JP2011055986A - 遊技機用球発射装置及びそれを備えた遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型でも十分な発射力が得られ、発射コイルの発射位置へ精度良く送り出して、安定した発射動作を継続できる遊技機用球発射装置及びそれを備えた遊技機を提供する。
【解決手段】コイルボビン25の一端側フランジ部25aに設けられた発射位置Pに遊技球Yがセットされたことを検出する発射位置確認スイッチ26を備え、該発射位置確認スイッチ26によって発射位置Pに遊技球がセットされたことが検出されると発射制御基板27が発射コイル24に所定時間通電して遊技球Yを発射させる。
【選択図】図5

Description

本発明は、例えばパチンコ機に用いられる遊技機用球発射装置及びそれを備えた遊技機に関する。
パチンコ機の遊技機用球発射装置にはプランジャーを駆動源により直動させて或いは打球槌を駆動源により回動(正逆いずれの方向にも回転)若しくは回転させて、球受け皿より発射位置へ供給された遊技球を遊技領域へ発射するものが用いられている。このプランジャーや打球槌は金属球である遊技球を打撃するため振動や衝撃や騒音を伴い、遊技球の芯を外して打撃した場合に飛距離が不安定になる不具合が想定される。
そこでかかる不具合を解消すべく、発射コイルを用いて非接触で遊技球を遊技領域へ発射できる球発射装置が提案されている。この球発射装置は、中空状の駆動コイルと、該駆動コイルに接続されて角度センサの操作に応じて通電量と通電時間を制御する制御回路を備えている。
遊技者が操作ハンドルを回して角度センサを所定角度回転すると駆動コイルへの通電量や通電時間が決定されて所要の電圧が印加される。このとき駆動コイルの一端開口に位置する遊技球に電磁力が作用して駆動コイルの中間部で通電が遮断されて他端開口から遊技領域に向けて発射されるようになっている。
具体的には、中空状に巻かれた駆動コイルに通電した際に当該駆動コイルを通過する遊技球に作用する電磁力はコイルの中空中心部で最大となることが知られている。駆動コイルに対して遊技球を発射位置に供給し、コイルの中空中心部で通電を遮断するように制御するため、コイルボビンに駆動コイルを分割して巻き付け、分割された駆動コイル間に球検知用センサ(検知コイル、LEDとフォトカプラ)を設けて、駆動コイルへの通電制御を行なうようにしている(特許文献1参照)。
特開平7−112058号公報
しかしながら、上述した特許文献1の球発射装置には、球受け皿から供給される遊技球をいかにして駆動コイルの所定の発射位置に供給し、駆動コイルに対して通電制御するかまでは開示されていない。
上記遊技球の発射位置への供給がばらつくと、駆動コイルへの通電により遊技球へ作用する電磁力がばらつくため、遊技球の発射速度が不安定となり発射動作の継続性や安定性が欠落するおそれがある。
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、小型でも十分な発射力が得られ、発射コイルの発射位置へ精度良く送り出して、安定した発射動作を継続できる遊技機用球発射装置及びそれを備えた遊技機を提供することにある。
上記課題を解決し、以下の実施形態に適用される手段は、以下の構成を備える。
磁性体からなる遊技球を発射コイルのコイルボビンの一端側に設けられた発射位置にセットして通電により当該遊技球へ電磁力を作用させて中空筒状に形成されたコイルボビンの内部へ吸引して他端側より遊技領域へ向かって発射する遊技機用球発射装置であって、前記コイルボビンの一端側に設けられた発射位置に遊技球がセットされたことを検出する発射位置検出手段を備え、該発射位置検出手段によって発射位置に遊技球がセットされたことが検出されると発射制御部は発射コイルに所定時間通電させて遊技球を発射させることを特徴とする。
また、前記発射位置検出手段の上流側に設けられる球誘導路には、球受け皿から供給された遊技球を前記発射位置へ送り出す球送り出し機構が設けられていることを特徴とする。
また、前記球誘導路には球受け皿から供給された遊技球の有無を検出する球有無検出手段が設けられており、該球有無検出手段が遊技球を検出すると前記球送り出し機構が作動して遊技球を発射位置へ送り出すことを特徴とする。
また、遊技機においては、上述した遊技機用球発射装置を用いて遊技球を遊技領域へ向かって発射することを特徴とする。
上述した遊技機用球発射装置によれば、コイルボビンの一端側に設けられた発射位置に遊技球がセットされたことを検出する発射位置検出手段を備え、該発射位置検出手段によって遊技球が発射位置にセットされたことが検出されると発射制御部は発射コイルに通電させて遊技球を発射させる。これにより、遊技球が発射位置にセットされたことを確実に検出して発射コイルへ通電制御されるので、遊技球の確実で安定した発射動作を実現することができる。また、発射位置に遊技球がセットされていない時には通電がされないので、無駄にコイルに通電することがなく、コイルの発熱を抑えることができ耐久性が向上する。
発射位置検出手段の上流側に設けられる球誘導路には、球受け皿から供給された遊技球を発射位置へ送り出す球送り出し機構が設けられていると、球受け皿から供給された遊技球を発射位置へ継続して送り出すことができ、遊技球の安定した発射動作を継続することができる。
また、球誘導路には球受け皿から供給された遊技球の有無を検出する球有無検出手段が設けられており、該球有無検出手段が遊技球を検出すると球送り出し機構が作動して遊技球を発射位置へ送り出すので、送り出し機構の作動を最小限に抑えることができ耐久性の向上が図れるとともに、球受け皿から供給される最後の遊技球まで確実に発射位置へ送り出すことができる。
上述した遊技機用球発射装置を用いた遊技機においては、遊技球を打撃するため振動や衝撃や騒音が発生せず、発射コイルの発射位置への遊技球の安定した送り出し動作と発射動作を継続して操作性のよい遊技機を提供できる。
パチンコ機の正面図である。 発射ハンドルの底面図である。 発射ハンドルの分解斜視図である。 球装填シャトルが待機位置にある球送り機構の正面図及び上視図である。 球装填シャトルが装填位置にある球送り機構の正面図及び上視図である。 発射コイルに接続された液冷タイプの冷却装置の構成図である。 発射コイルに接続された空冷タイプの冷却装置の構成図である。 球発射装置の制御系のブロック構成図である。 発射制御基板に設けられた発射制御回路の一例を示す回路図である。 パチンコ機に電源を投入してからハードウェアをセットアップし、制御プログラムを立ち上げるまでのフローチャートである。 球発射制御装置の球発射制御動作の一例を示すフローチャートである。 図11のハンドル入力制御動作の一例を示すフローチャートである。 図11の球送り制御動作の一例を示すフローチャートである。 図13の制御動作における発射フェーズの一例を示すフローチャートである。 図14におけるタイマー処理の一例を示すフローチャートである。 図11における温度センサ処理の一例を示すフローチャートである。 図11における冷却装置制御動作の一例を示すフローチャートである。 図11における冷却装置制御動作の一例を示すフローチャートである。 図11における冷却装置制御動作の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
図1を参照して本実施形態に係る遊技機の概略構成について説明する。本実施例では、遊技機の一例としてパチンコ機について説明するものとする。
先ずパチンコ機1の概略構成について説明すると、パチンコ機1の外形をなす矩形状の外枠2の側部に対して、上ヒンジ部3a,下ヒンジ部3bにより内枠(図示せず)が開閉可能に取り付けられている。また、内枠の側部に内枠前面上部を覆う上前面枠4がヒンジ部4aにより開閉可能に取り付けられ、該上前面枠4の下部には内枠前面下部を覆う下前面枠5がヒンジ部5aにより開閉可能に取り付けられている。
内枠には遊技盤6が設けられている。この遊技盤6の盤面上に形成される遊技領域内には、中央部に図柄表示装置(液晶表示装置)6aを備えたセンター役物6bが設けられ、その周囲には図示しない釘、スルーチャッカー6c、風車6d、電動チューリップ6e、アタッカー6f、遊技盤レール6g、サイドランプ6hなどの盤面部品やアウト球(電動チューリップ6e,アタッカー6fに入賞しなかった遊技球)を回収するアウト口12などが設けられている。
また、図1において、遊技盤6の下方には遊技領域へ向かって遊技球を発射する球発射装置7が組み付けられている。上前面枠4の下方には貸球や賞球等の遊技球を貯留し、該遊技球を球発射装置7へ誘導する上球受け皿8が一体に設けられている。また下前面枠5には上球受け皿8から溢れた余剰球を貯留する下球受け皿9、下球受け皿9の左側にタバコの吸殻を収容する灰皿10、下球受け皿9の右側には球発射装置7を操作する発射ハンドル11が各々設けられている。発射ハンドル11の操作により遊技球が球発射装置7から遊技盤レール6gを通じて遊技盤6の遊技領域へ操作量に応じた発射力で発射される。
ここで発射ハンドル11の構成について図2及び図3を参照して説明する。
図2において、発射ハンドル11は、下前面枠5(図1参照)に装着されるハンドル軸部13、遊技者が回転操作する操作部材14、キャップ15が一体に組み付けられている。発射ハンドル11は、下前面枠5の装着部に挿入された後、ハンドル軸部13がビス止めされて組み付けられる。
図3に示すように、ハンドル軸部13の前面側には、発射停止スイッチ16が設けられた停止レバー17が留め具18によって組み付けられる。停止レバー17は、ハンドル軸部13と操作部材14との境界部に設けられ、遊技者により停止レバー17が操作されると発射停止スイッチ16が停止レバー17の操作を検知し、球発射装置7からの遊技球の発射を停止するようになっている。
ハンドル軸部13の手前側には、操作部材14が当該ハンドル軸部13に対して予め定められた回転基準位置から所定範囲で回転可能に軸支されている。操作部材14は、タッチセンサ19が設けられた板金20を介してハンドル軸部13に組み付けられる。操作部材14は導電性を有しており(例えば樹脂材をめっきコーティングされている)、その外周部には把持したまま回動(正逆いずれの方向へ回転)できるように複数の指掛突起14aが設けられている。コイルばね21の両端部は、ハンドル軸部13のボス部13aと操作部材14の中心係止部14bの各々係止しており、操作部材14をハンドル軸部13に対して所定位置(回転基準位置)に留まるように付勢している。
操作部材14の前面側はキャップ15により覆われる。ハンドル軸部13の背面側から可変抵抗器(若しくはポテンショメータ)22が組み付けられ、Dカット軸22aがジョイント23を介して操作部材14の回転中心(中心係止部14bの後面側)に嵌め込まれる。可変抵抗器22は操作部材14の回転基準位置からの回転量を検出する。
発射停止スイッチ16、タッチセンサ19、可変抵抗器22等の電気部品は、後述する発射制御基板27と電気的に接続されている。発射制御基板27は、発射ハンドル11の操作により発射コイル24へ所定時間通電を許容する。即ち、操作部材14の回転により、静電容量若しくは抵抗値が可変となるため発射コイル24への出力電圧がリニアに変化するようになっている。
次に球発射装置7の概略構成について図4及び図5を参照して説明する。
球発射装置7は、磁性体からなる遊技球を発射コイル24のコイルボビン25の一端側に設けられた発射位置にセットして通電により当該遊技球へ電磁力を作用させて中空筒状に形成されたコイルボビン25の内部へ吸引して他端側より遊技領域へ向かって発射する。
図4において、発射コイル24は、後述するようにコイルボビン25の遊技球を投入する一端側フランジ部25aから発射口となる他端側フランジ部25bに向けて巻数が漸進増加するように中空導管(キャピラリチューブ)24a(図6参照)が巻き付けられた傾斜型発射コイルが用いられている。
コイルボビン25の一端側フランジ部25aの近傍には、遊技球が発射位置P(図5参照)にセットされたことを検出する発射位置確認スイッチ26(発射位置検出手段)が設けられている。発射位置確認スイッチ26によって発射位置Pに遊技球Yがセットされたことが検出されると発射制御基板(発射制御部)27(図8参照)が発射コイル24に通電して遊技球を発射させるようになっている。
発射位置確認スイッチ26の上流側に設けられる球誘導路28には、上球受け皿8(図1参照)から供給された遊技球を発射位置Pへ送り出す球送り出し機構29が設けられている。具体的には、球誘導路28には、球装填シャトル29aが往復動可能に嵌め込まれている。球装填シャトル29aには連結ロッド30の一端が連結され、該連結ロッド30の他端は偏芯カム31と連結されている。偏芯カム31は、球送りモータ32のモータ軸32aにカプラー33によって一体に組み付けられて回転駆動されるようになっている。球送りモータ32を起動すると、偏芯カム31が球送りモータ32と同方向に回転し、偏芯カム31に連結ロッド30を介して接続されている球装填シャトル29を図4の待機位置と図5の装填位置との間を往復動する。
球誘導路28には上球受け皿8(図1参照)から供給された遊技球の球供給路34が接続されている。この球誘導路28と球供給路34とが交差する部位に残球検出スイッチ35(球有無検出手段)が設けられている。残球検出スイッチ35は球供給路34から球誘導路28へ供給された遊技球Yの有無を検出する。残球検出スイッチ35が遊技球Yを検出すると発射制御基板(発射制御部)27(図8参照)が球送り出し機構29(球送りモータ32)を作動させ、球装填シャトル29aを往復動させて遊技球Yを発射位置へ送り出す(図5参照)。発射位置確認スイッチ26,残球検出スイッチ35としては、例えば誘導型若しくは静電容量型の近接スイッチが用いられる。
また、図4及び図5において、球装填シャトル29aの長手方向の所定位置には、当該球装填シャトル29aによる遊技球の送り出し動作が適正に行なわれたか否かを検出する球送り検出スイッチ36(例えばフォトセンサ)が設けられている。球装填シャトル29が図4に示す待機位置にあるときには、球送り検出スイッチ36が例えばON(遮光)状態にある。球装填シャトル29が図5に示す装填位置に移動すると、球送り検出スイッチ36が例えばOFF(透光)状態になる。
次に、球発射装置7に設けられた冷却装置39の構成について図6及び図7を参照して説明する。
図6において、中空筒状に形成されたコイルボビン25には、発射コイル24がコイルボビン25の一端側フランジ部25aから他端側フランジ部25bに向けて巻数が漸進増加するように巻き付けられている。遊技球Yの発射位置が設けられるコイルボビン25の一端側フランジ部25a近傍にも所定の発射力が得られるように所定の巻数の発射コイル24が巻き付けられている。したがって一端側フランジ部25aから他端側フランジ部25bに向けて巻数が漸進増加するにともない、巻径も漸進増加するので、図6のようにコイル全体として左側に向かって傾斜した傾斜型発射コイル24となる。
発射コイル24が巻かれた軸芯方向の外形形状は、テーパー形状、階段形状、曲面形状のいずれであってもよい。また、傾斜型コイルに限らず通常の巻き芯方向にコイル外径が均一な発射コイルを用いることも可能である。遊技球Yは、コイルボビン25の一端側(フランジ部25a側)に設けられた開口である発射位置Pに球心が開口端と一致するようにセットされ、コイル巻線の巻数が軸芯方向に増大した他端側(フランジ部25b側)の開口より加速して発射されるようになっている。
図6,図7において、発射コイル24には中空導管24aが発射制御基板27(発射制御部)と電気的に接続されると共に中空導管24aの管端部が冷却装置39の冷却ポンプ37と接続されている。具体的には、中空導管24aは発射口側の巻芯部から巻き始めてコイル最外周側から引き出されており、中空導管24aを流れる冷却媒体が巻芯部からコイル最外周側へ向けて流れるように冷却装置39と接続されている。このように接続すれば、冷却装置39を作動させると発射コイル24の内周側より外周側に向けて冷却媒体が流れるので熱がこもり易い発射コイル24の内周側より効率よく冷却することができる。発射コイル24は通電により発射位置にセットされた遊技球へ電磁力を作用させて発射させるとともに、当該発射コイル24の発熱温度が所定温度に到達すると冷却ポンプ37を作動させて中空導管24a内で冷却媒体を流動させて冷却動作を行なう。
図6は、冷却媒体が液体の場合を示す。冷却装置39には、中空導管24a内を流れる液体を冷却ポンプ37により中空導管24aを循環させる際に熱交換を行う冷却用ラジエータ38が設けられている。また、中空導管24aを流れた後の液体を冷却用ラジエータ38で冷却してから中空導管24aを循環させるので、発射コイル24の冷却効率が高く、消費電力を抑制することができる。
また、図7は、冷却媒体が空気(気体)の場合を示す。冷却装置39が冷却ポンプ37により外気を中空導管24a内に取り込んで冷却する。取り込まれた空気は中空導管24aを流れてコイル外(空気中)に直接排気される。冷却ポンプ(送風ポンプ)37が吸引した外気を吸引して中空導管24aを流れて暖められた空気を排気するだけで足りるので冷却装置39の構造を簡素化することができる。
次に、球発射装置7の制御系の一例について図8のブロック構成図を参照して説明する。発射制御基板27には、発射ハンドル11に設けられたタッチセンサ19、可変抵抗器22、発射停止スイッチ16からの各種検出信号が入力する。また、遊技球が発射位置Pにあることを検出する発射位置確認スイッチ26、球誘導路28に遊技球が供給されたことを検出する残球検出スイッチ35、球装填シャトル29aの球送り動作が適正に行なわれたことを検出する球送り検出スイッチ36からの各種検出信号が入力する。
また、発射コイル24のコイルボビン25には、コイル内の発熱温度を検出するコイル内温度センサ40(例えばサーミスタ;第1温度検出手段)が設けられている。発射制御基板27には、コイル内温度センサ40からの検出信号が入力する。また、発射制御基板27には、遊技機周辺の温度を検出する室温温度センサ41(第2温度検出手段)が設けられている。発射制御基板27は、コイル内温度センサ40により検出されるコイル内温度と室温温度センサ41により検出される室温との温度差が所定差に到達すると、冷却装置39を作動させて中空導管24a内で冷却媒体を流動させて冷却動作を行なうようになっている。
また、発射制御基板27は、発射位置Pに遊技球Yがセットされたことを検出すると、後述するように発射コイル24に通電して遊技球の発射動作を行なう。また、遊技球を発射するたびに、球送り出し機構29(球送りモータ32)を作動させて次に発射される遊技球の発射位置Pへの送り出し動作を行なう(図4,図5参照)。また、発射コイル24内のコイル内温度と遊技機周辺の室温との温度差が所定温度差に到達すると、後述するように冷却装置39を作動させて中空導管24a内で冷却媒体を流動させて冷却動作を行なう。
発射コイル24に対する発射制御基板27の制御回路の一例について、図9を参照して説明する。
電解コンデンサ42と発射コイル24とは、スイッチング素子(サイリスタ;SCR)43を通じて直列に接続されている。電解コンデンサ42には、駆動電源44が並列に接続されており、電解コンデンサ42を充電する。トリガ電源45によりトリガスイッチSWを通じて通電を許容されるとスイッチング素子43はON状態となり、トリガスイッチSWが切れるとスイッチング素子43はOFFとなる。
スイッチング素子43がOFF状態で、電解コンデンサ42は、駆動電源44により充電された状態にある。スイッチング素子43がON状態となると、電解コンデンサ42が放電して発射コイル24へ所定時間だけ通電して遊技球が発射される。
電解コンデンサ42は、公知のLC直列回路の時定数で定まる周期で充放電が繰返し行なわれる。トリガスイッチSWは、前述した発射ハンドル11の操作により、所定時間だけON/OFF制御される。具体的には、例えばパチンコ機で1分間に100発の遊技球が発射されるとすれば、0.6[sec]に1回の周期でON/OFF制御される。
尚、発射コイル24への通電時間を一定とし、発射ハンドル11の操作に応じて印加電圧を変化させて発射力を調整するようにしてもよいし、或いは発射コイル24への印加電圧Vを一定とし、発射ハンドル11の操作に応じて通電時間Tを変化させて発射力を調整するようにしてもよい。
以下では、発射制御基板27による球発射装置7の発射制御動作について、冷却動作を含めて図10乃至図19に示すフローチャートを参照して説明する。
図10は、パチンコ機1に電源を投入してからハードウェアをセットアップし、制御プログラムを初期化して立ち上げるまでのメインループを示すフローチャートである(ステップS1〜S4)。また、メインループに対して遊技球の発射制御に関するタイマー割り込み処理が行われる当該タイマー割り込み処理を示すフローチャートである。タイマー割り込み処理の一例を示すと、発射制御基板27に対する各種入出力ポートから入出力される入出力信号に基づいて発射コイル24に対する通電時間に関するタイマー処理が行われ、遊技者の発射ハンドル11の回転操作に伴う遊技球発射制御処理が行われる(ステップS11〜S15)。
図11は図10の遊技球発射制御動作の一例を示すフローチャートである。
遊技者が発射ハンドル11の操作を開始すると発射コイル24に通電して発射動作が開始され、これにともなって球送り出し機構29による球送り制御動作が開始される。また、コイル内温度センサ40と室温温度センサ41による比較から冷却装置39の冷却動作も開始される(ステップS21〜S24)。
以下、図11のフローチャートに示す各処理内容について詳細に説明する。
図12は図11のハンドル入力処理についての処理フローを例示している。遊技者が発射ハンドル11を回転操作すると、発射制御基板27で可変抵抗器22による抵抗値を読み込む(ステップS31)。次いで可変抵抗器22の抵抗値から決まる電圧により発射コイル24の通電時間(ON時間)、印加電圧(ON電圧)、パルス数(発射間隔)を設定する(ステップS32)。このように複数の条件(通電時間、印加電圧、パルス数)を可変的に設定可能とすることで、遊技者による発射ハンドル11の操作部材14の操作量に応じた発射力で遊技球を遊技領域へ発射することができる。
次いで遊技者が発射ハンドル11(板金20)に触れているか(タッチセンサ19がON状態か)否かを判定し(ステップS33)、発射ハンドル11に触れていれば発射許可フラグをセットし(ステップS34)、触れていなければ(OFF状態にあれば)発射許可フラグをクリアする(ステップS35)。
次に発射停止スイッチ16が押されているか(ON状態)否かを判定し(ステップS36)、押されている場合には、発射許可フラグをクリアする(ステップS37)。発射停止スイッチ16が押されていない場合には、発射ハンドル11が回転操作されるまで待機する。
図13は図11の球送り制御動作の一例を示すフローチャートである。
先ず、3つのスイッチ(残球検出スイッチ35、球送り検出スイッチ36、発射位置確認スイッチ26)の検出信号に応じた球送り制御フェーズを選択する(ステップS41)。遊技球確認フェーズの場合には、残球検出スイッチ35が遊技球を確認したか(ON状態)否かを判定する(ステップS42)。遊技球を検出した場合には、球送り制御フェーズを球送り確認フェーズに設定して、球送り出し機構29の制御動作に移行する(ステップS43)。残球検出スイッチ35が遊技球を確認できない(OFF状態)場合には、残球検出スイッチ35がON状態になるまで待機する。
球送り確認フェーズに移行すると、球送りモータ32を起動して偏芯カム31を1回転させて球装填シャトル29を図4の待機位置と図5の装填位置との間を往復動させる(ステップS44)。また、発射制御基板27は、球送りエラー検出タイマーを作動させて球送りが正常に行なわれた否かを確認する(ステップS45)。
次に、球送り検出スイッチ36がON状態(遮光状態)からOFF状態(透光状態)となる立下りエッジを検出したか否かを判定する(ステップS46)。球送り検出スイッチ36がOFF状態となった場合には、球装填シャトル29aが正常に行なわれたと判定して、球送り制御フェーズを発射フェーズに設定する(ステップS47)。そして、球送りモータ32の駆動を一端停止する(ステップS48)。
また、球送り検出スイッチ36がON状態(遮光状態)のままであった場合には、球送りエラータイマーの設定時間経過を待って球送りエラーを出力する。(ステップS49,S50)。
図14は、球送り制御フェーズから発射フェーズに移行した場合のフローチャートを例示している。先ず発射位置確認スイッチ26が遊技球を検出したか(ON状態か)否かを判定する(ステップS51)。発射位置確認スイッチ26がOFF状態であれば発射位置確認スイッチ26がON状態となるまで待機する。
発射位置確認スイッチ26がON状態であれば、発射許可フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS52)。発射許可フラグがセットされていなければ、セットされるまで待機する。
発射許可フラグがセットされていれば、設定されているON電圧にて発射コイル(電磁コイル)24をONにする(ステップS53)。また、設定されている通電時間(コイルをONにする時間)をタイマーに登録する(ステップS54)。また、タイマーにより発射間隔時間の計測を開始する(ステップS55)。そして、球送り制御フェーズを遊技球確認フェーズ(図13参照)に設定する(ステップS56)。
図15は図14のタイマー処理のフローチャートを例示する。発射コイル24がON状態にあるか否かを判定し(ステップS61)、ON状態になければ、そのまま待機する。
発射コイル24がON状態にあると、タイマーが登録された通電時間(コイルをONにする時間)が経過したか否かを判定する(ステップS62)。タイマーが通電時間経過を検出すると、発射位置Pにセットされた遊技球Yはコイルボビン25を通過して遊技盤レール6gへ向けて発射され(図1,図5参照)、発射コイル24への通電をOFFにする(ステップS63)。
図16は、図11の温度センサ処理の一例を示すフローチャートである。
発射制御基板27は、コイル内温度センサ40,室温温度センサ41を含む温度センサリストにリストアップされた温度センサから検出された温度情報を取得したか否か判定する(ステップS71)。そして、前回の温度取得から1秒経過しているか否か判定する(ステップS72)。温度情報の取得間隔は1秒に限らず任意に設定できる、次いで温度センサから温度を取得する動作を繰り返す(ステップS73)。
図17乃至図19は、図11の冷却装置制御動作の一例を示すフローチャートである。
発射制御基板27は、コイル内温度センサ40より検出される発射コイル24内のコイル内温度と室温温度センサ41により検出される室温との温度差を求める(ステップS81)、温度差が所定温度差に到達すると、冷却装置39を作動させて中空導管24a内で冷却媒体を流動させて冷却動作を行なう。
具体的には、冷却ポンプ37はパルス幅変調制御方式(PWM制御)で駆動されており、コイル内温度と室温との温度差に応じたデューティ比で駆動制御される。
次にステップS82において、温度差が100℃以上ある場合には、ステップS83へ進行してPWM制御のデューティ比を100%に設定し、設定されたデューティ比で冷却装置39を駆動する(ステップS101;図19参照)。また、ステップS84において、温度差が95℃以上になると、ステップS85へ進行してPWM制御のデューティ比を90%に設定し、設定されたデューティ比で冷却装置39を駆動する(図19参照)。また、ステップS86において、温度差が90℃以上になると、ステップS87へ進行してPWM制御のデューティ比を80%に設定し、設定されたデューティ比で冷却装置39を駆動する(ステップS101;図19参照)。また、ステップS88において、温度差が85℃以上になると、ステップS89へ進行してPWM制御のデューティ比を70%に設定し、設定されたデューティ比で冷却装置39を駆動する(ステップS101;図19参照)。
図18において、ステップS90において、温度差が80℃以上になると、ステップS91へ進行してPWM制御のデューティ比を70%に設定し、設定されたデューティ比で冷却装置39を駆動する(ステップS101;図19参照)。
ステップS92において、温度差が75℃以上になると、ステップS93へ進行してPWM制御のデューティ比を50%に設定し、設定されたデューティ比で冷却装置39を駆動する(ステップS101;図19参照)。
ステップS94において、温度差が70℃以上になると、ステップS95へ進行してPWM制御のデューティ比を40%に設定し、設定されたデューティ比で冷却装置39を駆動する(ステップS101;図19参照)。
ステップS96において、温度差が65℃以上になると、ステップS97へ進行してPWM制御のデューティ比を30%に設定し、設定されたデューティ比で冷却装置39を駆動する(ステップS101;図19参照)。
ステップS98において、温度差が60℃以上になると、ステップS99へ進行してPWM制御のデューティ比を20%に設定し、設定されたデューティ比で冷却装置39を駆動する(ステップS101;図19参照)。
またステップS98において、温度差が60℃未満である場合には、冷却装置39の駆動を停止させて、省エネルギー化を図ることができる(ステップS100;図19参照)。
以上のように、発射コイル24の発熱状態に応じて冷却装置39を作動させて発射コイルの発熱を抑えることができ、省エネルギー化を図ることができる。
冷却ポンプ37はパルス幅変調制御方式(PWM制御)で駆動制御されており、コイル内温度と室温との温度差に応じたデューティ比で駆動制御されると、発射コイル24で消費される消費電力を抑制して効率のよい冷却動作を行なうことができる。
また、遊技球が発射位置にセットされたことを確実に検出して発射コイルへ通電制御されるので、遊技球の確実で安定した発射動作を実現することができる。発射位置検出手段の上流側に設けられる球誘導路には、球受け皿から供給された遊技球を球送り出し機構によって発射位置へ継続して送り出すので、遊技球の安定した発射動作を継続することができる。更には、球有無検出手段が球誘導路の遊技球を検出すると球送り出し機構が作動して遊技球を発射位置へ送り出すので、発射位置に遊技球が無い状態で発射動作が行なわれることがなく、遊技球の連続発射動作を継続することができる。
上述した球発射装置7は、パチンコ機1に備えたものについて説明したが、他の遊技機、例えば雀球遊技機やアレンジボール遊技機などに備えてもよい。
1 パチンコ機
2 外枠
3a,3b,4a,5a ヒンジ部
4 上前面枠
5 下前面枠
6 遊技盤
6a 図柄表示装置
6b センター役物
6c スルーチャッカー
6d 風車
6e 電動チューリップ
6f アタッカー
6g 遊技盤レール
6h サイドランプ
7 球発射装置
8 上球受け皿
9 下球受け皿
10 灰皿
11 発射ハンドル
12 アウト口
13 ハンドル軸部
14 操作部材
14a 指掛突起
15 キャップ
16 発射停止スイッチ
17 停止レバー
18 留め具
19 タッチセンサ
20 板金
21 コイルばね
22 可変抵抗器
22a Dカット軸
23 ジョイント
24 発射コイル
24a 中空導管
25 コイルボビン
25a,25b フランジ部
26 発射位置確認スイッチ
27 発射制御基板
28 球誘導路
29 球送り出し機構
29a 球装填シャトル
30 連結ロッド
31 偏芯カム
32 球送りモータ
32a モータ軸
33 カプラー
34 球供給路
35 残球検出スイッチ
36 球送り検出スイッチ
37 冷却ポンプ
38 冷却用ラジエータ
39 冷却装置
40 コイル内温度センサ
41 室温温度センサ
42 電解コンデンサ
43 スイッチング素子
44 駆動電源
45 トリガ電源

Claims (4)

  1. 磁性体からなる遊技球を発射コイルのコイルボビンの一端側に設けられた発射位置にセットして通電により当該遊技球へ電磁力を作用させて中空筒状に形成されたコイルボビンの内部へ吸引して他端側より遊技領域へ向かって発射する遊技機用球発射装置であって、
    前記コイルボビンの一端側に設けられた発射位置に遊技球がセットされたことを検出する発射位置検出手段を備え、該発射位置検出手段によって発射位置に遊技球がセットされたことが検出されると発射制御部が発射コイルに所定時間通電させて遊技球を発射させることを特徴とする遊技機用球発射装置。
  2. 前記発射位置検出手段の上流側に設けられる球誘導路には、球受け皿から供給された遊技球を前記発射位置へ送り出す球送り出し機構が設けられている請求項1記載の遊技機用球発射装置。
  3. 前記球誘導路には球受け皿から供給された遊技球の有無を検出する球有無検出手段が設けられており、該球有無検出手段が遊技球を検出すると前記球送り出し機構が作動して遊技球を発射位置へ送り出す請求項2記載の遊技機用球発射装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1記載の遊技機用球発射装置を用いて遊技球を遊技領域へ向かって発射することを特徴とする遊技機。
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