JP2011052468A - 床構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表面に水流れ勾配を備えた傾斜床部1を設け、傾斜床部1の傾斜上手に、傾斜床部1の表面に水wを供給して水膜sを形成自在な給水部3を設け、傾斜床部1の傾斜下手に、傾斜床部1からの水wを排水自在な排水部4を設け、傾斜床部1に、水wの流下に障害となる障害部6を突出状態に設け、障害部6の周りの傾斜床部1部分において、少なくとも、傾斜下手側部分に、障害部6に隣接する溝7が形成してある。
【選択図】図2
Description
また、別の床構造としては、給水部からの水の供給量と、排水部への水の排水量を調整することで、傾斜床部の上に、例えば、水深が数cm程度の水層が形成されるように構成されたものがあった。以後、第2従来技術という。尚、この第2従来技術に関しては、当業者の間で広く知られているものであるが、該当する「床構造」に関して詳しく言及した特許文献などは見あたらないので、先行技術文献は示していない。
一方、第2従来技術の床構造によれば、床表面の意匠性という観点からは、水が流れる自然な水面の状況が再現されるから、好ましいものである。しかし、水深が、例えば、数cm程度もあるため、水に濡れる問題から、前記傾斜床部上を歩行することが困難である。
これらの両者の問題点を解消するには、第2従来技術において、給水部からの給水量を低下させ、傾斜床部の上面に、例えば、厚みが数mm程度(例えば、10mm以下で、好ましくは、3〜4mm程度)の水膜が形成されるようにすることが考えられる。そうすることによって、床表面の景観は、水が流れる自然な水面の状況が再現されると共に、水層の厚みが薄いから、歩行しても足全体が水に浸かることがなく、傾斜床部上の歩行が可能となる。
しかし、給水部からの給水量が低下すれば、傾斜床部の水膜が、全面にわたって形成されない場合が発生する。この現象は、傾斜床部の一部に、例えば、植え込み等の突出状態に形成された箇所(水の流下の障害となる障害部)がある場合に、その箇所の傾斜下手側の傾斜床部部分に顕著に表れる。即ち、傾斜床部上を、給水部側から排水部側に向けて水が流れながら水膜を形成する際に、前記障害部が流れの障害となるから、その影の部分に水が行き渡らない現象が生じる。
その結果、傾斜床部上に、水膜の部分と、傾斜床部の表面が乾いたまま露出している部分とが混在することになり、美観性の低下につながる。
また、障害部の周りの傾斜床部部分において、少なくとも、傾斜下手側部分に、障害部に隣接する溝が形成してあることで、給水部から供給された水が傾斜床部表面に沿って傾斜下手側に流下しながら水膜を形成するにあたり、障害部に到達した水は、前記溝に浸入し、やがて溝から溢れ出しながら、障害部の傾斜下手側の傾斜床部分に流出して、その部分の傾斜下手側にも水膜を形成することができる。従って、傾斜床部上に障害部があっても、床表面が全面にわたって美しい水面である景観が得られる。
また、当然の事ながら、傾斜面部上に形成される水膜は、その厚みが薄いため、傾斜床部上を歩行することもでき、あたかも、池や湖の水面を歩行しているかのような疑似体験をすることができる。
従って、前記溝内に効率よく水を集めやすく、傾斜床部上に障害部があっても、床表面が全面にわたって美しい水面である景観を、速やかに得ることができる。
図1、図2は、本発明の床構造の一実施形態を採用した中庭を示すものである。
中庭は、石張りによってほぼフラットな床Fとして形成されており、自由に通行可能に構成されている。
因みに、前記傾斜床部1の外側に隣接する床F部分は、段差が歩行の妨げになるのを緩和できるように、図2に示すように、面取部2を設けて足が引っ掛かり難いように構成してある。
本実施形態においては、水流れ勾配は、1/100程度に設定されている。
前記傾斜床部1の傾斜上手の辺部には、前記傾斜床部1の表面に水wを供給して水膜sを形成自在な給水部3を、辺部全長にわたって設けてある。
前記傾斜床部1の傾斜下手の辺部には、前記傾斜床部1からの水wを排水自在な排水部4を、辺部全長にわたって設けてある。
前記給水部3、排水部4の一例としては、それぞれに床表面に開口するスリット5を形成しておき、給水部3においては、スリット5を通して下方から傾斜床部1に水wを供給する一方、排水部4においては、傾斜床部1を流下してきた水wを、スリット5を通して床下の排水溝に流すように構成したものが挙げられる。
また、傾斜床部1には、図1、図2に示すように、複数の植え込み部(障害部に相当)6を点在させて設けてある。
従って、当該植え込み部6は、傾斜床部1の表面を水wが流下する上では障害となる。
前記溝7の底面は、図4に示すように、前記傾斜床部1と同じ勾配の平面となるように構成されている。従って、溝7のなかに浸入した水wは、底面の勾配に沿って傾斜下手側に誘導され、溝の容量を超えると、傾斜下手側に流出して傾斜床部1の上に水膜sを形成する(図3参照)。
本来は、水wが流下する上での障害となる植え込み部6も、その周りに前記溝7を形成してあることで、傾斜上手側から浸入する水wを、最も行き渡り難い植え込み部6の下手側に集めて傾斜床部1上に導くことができ、傾斜床部1の全面に水膜sを拡げることができる。
また、傾斜床部1の表面の景観としては、あたかも池であるかのような水面を感じることができながら、点在する植栽をも観賞できる。にもかかわらず、水膜sの厚みが数mm程度になるように、給水部3からの給水量が調整されているから、傾斜床部1上を歩行しても、履き物が水没することがない。
また、水wの供給料は、極めて少なくできながら、水wの蒸散作用による環境温度の低下を図ることができ、エネルギー効率よく、地球温暖化防止の一役を担うことができる。
以下に他の実施の形態を説明する。
また、勾配に関しても、先の説明の傾斜に限るものではなく、例えば、勾配の値が先の実施形態のものと異なるものであったり、勾配の異なる複数の平面によって構成してあったり、勾配が場所によって変化する曲面であってもよい。要するに、傾斜上手側から下手側に水wが流れるような傾斜を備えていればよい。それらを総称して傾斜床部1という。
〈2〉 前記障害部6は、先の実施形態で説明した植え込み部に限るものではなく、例えば、飛石状に設けられた突出部であったり、ベンチや遊具の設置部であったり、他の構成であってもよい。要するに、前記傾斜床部1の表面上に突出状態に設けられて、傾斜床部1の表面上を流下する水wの流れの障害となるものを指す。
従って、障害部6の平面形状は、先の実施形態で説明した円形に限るものではなく、多角形や(図6、図7参照)、楕円形や、円形と楕円形と多角形の内の何れかを組み合わせた形状等、さまざまな形態を採用することができる。
〈3〉 前記給水部3、及び、排水部4は、先の実施形態で説明した構成に限るものではなく、広く実施されている他の構成を採用することも可能である。
〈4〉 前記溝7は、先の実施形態で説明したように、障害部6の全周にわたって形成してあることに限るものではなく、例えば、図5に示すように、前記障害部6の周りの傾斜床部1における傾斜下手側部分にのみ設けてあってもよい。要するに、溝7は、障害部6によって傾斜床部上の水wの流れが阻害される傾斜下手側部分(障害部の影の部分)に、傾斜床部1の表面を流れてくる水wを受け入れて誘導するものであればよい。
また、溝の底部分は、先の実施形態で説明したように、前記傾斜床部1と同じ勾配の平面となるように構成されていることに限らず、例えば、水平面として形成してあってもよい。ただ、溝内に浸入した水wを速やかに誘導するためには、溝内の水wを前記傾斜床部1の傾斜下手側に誘導する勾配を前記溝7の底部分に形成してあることが好ましい。この場合、溝の底部分の傾斜は、傾斜床部1の最大傾斜方向に必ずしも沿うものではなく、図6、図7に示すように、平面視において、傾斜床部1の最大傾斜方向に交差する方向に傾斜させてあってもよい。要するに、溝の中の水wを傾斜床部1の傾斜下手側に迅速に流すように形成してあればよい。
前記溝7の開口縁部(両開口縁部の内、特に、障害部6から遠い方の開口縁部)に、図8(a)に示すように、溝面取部7aを形成してあってもよく、この溝面取部7aを設けてあることで、障害部6より傾斜上手側においては、傾斜床部1の表面から溝7内へ水wを招き入れ易い。障害部6より傾斜下手側においては、溝7内の水wを、傾斜床部1の傾斜下手側部分(障害部の影の部分)に流下させ易くなり、傾斜床部1の全面にわたって水膜sを迅速に形成し易くなる。
前記障害部6の平面形状が円形の場合、図8(b)に示すように、障害部6より傾斜下手側の溝部分の内、障害部6の影の範囲で、傾斜床部1の最大傾斜線の左右にそれぞれ60度ずつの合計120度の範囲に、前記溝面取部7aを設けるのが、水の誘導効果上、特に効果的である。
3 給水部
4 排水部
6 植え込み部(障害部に相当)
7 溝
s 水膜
w 水
Claims (3)
- 表面に水流れ勾配を備えた傾斜床部を設け、
前記傾斜床部の傾斜上手に、前記傾斜床部の表面に水を供給して水膜を形成自在な給水部を設け、
前記傾斜床部の傾斜下手に、前記傾斜床部からの水を排水自在な排水部を設け、
前記傾斜床部に、前記水の流下に障害となる障害部を突出状態に設け、
前記障害部の周りの前記傾斜床部部分において、少なくとも、傾斜下手側部分に、前記障害部に隣接する溝が形成してある床構造。 - 前記溝は、前記障害部の全周にわたって形成してある請求項1に記載の床構造。
- 前記溝の底部分には、溝内の水を前記傾斜床部の傾斜下手側に誘導する勾配を形成してある請求項1又は2に記載の床構造。
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Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002180562A (ja) * | 2000-12-13 | 2002-06-26 | Sumitomo Constr Co Ltd | 建物の冷却構造 |
JP2006026568A (ja) * | 2004-07-20 | 2006-02-02 | Fuji Heavy Ind Ltd | 塗装ブース |
JP2009108552A (ja) * | 2007-10-29 | 2009-05-21 | Shimizu Corp | 屋上屋根 |
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- 2009-09-02 JP JP2009202829A patent/JP5261328B2/ja active Active
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