JP2011051424A - 膝保護用エアバッグ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エアバッグをコンパクトに構成しても、エアバッグが、クッション性を確保して、的確に、運動エネルギーの大きな膝を受け止めることができる膝保護用エアバッグ装置を提供すること。
【解決手段】膝保護用エアバッグ装置Sでは、着座した乗員Mの膝Kの前方側に配置された収納部位44に、折り畳まれて収納され、インフレーター31から供給される膨張用ガスGの流入時に、扉部55を押し開いて突出するとともに、展開膨張して、保護可能に膝Kを受け止めるエアバッグ60、を備える。エアバッグ60は、略膨張完了形状まで膨張可能として、流入する膨張用ガスGを排気させるベントホール68を備える。ベントホール68の周囲には、エアバッグの少なくとも膝Kの受止時にエアバッグの内圧低下を抑制するように、ベントホール68を閉塞する閉塞手段CMの蓋体76が、配設されている。
【選択図】図8

Description

本発明は、着座した乗員の前方側に搭載されて、車両の前面衝突時に前方移動する乗員の膝を、膨張させたエアバッグで受け止めて保護する膝保護用エアバッグ装置に関する。
従来、膝保護用のエアバッグ装置では、エアバッグが、着座した乗員の膝の前方側に配置された収納部位に、折り畳まれて収納され、インフレーターから供給される膨張用ガスを流入させた際、収納部位を覆っていた扉部を押し開いて、収納部位から後方側へ突出するとともに、展開膨張して、前進移動する膝を受け止め可能に、膨張を完了させていた(例えば、特許文献1参照)。
そして、エアバッグは、膝を受け止める中央の中央チャンバの上下両側に、中央チャンバの内圧上昇時に、膨張用ガスを逃がすためのオーバーフロー用のチャンバを設け、さらに、その下部側のチャンバに流入した膨張用ガスを逃がすように、下側チャンバには、ベントホールが配設されていた。
この膝保護用エアバッグ装置では、エアバッグの膨張時、中央チャンバを迅速に膨張完了させ、中央チャンバで膝を受け止めた際の中央チャンバの内圧上昇を抑制するように、上下両側のチャンバに膨張用ガスを逃がし、さらに、下側チャンバのベントホールから膨張用ガスを逃がすように、構成されていた。
特開平11−321539号公報
しかし、従来の膝保護用エアバッグ装置では、エアバッグが、膝を受け止める中央チャンバの他に、中央チャンバの上下両側にオーバーフロー用の二つのチャンバを設ける構成としており、エアバッグの周壁を構成するエアバッグ用基布が多く必要となって、折り畳んで収納するエアバッグが嵩張り、エアバッグ装置のコンパクト化に課題が生じてしまう。
また、従来の膝保護用エアバッグ装置のエアバッグでは、膝を受け止めた中央チャンバが、上下両側のチャンバに膨張用ガスを逃がし、さらに、ベントホールから膨張用ガスを逃がしてしまうことから、運動エネルギーを大きくした状態の膝を受け止めた際、膨張用ガスの流出が大きくなって、エアバッグの底付き(膝がエアバッグの前面側の車両側のパネルに対し、膨らんだ部位を無くして薄くなった状態のエアバッグを介在させて、当たること)を招いて、クッション性良く、的確に膝を受け止めことができなくなってしまう課題もあった。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、エアバッグをコンパクトに構成しても、エアバッグが運動エネルギーの大きな膝を受け止める際、クッション性を確保して、的確に膝を受け止めることができる膝保護用エアバッグ装置を提供することを目的とする。
本発明に係る膝保護用エアバッグ装置では、着座した乗員の膝の前方側に配置された収納部位に、折り畳まれて収納され、インフレーターから供給される膨張用ガスの流入時に、収納部位を覆っていた扉部を押し開いて収納部位から後方側へ突出するとともに、展開膨張して、保護可能に膝を受け止めるエアバッグ、を備えて構成される膝保護用エアバッグ装置であって、
エアバッグが、略膨張完了形状まで膨張可能として、流入する膨張用ガスを排気させるベントホールを備え、
エアバッグの少なくとも膝の受止時にエアバッグの内圧低下を抑制するように、ベントホールを閉塞する閉塞手段が、配設されて構成されていることを特徴とする。
本発明に係る膝保護用エアバッグ装置では、作動時、インフレーターの膨張用ガスがエアバッグに供給されれば、収納部位に折り畳まれて収納されていたエアバッグは、覆っていた扉部を押し開いて、突出しつつ展開膨張し、さらに、開口したベントホールから膨張用ガスを排気しつつ、膨張を完了させる。そして、エアバッグは、膝を受け止める際、閉塞手段が作動されて、ベントホールが閉塞されることから、内圧の低下を抑制して、膝を受け止めることができる。その際、エアバッグは、膨張用ガスを逃がしていないことから、受け止める膝が前方移動する速度を速くしたり、あるいは、膝に連なる乗員の荷重を重くする等して、膝の運動エネルギーが大きくとも、底付きを防止し、クッション性を確保して、的確に膝を受け止めることができる。
また、このエアバッグは、膝を受け止める部位(チャンバ)を備えていれば構成できて、オーバーフロー用のチャンバを不要にできることから、使用するエアバッグ用基布の量を抑えることでき、コンパクトに構成できる。
したがって、本発明に係る膝保護用エアバッグ装置では、エアバッグをコンパクトに構成しても、エアバッグが運動エネルギーの大きな膝を受け止める際、クッション性を確保して、的確に膝を受け止めることができる。
さらに、本発明に係る膝保護用エアバッグ装置では、エアバッグをコンパクトにできることから、そのエアバッグの収納部位や膨張用ガスを供給するインフレーターも小さく構成できて、膝保護用エアバッグ装置の全体を、コンパクトに構成でき、その結果、搭載スペースに制限のある車両へも、容易に搭載することができる。
そして、本発明に係る膝保護用エアバッグ装置では、閉塞手段は、
ベントホールを、膨張完了時のエアバッグの周壁の前面壁であって、開いた扉部より外れた縁側に、配置させるとともに、
エアバッグの膝の受止時におけるエアバッグの前面壁の前方移動時に、ベントホールの前方側に配置された収納部位の周囲の車両側のパネルを、ベントホールを塞ぐ蓋体とするように、配置させて、
構成することが望ましい。
このような構成では、膨張を完了させたエアバッグが、前方移動する膝を受け止めれば、前面壁が前方移動して、前面壁に配置されていたベントホールが、車両側のパネルに押し付けられて、そのパネルを蓋体として、閉塞されることから、ベントホールからの膨張用ガスの排気が停止されて、エアバッグの内圧低下を抑制して、クッション性良く、エアバッグが膝を受け止めることができる。そして、このような構成では、単に、収納部位の周囲の車両側パネルとベントホールとの配置位置を考慮するだけで良く、簡便に構成することができる。
この場合、扉部が、上下方向に沿って開く構成として、ベントホールは、エアバッグの膨張完了時における開いた扉部の左右方向の外方に外れた位置で、かつ、前方移動する膝の前方側への投影エリアに、配置することが望ましい。
このような構成では、扉部が、左右方向に開くのではなく、上下方向に沿って開く構成としており、開き時の後方への移動量を抑えて、円滑に開くこととなる。ちなみに、乗員の膝の前方側に配置されるエアバッグの収納部位は、左右方向のスペースに比べて、上下方向のスペースを制限される部位に配置されることから、上下方向より左右方向の開口幅寸法を大きくして構成され、その収納部位を覆う扉部も、上下方向より左右方向の長さ寸法が長くなるため、その扉部が、左右方向に開くのではなく、上下方向に沿って開く構成であれば、開き時の後方への移動量を抑えて開くこととなる。
そして、上記のような構成では、上下方向に沿って開いた扉部の左右方向に外れた車両側のパネルに対して、ベントホールが当たって塞がれるため、パネルの平滑な面状の部位を、ベントホールの蓋体の部位として設定できて、安定してベントホールを閉塞することができる。さらに、エアバッグにおけるベントホールの配置位置が、前方移動する膝の前方側への投影エリア内に配置されており、エアバッグが膝を受け止めた際に、ベントホールを、直線的に前方移動させて、パネルの蓋体部位に当てることができて、迅速かつ的確に閉塞することができる。
また、本発明に係る膝保護用エアバッグ装置では、閉塞手段は、
エアバッグの内周面側におけるベントホールの近傍に、可撓性を有した補助布を、配設するとともに、
補助布を、エアバッグの膝の受止時に、ベントホールの開口位置から閉塞位置まで、膨張用ガスに押されて移動させて、ベントホールを塞ぐ蓋体とするように、配設させてもよい。
このような構成では、補助布を、膨張用ガスを利用した蓋体として使用できて、構成部品点数を抑えてエアバッグを構成することができ、さらに、エアバッグ内に配設させる補助布が可撓性を有しているため、エアバッグを円滑に折り畳むことができる。
また、上記のような構成では、収納部位の周囲の車両側のパネル等の形状に依存せず、エアバッグ自体で、ベントホールを閉塞できることから、エアバッグ装置の搭載自由度を向上させることができる。
そして、本発明に係る膝保護用エアバッグ装置は、着座した乗員の前方側に配設されたグラブボックスにおけるボックス本体の後部側の開口を開閉可能に塞ぐグラブドア、に搭載することが望ましい。すなわち、グラブドアに搭載される膝保護用エアバッグ装置では、グラブドア自体が助手席の乗員の膝に接近して配置されており、使用されるエアバッグは、その容積を10リットル程度とコンパクトに構成されることが要望される。しかし、本発明に係る膝保護用エアバッグ装置では、コンパクトに膨張するエアバッグでも、内圧低下を抑えて、クッション性良く、乗員の膝を受け止めることができることから、好適にグラブドアに搭載することができる。
本発明に係る一実施形態の膝保護用エアバッグ装置を内蔵したグラブドアの車両搭載状態を示す斜視図である。 実施形態の膝保護用エアバッグ装置の車両の前後方向に沿った概略縦断面図である。 実施形態の膝保護用エアバッグ装置の概略横断面図である。 実施形態の膝保護用エアバッグ装置に使用するエアバッグの膨張状態の正面図である。 実施形態のエアバッグの膨張状態の縦断面図であり、図4のV−V部位に対応する。 実施形態の膝保護用エアバッグ装置の作動状態を説明する概略横断面図である。 実施形態の膝保護用エアバッグ装置の作動状態を説明する概略横断面図であり、図6の後の状態を示す。 実施形態の膝保護用エアバッグ装置の作動状態を説明する概略縦断面図であり、図9のVIII−VIII部位に対応する。 実施形態の膝保護用エアバッグ装置の作動完了後の膝の受止状態を説明する正面図である。 実施形態の膝保護用エアバッグ装置のエアバッグの変形例を示す正面図である。 図11に示すエアバッグを使用したエアバッグ装置の作動時を説明する概略横断面図である。 実施形態の膝保護用エアバッグ装置のエアバッグにおける他の変形例を示す正面図である。 図12に示すエアバッグを使用したエアバッグ装置の作動時を説明する概略横断面図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明すると、実施形態の膝保護用エアバッグ装置(以下、単に、エアバッグ装置とする)Sは、図1〜2に示すように、助手席に着座した乗員Mの前方に配置されたグラブドア10に搭載されている。このグラブドア10は、インストルメントパネル(以下、インパネとする)1の下部側に装着されたグラブボックス3の後面側に配設されている。
なお、本明細書では、上下、前後、左右の各方向は、特に断らない限り、車両の上下、前後、左右の各方向に対応するものである。
そして、グラブボックス3は、ボックスタイプ(若しくはドアタイプ)として、ポリプロピレン等の硬質合成樹脂から形成されるボックス本体4と、ボックス本体4の後部側の開口4aを開閉可能に塞ぐグラブドア10と、を備えて構成されている。ボックス本体4は、後部に開口4aを設けた略四角筒形状の周壁部5と、周壁部5の前端側に配置される前壁部6と、を備えた略直方体の箱形状として構成されている。周壁部5は、下壁5a、下壁5aの上方で下壁5aに対向するように配設される上壁5b、下壁5aと上壁5bとの左右両端を相互に連結して相互に左右方向で対向する左右の側壁5d、を備えて、後部側に長方形状の開口4aを設けている。前壁部6は、下壁5a、上壁5b、及び、左右の側壁5dの前縁側に連結されて、開口4aに対向するように、略上下方向に沿って配設されている。そして、周壁部5の左右の側壁5dには、下端の後端側に、グラブドア10の開閉時のヒンジ部を構成するヒンジピン7が配設されるとともに、車両のボディ側に固定される図示しないブラケット部が配設されている。また、左右の側壁5dには、上端の後端側に、グラブドア10を閉じた際にグラブドア10側から突出するラッチを係止するための図示しない係止凹部も、形成されている。ヒンジピン7は、グラブドア10の後述するアウタパネル11側に係合され、また、既述のラッチも、アウタパネル11側に配設されている。
なお、上壁5bには、インパネ1に対してボルトを利用して連結される連結片5cが配設されている。この連結部位は、装飾パネル1aによって覆われている。また、グラブボックス3の下方には、アンダカバー2が配設されている。
グラブドア10は、ボックス本体4の開口4aを閉じた際に、図示しないラッチが、ばね等の付勢手段により、左右の側壁5dの係止凹部に挿入されて、略上下方向に沿って開口4aを塞いだ状態を維持し、そして、レバー9(図1参照)を引いて、ラッチを係止凹部から離脱させるように引き込ませれば、グラブドア10の上端10a側を、ヒンジピン7に軸支された下端10b側を回転中心として、後方側に回転させることができて(図2の二点鎖線参照)、開口4aを開口させることとなる。なお、グラブドア10を開いた際には、下端10b付近に設けられた図示しない突片が、ボックス本体4側に設けられたストッパに当接して、開き前の前面10c側を略水平方向に沿わせて配置させるように構成されている。図示しない突片は、アウタパネル11から後述のインナパネル12を経て前方に延びるように配設されている。また、ヒンジピン7の周囲には、グラブドア10の急激な開きを規制するダンパ機構が配設されている。
そして、実施形態のグラブドア10は、開口4aを閉口させるように閉じた際の後面10d側の外周壁を構成するアウタパネル11と、前面10c側の外周壁を構成するインナパネル12と、を備えて構成されている。また、グラブドア10は、アウタパネル11とインナパネル12との間の中央部位に、取付部17を利用してエアバッグ装置Sを配設させている。エアバッグ装置Sの周囲には、アウタパネル11とインナパネル12との間に介在される複数の補強リブ13が配設され、アウタパネル11とインナパネル12とが、これらの補強リブ13を利用して、結合されている。実施形態の場合、補強リブ13は、アウタパネル11側から突出して形成されている。
このエアバッグ装置Sの取付部17は、実施形態の場合、インナパネル12から延びるように配設されて、インナパネル12の中央付近から四角筒形状に後方側に延びる取付壁部18と、取付壁部18の後面側を塞ぐように配設される扉配設部25と、を設けて構成されている。取付部17の取付壁部18の前面側は、カバーパネル14によって塞がれている。なお、アウタパネル11、インナパネル12、及び、カバーパネル14の外表面側には、適宜、意匠性を考慮して、表皮15が配設されている。
取付部17の取付壁部18は、図2,3に示すように、上下で対向する上壁部19と下壁部20とを備えるとともに、左右で対向する左壁部21と右壁部22とを備えて構成されている。上壁部19と下壁部20とには、エアバッグ装置Sのケース44の係止爪46a,47aを挿入させる係止孔19a,20aが、それぞれ、配設されている。上壁部19と下壁部20とは、係止孔19a,20aに挿入された係止爪46a,47aに係止されて、ケース44の上側壁部46と下側壁部47とに連結されることとなる。また、左壁部21と右壁部22とには、ケース44の左右の左側壁部48と右側壁部49とに設けられた取付片48a,49aを取り付ける取付座21a,22aが、設けられている。取付片48a,49aと取付座21a,22aとは、当板23のナット23aに締結されるボルト52を挿通させて、ボルト52止めにより、相互に締結されている。
扉配設部25は、アウタパネル11のカバー体11aを後面側にそれぞれ接着させた上扉本体部26と下扉本体部28とを備えて、構成されている。これらの扉配設部25の上扉本体部26と下扉本体部28とは、収納部位としてのケース44に折り畳まれて収納されたエアバッグ60の後方側(乗員Mの膝K側)を覆う扉部55、を構成する。すなわち、上扉本体部26は、カバー体11aとともに、膨張するエアバッグ60に押されて、上壁部19に連なるヒンジ部27を回転中心として、上方に開く上扉部56を構成し、下扉本体部28は、カバー体11aとともに、膨張するエアバッグ60に押されて、下壁部20に連なるヒンジ部29を回転中心として、下方に開く下扉部57を構成することとなる。
なお、アウタパネル11の上扉本体部26と下扉本体部28との後面側に接着されているカバー体11a,11aは、周囲の一般部11cから容易に破断するように、周囲に、連続的若しくは断続的に形成される凹溝11bを設けられて、容易に破断するように形成され、後方から見て、「日」の字形状に配設されている(図1参照)。
また、取付壁部18と扉配設部25とを備えた取付部17は、エアバッグ装置Sでは、折り畳まれたエアバッグ60を覆うエアバッグカバー部53を構成することとなり、エアバッグカバー部53は、ケース44と連結される取付壁部18と対応する連結壁部54と、エアバッグ60に押し開かれる扉配設部25に対応する扉部55と、を備えて構成される。
さらに、アウタパネル11やカバーパネル14は、補強リブ13を含めて、剛性を確保可能なフィラー入りのポリプロピレン等の硬質合成樹脂から形成されている。また、インナパネル12は、取付部17を除いて、剛性を確保可能なフィラー入りのポリプロピレン等の硬質合成樹脂から形成され、取付部17は、扉部55が円滑に撓んで開くように、オレフィン系熱可塑性エラストマー等の合成樹脂から形成されている。
そして、膝保護用のエアバッグ装置Sは、図1〜3に示すように、アウタパネル11から後方に突出して膨張を完了させるエアバッグ60と、エアバッグ60に膨張用ガスを供給するインフレーター31と、折り畳まれたエアバッグ60とインフレーター31とを収納保持して、後部側にエアバッグ60の突出用開口44aを有したケース44と、ケース44に連結されて突出用開口44aの後方を覆うエアバッグカバー部53と、を備えて構成されている。
エアバッグカバー部53は、既述したように、グラブドア10の取付部17から構成され、上壁部19、下壁部20、左壁部21、及び、右壁部22を備えて構成される取付壁部18としての連結壁部54と、カバー体11aを有した上扉本体部26(上扉部56)や下扉本体部28(下扉部57)を備えた扉配設部25としての扉部55と、から構成されている。
インフレーター31は、図2,3に示すように、エアバッグ60に膨張用ガスを供給するもので、略円柱状に形成され、軸方向を左右方向に沿わせて、エアバッグ60内に配設されている。実施形態の場合、インフレーター31は、略円柱状の本体部32と、本体部32をケース44に固定するリテーナ36と、を備えて構成されている。本体部32は、略円柱状の大径部33と、大径部33の先端側の略円柱状の小径部34と、を備えて構成され、小径部34に、インフレーター31の作動時に膨張用ガスを吐出する複数のガス吐出口32aを配設させている。大径部33の小径部34から離れた端面33aには、所定のエアバッグ作動回路から延びるリード線RのコネクタCを結合されるための図示しないターミナルが、配設されている。
リテーナ36は、左右方向に延びる略長方形板状のベース部37と、ベース部37から延びるように配設された円環状のベルト部38と、ベース部37から延びるように配設された略六角の筒形状の筒状部39と、を備えて構成され、ベース部37には、複数の固定ボルト40が配設されている。実施形態の場合、固定ボルト40は、ベース部37の左右両端付近と中央付近との三箇所に配設されている。筒状部39は、ベース部37の左右方向の中央付近に配設されて、本体部32の小径部34の周囲を覆うように配設され、ベルト部38は、ベース部37の右端側に配設されている。リテーナ36は、リテーナ36内に本体部32を挿通させ、かつ、端面33a側をケース44の右側壁部49の挿通孔49bに挿通させた状態で、全ての固定ボルト40を、ケース44の前壁部51を挿通させてナット42止めし、ベルト部38とケース44の右側壁部49の挿通孔49bとの内周面とで、本体部32の外周面をベース部37側に押えて、本体部32を保持している。
ケース44は、図2,3に示すように、板金製として、折り畳まれたエアバッグ60の収納部位を構成するものであり、実施形態の場合、折り畳まれたエアバッグ60の他に、インフレーター31も収納保持して、グラブドア10内の取付部17(エアバッグカバー部53)に取り付けられ、後部側にエアバッグ60の突出用開口44aを設けた略直方体の箱形状に、形成されている。このケース44は、突出用開口44aの周囲を囲う略四角筒形状の側壁部45と、側壁部45の前面側を塞ぐように配設される前壁部51と、を備えて構成されている。
側壁部45は、前壁部51の外周縁の上縁から後方側に延びる上側壁部46と、前壁部51の外周縁の下縁から上側壁部46と対向するように後方側に延びる下側壁部47と、前壁部51の外周縁の左右の縁からそれぞれ相互に対向するように後方側へ延びる左側壁部48及び右側壁部49と、を備えて構成されている。
前壁部51は、インフレーター31とエアバッグ60とを取り付ける部位となり、インフレーター31のリテーナ36の各固定ボルト40を挿通させる取付孔51aが、貫通されている。
側壁部45の上側壁部46と下側壁部47とには、グラブドア10の取付壁部18(エアバッグカバー部53の連結壁部54)の上壁部19と下壁部20とに設けられた係止孔19a,20aに挿入されて、係止孔19a,20aの周縁を係止する係止爪46a,47aが、後端付近から上下の外側に向き、さらに、前方側に向くような断面J字状に形成されている。これらの係止爪46a,47aは、エアバッグカバー部53(取付部17)の扉部(上扉部56、下扉部57)55が、膨張するエアバッグ60に押されて開く際、凹溝11bを円滑に破断させるように、連結壁部54(上壁部19と下壁部20)を係止して保持するために、配設されている。
また、左右の左側壁部48と右側壁部49とには、ケース44を取付部17(エアバッグカバー部53)の取付座21a,22aに固定するための取付片48a,49aが、配設されている。各取付片48a,49aは、取付座21a,22aとともに、挿通されるボルト52が、当板23のナット23aに螺合されることにより、各取付座21a,22aに取り付けられることとなる。
さらに、右側壁部49には、インフレーター31の本体部32の小径部34から離れた端部側(端面33a側)をケース44から突出させる挿通孔49bが挿通され、端面33a側に、エアバッグ作動用の所定のコネクタCを結合可能に構成されている。
エアバッグ60は、膨張時、グラブドア10の後面10d側から、扉部55を押し開いて、後方に突出して膨張を完了させることとなる。そして、エアバッグ60は、膨張完了時に、乗員Mの左右両膝K(KL,KR)の前方側に配置されるように、前後方向の所定の厚さ寸法を確保して、後方から見て左右方向に長い略長方形板状(図1,2参照)に膨張する形状としている。
このエアバッグ60では、図4,5に示すように、膨張完了時の周壁61が、前方側に配置される前面壁62と、乗員Mの膝K側となる後方側の後面壁63と、を備えて構成されている。この周壁61は、一枚のポリアミド等の織布からなるエアバッグ用基布70を、エアバッグ60の上縁60aに折目を付けるようにして、下方側に折り返して、重ねた外周縁相互を縫合して、形成されている。また、前面壁62と後面壁63とは、左右方向に帯状にのびたテザー72により、相互に連結されて、膨張完了時のエアバッグ60が、略長方形板状に膨張するように、テザー72により、厚さを規制されている。
また、前面壁62は、インフレーター31の本体部32における端面33a側を突出させる挿通孔65と、インフレーター31のリテーナ36における各固定ボルト40を突出させる取付孔66と、を備えて構成されている。エアバッグ60は、取付孔66の周縁をリテーナ36に押えられて、ケース44の前壁部51に取り付けられ、収納部位としてのケース44内に折り畳まれて収納されることとなる。
また、エアバッグ60の周壁61には、膨張完了形状まで膨張可能として、流入する膨張用ガスGを排気させるベントホール68が円形に開口している。
そして、実施形態の場合、略膨張完了形状まで膨張を完了させたエアバッグ60が、少なくとも膝Kを受け止めた際に、エアバッグ60の内圧低下を抑制するように、ベントホール68を閉塞する閉塞手段CMが、配設されている。実施形態のエアバッグ装置Sでは、閉塞手段CMが、ベントホール68の配置位置と、その配置位置の周囲に配置させた蓋体76と、から構成されている(図6〜9参照)。
すなわち、実施形態の閉塞手段CMでは、ベントホール68が、膨張完了時のエアバッグ60の周壁61の前面壁62であって、開いた扉部55より外れた縁側に、配置させるとともに、エアバッグ60の膝Kの受止時におけるエアバッグ60の前面壁62の前方移動時に、ベントホール68の前方側に配置された収納部位としてのケース44の周囲の車両側のパネルを、ベントホール68を塞ぐ蓋体76とするように、配置させている。さらに詳しく説明すれば、ベントホール68は、エアバッグ60の膨張完了時における開いた扉部55の左右方向の外方に外れた位置、実施形態の場合、下方に開いた下扉部57の左方側で、左膝KLの前方の投影エリアPA(図9の斜線部位)の左右方向の中央位置に、配置されている。そして、蓋体76は、エアバッグカバー部53の開いた扉部55の開口58の周縁部位75であり、実施形態の場合、アウタパネル11におけるカバー体11aの周囲における平滑な一般部11cの部位としている。
このエアバッグ装置Sのグラブドア10への組み付けは、まず、エアバッグ装置Sを組み立てるように、固定ボルト40をエアバッグ60外に突出させるようにして、エアバッグ60内にインフレーター31のリテーナ36を収納し、エアバッグ60を折り畳み、折り畳み完了時には、エアバッグ60の折り崩れを防止するように、ラッピング材を巻いておく。その後、各固定ボルト40を、ケース44の前壁部51の取付孔51aから突出させつつ、折り畳んだエアバッグ60をケース44内に収納する。さらに、インフレーター31の本体部32を、ケース44の挿通孔49bとエアバッグ60の挿通孔65とを経て、エアバッグ60内のリテーナ36のベルト部38内と筒状部39内とに挿入させ、ついで、各固定ボルト40にナット42を締結すれば、ケース44にエアバッグ60とインフレーター31とを収納保持させることができる。
そして、取付部17(エアバッグカバー部53)を設けて製造しておいたグラブドア10に対して、カバーパネル14を開けた状態の前方側から、エアバッグ60とインフレーター31とを保持させたケース44を、取付部17の取付壁部18内に挿入させて、ケース44の各係止爪46a,47aを取付壁部18の上壁部19や下壁部20の各係止孔19a,20aに挿入させて、その周縁に係止させるとともに、左右の取付片48a,49aを、それぞれ、左右の取付座21a,22aに当接させる。そして、ボルト52を、取付片48a,49aと取付座21a,22aとに挿通させて、取付座21a,22aの後面側に配置させた当板23のナット23aに締結させれば、エアバッグ装置Sを組み立ててアウタパネル11に固定することができる。
その後、カバーパネル14を取付部17の前面側に嵌め、適宜、表皮15を貼着させれば、エアバッグ装置Sを内蔵したグラブドア10を製造することができる。
このように製造したグラブドア10をボックス本体4に組み付けて、ボックス本体4を車両に取り付けるとともに、ボックス本体4とインナパネル12とに設けた図示しない挿通孔を経て、インフレーター31の本体部32にエアバッグ作動回路から延びるリード線Rを結線すれば、グラブボックス3を、エアバッグ装置Sとともに、車両に搭載することができる。
エアバッグ装置Sとともにグラブボックス3を車両へ搭載した後、所定のエアバッグ作動回路からの作動信号が、リード線Rからインフレーター31の本体部32に入力されれば、インフレーター31が、本体部32のガス吐出口32aから膨張用ガスGを吐出する。そして、インフレーター31の膨張用ガスGがエアバッグ60に供給されれば、図6のA,Bや図7のA、図8のAの二点鎖線に示すように、ケース44に折り畳まれて収納されていたエアバッグ60は、覆っていた扉部55の上扉部56と下扉部57とを上下両側に押し開いて、開いた開口58から突出しつつ展開膨張し、さらに、ベントホール68から膨張用ガスGを排気しつつ、バーストすることなく、迅速に、膨張を完了させる。そして、エアバッグ60は、膝Kを受け止める際、図7のA,Bや図8のA,Bに示すように、閉塞手段CMが作動されて、すなわち、前面壁62が前方移動して、アウタパネル11の一般部11cからなる蓋体76により、ベントホール68が閉塞される。そのため、エアバッグ60は、内圧の低下を抑制して、膝Kを受け止めることができる。その際、エアバッグ60は、膨張用ガスGを逃がしていないことから、受け止める膝Kが前方移動する速度を速くしたり、あるいは、膝Kに連なる乗員Mの荷重を重くする等して、膝Kの運動エネルギーが大きくとも、底付きを防止し、クッション性を確保して、的確に膝Kを受け止めることができる。
また、このエアバッグ60は、膝を受け止める部位(チャンバ)を備えていれば構成できて、オーバーフロー用のチャンバを不要にできることから、使用するエアバッグ用基布70の量を抑えることでき、コンパクトに構成できる。
したがって、実施形態のエアバッグ装置Sでは、エアバッグ60をコンパクトに構成しても、エアバッグ60が運動エネルギーの大きな膝Kを受け止める際、クッション性を確保して、的確に膝Kを受け止めることができる。
さらに、実施形態のエアバッグ装置Sでは、エアバッグ60をコンパクトにできることから、そのエアバッグ60の収納部位としてもケース44や膨張用ガスGを供給するインフレーター31も小さく構成できて、エアバッグ装置Sの全体を、コンパクトに構成でき、その結果、搭載スペースに制限のある車両へも、容易に搭載することができる。
ちなみに、実施形態のインフレーター31の出力特性は、作動時、ベントホール68から膨張用ガスGを排気させつつ、エアバッグ60を迅速に膨張完了形状まで膨張させることができて、エアバッグ60の膨張を完了させた後に、膝を受け止める時点(インフレーター31の作動開始から約10〜15ms後)では、膨張用ガスGの吐出量が、殆ど無くなるか、あるいは、僅かとなるように、設定されている。
そして、実施形態では、閉塞手段CMが、ベントホール68を、膨張完了時のエアバッグ60の周壁61の前面壁62であって、開いた扉部55より外れた縁側(実施形態では左縁60b側)に、配置させるとともに、エアバッグ60の膝Kの受止時におけるエアバッグ60の前面壁62の前方移動時に、ベントホール68の前方側に配置されたケース44の周囲の車両側のパネル(実施形態ではアウタパネル)11を、ベントホール68を塞ぐ蓋体76とするように、配置させて、構成されている。
そのため、膨張を完了させたエアバッグ60は、前方移動する膝Kを受け止めれば、前面壁62が前方移動して、前面壁62に配置されていたベントホール68が、車両側のアウタパネル11に押し付けられて、そのアウタパネル11を蓋体76として、閉塞されることから、ベントホール68からの膨張用ガスGの排気が停止されて、エアバッグ60の内圧低下を抑制して、クッション性良く、エアバッグ60が膝Kを受け止めることができる。そして、このような構成では、単に、収納部位としてのケース44の周囲の車両側のパネルであるアウタパネル11とベントホール68との配置位置を考慮するだけで良く、簡便に構成することができる。
特に、実施形態では、扉部55が、上下方向に沿って開く構成として、ベントホール68は、エアバッグ60の膨張完了時における開いた扉部55の左右方向の外方(実施形態では左方)に外れた位置で、かつ、前方移動する膝K(実施形態では左膝KL)の前方側への投影エリアPAに、配置されている。そのため、扉部55が、左右方向に開くのではなく、上下方向に沿って開く構成としており、開き時の後方への移動量を抑えて、円滑に開くこととなる。ちなみに、乗員Mの膝Kの前方側に配置されるエアバッグ60の収納部位(ケース44)は、左右方向のスペースに比べて、上下方向のスペースを制限される部位に配置されることから、上下方向より左右方向の開口幅寸法を大きくして構成され、そのケース44を覆う扉部55も、上下方向より左右方向の長さ寸法が長くなるため、その扉部55が、左右方向に開くのではなく、上下方向に沿って開く構成であれば、開き時の後方への移動量を抑えて開くこととなる。
そして、上記のような構成では、上下方向に沿って開いた扉部55の左右方向に外れた車両側のアウタパネル11に対して、ベントホール68が当たって塞がれるため、アウタパネル11の一般部11cの平滑な面状の部位を、ベントホール68の蓋体76の部位として設定できて、安定してベントホール68を閉塞することができる。さらに、エアバッグ60におけるベントホール68の配置位置が、前方移動する膝Kの前方側への投影エリアPA内に配置されており、エアバッグ60が膝Kを受け止めた際に、ベントホール68を、直線的に前方移動させて、アウタパネル11の蓋体76の部位に当てることができて、迅速かつ的確に閉塞することができる。
なお、実施形態の場合には、エアバッグ60に押されて開く扉部55として、上扉部56と下扉部57とを設けて、上下両側に開くものを例示したが、上方若しくは下方の一方側に開く一枚扉タイプとして、扉部を構成してもよい。
また、ベントホールを閉塞する閉塞手段は、エアバッグ内に設けてもよい。例えば、図10,11に示すエアバッグ60Aのように、エアバッグ60Aの内周面60c側におけるベントホール68の近傍に、実施形態のエアバッグ用基布70と同様の素材からなる可撓性を有した補助布81を、配設するとともに、補助布81を、エアバッグ60Aの膝Kの受止時に、ベントホール68の開口位置から閉塞位置まで、膨張用ガスGに押されて移動させて、ベントホール68を塞ぐ蓋体80とするように、配設させてもよい。
図10,11に示すエアバッグ60Aの場合には、補助布81が、エアバッグ60A内の膨張用ガスGの流れ方向に沿った方向の両端部81a,81bを、ベントホール68を覆うように、エアバッグ60Aの内周面60c側に縫合させて、配設される。この時、補助布81は、膨張用ガスGの流れの下流側の端部81b側の縫合部位、若しくは、その近傍を、上流側の端部81aの縫合部位、若しくは、その近傍より、破断し易く構成する。このような構成は、端部81b側の縫合糸の強度を低下させたり、あるいは、端部81b側に、破断し易いように、スリットや切り欠き等の応力集中部位を設けて対処することができる。図例の場合には、縫合糸SW1より縫合糸SW2の強度を低下させている。また、両端部81a,81bの長さ寸法L1は、エアバッグ60Aのベントホール68の周囲における両端部81a,81bの縫合部位60d、60eを真直ぐ延ばした長さ寸法L0より、短くし、かつ、端部81b側が破断して、補助布81が端部81a側から延びた際、補助布81がベントホール68を閉塞できるように、幅寸法W1と併せて、設定しておく。
このエアバッグ60Aを使用したエアバッグ装置Sでは、作動時、図11に示すように、ベントホール68が膨張用ガスGを排気しつつ、エアバッグ60Aが略膨張完了形状まで膨張し、そして、膝Kを受け止めることとなる。すると、エアバッグ60Aの内圧が上昇するとともに、周壁61に張力が発生することから、補助布81に張力が発生し、端部81b側の縫合糸SW2が破断する。そして、膨張用ガスGの流れ(圧力)に押えられて、補助布81が、蓋体80として、ベントホール68をエアバッグ60Aの内周面60c側から閉塞することとなり、内圧の低下を抑制して、エアバッグ60Aは、クッション性良く膝Kを受け止めることができる。
さらに、このような構成では、補助布81を、膨張用ガスGを利用した蓋体80として使用できて、構成部品点数を抑えてエアバッグ60Aを構成することができ、さらに、エアバッグ60A内に配設させる補助布81が可撓性を有しているため、エアバッグ60Aを円滑に折り畳むことができる。
また、上記のような構成では、収納部位としてのケース44の周囲の車両側のパネル等の形状に依存せず、エアバッグ60A自体で、ベントホール68を閉塞できることから、エアバッグ装置Sの搭載自由度を向上させることができる。
さらに、エアバッグ内に設ける補助布から蓋体を形成する場合、図12,13に示す補助布83を、蓋体80として、エアバッグ60B内に設けてもよい。この補助布83では、ベントホール68の近傍における膨張用ガスGの上流側に、端部83aを結合させて折り畳んでおく。そして、エアバッグ装置Sの作動時、図13に示すように、ベントホール68が膨張用ガスGを排気しつつ、エアバッグ60Bが略膨張完了形状まで膨張し、そして、膝Kを受け止めることとなる。この時、エアバッグ60Bの内圧が上昇するとともに、既に、膨張用ガスGの流れによって折り畳みがある程度解けていた補助布83が、膨張用ガスGの流れ(圧力)によって、さらに平らに展開し、蓋体80として、ベントホール68をエアバッグ60Bの内周面60c側から閉塞することとなり、内圧の低下を抑制して、エアバッグ60Bは、クッション性良く膝Kを受け止めることができる。
また、実施形態のエアバッグ装置Sは、着座した乗員Mの前方側に配設されたグラブボックス3におけるボックス本体4の後部側の開口4aを開閉可能に塞ぐグラブドア10、に搭載されている。このようなグラブドア10に搭載される膝保護用のエアバッグ装置Sでは、グラブドア10自体が助手席の乗員Mの膝Kに接近して配置されており、使用されるエアバッグ60は、その容積を10リットル程度とコンパクトに構成されることが要望される。しかし、実施形態のエアバッグ装置Sでは、コンパクトに膨張するエアバッグ60でも、内圧低下を抑えて、クッション性良く、乗員Mの膝Kを受け止めることができることから、好適にグラブドア10に搭載することができる。
勿論、上記の点を考慮しなければ、グラブボックス3や運転席前方のコラムカバーの下方のインパネ(インストルメントパネル)の部位、あるいは、運転席の前方のコラムカバーの部位に、本発明の膝保護用のエアバッグ装置を搭載してもよい。
また、エアバッグのベントポールが、車両側のパネルを蓋材として、塞がれる場合には、グラブドアのアウタパネルの他、コラムカバーやインパネの部位を蓋体の部位としてもよい。さらに、ベントホールを閉塞できれば、蓋体は、エアバッグが押し開いた扉部の裏面側の部位に、設けてもよい。
3…グラブボックス、
4…ボックス本体、
4a…開口、
10…グラブドア、
11…アウタパネル、
31…インフレーター、
44…(収納部位)ケース、
55…扉部、
56…上扉部、
57…下扉部、
60,60A,60B…エアバッグ、
62…前面壁、
68…ベントホール、
70…エアバッグ用基布、
76,80…蓋体、
81,83…補助布、
G…膨張用ガス、
CM…閉塞手段、
S…膝保護用エアバッグ装置、
M…乗員、
K…膝。

Claims (5)

  1. 着座した乗員の膝の前方側に配置された収納部位に、折り畳まれて収納され、インフレーターから供給される膨張用ガスの流入時に、前記収納部位を覆っていた扉部を押し開いて前記収納部位から後方側へ突出するとともに、展開膨張して、保護可能に前記膝を受け止めるエアバッグ、を備えて構成される膝保護用エアバッグ装置であって、
    前記エアバッグが、略膨張完了形状まで膨張可能として、流入する前記膨張用ガスを排気させるベントホールを備え、
    前記エアバッグの少なくとも前記膝の受止時に前記エアバッグの内圧低下を抑制するように、前記ベントホールを閉塞する閉塞手段が、配設されて構成されていることを特徴とする膝保護用エアバッグ装置。
  2. 前記閉塞手段が、
    前記ベントホールを、膨張完了時の前記エアバッグの周壁の前面壁であって、開いた前記扉部より外れた縁側に、配置させるとともに、
    前記エアバッグの前記膝の受止時における前記エアバッグの前面壁の前方移動時に、前記ベントホールの前方側に配置された前記収納部位の周囲の車両側のパネルを、前記ベントホールを塞ぐ蓋体とするように、配置させて、
    構成されていることを特徴とする請求項1に記載の膝保護用エアバッグ装置。
  3. 前記扉部が、上下方向に沿って開く構成とするとともに、
    前記ベントホールが、前記エアバッグの膨張完了時における開いた前記扉部の左右方向の外方に外れた位置で、かつ、前方移動する前記膝の前方側への投影エリアに、配置されていることを特徴とする請求項2に記載の膝保護用エアバッグ装置。
  4. 前記閉塞手段が、
    前記エアバッグの内周面側における前記ベントホールの近傍に、可撓性を有した補助布を、配設するとともに、
    該補助布を、前記エアバッグの前記膝の受止時に、前記ベントホールの開口位置から閉塞位置まで、前記膨張用ガスに押されて移動させて、前記ベントホールを塞ぐ蓋体とするように、配設させて、
    構成されていることを特徴とする請求項1に記載の膝保護用エアバッグ装置。
  5. 着座した乗員の前方側に配設されたグラブボックスにおけるボックス本体の後部側の開口を開閉可能に塞ぐグラブドア、に搭載されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の膝保護用エアバッグ装置。
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