例えば相手方のプロジェクタ装置130aと同一のロケーションに配置された遠隔通信端末のCCDカメラにより撮像された映像が表示され、プロジェクタ装置130aの投影画面領域344には、その相手方プロジェクタ装置130bと同一のロケーションに配置された遠隔通信端末のCCDカメラにより撮像された映像が表示され、互いに相手方の映像を投影している。また、プロジェクタ装置130bの投影画面領域368には、相手方ロケーションのプロジェクタ装置130aの状態情報を示すアイコン(図16の例では投影中である旨のアイコンを例示する。)が表示され、プロジェクタ装置130aの投影画面領域348には、相手方ロケーションのプロジェクタ装置130bの状態情報を示すアイコンが表示され、互いに相手方ロケーションに配置されたプロジェクタ装置の状態を表示している。
このように第2実施形態の映像出力システム100では、遠隔通信会議システムの状態情報を通知する機能を利用することにより、遠隔通信端末として動作するプロジェクタ装置130の稼働状態や動作状態を表示するプレセンスを表示することが可能となる。なお、上述した第2実施形態では、プロジェクタ装置130が遠隔通信端末として動作し、遠隔通信管理サーバ160に対し自己の状態情報を送信するものとして説明した。しかしながら、プロジェクタ装置130が遠隔通信端末と一体的に構成されない実施形態では、プロジェクタ装置130は、自己にメタデータを送信している遠隔通信端末に自己の状態情報を通知し、この遠隔通信端末を経由して、遠隔通信管理サーバ160へ状態情報を伝達することもできる。
[第3実施形態]
以下、第3実施形態の映像出力システムについて説明する。なお、以下に説明する第3実施形態の映像出力システムは、上記第1の実施形態の構成に加え、さらに付加的な機能を含むものである。また、第3実施形態の映像出力システムは、第1実施形態の映像出力システム100と同様の構成を備えているため、以下、相違点を中心に説明する。図17は、第3実施形態の映像出力システム500の概略を示す図である。図17に示す映像出力システム500では、操作端末520、プロジェクタ装置530およびコンテンツ管理サーバ540に加え、各プロジェクタ装置530で必要とされる変換モジュールを提供するプロジェクタ管理サーバ550と、各映像出力装置の利用履歴情報を管理する履歴管理サーバ560とが、ネットワーク510を介して相互に接続されている。
図17に示すプロジェクタ装置530は、操作端末520の利用者を識別し、識別した利用者に対応して、出力コンテンツの内容を変化させて投影する。図17に示すプロジェクタ管理サーバ550は、種々のコンテンツのフォーマットに対応して変換モジュール552を保管し、プロジェクタ装置530からの要求に応答して、要求された変換モジュールを送付し、プロジェクタ装置530において利用可能とする。なお説明する実施形態では、プロジェクタ装置530側に必要な変換モジュールが存在しない場合、ライセンス取得など所定の手続を経て、プロジェクタ装置530がプロジェクタ管理サーバ550から必要な変換モジュールをダウンロードし、インストールして、当該変換モジュールを利用可能とするものとして説明する。しかしながら、他の実施形態では、プロジェクタ装置530側に既に種々の変換モジュールのプログラムが存在し、プロジェクタ装置530側で変換モジュールが有効化されていない場合に、ライセンス取得など所定の手続を経て、変換モジュールを有効化して利用可能とするよう構成してもよい。
図17に示す履歴管理サーバ560は、メタデータ履歴DB562およびコンテンツ履歴DB564を備え、各映像出力装置が内部で管理している利用履歴情報を取得し、メタデータ履歴DB562およびコンテンツ履歴DB564に利用履歴情報を保存し、これを管理する。これにより、各映像出力装置の利用履歴情報が履歴管理サーバ560に同期バックアップされ、一元的に管理される。
以下、第3実施形態の映像出力システム500の動作について詳細に説明する。図18は、第3実施形態の映像出力システムの概略構成を示すブロック図である。図18に示すプロジェクタ装置530aは、制御ユニット610と、映像表示ユニット660とを含んで構成される。制御ユニット610は、ネットワークI/F620、メタデータ受信・解析部622、コンテンツ取得部624および出力コンテンツ生成部626に加えて、利用者識別部640と、変換モジュール管理部642とを含んで構成される。
利用者識別部640は、操作端末520の利用者を識別する処理手続を行い、メタデータの送信元の利用者を特定する。利用者識別部640は、例えばXMPPやSIP等の技術を用いて、利用者または利用者の操作端末520を識別する。他の実施形態では、利用者識別部640をウェブサーバ機能を組み込んで実装し、プロジェクタ装置530aへのログイン画面を操作端末520上のウェブブラウザ上に表示して、これにより利用者を識別してもよい。
第3実施形態の映像出力システム500では、利用者を特定することにより、利用者毎に適用する出力コンテンツ生成ルールを変更し、アクセス制限されたリソースのURIがメタデータ中に記述されている場合に利用者に対応して保持する認証情報を用いてリソースにアクセスし、また利用者毎に利用履歴情報の蓄積先を変更することができる。
図19は、利用者毎に管理されるデータのデータ構造を例示する。図19(A)は、利用者毎に設定される出力コンテンツ生成ルール(以下、利用者ルールとして参照する。)のデータ構造を例示する。出力コンテンツ生成部626は、利用者が特定された後、第1実施形態で用いた出力コンテンツ生成ルールの代わりに、あるいは第1実施形態の出力コンテンツ生成ルールに付加して、図19(A)に示すような利用者毎に予め設定された利用者ルールを適用することができる。これにより、同一の出力コンテンツを再生する場合でも、利用者に応じて異なる見え方で出力コンテンツを出力することが可能となる。
図19(A)に示す利用者ルール700は、利用者を固有に識別するユーザ識別値700aと、適用対象のサブコンテンツのタイプ700bと、当該適用対象のサブコンテンツに対して設定するモード700cと、当該適用対象のサブコンテンツに対して設定する座標700dとを含む。このような利用者ルール700は、例えば、メタデータ中に規定されていないレイアウト情報を第1段階目の補足のために用いることができる。この場合、当該利用者ルールに規定されていないものについては、利用者に依らない第1実施形態と同様の出力コンテンツ生成ルールを適用し、第2段階目の補足を行うことができる。
図19(B)は、利用者毎に設定される履歴の蓄積先および認証情報を保持する利用者データのデータ構造を例示する。図19(B)に示す利用者データ710は、利用者を固有に識別するユーザ識別値710aと、利用履歴情報の蓄積先710bと、リソースにアクセスする際に用いることができるID710cと、例えばパスワードといった認証情報710dとを含む。コンテンツ取得部624は、利用者が特定された後、メタデータ中のURIが示すリソースにアクセスした際に認証が求められると、当該ID710cおよび認証情報710dを通知し、サブコンテンツの取得を行う。これにより、ユーザの権限を一時的にプロジェクタ装置530aに委譲することができ、アクセス制限されたサブコンテンツであっても、取得して、出力コンテンツに組み込むことが可能となる。また、履歴記録部632は、利用者データ710を参照して、ユーザ識別値に対応したメタデータや出力コンテンツ、サブコンテンツおよび蓄積コンテンツ管理テーブルを含む利用履歴情報の蓄積先を変更することができる。メタデータおよび蓄積コンテンツ管理テーブルには、図20および図26に示すように、ユーザ識別値720b,730bをそれぞれ追加することができる。
さらに本実施形態の映像出力システム500では、プロジェクタ装置530aのメタデータ受信・解析部622は、例えば図20の1段目に示すようにメタデータ中に自機以外の映像出力装置IDが記述されている場合に、当該自機以外の映像出力装置にメタデータを転送することができる。これにより、マスタとして動作するプロジェクタ装置530aを中心として、スレーブとして動作する他の1以上の映像出力装置に対し、異なる内容のコンテンツを出力させるとともに、これらの映像出力装置の出力内容をプロジェクタ装置530aで一元的に蓄積することが可能となる。なお、説明する例では、転送処理において、プロジェクタ装置530aがマスタとして動作し、プロジェクタ装置530bがスレーブとして動作するものとする。
図21は、第3実施形態のメタデータ転送により、2つのプロジェクタ装置530a,530bから個別に投影される出力コンテンツの投影画面を示す図である。図21に示すプロジェクタ装置530bの投影画面810は、投影画面領域812に投影画面領域802と同一のドキュメントを表示しつつ、投影画面領域814と投影画面領域816とにおいて、プロジェクタ装置530aの投影画面800と異なる内容のテキストおよび動画が表示されている。このように第3実施形態の映像出力システム500では、複数の映像出力装置から個別に異なる内容の出力コンテンツを出力させることが可能とされている。なお、同時利用可能な映像出力装置の数は、2つに限定されるものではない。この構成は、例えば資料を共有しながら遠隔的に会議する場合に有用である。
再び図18を参照すると、変換モジュール管理部642は、変換モジュール646を管理する管理部644を含んで構成される。管理部644は、出力コンテンツ生成の際に必要な変換モジュールが無かった場合や、プロジェクタ装置530が備える操作パネルまたは操作端末を用いた操作者からのマニュアル指令に応答して、プロジェクタ管理サーバ550と通信して、所望の変換モジュールを有効化する手続を行う。プロジェクタ管理サーバ550は、各コンテンツのフォーマットに対応して変換モジュール552を提供する変換モジュール提供部648を備え、プロジェクタ装置530の変換モジュール管理部642からの要求に応答して、適宜ライセンス締結手続を行い、要求された変換モジュールを提供する。
第3実施形態におけるプロジェクタ装置530aの出力コンテンツ生成部626は、変換モジュール628およびコンテンツ合成部630に加え、変換モジュール呼出部638をさらに含んで構成される。本実施形態のプロジェクタ装置530aにおいては、出力が要求されているサブコンテンツのフォーマットに対応して、変換モジュール管理部642に管理されている変換モジュール646が必要に応じて呼び出され、出力コンテンツ生成部626の実行空間上に変換モジュール628が実現される。管理部644は、変換モジュール呼出部638が要求する変換モジュールを保持していいない場合に、プロジェクタ管理サーバ550から必要な変換モジュールをダウンロードし、出力コンテンツ生成部626に渡す。
以下、第3実施形態の映像出力システムで実行される映像出力処理の動作について、フローチャートを参照しながら説明する。図22および図23は、第3実施形態のプロジェクタ装置が実行する映像出力方法の動作を示すフローチャートである。なお。図22および図23では、図中のポイントAおよびポイントBにより処理が連結されていることに留意されたい。図22および図23に示す方法は、例えばプロジェクタ装置530の起動に応答して、ステップS400から開始される。ステップS401では、利用者識別部640は、利用者がログインするまでの間(NOの間)、ステップS401をループし、待ち受ける。ステップS401で、ログイン処理が開始されると(YES)、ステップS402へ処理が進められ、利用者識別部640は、ステップS402で利用者を識別し、ステップS403で識別した利用者に対応する利用者ルールを読み出して適用する。
ステップS404では、メタデータ受信・解析部622は、メタデータが送付されてくるまでの間(NOの間)、ステップS404で処理をループさせ、メタデータを待ち受ける。ステップS404で、メタデータが送付されると(YES)、ステップS405へ処理が進められ、メタデータ受信・解析部622はメタデータを受信し、ステップS406では、履歴記録部632は、メタデータ受信・解析部622が受信したメタデータを利用履歴情報として格納する。
ステップS407では、メタデータ受信・解析部622は、受信したメタデータを解析し、解析結果を得る。ステップS408では、メタデータ受信・解析部622は、解析の結果、他の映像出力装置に対し転送が必要であるか否かを判定する。ステップS408で、転送が必要であると判定された場合(YES)には、ステップS409へ処理を分岐させる。ステップS409では、メタデータ受信・解析部622は、メタデータ中に記述された自機以外の映像出力装置に、受信したメタデータを転送する。ステップS410では、メタデータ中に自機の映像出力装置IDが記述されているか否かを確認し、自機での処理が必要であるか否かを判定する。ステップS410で、自機での処理が不要であると判定された場合(NO)には、処理はステップS404へループされ、次のメタデータを待ち受ける。
一方、ステップS408で転送が不要であると判定された場合(NO)およびステップS410で自機での処理が必要であると判定された場合(YES)には、処理はステップS411へ進められる。ステップS411では、メタデータに指定されているコンテンツタイプおよびモードによる制御イベントの別に応じて処理を分岐させる。メタデータにコマンドタイプが指定され、「サマリ出力」のモードが指定されている場合(サマリ出力)は、ステップS411でステップS420へ分岐させる。メタデータにコマンドタイプが指定され、「コンテンツ終了」のモードが指定されている場合(コンテンツ終了)は、ステップS411でステップS417へ分岐させる。一方、メタデータにコマンドタイプ以外の通常のタイプが指定されている場合(通常)は、ステップS411で、ポイントAを介して図23のステップS501へ分岐させる。
図23のステップS501では、コンテンツ取得部624は、コンテンツの取得の要否を判定する。ステップS501で、コンテンツの取得が必要であると判定された場合(YES)には、ステップS502へ処理が進められる。ステップS502では、コンテンツ取得部624は、メタデータ中に記述されたURIをもとにサブコンテンツを取得し、あるいは取得処理を開始する。なお、サブコンテンツの取得の際に認証情報が求められる場合には、利用者データの対応するID710cおよび認証情報710dを用いる。
ステップS503では、履歴記録部632は、取得されたサブコンテンツを蓄積し、あるいは蓄積を開始する。ステップS504では、出力コンテンツ生成部626は、コンテンツ生成ルールを適用し、最終的な割り付け位置および割り付けサイズを決定する。なお、ステップS501で、コンテンツの取得が不要であると判定された場合(NO)には、ステップS504へ直接進められる。
ステップS505では、出力コンテンツ生成部626は、取得されたサブコンテンツの拡張子やヘッダなどからフォーマットを特定し、変換モジュールを読み出す必要があるか否かを判定する。ここでは、取得したサブコンテンツのフォーマットに対応した変換モジュールが出力コンテンツ生成部626の実行空間に読み込まれていない場合に、必要であると判定される。ステップS505で、変換モジュールの読み出しが不要であると判定された場合(NO)には、ポイントBを介して図22のステップS412へ処理を進める。一方、ステップS505で、変換モジュールの読み出しが必要であると判定された場合(YES)には、ステップS506へ処理を進める。
ステップS506では、変換モジュール管理部642は、自身が管理している変換モジュール646中に必要な変換モジュールが存在するか否かを判定する。ステップS506で、必要なモジュールが存在しないと判定された場合(NO)には、ステップS507へ処理を進め、変換モジュール管理部642は、プロジェクタ管理サーバ550と通信し、サブコンテンツのフォーマットを伝えて、必要な変換モジュールをダウンロードし、ステップS508へと処理を進める。一方、ステップS506で、必要な変換モジュールが存在すると判定された場合(YES)には、ステップS508へ直接処理を分岐させる。ステップS508で、出力コンテンツ生成部626は、変換モジュールを読み出して起動し、ポイントBを介して図22のステップS412へ処理を進める。
再び図22を参照すると、ステップS412では、出力コンテンツ生成部626は、出力コンテンツの生成状態を確認し、出力コンテンツの生成を開始するのか、出力コンテンツを更新するのかを判定する。ステップS412で、出力コンテンツの生成の開始であると判定した場合(開始)には、ステップS413へ処理を進め、ステップS413では、出力コンテンツ生成部626は、メタデータおよびコンテンツ生成ルールの適用により決定された条件で出力コンテンツの生成を開始する。ステップS414で履歴記録部632は、生成された出力コンテンツの記録を開始し、ステップS415で映像表示ユニット660は、生成された出力コンテンツの出力を開始する。続いて処理は、ステップS404へループされ、次のメタデータを待ち受ける。なお、図22中のステップS416〜ステップS421の処理は、ステップS416、ステップS419およびステップS421からステップS404へループされることを除き、図8に示したステップS114〜ステップS119の処理と同様であるため、説明を割愛する。
図24は、第3実施形態の映像出力システムにおける、利用履歴情報に関連する機能についての概略構成を示すブロック図である。なお、図24においては、図18に示した詳細な構成の一部が簡略化されていることに留意されたい。図24に示すプロジェクタ装置530aの制御ユニット610は、履歴検索部650と、データ同期部654とをさらに含んで構成される。操作端末520は、さらに、履歴検索部650に検索クエリを発行してその検索結果を受け取って表示する検索要求部652をさらに備える。履歴管理サーバ560は、同期管理部656を備え、管理対象の映像出力装置と、メタデータ履歴DB562およびコンテンツ履歴DB564との同期処理を管理している。
履歴検索部650は、操作端末520の検索要求部652または他の管理端末から指令される検索要求、またはプロジェクタ装置530が備える操作パネルを用いて指令される検索要求に応答して、メタデータ格納部634中のメタデータおよびコンテンツ格納部636中の蓄積コンテンツ管理テーブル内の情報を検索して、検索クエリに該当する情報を抽出し、検索結果として戻す。例えば、時間の範囲またはサブコンテンツの名称などを検索クエリとして、過去に出力した出力コンテンツを検索することが可能となり、その出力コンテンツに紐付けられるメタデータを取得することができる。
データ同期部654は、メタデータ格納部634およびコンテンツ格納部636を監視し、同期条件が満たされた場合に、履歴管理サーバ560の同期管理部656と通信して、メタデータ格納部634およびコンテンツ格納部636に蓄積された利用履歴情報の同期処理を行う。例えば、メタデータ格納部634およびコンテンツ格納部636に蓄積された未同期のデータの容量が一定閾値以上となること、メタデータ格納部634およびコンテンツ格納部636に割り当てられた記憶容量の残量が一定閾値未満となること、プロジェクタ装置530の起動またはシャットダウンされたこと、一定期間を経過したこと、または特定の日、曜日、時間が到来したことを上記同期条件とすることができる。このような同期条件は、操作端末520(またはその他の管理端末)やプロジェクタ装置530が備える操作パネルを用いて予め設定され、設定データとして記憶される。
以下、第3実施形態の映像出力システム500で実行される利用履歴情報の同期処理について、フローチャートを参照しながら説明する。図25は、本実施形態のプロジェクタ装置および履歴管理サーバ間で実行される同期処理を示すフローチャートである。図25に示す同期処理は、例えばプロジェクタ装置530の起動に応答して、ステップS600から開始される。ステップS601では、データ同期部654は、設定データに記述される同期条件を読み出す。一方、履歴管理サーバ560側でも、例えば履歴管理サーバ560の起動に応答して、ステップS700から処理を開始する。ステップS701で、同期管理部656は、管理対象の映像出力装置からの通信を待ち受け、同期処理が開始するまで(NOの間)、ステップS701で処理をループさせる。
プロジェクタ装置530側では、データ同期部654は、ステップS602で、同期条件を満たしたか否かを判定し、同期条件を満たすまで(NOの間)、ステップS602で処理をループさせる。ステップS602で、同期条件が満たされた判定された場合(YES)には、ステップS603へ処理を進め、ステップS603でデータ同期部654は、履歴管理サーバ560との通信を行い同期処理を開始する。データ同期部654は、ステップS604で、同期処理が未だ施されていない利用履歴情報(以下、同期データと参照する。)を読み出し、ステップS605で、履歴管理サーバ560へ送信し、ステップS606で、同期処理の完了応答を受けるまで(NOの間)、応答を待ち受ける。
一方、履歴管理サーバ560側では、同期処理が開始すると(S701でYES)、ステップS702へ処理が進められ、ステップS702では、同期管理部656は、プロジェクタ装置530からの同期データを受信する。ステップS703では、同期管理部656は、受信した同期データのうちのメタデータを、送信元のプロジェクタ装置530に対応付けてメタデータ履歴DB562に格納する。ステップS704では、同期管理部656は、受信した同期データのうちの蓄積コンテンツ管理テーブル、サブコンテンツおよび出力コンテンツのデータを、送信元のプロジェクタ装置530に対応付けてコンテンツ履歴DB564に格納する。ステップS705では、同期管理部656は、同期処理が完了した旨、送信元のプロジェクタ装置530に応答する。
ステップS606で、履歴管理サーバ560からの同期処理の完了応答を受けると(YES)、ステップS607へ処理が進められる。ステップS607では、データ同期部654は、同期データに含ませた情報に同期済みを示すフラグを設定して、ステップS602へ処理をループさせ、次に同期条件が満たされるまで待ち受ける。例えば図20および図26に示すように、蓄積するメタデータ720および蓄積コンテンツ管理テーブル730に同期フラグ720i,730hを付し、同期処理の完了の通知を受けて同期済みのレコードを「済」とする。これらの同期フラグ720i,730hが「済」であるレコードは、適宜削除または上書きしてゆくようにすることができる。
上述したように、第3実施形態の映像出力システム500によれば、利用者を特定することにより、利用者毎に適用する出力コンテンツ生成ルールを変更し、利用者に応じて見え方や内容が異なる出力コンテンツを出力させることが可能となる。さらに、アクセス制限されたリソースのURIがメタデータ中に記述されている場合に利用者に対応して保持する認証情報を用いてリソースにアクセスすることにより、セキュリティ保護されたコンテンツであっても、セキュリティを保ちながら映像として出力させることが可能となる。また、利用者に応じて利用履歴が把握されるため、各利用者毎の利用状況に応じた利用者毎の課金を行うことも可能となる。
さらに第3実施形態の映像出力システム500によれば、複数の映像出力装置を連携して、個別に出力コンテンツを出力させることができるため、例えば資料を共有しながら遠隔的に会議する場合に有用である。また本第3実施形態の映像出力システム500によれば、技術進歩により新たなフォーマットが出現した場合や、ライセンスを有さないフォーマットあるいはダウンロードしていないフォーマットを後日利用する必要が発生した場合に、柔軟に対応することが可能となる。必要に応じて変換モジュールをネットワーク経由で取得できるため、変換モジュールのプログラムのために確保する記憶領域の容量を低減することができ、コストの観点からも有利である。
さらに第3実施形態の映像出力システム500によれば、プロジェクタ装置530の利用履歴を外部のサーバに送信して同期することが可能とされるため、プロジェクタ装置530自体に利用履歴を大量に蓄積する必要がなく、備える補助記憶領域の容量を好適に低減することが可能となり、コストの観点からも有利である。
[第4実施形態]
以下、第4実施形態の映像出力システムについて説明する。なお、上述した第3実施形態の説明では、単一の履歴管理サーバ560により利用履歴情報を一元的に管理するものとして説明してきたが、以下に説明する第4実施形態の映像出力システムでは、履歴管理サーバが複数ネットワーク上に設けられ、いずれの履歴管理サーバ560に、どのプロジェクタ装置130のどの会議の履歴情報が管理されているかを遠隔通信管理サーバ580において一元的に管理する。なお、以下に説明する第4実施形態の映像出力システムは、第3の実施形態のものと類似しているため、同様の機能手段については同一符番を用いて参照し、以下、相違点を中心に説明する。
図27は、第4実施形態の映像出力システム500の概略を示す図である。図27に示す映像出力システム500は、第3の実施形態において示した操作端末520、プロジェクタ装置530、コンテンツ管理サーバ540およびプロジェクタ管理サーバ550に加え、遠隔通信管理サーバ580と、中継サーバ582と、プログラム提供サーバ584と、遠隔通信端末570と、ディスプレイ572とを含んで構成される。また、第4実施形態においては、映像出力システム500は、複数の履歴管理サーバ560a,560bを含んで構成される。
遠隔通信端末570、中継サーバ582およびプログラム提供サーバ584は、それぞれ第2の実施形態で説明したものと同様の構成を備える。遠隔通信管理サーバ580は、概ね図10(B)に示したハードウェア構成、および図11に示した機能ブロックと同様の構成を備えるが、本実施形態の遠隔通信管理サーバ580は、さらに、履歴管理サーバ560に蓄積される履歴情報を管理するための構成を備える。また図27には、ネットワーク510の詳細な構成が図示されているが、ネットワーク510の構成は、図9に示した第2の実施形態のネットワーク110と同様の構成を有するため、詳細な説明は割愛する。
以下、第4実施形態の映像出力システムの機能構成について説明する。図28は、第4実施形態の映像出力システムを構成する各端末、装置およびサーバの機能ブロックを示す。図28では、操作端末520、プロジェクタ装置530、遠隔通信管理サーバ580、履歴管理サーバ560a,560bが、ネットワーク510を介してデータ通信することができるように接続されている。なお、中継サーバ582およびプログラム提供サーバ584は、メタデータの履歴管理には直接関係がないため、図28では省略されている。また、図28では、操作端末520が利用履歴情報の検索を要求する端末として示されているが、遠隔通信端末570がその役割を果たしてもよいことは言うまでもない。
第4実施形態のプロジェクタ装置530の制御ユニット610は、図18および図24に示したネットワークI/F620、メタデータ受信・解析部622、コンテンツ取得部624、出力コンテンツ生成部626、履歴記録部632、利用者識別部640、変換モジュール管理部642、履歴検索部650およびデータ同期部654に加え、送受信部670と、ログイン要求部672と、記憶・読出処理部674と、記憶部676とを含んで構成される。なお、送受信部670、ログイン要求部672、記憶・読出処理部674および記憶部676の構成は、図11に示したものと同様であるため、詳細な説明は割愛する。
本実施形態の履歴記録部632は、プロジェクタ装置530がメタデータを受信して出力コンテンツを再生する際に、図30に示すような蓄積コンテンツ管理テーブル740をコンテンツ格納部へ格納する。図30に示す蓄積コンテンツ管理テーブル740は、図26に示したテーブルに、コンテンツ属性フィールド740gが追加されて構成されたものである。コンテンツ属性フィールド740gには、例えば開催される会議を識別する会議識別値などが格納される。
会議識別値は、操作端末520から会議の開始または終了を通知するメタデータを受信した際に会議毎に採番される固有の値とすることができる。また、会議識別値は、操作端末520上で利用者により入力される会議名などを用いることもできる。例えば、操作端末520から会議の開始および終了を示すメタデータをプロジェクト装置530へ送信し、会議が終了したタイミングで、操作端末520が会議を識別する会議識別値をプロジェクタ装置530へ通知し、会議の開始から終了までに記憶したメタデータに対して、プロジェクタ装置530が、会議を識別する会議識別値を同期するデータに付与して、データ同期を行うことで実現することもできる。
データ同期部654は、図示しないメタデータ格納部およびコンテンツ格納部を監視し、未同期のデータの容量が一定閾値以上となること等の同期条件が満たされた場合に、所定の履歴管理サーバ560の同期管理部656と通信して、自己が蓄積する利用履歴情報の同期処理を行う。同期先の履歴管理サーバ560は、予め設定しておいたり、同期処理開始の際にオンラインである履歴管理サーバのうちから任意のサーバを選択したりすることにより決定することができる。さらに、本実施形態のデータ同期部654は、履歴管理サーバ560への同期処理が完了した後に、当該同期処理に関連する情報を送受信部670を介して遠隔通信管理サーバ580に送信し、所定の履歴管理サーバ560と履歴情報の同期を行った旨を通知する。
遠隔通信管理サーバ580は、図11において示した送受信部682、端末認証部(図示せず。)、状態管理部(図示せず。)、端末抽出部(図示せず。)、セッション管理部(図示せず。)、品質決定部(図示せず。)、記憶・読出処理部686、遅延時間管理部(図示せず。)、端末状態取得部(図示せず。)および一次絞込部(図示せず。)に加え、履歴管理部684を備える。また、遠隔通信管理サーバ580の不揮発性記憶部688には、図11において示した中継サーバ管理DB、端末認証管理DB、端末管理DB、宛先リスト管理DB、セッション管理DB、優先度管理DBおよび品質管理DBに加え、メタデータ履歴管理DBが構築される。
履歴管理部684は、プロジェクタ装置530のデータ同期部654から所定の履歴管理サーバ560と履歴情報の同期を行った旨の通知を受けると、プロジェクタ装置530の端末ID(映像出力装置ID)と、履歴管理サーバ560の端末ID(履歴管理サーバID)と、コンテンツ属性等とを関連付けてメタデータ履歴管理DBに記憶する。ここでは、遠隔通信管理サーバ580が、いずれの履歴管理サーバ560が、いずれの会議で、いずれのプロジェクタ装置530から映像出力した利用履歴情報を保管しているかを把握できればよいので、データ同期部654は、同期処理に関するメタデータすべてを履歴管理部684に通知することは要せず、プロジェクタ装置530の端末IDと、履歴管理サーバ560の端末IDと、コンテンツ属性とを通知すれば足りる。
図31は、メタデータ履歴管理DBを構成するメタデータ履歴管理テーブルのデータ構造を示す。図31に示すようにメタデータ履歴管理テーブル750は、プロジェクタ装置530の端末ID(映像出力装置ID)750aと、同期先の履歴管理サーバ560の端末ID(履歴管理サーバID)750bと、ユーザ識別値750cと、コンテンツ属性750dと、開始日時750eと、終了日時750fとを関連付けており、どの履歴管理サーバ560で、どのプロジェクタ装置530で投影した、どの会議のコンテンツが管理されているかを記録する。
図29は、第4実施形態のプロジェクタ装置、履歴管理サーバ、遠隔通信管理サーバ間で実行される同期処理を示すフローチャートである。図29に示す同期処理は、図25に示した同期処理と概ね類似しており、ステップS800〜ステップS806のプロジェクタ装置530が実行する処理、ステップS900〜ステップS905の履歴管理サーバ560が実行する処理については、図25に示したステップS600〜ステップS606の処理、ステップS700〜ステップS705の処理と同じであるため、以下、ステップS807の処理から説明する。
ステップS806で、履歴管理サーバ560からの同期処理の完了応答が受けとられると(YES)、ステップS807へ処理が進められる。ステップS807では、プロジェクタ装置530のデータ同期部654は、同期データに含ませた情報に同期済みを示すフラグを設定する。ステップS808では、データ同期部654は、当該同期処理に関連する情報を送受信部670を介して遠隔通信管理サーバ580に送信し、所定の履歴管理サーバ560と利用履歴情報の同期を行った旨を通知し、ステップS802へ処理をループさせ、次に同期条件が満たされるまで待ち受ける。
一方、遠隔通信管理サーバ580側では、同期情報が通知されると(S1001でYES)、ステップS1002へ処理が進められ、ステップS1002では、履歴管理部684は、プロジェクタ装置530から受信した同期処理に関する情報(プロジェクタ装置530および同期先の履歴管理サーバ560の端末ID等)をメタデータ履歴管理DBに記憶し、ステップS1001へ処理をループさせ、次に同期情報が通知されるまで待ち受ける。
以下、再び図28を参照して、操作端末520から検索を行う場合について説明する。操作端末520の検索要求部652は、プロジェクタ装置530の履歴検索部650に検索クエリを発行して、その検索結果を受け取って表示する。プロジェクタ装置530の履歴検索部650は、操作端末520の検索要求部652から指令される検索要求に応答して、メタデータ格納部中のメタデータおよびコンテンツ格納部中の蓄積コンテンツ管理テーブル内の情報を検索して、検索クエリに該当する情報を抽出し、検索結果として戻す。さらに本実施形態では、履歴検索部650は、例えばデータ同期部654によって履歴管理サーバ560へ既に同期が行われ自己のメタデータ格納部およびコンテンツ格納部から消去された利用履歴情報に関しては、送受信部670を介して遠隔通信管理サーバ580の履歴管理部684に対し、検索クエリを渡して問い合わせを行う。
履歴管理部684は、プロジェクタ装置530からの問い合わせを受けると、当該プロジェクタ装置530の端末IDをキーとして(また検索クエリにコンテンツ属性に対する条件が含まれる場合にはその値をキーとして)、メタデータ履歴管理テーブルを検索し、当該プロジェクタ装置530の利用履歴情報(また検索クエリにコンテンツ属性に対する条件が含まれる場合には該当する情報)を保持する履歴管理サーバ560を見つけ出す。履歴管理部684は、該当する履歴管理サーバ560が見つかると、その履歴管理サーバ560へ検索クエリを送信し、その検索結果を受け取る。履歴管理サーバ560は、渡された検索クエリにて、自身のメタデータ履歴DB562およびコンテンツ履歴データベース564内を検索し、その検索結果を遠隔通信管理サーバ580へ送信する。
図32は、第4実施形態のプロジェクタ装置、遠隔通信管理サーバ、履歴管理サーバ間で実行される検索処理を示すフローチャートである。図32に示す検索処理は、ステップS1100から開始され、操作端末520は、ステップS1101で、ユーザからの入力に従いメタデータの履歴情報に対する検索クエリを作成し、ステップS1102で、プロジェクタ装置530へ検索クエリを送信する。この検索クエリには、ユーザ識別値、コンテンツ属性、時刻などに対する検索条件が含まれる。
プロジェクタ装置530は、ステップS1103で検索クエリを受信すると、ステップS1104で、検索クエリに該当するメタデータが自己のメタデータ格納部に存在するか否かを判断する。ステップS1104で、自己にメタデータが存在しないと判定された場合(NO)には、ステップS1105へ処理を分岐させる。ステップS1105では、プロジェクタ装置530は、遠隔通信管理サーバ580へ検索クエリを渡してメタデータの問い合わせを行う。
ステップS1106では、遠隔通信管理サーバ580は、問い合わせ元のプロジェクタ装置530の端末ID(または検索クエリにコンテンツ属性の会議識別値の指定が含まれる場合には、会議識別値をさらに)を検索キーとしてメタデータ履歴管理テーブル750を検索し、ステップS1107で、特定の履歴管理サーバ560上に検索結果に該当するメタデータが存在するか否かを判定する。ステップS1107で、管理しているすべての履歴管理サーバ560上に検索結果に該当するメタデータが存在しないと判定された場合(NO)には、その旨をプロジェクタ装置530へ問い合わせに対する結果として返す。一方、ステップS1107で、特定の履歴管理サーバ560上に検索結果が存在すると判定された場合(YES)には、特定された履歴管理サーバ560へ検索クエリを渡し、ステップS1108で、履歴管理サーバ560は、渡された検索クエリに該当するメタデータをメタデータDB562から検索する。
履歴管理サーバ560は、該当する一連のメタデータ(例えば所定の会議識別値を有する一連のメタデータ)が見つかると、ステップS1109で、遠隔通信管理サーバ580へ検索結果を送信する。ステップS1110では、遠隔通信管理サーバ580は、履歴管理サーバ560からの検索結果を受信し、ステップS1111で、問い合わせの結果として、その検索結果をプロジェクタ装置530へ転送する。ステップS1112では、プロジェクタ装置530は、問い合わせの結果、該当する一連のメタデータを含む検索結果が存在するか否かを判定し、検索結果が存在しない場合(NO)には、その旨を操作端末520へ検索結果として返す。一方、ステップS1112で、該当する一連のメタデータを含む検索結果が存在すると判定された場合(YES)には、ステップS1113で、プロジェクタ装置530は、該当する一連のメタデータを取得して、ステップS1114で、操作端末520へ一連のメタデータを送信する。上記ステップS1104で、自己にメタデータが存在すると判定された場合(YES)にも、ステップS1113へ処理を分岐させ、該当する一連のメタデータを取得し、ステップS1114で、操作端末520へ一連のメタデータを送信する。
ステップS1115では、操作端末520は、プロジェクタ装置530から検索結果を受信し、検索クエリに該当する一連のメタデータを含む場合には、ステップS1116で、検索されたメタデータを利用してコンテンツを複製し、ステップS1117で処理を終了させる。検索結果に含まれる一連のメタデータは、複製としてそのままコンテンツの再生に使用することができ、または一部に修正を加えて再利用することができる。
図33は、本実施形態の操作端末520のディスプレイ画面上に表示される、コンテンツを再利用するための操作画面を例示する。図33に示す操作画面820は、画面割の設定を変更するためのプルダウンメニュー822と、出力コンテンツ全体の表示領域を表す全体領域830とを含んで構成されている。全体領域830は、図33に示す例では、左右2つの画面領域832,840に分割されている。また、図33に示す操作画面820は、つまみ852を移動させることによって任意のタイミングのコンテンツを選択するコンテンツ進行バーを850を備える。コンテンツ進行バーを850を操作することにより、任意のタイミングにおける出力コンテンツの状態を表示させ、そのコンテンツ中のオブジェクト(例えばカメラ表示領域384など)の割り当て位置やサイズの変更、削除、テキストの追加、削除等のメタデータの挿入を行い、出力コンテンツに修正を加えることができる。
さらに、図33に示す操作画面820において、任意のタイミングにおいて、各分割画面領域832,840に対し、図33中カーソル842で示すようにサブコンテンツまたはサブコンテンツのショートカットをドラッグ・アンド・ドロップすると、当該サブコンテンツのURLを指定するメタデータを、複製された一連のメタデータの中に挿入し、出力コンテンツに修正を加えることができる。
上述した第4の実施形態によれば、例えば以前の特定の会議で使用した出力コンテンツを再利用したいという要望がある場合に、その会議を識別する会議識別値や日時を指定して、複数の履歴管理サーバ560にまたがって特定の会議に関連する一連のメタデータを検索することができ、既存のコンテンツを効率的に再利用することが可能となる。
以上説明したように、上述した実施形態によれば、出力される出力コンテンツの内容等を含め映像出力装置の利用状況を把握することができ、ひいては利用履歴を後日追跡したり再利用したりすることが可能な映像出力装置、該映像出力装置が実行する映像出力方法、および該映像出力装置を実現するためのプログラムを提供することができる。
なお、上述までの実施形態では、プロジェクタ装置を映像出力装置の一例として説明してきたが、映像出力装置は、これに限定されるものではなく、プラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ、リアプロジェクションディスプレイなどのディスプレイ装置、その他、映像を出力する種々の装置として構成することができる。
また上記機能は、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)、などのレガシープログラミング言語やオブジェクト指向プログラミング言語などで記述されたコンピュータ実行可能なプログラムにより実現でき、ROM、EEPROM、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM、CD−RW、DVD、SDカード、MOなど装置可読な記録媒体に格納して頒布することができる。
これまで本発明の実施形態について説明してきたが、本発明の実施形態は上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。