JP2011051231A - 積層体およびカード製品の製造方法、熱プレス板 - Google Patents

積層体およびカード製品の製造方法、熱プレス板 Download PDF

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Abstract

【課題】 熱プレス時に熱プレス板表面への樹脂やインク、異物等の融着を防止し、外観が良好な製品を効率的に低コストで製造することが可能な積層体およびカード製品の製造方法、熱プレス板を提供すること。
【解決手段】 インレットシート25またはオーバーレイシート26に当接する面が平坦であるとともに、インレットシート25またはオーバーレイシート26に当接しない面に複数の溝部22を設けてなる熱プレス板20を用いて、インレットシート25およびオーバーレイシート26を熱プレス板20の間に挟んで加熱および加圧する熱プレス処理により積層一体化する。
【選択図】図2

Description

本発明は、複数の樹脂製シートを熱プレスにより一体化する積層体およびカード製品の製造方法と、熱プレスに用いる熱プレス板に関する。
近年、カード製品、例えばICカードは、公共機関、流通、アミューズメント等の分野において急速に普及が進んでいる。ICカードは、ICチップ等が搭載された樹脂製のインレットシートと、図柄等が印刷されてカード表面に配された樹脂製のオーバーレイシートから構成されており、熱プレスにより両者を積層一体化することにより作製される。
熱プレスによる積層一体化は、複数の金属製の板、すなわち熱プレス板に、ワークとしてインレットシートとオーバーレイシートを挟んで加熱および加圧を行うことでなされるが、熱プレス板表面に軟化したワークの樹脂や異物、図柄のインク等が付着し、ICカードの外観を悪化させていた。
熱プレス板表面の軟化したワークの樹脂や異物、印刷図柄のインク等の付着防止方法としては、熱プレス板とワークとの間に離型フィルムを配したり、使用する熱プレス板にフッ素樹脂からなる非粘着性樹脂層を設けたりすることが知られている。
特許文献1には、2枚の熱融着可能な接着部を有するプラスチックシートを、接着部同士が対向するように配置し、その間にICチップ及びアンテナ用ループコイルを配線したプラスチックフィルムを挟み、各プラスチックシートの外表面に互いに材質の異なる離型フィルムをそれぞれ設けた積層体を形成し、加熱加圧することを特徴とする非接触ICカードの製造方法が開示されている。
特許文献2には、ICチップが搭載されたインレットシートの少なくとも表面側に、熱可塑性樹脂より成る外皮シートが積層一体化されてなる非接触ICカードを製造するための方法で、前記インレットシートと外皮シートとを積層した状態で熱プレス板に挟んで熱プレス成形し、積層一体化を行う際、非粘着加工が施された熱プレス板として、プレス側の表面に、表面粗さがRa=1.0μm以下である非粘着性樹脂層が設けられたものを使用することを特徴とする非接触ICカードの製造方法が開示されている。
特開2000−348151号公報 特開2003−058845号公報
特許文献1に記載のような、熱プレス板とワークとの間に離型フィルムを重ね合わせて熱プレスする方法では、熱プレス作業の度に離型フィルムを必要とするため運用コストが大きいとともに、離型フィルムのクッション性によりワーク表面の加圧にムラが生じ易く、しわ等の外観不良が発生する場合があるという課題がある。
また、特許文献2に記載のような、熱プレス板に非粘着性樹脂層を設ける方法では、熱プレス板の加工処理のコストが高額であること、非粘着樹脂層は金属よりも硬度が低く表面にキズ等がつき易い為、製品の外観不良を防ぐには取り扱いに注意を払う必要があり、キズの発生や非粘着性が低下した場合には非粘着性樹脂層の再加工を要することから、コスト高であるという課題がある。
本発明はかかる従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的は、熱プレス時に熱プレス板表面への樹脂やインク、異物等の融着を防止し、外観が良好な製品を効率的に低コストで製造することが可能な積層体およびカード製品の製造方法、熱プレス板を提供することにある。
本発明によれば、複数の樹脂製シートからなる積層体の製造方法であって、前記樹脂製シートを複数の金属板からなる熱プレス板の間に積層配置し、前記熱プレス板は前記樹脂製シートに当接する面が平坦であるとともに、前記樹脂製シートに当接しない面に複数の溝部を備え、加熱および加圧することにより前記複数の樹脂製シートを一体化することを特徴とする積層体の製造方法が得られる。
本発明によれば、複数の金属板からなる熱プレス板の間に、樹脂製のインレットシートと、前記インレットシートの少なくとも一面を覆う樹脂製のオーバーレイシートを積層配置し、加熱および加圧することにより前記インレットシートおよび前記オーバーレイシートを一体化するカード製品の製造方法であって、前記熱プレス板は、前記インレットシートまたは前記オーバーレイシートに当接する面が平坦であるとともに、前記インレットシートまたは前記オーバーレイシートに当接しない面に複数の溝部を備えることを特徴とするカード製品の製造方法が得られる。
本発明によれば、前記樹脂製シートまたは前記インレットシートまたは前記オーバーレイシートに当接する面が平坦であるとともに、前記樹脂製シートまたは前記インレットシートまたは前記オーバーレイシートに当接しない面に複数の溝部を備えることを特徴とする熱プレス板が得られる。
本発明では、樹脂製シート、例えばカード製品におけるインレットシートまたはオーバーレイシートに当接する熱プレス板の面を平坦に形成することで、熱プレス処理時に製品の表面にしわ等の外観不良が発生することを防ぐとともに、熱プレス板の反対の面、すなわちインレットシートまたはオーバーレイシートに当接しない面に複数の溝部を設けることにより、熱プレス板が厚い金属板であっても可撓性を付与することができるため、樹脂製シートを積層一体化した製品の離型性が高まる。
本発明では、樹脂製シートを積層一体化した製品を、熱プレス板を曲げながら取り出すことにより、製品の表面に亀裂が入ったり、熱プレス板表面に樹脂や異物、印刷図柄のインク等が融着したりする外観不良の発生を防ぐことができる。また、熱プレス板に溝部を設けることにより、熱プレス板の表面積が増加して放熱量すなわち冷却速度が向上し、熱プレス成形時間が短縮されるため、時間当たりの加工数量を増加させることができる。従って、従来の構成に比べて取り扱いが容易で低コストに製品を製造することができる。
本発明によれば、熱プレス板の樹脂製シートに当接する面を平坦に形成し、樹脂製シートに当接しない面に複数の溝部を設けることにより、熱プレス板が厚い金属板であっても可撓性を付与することができるため、積層一体化した製品の離型性が高まり、熱プレス時に熱プレス板表面への樹脂やインク、異物等の融着を防止し、外観が良好な製品を効率的に低コストで製造することが可能な積層体およびカード製品の製造方法、熱プレス板を提供することが可能となる。
本発明による積層体およびカード製品の製造に用いる熱プレス板の実施形態を示す外観斜視図である。 本発明による積層体およびカード製品の製造方法を示す概略図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明による積層体およびカード製品の製造に用いる熱プレス板の実施形態を示す外観斜視図であり、カード製品の製造に適用する場合を例としたものである。熱プレス板10は、金属板11の一方の面に溝部12を設けたものであり、樹脂製シートに当接する面、すなわち、図1においては溝部12を設ける裏側の面が平坦となるよう構成する。
熱プレス板10の材質は、強度と良好な熱伝導性を備える鉄、鋼、銅、真ちゅう、青銅、アルミニウム、ステンレス等の各種金属を用いることが好ましく、耐久性や表面の平坦性を得やすいことから、ステンレスが特に好ましい。
溝部12の配置は、一方向に平行溝を並べたり、図1のように格子状の配置としても良い。熱プレス板10を曲げながら積層体すなわち積層一体化した製品を取り出すため、溝部12は、金属板11が厚い場合であっても製品の離型に支障がない程度の可撓性を付与する必要がある。溝部12の断面形状や深さ、それぞれの間隔については、金属板11の材質や厚さ、製品の材質や厚さ、表面状態等に応じて最適な形状、寸法を実験等により設定すれば良い。
なお、溝部12の形状や寸法、配置等は、熱プレス後の製品の表面形状に影響を及ぼさないものとする必要があることは言うまでもない。
図2は、本発明による積層体およびカード製品の製造方法を示す概略図であり、インレットシート25の両面をオーバーレイシート26で覆った構成のICカードに適用する場合の一例である。
図2のインレットシート25は、ICチップ23とアンテナ24を備え、オーバーレイシート26は絵柄印刷が施され、インレットシート25の両面に配する。熱プレス板20は、オーバーレイシート26に当接する面は平坦であり、オーバーレイシート26に当接しない他の面は溝部22を有する。
インレットシート25とオーバーレイシート26を積層し、2枚の熱プレス板20の平坦面をオーバーレイシート26に当接して挟持し、所定条件で加熱および加圧を行う熱プレス処理により一体化してカード製品を得る。熱プレス処理の後は、熱プレス板20を曲げながら積層一体化したカード製品の取り出しを行う。
必要に応じ、熱プレス板20の溝部22を設ける面に、図示しないが両面が平坦な金属板やブロック等を補助的に当接させることにより、熱プレス板20のオーバーレイシート26に当接する面の平坦性を高めても良い。
図2のように2組のカード製品を一度に熱プレス処理する場合、カード製品の間に熱プレス板21を配する。熱プレス板21は、両面がオーバーレイシート26に当接するものであり、溝部22のない平坦な表面である。
カード製品が3組以上の場合は、熱プレス板20の溝部22を設ける面に、両面が平坦な金属板やブロック等、例えば熱プレス板21を補助的に当接させて配置することにより、所望の組数だけカード製品をセットすることができる。
なお、カード製品は、図2に示すような両面にオーバーレイシート26を有する構成のみならず、片面のみにオーバーレイシート26を有し、片面はインレットシート25で構成されるものであっても良い。
以下、本発明の実施例について説明する。
図1に示す本発明による熱プレス板10は、寸法250mm×400mm×厚さ1.0mmのステンレス板(NSS431−DP2:日新製鋼社製)の表面を鏡面仕上げしたものを使用し、オーバーレイシートと当接しない面に、深さ0.5mmの断面略V字状の格子溝を5.0mm間隔に形成して溝部12とした。
図2に示すような構成では、インレットシート25として厚さ0.25mmのPET−G(グリコール変性ポリエチレンテレフタレート)シートにICチップ23とアンテナ24を半田により接続して配し、オーバーレイシート26として厚さ0.15mmのPET−Gシートに絵柄印刷したものを用いた。
上記各シートを、オーバーレイシート26/インレットシート25/オーバーレイシート26の順に積層し、2枚の熱プレス板20および熱プレス板21の平坦面をオーバーレイシート26に当接して挟み込み、熱プレス処理を行った。
ICカードの熱プレス処理の条件は、インレットシート25とオーバーレイシート26の材質により適宜変更する必要がある。本実施例では、温度120℃、圧力80kg/cm、加圧時間80分とした。
熱プレス処理終了後、積層一体化したICカードを、熱プレス板22を湾曲させながら取り出した。熱プレス板22とICカードとの離型性は良好であり、熱プレス板22およびICカードの表面にキズや融着物は見られなかった。
また、熱プレス処理後に得られたICカードには、加圧ムラによるしわ等の外観不良は発生しておらず、表面状態は良好であり、カードの反りについても規格外の異常は発生しなかった。
以上、図面を用いて本発明の実施例を説明したが、本発明はこれら実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、部材や構成の変更があっても本発明に含まれる。すなわち、当業者であれば当然なしえるであろう各種変形や修正もまた、本発明に含まれるものである。
10、20、21 熱プレス板
11 金属板
12、22 溝部
23 ICチップ
24 アンテナ
25 インレットシート
26 オーバーレイシート

Claims (3)

  1. 複数の樹脂製シートからなる積層体の製造方法であって、前記樹脂製シートを複数の金属板からなる熱プレス板の間に積層配置し、前記熱プレス板は前記樹脂製シートに当接する面が平坦であるとともに、前記樹脂製シートに当接しない面に複数の溝部を備え、加熱および加圧することにより前記複数の樹脂製シートを一体化することを特徴とする積層体の製造方法。
  2. 複数の金属板からなる熱プレス板の間に、樹脂製のインレットシートと、前記インレットシートの少なくとも一面を覆う樹脂製のオーバーレイシートを積層配置し、加熱および加圧することにより前記インレットシートおよび前記オーバーレイシートを一体化するカード製品の製造方法であって、前記熱プレス板は、前記インレットシートまたは前記オーバーレイシートに当接する面が平坦であるとともに、前記インレットシートまたは前記オーバーレイシートに当接しない面に複数の溝部を備えることを特徴とするカード製品の製造方法。
  3. 前記樹脂製シートまたは前記インレットシートまたは前記オーバーレイシートに当接する面が平坦であるとともに、前記樹脂製シートまたは前記インレットシートまたは前記オーバーレイシートに当接しない面に複数の溝部を備えることを特徴とする、請求項1乃至2のいずれかに記載の熱プレス板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020065965A (ja) * 2018-10-23 2020-04-30 株式会社トクヤマ 廃石膏ボードからの二水石膏の回収方法

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