JP2011057908A - エポキシ樹脂硬化物 - Google Patents

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Abstract

【課題】環境負荷の大きいリン系、ハロゲン系等の化合物を極力用いることなく、高度の耐熱性と低吸湿性と低誘電率とを兼ね備えたエポキシ樹脂硬化物の提供。
【解決手段】2価以上の金属元素1個に、化学式(1)で表される結合基(化学式(1)におけるRは、化学式(2)で表される結合基であり、化学式(2)におけるRは、−CH−O−で表される結合基であり、Rの炭素原子は、化学式(2)における炭素原子と結合する。)が複数個結合した構造を含むエポキシ樹脂硬化物。
Figure 2011057908

Figure 2011057908

【選択図】なし

Description

本発明は、耐熱性の高いエポキシ樹脂硬化物に関する。
エポキシ樹脂は、酸無水物、アミン、フェノール、イソシアネート、ポリアミノビスマレイミド等との反応により硬化し、機械的、電気的性質に優れ、化学的或いは熱的に比較的安定な硬化物を与えるため、注型、含浸、積層、接着、成形、塗料等の広い分野に使用されている。硬化樹脂の特性は硬化剤の種類に大きく左右されるため、硬化剤はそれぞれの用途に応じて選択される。
特に、フェノール系化合物で硬化したエポキシ樹脂は、化学的に不活性で、電気的、機械的特性に優れていることから、電気機器や電子部品の構造材料、封止用材料、絶縁材料等として利用されている。一方、近年、各種プラスチック製品に対する耐熱性の要求が益々厳しくなってきており、耐熱性が高い材料が強く求められている。
このため、安全性確保の観点から、電子機器からの発火等を防ぐために難燃剤を添加する方法が広く検討されてきた。例えば、赤燐や燐酸エステル等のリン系化合物、三酸化アンチモン、ハロゲン系化合物を添加する方法等が挙げられる。
しかし、燐酸エステルを加えると、ブリードや加水分解性が問題となり、電気特性や信頼性を著しく劣化させるという問題点が生じる。赤燐、ハロゲン性化合物及び三酸化アンチモンは、燃焼時において毒性が高い有害物質を発生させる等、環境や人体への安全性の点で問題が多く、これらの使用量を出来る限り減らす工夫が必要である。
また、樹脂骨格を改良することにより耐熱性を付与する検討も行われている。
具体的には、ビフェニルやナフタレン基等耐熱性が高い構造や、トリアジン環等燃焼時に不燃性窒素ガスを放出するような構造を樹脂骨格に導入することにより、或いは、多官能エポキシ樹脂のように樹脂骨格の架橋密度を向上させることにより、ガラス転移温度等の耐熱性を向上させる方法が検討されている。
しかし、耐熱性を付与するために樹脂骨格の架橋密度を向上させると、吸湿性や誘電特性が悪化する欠点があった。特に、半導体封止材料として用いる場合、200℃以上の半田リフロー工程で吸湿した水分により樹脂が発泡する恐れがあり、吸湿は出来るだけ低い方が望ましい。また、誘電率は、樹脂の絶縁性確保の観点から出来るだけ小さい方が望ましい。
特許文献1には、分子量分布の分散度が1.5以下、核となるモノマーがフェノールであり、かつGPCにより求められた3核体以下の面積分率が5%以下のフェノール多核体であることを特徴とするノボラック型フェノール樹脂組成物が開示されている。
特開2002−226535号公報
A.V. Tobolsky、"Properties and Structure of polymers"、John Wiley and Sons、New York(1960)
本発明は、環境負荷の大きいリン系、ハロゲン系等の化合物を極力用いることなく、高度の耐熱性と低吸湿性と低誘電率とを兼ね備えたエポキシ樹脂を提供することを目的とする。
本発明のエポキシ樹脂硬化物は、2価以上の金属元素1個に、下記化学式(1)で表される結合基(下記化学式(1)におけるRは、下記化学式(2)で表される結合基であり、下記化学式(2)におけるRは、−CH−O−で表される結合基であり、Rの炭素原子は、下記化学式(2)における炭素原子と結合する。)が複数個結合した構造を含むことを特徴とする。
Figure 2011057908
Figure 2011057908
本発明によれば、高架橋密度、低吸湿性、低誘電率及び低誘電正接を兼ね備えたエポキシ樹脂硬化物を得ることができる。
本発明のエポキシ樹脂硬化物の化学構造を示す模式図である。 本発明による実施例のエポキシ樹脂硬化物の作製に際して添加したBaの量に対するそのエポキシ樹脂硬化物の熱分解温度及び架橋密度の関係を示すグラフである。 本発明による実施例のエポキシ樹脂硬化物の架橋密度と熱分解温度との関係を示すグラフである。 本発明による実施例のエポキシ樹脂硬化物の架橋密度とガラス転移温度との関係を示すグラフである。 本発明による実施例のエポキシ樹脂硬化物に含まれる2級アルコールの量に対するそのエポキシ樹脂硬化物の架橋密度及び吸水率の関係を示すグラフである。 本発明による実施例のエポキシ樹脂硬化物に含まれる2級アルコールの量に対するそのエポキシ樹脂硬化物の架橋密度及び比誘電率の関係を示すグラフである。
本発明は、耐熱性の高いエポキシ樹脂硬化物(以下、エポキシ樹脂又は単に樹脂ともいう。)及びそれを用いた半導体封止材料並びにその封止材料に封止された半導体装置に関する。
上記のエポキシ樹脂硬化物は、上記化学式(2)におけるRの少なくとも1個がベンゼン環と結合していることを特徴とする。
上記のエポキシ樹脂硬化物は、前記金属元素がアルカリ土類金属であり、前記金属元素を1〜3重量%含むことを特徴とする。
上記のエポキシ樹脂硬化物は、ガラス転移温度が80℃以上であり、且つ10%重量減少温度が380℃以上であることを特徴とする。
上記のエポキシ樹脂硬化物は、吸水率が0.4%以下であり、且つ比誘電率が3.0以下であることを特徴とする。
本発明の半導体封止材料は、上記のエポキシ樹脂硬化物を用いたことを特徴とする。
本発明の半導体装置は、上記のエポキシ樹脂硬化物を用いて封止されたことを特徴とする。
本発明の電子機器は、上記の半導体装置を備えたことを特徴とする。
本発明者らは、エポキシ樹脂の耐熱性向上におけるこのような現状に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、エポキシ樹脂硬化物に金属元素を導入することにより、架橋密度を向上させ、熱分解温度やガラス転移温度が高く、吸湿性が低く、誘電率が低い樹脂を得ることができることを見出した。そして、更に検討を進めることにより本発明に至ったものである。
すなわち、本発明は、エポキシ基の開環重合により生成する2級アルコール水酸基の水素原子を金属元素(A)で置換し、樹脂骨格の架橋密度を向上することにより、樹脂の熱分解温度やガラス転移温度を高め、低吸湿性及び低誘電率を確保した樹脂硬化物(B)であり、好ましくは、(A)がバリウム等のアルカリ土類金属により選ばれるものであり、好ましくは、(B)がフェノキシドを含むフェノール系化合物(C)、低分子量エポキシ樹脂(D)、硬化促進剤(E)、を原料として合成されることを特徴とするエポキシ樹脂硬化物である。また、好ましくは、(C)が2、2’−オルトビフェノール、フェノールノボラック、レソルシノールより選ばれるものであり、また、好ましくは(E)がトリフェニルホスフィン、ジアザビシクロウンデセンより選ばれる、少なくとも一つである。
本発明に用いる金属(A)は、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)等のアルカリ土類金属等を含む2価の金属元素、鉄(Fe)等を含む3価の金属元素、又はチタン(Ti)、ケイ素(Si)等を含む4価の金属元素を例示することができるが、特にこれらに限定されるものではない。また、これらは複数を併用して用いることも可能である。上記の金属は、成形条件や使用目的に応じて選択するが、樹脂分100重量部に対して0.5〜5重量部の範囲であることが望ましい。
上記化学式(1)及び(2)で表される結合基が、アルカリ土類金属等の2価の金属元素と結合した構造式の例は、下記化学式(3)の通りである。
Figure 2011057908
ここで、Rは、上記化学式(2)で表される結合基であり、上記化学式(2)におけるRは、−CH−O−で表される結合基である。但し、Rの炭素原子は、上記化学式(2)における炭素原子と結合する。また、Meは2価の金属元素である。
本発明に用いるフェノール性化合物(C)は、1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物或いは樹脂であり、下記の例に限定されるものではなく、当業者が適用し得るものは全て用いることができる。
具体的には、アニリン変性レゾール樹脂、ジメチルエーテルレゾール樹脂等のレゾール型フェノール樹脂、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、tert−ブチルフェノールノボラック樹脂、ノニルフェノールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、2、2’−ビフェノール、レソルシノール等のフェノール化合物等が例示される。これらは例示であって、特にこれらに限定されるものではない。また、これらは複数を併用することも可能である。
本発明における低分子量エポキシ樹脂(D)は、1分子内に2個以上のエポキシ基を有する公知のエポキシ樹脂全般を指すものである。例えば、フェノール類やアルコール類とエピクロルヒドリンから得られるグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、カルボン酸類とエピクロルヒドリンとから得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂、アミン類とエピクロルヒドリンとから得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、不飽和炭化水素の二重結合の酸化より得られる酸化型エポキシ樹脂が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
具体的には、ビスフェノールA、F、S等を原料とするビスフェノール型エポキシ樹脂、ハロゲン化されたフェノール類から得られるハロゲン化エポキシ樹脂、ナフタレン骨格やビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂等の2官能エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールビフェニレン型エポキシ樹脂等の多官能エポキシ樹脂、ポリヒドロキシルエーテル型エポキシ樹脂等のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂が挙げられる。
また、グリシジルエステル型エポキシ樹脂には、脂肪族系カルボン酸、芳香族系カルボン酸、環状系カルボン酸、重合脂肪酸系カルボン酸を原料として得られる各種グリシジルエステル型エポキシ樹脂が挙げられる。
また、グリシジルアミン型エポキシ樹脂としては、芳香族アミン類、アミノフェノール類又は環状脂肪族アミン類を原料として得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂が挙げられる。また、酸化型エポキシ樹脂としては、環式脂肪族エポキシ樹脂が例示される。
その他にも、ナフタレン環、アントラセン環、ピレン環等を導入したエポキシ樹脂、含窒素エポキシ樹脂、含リンエポキシ樹脂、含ケイ素エポキシ樹脂、液晶性エポキシ樹脂等も例示されるが、特にこれらに限定されるものではない。また、これらは複数を併用することも可能である。
また、本発明における硬化促進剤(E)としては、トリエタノールアミン、テトラメチルブタンジアミン、テトラメチルペンタンジアミン、テトラメチルヘキサンジアミン、トリエチレンジアミン、メチルアニリン等の3級アミン、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノペンタノール等のオキシアルキルアミン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、メチルモルホリン等のアミン類を適用することができる。
同じ目的で、2−ウンデシルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−メチル−4−エチルイミダゾール、1−ブチルイミダゾール、1−プロピル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シプノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−アジン−2−ウンデシルイミダゾール等のイミダゾール化合物等が有用である。
また、同じ目的で、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレート、トリエチルアミンテトラフェニルボレート、N−メチルモルホリンテトラフェニルボレート、ピリジンテトラフェニルボレート2−エチル−4−メチルイミダゾールテトラフェニルボレート、2−エチル−1、4−ジメチルイミダゾールテトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩、トリフェニルホスフィン、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネン、酸無水物等を用いることもできる。これらの硬化促進剤は、単独或いは2種類以上を混合して用いることができる。
本発明のエポキシ樹脂硬化物は、エポキシ基の開環重合により生成する2級アルコール水酸基の水素原子を金属元素(A)で置換し、樹脂骨格の架橋密度を向上することにより、樹脂の熱分解温度やガラス転移温度を高め、低吸湿性及び低誘電率を確保した樹脂硬化物(B)であり、好ましくは、(B)がフェノキシドを含むフェノール系化合物(C)、低分子量エポキシ樹脂(D)、硬化促進剤(E)を原料として合成されることを特徴とするエポキシ樹脂硬化物である。
本発明のエポキシ樹脂硬化物は、半導体素子(半導体素子)の封止材料をはじめ、電子部品、電機部品又は電子機器の封止材料、被膜材料、絶縁材料、積層板、金属張り積層板等にも好適に使用されるものである。
例えば、本発明のエポキシ樹脂を基本構成として、充填剤の溶融シリカ等のシリカ粉末、タルク、アルミ、マイカ、クレー、炭酸カルシウム等を配合してもよい。さらに、必要に応じて、天然ワックス類、合成ワックス類、直鎖脂肪族金属酸化物、酸アミド類、エステル類、パラフィン類等の離型剤、カーボンブラック、ベンガラ等の着色剤、種々のカップリング剤、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物を配合して封止材料を合成してもよい。また、その封止材料で封止した電子部品や電気部品も本発明に含まれる。
以下、本発明のエポキシ樹脂硬化物の特徴を更に説明する。
本発明のエポキシ樹脂硬化物は、エポキシ基の開環重合により生成する2級アルコール水酸基の水素原子を金属元素で置換し、樹脂骨格の架橋密度を向上させることにより、樹脂の熱分解温度やガラス転移温度を高め、低吸湿性及び低誘電率を確保した樹脂硬化物(A)であり、好ましくは、(A)がフェノキシドを含むフェノール系化合物(B)、低分子量エポキシ樹脂(C)及び硬化促進剤(D)を原料として合成されることを特徴とする。
例えば、フェノール系化合物として2、2’−ビフェノールを用いた場合、この2、2’−ビフェノールと金属バリウムとの反応により下記化学式(4)で表されるビフェノールフェノキシドを得、このビフェノールフェノキシドと、低分子量エポキシ樹脂のエポキシ基とを開環反応させ、架橋密度の高いエポキシ樹脂硬化物を得る。式中、Meは、Ca、Sr、Ba等のアルカリ土類金属等を表す。
Figure 2011057908
図1は、上記エポキシ樹脂硬化物の化学構造の模式図である。図中、Meはアルカリ土類金属等を表す。上記の例において、Meはバリウム原子であって、架橋点となっている。
すなわち、架橋密度が向上することにより、熱分解温度やガラス転移温度が向上し、従来、2級アルコールとなる反応点がバリウム原子に置換されるため、水酸基に起因する吸水性が抑制され、モル分極率の高い水酸基に起因する比誘電率を低減することが可能となる。
以下の実施例を用いて本発明を詳しく説明する。
メチルエチルケトン(MEK)(和光純薬工業製)に、水酸基当量が93の2、2’−ビフェノール(OBP)(日立化成製)を31.7重量部、金属バリウム(関東化学製)を1〜5重量部となるように溶解し、室温で数時間攪拌した。
次いで、エポキシ当量が195のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(YDCN−750東都化成製)を66.4重量部溶解・混合し、トリフェニルホスフィン(TPP)(北興化学製)を2重量部溶解した。この溶液を80℃、30分間の減圧下でMEKを除去し、樹脂成分を抽出した。
この樹脂成分を120℃及び150℃の温度条件で各30分間硬化反応させ、最後に180℃で6時間キュアしてエポキシ樹脂硬化物を得た。
これらの反応操作は、不活性ガス雰囲気で行った。ここで、不活性ガスとは、乾燥した窒素ガス、アルゴンガス又はヘリウムガス等、或いは乾燥空気をいう。
得られたエポキシ樹脂硬化物について、熱重量分析(TGA)により熱分解温度を、熱機械測定装置(TMA)によりガラス転移温度を、70℃、5時間浸漬前後の質量変化より樹脂の吸水率を、空洞共振摂動法により測定周波数10GHzの比誘電率をそれぞれ測定した。ここで、熱分解温度は、加熱して重量が10%減少した時の温度と定義し、10%重量減少温度とも呼ぶ。
また、動的粘弾性測定装置(DMA)により弾性率を測定し、ガラス転移温度以上のゴム領域における弾性率から、下記数式(1)を用いて架橋密度ρを算出した。この数式(1)は、非特許文献1を参照している。
Figure 2011057908
また、赤外分光装置により赤外吸収スペクトルを測定し、1500cm−1の芳香環の吸収ピークを基準として、930cm−1の吸収ピークより2級アルコールの含有量を測定した。
(比較例)
金属バリウムを加えないこと以外は、実施例と同様の手順でエポキシ樹脂硬化物を得た。
得られたエポキシ樹脂硬化物について、熱重量分析(TGA)により熱分解温度を、熱機械測定装置(TMA)によりガラス転移温度を、70℃、5時間浸漬前後の質量変化より樹脂の吸水率を、空洞共振摂動法により測定周波数10GHzの比誘電率をそれぞれ測定した。また、動的粘弾性測定装置(DMA)により弾性率を測定し、ガラス転移温度以上のゴム領域における弾性率から、上記数式(1)を用いて架橋密度ρを算出した。
また、赤外分光装置により赤外吸収スペクトルを測定し、1500cm−1の芳香環の吸収ピークを基準として、930cm−1の吸収ピークより2級アルコールの含有量を測定した。
図2は、本発明による実施例のエポキシ樹脂硬化物の作製に際して添加したBaの量に対するそのエポキシ樹脂硬化物の熱分解温度及び架橋密度の関係を示すグラフである。
本図より、Ba添加量が1〜3重量%において熱分解温度が高くなることがわかる。また、これに対応して、Ba添加量が1〜3重量%において、架橋密度が高くなることがわかる。
図3は、本発明による実施例のエポキシ樹脂硬化物の架橋密度と熱分解温度との関係を示すグラフである。また、図4は、本発明による実施例のエポキシ樹脂硬化物の架橋密度とガラス転移温度との関係を示すグラフである。
図3及び図4より、架橋密度が高くなると、熱分解温度及びガラス転移温度が増加することがわかる。
図5は、本発明による実施例のエポキシ樹脂硬化物に含まれる2級アルコールの量に対するそのエポキシ樹脂硬化物の架橋密度及び吸水率の関係を示すグラフである。
本図より、架橋密度が高くなると、水酸基濃度(2級アルコール含有量)が低くなることがわかる。2級アルコール水酸基の水素原子がバリウム原子で置換されているためである。また、水酸基濃度が低いため、低い吸水率が実現する。
図6は、本発明による実施例のエポキシ樹脂硬化物に含まれる2級アルコールの量に対するそのエポキシ樹脂硬化物の架橋密度及び比誘電率の関係を示すグラフである。
本図より、架橋密度が高くなると、水酸基濃度が低くなることがわかる。2級アルコール水酸基の水素原子がバリウム原子で置換されているためである。また、水酸基濃度が低いため、低い比誘電率が実現する。
以上のように、エポキシ基の開環重合により生成する2級アルコール水酸基の水素原子を金属元素で置換することにより、高架橋密度、低吸湿性、低誘電率及び低誘電正接を兼ね備えたエポキシ樹脂硬化物が得られる。

Claims (8)

  1. 2価以上の金属元素1個に、下記化学式(1)で表される結合基(下記化学式(1)におけるRは、下記化学式(2)で表される結合基であり、下記化学式(2)におけるRは、−CH−O−で表される結合基であり、Rの炭素原子は、下記化学式(2)における炭素原子と結合する。)が複数個結合した構造を含むことを特徴とするエポキシ樹脂硬化物。
    Figure 2011057908
    Figure 2011057908
  2. 前記Rの少なくとも1個がベンゼン環と結合していることを特徴とする請求項1記載のエポキシ樹脂硬化物。
  3. 前記金属元素がアルカリ土類金属であり、前記金属元素を1〜3重量%含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂硬化物。
  4. ガラス転移温度が80℃以上であり、且つ10%重量減少温度が380℃以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂硬化物。
  5. 吸水率が0.4%以下であり、且つ比誘電率が3.0以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂硬化物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂硬化物を用いたことを特徴とする半導体封止材料。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂硬化物を用いて封止されたことを特徴とする半導体装置。
  8. 請求項7記載の半導体装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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