1.パチンコ機の機械的構成および電気的構成
パチンコホールの台島には、図9に示すように、外枠1が設置されている。この外枠1は前後面が開口する四角筒状をなすものであり、外枠1の前端面には前枠2が装着されている。この前枠2の前面には、図8に示すように、下端部に位置して横長な長方形状の下皿板3が固定されており、下皿板3の前面には上面が開口する下皿4が固定されている。また、前枠2の前面には下皿板3の上方に位置して上皿板5が装着されており、上皿板5の前面には上面が開口する上皿6が固定されている。この上皿板5の後面には左端部に位置してスピーカ7が固定されており、スピーカ7の駆動時にはスピーカ7から前方の遊技者に遊技音が出力される。
1−1.発射機構の説明
下皿板3の後面には、図10に示すように、発射機構板11が固定されており、発射機構板11には発射モータ12が固定されている。この発射モータ12は交流電源周波数に同期して駆動する同期モータからなるものであり、発射モータ12の回転軸13には半円形状の発射カム14が直結されている。この発射モータ12は駆動回路を介して交流の島電源に電気的に接続されており、島電源が印加されることに基いて一定方向へ島電源の周波数に応じた固定的な一定速度で回転する。
発射機構板11には打球杵15が装着されており、打球杵15の先端部には殴打スプリング16が装着されている。この打球杵15は殴打位置(実線参照)および待機位置(破線参照)間で軸17を中心に回動可能にされたものであり、軸17の外周部には巻きばねからなる打力スプリング18が装着されている。この打球杵15にはローラからなるカムフォロワ19が装着されており、打球杵15はカムフォロワ19が発射カム14によって押圧操作されることに基いて殴打位置から待機位置に打力スプリング18の付勢力に抗して回動し、発射カム14がカムフォロワ19から離間することに基いて待機位置から殴打位置に打力スプリング18の付勢力で回動する。即ち、打球杵15は発射カム14が1回転することに基いて殴打位置から待機位置を経て殴打位置に回動するものである。
下皿板3の前面には、図8に示すように、右端部に位置してハンドル台20が固定されており、ハンドル台20にはタッチセンサ21が装着されている。このタッチセンサ21は発射モータ12の駆動回路に電気的に接続されており、タッチセンサ21は遊技者の手がハンドル台20に触れたことを検出してタッチ信号を出力する。
ハンドル台20には発射ハンドル22が前後方向へ延びる水平な軸を中心に回動可能に装着されており、駆動回路は発射ハンドル22が図8の時計回り方向へ回動操作された状態でタッチセンサ21からタッチ信号が与えられることに基いて発射モータ12に島電源を供給する。即ち、遊技者がハンドル台20を握って発射ハンドル22を操作することに基いて発射モータ12が駆動し、打球杵15が殴打位置および待機位置間で往復動を繰返す。
発射ハンドル22の回転軸には打力スプリング18の一端部が連結されている。この発射ハンドル22は図8の時計回り方向へ回動操作されることに基いて打力スプリング18を巻取るものであり、打力スプリング18のばね力は巻取り量が増えることに応じて強くなる。即ち、打球杵15が待機位置から殴打位置へ回動するときの回動力は発射ハンドル22の時計回り方向への回動量に応じて強くなる。
前枠2には、図13に示すように、上皿板5の後方に位置してレール機構板23が固定されており、レール機構板23には発射レール24が固定されている。この発射レール24は右方から左方へ向って上昇する傾斜状をなすものであり、発射レール24の右端部には、図10に示すように、ストッパ25が形成されている。この発射レール24は前方の上皿6内からパチンコ球Pが供給されるものであり、発射レール24上のパチンコ球Pはストッパ25によって係止されることに基いて被殴打位置に位置決めされる。このストッパ25には貫通孔が形成されており、打球杵15は殴打位置でストッパ25の貫通孔を通して発射レール24側に突出する。即ち、打球杵15は待機位置から殴打位置に回動することに基いて被殴打位置のパチンコ球Pを回動力で叩き、発射レール24の左端部から発射するものである。
1−2.球供給機構
発射カム14の前方には、図11に示すように、ノッカー31が軸32を中心に回動可能に装着されており、ノッカー31にはノックカム33が接触している。このノックカム33は発射カム14に形成されたものであり、発射カム14が回転することに基いてノッカー31を垂直状態(図11参照)および傾斜状態(図12参照)間で回動操作する。このノッカー31の上方には球送り機構板34が配置されており、球送り機構板34には下クランク35が軸36を中心に回動可能に装着されている。この球送り機構板34は上皿板5に固定されたものであり、ノッカー31は傾斜状態および垂直状態に回動することに基いて下クランク35を傾斜状態(図12参照)および水平状態(図11参照)に回動操作する。
球送り機構板34には中クランク37が軸38を中心に回動可能に装着されている。この中クランク37にはレバー39およびピン40が形成されており、下クランク35の水平状態では、図11に示すように、ピン40が下クランク35によって支えられることに基いて中クランク37がクランプ状態に保持され、下クランク35の傾斜状態では、図12に示すように、ピン40が下クランク35によって押上げられることに基いて中クランク37がアンクランプ状態に回動する。
球送り機構板34には上クランク41が軸42を中心に回動可能に装着されている。これら上クランク41および中クランク37は上皿6内のパチンコ球Pが整列状態で供給されるものであり、中クランク37のクランプ状態では、図11に示すように、上クランク41が中クランク37のレバー39によって支えられることに基いてクランプ状態に保持され、中クランク37のアンクランプ状態では、図12に示すように、上クランク41が中クランク37のレバー39によって押上げられることに基いてアンクランプ状態に回動する。
中クランク37および上クランク41にはクランプ43およびクランプ44が形成されており、中クランク37および上クランク41のクランプ状態では、図11に示すように、上皿6内のパチンコ球Pが中クランク37のクランプ43および上クランク41のクランプ44間でクランプされることに基いて球供給路45の入口に保持される。この球供給路45は球送り機構板34に形成されたものであり、球供給路45の底面は前方から後方へ向って下降する傾斜状をなしている。
中クランク37および上クランク41のアンクランプ状態では、図12に示すように、パチンコ球Pがクランプ解除されることに基いて球供給路45に沿って後方へ転がる。これら中クランク37および上クランク41のアンクランプ状態では下クランク35が傾斜状態に回動することに基いて球供給路45の出口に対向し、球供給路45の出口からパチンコ球Pが転落することを規制している。また、上クランク41にはストッパ46が形成されており、上クランク41および中クランク37のアンクランプ状態ではストッパ46が次の新たなパチンコ球Pを係止することに基いて球供給路45内に侵入することを規制している。
下クランク35は、図11に示すように、中クランク37および上クランク41のクランプ状態で水平状態に回動することに基いて球供給路45の出口から外れるものであり、球供給路45内のパチンコ球Pは下クランク35が球供給路45の出口から外れることに基いて発射レール24上の被殴打位置に転落する。即ち、ノッカー31は発射モータ12が1回転することに基いて図11の垂直状態から図12の傾斜状態を経て図11の垂直状態に往復動するものであり、下クランク35はノッカー31の往復動に連動して図11の水平状態から図12の傾斜状態を経て図11の水平状態に往復動する。この下クランク35の往復動に連動して中クランク37および上クランク41が図11のクランプ状態から図12のアンクランプ状態を経て図11のクランプ状態に往復動するので、上皿6内のパチンコ球Pが発射モータ12の1回転に連動して発射レール24上の被殴打位置に1個ずつ供給される。このパチンコ球Pの供給タイミングは打球杵15が待機位置から殴打位置に回動する途中に設定されており、打球杵15は殴打位置に到達することに基いて被殴打位置のパチンコ球Pを叩いて発射レール24から発射する。
前枠2の前面には、図8に示すように、矩形状の窓枠51が装着されており、窓枠51の内周面には透明なガラス窓52が固定されている。この窓枠51には複数のランプカバー53が固定されており、各ランプカバー53の後方には複数の電飾用のLED54が配置されている。これら各LED54は窓枠51に固定されたものであり、各ランプカバー53は後方のLED54が発光することに基いて照明される。この窓枠51の後方には、図1に示すように、正方形状の遊技盤55が配置されている。この遊技盤55は前枠2に保持されたものであり、窓枠51およびのガラス窓52によって前方から覆われている。
1−3.パチンコ球の通路機構
遊技盤55の前面には、図1に示すように、外レール部材に相当する外レール61が固定されている。この外レール61は同一の円形軌跡上に配列された下外レール62および上外レール63から構成されたものであり、下外レール62と上外レール63との間には隙間が形成されている。
遊技盤55の後面には駆動源に相当するガイドモータ64が固定されている。このガイドモータ64の回転軸65は遊技盤55を貫通して前方に突出しており、回転軸65の突出部分にはガイドレール66のボス67が固定されている。このガイドレール66は、図7に示すように、円弧板状をなすものであり、ガイドモータ64が駆動することに基いて下外レール62および上外レール63間を塞ぐ閉鎖状態(図1参照)と下外レール62および上外レール63間を開放する開放状態(図2参照)に回動操作される。尚、ガイドレール66はガイドレール部材に相当するものであり、ガイドモータ64およびガイドレール66は制御機構を構成するものである。また、ガイドレール66の閉鎖状態は外レール部材61に沿う無効状態に相当し、ガイドレール66の開放状態は遊技盤55の中心側へ傾斜する有効状態に相当する。
遊技盤55には、図1に示すように、内レール68が固定されている。この内レール68は外レール61に比べて径小な円弧板状をなすものであり、遊技盤55には、図6に示すように、内レール68の一端部に位置して貫通孔69が形成されている。この貫通孔69は内周面が内レール68の延長線上に位置する円弧状をなすものであり、貫通孔69内には、図3に示すように、内ガイドレール70および外ガイドレール71が挿入されている。これら内ガイドレール70および外ガイドレール71は複数の取付板72を有するものであり、複数の取付板72を通して遊技盤55の後面に釘を打込むことに基いて固定されている。これら内ガイドレール70および外ガイドレール71には、図5に外ガイドレール71を代表して示すように、残余部分に比べて高さ寸法が大きな内レール部73が形成されており、内ガイドレール70の内レール部73および外ガイドレール71の内レール部73は遊技盤55の前方に突出し、内ガイドレール70の残余部および外ガイドレール71の残余部は遊技盤55の厚さ内に収納されている。尚、外ガイドレール70は内レール部材に相当するものである。
内ガイドレール70と外ガイドレール71との間には、図3に示すように、円弧状のスライドレール74がスライド可能に挿入されており、スライドレール74の後端部には、図4に示すように、円弧板状のストッパ75が形成されている。このストッパ75は遊技盤55の後面に係合することに基いてスライドレール74を前方へ抜止めするものであり、スライドレール74は、図1に示すように、抜止め状態で両内レール部73と同一量だけ遊技盤55の前面から突出する。尚、スライドレール74はスライドレール部材に相当するものである。
遊技盤55の後面には、図3に示すように、モータブラケット76が固定されており、モータブラケット76には駆動源に相当するレールモータ77が固定されている。このレールモータ77の回転軸にはギア78が固定されており、ギア78はギア部79に噛合している。このギア部79は、図4に示すように、スライドレール74のストッパ75の内周面に形成されたものであり、スライドレール74はレールモータ77が駆動することに基いて内ガイドレール70および外ガイドレール71に沿って伸長状態および短縮状態間でスライドする。
伸長状態とは、図3の(a)に示すように、スライドレール74が内ガイドレール70および外ガイドレール71に沿って上昇した状態であり、スライドレール74の伸長状態では、図1に示すように、スライドレール74が内ガイドレール70の内レール部73および外ガイドレール71の内レール部73の延長上に連なる。このスライドレール74の伸長状態ではガイドレール66が閉鎖状態(無効状態)に回動操作され、長尺な発射通路80が形成される。この長尺な発射通路80は外ガイドレール71の内レール部73およびスライドレール74を内壁とし、下外レール62と閉鎖状態のガイドレール66と上外レール63とを外壁とするものであり、長尺な発射通路80の出口81は遊技盤55の左上隅部に配置され、長尺な発射通路80の入口82は、図13に示すように、発射レール24の延長上に位置しており、打球杵15が殴打したパチンコ球Pは発射通路80内に入口82から侵入し、出口81から放出される。
短縮状態とは、図3の(b)に示すように、スライドレール74が内ガイドレール70および外ガイドレール71に沿って下降した状態である。このスライドレール74の短縮状態では、図2に示すように、スライドレール74が内ガイドレール70の内レール部73および外ガイドレール71の内レール部73間に収納され、短尺な発射通路83が形成される。この短尺な発射通路83は外ガイドレール71の内レール73部を内壁とし、下外レール62を外壁とするものであり、短尺な発射通路83の出口84は遊技盤55の左中央部に配置される。この短尺な発射通路83は長尺な発射通路80と入口82を共有するものであり、打球杵15が殴打したパチンコ球Pは発射通路83内に入口82から侵入し、出口84から放出される。この短尺な発射通路83の有効状態ではガイドレール66が開放状態(有効状態)に回動操作され、パチンコ球Pがガイドレール66の傾斜に沿って放出される。
遊技盤55には、図1に示すように、遊技領域85が形成されており、遊技領域85内には複数の障害釘86が打込まれている。この遊技領域85はスライドレール74の伸縮に連動して大きさが変化するものであり、スライドレール74の伸長状態では上外レール63と内レール68と内ガイドレール70の内レール部73とスライドレール74とで囲まれた相対的に小さな円形領域(長尺な発射通路80の残余領域)になり、スライドレール74の短縮状態では、図2に示すように、上外レール63と内レール68と内ガイドレール70の内レール部73とで囲まれた相対的に大きな円形領域(短尺な発射通路83の残余領域)になる。
遊技領域85はパチンコ球Pが転動可能な最大範囲である転動領域に相当するものであり、スライドレール74の伸長状態では、図1に示すように、パチンコ球Pが長尺な発射通路80の出口81から遊技領域85内の上端部に放出され、遊技領域85内を障害釘86に当りながら落下する。スライドレール74の短縮状態では、図2に示すように、パチンコ球Pが短尺な発射通路83の出口84から遊技領域85内の高さ方向中央部に放出され、遊技領域85内を障害釘86に当りながら落下する。この遊技領域85内には外周部に位置してゴム製の球止め87が固定されている。この球止め87は上外レール63と内レール68との隙間を塞ぐものであり、パチンコ球Pは球止め87に衝突することに基いて球止め87の弾性力で跳ね返る。
スライドレール74の上端部には、図4に示すように、板ばね製の球戻り防止板88が固定されており、球戻り防止板88は、図1に示すように、自然状態で長尺な発射通路80の出口81を閉鎖している。この球戻り防止板88はパチンコ球Pが長尺な発射通路80の出口81から遊技領域85内に放出されることを許容し、遊技領域85内から長尺な発射通路80内に侵入することを防止する逆止弁として機能するものである。即ち、パチンコ球Pが遊技領域85内から球戻り防止板88に衝突したときには球戻り防止板88の上端部が上外レール63に当ることに基いて球戻り防止板88が長尺な発射通路80の出口81を閉鎖した状態に拘束され、パチンコ球Pが長尺な発射通路80内から球戻り防止板88に衝突したときには球戻り防止板88が弾性変形することに基いて長尺な発射通路80の出口81が開放される。
球戻り防止板88は、図2に示すように、自然状態で短尺な発射通路83の出口84を閉鎖するものであり、パチンコ球Pが遊技領域85内から球戻り防止板88に衝突したときには球戻り防止板88の上端部がガイドレール66に当ることに基いて球戻り防止板88が短尺な発射通路83の出口84を閉鎖した状態に拘束され、パチンコ球Pが短尺な発射通路83内から球戻り防止板88に衝突したときには球戻り防止板88が弾性変形することに基いて短尺な発射通路83の出口84が開放される。即ち、球戻り防止板88は長尺な発射通路80および短尺な発射通路83に兼用のものである。
1−4.盤面機構
遊技領域85内には、図1に示すように、中央部に位置して表示台板91が固定されている。この表示台板91は開口部92を有する枠状をなすものであり、表示台板91には円弧状のステージ93が形成されている。このステージ93は後方から前方へ向って下降する傾斜面状をなすものであり、ステージ93の頂上部にはトンネル94の入口が形成されている。このトンネル94は表示台枠91に形成されたものであり、トンネル94内に入口から侵入したパチンコ球Pは出口95を通して放出される。
表示台枠91にはステージ侵入口96が形成されている。このステージ侵入口96は、図2に矢印で示すように、短尺な発射通路83の出口84からガイドレール66に沿って放出されるパチンコ球Pの放出軌跡上に配置されたものであり、短尺な発射通路83の出口84から放出されたパチンコ球Pはステージ侵入口96内に高確率で侵入し、ステージ93からトンネル94の出口95を通して放出される。
遊技領域85内には左側部に位置して複数の道釘97および複数の誘導釘113が打込まれている。これら道釘97および誘導釘113は左方から右方へ向って下降傾斜する整列状の誘導釘86を称するものであり、ステージ侵入口96内に侵入しなかったパチンコ球Pは、図2に矢印で示すように、道釘97および誘導釘113間の誘導路に沿って転動したり、道釘97に沿って転動したり、道釘97に当ってステージ93上に乗上げる。
表示台板91の後面には図柄表示器98が固定されている。この図柄表示器98は横長な長方形状のカラー液晶画面を有するものであり、図柄表示器98の液晶画面は窓枠51のガラス窓52および表示台板91の開口部92を通して前方から視覚的に認識可能にされている。この図柄表示器98の液晶画面には普通図柄領域FEが形成されており、普通図柄領域FE内には普通図柄が表示される。この普通図柄は1列の図柄からなるものであり、当りおよび外れの判定結果を遊技者に報知する識別図柄として機能する。
図柄表示器98の液晶画面には特別図柄領域TEが形成されており、特別図柄領域TE内には特別図柄および装飾図柄が表示される。特別図柄は左列・中列・右列の3列の数字図柄からなるものであり、3列の数字図柄の組合せに応じて遊技者に大当りおよび外れを報知する識別図柄として機能する。装飾図柄は3列の数字図柄の組合せが決まる様子を映像的に演出するアニメーション画面の構成要素として機能するものであり、遊技者にはアニメーション画面のストーリー展開に応じて大当りおよび外れの判定結果が感覚的に報知される。
遊技領域85内には特別図柄始動口99が固定されている。この特別図柄始動口99は入賞口に相当するものであり、上面が開口するポケット状をなしている。この特別図柄始動口99内には近接スイッチからなる特別図柄始動センサ100(図14参照)が固定されており、特別図柄始動センサ100は特別図柄始動口99内にパチンコ球Pが入賞したことを検出して特別図柄始動信号を出力する。
特別図柄始動口99には、図1に示すように、2枚の羽根板101が装着されている。これら両羽根板101は垂直な縮小状態(実線参照)と略水平な拡大状態(二点鎖線参照)との間で軸102を中心に回動可能にされたものであり、両羽根板101の拡大状態では特別図柄始動口99の左右両側部を落下するパチンコ球Pが羽根板101によって捕捉されることに基いて特別図柄始動口99内に入賞し、両羽根板101の縮小状態では両羽根板101間にパチンコ球Pの直径寸法程度の球通路が形成されることに基いて特別図柄始動口99に対するパチンコ球Pの入賞経路が球通路に制限される。即ち、両羽根板101は特別図柄始動口99を実質的に拡大および縮小するものである。
両羽根板101は羽根板ソレノイド103(図14参照)のプランジャに機械的に連結されている。この羽根板ソレノイド103は特別図柄始動口99の後面に固定されたものであり、両羽根板101は羽根板ソレノイド103が通断電されることに基いて拡大状態および縮小状態に回動操作される。
遊技領域85内には、図1に示すように、上下面が開口するコ字枠状の普通図柄始動ゲート104が固定されている。この普通図柄始動ゲート104内には近接スイッチからなる普通図柄始動センサ105(図14参照)が固定されており、普通図柄始動センサ105はパチンコ球Pが普通図柄始動ゲート104内を通過したことを検出して普通図柄始動信号を出力する。尚、普通図柄始動ゲート104は入賞口に相当するものである。
特別図柄始動口99は、図2に示すように、トンネル94の出口95の真下に配置されたものであり、トンネル94の出口95から放出されたパチンコ球Pは特別図柄始動口99内に高確率で入賞する。この特別図柄始動口99は道釘97の延長上に配置されたものであり、道釘97に沿って転動するパチンコ球Pは特別図柄始動口99内に高確率で入賞する。普通図柄始動ゲート104は特別図柄始動口99の左側部に配置されたものであり、パチンコ球Pは、図2に矢印で示すように、道釘97および誘導釘113間から零れる経路で普通図柄始動ゲート104内を高確率で通過する。即ち、短尺な発射通路83はパチンコ球Pを特別図柄始動口99および普通図柄始動ゲート104に相対的な高確率で入賞させ、長尺な発射通路80はパチンコ球Pを特別図柄始動口99および普通図柄始動ゲート104に相対的な低確率で入賞させるものであり、短尺な発射通路83の有効状態は遊技者に相対的な有利な状態に相当する。
遊技領域85内には、図1に示すように、特別図柄始動口99の下方に位置して入賞口台板106が固定されており、入賞口台板106には前面が開口する四角筒状の大入賞口が固定されている。この入賞口台板106には扉107が下端部の水平な軸108を中心に回動可能に装着されており、扉107は大入賞口ソレノイド109(図14参照)のプランジャに機械的に連結されている。この大入賞口ソレノイド109は入賞口台板106の後面に固定されたものであり、扉107を垂直状態に回動操作することに基づいて大入賞口の前面を閉鎖し、扉107を前方へ倒れた水平状態に回動操作することに基づいて大入賞口の前面を開放する。この大入賞口内には近接スイッチからなるカウントセンサ110(図14参照)が固定されており、カウントセンサ110は大入賞口内にパチンコ球Pが入賞したことを検出してカウント信号を出力する。
遊技盤55には、図1に示すように、貫通孔状のアウト口111が形成されている。このアウト口111は遊技領域85内の最低部に配置されたものであり、内レール68にはアウト口111の前方に位置して凹状のアウト経路112が形成されている。このアウト経路112は前方から後方へ向って下降する傾斜面状をなすものであり、特別図柄始動口99および大入賞口のいずれにも入賞しなかったパチンコ球Pは内レール68に沿ってアウト経路112内に転がり込み、アウト経路112の傾斜に沿ってアウト口111内に侵入する。
1−5.裏部品構成
遊技盤55の後面には、図9の(b)に示すように、センタカバー121が装着されている。このセンタカバー121内には集合樋が固定されており、特別図柄始動口99内に入賞したパチンコ球Pおよび大入賞口内に入賞したパチンコ球Pは集合樋内に転がり込む。このセンタカバー121の外周部には矩形枠状のメインセット122が装着されており、メインセット122には排出通路が形成されている。このメインセット122は前枠2に装着されたものであり、集合樋内に侵入したパチンコ球Pおよびアウト口113内に侵入したパチンコ球Pは共通の排出通路を通して機外へ排出される。
メインセット122の後面には上端部に位置して球タンク123が固定されている。この球タンク123はパチンコ球Pを貯溜するものであり、球タンク123にはタンクレール124の右端部が接続されている。このタンクレール124はメインセット122に固定されたものであり、右方から左方へ向って下降する傾斜樋状をなしている。
メインセット122には賞球払出装置125が装着されている。この賞球払出装置125にはタンクレール124の左端部が接続されており、球タンク123内のパチンコ球Pはタンクレール124を通して賞球払出装置125に供給される。この賞球払出装置125は払出モータ126(図14参照)を駆動源とするものであり、パチンコ球が特別図柄始動口99内および大入賞口内に入賞することに基づいてパチンコ球Pを賞品球として放出する。この賞球払出装置125は上皿6に接続されており、賞球払出装置125から放出されたパチンコ球Pは上皿6内に払出される。
遊技盤55の下方には、図13に示すように、上皿板5の後方に位置してファール樋127が固定されている。このファール樋127はファール口128と下皿4との間を接続するものであり、ファール口128内に落下したパチンコ球Pはファール樋127を通して下皿4に戻される。このファール口128は発射レール24と下外レール62との間の空間部を称するものであり、パチンコ球Pを長尺な発射通路80内および短尺な発射通路83内に発射するにはファール口128を飛越える勢いが要求される。
1−6.電気的構成
図柄表示器98は、図14に示すように、駆動回路131を介して図柄制御装置132に電気的に接続されている。この図柄制御装置132は駆動回路131を通して図柄表示器98の表示内容を制御する図柄制御手段およびサブ制御手段に相当するものであり、CPU133・VDP134・ROM135・RAM136・I/O137を有している。
スピーカ7は駆動回路138を介して音制御装置139に電気的に接続されている。この音制御装置139は駆動回路138を通してスピーカ7を鳴動制御する音制御手段およびサブ制御手段に相当するものであり、CPU140・ROM141・RAM142・I/O143を有している。
複数のLED54は駆動回路144を介して光制御装置145に電気的に接続されている。この光制御装置145は駆動回路144を通して複数のLED54を発光制御する光制御手段およびサブ制御手段に相当するものであり、CPU146・ROM147・RAM148・I/O149を有している。
羽根板ソレノイド103および大入賞口ソレノイド109は駆動回路150を介してメイン制御装置151に電気的に接続されている。このメイン制御装置151はCPU152・ROM153・RAM154・I/O155を有するものであり、羽根板ソレノイド103を駆動回路150を通して駆動制御することに基いて特別図柄始動口99の両羽根板101を拡縮操作し、大入賞口ソレノイド109を駆動回路150を通して駆動制御することに基いて大入賞口の扉107を開閉操作する。
メイン制御装置151には特別図柄始動センサ100・カウントセンサ110・普通図柄始動センサ105が電気的に接続されており、メイン制御装置151は特別図柄始動センサ100からの特別図柄始動信号・普通図柄始動センサ105からの普通図柄始動信号・カウントセンサ110からのカウント信号を監視する。このメイン制御装置151には駆動回路156を介してガイドモータ64およびレールモータ77が電気的に接続されており、メイン制御装置151はガイドモータ64を駆動回路156を通して駆動制御することに基いてガイドレール66を回動操作し、レールモータ77を駆動回路156を通して駆動制御することに基いてスライドレール74をスライド操作する。尚、メイン制御装置151は制御手段に相当するものである。
メイン制御装置151には払出制御装置157が電気的に接続されている。この払出制御装置157はCPU158・ROM159・RAM160・I/O161を有するものであり、メイン制御装置151は特別図柄始動センサ100からの特別図柄始動信号およびカウントセンサ110からのカウント信号を検出することに基いて払出制御装置157に賞球コマンドおよび賞球データを送信する。
払出制御装置157には駆動回路162を介して払出モータ126が電気的に接続されており、払出制御装置157は駆動回路162を通して払出モータ126を駆動制御する。この払出モータ126の駆動量は払出制御装置157がメイン制御装置151からの賞球コマンドを検出することに基いて賞球データに応じて設定するものであり、払出制御装置157は払出モータ126を駆動制御することに基づいて賞球払出装置125から上皿6内に賞球データに応じた個数のパチンコ球を賞品球として払出す。
メイン制御装置151には演出制御装置163が電気的に接続されている。この演出制御装置163はCPU164・ROM165・RAM166・I/O167を有するものであり、メイン制御装置151は特別図柄始動センサ100からの特別図柄始動信号を検出したことを条件に遊技データを設定し、演出制御装置163に送信する。この演出制御装置163には図柄制御装置132・音制御装置139・光制御装置145が電気的に接続されており、演出制御装置163はメイン制御装置151からの遊技データに基いて演出パターンを設定し、図柄制御装置132・音制御装置139・光制御装置145に送信する。この演出パターンは演出器の駆動内容を時系列で示すシーケンスデータからなるものであり、図柄制御装置132・音制御装置139・光制御装置145は演出制御装置163からの演出パターンに基いて演出器を駆動制御することで特別図柄遊技を映像・音・光で組成する。尚、演出制御装置163は演出パターン設定手段・演出制御手段・サブ統合制御手段に相当するものである。
2.パチンコ機の遊技機能
2−1.普通図柄遊技機能
遊技者が上皿6内にパチンコ球Pを投入して発射ハンドル22を時計回り方向へ回動操作すると、遊技領域85内にパチンコ球Pが発射され、障害釘86に当りながら落下する。このパチンコ球Pが普通図柄始動ゲート104内を有効に通過すると、普通図柄遊技が開始される。この普通図柄遊技は図柄表示器98の普通図柄領域FE内にアニメーション画面を表示することで組成されるものであり、普通図柄遊技の詳細は次の通りである。
図柄表示器98の普通図柄領域FE内には普通図柄として「7」および「―」のいずれかが静止状態で表示されており、パチンコ球Pが普通図柄始動ゲート104内を有効に通過したときには普通図柄が「7」および「―」に交互に可変表示される。この普通図柄の可変表示は可変開始から設定時間が経過することに基いて停止するものであり、遊技者には普通図柄が「7」で可変停止することで当りが報知され、普通図柄が「―」で可変停止することで外れが報知される。
2−2.当り遊技機能
図柄表示器98の普通図柄領域FE内に当り図柄「7」が停止表示されたときには当り遊技が開始される。この当り遊技は特別図柄始動口99の両羽根板101を拡大状態に操作することで特別図柄始動口99を実質的に拡大するものであり、両羽根板101は拡大時間が上限値に到達するまで拡大状態に保持される。即ち、当り遊技は特別図柄始動口99を遊技者に有利な状態にし、パチンコ球Pの特別図柄始動口99に対する入賞度を高めるものである。
2−3.普通図柄遊技保留機能
普通図柄遊技を即座に開始できない普通図柄遊技中および当り遊技中にパチンコ球Pが普通図柄始動ゲート104内を有効に通過したときには普通図柄遊技が保留される。この普通図柄遊技の保留回数には上限値が設定されており、保留回数が上限値に到達した状態でパチンコ球Pが普通図柄始動ゲート104内を通過したときには普通図柄遊技が保留されない。この普通図柄遊技が保留されないパチンコ球Pの通過を無効な通過と称し、普通図柄遊技が保留される通過を有効な通過と称する。
2−4.特別図柄遊技機能(可変遊技機能)
パチンコ球Pが特別図柄始動口99内に入賞すると、賞球払出装置125から設定個数のパチンコ球Pが上皿6内に賞品球として払出され、しかも、特別図柄遊技が開始される。この特別図柄遊技は図柄表示器98の特別図柄領域TE内にアニメーション画面を表示し、スピーカ7からアニメーション画面の表示内容に連動して遊技音を出力し、LED54をアニメーション画面の表示内容に連動して発光させることで組成されるものであり、特別図柄遊技の詳細は次の通りである。
図柄表示器98の特別図柄領域TE内には、図15に示すように、左列の特別図柄・中列の特別図柄・右列の特別図柄として「1,2,3,4,5,6,7,8」のいずれかの数字図柄が静止状態で表示されており、パチンコ球Pが特別図柄始動口99内に有効に入賞すると、各列の特別図柄が変動開始する。この変動とは各列の特別図柄が移動しながら変化することを称するものであり、各列の特別図柄の移動方向は上から下に設定され、各列の特別図柄の変化順序は「1」……「7」→「8」→「1」→…のループ状に設定されている。
3列の特別図柄は(1)左列・(2)右列・(3)中列の順序で変動停止するものであり、遊技者には3列の変動停止状態での組合せによって大当りおよび外れの判定結果が報知される。これら大当りおよび外れはパチンコ球Pが特別図柄始動口99内に有効に入賞したことを条件にメイン制御装置151が乱数値の取得結果に基いて無作為に判定するものであり、3列の変動開始から変動停止に至る所要時間を変動表示時間(可変表示時間)と称する。
大当り図柄とは遊技者に大当りを報知する3列の組合せ図柄を称するものであり、大当り図柄には下記の8種類が設定されている。
<大当り図柄>
「1 1 1」,「2 2 2」,「3 3 3」,「4 4 4」,「5 5 5」,「6 6 6」,「7 7 7」,「8 8 8」
外れリーチ図柄とはリーチは発生するものの大当りとならない3列の組合せ図柄を称するものであり、具体的には左列および右列が同一で中列が相違するものである。また、完全外れ図柄とはリーチすら発生しない3列の組合せ図柄を称するものであり、具体的には左列および右列が相違する3列の組合せ図柄を称する。
リーチとは左列および右列が大当りとなる視覚的な可能性が存在する組合せで変動停止した途中状態を称するものであり、リーチ状態では図柄表示器98にリーチアクション画面が表示され、最終の中列が左列および右列と同一の目的図柄・左列および右列と相違する反目的図柄のいずれで変動停止するかがリーチアクション画面の結末を用いて感覚的に報知される。このリーチ図柄には下記の8種類が設定されており、「↓」は中列が変動中であることを示している。
<リーチ図柄>
「1 ↓ 1」,「2 ↓ 2」,「3 ↓ 3」,「4 ↓ 4」,「5 ↓ 5」,「6 ↓ 6」,「7 ↓ 7」,「8 ↓ 8」
2−5.大当り遊技機能
図柄表示器98の特別図柄領域TE内に大当り図柄が停止表示されたときには大当り遊技が開始される。この大当り遊技は大入賞口の扉107を開放し、大入賞口内にパチンコ球Pが入賞すること許容する遊技者に有利な状態を発生させるものであり、大入賞口は上限個のパチンコ球Pが入賞する個数条件または開放時間が上限値に達する時間条件が満足されるまで開放状態に保持される。この大入賞口の個数条件および時間条件を基準とする開放動作は大当りラウンドと称されるものであり、個数条件および時間条件のいずれかが満足されたときには大当りラウンドが再開される。この大当りラウンドの繰返し回数には上限値が設定されており、大当りラウンドの繰返し回数が上限値に達したときには大当り遊技が無条件に終了する。
大当りラウンド中には図柄表示器98に大当りラウンド表示が行われる。この大当りラウンド表示は現在の大当りラウンド数に応じたアニメーション画面を表示するものであり、大当りラウンド表示時にはスピーカ7からアニメーション画面の表示内容に連動して遊技音が出力され、LED54がアニメーション画面の表示内容に連動して発光する。これら1回目の大当りラウンド表示〜最終回の大当りラウンド表示を大当り表示と称する。
2−6.特別図柄遊技保留機能
特別図柄遊技を即座に開始できない特別図柄遊技中および大当り遊技中にパチンコ球Pが特別図柄始動口99内に有効に入賞したときには特別図柄遊技が保留される。この特別図柄遊技の保留回数には上限値が設定されており、保留回数が上限値に到達した状態でパチンコ球Pが特別図柄始動口99内に入賞したときには特別図柄遊技が保留されない。この特別図柄遊技が保留されないパチンコ球Pの入賞を無効な入賞と称し、特別図柄遊技が保留される入賞を有効な入賞と称する。
2−7.確率変動機能
確率変動モードは大当りを確率変動モードの無効状態に比べて高い一定確率で判定する高確率モードであり、大当りが奇数の確率変動図柄で発生することに基いて大当り遊技終了直後の特別図柄遊技から有効化され、大当りが偶数の通常図柄で発生することに基いて大当り遊技終了直後の特別図柄遊技から無効化される。
2−8.時間短縮機能
時間短縮モードの有効状態では普通図柄の可変表示時間および特別図柄の変動表示時間の双方が時間短縮モードの無効状態に比べて短縮される。この時間短縮モードは大当りが確率変動図柄で発生することに基いて大当り遊技終了直後の特別図柄遊技から有効化されるものであり、大当りが通常図柄で発生したときには大当り遊技終了直後の特別図柄遊技から無効化される。即ち、時間短縮モードは確率変動モードが有効化および無効化されることに連動して有効化および無効化されるものである。
時間短縮モードの有効状態では特別図柄始動口99の1回の拡大時間が時間短縮モードの無効状態に比べて延長される。即ち、時間短縮モードの有効状態では普通図柄遊技の所要時間(可変表示時間)が短縮され、当りの判定時に特別図柄始動口99が相対的な長時間にわたって拡大されるので、特別図柄始動口99に対するパチンコ球Pの入賞度が高まる。しかも、特別図柄遊技の所要時間(変動表示時間)が短縮されるので、特別図柄遊技が途絶えることなく繰返される確度が高まり、パチンコ球Pの少量の消費で次の大当りを獲得できる可能性が大きくなる。
2−9.通路伸縮機能
大当りが確率変動図柄で発生した確率変動モードの有効状態および時間短縮モードの有効状態では短尺な発射通路83が有効化される。この短尺な発射通路83の有効化とはスライドレール74を短縮状態および伸長状態にスライド操作し、スライドレール74のスライド操作に連動してガイドレール66を開放状態および閉鎖状態に回動操作することに基いて短尺な発射通路83を断続的に生成するものであり、短尺な発射通路83の有効化は大当り遊技の終了直後から行われる。この短尺な発射通路83の断続的な生成は遊技の進行状況とは無関係に時間の経過に基いて行われるものであり、具体的には短尺な発射通路83の生成時間が長尺な発射通路80の生成時間に比べて長くなるように行われる。この短尺な発射通路83の有効化は大当りが通常図柄で発生することに基いて終了するものであり、確率変動モードの無効状態および時間短縮モードの無効状態ではスライドレール74およびガイドレール66が伸長状態および閉鎖状態に継続的に保持されることに基いて長尺な発射通路80が継続的に有効化される。
即ち、確率変動モードの有効状態および時間短縮モードの有効状態では短尺な発射通路83の生成タイミングに合わせてパチンコ球Pを発射することで短尺な発射通路83の出口84から集中的に放出することができる。このため、特別図柄始動口99および普通図柄始動ゲート104に対するパチンコ球Pの入賞率が遊技者の技量に応じて高まり、特別図柄遊技および普通図柄遊技が途絶えることなく繰返される確度が一層高まるので、パチンコ球Pの極少量の消費で次の大当りを獲得できる。
3.メイン制御装置151の内部処理
3−1.メイン処理
メイン制御装置151のCPU152は主電源が投入されると、図16のステップS1でランダムカウンタR1〜R6の計測値,カウンタN1〜N2の計測値,タイマT1〜T5の計測値,特別図柄フラグの設定結果,普通図柄フラグの設定結果,通路伸縮フラグの設定結果,通路フラグの設定結果,大当りの判定結果,外れリーチの判定結果,当りの判定結果,特別図柄の設定結果,変動パターンの設定結果,変動表示時間の設定結果,普通図柄の設定結果,可変表示時間の設定結果,拡大時間の設定結果等のRAM154の全データおよびI/O155を初期設定する。そして、ステップS2へ移行し、ステップS2〜S6をループ状に繰返す。
CPU152はステップS2へ移行すると、ランダムカウンタR5の現在の計測値に「1」を加算する。このランダムカウンタR5は左列の特別図柄,中列の特別図柄,右列の特別図柄を「1〜8」の特別図柄群の中から選択するものであり、完全外れおよび外れリーチの判定時にのみ活用される。このランダムカウンタR5は3桁のカウンタからなるものであり、1桁目は、図24に示すように、「0」から「7」に加算された後に「0」に戻して循環的に加算される。この1桁目の加算処理はメインプログラムの1ループ毎に「1」ずつ行われるものであり、2桁目は1桁目が「7」から「0」に加算される桁上げ毎に「1」ずつ加算され、3桁目は2桁目が「7」から「0」に加算される桁上げ毎に「1」ずつ加算される。
CPU152は図16のステップS2でランダムカウンタR5を加算すると、ステップS3でランダムカウンタR5の加算結果の1桁目と3桁目とを比較する。ここで両者が相違していることを検出すると、ステップS4でランダムカウンタR5の加算結果をRAM154の完全外れ図柄エリアに格納する。即ち、完全外れ図柄エリアは左列および右列が相違する完全外れ図柄の基礎データが格納されるものであり、完全外れ図柄エリアの格納データはメインプログラムがループすることに基いて更新される。
CPU152はステップS3でランダムカウンタR5の1桁目と3桁目とが同一であることを検出すると、ステップS5でランダムカウンタR5の1桁目と2桁目とを比較する。ここで両者が相違していることを検出すると、ステップS6でランダムカウンタR5の加算結果をRAM154の外れリーチ図柄エリアに格納する。即ち、外れリーチ図柄エリアは左列および右列が同一で中列が相違する外れリーチ図柄の基礎データが格納されるものであり、外れリーチ図柄エリアの格納データはメインプログラムがループすることに基いて更新される。
CPU152はINT信号を検出すると、図16のメインプログラムを停止する。このINT信号はメイン制御装置151のタイマ回路から4msec毎に出力されるものであり、CPU152はメインプログラムを停止したときにはタイマ割込みプログラムを起動する。このタイマ割込みプログラムは、図17に示すように、普通図柄処理と特別図柄処理と通路伸縮処理を当該順序で行うものであり、CPU152はタイマ割込みプログラムを終えたときにはメインプログラムを停止位置から再開する。以下、タイマ割込みプログラムについて詳述する。
3−2.普通図柄処理
CPU152は図18のステップS20へ移行すると、ランダムカウンタR6の現在の計測値を更新する。このランダムカウンタR6はタイマ割込みプログラムの起動毎に「1」ずつ加算されるものであり、初期値「0」から上限値「32」に加算された後に「0」に戻して循環的に加算される。
CPU152はステップS20でランダムカウンタR6を更新すると、ステップS21で普通図柄始動センサ105からの普通図柄始動信号の有無を判断する。ここで普通図柄始動信号を検出したときにはステップS22へ移行し、カウンタN2の現在の計測値をROM153に予め記録された上限値(具体的には6)と比較する。このカウンタN2は普通図柄遊技の保留回数を計測するものであり、CPU152はステップS22で「N2<上限値」を検出したときには普通図柄遊技の保留回数が上限値に到達していないと判断し、ステップS23でランダムカウンタR6の現在の計測値を取得する。
メイン制御装置151のRAM154には、図27の(a)に示すように、普通図柄遊技用の6個の保留データエリアが設けられている。これら保留データエリアには使用順序として「1」〜「6」が割付けられており、メイン制御装置151のCPU152は図18のステップS24へ移行すると、未使用の保留データエリアのうち使用順序が最小のエリアにランダムカウンタR6の取得結果を格納する。例えば使用順序「1」〜「4」の保留データエリアにランダムカウンタR6が格納されているときには使用順序が最小の空欄の保留データエリア「5」にランダムカウンタR6が格納される。即ち、普通図柄遊技の保留回数N2が上限値に到達しているときにはパチンコ球が普通図柄始動ゲート104内を通過してもランダムカウンタR6が取得されず、パチンコ球が普通図柄始動ゲート104内を通過したことが無効化される。
CPU152は図18のステップS25へ移行すると、普通図柄フラグの設定状態を判断する。この普通図柄フラグは普通図柄遊技の実行状態および当り遊技の実行状態で普通図柄遊技および当り遊技にセットされ、普通図柄遊技および当り遊技の双方が停止した状態でオフ状態にリセットされるものであり、CPU152は普通図柄遊技および当り遊技の停止状態ではステップS25で普通図柄フラグのオフを検出してステップS26へ移行する。
CPU152はステップS26へ移行すると、RAM154の普通図柄遊技用の保留データエリア「1」にランダムカウンタR6が格納されているか否かを判断する。ここで保留データエリア「1」にランダムカウンタR6が格納されていることを検出したときにはステップS27へ移行し、保留データエリア「1」のランダムカウンタR6を30個の当り値「0〜29」と比較する。これら30個の当り値はメイン制御装置151のROM153に予め記録されたものであり、CPU152はランダムカウンタR6が30個の当り値のいずれかと同一であることを検出したときには当りと判定し、ランダムカウンタR6が30個の当り値のいずれとも相違していることを検出したときには外れと判定する。即ち、当りは確率変動モードの設定状態および時間短縮モードの設定状態とは無関係な一定確率「30/33」で判定される。
CPU152はステップS27で当りおよび外れを判定すると、ステップS28で当りおよび外れの判定結果を検出する。ここで当りを検出したときにはステップS29で当り図柄として「7」を設定し、外れを検出したときにはステップS30で外れ図柄として「−」を設定する。
CPU152はステップS29またはステップS30で当り図柄または外れ図柄を設定すると、ステップS31で時間短縮フラグの設定状態を検出する。この時間短縮フラグは時間短縮モードの設定状態を示すものであり、CPU152はステップS31で時間短縮フラグがオン状態にセットされていることを検出したときには時間短縮モードが有効化されていると判断し、ステップS32でタイマT2に「Ta(短値)」をセットする。このタイマT2は普通図柄遊技の残り時間を計測するものであり、CPU152はステップS31で時間短縮フラグがオフ状態にリセットされていることを検出したときには時間短縮モードが無効化されていると判断し、ステップS33でタイマT2に「Tb(>Ta)」をセットする。
CPU152はステップS32またはステップS33でタイマT2をセットすると、ステップS34で普通図柄の設定結果を演出制御装置75に普通図柄遊技用の遊技データとして送信し、ステップS35で演出制御装置163に可変開始コマンドを送信する。
演出制御装置163のCPU164は普通図柄遊技用の遊技データを検出することに基いてRAM166に格納し、可変開始コマンドを検出することに基いて図柄制御装置132に普通図柄遊技用の演出開始コマンドおよび遊技データを送信する。この演出開始コマンドは図柄制御装置132に普通図柄遊技の開始を指令するものであり、図柄制御装置132のCPU133は演出開始コマンドを検出することに基いて普通図柄遊技を開始する。即ち、普通図柄遊技は普通図柄遊技および当り遊技の双方が停止していることを条件に開始されるものである。
CPU152はステップS35で可変開始コマンドを送信すると、ステップS36でカウンタN2から「1」を減算することに基いて普通図柄遊技用の保留回数を減算する。そして、ステップS37でRAM154の普通図柄遊技用の保留データエリアを整理し、ステップS38で普通図柄フラグを普通図柄遊技にセットする。この整理処理は保留データエリア「1」のランダムカウンタR6を消去し、保留データエリア「2」を含んだ以後にランダムカウンタR6が格納されているときにはランダムカウンタR6を使用順序が1個前の保留データエリアに移動するものであり、例えば保留データエリア「1」〜「3」にランダムカウンタR6が格納されているときには保留データエリア「1」のランダムカウンタR6が消去され、保留データエリア「2」のランダムカウンタR6および保留データエリア「3」のランダムカウンタR6が1個前の保留データエリア「1」および保留データエリア「2」に移動される。
CPU152はステップS25で普通図柄フラグがオフ状態にリセットされていないと判断すると、図19のステップS39で普通図柄フラグの設定状態を普通図柄遊技と比較する。ここで普通図柄フラグが普通図柄遊技にセットされていることを検出したときには普通図柄遊技が実行されていると判断し、ステップS40でタイマT2から設定値を減算することに基いて普通図柄遊技の残り時間を更新する。
CPU152はステップS40でタイマT2を減算すると、ステップS41でタイマT2の減算結果を「0」と比較する。ここで「T2=0」を検出したときには普通図柄遊技の終了と判断し、ステップS42で演出制御装置163に可変停止コマンドを送信する。この可変停止コマンドは演出制御装置163に普通図柄遊技の停止を指令するものであり、演出制御装置163のCPU164は可変停止コマンドを検出することに基いて図柄制御装置132に演出終了コマンドを送信する。すると、図柄制御装置132のCPU133は普通図柄の可変表示を演出制御装置163からの設定結果で停止させ、遊技者に当りおよび外れの判定結果を報知する。
CPU152はステップS42で可変停止コマンドを送信すると、ステップS43で直前の当りおよび外れの判定結果を検出する。ここで外れを検出したときにはステップS44へ移行し、普通図柄フラグをオフ状態にリセットする。また、ステップS43で当りを検出したときにはステップS45へ移行し、時間短縮フラグの設定状態を検出する。ここで時間短縮フラグがオン状態にセットされていることを検出したときには時間短縮モードが有効化されていると判断し、ステップS46でタイマT3に「Tc(長値)」をセットする。このタイマT3は特別図柄始動口99の残り拡大時間を計測するものであり、CPU152はステップS45で時間短縮フラグがオフ状態にリセットされていることを検出したときには時間短縮モードが無効化されていると判断し、ステップS47でタイマT3に「Td(<Tc)」をセットする。
CPU152はステップS46またはステップS47でタイマT3をセットすると、ステップS48で特別図柄始動口99を拡大することに基いて当り遊技を開始する。そして、ステップS49へ移行し、普通図柄フラグに当り遊技をセットすることに基いて当り遊技中であることを記録する。
CPU152はステップS39で普通図柄フラグが普通図柄遊技にセットされていないことを検出すると、当り遊技中であると判断してステップS50へ移行する。ここでタイマT3から設定値を減算することに基いて当り遊技の残り時間(=特別図柄始動口99の残り拡大時間)を更新し、ステップS51でタイマT3の減算結果を「0」と比較する。
CPU152はステップS51で「T3=0」を検出すると、当り遊技の終了を判断する。そして、ステップS52で特別図柄始動口99を縮小することに基いて当り遊技を終え、ステップS53で普通図柄フラグをオフ状態にリセットする。
3−3.特別図柄処理
CPU152は図20のステップS61へ移行すると、ランダムカウンタR1〜R4の現在の計測値を更新する。ランダムカウンタR1は、図25の(a)に示すように、変動パターンを選択するものであり、特別図柄遊技中には図柄表示器98の特別図柄領域TE内に変動パターンの選択結果に応じた演出内容のアニメーション画面が表示される。このアニメーション画面の表示状態では演出用のスピーカ7から変動パターンの選択結果に応じた内容の遊技音が出力され、LED54が変動パターンの選択結果に応じた内容で発光し、アニメーション画面が音および光の双方を用いて演出される。このランダムカウンタR1はタイマ割込みプログラムの起動毎に「1」ずつ加算されるものであり、上限値「100」に加算されたときには「0」に戻して循環的に加算される。
ランダムカウンタR2は外れの判定時に判定結果を完全外れおよび外れリーチに振分ける乱数値に相当するものである。このランダムカウンタR2はタイマ割込みプログラムの起動毎に「1」ずつ加算されるものであり、初期値「0」から上限値「49」に加算された後に「0」に戻して循環的に加算される。ランダムカウンタR3は大当りの発生の有無を抽選する乱数値に相当するものである。このランダムカウンタR3はタイマ割込みプログラムの起動毎に「1」ずつ加算されるものであり、初期値「0」から上限値「359」に加算された後に「0」に戻して循環的に加算される。ランダムカウンタR4は大当り図柄を大当り図柄群「1〜8」の中から選択するものである。このランダムカウンタR4はタイマ割込みプログラムの起動毎に「1」ずつ加算されるものであり、初期値「0」から上限値「7」に加算された後に「0」に戻して循環的に加算される。
CPU152は図20のステップS62へ移行すると、特別図柄始動センサ100からの特別図柄始動信号の有無を判断する。ここで特別図柄始動信号を検出したときにはステップS63へ移行し、カウンタN1の現在の計測値をROM153に予め記録された上限値(具体的には4)と比較する。このカウンタN1は特別図柄遊技の保留回数を計測するものであり、CPU152はステップS63で「N1<上限値」を検出したときには特別図柄遊技の保留回数が上限値に到達していないと判断する。そして、ステップS64へ移行し、ランダムカウンタR1〜R4の現在の計測値を取得する。
メイン制御装置151のRAM154には、図27の(b)に示すように、特別図柄遊技用の4個の保留データエリアが設けられている。これら4個の保留データエリアには使用順序「1」〜「4」が割付けられており、メイン制御装置151のCPU152は図20のステップS65へ移行すると、未使用の保留データエリアのうち使用順序が最小のエリアにランダムカウンタR1〜R4の取得結果を格納する。そして、ステップS66へ移行し、カウンタN1に「1」を加算することに基いて特別図柄遊技の保留回数を更新する。例えば使用順序「1」〜「2」の保留データエリアにランダムカウンタR1〜R4が格納されているときには使用順序が最小の空欄の保留データエリア「3」にランダムカウンタR1〜R4が格納される。
CPU152は図20のステップS67へ移行すると、特別図柄フラグの設定状態を判断する。この特別図柄フラグは特別図柄遊技の実行状態および大当り遊技の実行状態で特別図柄遊技および大当り遊技にセットされ、特別図柄遊技および大当り遊技の双方が停止した状態でオフ状態にリセットされるものであり、CPU152は特別図柄遊技および大当り遊技の停止状態ではステップS67で特別図柄フラグのオフを検出し、ステップS68へ移行する。
CPU152はステップS68へ移行すると、RAM154の特別図柄遊技用の保留データエリア「1」にランダムカウンタR1〜R4が格納されているか否かを判断する。ここで保留データエリア「1」にランダムカウンタR1〜R4が格納されていることを検出したときにはステップS69へ移行し、確率変動モードの設定状態を判断する。この処理は確率変動フラグの設定状態に基づいて行われるものであり、CPU152は確率変動フラグがオフ状態にリセットされていることを検出したときには確率変動モードが無効化されていると判断してステップS70へ移行し、確率変動フラグがオン状態にセットされていることを検出したときには確率変動モードが有効化されていると判断してステップS71へ移行する。
CPU152はステップS70へ移行すると、RAM154の特別図柄遊技用の保留データエリア「1」からランダムカウンタR3の取得結果を検出して1個の大当り値「7」と比較する。ここでランダムカウンタR3の取得結果が1個の大当り値と相違していることを検出したときには外れと判定し、ランダムカウンタR3の取得結果が1個の大当り値と同一であることを検出したときには大当りと判定する。即ち、確率変動モードの無効状態では大当りが「1/360」の相対的な低確率で判定される。
CPU152はステップS71へ移行すると、RAM154の特別図柄遊技用の保留データエリア「1」からランダムカウンタR3の取得結果を検出して3個の大当り値「3,5,7」と比較する。ここでランダムカウンタR3の取得結果が3個の大当り値のいずれとも同一でないことを検出したときには外れと判定し、ランダムカウンタR3の取得結果が3個の大当り値のいずれかと同一であることを検出したときには大当りと判定する。即ち、確率変動モードの有効状態では大当りが「3/360」の相対的な高確率で判定される。
CPU152はステップS70またはステップS71で当落を判定すると、図21のステップS72で当落の判定結果を検出する。ここで大当りを検出したときにはステップS73へ移行し、特別図柄遊技用の保留データエリア「1」からランダムカウンタR4の取得結果を検出し、ランダムカウンタR4の検出結果に基いて大当り図柄を設定する。この大当り図柄は左列・中列・右列が同一の揃い数字からなるものであり、CPU152は各列の数字を「R4+1」に設定する。例えばランダムカウンタR4の検出結果が「6」であるときには数字図柄「7」が設定され、大当り図柄が「777」に設定される。
メイン制御装置151のROM153には、図26の(a)に示すように、大当り用の変動パターンテーブルが記録されている。この変動パターンテーブルはランダムカウンタR1と変動パターンと変動表示時間との関係を示すものであり、変動パターンテーブルには変動パターンとしてスペシャルリーチ用の「SP1」〜「SP6」が設定されている。これら変動パターン「SP1」〜「SP6」は物語調のリーチアクション画面を表示するためのものであり、変動パターン「SP1」〜「SP6」の選択時にはリーチアクション画面の結末として遊技者に大当りを連想させるものが設定される。
メイン制御装置151のCPU152は図21のステップS73で大当り図柄を設定すると、ステップS74で特別図柄遊技用の保留データエリア「1」からランダムカウンタR1の取得結果を検出する。そして、図26の(a)の変動パターンテーブルからランダムカウンタR1の検出結果に応じた変動パターンを選択的に設定し、図21のステップS75で変動パターンの選択結果に応じた変動表示時間を選択的に設定する。例えばランダムカウンタR1の検出結果が「70」であるときには変動パターンとして「SP4」が選択され、変動表示時間として「T4」が選択される。
CPU152は図21のステップS75で変動表時間を設定すると、ステップS76で確率変動モードの獲得状態を判断する。この確率変動モードの獲得状態は大当り図柄の設定結果に応じて判断されるものであり、CPU152は大当り図柄の設定結果が奇数の確率変動図柄であることを検出したときには確率変動モードの獲得と判定する。そして、ステップS77で確率変動フラグをオン状態にセットすることに基いて確率変動モードを有効化し、ステップS78で時間短縮フラグをオン状態にセットすることに基いて時間短縮モードを有効化し、ステップS93へ移行する。
CPU152はステップS76で大当り図柄の設定結果が偶数の通常図柄であることを検出すると、確率変動モードの非獲得と判定する。そして、ステップS79で確率変動フラグをオフ状態にリセットすることに基いて確率変動モードを無効化し、ステップS80で時間短縮フラグをオフ状態にリセットすることに基いて時間短縮モードを無効化し、ステップS93へ移行する。即ち、確率変動モードの獲得の有無は大当りの判定を条件に「1/2」の確率で振分けられるものであり、時間短縮モードは確率変動モードの獲得に連動して有効化される。
CPU152はステップS72で外れを検出すると、ステップS81で特別図柄遊技用の保留データエリア「1」から外れリーチ判定用のランダムカウンタR2の取得結果を検出し、ROM153に予め記録された5個の外れリーチ値「0〜4」と比較する。ここでランダムカウンタR2の検出結果が5個の外れリーチ値のいずれかと同一であることを検出したときには外れリーチと判定し、ランダムカウンタR2の検出結果が5個の外れリーチ値のいずれとも相違していることを検出したときには完全外れと判定する。
CPU152はステップS81で外れリーチおよび完全外れを判定すると、ステップS82で外れリーチおよび完全外れの判定結果を検出する。ここで外れリーチを検出したときにはステップS83へ移行し、RAM154の外れリーチ図柄エリアからランダムカウンタR5の格納結果を検出する。そして、ランダムカウンタR5の1桁目〜3桁目の各数字に「1」を加算し、外れリーチ図柄を設定する。例えばランダムカウンタR5の格納結果が「676」であるときには各列の数字に「1」が加算され、外れリーチ図柄が「787」に設定される。
メイン制御装置151のROM153には、図26の(b)に示すように、外れリーチ用の変動パターンテーブルが記録されている。この変動パターンテーブルはランダムカウンタR1と変動パターンと変動表示時間との関係を示すものであり、変動パターンテーブルには変動パターンとしてノーマルリーチ用の「NP1」およびスペシャルリーチ用の「SP1‘」〜「SP5’」が設定されている。ノーマルリーチ用の変動パターン「NP1」はリーチ状態で最終の中列を低速変動させるものであり、変動パターン「NP1」の選択時には物語調のリーチアクション画面が表示されない。スペシャルリーチ用の変動パターン「SP1‘」〜「SP5’」は大当り用の変動パターン「SP1」〜「SP5」と同一展開の物語調のリーチアクション画面を表示するものであり、リーチアクション画面の結末として遊技者に外れを連想させるものが設定される点で大当り用の変動パターン「SP1」〜「SP5」と相違する。
CPU152は図21のステップS83で外れリーチ図柄を設定すると、ステップS84で特別図柄遊技用の保留データエリア「1」からランダムカウンタR1の取得結果を検出する。そして、図26の(b)の変動パターンテーブルからランダムカウンタR1の検出結果に応じた変動パターンを選択的に設定し、図21のステップS85で変動パターンの選択結果に応じた変動表示時間を選択的に設定する。例えばランダムカウンタR1の検出結果が「70」であるときには変動パターンとして「SP2‘」が選択され、変動表示時間として「T2」が選択される。
CPU152は図21のステップS85で変動表示時間を設定すると、ステップS86で変動パターンの設定結果を検出する。ここで変動パターンとしてノーマルリーチ用の「NP1」が設定されていることを検出したときにはステップS87へ移行し、時間時間モードの設定状態を検出する。例えば時間短縮モードが有効化されていることを検出したときにはステップS88で変動パターンの設定結果を「ZP」に変更し、ステップS89で変動表示時間の設定結果を「T21」に変更する。変動パターン「ZP」は左列・中列・右列を変動状態から同時に変動停止させる時間短縮モード専用のものであり、変動表示時間「T21」は他の全ての変動表示時間に比べて短く設定されている。
CPU152はステップS82で完全外れを検出すると、ステップS90へ移行する。ここでRAM154の完全外れ図柄エリアからランダムカウンタR5の格納結果を検出し、ランダムカウンタR5の1桁目〜3桁目の各数字に「1」を加算することに基いて完全外れ図柄を設定する。例えばランダムカウンタR5の格納結果が「662」であるときには各列の数字に「1」が加算され、完全外れ図柄が「773」に設定される。
CPU152はステップS90で完全外れ図柄を設定すると、ステップS91で変動パターンを完全外れ用の「P」に設定し、ステップS92で変動表示時間を「T0」に設定する。即ち、完全外れの判定時にはランダムカウンタR1の取得結果に応じた変動パターンの無作為的な設定処理が行われず、変動パターンが特定値に一義的に設定される。
CPU152はステップS92で完全外れ用の変動表示時間を設定すると、ステップS87で時間時間モードの設定状態を検出する。ここで時間短縮モードが有効化されていることを検出したときにはステップS88で変動パターンの設定結果を「ZP」に変更し、ステップS89で変動表示時間の設定結果を「T21」に変更する。即ち、時間短縮モードの有効状態で完全外れが判定されたときには時間短縮用の変動パターン「ZP」および時間短縮用の変動表示時間「T21」が必ず設定される。
CPU152はステップS93へ移行すると、タイマT1に変動表示時間の設定結果をセットする。そして、ステップS94へ移行し、演出制御装置163に特別図柄遊技用の遊技データを送信する。この遊技データとは特別図柄の設定結果および変動パターンの設定結果を称するものであり、演出制御装置163のCPU164は特別図柄遊技用の遊技データを検出したときにはRAM166に格納する。
CPU152はステップS94で演出制御装置163に遊技データを送信すると、ステップS95で変動開始コマンドを送信する。この変動開始コマンドは演出制御装置163に特別図柄遊技の開始を指令する遊技開始コマンドに相当するものであり、演出制御装置163はメイン制御装置151からの変動開始コマンドを検出することに基いて演出パターンを設定し、図柄制御装置132・音制御装置139・光制御装置145に演出パターンの設定結果および演出開始コマンドを送信することに基いて特別図柄遊技を開始する。即ち、特別図柄遊技は特別図柄遊技および大当り遊技の双方が実行されていない場合に開始されるものである。
CPU152はステップS95で変動開始コマンドを送信すると、ステップS96でカウンタN1から「1」を減算することに基いて特別図柄遊技の保留回数を減算する。そして、ステップS97で特別図柄遊技用の保留データエリアを整理し、ステップS98で特別図柄フラグに特別図柄遊技をセットする。この整理処理は保留データエリア「1」のランダムカウンタR1〜R4を消去し、保留データエリア「2」を含んだ以後にランダムカウンタR1〜R4が格納されているときにはランダムカウンタR1〜R4を使用順序が1個前の保留データエリアに移動するものであり、例えば保留データエリア「1」〜「3」にランダムカウンタR1〜R4が格納されているときには保留データエリア「1」のランダムカウンタR1〜R4が消去され、保留データエリア「2」のランダムカウンタR1〜R4および保留データエリア「3」のランダムカウンタR1〜R4が1個前の保留データエリア「1」および保留データエリア「2」に移動される。
CPU152は図20のステップS67で特別図柄フラグがオフ状態にリセットされていないことを検出すると、図22のステップS99で特別図柄フラグが特別図柄遊技にセットされているか否かを判断する。ここで特別図柄フラグが特別図柄遊技にセットされていることを検出したときには特別図柄遊技が実行中であると判断し、ステップS100でタイマT1から設定値を減算することに基いて特別図柄遊技の残り時間を更新する。
CPU152はステップS100でタイマT1を減算すると、ステップS101でタイマT1の減算結果を「0」と比較する。ここでタイマT1の減算結果が「0」であることを検出したときには特別図柄遊技が終了したと判断し、ステップS102で演出制御装置163に変動停止コマンドを送信する。この変動停止コマンドは演出制御装置163に特別図柄遊技の終了を指令する遊技終了コマンドに相当するものであり、演出制御装置163は変動停止コマンドを検出することに基いて図柄制御装置132・音制御装置139・光制御装置145に演出終了コマンドを送信し、特別図柄遊技を終える。
CPU152はステップS102で変動停止コマンドを送信すると、ステップS103で直前の大当りおよび外れの判定結果を検出する。ここで外れを検出したときにはステップS104で特別図柄フラグをオフ状態にリセットし、大当りを検出したときにはステップS105で演出制御装置163に大当り開始コマンドを送信し、ステップS106で特別図柄フラグに大当り遊技をセットする。この大当り開始コマンドは大当り遊技の演出開始を指令するものであり、演出制御装置163は大当り開始コマンドを検出することに基いて大当り遊技用の演出パターンを設定し、図柄制御装置132・音制御装置139・光制御装置145に演出パターンの設定結果および演出開始コマンドを送信することに基いて大当り遊技の演出を開始する。
CPU152はステップS99で特別図柄フラグが特別図柄遊技にセットされていないことを検出すると、直前の特別図柄遊技で大当り図柄が停止表示されたと判断してステップS107へ移行する。ここでガイドモータ64およびレールモータ77を駆動制御することに基いてガイドレール66およびスライドレール74を閉鎖状態および伸長状態に操作し、長尺な発射通路80を生成する。そして、ステップS108へ移行し、通路フラグを伸長にセットすることに基いて現在の通路伸縮状態を記録する。
CPU152はステップS108で通路フラグを伸長にセットすると、ステップS109で通路伸縮フラグをオフ状態にリセットする。この通路伸縮フラグは通路伸縮処理の実行の有無を判断する判断データとして機能するものであり、通路伸縮フラグのオフ状態では通路伸縮処理が実行されずに長尺な発射通路80が有効化される。
CPU152はステップS109で通路伸縮フラグをリセットすると、ステップS110で大当りラウンドを実行する。この大当りラウンドは、上述したように、大入賞口を開放することに基いて大入賞口内にパチンコ球が入賞することを許容する行為であり、大入賞口に対するパチンコ球の入賞個数が上限値に到達する個数条件および大入賞口の開放時間が上限値に到達する時間条件のいずれかが満足されることに基いて終了する。即ち、各回の大当りラウンドは確率変動モードおよび時間短縮モードの設定状態とは無関係にガイドレール66およびスライドレール74が閉鎖状態および伸長状態に保持された長尺な発射通路80の有効状態で実行され、パチンコ球Pが長尺な発射通路80の出口81から遊技領域85内に放出される。
大当りラウンドは予め設定された複数値を上限に繰返されるものであり、CPU152はステップS111で最終回の大当りラウンドが終了したことを検出したときには大当り遊技が終了したと判断し、ステップS112で演出制御装置163に大当り終了コマンドを送信し、ステップS113で特別遊技フラグをオフ状態にリセットする。この大当り終了コマンドは大当り遊技の演出停止を指令するものであり、演出制御装置163は大当り終了コマンドを検出することに基いて図柄制御装置132・音制御装置139・光制御装置145に演出終了コマンドを送信し、大当り遊技の演出を終える。
CPU152はステップS113で特別図柄フラグをリセットすると、ステップS114で確率変動モードの設定状態を判断する。例えば大当り遊技開始直前の特別図柄遊技で大当りが確率変動図柄で発生したときには確率変動モードおよび時間短縮モードが有効化され、確率変動フラグおよび時間短縮フラグがオン状態に設定されている。この場合にはCPU152はステップS114で確率変動モードの有効化を判断し、ステップS115で通路伸縮フラグをオン状態にセットし、ステップS116でタイマT4に長尺な発射通路80の生成時間(具体的には「1sec」)をセットする。
3−4.通路伸縮処理
CPU152は図23のステップS121へ移行すると、通路伸縮フラグの設定状態を判断する。ここで通路伸縮フラグがオン状態に設定されていることを検出したときにはステップS122へ移行し、通路フラグの設定状態を判断する。この通路フラグは長尺な発射通路80および短尺な発射通路83のいずれが生成されているかを示すものであり、CPU152はステップS122で通路フラグが伸長に設定されていることを検出したときには長尺な発射通路83が生成されていると判断してステップS123へ移行する。
CPU152はステップS123へ移行すると、タイマT4から設定値を減算することに基いて長尺な発射通路83の残り生成時間を更新する。そして、ステップS124へ移行し、タイマT4の減算結果を「0」と比較する。ここで「T4=0」を検出したときにはステップS125へ移行し、ガイドモータ64およびレールモータ77を駆動制御することに基いてガイドレール66およびスライドレール74を開放状態および短縮状態に操作し、短尺な発射通路83を生成する。
CPU152はステップS125で短尺な発射通路83を生成すると、ステップS126でタイマT5に短尺な発射通路83の生成時間(具体的には「3sec」)をセットする。そして、ステップS127で通路フラグに短縮をセットし、短尺な発射通路83の生成を記録する。
CPU152はステップS122で通路フラグが短縮にセットされていることを検出すると、短尺な発射通路83が生成されていると判断する。そして、ステップS128へ移行し、タイマT5から設定値を減算することに基いて短尺な発射通路83の残り生成時間を更新し、ステップS129へ移行する。
CPU152はステップS129へ移行すると、タイマT5の減算結果を「0」と比較する。ここで「T5=0」を検出したときにはステップS130へ移行し、ガイドモータ64およびレールモータ77を駆動制御することに基いてガイドレール66およびスライドレール74を閉鎖状態および伸長状態に操作し、長尺な発射通路80を生成する。そして、ステップS131でタイマT4に長尺な発射通路80の生成時間をセットし、ステップS132で通路フラグに伸長をセットすることに基いて長尺な発射通路80の生成を記録する。
即ち、確率変動モードの有効状態および時間短縮モードの有効状態では長尺な発射通路80および短尺な発射通路83が設定時間毎に交互に生成される。これら長尺な発射通路80の生成時間T4および短尺な発射通路83の生成時間T5は「短値」および「長値」に設定されたものであり、遊技者は短尺な発射通路83の有効タイミングを狙ってパチンコ球Pを発射することに基いて特別図柄始動口99および普通図柄始動ゲート104を集中的に狙い、次の大当りを効率的に獲得することができる。
次回の大当りが再び確率変動図柄で発生したときには大当り遊技の開始前にガイドレール66およびスライドレール74が閉鎖状態および伸長状態に固定される。そして、大当り遊技が長尺な発射通路80の有効状態で行われ、大当り遊技の終了に連動して短尺な発射通路83の断続的な生成が開始される。また、次回の大当りが通常図柄で発生したときには大当り遊技の開始前にガイドレール66およびスライドレール74が閉鎖状態および伸長状態に固定され、大当り遊技が長尺な発射通路80の有効状態で行われた後にも長尺な発射通路80が継続的に有効化される。
4.演出制御装置163の内部処理について
4−1.メイン処理
演出制御装置163のCPU164は主電源が投入されると、メインプログラムで普通図柄遊技用の遊技データおよび特別図柄遊技用の遊技データの受信結果をクリアし、残余処理をループ状に繰返す。
CPU164はINT信号を検出すると、メインプログラムを停止する。このINT信号は演出制御装置163のタイマ回路から4msec毎に出力されるものであり、CPU164はメインプログラムを停止したときにはタイマ割込みプログラムを起動する。このタイマ割込みプログラムは、図28に示すように、普通図柄演出処理および特別図柄演出処理を当該順序で行うものであり、CPU164はタイマ割込みプログラムを終了したときにはメインプログラムを停止位置から再開する。以下、タイマ割込みプログラムについて詳述する。
4−2.普通図柄演出処理
CPU164は図29のステップS221へ移行すると、普通図柄遊技用の遊技データの有無を判断する。この遊技データはメイン制御装置151が普通図柄遊技の開始時に当りおよび外れの判定結果に基いて設定する普通図柄を称するものであり、CPU164はステップS221で普通図柄用の遊技データを検出したときにはステップS222へ移行し、普通図柄遊技用の遊技データをRAM166に格納する。
CPU164はステップS223へ移行すると、可変開始コマンドの有無を判断する。この可変開始コマンドはメイン制御装置151が普通図柄遊技の開始時に送信するものであり、CPU164はステップS223で可変開始コマンドを検出したときにはステップS224で図柄制御装置132に普通図柄遊技用の演出開始コマンドを送信する。この演出開始コマンドは図柄制御装置132に普通図柄遊技の開始を指令するものであり、図柄制御装置132のCPU133は普通図柄遊技用の演出開始コマンドを検出したときには図柄表示器98の普通図柄領域FE内に普通図柄「7」および「−」を交互に表示し、普通図柄遊技を開始する。
CPU164はステップS225へ移行すると、可変停止コマンドの有無を判断する。この可変停止コマンドはメイン制御装置151が普通図柄遊技の終了時に送信するものであり、時間短縮モードの無効状態では可変開始コマンドの送信から長時間が経過した時点で送信され、時間短縮モードの有効状態では可変開始コマンドの送信から短時間が経過した時点で送信される。
CPU164はステップS225で可変停止コマンドを検出すると、ステップS226で図柄制御装置132に普通図柄用の遊技データとしてメイン制御装置151からの普通図柄の設定結果を送信する。そして、ステップS227へ移行し、図柄制御装置132に普通図柄遊技用の演出終了コマンドを送信する。この演出終了コマンドは図柄制御装置132に普通図柄遊技の終了を指令するものであり、図柄制御装置132のCPU133は普通図柄遊技用の演出終了コマンドを検出したときには普通図柄の可変表示を設定結果で停止させ、遊技者に当りおよび外れの判定結果を報知する。
4−3.特別図柄演出処理
CPU164は図30のステップS231へ移行すると、特別図柄遊技用の遊技データの有無を判断する。この遊技データはメイン制御装置151が特別図柄遊技の開始時にランダムカウンタR1〜R5の検出結果に基いて設定した特別図柄の設定結果および変動パターンの設定結果を称するものであり、CPU164はステップS231で特別図柄用の遊技データを検出したときにはステップS232でRAM166に格納する。
CPU164はステップS233へ移行すると、変動開始コマンドの有無を判断する。この変動開始コマンドはメイン制御装置151が特別図柄遊技の開始時に送信するものであり、CPU164はステップS233で変動開始コマンドを検出したときにはステップS234でRAM166から特別図柄の設定結果および変動パターンの設定結果を検出し、特別図柄の検出結果および変動パターンの検出結果に応じた演出パターンを設定する。この演出パターンは演出器の駆動内容を時系列で指示するシーケンスデータからなるものであり、図柄演出データと音演出データと光演出データとから構成されている。これら図柄演出データ〜光演出データは変動パターンの検出結果に応じた変動表示時間で終了するように設定されるものであり、メイン制御装置151から変動停止コマンドが送信されたときには全てが終了している。
図柄演出データは図柄表示器98の駆動内容を図柄制御装置132に指示するものである。この図柄演出データには左列の特別図柄・中列の特別図柄・右列の特別図柄を特別図柄の設定結果で変動停止させるコマンドが含まれており、図柄制御装置132のCPU133は図柄表示器98の表示内容を図柄演出データに基いて制御することで特別図柄遊技の映像部分を組成する。音演出データおよび光演出データはスピーカ7の駆動内容およびLED54の駆動内容を音制御装置139および光制御装置145に指示するものであり、音制御装置139のCPU140および光制御装置145のCPU146はスピーカ7およびLED54を音演出データおよび光演出データに基いて駆動制御することで特別図柄遊技の音部分および光部分を組成する。
CPU164はステップS234で演出パターンを設定すると、ステップS235で図柄制御装置132に図柄演出データの設定結果を送信し、音制御装置139および光制御装置145に音演出データの設定結果および光演出データの設定結果を送信する。そして、ステップS236へ移行し、図柄制御装置132と音制御装置139と光制御装置145に特別図柄遊技用の演出開始コマンドを送信する。この演出開始コマンドは演出パターンの開始を指令するものであり、図柄制御装置132は図柄演出データを検出することに基いてRAM136に格納し、演出開始コマンドを検出することに基いて図柄表示器98の図柄演出データに応じた制御を開始する。また、音制御装置139および光制御装置145は音演出データおよび光演出データを検出することに基いてRAM142およびRAM148に格納し、演出開始コマンドを検出することに基いてスピーカ7およびLED54の音演出データおよび光演出データに応じた制御を開始する。以下、図柄制御装置132の制御内容をスペシャルリーチ用の変動パターン「SP1」および「SP1‘」を代表して説明する。
4−3−1.図柄制御装置132の制御内容
図柄制御装置132のCPU133は演出制御装置163からの特別図柄遊技用の演出開始コマンドを検出すると、図15に示すように、左列の特別図柄・中列の特別図柄・右列の特別図柄を同時に変動開始し、左列の特別図柄および右列の特別図柄を当該順序で変動停止させる。これら左列の変動停止および右列の変動停止はメイン制御装置151からの左列の設定結果および右列の設定結果で行われるものであり、左列および右列の変動停止状態では左列および右列に同一の数字が並ぶリーチが発生する。
CPU133はリーチを発生させると、左列・中列・右列を消去して悪玉および善玉の2体のロボットを出現させ、2体のロボットが銃撃戦を行うアニメーション画面を表示する。このアニメーション画面は悪玉のロボットが銃撃戦に敗れてよろけ、善玉のロボットが悪玉のロボットを持上げて放り投げる展開で進行し、悪玉のロボットが投げられたままの結末または起上がる結末で終了する。この結末はメイン制御装置151からの変動パターンに応じて選択されるものであり、変動パターンが大当り用の「SP1」であるときには悪玉のロボットが投げられたままの結末が設定され、外れリーチ用の「SP1‘」であるときには悪玉のロボットが起上がる結末が設定される。
CPU133は悪玉のロボットが投げられたままの結末または起上がる結末を表示すると、2体のロボットを消去して左列の特別図柄・中列の特別図柄・右列の特別図柄を静止状態で同時に表示する。これら3列の静止表示はメイン制御装置151からの左列・中列・右列の設定結果で行われるものであり、3列の静止表示時には3列が大当りの組合せまたは外れリーチの組合せになることに基いて遊技者に大当りまたは外れが報知される。
スペシャルリーチ用の変動パターン「SP1」〜「SP6」および「SP1‘」〜「SP5’」は善悪2体のロボットを出現させ、アニメーション画面を2体のロボットの挙動によって物語調に進行させるものであり、大当りおよび外れの判定結果を物語の結末によって遊技者に連想させる点で共通する。ノーマルリーチ用の変動パターン「NP1」はリーチの発生に基いて中列の変動速度を遅速度に切換え、中列を遅速度から変動停止させるものであり、物語調のアニメーション画面が表示されない。完全外れ用の変動パターン「P」は左列・右列・中列を当該順序で変動停止させるものであり、物語調のアニメーション画面が表示されないのは勿論のこと、中列の遅速変動も行われない。時間短縮用の変動パターン「ZP」は左列・右列・中列を同時に変動停止させるものであり、スペシャルリーチ用の変動パターン「SP1」〜「SP6」および「SP1‘」〜「SP5’」・ノーマルリーチ用の変動パターン「NP1」・完全外れ用の変動パターン「P」の全てに比べて短い時間で終了する。
演出制御装置163のCPU164は図30のステップS237へ移行すると、変動停止コマンドの有無を判断する。この変動停止コマンドはメイン制御装置151が変動パターンの設定結果に応じた変動表示時間の経過時点で送信するものであり、メイン制御装置151が変動停止コマンドを送信した時点では図柄制御装置132と音制御装置139と光制御装置145が演出パターンに基く演出器の駆動制御を終えた終了状態にある。
CPU164はステップS237で変動停止コマンドを検出すると、ステップS238で図柄制御装置132と音制御装置139と光制御装置145に特別図柄遊技用の演出終了コマンドを送信する。すると、図柄制御装置132のCPU133・音制御装置139のCPU140・光制御装置145のCPU146は今回の特別図柄遊技の終了を認識し、新たな演出パターンの送信を待つ待機状態に移行する。
演出制御装置163のCPU164はステップS239へ移行すると、大当り開始コマンドの有無を判断する。この大当り開始コマンドはメイン制御装置151が大当り遊技の開始時に送信するものであり、CPU164はステップS239で大当り開始コマンドを検出したときにはステップS240へ移行し、大当り遊技用の演出パターンを設定する。この演出パターンは演出器の駆動内容を時系列で指示するシーケンスデータからなるものであり、図柄表示器98の表示内容を図柄制御装置132に指示する図柄演出データとスピーカ7の鳴動内容を音制御装置139に指示する音演出データとLED54の発光内容を光制御装置145に指示する光演出データとから構成されている。
CPU164はステップS240で演出パターンを設定すると、ステップS241で図柄制御装置132・音制御装置139・光制御装置145に図柄演出データ・音演出データ・光演出データの設定結果を送信し、ステップS242で大当り遊技用の演出開始コマンドを送信する。すると、図柄制御装置132のCPU133・音制御装置139のCPU140・光制御装置145のCPU146は演出制御装置163からの図柄演出データ・音演出データ・光演出データをRAM136・RAM142・RAM148に格納し、図柄表示器98・スピーカ7・LED54を図柄演出データ・音演出データ・光演出データに基いて駆動制御することで大当り遊技を映像・音・光で演出する。
演出制御装置163のCPU164はステップS243へ移行すると、大当り終了コマンドの有無を判断する。この大当り終了コマンドはメイン制御装置151が大当り遊技の終了時に送信するものであり、CPU164はステップS243で大当り終了コマンドを検出したときにはステップS244で図柄制御装置132と音制御装置139と光制御装置145に大当り遊技用の演出終了コマンドを送信する。すると、図柄制御装置132のCPU133は図柄演出データに基く図柄表示器98の制御を終え、音制御装置139のCPU140および光制御装置145のCPU146は音演出データに基くスピーカ7の制御および光演出データに基づくLED54の制御を終える。
上記実施例1によれば次の効果を奏する。
長尺な発射通路80および短尺な発射通路83を選択的に有効化することに基いてパチンコ球Pの放出位置を変化させ、パチンコ球Pの放出位置の変化に応じて放出方向を切換えたので、発射ハンドル22を握っているだけの通常操作で遊技領域85内の異なる位置に異なる角度でパチンコ球Pを放出することができる。このため、発射ハンドル22の操作量を加減する余分な労力を費やすことなくパチンコ球Pの挙動が大きく変わるので、遊技の趣向性が向上する。
ガイドモータ64を駆動制御することに基いてガイドレール66を長尺な発射通路80および短尺な発射通路83の有効化に連動して回動操作し、長尺な発射通路80および短尺な発射通路83の有効化に電気的に連動してパチンコ球Pの放出方向を制御した。このため、パチンコ球Pの放出方向を長尺な発射通路80および短尺な発射通路83の有効化に機械的に連動して切換える連動機構が不要になるので、機械的な構成が簡単になる。
短尺な発射通路83を確率変動モードおよび時間短縮モードの有効状態で有効化した。このため、確率変動モードおよび時間短縮モードの有効状態でパチンコ球Pが相対的な高確率で特別図柄始動口99内および普通図柄始動ゲート104内に入賞する遊技者有利の状態を発生させることができるので、遊技の趣向性が向上する。