JP2011049274A - 固体撮像素子パッケージ用窓材並びに撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】平坦な透光面を有する板状透明基板7と、その透光面の少なくとも1面に設けられた凹凸形状部材8とを備えることを特徴とする固体撮像素子パッケージ用窓材4である。
【選択図】図1
Description
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は撮像装置を搭載するカメラの小型化及び高画質化に対応するための光学機能部品及び撮像装置を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の固体撮像素子パッケージ用窓材は、平坦な透光面を有する板状透明基板と、その透光面の少なくとも1面に設けられた凹凸形状部材とを備えることを特徴とする。
また、前記凹凸形状部材は、樹脂材よりなることを特徴とする。
また、前記樹脂材は、含フッ素モノマーを含む樹脂モノマーを硬化させて得られた樹脂材であることを特徴とする。
また、前記凹凸形状部材は、近赤外線カットフィルタガラスからなることを特徴とする。
また、前記板状透明基板は、近赤外線カットフィルタガラスからなることを特徴とする。
また、前記板状透明基板は、α線放出量が0.005c/cm2・hr以下であることを特徴とする。
また、本発明の撮像装置は、前記固体撮像素子パッケージ用窓材と、レンズ群と、該固体撮像素子パッケージ用窓材及び該レンズ群とを透過した光を受光する固体撮像素子とを備えることを特徴とする。
窓材4は、パッケージに貼り付けて使用する際に割れや歪みが生じないようパッケージの熱膨張係数と同程度の熱膨張係数の材料を用いる必要がある。アルミナセラミックパッケージを用いる場合、アルミナセラミックの熱膨張係数は通常60〜75×10−7K−1の範囲にあり、窓材4の熱膨張係数は、これと同等か、若干小さな45〜75×10−7K−1の範囲であることが望ましい。また、樹脂製パッケージを用いる場合、樹脂材の熱膨張係数は、110〜180×10−7K−1であり、窓材4の熱膨張係数は、これと同等か、若干小さな100〜170×10−7K−1の範囲であることが望ましい。なお、窓材4として、板状透明基板7もしくは凹凸形状部材8のどちらかが、パッケージに接着されることになるが、接着される部材についてのみ上記パッケージの熱膨張係数を考慮する必要がある。
なお、パッケージは、図1の実施形態の他に、固体撮像素子3を設けた基板1と窓枠材2とが一体で形成されたものであってもよい。
板状透明基板7は、光を良好に透過するものであり、その透光面の少なくとも1面に凹凸形状部材8を設けるためのベースとなる部材である。
凹凸形状部材8は、形成される凹凸形状に特に制約はないが、レンズ群10の光軸を中心として、光軸に直交する面内方向の光軸からの距離に一様な形状とし、倍率・球面収差を補正する形状、もしくは非点収差を補正する形状にすることが好ましい。倍率・球面収差を補正する形状にすることにより、レンズ群10による結像機能の一部を窓材4に付加し、レンズ群10の全長を短くすることができるため大変好ましい。特に5次以上の高次の球面収差を補正する形状を窓材4に付加することは、レンズ群10の組み付け時の各レンズ位置調整では取りきれない収差を補正することが可能となり、結像性能を向上させることができ好ましい。また、レンズ群10にプラスチックレンズを使用した場合、特にその成型方法が射出成型であるとレンズ中の屈折率の分布が発生し非点収差を発生しやすくなるが、凹凸形状部材8にそれを補正する非点収差の形状を設けることで、これら課題を解決することができる。具体的には、窓材4に収差補正機能を付与することで、レンズ群10の組み付け時にレンズ群10を回転して窓材4との位置調整を行い、レンズ群10に起因する収差を低減し結像性能を向上することができる。板状透明基板7の透光面に設けられる凹凸形状部材8は、レンズ群10側もしくは固体撮像素子3側のどちらか一方の透光面のみに設け、他方の透光面を平坦としてもよいし、両方の透光面に凹凸形状部材8をそれぞれ設けてもよい。なお、図2は、板状透明基板7の両方の透光面に凹凸形状部材8を設けた実施形態の窓材4の(a)側方断面図及び(b)平面図である。また、凹凸形状部材8の凹凸形状は、光学設計により適宜最適な形状が用いられるが、例えば球面、非球面形状の凹レンズ、凸レンズやフレネルレンズ、シリンドリカルレンズ、フライアイレンズ、凹凸を組み合わせたレンズなど、収差補正機能が得られる形状であれば、どのような凹凸形状であっても適用できる。なお、板状透明基板7の透光面とは、板厚方向に相対向する外表面をそれぞれ透光面という。
また、板状透明基板7をパッケージに直接接着する場合、板状透明基板7に用いられる材料としては、パッケージと熱膨張係数が同程度であるガラスを用いることで、窓材4の割れや歪みが発生することなく長期間安定して用いることが可能となる。
アルミナセラミックパッケージとの接着に好適な板状透明基板7のガラス材料として、0〜300℃の熱膨脹係数が48〜75×10−7K−1のホウケイ酸ガラスを用いることが好ましい。
樹脂製パッケージとの接着に好適な板状透明基板7の材料として、50〜250℃の熱膨張係数が100〜150×10−7K−1と樹脂製パッケージと熱膨張係数が同程度であるリン酸塩ガラスや樹脂材を用いることが好ましい。また、板状透明基板7の材料としてリン酸塩ガラスを用いると、凹凸形状部材8を樹脂材で形成した際に、板状透明基板7と凹凸形状部材8の両者の熱膨張係数が類似になるため、熱膨張係数の相違に起因する剥がれなどが生じず長期間安定して使用できるため好ましい。
リン酸塩ガラスは、例えばフツリン酸ガラスと比較し強度が高く、光学研磨を行う際に端部に微小な欠けが生じる割合が少ない。そのため、ガラスに外力が作用した場合に端部を起点として破損に至る可能性が低く強度が高い。また、同じリン酸塩ガラスであってもP2O5成分とAl2O3成分とアルカリ金属成分とを特定範囲とすることで、ガラスの強度をより高くすることができる。
具体的には、モル%で、
P2O5 15〜40%、
Al2O3 15〜30%、
SiO2 0〜15%、
B2O3 0〜20%、
Li2O 0〜15%、
Na2O 0〜25%、
K2O 0〜25%、
ただし、Li2O+Na2O+K2O 20〜40%、
MgO+CaO+SrO+ZnO 1〜35%、
を含有するリン酸塩ガラスを用いることが好ましい。各成分の含有量(モル%表示)の好ましい範囲を上記のとおりに設定している理由を以下に説明する。
また、その他の成分として、La2O3、Y2O3、Gd2O3、Ta2O5、Yb2O3、TiO2などを含有することもできる。
なお、板状透明基板7は、固体撮像素子3が収納されたパッケージに接着剤6により気密封着されるが、その接着剤6の硬化時間短縮を目的として紫外線硬化型接着剤が使用されることがある。紫外線硬化型接着剤には様々な種類があり、一例として250〜350nmの波長の紫外線にて硬化する。他方、板状透明基板7にCuを含有すると、近赤外線波長及び紫外線波長を吸収するため、紫外線が十分に紫外線硬化型接着剤に到達せず、硬化に長時間を要することになり、固体撮像素子パッケージの組立工程における生産性が悪化する。これらの理由により、紫外線硬化型接着剤を用いてパッケージに接着される場合は、窓材4に板状透明基板7はCuを実質的に含有しないことが好ましい。
また、凹凸形状部材8の材料として、含フッ素モノマーを含む樹脂モノマーを硬化させて得られた樹脂材を好適に用いることができる。含フッ素モノマーを含む樹脂モノマーにより凹凸形状部材8を形成する方法として、板状透明基板7上に樹脂モノマーを直接塗布し、凹凸を有する成型金型で樹脂モノマーを挟み込んだ後に紫外線等で硬化させ、成型金型を離型する方法や、板状透明基板7と成型金型とを対向させてできた空隙に樹脂モノマーを注入し硬化させる方法を用いてもよい。離型性を発生させるために成型金型に対して離型処理を施してもよいが、樹脂に含フッ素モノマーを含むものを用いると、成型金型に対する離型処理が不要になるので好ましい。含フッ素モノマー以外に、含フッ素界面活性剤及び含フッ素ポリマーを含む樹脂であってもよい。また、凹凸形状部材8の材料として、含フッ素モノマーを含む樹脂モノマーを硬化させて得られた樹脂材を用いることで、板状透明基板7との接着力が十分に確保され、耐久性も高いという利点もある。以下に使用可能な樹脂モノマーについて列記する。
(A)式CF2=CR1−Q−CR2=CH2で表される化合物(ただし、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基、または炭素数1〜3のフルオロアルキル基を示し、Qは酸素原子、式−NR3−(R3は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アルキルカルボニル基またはトシル基を示す。)で表される基、または官能基を有していてもよい2価有機基を示す。以下同様)、
(B)式(CH2=CXCOO)nRFで表される化合物(ただし、nは1〜4の整数を、Xは水素原子、フッ素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を、RFは炭素数1〜30のn価含フッ素有機基を、示す。)、が好ましい。
CF2=CFCH2CH(C(CF3)2OH)CH2CH=CH2、
CF2=CFCH2CH(C(CF3)2OH)CH=CH2、
CF2=CFCH2CH(C(CF3)2OH)CH2CH2CH=CH2、
CF2=CFCH2CH(CH2C(CF3)2OH)CH2CH2CH=CH2、
CF2=CFCH2C(CH3)(CH2SO2F)2CH2CH=CH2、
CF2=CFCF2C(CF3)(OCH2OCH2)CH2CH=CH2、
CF2=CFCF2C(CF3)(OH)CH=CH2、
CF2=CFCF2C(CF3)(OH)CH2CH=CH2、
CF2=CFCF2C(CF3)(OCH2OCH2CF3)CH2CH=CH2、
CF2=CFCF2C(CF3)(OCH2OCH3)CH2CH=CH2、
CF2=CFOCF2CF(O(CF2)3OC2H5)CH2CH=CH2、
CF2=CFOCF2CF(OCF2CF2CH2NH2)CH2CH=CH2、
CF2=CFOCF2CF(O(CF2)3CN)CH=CH2、
CF2=CFOCF2CF(OCF2CF2SO2F)CH2CH=CH2、
CF2=CFOCF2CF(O(CF2)3PO(OC2H5)2)CH2CH=CH2、
CF2=CFOCF2CF(OCF2CF2SO2F)CH2CH=CH2、
が挙げられる。
CH2=CHCOO2(CH2)2(CF2)8F、
CH2=CHCOO2(CH2)2(CF2)6F、
CH2=C(CH3)COO2(CH2)2(CF2)8F、
CH2=C(CH3)COO2(CH2)2(CF2)6F、
CH2=CHCOOCH2(CF2)7F、
CH2=C(CH3)COOCH2(CF2)7F、
CH2=CHCOOCH2CF2CF2H、
CH2=CHCOOCH2(CF2CF2)4H、
CH2=C(CH3)COOCH2CF2CF2H、
CH2=C(CH3)COOCH2(CF2CF2)4H、
CH2=CHCOOCH2CF2OCF2CF2OCF3、
CH2=CHCOOCH2CF2O(CF2CF2O)3CF3、
CH2=C(CH3)COOCH2CF2OCF2CF2OCF3、
CH2=C(CH3)COOCH2CF2O(CF2CF2O)3CF3、
CH2=CHCOOCH2(CF3)O(CF2CF(CF3)O)2(CF2)3CF、
CH2=C(CH3)COOCH2CF(CF3)O(CF2CF(CF3)O)2(CF2)3CF、
CH2=CHCOOCH2CF2O(CF2CF2O)6CF2CH2OCOCH=CH2、
CH2=C(CH3)COOCH2CF2O(CF2CF2O)6CF2CH2OCOC(CH3)=CH2、
CH2=CHCOOCH2(CF2)4CH2OCOCH=CH2、
CH2=C(CH3)COOCH2(CF2)4CH2OCOC(CH3)=CH2、
が挙げられる。
フツリン酸塩ガラスの各含有成分の含有量を上記の範囲を限定した理由は、以下の通りである。
また、上記フッ化物総合計量の50%までを酸化物に置換することが可能である。この場合、Oは耐熱衝撃性を高め、Cu2+イオンによるガラスの着色に寄与するが、50%を超えると溶融温度が高くなり、Cu2+の還元をまねき所望の分光透過特性が得られなくなる。
リン酸塩ガラスの各含有成分の含有量を上記の範囲を限定した理由は、以下の通りである。
また、窓材4の透光面の凹凸形状は異なる撮像装置100によって変えることができるが、コスト削減のため部品の共通化を図るため窓枠材2は共通形状にすることがよい。その場合、窓材4の縁の部分は平坦になっていると部品共通化がしやすくなり好ましい。なお、窓材4の平坦面は、図2に示す実施形態のように固体撮像素子3と対向する透光面の外周に形成してもよいし、図7に示す実施形態のようにレンズ群10と対向する透光面の外周に形成してもよい。
図4に図2に記載の実施形態の窓材4とパッケージの窓枠材2との接着部を拡大した拡大断面図を示す。窓枠材2と窓材4とは接着剤6にて接着されており、接着剤6の接合面からのはみ出しが窓材4の平坦面5よりも大きくなり窓材4の凹凸部分にはみ出さないようにし、またはみ出し量をほぼ均一になるようにすることが好ましい。これにより接着時の接着剤6の収縮などによる応力が均一になり、窓材4の凹凸形状にひずみを与え所望の凹凸形状が変化することを低減できる。接着剤6は特に制約が無くアクリル系やエポキシ系の接着剤や耐熱性のガラスフリットなど使用できる。
また、窓材4は、複数個に相当する大板の板状透明基板7上に同じく複数個に相当する凹凸形状部材8を形成し、これを切断して小片の窓材4を取り出すようにしてもよい。また、複数個に相当する凹凸形状部材8を形成してから、これを接着剤等を用いて板状透明基板7に貼り付け、これら一体となったものを切断して小片の窓材4を取り出すようにしてもよい。このようにすることで、窓材4の製造コストを大幅に削減することが可能である。なお、図5は、大板の板状透明基板7上に直接凹凸形状部材8を形成した窓材4を、切断ライン20に沿って切り出す製造方法を示す概念図である。
板状透明基板7は、得られるガラスが上記リン酸塩ガラスの組成範囲となるように原料を秤量、混合する。この原料混合物を白金ルツボに収容し、電気炉内において1100〜1350℃の温度で加熱溶解する。十分に攪拌・清澄した後、金型内に鋳込み、徐冷した後、切断・研磨して板状透明基板7を得る。
凹凸形状部材8は、前記板状透明基板7を洗浄、乾燥後、一方の表面に含フッ素モノマーを含む樹脂モノマーと板状透明基板7表面との接着力を向上させるためシランカップリング処理を施す。そして、シランカップリング処理を施した板状透明基板7表面に、フルオロアルキル基を有する含フッ素モノマーをアクリルモノマーに混合した材料を滴下し成型用型ではさみこむ。その際、板状透明基材7及び樹脂材料は減圧下に置き、成型用型を裏面から樹脂材料を大気圧により押しつけることにより、成型用型の凹凸形状に樹脂がくまなく充填されるようにする。成型用型を通して、紫外線照射することにより樹脂を硬化した後、成型用型を樹脂から離型する。以上により、板状透明基板7と凹凸形状部材8とが一体となった窓材4が得られる。
Claims (7)
- 平坦な透光面を有する板状透明基板と、その透光面の少なくとも1面に設けられた凹凸形状部材とを備えることを特徴とする固体撮像素子パッケージ用窓材。
- 前記凹凸形状部材は、樹脂材よりなることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子パッケージ用窓材。
- 前記樹脂材は、含フッ素モノマーを含む樹脂モノマーを硬化させて得られた樹脂材であることを特徴とする請求項2に記載の固体撮像素子パッケージ用窓材。
- 前記凹凸形状部材は、近赤外線カットフィルタガラスからなることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子パッケージ用窓材。
- 前記板状透明基板は、近赤外線カットフィルタガラスからなることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の固体撮像素子パッケージ用窓材。
- 前記板状透明基板は、α線放出量が0.005c/cm2・hr以下であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の固体撮像素子パッケージ用窓材。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の固体撮像素子パッケージ用窓材と、レンズ群と、該固体撮像素子パッケージ用窓材及び該レンズ群とを透過した光を受光する固体撮像素子とを備えることを特徴とする撮像装置。
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